JP2013133295A - 時計遺伝子発現調節剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、サーカディアンリズムの乱れに起因する障害(睡眠障害あるいは生体リズム障害)の症状または疾患を予防または改善・抑制することができる、生体リズム調節剤、睡眠改善剤、時計遺伝子発現調節剤、およびこれらを含む飲食品もしくは医薬品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、生体リズム調節剤、睡眠改善剤、時計遺伝子発現調節剤、およびこれらを含む飲食品もしくは医薬品を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤、睡眠改善剤、およびこれらを含む飲食品もしくは医薬品に関する。
サーカディアンリズムは、約24時間を1周期とするリズムであり、概日リズムとも呼ばれる、代表的な生体リズムである。サーカディアンリズムは不規則な就業体系(夜間勤務など)、長距離飛行などにより変調すること、および、生体リズムの変調が睡眠障害、不眠症、自律神経失調症、躁うつ病などの疾病を引き起こすことが知られている。これらの疾病の緩和に関し、薬理学的には様々な検討はなされているが、副作用の問題が指摘されている。そのため、副作用のない日常的に摂取可能で安全な緩和剤が求められている。
サーカディアンリズムの主要な調節組織は中枢組織における視交叉上核(SCN)であるが、末梢組織においても時計遺伝子がサーカディアンリズムを伴って発現していることが明らかにされている(非特許文献1)。末梢組織(肝臓)の時計遺伝子発現は、高脂血症薬であるFibrateにより変動し、その結果マウスの日内行動パターンが変動することも報告されている(非特許文献2)。
時計遺伝子は、サーカディアンリズムを制御する遺伝子であり、主にラットやマウスで研究が進められている。各時計遺伝子の制御関係および日周変動は末梢の脂肪組織において以下の通りであることが知られている。CLOCKとBmalは複合体(Bmal−CLOCK複合体)を形成して働くことが知られているが、CLOCKは日周変動が小さいのに対し、Bmalの発現は午前中で上昇し夕方からは低下する。夕方のBmalの発現低下とともに、CryおよびPerの発現が増加してフィードバック機構が働き、BmalおよびCLOCKの複合体の機能が抑制される。抑制されると生体内におけるPerおよびCryの量が減少し、今度はBmalおよびCLOCKの複合体の抑制機構が弱まり、再びBmalの発現が上昇する。Rev−ErbαおよびDecは、CryおよびPerと同様にBmal−CLOCK複合体の機能を抑制し、夕方頃の発現量が増加する(フィードバック機構)。CK1εおよびCK1δは、PER/CRYタンパク複合体の形成を抑制すると共に、Perタンパク質をリン酸化し、プロテアソームによるタンパク質分解を誘導する。このリズムを1周期とした日周リズムが存在していることが知られている(非特許文献3)。
サーカディアンリズムの制御機能を有しかつ食用可能な物質としては、アスタキサンチンが報告されている(特許文献1)。
一方、フコキサンチンはカロテノイド類の一種であり、これまでに抗肥満・抗糖尿病作用(非特許文献4)、抗がん作用(非特許文献5)、生体内抗酸化作用(非特許文献6)、血管新生抑制作用(非特許文献7)、抗炎症作用(非特許文献8)などが報告されている。
国際公開第01/087291号
Yamazaki et al.:Science,288,p682,2000 Shirai et al.:Biochemical and Biophysical Research Communications,357,p679,2007 脳と遺伝子の生物時計 井上愼一 著 共立出版、2004年3月25日 Maeda H,Hosokawa M,Sashima T,Miyashita K.Dietary combination of fucoxanthin and fish oil attenuates the weight gain of white adipose tissue and decreases blood glucose in obese/diabetic KK−Ay mice.J Agric Food Chem.55(19):7701−6(2007). Kotake−Nara E,Kushiro M,Zhang H,Sugawara T,Miyashita K,Nagao A.Carotenoids affect proliferation of human prostate cancer cells.J Nutr.131(12):3303−6(2001). Sachindra NM,Sato E,Maeda H,Hosokawa M,Niwano Y,Kohno M,Miyashita K.Radical scavenging and singlet oxygen quenching activity of marine carotenoid fucoxanthin and its metabolites.J Agric Food Chem.2007 Oct 17;55(21):8516−22. Sugawara T,Matsubara K,Akagi R,Mori M,Hirata T.Antiangiogenic activity of brownalgae fucoxanthin and its deacetylated product,fucoxanthinol.J Agric Food Chem.54(26):9805−10(2006). Shiratori K,Ohgami K,Ilieva I,Jin XH,Koyama Y,Miyashita K,Yoshida K,Kase S,Ohno S.Effects of fucoxanthin on lipopolysaccharide−induced inflammation in Vitro and in vivo.Exp Eye Res.81(4):422−8 (2005).
しかし特許文献1の実施例1(特許文献1第12頁〜第13頁)および実施例4(特許文献1第15頁)ではアスタキサンチンをラットに投与すると、明期の活動が低下することが示されているに過ぎず、アスタキサンチンによる日内リズムの制御が十分であるとは言えないものであった。一方、フコキサンチンの時計遺伝子、生体リズム、睡眠への作用は、これまで知られていなかった。
本発明は、時計遺伝子の発現を調節することにより上記時計遺伝子間の制御機構を正常化または正常に維持し、生体リズムを調節し、睡眠を改善する作用を有し、飲食品および医薬品として有用な有効成分を提供することを目的とする。
本発明は、下記〔1〕〜〔4〕を提供する。
〔1〕フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する時計遺伝子発現調節剤。
〔2〕フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する生体リズム調節剤。
〔3〕フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する睡眠改善剤。
〔4〕上記〔1〕に記載の生体リズム調節剤、上記〔2〕に記載の睡眠改善剤、または〔3〕に記載の時計遺伝子発現調節剤を含む飲食品または医薬品。
本発明によれば、優れた時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤が提供される。本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤は、従来より食用とされてきた褐藻類に含まれるフコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分としているので、飲食品および医薬品として日常的に摂取でき、長期間服用しても安全である。
本発明の時計遺伝子発現調節剤は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする。
フコキサンチン(Acetic acid[(1S,3R)−3−hydroxy−4−[(3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E)−18−[(1S,4S,6R)−4−hydroxy−2,2,6−trimethyl−7−oxabicyclo〔4.1.0〕heptan−1−yl]−3,7,12,16−tetramethyl−17−oxooctadeca−1,3,5,7,9,11,13,15−octaenylidene]−3,5,5−trimethylcyclohexyl]ester)は、非プロビタミンA類のカロテノイドの一種であり、以下の式で表されるとおり、アレン構造、エポキシドおよびヒドロキシル基を有している。フコキサンチンは1以上の水素原子に代えて置換基を有していてもよい(例えば、フコキサンチノールなど)。また、フコキサンチンは薬理学的に許容される塩の形態であってもよい。
Figure 2013133295
フコキサンチンは、昆布、ひじき、ワカメなどの褐藻類に微量に含まれているが、本発明において用いられるフコキサンチンの取得方法に限定はない。例えば、上記褐藻類から抽出したフコキサンチン、化学合成など人工的な方法で合成したフコキサンチン、遺伝子組み換えにより得られるフコキサンチンのいずれを用いてもよい。またフコキサンチンの市販品を用いてもよい。更に、様々な取得方法で得られる2種以上のフコキサンチンを組み合わせて用いてもよい。
薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、又はパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸塩が挙げられる。
時計遺伝子発現調節剤は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有していればよい。その配合量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限は無く、また適応される被投与生体の年齢、状態などの種々の要因により適宜変えることができる。目的の効果を得る好ましい投与量としては、0.03mg/mL以上であることが好ましく、0.3mg/mL以上であることがより好ましい。上限は特に規定されないが、通常は3mg/mL以下である。
本発明の時計遺伝子発現調節剤は、時計遺伝子の発現を調節する。時計遺伝子とは、生体リズム、中でもサーカディアンリズムをつかさどる遺伝子であり、概日リズム制御遺伝子とも呼ばれる。時計遺伝子としては、Cry遺伝子(Cry、Cryptochrome)〔Cry1、Cry2など〕、Clock遺伝子(CLOCK)、Dec遺伝子(Dec)、Rev−erb遺伝子(Rev−erb)〔Rev−Erbα遺伝子など〕、CK1遺伝子(CK1、Casein Kinase 1)〔CK1ε、CK1δなど〕、Bmal遺伝子(Bmal)、Per遺伝子(Per、Period)、が挙げられる。これらの遺伝子は、ヒト、マウスなど様々な動物が有していることが知られている。
時計遺伝子の「発現を調節する」とはサーカディアンリズム等の生体リズムの維持または正常化を図るための発現の調節(活性化または抑制化)を意味する。例えば背景技術の欄で述べたようなサーカディアンリズムへの各時計遺伝子の制御関係を、正常化、または正常な状態を維持することなどが挙げられる。個々の遺伝子の発現が活性化されるか、または抑制化されるかについては、遺伝子の種類だけでなく、同じ遺伝子であっても日周変動時期によっても異なり、一概に特定できない。
本発明の時計遺伝子発現調節剤は、中枢組織または末梢組織の時計遺伝子発現を調節し、サーカディアンリズムを調節することができ、更に生体リズム全体を調節することができる。従って、本発明は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する生体リズム調節剤をも提供する。人間だけでなく地球上の生物すべてが地球の公転や自転に合わせた生理的なリズムを有しており、それらは一般に生体リズムと総称されている。生体リズムの中で最も基本的なものは、ほぼ1日を周期とする変動であってサーカディアンリズムと呼ばれる。本発明において生体リズムを調節するとは、崩れている生体リズムのバランスを正常に戻すこと、生体リズムのバランスが正常な場合にそれを維持することを意味する。本発明の生体リズム調節剤におけるフコキサンチンの種類、製法、量に関しては、時計遺伝子発現調節剤に関して説明したのと同様である。
本発明の生体リズム調節剤は、生体リズムを調節することにより、睡眠の改善を図ることができる。従って、本発明は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する睡眠改善剤をも提供する。本発明において睡眠を改善するとは、睡眠時間の延長、睡眠の質の改善、正常な睡眠時間の維持、正常な睡眠の質の維持を意味する。睡眠の質とは、睡眠により疲れた身体および脳を休めることができることを意味し、例えば、就寝からノンレム睡眠出現までの時間(入眠潜時)、睡眠初期のノンレム睡眠の深さ、睡眠時間全体に占めるノンレム睡眠時間の割合、起床時の眠気のなさ、寝つき並びに熟眠感、夢見、睡眠時間の満足感および疲労感などを意味する。本発明の睡眠改善剤におけるフコキサンチンの種類、製法、量に関しては、時計遺伝子発現調節剤に関して説明したのと同様である。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤は、そのままの形態で、最終製品(例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品など)として用いることもできる。また、飲食品用の添加剤、医薬用の添加剤、医薬部外品用の添加剤として用いることができる。これにより、飲食品、医薬品として、時計遺伝子発現調節効果、生体リズム調節効果、および睡眠改善効果を付与することができる。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤は、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分としていればよく、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩以外の成分を有していてもよい。その他の成分の一例としては、主に貯蔵および流通における安定性を確保する成分(例えば保存安定剤など)が挙げられる。その他、目的の最終製品(例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品など)を構成する諸成分から選ばれる1または2以上の種類の成分(好ましくは1〜3種類程度、より好ましくは1種類程度)を含有していてもよい。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤に含まれ得る、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩以外の成分(薬理学的に許容される基剤)は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されない。例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤、着香剤、酸化防止剤、防腐剤、呈味剤、酸味剤、甘味剤、強化剤、ビタミン剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤などの中から、製剤に必要な諸特性(例えば、製剤安定性)を損なわないものであって、最終製品(例えば、医薬品、医薬部外品、飲食品)の剤形に応じたものを1種または2種以上選択することができる。また、フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩以外の成分は、時計遺伝子発現調節効果、生体リズム調節効果または睡眠改善効果を有する他の成分であってもよい。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤は、そのままの形態で、最終製品(例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品など)として用いることができる。また、飲食品用の添加剤、医薬用の添加剤、医薬部外品用の添加剤として用いることができる。これにより、飲食品、医薬品として、時計遺伝子発現調節効果、生体リズム調節効果および睡眠改善効果を付与することができる。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤の投与形態は特に限定されない。例えば、経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与など)などが挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、経口投与であることがより好ましい。本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤を飲食品として用いる場合には、経口投与されることがさらに好ましい。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤の剤形は、飲食品、医薬品および医薬部外品のいずれとするかによって適宜決定することができ、特に限定されない。経口投与される際の剤形の例としては、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)錠剤(錠剤)、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒、細粒)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、固形状、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられる。これらのうち、粒状、カプセル状、粉末状、ソフトカプセル状、固形状が好ましく、粒状(錠剤)がより好ましい。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤の投与時期は特に限定されない。
本発明によれば、時計遺伝子の発現調節が可能であり、さらに生体リズムの調節、睡眠改善が可能である。よって、睡眠障害、不眠症、自律神経失調症、躁うつ病などを、予防または緩和できる。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤の摂取対象者は特に限定されないが、例えば、夜更かし、深夜勤務、睡眠不足などによる不調を感じている対象者、熟睡できないと感じている対象者に適している。また、特段の不安などがない対象者であっても、時計遺伝子発現調節、生体リズム調節、睡眠改善などを目的として日常的に摂取することができる。
本発明の時計遺伝子発現調節剤、生体リズム調節剤および睡眠改善剤は、各種飲食品として利用することができる。例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料など)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベットなど)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、チーズ、マーガリン、発酵乳など)、スープ(粉末状スープ、液状スープなど)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアルなど)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆなど)が挙げられる。更に、本発明のPTH2R遺伝子発現抑制剤は、健康食品、機能性食品、栄養補助食品(サプリメント)、特定保健用食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の飲食品として利用することもできる。
本発明において時計遺伝子の発現調節は、例えば、マウス、ラットなどの実験動物にサンプルを投与後、組織をサンプリングし、組織中の時計遺伝子の発現を投与していない実験動物のサンプルとの間で時計遺伝子の発現量を比較することにより確認できる。
実施例1および比較例1(時計遺伝子の発現変化の解析)
動物としてKKAyマウス4週齢(メス)を使用し、無添加群とフコキサンチン添加群とに分けた。実験飼料としてはAIN−93G(コントロール飼料:大豆油13.51質量%含有;フコキサンチンを含む実験飼料:大豆油13.31質量%+フコキサンチン(メーカー名:オリザ油化株式会社、商品名:フコキサンチンP1)0.2質量%(AI
))を使用した。
フコキサンチン添加群についてはコントロール飼料を用いて1週間の予備飼育の後、フコキサンチンを含む実験飼料を用いて4週間飼育した。無添加群については1週間の予備飼育期間およびその後の4週間の飼育期間を通じてコントロール飼料のみを用いた。12時間絶食の後解剖し(朝8時)、子宮周囲脂肪(白色脂肪)組織を採取した。その後、速やかに得られた子宮周囲脂肪(白色脂肪)組織をRNAレイターに浸漬し、ファルマフロンティア社に送付した。無添加群と、フコキサンチン添加群とについて、各群n=6〜7としたが、マイクロアレイ解析には各群から子宮周囲脂肪の重量が平均的な2匹を選定し、それらのサンプルをプールしてマイクロアレイ解析に供した。Affymetrix社のプロトコルに従って、GeneChip工程およびArrayのスキャンを実施した。ChipはMouse genome Array 430 2.0を用いた。また、スキャンの際はGeneChip3000Scannerを用いて画像データを取得し、GeneChipデータ解析システムGCOS(GeneChip Operating Software)を用いて、取得した各サンプルのArray画像データを確認した。また、GeneChipデータ解析ソフトウェアExpression Consoleを用いて遺伝子発現量(Signal)を数値として抽出した。さらに、GCOSを用いて、フコキサンチン添加群と無添加群とでComparison Analysisを実施し、変動倍率(Signal Log Ratio=log2(フコキサンチン添加群のシグナル/無添加群のシグナル))を算出した。
Figure 2013133295
表1の通り、フコキサンチン添加群において、コントロール群に対しDec、Cry2、Dec、CLOCK遺伝子の発現上昇が認められた。CLOCK遺伝子は昼頃から発現が増強し機能が強くなるCLOCK/Bmal複合体のうちの一つであるが、解剖は朝8時に行ったにもかかわらず、CLOCK遺伝子の発現は増強している。また、Dec、Rev−ErbαはCLOCK/Bmal複合体の機能抑制に働くが、これらの遺伝子は上昇しており、時計遺伝子相互間の制御機構における夕方頃の位相に合うように変化しているものと考察できる。従って、表1に示す各遺伝子の発現上昇はサーカディアンリズムにおいてCLOCK/Bmal複合体の機能抑制のステップであることを示し、位相変化が起こっているパターンが変化していることを示すものと推測される。従って、これらの結果は、本発明の時計遺伝子調節剤が各時計遺伝子の制御関係を調節し、これにより生体リズムの調節、睡眠改善が可能であることを意味している。

Claims (4)

  1. フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する時計遺伝子発現調節剤。
  2. フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する生体リズム調節剤。
  3. フコキサンチンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する睡眠改善剤。
  4. 請求項1に記載の時計遺伝子発現調節剤、請求項2に記載の生体リズム調節剤、または請求項3に記載の睡眠改善剤を含む飲食品もしくは医薬品。
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