JP2013132568A - 汚染物質含有水の浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】重金属その他のイオン性物質の汚染物質を水から除去することが出来る汚染物質含有水の浄化方法を提供しようとするもの。
【解決手段】汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめることにより被処理水を浄化する電圧印加工程と、電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるイオン性物質離脱工程と、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するイオン性物質含有水排出工程とを具備することを特徴とする。前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにしてもよい。
【選択図】図1
Description
この発明は、食塩、放射性物質、重金属類その他のイオン性の汚染物質含有水の浄化方法に関するものである。
従来、所定区域からの汚染物質の排出を抑制することによって汚染された土壌を資源として再利用する装置および方法に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、油や重金属に汚染された土壌を汚染区域内で安全にかつ確実で、素早く大量に安価な方法で無害化する対策が検討されて来た。
そして汚染された土壌を掘削し、汚染区域外に搬出除去し、別に新たな土壌を搬入して入れ替える方法があるが、この方法は、そのサイト内の汚染は確実に取り除く事が出来るが、搬出した土壌の受け入れ先の対策の問題や運搬中に起きる可能性のあるリスクの問題、また入れ替え土壌による環境変化によって起きる別な種の土壌汚染問題が発生する可能性があり、安全面に問題がある。
また、汚染サイト内での対策方法では、汚染物質を物理的または化学的に固定し、長期的に安定化させる方法があり、汚染区域外に搬出除去する方法に比べ、対策費用が安価で汚染区域外におけるリスクが無いと言う利点があるが、汚染物質を完全に除去した訳ではないため、土地所有者や周辺住民からなかなか受け入れられないのが現状である。
その他、土壌汚染問題の対策方法に、土壌を薬品や水で洗浄し、汚染物質を抽出除去し、洗浄した土壌をサイト内に埋め戻す方法があるが、この方法は、汚染物質の除去率を高める為、大掛かりな洗浄設備が必要となり、対策設備に費用が掛かる。また狭い汚染サイトの場合には対応出来ない場合があった。
前述の如き洗浄設備では、十分な効果が得られないばかりか洗浄後の再利用は困難であり、洗浄処理済みの産業廃棄物として処理を余儀なくされてきた。加えて、洗浄液や浄化剤として使用される薬品は一般的に高価であるため、大量に処理しなければならない重金属含有土壌の処理に使用すると費用が莫大なものとなり、経済的にも問題があった。また前述の洗浄技術のような従来の技術では、洗浄に使用された洗浄水を「再利用」することができない点では、浄化作業に対する水質環境浄化、産業廃棄物の発生抑制に対しては、あまり効果は期待できないのが現状である。
このような中で、近年、国の政策により、河川、湖沼の窒素、リンの過多による富栄養化に伴う生態系の破壊やアオコの大量発生による問題や、工場排水中の様々な有害物質での水質汚濁による水質環境浄化に伴う産業廃棄物の発生抑制についても考える必要がある。また、廃棄物の最終処分場の枯渇問題も軽視できない。したがって、汚染浄化技術による環境改善と同時に、産業廃棄物の発生抑制を無視して汚染浄化技術のみを追求することは許されない状況にある。
そこで、この提案の課題は、高性能小スペースな土壌洗浄設備を用いて、有害物質に汚染された土壌中の有害重金属類、油類等の汚染物質の洗浄除去を行い、洗浄後の土壌を環境基準以下に改善し、且つ使用後の洗浄水を再生し、再利用することにより、低コストで、低環境負荷型の土壌洗浄システムを提供すると共に、産業廃棄物の発生抑制効果を向上し得る有害排出物処理剤を用いた汚染土壌の処理方法を提供することにある。
この提案は、土壌洗浄装置に使用する水の温度を汚染物質と環境条件に応じて、20℃〜50℃に加温保持することを特徴とする土壌洗浄装置であって、土壌の粒度を分級しながら洗浄する多段式の分級洗浄装置を有し、細砂、細粒状となった汚染土壌に水流を与え、汚染物質を土壌粒子から洗浄水に移行させて気泡と共に浮上させて洗浄水と土壌粒子とを分離させるものであり、前記発明の洗浄水の再処理方法として、汚染土壌洗浄装置から排出される汚染物質を含む洗浄排水の汚染物質を吸着させると同時に排水中に含まれる汚染物質を凝集分離する汚染物質凝固剤を使用する処理装置にて土壌洗浄装置から排水される洗浄水を浄化し、その洗浄水を汚染土壌用洗浄水として再利用することにより、連続的に処理を行うことが出来るものである。
この提案によってできる洗浄水は、水質、例えば化学薬品等を使用してpHを調整するような環境を害する行為を行うものではなく、水を加温し、温度を20℃〜50℃にし、さらに分子を細分化させ水本来の性質を改善することにより、大幅に安価に確実に汚染物質を土壌粒子から剥離することが可能であるという格別優れた効果を奏する、というものである。
しかし、汚染物質を土壌粒子から剥離することが可能であるというものの、依然として汚染物質は水中に存在するという問題があった。
特開2011−110548号公報
すなわち、油や重金属に汚染された土壌を汚染区域内で安全にかつ確実で、素早く大量に安価な方法で無害化する対策が検討されて来た。
そして汚染された土壌を掘削し、汚染区域外に搬出除去し、別に新たな土壌を搬入して入れ替える方法があるが、この方法は、そのサイト内の汚染は確実に取り除く事が出来るが、搬出した土壌の受け入れ先の対策の問題や運搬中に起きる可能性のあるリスクの問題、また入れ替え土壌による環境変化によって起きる別な種の土壌汚染問題が発生する可能性があり、安全面に問題がある。
また、汚染サイト内での対策方法では、汚染物質を物理的または化学的に固定し、長期的に安定化させる方法があり、汚染区域外に搬出除去する方法に比べ、対策費用が安価で汚染区域外におけるリスクが無いと言う利点があるが、汚染物質を完全に除去した訳ではないため、土地所有者や周辺住民からなかなか受け入れられないのが現状である。
その他、土壌汚染問題の対策方法に、土壌を薬品や水で洗浄し、汚染物質を抽出除去し、洗浄した土壌をサイト内に埋め戻す方法があるが、この方法は、汚染物質の除去率を高める為、大掛かりな洗浄設備が必要となり、対策設備に費用が掛かる。また狭い汚染サイトの場合には対応出来ない場合があった。
前述の如き洗浄設備では、十分な効果が得られないばかりか洗浄後の再利用は困難であり、洗浄処理済みの産業廃棄物として処理を余儀なくされてきた。加えて、洗浄液や浄化剤として使用される薬品は一般的に高価であるため、大量に処理しなければならない重金属含有土壌の処理に使用すると費用が莫大なものとなり、経済的にも問題があった。また前述の洗浄技術のような従来の技術では、洗浄に使用された洗浄水を「再利用」することができない点では、浄化作業に対する水質環境浄化、産業廃棄物の発生抑制に対しては、あまり効果は期待できないのが現状である。
このような中で、近年、国の政策により、河川、湖沼の窒素、リンの過多による富栄養化に伴う生態系の破壊やアオコの大量発生による問題や、工場排水中の様々な有害物質での水質汚濁による水質環境浄化に伴う産業廃棄物の発生抑制についても考える必要がある。また、廃棄物の最終処分場の枯渇問題も軽視できない。したがって、汚染浄化技術による環境改善と同時に、産業廃棄物の発生抑制を無視して汚染浄化技術のみを追求することは許されない状況にある。
そこで、この提案の課題は、高性能小スペースな土壌洗浄設備を用いて、有害物質に汚染された土壌中の有害重金属類、油類等の汚染物質の洗浄除去を行い、洗浄後の土壌を環境基準以下に改善し、且つ使用後の洗浄水を再生し、再利用することにより、低コストで、低環境負荷型の土壌洗浄システムを提供すると共に、産業廃棄物の発生抑制効果を向上し得る有害排出物処理剤を用いた汚染土壌の処理方法を提供することにある。
この提案は、土壌洗浄装置に使用する水の温度を汚染物質と環境条件に応じて、20℃〜50℃に加温保持することを特徴とする土壌洗浄装置であって、土壌の粒度を分級しながら洗浄する多段式の分級洗浄装置を有し、細砂、細粒状となった汚染土壌に水流を与え、汚染物質を土壌粒子から洗浄水に移行させて気泡と共に浮上させて洗浄水と土壌粒子とを分離させるものであり、前記発明の洗浄水の再処理方法として、汚染土壌洗浄装置から排出される汚染物質を含む洗浄排水の汚染物質を吸着させると同時に排水中に含まれる汚染物質を凝集分離する汚染物質凝固剤を使用する処理装置にて土壌洗浄装置から排水される洗浄水を浄化し、その洗浄水を汚染土壌用洗浄水として再利用することにより、連続的に処理を行うことが出来るものである。
この提案によってできる洗浄水は、水質、例えば化学薬品等を使用してpHを調整するような環境を害する行為を行うものではなく、水を加温し、温度を20℃〜50℃にし、さらに分子を細分化させ水本来の性質を改善することにより、大幅に安価に確実に汚染物質を土壌粒子から剥離することが可能であるという格別優れた効果を奏する、というものである。
しかし、汚染物質を土壌粒子から剥離することが可能であるというものの、依然として汚染物質は水中に存在するという問題があった。
そこでこの発明は、重金属その他のイオン性物質の汚染物質を水から除去することが出来る汚染物質含有水の浄化方法を提供しようとするものである。
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の汚染物質含有水の浄化方法は、汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめることにより被処理水を浄化する電圧印加工程と、電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるイオン性物質離脱工程と、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するイオン性物質含有水排出工程とを具備することを特徴とする。
(1)この発明の汚染物質含有水の浄化方法は、汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめることにより被処理水を浄化する電圧印加工程と、電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるイオン性物質離脱工程と、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するイオン性物質含有水排出工程とを具備することを特徴とする。
浄化対象の水として、海水、化学工場、半導体製造工場、液晶製造工場その他の排水、廃水、排液、廃液、重金属汚染水、放射性物質汚染水などを例示することが出来る。ここで、水からイオン性物質を低減乃至除去することを浄化と称する。また、水がイオン性物質を含有することを、たとえそのイオン性物質が無害なものであっても汚染と称する。
前記イオン性物質として、食塩、放射性セシウム、放射性ヨウ素、ウラン、プルトニウムなどの放射性物質、鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマス、フッ素、ホウ素、セレン、シアン、アンチモンなどの重金属類を例示することができる。
前記イオン性物質として、食塩、放射性セシウム、放射性ヨウ素、ウラン、プルトニウムなどの放射性物質、鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマス、フッ素、ホウ素、セレン、シアン、アンチモンなどの重金属類を例示することができる。
前記イオン性物質として、特に海水中の食塩(ナトリウム、塩素)を上げることが出来る。また、前記イオン性物質(放射性セシウムその他)は、例えば土壌中に含まれていることがある。具体的には、土壌中の土石、礫の表面に付着していたり、シルト質・粘土質の層中に吸着されていることがある。また、土壌には生物の屍骸その他の有機物が含まれていることがあるが、この有機物にイオン性物質が吸着していることがある。
電圧印加工程では、汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめ、具体的には陽イオンを陰極電極に吸着し、陰イオンを陽極電極に吸着して被処理水を浄化することが出来る。
電圧印加工程では、汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめ、具体的には陽イオンを陰極電極に吸着し、陰イオンを陽極電極に吸着して被処理水を浄化することが出来る。
例えば、イオン性物質として食塩を含有する海水を浄化対象とすると、ナトリウムイオンは陰極に吸着し、塩素イオンは陽極に吸着することになる。また、イオン性物質として放射性セシウムを含有する土壌に水を及ぼすと、土は泥状に変化して水中に拡散して分散し、相対的に比重が重い土石や礫は水底に沈む。電気分解によりシルト質・粘土質から弾き出されたイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)は電極に吸着することとなる。
さらに、土壌に含まれる有機物が水中に分散し、この有機物が電圧印加工程における電気分解によって酸化分解され土壌が実質的に減容化されることになる。そして、有機物に吸着されていたイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)は、電気分解により水中に放出されて電極に吸着することとなる。
さらに、土壌に含まれる有機物が水中に分散し、この有機物が電圧印加工程における電気分解によって酸化分解され土壌が実質的に減容化されることになる。そして、有機物に吸着されていたイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)は、電気分解により水中に放出されて電極に吸着することとなる。
ここで、電流値を上げると電圧値も上昇し、これに従い水温が上昇し、電極へのイオン性物質の吸着量が少なくなる傾向があるので、電圧値としては1〜5Vの範囲が好ましい。
イオン性物質離脱工程では、電極に吸着・堆積したイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)を電極から残留被処理水中に離脱せしめるようにした。電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにしたり、酸を及ぼすようにすることが出来る(後述)。
そして、イオン性物質含有水排出工程では、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するようにしたので、この工程においてイオン性物質を濃縮した状態で水から分離することが出来る。
これにより、海水(塩水)淡水化や、放射性物質に汚染された土壌や湖水、河川水などの除染・浄化を行うことが出来る。
イオン性物質離脱工程では、電極に吸着・堆積したイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)を電極から残留被処理水中に離脱せしめるようにした。電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにしたり、酸を及ぼすようにすることが出来る(後述)。
そして、イオン性物質含有水排出工程では、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するようにしたので、この工程においてイオン性物質を濃縮した状態で水から分離することが出来る。
これにより、海水(塩水)淡水化や、放射性物質に汚染された土壌や湖水、河川水などの除染・浄化を行うことが出来る。
(2) 前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにしてもよい。
イオン性物質が陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)の場合、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオンを、陰極から反転させた陽極との電気的斥力によって離脱させ、この陽イオンを残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。
イオン性物質が陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)の場合、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオンを、陰極から反転させた陽極との電気的斥力によって離脱させ、この陽イオンを残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。
一方、イオン性物質が陰イオン(塩素、放射性ヨウ素、フッ素、シアンなど)の場合、陽極に電気的引力で吸着・堆積されていた陰イオンを、陽極から反転させた陰極との電気的斥力によって離脱させ、この陰イオン含有水を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。
ここで前記電極として、陽極、陰極ともに導電性セラミックス電極を用いることが出来る。
ここで前記電極として、陽極、陰極ともに導電性セラミックス電極を用いることが出来る。
(3)前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、酸を及ぼすようにしてもよい。
このように構成して酸を及ぼすことにより、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記酸として、塩酸、硫酸などを例示することが出来る。
このように構成して酸を及ぼすことにより、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記酸として、塩酸、硫酸などを例示することが出来る。
(4)前記電極に吸着したイオン性物質を前記電極から離脱せしめるため、アルカリを及ぼすようにしてもよい。
このように構成してアリカリを及ぼすことにより、陽極に電気的引力で吸着・堆積されていた陰イオン(塩素、放射性ヨウ素、フッ素、シアンなど)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記アルカリとして、水酸化ナトリウムなどを例示することが出来る。
このように構成してアリカリを及ぼすことにより、陽極に電気的引力で吸着・堆積されていた陰イオン(塩素、放射性ヨウ素、フッ素、シアンなど)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記アルカリとして、水酸化ナトリウムなどを例示することが出来る。
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
イオン性物質を濃縮した状態で水から分離することが出来るので、重金属その他のイオン性物質の汚染物質を水から除去することが出来る汚染物質含有水の浄化方法を提供することが出来る。
イオン性物質を濃縮した状態で水から分離することが出来るので、重金属その他のイオン性物質の汚染物質を水から除去することが出来る汚染物質含有水の浄化方法を提供することが出来る。
以下、この発明の実施の形態を説明する。
〔実施形態1〕
図1に示すように、この実施形態の汚染物質含有水の浄化方法は、汚染物質としてイオン性物質を含有する水(海水1)に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極(陽極2、陰極3)に吸着せしめることにより被処理水を浄化する電圧印加工程と、電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるイオン性物質離脱工程と、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するイオン性物質含有水排出工程とを具備する。
前記電極として、陽極2、陰極3ともに導電性セラミックス電極を用いることが出来る。図示のように有隔膜4で電圧を印加しても、無隔膜で電圧を印加するようにしてもよい。電極(陽極2、陰極3)と外部回路(図示せず)との間には導電性メッシュ5を介して電気の導通を行うようにしており、電極への略均一な通電を行うことが出来るようにしている。
〔実施形態1〕
図1に示すように、この実施形態の汚染物質含有水の浄化方法は、汚染物質としてイオン性物質を含有する水(海水1)に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極(陽極2、陰極3)に吸着せしめることにより被処理水を浄化する電圧印加工程と、電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるイオン性物質離脱工程と、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するイオン性物質含有水排出工程とを具備する。
前記電極として、陽極2、陰極3ともに導電性セラミックス電極を用いることが出来る。図示のように有隔膜4で電圧を印加しても、無隔膜で電圧を印加するようにしてもよい。電極(陽極2、陰極3)と外部回路(図示せず)との間には導電性メッシュ5を介して電気の導通を行うようにしており、電極への略均一な通電を行うことが出来るようにしている。
浄化対象の水として、海水、化学工場、半導体製造工場、液晶製造工場その他の排水、廃水、排液、廃液、重金属汚染水、放射性物質汚染水などを例示することが出来る。ここで、水からイオン性物質を低減乃至除去することを浄化と称する。また、水がイオン性物質を含有することを、たとえそのイオン性物質が無害なものであっても汚染と称する。
前記イオン性物質として、食塩、放射性セシウム、放射性ヨウ素、ウラン、プルトニウムなどの放射性物質、鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマス、フッ素、ホウ素、セレン、シアン、アンチモンなどの重金属類を例示することができる。
前記イオン性物質として、食塩、放射性セシウム、放射性ヨウ素、ウラン、プルトニウムなどの放射性物質、鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマス、フッ素、ホウ素、セレン、シアン、アンチモンなどの重金属類を例示することができる。
前記イオン性物質として、特に海水1中の食塩(ナトリウムイオン、塩素イオン)を上げることが出来る。また、前記イオン性物質(放射性セシウムその他)は、例えば土壌中に含まれていることがある。具体的には、土壌中の土石、礫の表面に付着していたり、シルト質・粘土質の層中に吸着されていることがある。また、土壌には生物の屍骸その他の有機物が含まれていることがあるが、この有機物にイオン性物質が吸着していることがある。
電圧印加工程では、汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめ、具体的には陽イオンを陰極電極に吸着し、陰イオンを陽極電極に吸着して被処理水を浄化することが出来る。
電圧印加工程では、汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめ、具体的には陽イオンを陰極電極に吸着し、陰イオンを陽極電極に吸着して被処理水を浄化することが出来る。
例えば、イオン性物質として食塩を含有する海水1を浄化対象とすると、ナトリウムイオンは陰極に吸着し、塩素イオンは陽極に吸着することになる。また、イオン性物質として放射性セシウムを含有する土壌に水を及ぼすと、土は泥状に変化して水中に拡散して分散し、相対的に比重が重い土石や礫は水底に沈む。電気分解によりシルト質・粘土質から弾き出されたイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)は電極に吸着することとなる。
さらに、土壌に含まれる有機物が水中に分散し、この有機物が電圧印加工程における電気分解によって酸化分解され土壌が実質的に減容化されることになる。そして、有機物に吸着されていたイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)は、電気分解により水中に放出されて電極に吸着することとなる。
さらに、土壌に含まれる有機物が水中に分散し、この有機物が電圧印加工程における電気分解によって酸化分解され土壌が実質的に減容化されることになる。そして、有機物に吸着されていたイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)は、電気分解により水中に放出されて電極に吸着することとなる。
土壌中の放射性物質は、砂礫の表面に付着したり、シルト質・粘土質の層中に入り込んで吸着していたり、有機物に吸着していたりする。そして、この土壌を水に及ぼして電圧を印加すると、砂礫の表面に付着していた放射性物質は離反して水中にイオン性物質として溶出することになり、有機物に付着していた放射性物質は有機物が酸化分解されることにより水中にイオン性物質として溶出することになり、シルト質・粘土質はナイマスに帯電しているので反発し合って水中に分散していたのが電圧を印加することにより凝集・沈殿し易くなる。
すなわち、もともと有機物や砂礫に付着していた放射性物質はイオン性物質として水中に溶解した後に電極に電気的に吸着されることとなる。一方、シルト質・粘土質は沈降・静置し、上澄み液と分離して固体として回収することにより放射能を濃縮することが出来る。そして、前記分離した上澄み液中には放射能は検知されなかった。電極に吸着された放射性物質は極性を反転して斥力を発生することにより電極から離反させて濃縮物(液)を得ることが出来た。
ここで、電流値を上げると電圧値も上昇し、これに従い水温が上昇し、電極へのイオン性物質の吸着量が少なくなる傾向があるので、電圧値としては1〜5Vの範囲が好ましい。
イオン性物質離脱工程では、電極に吸着・堆積したイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)を電極から残留被処理水中に離脱せしめるようにした。電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにした。
イオン性物質離脱工程では、電極に吸着・堆積したイオン性物質(食塩、放射性セシウムその他)を電極から残留被処理水中に離脱せしめるようにした。電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにした。
次に、この実施形態の汚染物質含有水の浄化方法の使用状態を説明する。
この汚染物質含有水の浄化方法は前記のように構成し、イオン性物質含有水排出工程では、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するようにしたので、この工程においてイオン性物質を濃縮した状態で水から分離することが出来、重金属その他のイオン性物質の汚染物質を水から除去することが出来るという利点がある。
これにより、海水1(塩水)淡水化や、放射性物質に汚染された土壌や湖水、河川水などの除染・浄化を行うことが出来る。
この汚染物質含有水の浄化方法は前記のように構成し、イオン性物質含有水排出工程では、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するようにしたので、この工程においてイオン性物質を濃縮した状態で水から分離することが出来、重金属その他のイオン性物質の汚染物質を水から除去することが出来るという利点がある。
これにより、海水1(塩水)淡水化や、放射性物質に汚染された土壌や湖水、河川水などの除染・浄化を行うことが出来る。
また、前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにしており、イオン性物質が陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)の場合、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオンを、陰極から反転させた陽極との電気的斥力によって離脱させ、この陽イオンを残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。
一方、イオン性物質が陰イオン(塩素、放射性ヨウ素、フッ素、シアンなど)の場合、陽極に電気的引力で吸着・堆積されていた陰イオンを、陽極から反転させた陰極との電気的斥力によって離脱させ、この陰イオン含有水を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。
〔実施形態2〕
上記実施形態1との相違点を中心に説明する。
前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、酸を及ぼすようにした。このように酸を及ぼすことにより、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記酸として、塩酸、硫酸などを例示することが出来る。
上記実施形態1との相違点を中心に説明する。
前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、酸を及ぼすようにした。このように酸を及ぼすことにより、陰極に電気的引力で吸着・堆積されていた陽イオン(ナトリウム、放射性セシウム、鉛など)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記酸として、塩酸、硫酸などを例示することが出来る。
また、前記電極に吸着したイオン性物質を前記電極から離脱せしめるため、アルカリを及ぼすようにした。このようにアリカリを及ぼすことにより、陽極に電気的引力で吸着・堆積されていた陰イオン(塩素、放射性ヨウ素、フッ素、シアンなど)を残留被処理水中に離脱せしめることが出来る。前記アルカリとして、水酸化ナトリウムなどを例示することが出来る。
〔実施形態3〕
次のようにして、海水の淡水化を行った。
図1に示すように、一段目(図示下段)の電圧印加装置6では、海水1を陰極3側に供給しており(塩素イオンが隔膜4を介して陽極2側に移行する)、陽極2側には水道水7を供給している(塩素イオンが隔膜4を介して移行してくる)。
そして、二段目(図示上段)の電圧印加装置8では、陰極3側には一段目の電圧印加装置6における陽極側処理水9を供給しており(ナトリウムイオンが隔膜4を介して陰極3側に移動して淡水10を排出する)、陽極2側に水道水7を供給しており食塩濃縮水11が排出される。
これにより、海水の淡水化を図ることが出来る。この方法によると、RO膜を使用する場合のような高圧を及ぼすことなく、海水淡水化を行うことが出来るという利点を有する。
次のようにして、海水の淡水化を行った。
図1に示すように、一段目(図示下段)の電圧印加装置6では、海水1を陰極3側に供給しており(塩素イオンが隔膜4を介して陽極2側に移行する)、陽極2側には水道水7を供給している(塩素イオンが隔膜4を介して移行してくる)。
そして、二段目(図示上段)の電圧印加装置8では、陰極3側には一段目の電圧印加装置6における陽極側処理水9を供給しており(ナトリウムイオンが隔膜4を介して陰極3側に移動して淡水10を排出する)、陽極2側に水道水7を供給しており食塩濃縮水11が排出される。
これにより、海水の淡水化を図ることが出来る。この方法によると、RO膜を使用する場合のような高圧を及ぼすことなく、海水淡水化を行うことが出来るという利点を有する。
この汚染物質含有水の浄化方法は、海水淡水化処理、メッキ排液や電気透析排液の浄化処理など種々の用途に適用することができる。
1 イオン性物質を含有する水(海水)
2 電極(陽極)
3 電極(陰極)
2 電極(陽極)
3 電極(陰極)
Claims (4)
- 汚染物質としてイオン性物質を含有する水に電圧を印加し電気的引力を及ぼして電極に吸着せしめることにより被処理水を浄化する電圧印加工程と、電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるイオン性物質離脱工程と、電極からイオン性物質が離脱した被処理水を排出するイオン性物質含有水排出工程とを具備することを特徴とする汚染物質含有水の浄化方法。
- 前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、電極の極性を反転するようにした請求項1記載の汚染物質含有水の浄化方法。
- 前記電極に吸着・堆積したイオン性物質を電極から残留被処理水中に離脱せしめるため、酸を及ぼすようにした請求項1又は2記載の汚染物質含有水の浄化方法。
- 前記電極に吸着したイオン性物質を前記電極から離脱せしめるため、アルカリを及ぼすようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の汚染物質含有水の浄化方法。
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JP2011282646A JP2013132568A (ja) | 2011-12-26 | 2011-12-26 | 汚染物質含有水の浄化方法 |
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JP2007536067A (ja) * | 2004-05-17 | 2007-12-13 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 洗浄方法及び洗浄系 |
-
2011
- 2011-12-26 JP JP2011282646A patent/JP2013132568A/ja active Pending
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