JP2013129790A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物、並びに、このゴム組成物をタイヤ部材に使用した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を付加し、該単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴムにグラフト重合させ、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、ヒドラゾン化合物と、窒素吸着比表面積(NSA)が40m/gを超え130m/g以下のカーボンブラック25〜65質量部とを含有することを特徴とするゴム組成物。
このゴム組成物を重荷重用空気入りタイヤのビード部4を巻き返している折返しカーカス被覆ゴムの内側及び外側に隣接してそれぞれ配置されパッド用ゴム6a,6bの少なくとも一方に使用したことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物、並びに、このゴム組成物をタイヤ部材に使用した空気入りタイヤ、特に、重荷重用空気入りタイヤのパッド用ゴムに使用した空気入りタイヤに関する。
近年のタイヤの大型化に伴い、タイヤの変形が大きくなってきており、トレッド等のタイヤの表面に配設される部材ではなく、タイヤを構造的に支える部材であるタイヤ部材、例えば、カーカス層、ベルト層、ビード、サイド補強層等には、一般に、耐久性、特に耐亀裂成長性及び低発熱性に優れることが要求されている。
一般に、大型車両用、オフザロード用等のラジアルタイヤにあっては、図1に示すような一般的な構造になっている。即ち、このタイヤ1は、トレッド部2と、その両側に連なる一対のサイドウォール部3、及び一対のビード4からなる。これらの各部は埋設したビード4の相互間に架装されるカーカス5と、そのカーカス5の外側でトレッド部2を強化する複数のスチールコードからなるベルト6を備えている。そして、カーカス5及びベルト6はスチールコード等の金属補強材に被覆ゴムを被覆してなるカーカスプライ層及びベルトプライ層からなっている。
また、このタイヤにあっては、ビード4を巻き返している折返しカーカス部5aの内側及び外側に隣接して配置され、上端がタイヤ高さの半分以下、下端がビード部の上端より上部に渡ってゴム物性に優れたパッドゴム6a,6bが配置されている。
ところで、近年の大型化に伴い重荷重のかかるタイヤにあっては、そのカーカスの折返し部の内側部分及び外側部分に走行時の発熱、歪み等が生じ易くなっている。このため、タイヤの折返しカーカス部の内側部分及び外側部分は走行中の温度上昇が著しい場合がある。かかる部分に配されるパッドゴムは温度上昇によりゴム物性が低下し、ゴムの発熱性及びテアー性(耐亀裂成長性)を著しく低下させることとなる。
そこで、ゴムの発熱性及びテアー性(耐亀裂成長性)を改良したゴム組成物やタイヤとしては、例えば、天然ゴム及び合成ゴムから選択される少なくとも1種からなるゴム成分100重量部と、1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物(HTS)0.05〜5重量部と、ヒドラゾン化合物0.05〜5重量部とを含有することを特徴とするゴム組成物(例えば、特許文献1参照)や、1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、該トレッドが、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が140〜200ml/100gであり、凝集体の重量平均径(Dw)と数平均径(Dn)との比(Dw/Dn)が1.80〜2.40であり、かつ比着色力(Tint)が、Tint≧0.100×窒素吸着比表面積(NSA)+93であるカーボンブラックと、ヒドラジド系化合物と、を含有するゴム組成物で形成されたことを特徴とする空気入りタイヤ(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1及び2のヒドラゾン化合物を配合したゴム組成物の使用では、弾性率が向上せず、また、耐テアー性の向上効果も小さい点に課題があり、更なる改良が切望されているのが現状である。
一方、本願出願人は、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を付加し、該単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴムにグラフト重合させ、凝固、乾燥してなる天然ゴム本来の特性を維持しながら臭気低減及び保存時の耐凍結性に優れた変性天然ゴム(例えば、特許文献3参照)を提案している。
しかしながら、上記特許文献3で示されるゴム組成物をパッドゴム用のタイヤ部材に用いても、弾性率が向上せず、また、耐テアー性の向上効果も小さい点に課題があるのが現状である。
特に、近年のタイヤの大型化に伴い、タイヤの変形が大きくなっており、折り返しコード被覆ゴムに対して入力を緩和するために配置されるパッドゴムの弾性率が低いことから、変形量が非常に大きくなり、パッドゴムの耐久性の向上が求められており、ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物、並びに、このゴム組成物をパッドゴムに適用した大型車両用などの重荷重用空気入りタイヤが切望されているのが現状である。
特開2002−146110号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2001−191720号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2004−359717号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物、並びに、このゴム組成物をタイヤ部材に使用した空気入りタイヤ、特に、折り返しコード被覆ゴムに対して入力を緩和するために配置されるパッドゴムに適用した大型車両用などに好適な重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、特定の変性天然ゴムを含むゴム成分に対して、特定のヒドラゾン化合物と特定物性のカーボンブラックとを含有するゴム組成物とすることにより、また、このゴム組成物をタイヤ部材、特に、折り返しコード被覆ゴムに対して入力を緩和するために配置されるパッドゴムに用いることにより、大型車両用などに好適な重荷重用空気入りタイヤが得られることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(8)に存する。
(1) 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を付加し、該単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴムにグラフト重合させ、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、ヒドラゾン化合物と、窒素吸着比表面積(NSA)が40m/gを超え130m/g以下のカーボンブラック25〜65質量部とを含有することを特徴とするゴム組成物。
(2) 前記ゴム組成物のゴム成分が、前記変性天然ゴムを100質量部中20質量部以上含むことを特徴とする上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 前記極性基含有単量体の極性基がアミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基及び含酸素複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) 前記変性天然ゴムにおける前記単量体のグラフト量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(5) 前記ヒドラゾン化合物の含有量が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(6) 上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
(7) トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビード部からなり、これらの各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になるカーカスと、該カーカスの外周でトレッド部を強化する4層以上スチールコード層からなるベルトとを備える重荷重用空気入りタイヤにおいて、該ビード部を巻き返している折返しカーカス被覆ゴムの内側及び外側に隣接してそれぞれ配置され、上端がタイヤ高さの半分以下、下端がビード部の上端より上部に配置されるパッド用ゴムの少なくとも一方に上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のゴム組成物を使用したことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
(8) タイヤリム径が25インチ以上であることを特徴とする上記(6)記載の重荷重用空気入りタイヤ。
本発明によれば、ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物、並びに、このゴム組成物をタイヤ部材に使用した空気入りタイヤ、特に、折り返しコード被覆ゴムに対して入力を緩和するために配置されるパッドゴムに使用した大型車両用などに適した弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できる重荷重用に好適な空気入りタイヤが提供される。
大型車両用空気入りタイヤの部分断面縦断面図である。
以下に、本発明の実施形態を発明ごとに詳しく説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を付加し、該単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴムにグラフト重合させ、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、ヒドラゾン化合物と、窒素吸着比表面積(NSA)が40m/gを超え130m/g以下のカーボンブラック25〜65質量部とを含有することを特徴とするものである。
本発明に用いる変性天然ゴムは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を付加し、該単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴムにグラフト重合させ、凝固、乾燥してなるものである。
上記変性天然ゴムに用いる天然ゴムラテックスとしては、特に限定されず、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱タンパク質ラテックス、及びこれらを組み合せたもの等の少なくとも1種を用いることができる。
上記天然ゴムラテックスに添加される極性基含有単量体は、分子内に少なくとも一つの極性基を有し、天然ゴム分子とグラフト重合できる限り、特に限定されるものでない。
用いる上記極性基含有単量体は、天然ゴム分子とグラフト重合するために、分子内に炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。上記極性基の具体例としては、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基及び含酸素複素環基を好適に挙げることができる。これら極性基を含有する単量体は、一種単独で用いてもよく、または、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記アミノ基を含有する単量体としては、例えば、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を含有する重合性単量体が挙げられる。該アミノ基を有する重合性単量体の中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等の第3級アミノ基含有単量体が特に好ましい。これらのアミノ基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記第1級アミノ基含有単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、4−ビニルアニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、第2級アミノ基含有単量体としては、例えば、(1)アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等のアニリノスチレン類、(2)アニリノフェニルブタジエン、1−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等のアニリノフェニルブタジエン類、(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等のN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
更に、第3級アミノ基含有単量体としては、N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレート及びN,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が特に好ましい。
また、上記N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物又はメタクリルアミド化合物等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が特に好ましい。
上記ニトリル基を含有する単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。これらニトリル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記ヒドロキシル基を含有する単量体としては、例えば、1分子中に少なくとも1つの第1級、第2級及び第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられる。かかる単量体としては、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルケトン系単量体等が挙げられる。ここで、ヒドロキシル基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば、2〜23である)のモノ(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましく、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が特に好ましい。ここで、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル、アミド、無水物等の誘導体が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸等のエステルが特に好ましい。これらヒドロキシル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記カルボキシル基を含有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類;フタル酸、コハク酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルのような遊離カルボキシル基含有エステル類及びその塩等が挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸類が特に好ましい。これらカルボキシル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記エポキシ基を含有する単量体としては、例えば、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらエポキシ基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記含窒素複素環基を含有する単量体において、該含窒素複素環としては、例えば、ピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。なお、該含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。ここで、含窒素複素環基としてピリジル基を含有する単量体としては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等のピリジル基含有ビニル化合物等が挙げられ、これらの中でも、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が特に好ましい。これら含窒素複素環基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明に用いる変性天然ゴムは、上記極性基含有単量体の天然ゴム分子へのグラフト重合を、例えば、乳化重合で行う。ここで、該乳化重合においては、一般的に、天然ゴムラテックスに水及び必要に応じて乳化剤を加えた溶液中に、上記単量体を加え、更に重合開始剤を加えて、所定の温度で撹拌して単量体を重合させることが好ましい。なお、上記単量体の天然ゴムラテックスへの添加においては、予め天然ゴムラテックス中に乳化剤を加えてもよいし、単量体を乳化剤で乳化した後に天然ゴムラテックス中に加えてもよい。なお、天然ゴムラテックス及び/又は単量体の乳化に使用できる乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
上記重合開始剤としては、特に制限はなく、種々の乳化重合用の重合開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に制限はない。一般に用いられる重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
なお、重合温度を低下させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いることが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤において、過酸化物と組み合せる還元剤としては、例えば、テトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。レドックス系重合開始剤における過酸化物と還元剤との好ましい組み合せとしては、tert−ブチルハイドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組み合せ等が挙げられる。
上記変性天然ゴムを含むゴム成分に、後述するカーボンブラック等を配合して、ゴム組成物の加工性を低下させることなく、低ロス性及び耐摩耗性を向上させるには、各天然ゴム分子に上記単量体が少量且つ均一に導入されることが重要であるため、上記重合開始剤の添加量は、上記単量体に対し1〜100mol%の範囲が好ましく、10〜100mol%の範囲が更に好ましい。
本発明に用いる変性天然ゴムは、上述した各成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜7時間反応させることで、天然ゴム分子に上記単量体がグラフト共重合した変性天然ゴムラテックスが得られる。そして、該変性天然ゴムラテックスを凝固し、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することで目的の変性天然ゴムが得られる。ここで、変性天然ゴムラテックスを凝固するのに用いる凝固剤としては、特に限定されるものではないが、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩が挙げられる。
上記変性天然ゴムラテックス及び変性天然ゴムにおいて、上記単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%の範囲が好ましく、0.1〜3.0質量%の範囲が更に好ましく、0.2〜1.0質量%の範囲がより一層好ましい。
この単量体のグラフト量が0.01質量%未満では、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性を十分に改良できないことがあり、一方、単量体のグラフト量が5.0質量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の物理特性を大きく変えてしまい、天然ゴム本来の優れた物理特性が損なわれると共に、ゴム組成物の加工性が大幅に悪化するおそれがある。
本発明に用いるゴム成分としては、上記変性天然ゴムを、ゴム成分100質量部中20質量部以上含有することが好ましい。
ゴム成分100質量部中に20質量部以上変性天然ゴムであれば、ゴム成分と、用いるカーボンブラックとの分散性が大幅に向上し、カーボンブラックの補強効果が十分に発揮されて、ゴム組成物の耐摩耗性及び低ロス性を大幅に向上させることができる。
上述の変性天然ゴム以外に用いることができるゴム成分としては、未変性の天然ゴム(NR)や、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等のジエン系合成ゴムを用いることができる。
(ご確認等下さい。)
本発明のゴム組成物に含有されるヒドラゾン化合物は、ゴム組成物の加硫戻りを抑制して、ゴム組成物の弾性率を低下させることなく、変性天然ゴムの作用との相乗により、更にゴム組成物の低発熱化を発揮することができる。
用いることができるヒドラゾン化合物としては、下記式(I)〜(III)で表されるヒドラゾン化合物が好ましい。
Figure 2013129790
Figure 2013129790
Figure 2013129790
上記式(I)〜(III)において、Aは、2価の芳香族環基(結合の位置は問わず、オルト位、メタ位、パラ位の何れでもよい)、ヒダントイン環基、又は炭素数0〜18の飽和若しくは不飽和の直鎖状炭化水素基(エチレン基、テトラメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、オクタデカメチレン基、7,11−オクタデカジエニレン基等)を表す。Bは、芳香族基(フェニル基、ナフチル基等)を表す。Xは、ヒドロキシ基又はアミノ基を表す。Yは、ピリジル基又はヒドラジノ基を表す。R〜Rは、水素原子、及び炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族環(置換基を有していてもよく、その場合の置換基の位置は問わない)であり、それぞれ互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(I)で表されるヒドラゾン化合物としては、例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ヒドラジドの誘導体であるイソフタル酸ジ(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、イソフタル酸ジ(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、イソフタル酸ジ(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、イソフタル酸ジ(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド等が挙げられる。また、これらの他、例えば、テレフタル酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イコサノイックジカルボン酸ジヒドラジド等の誘導体も挙げられる。これらの中でも、発熱性を悪化させることなくムーニー粘度を低減させることができる点で、イソフタル酸ジヒドラジドの誘導体が好ましい。
上記式(II)で表されるヒドラゾン化合物としては、例えば、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドの誘導体の他、N’−(1,3−ジメチルブチリデン)サリチル酸ヒドラジド、4−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、アントラニル酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドの各誘導体等が挙げられる。3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドの誘導体としては、例えば、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド等の3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド等が挙げられる。これらの中でも、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドの誘導体や、N’−(1,3−ジメチルブチリデン)サリチル酸ヒドラジドの誘導体は、発熱性を悪化させることなく、ムーニー粘度を低く抑えることができる点で好ましく、効果が顕著な点で、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドの誘導体である3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジドが特に好ましい。
上記式(III)で表されるヒドラゾン化合物としては、例えば、イソニコチン酸(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド等のイソニコチン酸ヒドラジドの誘導体の他、炭酸ジヒドラジドの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、イソニコチン酸ヒドラジドの誘導体は、発熱性を悪化させることなく、ムーニー粘度を低減させることができる点で好ましい。
上記式(I)〜(III)で表されるヒドラゾン化合物は、ゴム組成物の加硫戻りの抑制効果に優れ、弾性率を低下させることなく、前記ゴム成分として変性天然ゴムを含むゴム組成物に好適であり、高温加硫条件下でもその性能の低下が少ない。該ヒドラゾン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記式(I)〜(III)で表されるヒドラゾン化合物は、Pant,U.C.;Ramchandran,Reena;Joshi,B.C.Rev.Roum.Chim.(1979)24(3),471−82の文献に記載された方法に基いて製造することができる。
これらの式(I)〜(III)で表されるヒドラゾン化合物の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対し、好ましくは、0.1〜5.0質量部とすることが望ましい。
このヒドラゾン化合物の含有量が0.1質量部未満では、ゴム組成物の加硫戻りの抑制効果及び低発熱化の効果が小さく、一方、5.0質量部を超えると、コスト高となり、また、効果も飽和することなる。
本発明のゴム組成物に用いるカーボンブラックは、補強性充填材として用いるものであり、窒素吸着比表面積(NSA)が40m/gを超え130m/g以下のものを使用する。
このカーボンブラックのNSAが40m/g以下では、補強性が不十分であり、一方、NSAが130m/gを超えると、ゴム組成物の発熱性が高くなり、好ましくない。
更に好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80〜120mL/100gとなるものが望ましい。
この物性のカーボンブラックの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して25〜60質量部の範囲、好ましくは、35〜50質量部の範囲とすることが望ましい。
このカーボンブラックの含有量が25質量部未満では、補強性または剛性が不十分であり、一方、60質量部を超えると、発熱性が高くなり、破断伸度が低下してしまうこととなる。
本発明に用いるゴム組成物には、上記変性天然ゴムを含むゴム成分、ヒドラゾン化合物、上記物性のカーボンブラックの他に、ゴム業界で通常使用される種々の成分を含有することができる。例えば、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤などを目的に応じて適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、少なくとも上記変性天然ゴムを含むゴム成分に、ヒドラゾン化合物と、上記物性のカーボンブラックと、必要に応じて適宜選択した上記各種成分とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のゴム組成物が、何故、ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるかは、以下のように推測される。
従来においては、本発明に用いる変性天然ゴムを用いることにより、補強性、カーボンブラック分散性が向上し、亀裂進展製、低発熱性が向上するが、弾性率が低下し、歪が増大するため、耐亀裂進展性が悪化することになるが、本発明のゴム組成物では、ゴム成分に含まれる変性天然ゴムとヒドラゾン化合物がそれぞれ上記物性のカーボンブラックと強固に結合するだけでなく、変性天然ゴムとヒドラゾン化合物の官能基同士での相互作用があるため、カーボンブラックの分散性と補強効果が向上することにより、ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるものとなる(この点等に関しては、後述する実施例等で説明する。)
次に、本発明の空気入りタイヤは、上述のようにゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物をタイヤ部材、例えば、タイヤを構造的に支える部材であるタイヤ部材、例えば、カーカス層、ベルト層、ビード、サイド補強層等に用いることができ、特に、図1に示される、大型車両用、オフザロード用等の重荷重用のラジアルタイヤ1のパッド用ゴム6a,6bの少なくとも一方に好適に用いることができる。
具体的には、本実施形態の空気入りタイヤとしては、図1に示されるように、トレッド部2と、その両側に連なる一対のサイドウォール部3及び一対のビード部4からなり、これらの各部をビード部4内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になるカーカス5と、該カーカス5の外周でトレッド部2を強化する4層以上スチールコード層からなるベルト6とを備える重荷重用であって、該ビード部4を巻き返している折返しカーカス被覆ゴムの内側及び外側に隣接してそれぞれ配置され、上端がタイヤ高さの半分(0.5H)以下、下端がビード部の上端より上部となるHp間に配置される2つのパッド用ゴムの少なくとも一方、好ましくは、両方に本発明のゴム組成物を使用したことを特徴とするものである。なお、図示符号7はリムであり、8は折り返しプライコードからタイヤ表面までのゲージであり、3〜15cm程度である。
好ましくは、上記構成の空気入りタイヤにあっては、本発明の効果である低発熱性のメリットを最大限享受する観点から、タイヤのリム径が25インチ以上となるもの、更に好ましくは、25〜63インチとなる空気入りタイヤに好適に適用することができる
本発明の空気入りタイヤでは、徳に、折り返しコード被覆ゴムに対して入力を緩和するために配置されるパッドゴムの少なくとも一方、好ましくは、両方に本発明のゴム組成物を適用することにより、大型車両用などに好適な弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できる重荷重用に好適な空気入りタイヤが得られるものとなる。
なお、本発明の空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〔変性天然ゴム(天然ゴム−A)の製造例1〕
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター(斎藤遠心工業製)を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BHPO)1.2gとテトラエチレンペンタミン(TEPA)1.2gとを加え、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(凝固及び乾燥工程)
上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加え、pHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴム−1を得た。このようにして得られた変性天然ゴム−1の質量から、単量体として加えたN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴム−1を石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
従って、得られた変性天然ゴム(天然ゴム−A)における単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.5質量%である。
〔変性天然ゴム(天然ゴム−B)の製造例2〕
単量体としてN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート3.0gの代わりに、4−ビニルピリジン1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴム(天然ゴム−B)を得た。また、上記変性天然ゴム(天然ゴム−A)と同様にして、変性天然ゴム(天然ゴム−B)を分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。
従って、得られた変性天然ゴム(天然ゴムB)における単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.28質量%である。
〔比較用天然ゴム(未変性)の製造例〕
上記製造例1の天然ゴムラテックスを、変性することなく、直接、上記製造例1と同様にして凝固、乾燥して固形の天然ゴム〔天然ゴム(未変性)〕を得た。
上記変性天然ゴム(天然ゴム−A、B)の概要を下記表1に示す。
Figure 2013129790
次に、上記で得られた変性天然ゴム(天然ゴム−A、B)、天然ゴム(未変性)を用いて下記表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、その弾性率を以下の方法で評価した。また、該ゴム組成物を図1に示されるパッド用ゴム6a,6bに用い、通常の加硫条件で加硫して、サイズ57インチのタイヤを試作し、下記に示す方法で発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を評価した。
これらの結果を下記表2に示す。
(弾性率の測定方法)
各ゴム組成物を加硫したサンプルについて、東洋精機社製スペクトロメーターを用い、歪1%、50Hz、測定温度25℃にて動的貯蔵弾性率(E’)を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、弾性率が高く、剛性が高いことを示す。
(発熱性の測定方法)
各供試タイヤに対し、一定速度・ステップロード条件のドラムテストを実施し、タイヤトレッド内部の一定深さ位置の温度を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が小さいほ程、温度が低く、低発熱化の効果が大きいことを示す。
(耐テアー性の測定方法)
得られた各ゴム組成物をタイヤパッド部に用いて重荷重用空気入りタイヤ(サイズ:57インチ)を作製した。
各試作タイヤを用いて、フロントへ装着し、2000時間、リア装着で2000時間の合計4000時間の走行後、暑さ1mm、幅6mmにカットし、引張試験を繰り返して測定した。
試験結果は、破断回数の累計を比較例1の試験結果を100とした場合の指数で表す。値が大きいほど、耐テアー性(耐亀裂成長性)が良好であることを示す。
Figure 2013129790
上記表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1及び2は、本発明範囲外となる比較例1〜4に較べて、低発熱性(低転がり抵抗性)、弾性率及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立させた空気入りタイヤが得られることが判明した。
ゴムの弾性率、低発熱性及び耐テアー性(耐亀裂成長性)を高度に両立できるゴム組成物、重荷重用の空気入りタイヤのタイヤ部材として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を付加し、該単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴムにグラフト重合させ、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、ヒドラゾン化合物と、窒素吸着比表面積(NSA)が40m/gを超え130m/g以下のカーボンブラック25〜65質量部とを含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記ゴム組成物のゴム成分が、前記変性天然ゴムを100質量部中20質量部以上含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記極性基含有単量体の極性基がアミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基及び含酸素複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記変性天然ゴムにおける前記単量体のグラフト量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のゴム組成物。
  5. 前記ヒドラゾン化合物の含有量が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビード4からなり、これらの各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になるカーカスと、該カーカスの外周でトレッド部を強化する4層以上スチールコード層からなるベルト6とを備える重荷重用空気入りタイヤにおいて、該ビード部を巻き返している折返しカーカス被覆ゴムの内側及び外側に隣接してそれぞれ配置され、上端がタイヤ高さの半分以下、下端がビード部の上端より上部に配置される2つのパッド用ゴム組成物の少なくとも一方に請求項1〜5の何れか一つに記載のゴム組成物を使用したことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  8. タイヤリム径が25インチ以上であることを特徴とする請求項6記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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