JP2013129547A - マイクロレンズアレイの成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】形状の制御を容易に、かつ、形状精度を向上させて、歩留まりを向上できるマイクロレンズアレイ用成形型及びマイクロレンズアレイの成形方法を提供する。
【解決手段】上型2及び下型3のいずれか一方の面に複数のマイクロレンズ成形部2aを有してなる成形型1の下型2の上面にガラス素材10を載置し、該ガラス素材10を加熱により軟化させ、軟化したガラス素材10を上型2及び下型3でプレスしてガラス素材にマイクロレンズ成形部の形状を転写させ、ガラス素材10を成形型1と接触させたまま冷却、固化させてなるマイクロレンズアレイの成形方法であって、ガラス素材10と成形型1を成形温度から冷却終了温度まで冷却した際に生じる歪の差Δεを、1.0×10−3未満としたマイクロレンズアレイの成形方法。
【選択図】図1
【解決手段】上型2及び下型3のいずれか一方の面に複数のマイクロレンズ成形部2aを有してなる成形型1の下型2の上面にガラス素材10を載置し、該ガラス素材10を加熱により軟化させ、軟化したガラス素材10を上型2及び下型3でプレスしてガラス素材にマイクロレンズ成形部の形状を転写させ、ガラス素材10を成形型1と接触させたまま冷却、固化させてなるマイクロレンズアレイの成形方法であって、ガラス素材10と成形型1を成形温度から冷却終了温度まで冷却した際に生じる歪の差Δεを、1.0×10−3未満としたマイクロレンズアレイの成形方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロレンズアレイの成形方法に係り、特に、成形型とガラス素材との熱膨張特性差(特に、熱収縮)に起因する形状不良の発生を防止するマイクロレンズアレイの成形方法に関する。
デジタルカメラのイメージセンサー、液晶プロジェクター、光通信用のレーザープロジェクターなどに用いられるマイクロレンズは、通常、マイクロレンズアレイと呼ばれる、マイクロレンズが碁盤目状等に複数個整列した形状で用いられる。
このマイクロレンズアレイは、マイクロレンズに対応する部分に凹状の成形部が設けられた成形型を用い、成形用のガラス素材を上型及び下型とで挟み込んでプレスして、1度の成形操作で複数個のマイクロレンズを成形して得られる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このマイクロレンズアレイの製造において、凹状の成形部にレンズ形状が形成されるが、プレスした後、冷却、固化する際に、成形型とガラス素材との熱膨張率の差から、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズに応力がかかり、その結果、転写されるパターンの精度が低下してしまうことがあった。
この形状不良は、マイクロレンズが整列して構成されてできるマイクロレンズアレイの領域が大きくなるほど、その外周付近のマイクロレンズと成形型との収縮量の差が大きくなり、かかる応力が大きくなるため、発生し易い。
そこで、精度の低下を生じさせないように、冷却せずに成形型から離型し、離型させた後に冷却するのが一般的な方法として知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、離型した後冷却する方法では、ガラス表面が軟化状態のまま大気中へ解放されるため、その冷却過程において、マイクロレンズアレイ中の各マイクロレンズの形状のバラツキが生じやすく、形状精度が低下して冷却後の製品の性能がバラついてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決するためになされ、マイクロレンズアレイの製造にあたって、形状精度を向上させつつ形状不良の発生を抑制し、歩留まりを向上できるマイクロレンズアレイの成形方法の提供を目的とする。
本発明のマイクロレンズアレイの成形方法は、上型及び下型のいずれか一方の面に複数のマイクロレンズ成形部を有してなる成形型の前記下型の上面にガラス素材を載置し、該ガラス素材を加熱により軟化させ、軟化したガラス素材を前記上型及び下型でプレスして前記マイクロレンズ成形部の形状を転写させ、前記ガラス素材を前記成形型と接触させたまま冷却、固化させてなるマイクロレンズアレイの成形方法であって、下記(1)式で表される、前記ガラス素材と前記成形型を成形温度から冷却終了温度まで冷却した際に生じる歪の差Δεを、1.0 ×10−3未満、としたことを特徴とする。
本発明のマイクロレンズアレイの成形方法によれば、マイクロレンズアレイの冷却時に、ガラス素材にかかる応力を減じて、とくに外周部に位置するマイクロレンズの形状不良の発生を抑制でき、マイクロレンズアレイの製品歩留まりを向上できる。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
ここで、図1は本発明の一実施形態であるマイクロレンズアレイ用成形型の側断面図である。この図では、成形型の概略構成を説明するため凹状孔の個数を簡略して示した。
図1に示したマイクロレンズアレイ用成形型1は、下面に複数のレンズ成形用の凹状孔2aを有する上型2、上面にガラス素材10を載置する平板状の下型3、とから構成される。なお、図1に基づき、便宜的に凹状孔2aを有する側を上型2としたが、これに限らず、上型が平板状であって下型が凹状孔を有するマイクロレンズアレイ用成形型の組合せであってもよい。
図1において、上型2は、下面に複数のレンズ成形用の凹状孔2aを有する平板状の成形型である。この凹状孔2aは碁盤目状に整列して設けられ、その一つが成形するマイクロレンズ一つの大きさに対応した円形状の開口部を有する。なお、碁盤目状の他、千鳥配置などでも同様である。
また、凹状孔2aはマイクロレンズを成形できればよく、マイクロレンズ形状に形成され、その形状をガラス素材10に転写できればよい。ここでマイクロレンズ形状は球面又は非球面のいずれでもよく、半球状の凹部として構成される。
凹状孔2aの開口部の大きさは、その直径が30μm〜1000μmであり、その凹状孔2a間のピッチは30μm〜5000μmである。また、凹状孔の(直径/ピッチ)で表される比は0.1〜1であり、好ましくは0.2〜0.9である。なお、開口部のピッチとは、隣り合う凹状孔2aの開口部の中心間の距離に相当する。
下型3は、平板状の成形型であり、その上面は成形用のガラス素材10を載置し、プレス時にマイクロレンズの片面を平らにする機能を有し、その成形型表面も滑らかで平らな面となっている。
ガラス素材10としては、矩形又は円形の平板状のものが挙げられ、そのときプレス前の厚さは通常、1mm〜30mmである。また、ガラス素材は上記した平板状だけではなく、球形や球状が潰れた偏平状等の種々の形状のものを使用できる。
そして、本発明においては、上記した成形型のうちマイクロレンズアレイを成形する側の上型2の素材と、成形するガラス素材10の素材との熱膨張特性差をなるべく小さくし、プレス後の冷却時におけるガラス素材10と成形型との相対的な歪みの差が所定の範囲となるものを使用する点に特徴を有する。
ここで、ガラス素材10と成形型との熱収縮量の差Δλは、次の(2)式
Δλ = Δε・r …(2)
(ただし、(2)式中、Δεは熱収縮時に発生するガラス素材と成形型の相対的な歪みの差を、rは成形型の中心からマイクロレンズアレイの成形面における平面距離を、示す。)により算出される。なお、(2)式は、成形型の中心とマイクロレンズアレイの中心とが一致することを前提としたときの関係を示す。
Δλ = Δε・r …(2)
(ただし、(2)式中、Δεは熱収縮時に発生するガラス素材と成形型の相対的な歪みの差を、rは成形型の中心からマイクロレンズアレイの成形面における平面距離を、示す。)により算出される。なお、(2)式は、成形型の中心とマイクロレンズアレイの中心とが一致することを前提としたときの関係を示す。
本発明者らが、ガラス素材と成形型との材料の相違により、マイクロレンズの剥れや割れが生じる範囲を調べたところ、Δλが約2×10−6mとなるrよりも外側の領域において、せん断応力が生じて、剥れや割れ等の形状不良が発生しやすいことを見出した。
そして、本願発明において、例えば、20mm×20mmの成形面領域が与えられ、この領域において形状不良が生じない条件を考えた場合、形成面領域の中心を基点として、rが14.1mmより大きい範囲で不良が生じないことが求められる。そして、この条件に基づくとき上記成形面領域において形状不良を生じさせないためには、ガラス素材と成形型(上型2)との熱収縮量の差Δεを0.14×10−3未満とするとよい。
さらに、8mm×8mmの成形面領域が与えられ、この領域において形状不良が生じない条件を考えた場合、rが5.7mmより大きい範囲で不良が生じないことが求められる。そして、この条件に基づくとき上記成形面領域において形状不良を生じさせないためには、ガラス素材と成形型(上型2)との熱収縮量の差Δεを0.35×10−3未満とする材料の条件を与えるとよい。また、rが3.5mmまでの領域の範囲内において不良が生じないことが求められる場合、熱収縮量の差Δεを0.57×10−3未満とする材料の条件を与えるとよい。さらに、rが2.0mmまでの領域の範囲内において不良が生じないことが求められる場合、熱収縮量の差Δεを1.0×10−3未満とする材料の条件を与えるとよい。
すなわち、マイクロレンズアレイの径が大きくなった際に、所定の領域において剥れや割れ等の形状不良が発生しない条件を検討したところ、Δεを0.14×10−3より小さくする材料の条件での形成が効果的であることを見出した。なお、マイクロレンズアレイは、rが14.1mm(20mm×20mmの成形面領域)以下となる大きさで成形されることが多い。
なお、Δεは(1)式で算出される値であり、εmは成形温度から冷却終了温度まで冷却したときの成形型の熱収縮によって生じる歪を、εgは成形温度から冷却終了温度まで冷却したときのガラス素材の熱収縮によって生じる歪を表すが、これら、εm及びεgは次の(3)式及び(4)式
(式中、αmは成形型の線熱膨張係数を表す温度の関数、αgはガラス素材の線熱膨張係数を表す温度の関数を表す。また、pは成形温度、cは冷却終了温度を表す。)によって、それぞれ算出される。
すなわち、上記(2)式は、成形温度(p)から冷却終了温度(c)までの温度変化において、ガラス素材と成形型との間に生じる歪がどの程度であるかを算出するものである。なお、成形温度が、使用するガラス素材のガラス転移点(Tg)+30℃よりも高い場合には、(3)及び(4)式の成形温度pを、「ガラス転移点(Tg)+30℃」と読み替えて算出してもよい。
すなわち、上記(2)式は、成形温度(p)から冷却終了温度(c)までの温度変化において、ガラス素材と成形型との間に生じる歪がどの程度であるかを算出するものである。なお、成形温度が、使用するガラス素材のガラス転移点(Tg)+30℃よりも高い場合には、(3)及び(4)式の成形温度pを、「ガラス転移点(Tg)+30℃」と読み替えて算出してもよい。
このような関係を満たすようにするのは、マイクロレンズアレイの領域(面積)が大きくなるほど重要となり、本発明は、rが2.0mm以上の場合に有用であり、rが5.7mm以上の場合に特に有用である。
このとき、rが2.0mm以上となる場合に、形状不良を生じさせない組合せとしては、ガラス素材としてホウケイ酸ガラス(日本無線ガラス株式会社製、商品名:TypeII 085(KS−70))と成形型として鉄ニッケル合金(日立金属株式会社製、商品名:HRA929)の組合せが挙げられる。また、成形型の素材としては、他にも超硬、コバール合金等が挙げられ、その際ガラス素材との熱膨張特性について、製造するマイクロレンズアレイの大きさを考慮して、上記(1)式で算出されるΔεが所定の範囲を満たすように選定すればよい。なお、凹状孔が形成されない平板状の成形型(上記実施形態では下型3)の素材としては、ガラス素材との熱膨張特性差を特に考慮する必要はなく、例えば、超硬合金やSUS等のステンレスのように一般にプレス成形に使用される素材で構成すればよい。
また、上記(3)式及び(4)式において、各素材の線熱膨張係数の温度の関数としては、各素材について、任意の温度幅での線熱膨張係数の平均値を算出し、温度と線熱膨張係数の関係を導いた値を用いてもよい。その際、各温度幅における平均値に基づいて、各熱膨張率を算出してもよい。ここで、温度幅は25℃〜50℃に設定するのが好ましい。なお、理論的にはガラス転位点(Tg)以上ではガラスは流体とみなされるが、これまでの成型実績から、ガラス転位点(Tg)+30℃程度までは熱膨張特性の差に起因する応力が発生し、それよりも高温では応力の発生を無視できると考えられる。そのため、例えば、成形温度(プレス温度)が、使用するガラス素材のガラス転移点(Tg)+30℃よりも高い場合には、50℃からガラス転位点(Tg)+30℃程度までの線熱膨張係数と温度との関係を、温度幅25℃でプロットしたグラフを作成し、これに基づいて(3)式及び(4)式から求められた値に基づいてΔεを算出すればよい。
なお、参考として、ガラス素材としてホウケイ酸ガラス(日本無線ガラス株式会社製、商品名:TypeII 085(KS−70))とホウケイ酸バリウム系低融点ガラス(旭硝子株式会社製、商品名:R1B)、成形型として鉄ニッケル合金(日立金属株式会社製、商品名:HRA929)とステンレス鋼(ウッデホルム株式会社製、商品名:STAVAX)の各材料の線熱膨張係数と温度との関係について、各素材の50℃から高温側に温度幅25℃での線熱膨張係数の平均値をプロットしたグラフを図2に表した。この図において、線熱膨張係数の各平均値は、温度幅の下限値においてプロットした。例えば、50℃〜75℃の平均値は、50℃にプロットした。
このとき、後述する実施例及び比較例から、形状不良の発生する境界部分において、Δλはいずれも約2×10−6mであった。すなわち、この関係を満たす上記rの関数に基づく領域よりも内側の領域で形状不良が発生しないため、使用する素材の線熱膨張係数の特性を調べることで、所定の領域内やその領域の外周部においても、所望する形状のマイクロレンズアレイに形状不良を生じないかを事前に確認できる。
次に、図3(a)〜(c)を用いて、上記成形型を用いたマイクロレンズアレイの成形方法について説明する。
まず、図1のマイクロレンズアレイ用成形型1の下型3の上にガラス素材10を載置する(図3(a))。
次に、上下の成形型2,3を成形温度まで加熱し、ガラス素材10も同温度にまで加熱して軟化させる。このときの加熱温度は、ガラス素材10が軟化する温度とすればよく、用いるガラス素材によって異なるが、一般に、500〜1100℃程度である。また、このとき、ガラスの粘度を1×104〜1×1012[dPa・s]とすればよく、成形操作を円滑に行うために1×105〜1×1010[dPa・s]とするのが好ましい。
次に、十分に加熱して軟化状態となったガラス素材10の上方から上型2を下降させ、下型と上型でガラス素材を挟んでプレスする。プレス圧力により開口部のガラスは、球面状に押し上げられ、上型の凹状孔2a内に各マイクロレンズを形成する(図3(b))。このとき、プレス圧力は0.1〜100MPa、プレス時間は10〜600秒が好ましい。その後、後述するように、冷却までの過程でプレス圧力を低く設定する。また、この成形は高温に加熱した状態で実施され、成形型の酸化による劣化を防止するため、例えば、1×10−2Pa以下の真空条件下や、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。
ここでガラス素材の粘度とプレス圧力を調整すれば、上型の凹状孔の形状に応じて、得られるマイクロレンズの形状も容易に制御できる。例えば、高さが10〜100μm、曲率半径が0.01〜10mmの範囲のマイクロレンズを高い形状精度で得られる。本発明によれば、従来のような、成形型を離型後に冷却する形成方法プロセスを採用する場合とは異なるので、マイクロレンズが垂れて形状精度が低下する等の不具合が生じない。
つまり、プレス後も、ガラス素材10を上型2及び下型3で挟み込んだまま冷却し、固化させ(図3(b))、十分低い温度となってから上型2を上昇させる(図3(c))。このようにして、球面状のマイクロレンズが隣接するマイクロレンズと等間隔に碁盤目状に整列したマイクロレンズアレイが得られる。
なお、通常、ガラス素材10と使用している成形型と、の熱膨張率差から、従来では、プレス後は上型2を上昇させてからガラス素材10の冷却をするが、本発明においては、プレスした状態を維持したまま冷却を可能とし、このようにプレス状態を維持することでマイクロレンズの形状精度が高められる。この冷却時に押圧する圧力は、1kPa〜0.5MPaが好ましい。なお、冷却時間は、10〜300分が好ましい。また、冷却のプロセスとしては、自然放冷であっても、特定のプロファイルに沿って冷却してもよい。特定のプロファイルとして、例えば、転位点付近は−1℃〜−5℃/分程度で徐冷させ、それ以外の温度付近では−5℃〜−40℃/分程度で急冷するプロファイルが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図1のマイクロレンズ用成形型1を用いて、以下の操作によりマイクロレンズアレイを成形した。ここで用いたマイクロレンズアレイ用成形型は、8×8mmの平板状の上型と下型とからなる。また、成形型1は、凹部の形状が半径(R)25μmの半球となる型を用いた。
図1のマイクロレンズ用成形型1を用いて、以下の操作によりマイクロレンズアレイを成形した。ここで用いたマイクロレンズアレイ用成形型は、8×8mmの平板状の上型と下型とからなる。また、成形型1は、凹部の形状が半径(R)25μmの半球となる型を用いた。
上型には、下型と対向する面(下面)に、開口部のφ50μmの球面形状のレンズを成形するための成形面が、ピッチ100μmで碁盤目状に全面に整列されている。下型は、上成形面と対向する面が平滑な平面となっており、平板状である。この成形型は、鉄ニッケル合金(日立金属株式会社株式会社製、商品名:HRA929)で形成され、その表面をIr−Reでコートしてなる。
次に、直径12mm、高さ6.3mmの円柱状であり、先端部の曲率がR=8mmのホウケイ酸ガラス(日本無線ガラス株式会社製、商品名:TypeII 085(KS−70);ガラス転移点490℃、屈伏点610℃)製のガラス素材を、下型の上に載置し、上下の成形型を615℃まで加熱し、ガラス素材も同温度にまで加熱して軟化させた。このときのガラスの粘度は1×109.5dPa・s程度であった。
十分に加熱して軟化状態となったガラス素材の上方から上型を下降させ、下型と上型でガラス素材を挟んで、プレス温度が615℃で、圧力0.4MPa、プレス時間180秒でプレスした。このとき、プレス雰囲気は1.0×10−3Paの真空条件とした。
上型をプレス状態のままガラス素材10を50℃まで冷却(自然冷却)、固化させて離型し、φ50μmの球面形状のマイクロレンズ(曲率半径25μm)が100μmピッチで碁盤目状に整列したマイクロレンズアレイを得た。なお、この実施例1における加熱、プレス、冷却の一連の成形操作における成形型の温度と時間との関係を図4に示した。
(比較例1)
ガラス素材と成形型を、ホウケイ酸ガラス(旭硝子株式会社製、商品名:R1B;ガラス転移点495℃、屈伏点542℃)からなるガラス素材、ステンレス鋼(ウッデホルム株式会社製、商品名:STAVAX)で形成された成形型、とした以外は実施例1と同様の条件でプレス成形操作を行い、マイクロレンズアレイを得た。
ガラス素材と成形型を、ホウケイ酸ガラス(旭硝子株式会社製、商品名:R1B;ガラス転移点495℃、屈伏点542℃)からなるガラス素材、ステンレス鋼(ウッデホルム株式会社製、商品名:STAVAX)で形成された成形型、とした以外は実施例1と同様の条件でプレス成形操作を行い、マイクロレンズアレイを得た。
実施例及び比較例で得られたマイクロレンズアレイのマイクロレンズ形状を調べたところ、実施例1では成形型の中心からφ7.4mm(r=3.7mm)程度、比較例1ではφ3mm(r=1.5mm)程度の領域においてマイクロレンズ形状がきれいに転写されていた。一方で、実施例1および比較例1における、それぞれ上記の領域よりも外側の領域では剥離が確認され、とくに、比較例1においては少なくともr=2.0mmでは剥離が目立った。
このとき、50〜525℃までの範囲で、図2の結果に基づいて算出された実施例1のΔεは0.49×10−3であり、比較例1のΔεは1.6×10−3であった。ここで、実施例1におけるr=3.7mmでのΔλと比較例1におけるr=1.5mmでのΔλはいずれも約2×10−6であり、形状不良が発生する境界の位置とほぼ一致した。
以上より、製品において形状不良の発生を抑制するため、製品の半径を考慮し、Δεを所定の範囲とするガラス素材と成形型との組み合わせとすることにより、所定の領域内において形状不良のないマイクロレンズアレイを製造でき、歩留まりを良好にできる。
本発明のマイクロレンズアレイの成形方法は、プレス成形によるマイクロレンズアレイの製造に用いられる。また、マイクロレンズアレイの成形にあたって、ガラス素材と成形型との組み合わせが、製品製造に妥当であるか否か事前に評価できる。
1…マイクロレンズアレイ用成形型、2…上型、2a…凹状孔、3…下型、10…ガラス素材
Claims (8)
- 上型及び下型のいずれか一方の面に複数のマイクロレンズ成形部を有してなる成形型の前記下型の上面にガラス素材を載置し、該ガラス素材を加熱により軟化させ、軟化したガラス素材を前記上型及び下型でプレスしてガラス素材に前記マイクロレンズ成形部の形状を転写させ、前記ガラス素材を前記成形型と接触させたまま冷却、固化させてなるマイクロレンズアレイの成形方法であって、
下記(1)式で表される、前記ガラス素材と前記成形型を成形温度から冷却終了温度まで冷却した際に生じる歪の差Δεを、1.0×10−3未満としたマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記Δεが0.57×10−3未満である請求項1記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記成形型の中心から最も外周にある凹状成形面までの平面距離rが2.0mm以上である請求項1又は2記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記ガラス素材がホウケイ酸ガラス製、前記成形型が鉄ニッケル合金である請求項1乃至3のいずれか1項記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記マイクロレンズ成形部を前記上型に設けている請求項1乃至4のいずれか1項記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記ガラス素材のプレス時の粘度を1×104〜1×109dPa・s、プレス圧力を0.1〜100MPaとする請求項1乃至5のいずれか1項記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記ガラス素材のプレス時間が10〜600秒である請求項6記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
- 前記ガラス素材の冷却時間が10〜30分である請求項6又は7記載のマイクロレンズアレイの成形方法。
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