JP2013129021A - ブラスト処理用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の面を同時にブラスト処理することが可能なブラスト処理用ノズルを提供することである。
【解決手段】実施形態に係るブラスト処理用ノズルは、流路管及び噴射部を備える。流路管は、圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する。噴射部は、互いに平行でない平面上において前記流路の中心軸に対してそれぞれ傾斜する少なくとも2つの互いに異なる方向に向けて前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための、非円形又は円弧形状の噴射口を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】実施形態に係るブラスト処理用ノズルは、流路管及び噴射部を備える。流路管は、圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する。噴射部は、互いに平行でない平面上において前記流路の中心軸に対してそれぞれ傾斜する少なくとも2つの互いに異なる方向に向けて前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための、非円形又は円弧形状の噴射口を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、ブラスト処理用ノズルに関する。
従来、圧縮空気により硬質粒子を噴射させて、機械加工部品や塗装部品等のワークの表面に衝突させる表面処理技術としてブラスト処理が知られている。ブラスト処理によれば、ワーク表面の錆や汚れを除去することができる。このため、ブラスト処理は主として塗装等の下地処理の他、塗装はがしやショットピーニング等の表面処理のために用いられる。
ブラスト処理は、ブラスト処理用のノズルから圧縮空気とともにブラスト材料をワークに向けて噴射することにより行われる。従来のブラスト処理用のノズルは、両端が開口した円筒状の流路管の一端に、ワーク側に向かって広がる円錐状の偏向部材を設けて構成される。そして、ブラスト材は、円錐状の偏光部材の表面に沿って、360度方向かつ斜め方向に噴射される(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
また、断面が偏平状又は角筒状であり、ワークに向かって広がる拡散用の筒状部材を円筒状のノズルの先端に設け、拡散用の筒状部材の開口端の内部に、三角形の平板状の拡散体を設けたショットピーニング装置も提案されている(例えば特許文献3参照)。この装置では、矩形領域の組合せとなるピーニング範囲の幅を調整することが可能とされている。また、ノズルの軸方向に対する同一平面上におけるショット方向の角度、すなわちショット方向の単一の軸周りの回転角度を調整することが可能とされている。
しかしながら、従来のブラスト処理用のノズルでは、複数の面を同時にブラスト処理することができない。このため、断面がH型、I型、L型、T型等の柱状部品の表面を効率的にブラスト処理することが困難である。
例えば、航空機の部品の1つに断面がI型のストリンガがあり、I型ストリンガには塗装前の下地処理が必要である。しかしながら、I型ストリンガは、直交する3つの面を両側に有する。このため、従来のブラスト処理用のノズルを用いてI型ストリンガのブラスト処理を行おうとすると、ワーク以外の部分に大量のブラスト材が飛散する結果となる。このような背景から、I型ストリンガの塗装前の下地処理として、作業者がサンドペーパーでワークを磨くといった手作業が行われているのが現状である。
そこで、本発明は、複数の面を同時にブラスト処理することが可能なブラスト処理用ノズルを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルは、流路管及び噴射部を備える。流路管は、圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する。噴射部は、互いに平行でない平面上において前記流路の中心軸に対してそれぞれ傾斜する少なくとも2つの互いに異なる方向に向けて前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための、非円形又は円弧形状の噴射口を形成する。
また、本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルは、流路管及び噴射部を備える。流路管は、圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する。噴射部は、前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための噴射口を形成する。また、噴射部は、円錐形状又は円錐台形状の拡散部材及び閉塞手段を有する。閉塞手段は、前記拡散部材の非底面側を前記流路管の開口端に挿入して生じる円状の間隙の一部を塞ぐことによって前記噴射口を形成する。
また、本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルは、流路管及び噴射部を備える。流路管は、圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する。噴射部は、前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための噴射口を形成する。また、噴射部は、円錐形状又は円錐台形状の拡散部材及び閉塞手段を有する。閉塞手段は、前記拡散部材の非底面側を前記流路管の開口端に挿入して生じる円状の間隙の一部を塞ぐことによって前記噴射口を形成する。
本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルによれば、複数の面を同時にブラスト処理することができる。
本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルについて添付図面を参照して説明する。
(構成および機能)
図1は本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルの構成を示す絨断面図である。
図1は本発明の実施形態に係るブラスト処理用ノズルの構成を示す絨断面図である。
ブラスト処理用ノズル1は、被ブラスト処理品に向けてブラスト材料を圧縮空気で噴射することによって、被ブラスト処理品のブラスト処理を行うためのノズルである。ブラスト材料としてはスチールグリット、スチールショット、カットワイヤ、アルミナ、ガラスビーズ、珪砂等の硬質粒子が用いられる。また、ブラスト処理は塗装、メッキ或いは溶射の下地処理の他、塗装はがし、サビ落とし、粗面化、化粧仕上げ、バリ取り、ショットピーニング等の様々な目的のために施される。
ブラスト処理用ノズル1は、特に、複数の面を同時にブラスト処理することができるような構造を有している。具体的には、ブラスト処理用ノズル1は、圧縮空気及びブラスト材料の流路Xを形成する流路管2の一端に噴射部3を設けて構成することができる。流路管2の他端は、ノズルホルダにより着脱可能に保持できる構造となっている。従って、ブラスト処理用ノズル1は、ユーザが手に持って使用するハンドタイプのブラスト処理ツールや自動的にブラスト処理を行うブラスト処理装置に備えられるノズルホルダに着脱して使用することができる。
流路管2は、ブラスト処理ツールやブラスト処理装置等の圧縮空気及びブラスト材料の供給源から供給される圧縮空気及びブラスト材料を噴射部3に向けて送り出すブラスト処理用ノズル1の部品である。流路管2は、例えば図1に示すように両端が開口する円筒状の第1のサブ流路管4の一端に、両端が開口する略円筒状の第2のサブ流路管5を挿入することによって構成することができる。
第1のサブ流路管4の他端の外表面には、ノズルホルダに形成される雌ネジとの締付によって第1のサブ流路管4をノズルホルダに取付けることができるように、ノズルホルダとの着脱部6として雄ネジが形成される。第1のサブ流路管4のノズルホルダ側の内部には、テーパして次第に断面の直径が小さくなる流路Xが形成される。
一方、第1のサブ流路管4の噴射部3側は、内径が第2のサブ流路管5の外径よりも若干大きい円筒形状とされる。すなわち、第1のサブ流路管4の噴射部3側は、第2のサブ流路管5と勘合する円筒形状とされる。また、第1のサブ流路管4は、ノズルホルダ側のテーパする流路Xの終端における直径よりも、噴射部3側における内径の方が大きくなるようにが設計される。これにより、第1のサブ流路管4内の噴射部3側には段差面が形成される。
そして、第1のサブ流路管4の噴射部3側に、第2のサブ流路管5を圧入することによって、第1のサブ流路管4及び第2のサブ流路管5を一体化することができる。
図2は、図1に示す第2のサブ流路管5の位置A−Aにおける横断面図である。
第2のサブ流路管5内の第1のサブ流路管4側には、2つの分岐した流路Xが形成される。一方、第2のサブ流路管5内の噴射部3側には、単一の流路Xが形成される。そして、第2のサブ流路管5内の分岐した2つの流路Xは、第2のサブ流路管5内において合流し、単一の流路Xとなる。第2のサブ流路管5内において分岐する2つの流路X間を遮る部位には、軸方向に向く雌ネジが設けられる。
換言すれば、第2のサブ流路管5内に軸方向の雌ネジを設けるために、第2のサブ流路管5内において流路Xが分岐する構造となっている。従って、第2のサブ流路管5内における雌ネジの強度が十分に得られれば、第2のサブ流路管5内において分岐する流路Xの数を3つ以上としてもよい。また、分岐する各流路Xの断面形状は任意に決定することができる。
但し、第1のサブ流路管4内の流路Xと第2のサブ流路管5内における流路Xとの間において段差が少なくなるように、第2のサブ流路管5内の第1のサブ流路管4側における各流路Xの断面形状を決定することが望ましい。図2に示す例では、断面が円形の流路を、直径方向に仕切ることによって2つの流路Xが形成されている。
第2のサブ流路管5内の合流した流路Xの端部側には、噴射部3が設けられる。噴射部3には、第2のサブ流路管5内の流路Xを通って供給される圧縮空気とともにブラスト材料を噴射するための噴射口7が形成される。そのために、噴射部3は、拡散部材8、スペーサ9、シャフト10及びブラケット11を用いて構成することができる。
拡散部材8は、円錐台形状の部材の軸位置に貫通孔を設け、貫通孔の内面の一部に雌ネジを設けた構造を有する。そして、拡散部材8の非底面側(上面側)が流路管2を構成する第2のサブ流路管5の開口端に、第2のサブ流路管5の外壁面との間に隙間をあけて挿入される。一方、第2のサブ流路管5の噴射部3側の内面には、拡散部材8の側面形状に合わせてC面取りが施される。この結果、第2のサブ流路管5と拡散部材8との間には、拡散部材8の底面側から見た場合に円状となる間隙が生じる。
更に、拡散部材8は、シャフト10により第2のサブ流路管5に固定される。シャフト10は、両端に雄ネジを形成した棒状の部材である。拡散部材8に設けられる貫通孔の底面側には、シャフト10の雄ネジに締付けることが可能な雌ネジが設けられる。また、拡散部材8に設けられる貫通孔の非底面側は、シャフト10の非ネジ部分を挿入し、かつシャフト10に対して拡散部材8を回転させることができるサイズの孔とされる。すなわち、シャフト10を挿入して滑らせることが可能な孔が、拡散部材8のシャフト10側となる非底面側に設けられる。
そして、シャフト10の一端側の雄ネジは、第2のサブ流路管5内の雌ネジに締め付けられる。また、シャフト10の他端側の雄ネジは、拡散部材8に設けられた雌ネジに締め付けられ、拡散部材8を貫通して突出する。この結果、シャフト10の非ネジ部分は、拡散部材8に設けられるシャフト10側の貫通孔に挿入される。これにより、拡散部材8は、シャフト10を介して第2のサブ流路管5に同軸状に位置決めされた状態で取り付けられる。
更に、第2のサブ流路管5内に位置するシャフト10の部分は、パイプ形状のシャフトカバー10Aによって保護される。これにより、シャフト10の摩耗が抑制される。シャフト10の摩耗を適切に抑制する観点からは、シャフトカバー10Aを超硬等の強度の大きい材質で構成することが好適である。
また、第2のサブ流路管5と拡散部材8との間における円状の間隙の一部にスペーサ9が挿入される。従って、スペーサ9は、円状の間隙の一部を適切に塞ぐことが可能な形状とされる。
図3は、図1に示すスペーサ9の右側面図である。
図1は、円状の間隙の半分をスペーサ9によって塞ぐ例を示している。従って、スペーサ9は、図1及び図3に示すように、円錐台の側面を底面に垂直で中心軸を通る平面で半分に切った形状となる。換言すれば、スペーサ9は、拡散部材8のテーパ面の半分にフィットする形状となる。
更に、拡散部材8、スペーサ9及び第2のサブ流路管5を、互いに強固に固定するためにブラケット11が噴射部3に取り付けられる。
図4は、図1に示すブラケット11の右側面図である。
図1及び図4に示すように、ブラケット11は、厚さ方向の断面がL字状となるように板状の部材を折り曲げた構造を有する。ブラケット11の一面には、シャフト10の雄ネジを通すための孔が設けられる。そして、図1に示すように、ブラケット11の孔にシャフト10を挿入し、シャフト10の雄ネジをナット11Aで締付けることによってブラケット11を押さえ付けることができる。その結果として、ブラケット11で拡散部材8を、スペーサ9を挟んだ状態で第2のサブ流路管5に押し付けることができる。これにより、スペーサ9の脱落及び拡散部材8の回転が抑止される。
そして、第2のサブ流路管5と拡散部材8との間における円状の間隙の一部がスペーサ9により塞がれることによって、噴射部3の噴射口7が円弧状に形成される。つまり、スペーサ9及びブラケット11が、円状の間隙の一部を塞ぐことによって噴射口7を形成する閉塞手段として用いられている。但し、円状の間隙の一部を塞ぐことが可能であれば、他の部品や方法を閉塞手段として用いてもよい。
図1に示す例では、スペーサ9が円状の間隙の半分を塞ぐように構成されている。従って、噴射口7の形状は、噴射部3側から見ると中心角が180度の円弧形状、つまり半円の周形状となる。また、噴射口7は、拡散部材8の側面の一部と第2のサブ流路管5に施されたC面取りによって形成される。従って、被ブラスト処理品に向かうブラスト材料を含む圧縮空気の流線、つまり噴射方向Yは、流路管2の中心軸に対して傾斜する方向となる。
このため、拡散部材8の側面の傾斜角度は、ブラスト材料及び圧縮空気の噴射方向Yが、被ブラスト処理品の形状に応じた望ましい方向となるように決定される。加えて、拡散部材8の側面の傾斜角度は、圧縮空気の圧力分布が均一となるように調整される。尚、流路管2内には、シャフト10及びシャフトカバー10Aを迂回して噴射口7に向かうブラスト材料及び圧縮空気の流線が形成されるものと考えられる。
従って、ブラスト材料を流路管2内に供給し続けると、拡散部材8にはブラスト材料が衝突することとなる。このため、ブラスト処理用ノズル1を一定の期間使用すると、拡散部材8が摩耗する恐れがある。そこで、ナット11A及びブラケット11を緩め、シャフト10を中心として拡散部材8を回転させることができる。これにより、スペーサ9によって保護されていた拡散部材8の側面を噴射口7用の新たな側面として利用することができる。
図1に示す例では、スペーサ9が円状の間隙の半分を塞ぐ形状となっている。従って、拡散部材8を180度回転させれば、噴射口7用の側面を全て新しい面に変えることができる。スペーサ9が円状の間隙の任意の一部を塞ぐ形状であれば、噴射口7を形成する間隙の範囲に応じて拡散部材8を適切な角度だけ回転させることができる。
この場合、拡散部材8を回転させるシャフト10は、拡散部材8の異なる面で噴射口7を形成するための回転機構として機能している。但し、他のメカニズムによって拡散部材8を、その中心軸を回転軸として回転できるようにしてもよい。
上述したようなブラスト処理用ノズル1の各部品は、ブラスト材の硬度に応じた強度を有する材料で構成することができる。各部品の加工性の観点からは、超硬等の材料を用いることが好適である。また、ブラスト処理用ノズル1を実際に組み立てる際には、上述の説明順序に限らず、第2のサブ流路管5へのシャフト10の取付け、スペーサ9の設置、シャフト10への拡散部材8の取付け、シャフト10へのブラケット11及びナット11Aの取付けの順に行うなど、作業性を考慮した任意の順序で組立てることができる。
(動作および作用)
次にブラスト処理用ノズル1の動作および作用について説明する。
次にブラスト処理用ノズル1の動作および作用について説明する。
図5は、図1に示すブラスト処理用ノズル1により航空機部品の1つであるI型ストリンガの3方向の面を同時にブラスト処理する場合の例を示す図である。また、図6は図5に示すI型ストリンガの右側面図である。
図5及び図6に示すようにブラスト処理のワークとなるI型ストリンガ20の断面はI型である。従って、I型ストリンガ20は互いに平行又は垂直なコ字状の3方向の面を2組有する。そこで、図1に示すブラスト処理用ノズル1をハンドツール又はブラスト処理装置のノズルホルダに装着してI型ストリンガ20の凹んだ3つの面のブラスト処理を行うことができる。
具体的には、図5及び図6に示すようにブラスト処理用ノズル1の噴射部3側の先端をI型ストリンガ20のコ字状の3つの面の間に挿入し、かつブラスト処理用ノズル1の長手方向L1をI型ストリンガ20の長手方向L2に対して角度θだけ傾斜させて配置することができる。例えば、I型ストリンガ20の長手方向L2に対して45度程度傾斜させてブラスト処理用ノズル1を位置決めすることができる。更に、ブラスト材料及び圧縮空気の噴射口7がI型ストリンガ20の片側の3方向の面に向くように、ブラスト処理用ノズル1を配置することができる。
そして、ブラスト処理用ノズル1の流路管2内にノズルホルダ側から圧縮空気とともにブラスト材料を流入すると、圧縮空気及びブラスト材料は流路管2内を通って、円錐台形状を有する拡散部材8の側面によって形成される非対称な噴射口7に導かれる。この結果、噴射口7からは、円錐台の側面を円錐台の底面に垂直な面で2等分して得られる曲面状の領域にブラスト材料が拡散及び噴射される。
上述したように、ブラスト処理用ノズル1の長手方向L1はI型ストリンガ20の長手方向L2に対して傾斜している。従って、圧縮空気及びブラスト材料は、噴射口7からI型ストリンガ20の3つの内面に向かう放射状の噴射方向Yに噴射されることとなる。このため、I型ストリンガ20の3つの面を同時にブラスト処理することができる。
特に、図5及び図6に示すように、I型ストリンガ20の両側に2つのブラスト処理用ノズル1を配置してブラスト処理を行えば、同時に6つの面にブラスト処理を施すことができる。更に、ブラスト処理用ノズル1をI型ストリンガ20の長手方向に沿って平行移動させることによって、I型ストリンガ20を広範囲に亘って連続的にブラスト処理することができる。
一方、I型ストリンガ20の内面に向いていないブラスト処理用ノズル1の噴射部3は、スペーサ9によって閉塞されている。従って、ワークが存在しない方向にはブラスト材料が噴射されず、無用なブラスト材料及び噴射エネルギの消費を抑止することができる。
更に、ブラスト処理用ノズル1の一定期間の使用によって拡散部材8が摩耗した場合には、ナット11A及びブラケット11を緩めてシャフト10を軸として拡散部材8を回転させることができる。これにより、ブラスト材料の噴射口7を形成する拡散部材8の面を摩耗していない新たな面にすることができる。このため、拡散部材8の寿命を延ばすことができる。また、スペーサ9についても摩耗又は破損した場合には置換することができる。
つまり以上のようなブラスト処理用ノズル1は、従来360度方向に放射状に噴射させていた円状の噴射口の一部を塞ぐことによって、ブラスト材料となるメディアの噴射領域を、ワークの形状に合わせて非等方的な領域にしたものである。
(効果)
(効果)
このため、ブラスト処理用ノズル1によれば、複数の面を同時にブラスト処理することができる。特に、航空機部品として特有の構造を有するI型ストリンガ20等の凹凸を有する部品の場合には、従来ブラスト処理自体が困難であったが、ブラスト処理用ノズル1を使用することによってブラスト処理を行うことが可能となる。このため、従来行われていた手作業をブラスト処理に置き換えることができる。これにより、塗装前処理等の表面処理に要する時間及び労力を大幅に削減することができる。
更に、ブラスト処理用ノズル1をブラスト処理装置に装着することによって、ブラスト処理を自動化すれば、一層、ブラスト処理に要する時間及び人的労力を低減させることができる。
(変形例)
ブラスト処理用ノズル1の噴射部3に形成される噴射口7の形状は、ワークの形状に応じて様々な形状にすることができる。複数の平行又は非平行な面を同時にブラスト処理するためには、互いに平行でない平面上において流路管2内における流路Xの中心軸に対してそれぞれ傾斜する少なくとも2つの互いに異なる方向に向けて圧縮空気とともにブラスト材料を噴射する非円形又は円弧形状の噴射口7を噴射部3が形成するようにすればよい。すなわち、流路管2内の流路Xの軸に対して斜め方向となる特定の角度範囲をブラスト材料の噴射領域とすることによって複数の面を同時にブラスト処理することが可能である。
ブラスト処理用ノズル1の噴射部3に形成される噴射口7の形状は、ワークの形状に応じて様々な形状にすることができる。複数の平行又は非平行な面を同時にブラスト処理するためには、互いに平行でない平面上において流路管2内における流路Xの中心軸に対してそれぞれ傾斜する少なくとも2つの互いに異なる方向に向けて圧縮空気とともにブラスト材料を噴射する非円形又は円弧形状の噴射口7を噴射部3が形成するようにすればよい。すなわち、流路管2内の流路Xの軸に対して斜め方向となる特定の角度範囲をブラスト材料の噴射領域とすることによって複数の面を同時にブラスト処理することが可能である。
従って、上述した例では、円の一部を塞いで得られる円弧状の間隙を噴射口7としたが、楕円や多角形の輪郭形状を有する間隙の一部を塞ぐことによって噴射口7を形成してもよい。
図7は、図1に示す噴射部3の構造の第1の変形例を示す側面図である。
図7は、拡散部材8の形状を三角錐又は三角錐台とし、拡散部材8の底面側から見た噴射部3の側面図である。図7に示すように三角錐形状又は三角錐台形状を有する拡散部材8と流路管2との間に形成される間隙の一部をスペーサ9によって塞ぐことにより、圧縮空気及びブラスト材料の噴射口7を形成することができる。
流路管2端部における流路Xの断面形状を三角形とすれば、圧縮空気及びブラスト材料の噴射口7は矩形のスリット状又はスリットを連結した形状となり、圧縮空気及びブラスト材料の噴射方向Yは三角錐の側面の一部に沿って広がる方向となる。図7に例示されるように、噴射口7の形状は、円弧又は曲線以外の形状とすることができる。
図8は、図1に示す噴射部3の構造の第2の変形例を示す側面図である。
図8は、拡散部材8の形状を円錐又は円錐台とし、拡散部材8の底面側から見た噴射部3の側面図である。図8に示すように拡散部材8と流路管2との間に形成される間隙を複数のスペーサ9で塞ぐことによって圧縮空気及びブラスト材料の噴射口7を形成することもできる。この場合には、互いに仰角が異なる複数の噴射口7が噴射部3に形成される。
図8に示す例では,2つのスペーサ9によって2つの噴射口7が形成されているが、ワークの形状によっては3つ以上の噴射口7を噴射部3に形成してもよい。図8に例示されるように、噴射口7の形状は、非点対称な形状に限らず、点対称な形状とすることができる。
そして、このようなワークの形状に応じた形状を有する噴射口7を噴射部3に形成することによって、I型のワークに限らず、T型、H型又はL型等の柱状部品の複数の面並びに対向する複数の平行又は非平行な面を同時にブラスト処理することが可能である。
また、上述した例では、スペーサ9を拡散部材8と流路管2との間に形成される間隙の閉塞手段として用いたが、溶接、はんだ付け、ろう付け等の接合手段又は間隙を覆うカバー材等の閉塞手段によって間隙を塞ぐようにしてもよい。従って、拡散部材8をシャフト10ではなく、溶接やカバー材等によって第2のサブ流路管5の外壁側に固定するようにしてもよい。このため、拡散部材8の固定方法によっては、図1に示す拡散部材8を円錐形状としてもよい。拡散部材8を円錐形状とし、かつ第2のサブ流路管5内を中空とすれば、圧縮空気及びブラスト材料の流線を効果的に形成することができる。
上述した例の他、第2のサブ流路管5のワーク側を閉口端とし、第2のサブ流路管5の閉口端に異なる仰角で複数の貫通孔を圧縮空気及びブラスト材料の噴射口7として設けることもできる。
但し、圧縮空気の圧力を均一にし、ブラスト材料を拡散させてワークに吹き付けるためには、拡散部材8の形状を円錐台又は円錐等の回転体とすることが好適である。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
1 ブラスト処理用ノズル
2 流路管
3 噴射部
4 第1のサブ流路管
5 第2のサブ流路管
6 着脱部
7 噴射口
8 拡散部材
9 スペーサ
10 シャフト
10A シャフトカバー
11 ブラケット
11A ナット
20 I型ストリンガ
X 流路
Y 噴射方向
2 流路管
3 噴射部
4 第1のサブ流路管
5 第2のサブ流路管
6 着脱部
7 噴射口
8 拡散部材
9 スペーサ
10 シャフト
10A シャフトカバー
11 ブラケット
11A ナット
20 I型ストリンガ
X 流路
Y 噴射方向
Claims (3)
- 圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する流路管と、
互いに平行でない平面上において前記流路の中心軸に対してそれぞれ傾斜する少なくとも2つの互いに異なる方向に向けて前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための、非円形又は円弧形状の噴射口を形成する噴射部と、
を備えるブラスト処理用ノズル。 - 圧縮空気及びブラスト材料の流路を形成する流路管と、
前記圧縮空気とともに前記ブラスト材料を噴射するための噴射口を形成する噴射部とを備え、
前記噴射部は、
円錐形状又は円錐台形状の拡散部材と、
前記拡散部材の非底面側を前記流路管の開口端に挿入して生じる円状の間隙の一部を塞ぐことによって前記噴射口を形成する閉塞手段と、
を有するブラスト処理用ノズル。 - 前記噴射部は、前記拡散部材を回転させることによって前記拡散部材の異なる面で前記噴射口を形成する回転機構を更に有する請求項2記載のブラスト処理用ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011280477A JP2013129021A (ja) | 2011-12-21 | 2011-12-21 | ブラスト処理用ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011280477A JP2013129021A (ja) | 2011-12-21 | 2011-12-21 | ブラスト処理用ノズル |
Publications (1)
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