以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図30を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示されるスーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1入球口63、第2入球口64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1入球口63、第2入球口64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、第1入球口63、第2入球口64は、通常時の第1普通電動役物63a、第2普通電動役物64aの羽根が閉じた通常状態(羽根が上方に起立した状態)では、向かい合った羽根の間に形成された遊技球が入球可能な開口部の上部に遊技球が入球しないように釘が開口部を塞ぐように、配列されている。そこで、遊技者は、まず、第3入球口67a又は第4入球口67bへ遊技球を通過させるように遊技球を発射する。
第3入球口67a又は第4入球口67bを遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第3入球口67a又は第4入球口67bへ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われると共に、外れと判定された場合には、特殊外れかどうかの判定が行われる。普通図柄の当たりと判定された場合には、第3入球口67aを通過した遊技球に対する抽選結果であると、第1普通電動役物63aが作動し、第1入球口63へ遊技球が入球することを困難としている第1普通電動役物63aの羽根が略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動し、第1入球口63に所定時間(本実施形態では1.2s)遊技球が入球可能な状態になる。一方、第4入球口67bを通過した遊技球に対する抽選結果であると、第2普通電動役物64aが作動し、第2入球口64へ遊技球が入球することを困難としている第2普通電動役物64aの羽根が略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動し、第2入球口64に所定時間(本実施形態では1.2s)遊技球が入球可能な状態になる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示部83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、20秒)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88において変動表示が行われている間に球が第3入球口67a又は第4入球口67bを通過すると、その通過回数は第3入球口67a、第4入球口67bのそれぞれに対して最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第3図柄表示装置81の普通図柄保留表示部84においても示される。
普通図柄保留表示部84には、1回ずつの保留を表す保留図柄(例えば、●)が表示される。第3入球口67aに対する保留図柄も、第4入球口67bに対する保留図柄も同じ保留図柄で表示され、それぞれ通過した順に第3入球口67a、第4入球口67bの区別なく保留図柄が左から順に表示される。保留図柄は第3入球口67a、第4入球口67bの最大保留球数の合計である8個までの保留図柄が最大表示される。第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過したことに基づいて第2図柄表示部83において変動表示が終了した場合に、第3入球口67a又は第4入球口67bについての保留球数が残っていれば、第3入球口67a、第4入球口67bの保留に対して最も先の保留に対して、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、本実施形態では、第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過したことに対する保留は、それぞれ最大4回までとしたが、それに限定されず、例えば、3回以下、又は、5回以上としても良い。
上述したように、普通図柄保留表示部84に表示される保留図柄は、第3入球口67a、第4入球口67bに対して同じ保留図柄としたことで、遊技者には、保留図柄が第3入球口67a、第4入球口67bのどちらの保留であるかが認識困難に構成されている。さらに、第3入球口67a、第4入球口67bにおける普通図柄の抽選が変動表示される第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88の表示図柄は第3入球口67aと第4入球口67bで共通となっており、遊技者が、第2図柄表示部83,第2図柄表示装置88に表示される表示図柄から第3入球口67a、第4入球口67bのどちらの普通図柄の抽選が実行されているかを認識することは、通常、困難に構成されている。
また、本実施形態では、第3入球口67a、第4入球口67bに対して同じ保留図柄としたが、第3入球口67aに対する保留図柄と第4入球口に対する保留図柄を違いを遊技者が識別することが困難な程度で若干異なる図柄としてもよい。例えば、「●」の直径を多少異ならせたり、楕円の図柄にして、短軸や長軸の長さを多少異ならせてもよい。また、色合いを若干異ならせるように構成してもよい。また、第3入球口67a、第4入球口67bにおける普通図柄の抽選が変動表示される第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88の表示図柄(普通図柄)は、第3入球口67a、第4入球口67bで共通とし同じ図柄としたが、第3入球口67aに対して表示される普通図柄と第4入球口67bに対して表示される普通図柄とを遊技者が識別困難な程度に異ならせるようにしてもよい。例えば、「☆」の図柄の大きさを若干異ならせたり、「−」の長さを若干異ならせるようにしてもよい。また、色を近似色で異ならせる等の色合いに変化を持たせることで表示図柄をそれぞれ異ならせるようにしてもよい。
このように構成することで、遊技者は、通常の遊技では、普通図柄の抽選が当たりになった場合に、第3入球口67aを遊技球が通過したことに対する抽選であったのか、第4入球口67bを遊技球が通過したことに対する抽選であったのか判別できない(又は判別が困難である)。そのため、第1普通電動役物63aと第2普通電動役物64aのどちらが開放されるか判別できず、入球可能となる入球口が第1入球口63であるのか、第2入球口64であるのか判別できない。よって、遊技者は、普通図柄が当たり図柄(本実施形態では、第2図柄表示部83に「☆」を表示)が表示され、その後、第1普通電動役物63a又は第2普通電動役物64aが作動してから、入球可能となった入球口を判別して、遊技球をその入球口に向けて発射する。
一方、第1普通電動役物63a、第2普通電動役物64aの作動時間は短く設定されているので(本実施形態では、「1.2s」)、その間に、第1入球口63又は第2入球口64に遊技球を入球させることは困難に設定されている。従って、通常時に、容易に第1入球口63、第2入球口64へ遊技球が入球できない構成とすることができる。
第1普通電動役物63a又は第2普通電動役物球64aが作動し、第1入球口63又は第2入球口64へ遊技球が入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われる。第1入球口63又は第2入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回もしくは15回(5ラウンドもしくは15ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
ここで、図2に示すように、第1に遊技者が遊技球を発射して遊技球を通過させる第3入球口67a、第4入球口67bは、遊技領域の上部に並んで設けられている。また、第1入球口63は遊技領域の中央左側に、第2入球口64は遊技領域の中央右側に配置されている。そして、第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の抽選が当たりとなると、第1入球口63又は第2入球口64が所定時間(本実施形態では1.2秒)開放される。普通図柄保留表示部84の表示は、第3入球口67aの保留球であるか、第4入球口67bの保留球であるかが識別困難な表示となっているので、遊技者は、第1普通電動役物63a又は第2普通電動役物64aが作動するまでどちらの入球口を狙って良いか分からずに、電動役物が作動してからその入球口を狙うこととなり、第1入球口63、第2入球口64へ遊技球が入球することは困難な構成となっている。
しかし、後述する、主制御装置110のMPU201が普通図柄の抽選をした結果、「特殊外れ」と判定した場合に、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に出力する特殊外れコマンドが主制御装置110により音声ランプ制御装置113に出力されると、音声ランプ制御装置113のMPU221は、遊技動作示唆設定をするか否かの抽選を実行する。この遊技動作示唆設定の抽選により遊技動作示唆設定を設定すると決定された場合には、普通図柄の当たりとなる変動態様では、入球可能となる第1入球口63又は第2入球口64のどちらか一方を報知する演出(後述する、遊技動作示唆演出)が第3図柄表示装置81で表示される。
この遊技動作示唆演出により、遊技者は事前に入球可能となる入球口を事前に知ることができ、容易に第1入球口63又は第2入球口64に遊技球を入球させることができるようになる。
なお、第1入球口63、第2入球口64に遊技球が入球したことに基づいて抽選される特別図柄の大当たり抽選確率は、図8(b)に示すように10/11である。一方、第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過したことに基づいて抽選される普通図柄の当たり抽選確率は、図8(d)に示すように1/100である。これにより、普通図柄に対して特別図柄の大当たり確率は高く設定されており、第1入球口63又は第2遊技球64に遊技球が入球すると、遊技者は大当たりをより期待できる構成となっている。
よって、遊技動作示唆演出により入球可能となる入球口が報知されることは、遊技者にとって大きな利益となる。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口63又は第2入球口64へ入球すると、その入球回数は保留されず無効となる。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される第1特別入賞口65aは、第1入球口63の下方に、第2特別入賞口650aは、第2入球口64の下方に設けられている。なお、本実施形態においては、第1入球口63又は第2入球口64への入球にたいして保留球数は設けないこととしたが、それに限定されるものではなく、それぞれ所定回数(例えば、4回や8回等)まで保留する設定としてもよい。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」又は「大当たりB」になると、「大当たりA」では、ラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15R大当たり)となり、「大当たりB」では、ラウンド数が5ラウンドの特別遊技状態(5R大当たり)となる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口63又は第2入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口63又は第2入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数(第1実施例では保留球が0に設定されているため使用されることはない。)を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口63又は第2入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R大当たり、5R大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりのことであり、「5R大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドのことである。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口79が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口63,又は第2入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第3入球口67a又は第4入球口67bの球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されているまた、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示したり、普通図柄保留表示部84となる主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタ、普通図柄などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3と普通図柄表示部84に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示される。さらに、普通図柄保留表示部84には、第2図柄表示装置83(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第3入球口67a又は第4入球口67bへ入球した場合、その入球回数は最大4回までそれぞれ保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、主表示領域Dmの普通図柄保留表示部84においても示される。普通図柄保留表示部84には、第3入球口67aまたは第4入球口67bの保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。第3入球口67aに対する保留図柄も、第4入球口67bに対する保留図柄も同じ保留図柄(例えば、●)で表示され、それぞれ通過した順に第3入球口67a、第4入球口67bの区別なく保留図柄が左から順に表示される。
即ち、普通図柄保留表示部84に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、8つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が8球であることを示す。また、普通図柄保留表示部84に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
副表示領域Dsにおいては、小領域Ds1〜Ds3にキャラクタ等の動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。このキャラクタ等の表示は、第2図柄表示部83が小領域Ds1〜Ds3に遊技状態によって移動して表示されるため、第2図柄表示部83として使用されていない小領域Ds1〜Ds3を使用して表示されることとなる。
このように、キャラクタ等が移動して表示されるため、第2図柄表示部83の表示を妨げることを防止できる。また、キャラクタ等が表示される第3表示装置81の小領域Ds1〜Ds3は、第2図柄表示部83となる小領域Ds1〜Ds3の隣に表示されるので、第2図柄表示部83で表示される普通図柄の抽選結果に基づいて、変動表示される普通図柄の変動表示中に、キャラクタ等により変動表示されている普通図柄の抽選結果等を予告する予告演出ができる。
後述する遊技動作示唆設定が設定されていない通常状態では、中央の小領域Ds2で、普通図柄が変動表示される。普通図柄は当たりを表す表示態様(本実施形態では「☆」)と外れを表す表示態様(本実施形態では「−」)が交互に変動表示されて所定の変動時間(例えば、20s)が経過すると抽選結果に基づく普通図柄が停止表示される。
一方、遊技動作示唆設定がされた遊技動作示唆設定状態では、普通図柄の抽選結果が当たりである場合に、普通図柄の変動表示が左側の小領域Ds1又は右側の小領域Ds3で表示される(以下、この表示態様を「遊技動作示唆演出」とする)。詳細には、第3入球口67aを遊技球が通過したことに対する変動表示である場合には、左側の小領域Ds1で普通図柄が変動表示される(遊技動作示唆演出に該当)。すると、その遊技動作示唆演出により、遊技者は、当たりとなると第1入球口63が入球可能になる(第1入球口63に付随する第1普通電動役物63aが作動する)と判別する。一方、第4入球口67bを遊技球が通過したことに対する変動表示である場合には、右側の小領域Ds3で普通図柄が変動表示される。(遊技動作示唆演出に該当)。すると、その遊技動作示唆演出により、遊技者は、当たりとなると第2入球口64が入球可能になる(第2入球口64に付随する第2普通電動役物64aが作動する)と判別する。
このように、遊技動作示唆演出がされると、遊技者は、事前に作動する普通電動役物を判別することができ、普通電動役物の作動時間が短時間であっても、予めその普通電動役物が作動して開放する第1入球口63又は第2入球口64を狙うことで、より容易に遊技球を入球口へ入球させることができる。
即ち、遊技動作示唆演出は、遊技球が入球可能となる第1入球口63又は第2入球口64を報知していることになる。遊技者は、遊技動作示唆演出がされると、素早く、遊技動作示唆演出が報知する入球口に向けて遊技球を発射させることにより、遊技が単調でなくなり遊技することに飽きてしまうことを防止できる。
また、遊技動作示唆演出は、第2図柄表示部83の位置が移動することだけに限らず、音声等で報知(例えば、音声で「右」、「左」などを指示する)するようにしても良いし、ランプ等(例えば、青いランプが点灯するれば第1入球口63を赤いランプが点灯すれば第2入球口64を示す)で報知するようにしても良いし、文字等(例えば、「第1入球口63」「第2入球口64」等の開放される入球口を文字で指示する)を表示させて報知するようにしてもよい。
遊技者は、遊技動作示唆演出がされると、狙うべき入球口を事前に把握でき、遊技動作示唆演出がされない場合と比較して、有利に第1入球口63又は第2入球口64へ遊技球を入球させることができる。
なお、本実施形態においては、第3入球口67a又は第4入球口67bへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示部83は、球が第3入球口67a又は第4入球口67bを通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「☆」の図柄と「−」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「☆」の図柄)で停止した場合に対応する第1入球口63,又は第2入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第3入球口67a、第4入球口67bそれぞれの遊技球の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に普通図柄保留表示部84においても点灯表示される。普通図柄保留表示部84は、第3入球口67aと第4入球口67bの最大保留数の合計分の8つ設けられ、第3図柄表示装置81に表示される。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留表示部の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第3入球口67a又は第4入球口67bの通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、普通図柄保留表示部により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の左右両側には、球が入球し得る第1入球口63,第2入球口64がそれぞれ配設されている。この第1入球口63又は第2入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口63スイッチ又は第2入球口64スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口63スイッチ、第2入球口64スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口63,又は第2入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口63の下方には横長矩形状の第1可変入賞装置65が、第2入球口64の下方には横長矩形状の第2可変入賞装置650が配設されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第1特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1可変入賞装置65、又は第2可変入賞装置650の開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
具体的には、第1可変入賞装置65は、第1入球口63に入賞したことに基づいて特別図柄が当たりとなると開閉動作が設定され、第1特定入賞口65aが所定時間、又は所定条件が成立すまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。第2可変入賞装置650は、第2入球口64に入賞したことに基づいて特別図柄が当たりとなると開閉動作が設定され、第2特定入賞口650aが所定時間、又は所定条件が成立すまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
第1可変入賞口65又は第2可変入賞口650は、第1特定入賞口65a、又は第2可変入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65a、又は第特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65a、又は第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a、650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図6参照)が設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1000)(図17参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口63又は第2入球口64に対する入球について各カウンタ値が格納される特別図柄保留球実行エリア203cが設けられている。本実施形態では、第1入球口63、第2入球口64には、保留球が設定されていない。そのため、特別図柄が変動中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に遊技球が、第1入球口63又は第2入球口64に遊技球が入球すると、入球した入球口に対する各カウンタ値が特別図柄保留球実行エリア203cに格納される。一方、特別図柄の変動中や特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1入球口63又は第2入球口64に入球した場合には、入球した入球口に対する各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球5個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
また、本実施形態では、第1入球口63、第2入球口64には保留球が設定されていないが、第1入球口63への入球に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられている。また、同じく、第2入球口64への入球に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄2保留球格納エリア203bが設けられている。この特別図柄1保留球格納エリア203a、保留球格納エリア203bは本実施形態では、第1入球口63、第2入球口64に対する保留球数は設定されていないため、使用することはないが、保留球を所定数設定する仕様に変更する等の場合には、容易に仕様が変更できるように構成されているものである。保留球数が設定される場合には、これらの各エリアには、第1入球口63,又は第2入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
また、詳細については後述するが、RAM203には、第3入球口67a、第4入球口67bに対する遊技球の通過について各カウンタ値が格納される普通図柄保留球格納エリア203i(保留第1から第8エリア)と一つの普通図柄保留球実行エリア203jが設けられている。
図7に示す各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜109)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜109の値を取り得るカウンタの場合は109)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜109の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜109の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1000)(図17参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口63又は第2入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の特別図柄保留球実行エリア203cに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図8(c))によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値(当たり値)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜109の範囲の1バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は100で、その値「0〜99」が、大当たり乱数テーブルに格納されている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口63,又は第2入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の特別図柄保留球実行エリア203cに格納される。
ここで、特別図柄保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、特別図柄保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ特別図柄保留球実行エリア203cに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブルとに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図8(a)に示すように、ROM202には、各種テーブルが格納されている。図8(b)は、第1大当たり乱数カウンタテーブル202a、図8(c)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。大当たり種別テーブル202b(図8(c))は、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの「15R大当たり」、最大ラウンド数が5ラウンドの「5R大当たり」がある。
大当たり種別テーブルでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図8(c)の例では、大当たりA(15R大当たり)に対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、大当たりB(5R大当たり)に対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ特別図柄保留球実行エリア203cに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブルから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として大当たりA(15R大当たり)が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「45」であれば、大当たり種別として大当たりB(5R大当たり)が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に約40%の確率で大当たりA(15R大当たり)が選択され、また、60%の確率で5R大当たりが選択されるように、大当たり種別テーブルが規定されている。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、図10(a)に示すように、特別図柄外れ停止パターン選択テーブル202fが設定されている。停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口63,又は第2入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の特別図柄1特別図柄保留球実行エリア203cに格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図14参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(S1000)(図17参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いられる。即ち、MPU201は、変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定する。
本パチンコ機10は、変動パターンテーブルとして、特別図柄の大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202dと、特別図柄の外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202eと、普通図柄の当たり時、特殊外れ時、外れ時に用いられる変動パターンテーブル(普通図柄)202gが用意されている。
図9(a)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202dの一例を模式的に示した図である。図9(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202dは、大当たり種別として15R大当たり(大当たりA)及び5R大当たり(大当たりB)が決定された場合に参照される15R大当たりが決定された場合に参照される15R大当たり(大当たりA)専用と5R大当たりが決定された場合に参照される5R大当たり(大当たりB)専用に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(当たり値)であった場合に、同じ実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動パターンから決定される。
15R大当たりには、15Rノーマルリーチ各種、15Rスーパーリーチ各種、15Rスペシャルリーチ各種があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、15Rノーマルリーチ各種が0〜50、15Rスーパーリーチ各種が51〜150、15Rスペシャルリーチ各種が151〜198となっている。15Rノールリーチ各種とは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンであり、15Rスーパーリーチ各種とは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンであり、15Rスペシャルリーチ各種とは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
5R大当たりにも、15R大当たりと同じく、5Rノーマルリーチ各種、5Rスーパーリーチ各種、5Rスペシャルリーチ各種があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、5Rノーマルリーチ各種が0〜50、5Rスーパーリーチ各種が51〜150、5Rスペシャルリーチ各種が151〜198となっている。5Rノールリーチ各種とは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンであり、5Rスーパーリーチ各種とは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンであり、5Rスペシャルリーチ各種とは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
図9(b)は、ROM202に記憶される特別図柄の外れ用変動パターンテーブル202eの一例を模式的に示した図である。図9(b)に示すように、外れ用変動パターンテーブル202eは、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(当たり値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が通常時の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用変動パターンテーブル202eから決定される。
完全外れ専用には、短時間で変動が終了してリーチも成立しない完全外れ変動パターンがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、0〜198、つまり、特別図柄外れ停止パターン選択テーブル202f(図10(a)参照)で完全外れが選択された場合にはすべて、完全外れ変動態様が選択される。また、リーチ共通には、リーチは成立するが変動時間が短い外れノーマルリーチ各種と、そのノーマルリーチ各種より長い変動時間となる外れスーパーリーチ各種と、その外れスーパーリーチ各種より更に長い変動時間となる外れスペシャルリーチ各種とがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、外れノーマルリーチ各種が0〜148、外れスーパーリーチ各種が149〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
図10(b)は、ROM202に記憶される普通図柄の変動パターンテーブル202gを模式的に示した図である。図10(b)に示すように、普通図柄の抽選結果が当たりであった場合に選択される普通当たり変動パターン、普通図柄の抽選結果が特殊外れであった場合に選択される特殊外れ変動パターン、普通図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される外れ変動パターンで構成されている。即ち、普通図柄の変動パターンは、普通図柄の抽選結果に基づいてそれぞれ選択される。本実施例では、普通図柄の変動パターンは、各抽選結果につき一つだけとしたが、それに限るものではなく、特別図柄の変動パターン同様に、カウンタ値に基づいて複数の中かから選択されるものであっても良い。
第2当たり乱数カウンタC4(図8(d)参照)は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が第3入球口67a又は第4入球口67bを通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203iに格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202c(図8(d))によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が左右何れかの第3入球口67a又は第4入球口67b(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は3であり、その範囲は「5〜7」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜7」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示部83に停止図柄(第2図柄)として「☆」の図柄が点灯表示されると共に、第3入球口67aに対する遊技球の通過に対する遊技球の通過における抽選結果については第1入球口63が、第4入球口67bに対する遊技球の通過における抽選結果については第2入球口64が、所定時間(本実施形態では1.2s)だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜299)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1000)(図17参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
図11(a)は、図8(a)に示すようにROM202に記憶される加工条件設定テーブル202iを模式的に示した図である。後述する主制御装置110のMPU201が実行するコマンド加工処理(図14、S114)では、図12(a)に示す、コマンドの変更方法(設定A〜設定C)の中から一つの変更方法でコマンドが生成される。コマンドの変更方法は、図11(a)に示す加工条件設定テーブル202iと乱数生成回路260から取得した設定乱数値に基づいて決定された加工条件の設定により決定される。具体的には、設定乱数値の値が「0〜84」の範囲であれば、設定A(下3ビット目を反転)、「85〜169」の範囲であれば、設定B(下4ビット目を反転)、「170〜255」の範囲であれば、設定C(下5ビット目を反転)が選択される。具体的には、下から3ビット目(図12(a)ハッチング部)が「1」であれば「0」に反転され、下から3ビット目が「0」であれば「1」に反転されてコマンドが生成される。このようにコマンドを加工する条件を設定(特定ビットを反転することを設定)することをコマンドの生成方法を決定する(変更する)という。
図12(b)は、ROM202に記憶される別実施例の加工条件設定テーブル202iを模式的に示した図である。後述する主制御装置110のMPU201が実行するコマンド加工処理では(図14、S114)、図12(a)に示す変更方法(設定A〜設定B)に代えて、図12(b)に示す、コマンドの変更方法(設定A〜設定B)でコマンドが生成されるように構成してもよい。コマンドの変更方法は、図11(a)に示す加工条件設定テーブル202iと乱数生成回路260から取得した設定乱数値に基づいて決定された設定により決定される。具体的には、設定乱数値の値が「0〜84」の範囲であれば、設定A(1ビットずつ左にローテートさせる)、「85〜169」の範囲であれば、設定B(2ビットずつ左にローテートさせる)、「170〜255」の範囲であれば、設定C(3ビットずつ左にローテートさせる)が選択される。具体的には、設定Aでは、8ビットのコマンドでは、下1ビット目から8ビット目までを左に1ビットずつローテート(移動)させるので、1ビット目の値が2ビット目に移動し、2ビット目の値が3ビット目に移動し、4ビット目の値が5ビット目に移動し、6ビット目の値が7ビット目に移動し、7ビット目の値が8ビット目に移動し、8ビット目の値が1ビット目に移動してコマンドが生成される。このようにコマンドを加工する加工条件を設定(設定A〜設定B)することをコマンドの生成方法(変更方法)を決定する(変更する)という。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1000)(図17参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図16参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、特別図柄保留球実行エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄1保留球数カウンタ203g、普通図柄2保留球数カウンタ203h、普通図柄保留球格納エリア203i、普通図柄保留球実行エリア203j、その他メモリカウンタ203kを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203bは、本実施形態では第1入球口63、第2入球口64に対して保留球の設定がないため、使用しないが、保留球の設定がされるように仕様変更等された場合に使用するために設定されている予備エリアである。保留球が設定される仕様では、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図6参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が第1入球口63へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203aの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3、変動種別カウンタ格納エリア203a4にそれぞれ格納する。一方、球が第2入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3、変動種別カウンタ格納エリア203b4にそれぞれ格納する。特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。
また、特別図柄保留球実行エリア203cは、始動入賞に基づいて、各カウンタ値が格納され、特別図柄の大当たり抽選や、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
なお、本実施形態では特別図柄の始動入賞に対しては、保留球が設定されていないため、特別図柄を抽選可能な期間(特別図柄の変動中や大当たり遊技中等を省く期間)に始動入賞すると、直接、特別図柄保留球実行エリア203cに格納される。一方、始動入賞に保留球を設定する仕様では、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、本実施形態では第1入球口63、第2入球口64に対して保留球の設定がないため、使用しないが、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第1入球口63,又は第2入球口64への入球(以下「始動入賞」と称す)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図16、S917)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203a、特別図柄2保留球数カウンタ203bは、変動演出が実行される毎に1減算される。
また、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、始動入賞に対して保留球が設定される仕様では、第1入球口63に遊技球が入球したことに特別図柄1保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御基板から出力される特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。特別図柄1保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特別図柄1保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。なお、本実施形態では、始動入賞に対して保留球が設定されていないため、特別図柄1保留球数カウンタ203dを使用することはない。
また、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、始動入賞に対して保留球が設定される仕様では、第2入球口64に遊技球が入球したことに特別図柄2保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納されるた場合に、主制御基板から出力される特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。特別図柄2保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特別図柄2保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。なお、本実施形態では、始動入賞に対して保留球が設定されていないため、特別図柄2保留球数カウンタ203eを使用することはない。
ここで、再び、図6を参照して、特別図柄保留球実行エリア203cの詳細について説明する。特別図柄保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、外れ時に停止図柄を停止させる変動パターンの決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり時に停止図柄を停止させる変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。特別図柄保留球実行エリア203cは、球が第1入球口63,又は第2入球口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
特別図柄保留球実行エリア203cは、1つのエリアのみで構成されている。この特別図柄保留球実行エリア203cには、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4とが設けられている。
MPU201は、特別図柄保留球実行エリア203cにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されたデータを、変動開始処理(図20参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第3入球口67a又は第4入球口67bを遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、第3入球口67a又は第4入球口67bを遊技球が通過した保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図23、S917)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値8まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、変動演出が実行される毎に1減算される(図23、S309参照)。
普通図柄1保留球数カウンタ203gは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第3入球口67aに始動入賞したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄1保留球数カウンタ203gは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図23、S917)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。
普通図柄2保留球数カウンタ203hは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第4入球口67bに始動入賞したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄2保留球数カウンタ203hは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図16、S917)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。
普通図柄保留球格納エリア203iは、第3入球口67a、第4入球口67bへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図6参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4、第3入球口67a、第4入球口67bどちらの入球口へ始動入賞したかを示す第1〜2普通図柄フラグをそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が第3入球口67a又は第4入球口67bへ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4,の値を取得し、保留球格納エリア203bの第2当たり乱数カウンタ格納エリア203i1に格納する。そして、第3入球口67aを通過(始動入賞)した場合であれば、第1普通図柄フラグを第1〜2普通図柄フラグ格納エリア203i2に格納(記憶)する。一方、第4入球口67bへ通過(始動入賞)した場合であれば、第2普通図柄フラグを第1〜2普通図柄フラグ格納エリア203i2に格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203iは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、第1又は第2普通図柄フラグ)が、最大8回分まで記憶(保留)できるように、8つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203iには、第3入球口67a又は第4入球口67bへ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア203jは、始動入賞に基づいて、各カウンタ値が格納され、遊技球大当たり抽選や、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示部83又は第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203iに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア203jへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
その他のメモリエリアは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
主制御装置110のMPU201には、8ビットのカウンタICで構成された乱数生成回路260とフラッシュメモリ261が接続されている。乱数生成回路260は、内部にクロック信号を発生させるクロック信号発生回路が内蔵されており、パチンコ機10に電源が投入されて、乱数生成回路260が作動可能な電力が供給されると、MPU201の状態に関わらず、カウンタ値の更新を始める。なお、8ビットのカウンタであるので、カウンタ値の更新範囲は「0〜255」までとなっている。作動を開始するにあたり、乱数生成回路260の初期化は行わないので、乱数の更新を始める初期値はランダムになっており、不定の値からカウンタ値の更新を開始する。
なお、本実施形態では、乱数生成回路260を8ビットのカウンタICで構成したが、これに限らず、16ビットのカウンタICで構成しても良いし、その他の乱数生成回路260であっても良い。
フラッシュメモリ261は、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリであり、NAND型フラッシュメモリで構成されている。MPU221からのデータを読み込み及び書き込み可能に接続されている。フラッシュメモリ261には、後述する、コマンドの加工条件設定を記憶する領域である加工条件設定記憶エリア261aが設けられている。フラッシュメモリ261は、後述する、パチンコ機10のRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされてRAM203が初期設定がされても、フラッシュメモリ261は、初期設定されず、加工条件設定記憶エリア261aに記憶された加工条件の設定は保持される。
このように、加工条件の設定は、フラッシュメモリ261の加工条件設定記憶エリア261aに記憶されるように構成したので、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされてRAM203の初期化がされても加工条件の設定まで消去されてしまうのを防止できる。また、RAM203とは別で設けられたフラッシュメモリ261としたことで、不正にフラッシュメモリにアクセスして、加工条件の設定を抽出しようとする不正に対しても不正対策をフラッシュメモリに対してするだけで良く、不正防止の対策を簡素化できる。
また、パチンコ機10の他データが読み書きされるRAM203と別に設けたので、RAM203と比較して、データの読み書き回数が少なくなり、フラッシュメモリ261が破損して、加工条件の設定が消去されてしまうような不具合も抑制できる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部83、普通図柄保留表示部84、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、フラッシュメモリ262が接続されている。フラッシュメモリ262は、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリであり、NAND型フラッシュメモリで構成されている。MPU221からのデータを読み込み及び書き込み可能に接続されている。フラッシュメモリ262には、後述する、コマンドの加工条件設定を記憶する領域である加工条件設定記憶エリア262aが設けられている。フラッシュメモリ262は、後述する、パチンコ機10のRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされてRAM203が初期設定がされても、フラッシュメモリ262は、初期設定されず、加工条件設定記憶エリア262aに記憶された加工条件の設定は保持される。このように、加工条件の設定は、フラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aに記憶されるように構成したので、RAM223の初期値設定(S1110)がされてRAM223の初期化がされても加工条件の設定まで消去されてしまうのを防止できる。また、RAM223とは別で設けたので、不正にフラッシュメモリ262にアクセスして、加工条件の設定を抽出しようとする不正に対しても不正対策をフラッシュメモリ262に対してするだけで良く、不正防止の対策を簡素化できる。
また、パチンコ機10の他データが読み書きされるRAM223と別に設けたので、RAM223と比較して、データの読み書き回数が少なくなり、フラッシュメモリ262が破損して、加工条件の設定が消去されてしまうような不具合も抑制できる。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート425が接続されている。入出力ポート425には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
また、振動センサ228は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入球口への入球が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、特別図柄保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、遊技カウンタ223d、普通図柄保留球数カウンタ223e、遊技動作示唆設定フラグ223f、その他メモリエリア223gとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域エリア223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図28参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、本実施形態では、始動入賞に対して保留球数が設定されていないため使用されないが、保留球が設定される仕様に変更される等の場合に使用するために設けられているものである。主制御装置110の特別図柄1及び特別図柄2保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
変動開始フラグ223cは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特別図柄又は普通図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされる(図28、S1402参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図30、S1502参照)。
遊技カウンタ223dは、所定の範囲(本実施形態では0〜255)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では299)に達した後0に戻り、また1ずつ加算される構成となっている。遊技カウンタ223dの値は、定期的に(本実施形態では音声ランプ制御装置113のメイン処理(S1200)毎に1回)更新され(図26、S1212参照)、後述する、遊技動作示唆抽選処理(S1413)にて遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を行う場合に取得される(図29(b)、S1422)。また、継続抽選処理(S1411)にて遊技動作示唆設定を終了するか否かの抽選を行う場合にも取得される(図29(a)のS1431)。
普通図柄保留球数カウンタ223eは、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大8回まで計数するカウンタである。
遊技動作示唆設定フラグ223fは、遊技動作示唆設定が設定されたことを示すフラグであり、遊技動作示唆設定が設定された場合にはオンされる。一方、遊技動作示唆設定が設定されない場合にはオフされる。電源投入時にオフには設定される。遊技動作示唆抽選処理(S1413)でオンに設定され(図29(b)、S1424参照)、継続抽選処理(S1411)でオフに設定される(図29(a)、S1433参照)。音声ランプ制御装置113が現在、遊技動作示唆設定が設定されているか判別する場合には、この遊技動作示唆設定フラグ223fを判別することにより、遊技動作示唆設定が設定されているか判別する。
図6に戻り、説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域223aや、オン状態で変動演出を開始すべきことを示す変動開始フラグ223c、などを有している。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図11(c)は、図11(b)に示すように、ROM223に記憶される継続抽選テーブル222aの一例を模式的に示した図である。継続抽選テーブル222aは、遊技カウンタ223dより取得した遊技カウンタ値により、後述する、遊技動作示唆設定が継続されるか、継続されない(転落する)かの決定が行われるものである。具体的には、遊技カウンタ値が「0〜170」の範囲であれば、遊技動作示唆設定を継続すると判別され、「171〜255」の範囲であれば、継続しない(転落する)と判別される。
図11(d)は、図11(b)に示すようにROM223に記憶される遊技動作示唆抽選テーブル222bの一例を模式的に示した図である。遊技動作示唆抽選テーブル222bは、遊技カウンタ223dより取得した遊技カウンタ値により、後述する、遊技動作示唆設定が設定される(当たり)か、設定されない(外れ)かの決定が行われるものである。具体的には、遊技カウンタ値が「0〜127」の範囲であれば、遊技動作示唆設定を設定すると判別され、「128〜255」の範囲であれば、継続しないと判別される。なお、遊技動作示唆設定抽選は、主制御装置110から普通図柄の特殊外れを示す停止種別コマンドである特殊外れコマンドを受信した場合に実行される。
上記したように、主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
また、詳しくは後述するが、遊技動作示唆設定がされ、遊技者に遊技動作示唆演出が実行されると、遊技者は、遊技動作示唆演出がない場合よりも、第1入球口63又は第2入球口64へ容易に始動入賞させることができる。その為、パチンコ機10の仕様変更により、遊技者が大当たりを得ることができる確率を変えたパチンコ機10を提供する場合には、主制御装置110はそのまま流用し、音声ランプ制御装置113の遊技動作示唆設定が抽選される確率を変更したものを作成することで、仕様の変更をすることができる。
このようにすることで、主制御装置110は同じで、音声ランプ制御装置113のMPU221が遊技動作示唆設定の抽選を行った場合に、遊技動作示唆設定が設定される確率を高くする(図11(d)で当たりとなるカウンタ値の数を多くする)ことで、遊技者にとっては、特別図柄の大当たりが得られ易いパチンコ機10となり、一方、遊技動作示唆設定が設定される確率を低くする(図11(d)で当たりとなるカウンタ値の数を少なくする)ことで、遊技者にとっては、特別図柄の大当たりが得られ難いパチンコ機10となり、パチンコ機10のバリエーションを音声ランプ制御装置113を変更することで増やすことができる。よって、遊技店にバリエーション豊富なパチンコ機10を提供することができる。
また、主制御装置110のMPU201が、特殊外れを示す停止種別コマンドである特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信することに基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221が遊技動作示唆設定を抽選するようにしたことで、抽選のタイミングを主制御装置110のMPU201が決めることができ、遊技制御の妨げとなるようなタイミングで、音声ランプ制御装置113のMPU221が遊技動作示唆設定の抽選を行うことを防止できる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113の制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
そのため、主制御装置110や音声ランプ制御装置113の制御基板に直接不正をすることが困難なため、上記のように、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するコマンドに基づいて遊技者に利益となるような抽選(本実施形態では、遊技動作示唆設定の抽選)を音声ランプ制御装置113のMPU221に行わせると、主制御装置110と音声ランプ制御装置113を接続するハーネスに対して「ぶら下げ基板」と呼ばれる基板を使った不正をされる虞がある。
制御基板の全体を「ぶら下げ基板」とは、主制御装置110が音声ランプ制御装置113にコマンドを送信するハーネスに特殊な基板を取り付けて、音声ランプ制御装置113に対して強制的に特定のコマンドを送信するものである。
この「ぶら下げ基板」により、特殊外れコマンドを強制的に、何度も音声ランプ制御装置113に対して送信する。これにより、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その特殊外れコマンドを正規の特殊外れコマンドであると判別してしまうと、遊技動作示唆設定の抽選を実行し、遊技動作示唆設定を設定される虞がある。
しかしながら、後述するように、本実施形態では、主制御装置110のMPU201は、パチンコ機10に電源が投入されたことにより実行される立ち上げ処理(図23、911参照)により、特殊外れコマンドも変更されて生成される加工条件の設定がされる。加工条件が設定されると、音声ランプ制御装置113に対して加工条件の設定が加工条件コマンドとして、出力される。これにより、音声ランプ制御装置113のMPUも主制御装置110のMPU201が変更して生成するコマンドの変更方法(加工条件の設定)を認識することができる。
コマンド加工条件の設定は、主制御基板に電源が投入される度に、設定されることから、送信される特殊外れコマンドも電源が投入されることに基づいて変更される。よって、中古機等で特殊外れコマンドの解析を行って、「ぶら下げ基板」によりその解析した特殊外れコマンドを送信しても、遊技店に設置されたパチンコ機10で設定されている加工条件が異なれば、音声ランプ制御装置113のMPU221は、「ぶら下げ基板」が送信する特殊外れコマンドを正規の特殊外れコマンドであるとは判別せず、「ぶら下げ基板」による不正を防止できる構成となっている。
次に、図13を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図13は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、ROM234、画像コントローラ237について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、そのROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はROM234に格納された画像データを、ワークRAM233へ転送する。MPU231は、ワークRAM233へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
次に、図14から図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S1000)と、定期的に(本実施形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理(S1000)とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理(S1000)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、始動入賞処理(図15参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、変動処理(図18参照)や変動処理の一処理である変動開始処理(図20)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS111の処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に第1特定入賞口65a、又第2特定入賞口650aを開放し、第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aの最大開放時間が経過したか、又は第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると第1特定入賞口65a、第2特定入用口650aを閉鎖する。この第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置88による第2図柄(普通図柄)(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球が第3入球口67a又は第4入球口67bを通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置88にて第2図柄(普通図柄)の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口63,又は第2入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。この場合、第2図柄表示装置88の変動表示は後述する第2図柄表示部83と連動表示する。そして、同じ判定結果が同時に表示される。ここで、第2図柄表示装置88は、主制御装置110が直接変動表示制御を実行するものであり、第2図柄表示部83は、主制御装置110から出力された普通図柄の変動パターンコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113が生成する表示用変動パターンコマンドに基づいて、表示制御装置114が表示制御するものである。
このように構成することで、表示制御装置114が不具合等で第2図柄表示部83の表示ができない場合にも、第2図柄表示装置88で普通図柄の変動表示をすることができる。また、第2図柄表示装置88は、主制御装置110が直接制御していることから、「ぶら下げ基板」等により、主制御装置110が送信したコマンドと異なるコマンドで音声ランプ制御装置113が普通図柄の変動制御を行っている場合(表示制御装置114に表示用変動パターンコマンドを出力して普通図柄の変動表示を制御している場合)にも、第2図柄表示部83と第2図柄表示装置88の変動表示や停止図柄を比較することで確認することができる。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では109)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、停止種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、109,119,99,198,299)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S108)、次いで、第1入球口63,又は第2入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S109)。なお、変動処理の詳細は図18を参照して後述し、始動入賞処理の詳細は図15を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第3入球口67aや第4入球口67bを遊技球が通過したことに対する普通図柄の変動処理である普通図柄変動処理を実行し(S110)、次いで、第3入球口67aや第4入球口67bを遊技球が通過したことに対するスルーゲート処理を実行する(S111)。なお、普通図柄変動処理の詳細は図16を参照して後述し、スルーゲート処理の詳細は図17を参照して後述する。発射制御処理を実行し(S112)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行する(S113)。
次いで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113の送るコマンドの生成方法を決定するコマンド加工処理を実行し(S114)、タイマ割込処理を終了する。なお、コマンド加工処理の詳細は図21を参照して後述する。発射制御処理(S112)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図15のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である始動入賞処理(S109)を説明する。図15は、この始動入賞処理(S109)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1入球口63への入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を特別図柄保留球実行エリア203cに格納する処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理を実行すると、まず、球が第1入球口63に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、第1入球口63への入球を検出する。球が第1入球口63に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、始動入賞可能期間かどうか判別する(S202)。始動入賞可能期間は、本実施形態では、特別図柄保留球実行エリア203cに保存されているデータがない(特別図柄の抽選変動中でない)場合か、大当たり遊技中でない場合に設定される。
始動入賞可能期間であると判断されると(S202:Yes)、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し、RAM203の特別図柄保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ203c3及び変動種別カウンタ格納エリア203c4に各々保留(格納)する(S203)。
次に、特別図柄保留球実行エリア203cに各種カウンタ値が格納された後、もしくは(S201:No)又は(S202:No)と判別された場合には、第2入球口64に入賞(始動入賞があった)したか否かを判別する(S204)。ここでは、第2入球口64への入球を検出する。球が第2入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S204:Yes)、始動入賞可能期間かどうか判別する(S205)。
始動入賞可能期間であると判断されると(S205:Yes)、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し、RAM203の特別図柄保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ203c3及び変動種別カウンタ格納エリア203c4に各々保留(格納)する(S206)。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを検出すると、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、大当たり抽選や変動パターンの判定等を実行する。このように、特別図柄保留球実行エリア203c203bに格納されるカウンタC1〜C3,CS1の値は、変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選や変動パターンの判定等で用いられる。
なお、本実施形態では、第1入球口63、第2入球口64が同時に開放されることはない。それは、第1入球口63、第2入球口64への始動入賞は、第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過し、抽選が当たりとなった場合であり、普通図柄の抽選は第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過した順に実行される。さらに、普通図柄が当たりとなった場合に、第1普通電動役物63a又は第2普通電動役物64aが作動して第1入球口63、第2入球口64に入賞可能となる期間は1.2sであり、普通図柄の変動秒数は1.2s以上に設定されているため、第1入球口63、第2入球口64が同時に開放される期間はない。そのため、第1入球口63、第2入球口64に同時に入賞することがない構成となっている。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S110)について説明する。図16は、この普通図柄変動処理(S110)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S110)は、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口63、第2入球口64に付随する第1普通電動役物63a、第2普通電動役物64aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)又は特別図柄の当たり中であるか否か、又は特別図柄の変動中であるか否かを判定する(S301)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示部83において当たりを示す表示がなされてから第1入球口63、第2入球口64に付随する第1普通電動役物63a、第2普通電動役物64aの開閉制御がなされている最中までが含まれる。特別図柄の当たり中としては、第3図柄表示装置81において当たりを示す表示がなされてから大当たり遊技が終了するまでが含まれる。普通図柄(第2図柄)又は特別図柄の当たり中、又は特別図柄の変動中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなく、特別図柄の当たり中でなく、特別図柄の変動中でもなければ(S301:No)、第2図柄表示部83の普通図柄が変動中であるか否かを判定し(S302)、普通図柄が変動中でなければ(S302:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S307)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S308)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S308:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S308:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S309)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203iに格納されたデータをシフトする(S310)。S310の処理では、普通図柄保留球格納エリア203iの保留第1エリア〜保留第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリア、保留第5エリア→保留第4エリア、保留第6エリア→保留第5エリア、保留第7エリア→保留第6エリア、保留第8エリア→保留第7エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203iの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S311)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであった場合の第1普通当たり変動パターン又は第2普通当たり変動パターンを選択する(S312)。具体的には、第1〜2普通図柄フラグ格納エリア203j2に格納されているフラグを判別して変動パターンを選択する。第1〜2普通図柄フラグ格納エリア203j2に格納されているフラグが第1普通図柄当たりフラグであれば、第1普通当たり変動パターンが選択される。一方、第1〜2普通図柄フラグ格納エリア203j2に格納されているフラグが第2普通図柄当たりフラグであれば、第2普通当たり変動パターンが選択される(本実施形態では、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターンは、第2図柄表示装置88に「○」と「×」が20s間、交互に点灯される。又、第2図柄表示装置では20s間、「☆」と「−」が交互に変動表示される)。
なお、第1普通当たり変動パターンと第2当たり変動パターンの2種類の普通図柄の当たり変動パターンが設定されているのは、第1普通図柄当たり変動パターンと第2普通当たり変動パターンとで変動パターンコマンドが異なり、音声ランプ制御装置113のMPU221が、普通図柄の当たりが、第3入球口67aを遊技球か通過したことを契機にした抽選結果であるか、第4入球口67bを遊技球か通過したことを契機にした抽選結果であるかを判別できるようにするためである。
次に、S311の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図8(d))とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S313)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値とを比較する。上述したように、第2当たりカウンタC4の値が「5〜7」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,8〜299」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(d)参照)。
次に、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S314:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S315)。このS315の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として第2図柄表示装置88に「○」(第2図柄表示部83に「☆」)の図柄が点灯表示されるように設定する。
次に、S316の処理に移行し、第1普通当たり変動パターンが設定されていれば(今回の抽選結果が第3入球口67aを遊技球が通過したことに対する抽選結果であれば)、第1入球口63に付随する第1普通電動役物64aの開放期間を1.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定する。一方、第2普通当たり変動パターンが設定されていれば(今回の抽選結果が第4入球口67bを遊技球が通過したことに対する抽選結果であれば)、第2入球口64に付随する第2普通電動役物64aの開放期間を1.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S316)、S317の処理へ移行する。
S314の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S314:No)、第2当たり乱数カウンタC4の値と普通図柄乱数テーブル(図8(d))とに基づいて、普通図柄の特殊外れであるか否かを判定する(S318)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。第2当たり乱数カウンタC4の値が「98〜100」の範囲にあれば、普通図柄の特殊外れであると判定し、「0〜4,101〜299」の範囲にあれば、普通図柄の特殊外れではないと判定する(図8(d)参照)。
次に、普通図柄の特殊外れであると判定された場合には(S318:Yes)、外れ時の表示態様を設定する(S319)。このS319の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として第2図柄表示装置88に「×」(第2図柄表示部83に「−」)の図柄が点灯表示されるように設定する。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が特殊外れであった場合の特殊外れ変動パターンが決定される(S320)。S312の処理で決定された第1又は第2普通当たり変動パターンに上書きされる。(本実施形態では、特殊外れ変動パターンは、第2図柄表示装置88に「○」と「×」が20s間、交互に点灯される。又、第2図柄表示装置では20s間、「☆」と「−」が交互に変動表示される。)その後、S317の処理へ移行する。
S318の処理において、普通図柄の特殊外れでないと判定された場合には(S318:No)、外れ時の表示態様を設定する(S321)。このS321の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として第2図柄表示装置88に「×」(第2図柄表示部83に「−」)の図柄が点灯表示されるように設定する。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が外れであった場合の外れ変動パターンが決定される(S322)。S312の処理で決定された第1又は第2普通当たり変動パターンに上書きされる。(本実施形態では、特殊外れ変動パターンは、第2図柄表示装置88に「○」と「×」が20s間、交互に点灯される。又、第2図柄表示部83では20s間、「☆」と「−」が交互に変動表示される。)その後、S317の処理へ移行する。そして、S317では、S312、S320又はS322の処理で決定された普通図柄の変動パターンが設定される。
S302の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動中であれば(S302:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したか否かを判別する(S303)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部83(第2図柄表示装置88)において変動表示が開始される前に、S312の処理、S320の処理又はS322の処理によって予め設定された時間である。
S303の処理において、変動時間が経過していなければ(S303:No)、本処理を終了する。一方、S303の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していれば(S303:Yes)、第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88の停止表示を設定する(S304)。S304の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S315の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置88には「○」図柄、第2図柄表示部83には「☆」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S319又はS321の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置88には「×」図柄、第2図柄表示部83には「−」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S304の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88における変動表示が終了し、S315の処理、S319の処理又はS321の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88において実行中の変動表示の変動パターンは第1又は第2普通当たり変動パターンであるかを判定する。(変動開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する)(S305)。第2図柄表示部83、第2図柄表示装置88において実行中の変動表示の変動パターンが第1普通当たり変動パターン又は第2普通当たり変動パターンであれば(S305:Yes)、第1普通当たり変動パターンであれば、第1入球口63に付随する第1普通電動役物64aの開閉制御開始を設定する。一方、第2普通当たり変動パターンであれば、第2入球口64に付随する第2普通電動役物64aの開閉制御開始を設定する(S306)。その後、本処理を終了する。
S306の処理によって、第1普通電動役物63a又は第2普通電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、電動役物の開閉制御が開始され、S316の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S305の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S305:No)、S306の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S111)を説明する。図17は、このスルーゲート通過処理(S111)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S111)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第3入球口67a、第4入球口67bを遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(S111)では、まず、球が第3入球口67aを通過したか否かを判定する(S401)。ここでは、第3入球口67aを遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第3入球口67aを通過したと判定されると(S401:Yes)、普通図柄1保留球数カウンタ203gの値(第3入球口67aにおける変動表示の保留回数第1M)を取得する(S402)。そして、普通図柄1保留球数カウンタ203gの値(第1M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
球が第3入球口67aを通過していないか(S401:No)、或いは、球が第3入球口67aを通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(第1M)が4未満でなければ(S403:No)、S406の処理へ移行する。一方、球が第3入球口67aを通過し(S401:Yes)、且つ、普通図柄1保留球数カウンタ203gの値(第1M)が4未満であれば(S403:Yes)、普通図柄1保留球数カウンタ203gの値(第1M)を1加算する(S404)。そして、上述したタイマ割込処理のS107で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第1普通図柄フラグとをRAM203の普通図柄保留球格納エリア203iの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第8エリア)のうち最初のエリアに格納する(S405)。尚、S405の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、その値が4であれば保留第5エリアを、その値が5であれば保留第6エリアを、その値が6であれば保留第7エリアを、その値が7であれば保留第8エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、遊技球が第4入球口67bを通過したか否かを判定する(S406)。ここでは、第4入球口67bを遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第4入球口67bを通過したと判定されると(S406:Yes)、普通図柄2保留球数カウンタ203hの値(第4入球口67bにおける変動表示の保留回数第2M)を取得する(S407)。そして、普通図柄2保留球数カウンタ203hの値(第2M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S408)。
遊技球が第4入球口67bを通過していないか(S406:No)、或いは、遊技球が第4入球口67bを通過していても普通図柄保留球数カウンタ203hの値(第2M)が4未満でなければ(S408:No)、本処理を終了する。一方、遊技球が第4入球口67bを通過し(S406:Yes)、且つ、普通図柄2保留球数カウンタ203hの値(第2M)が4未満であれば(S406:Yes)、普通図柄2保留球数カウンタ203hの値(第2M)を1加算する(S409)。そして、上述したタイマ割込処理のS107で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2普通図柄フラグとをRAM203の普通図柄保留球格納エリア203iの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第8エリア)のうち最初のエリアに格納して(S410)、本処理を終了する。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理(S108)について説明する。図18は、この変動処理(S108)を示すフローチャートである。変動処理(S108)は、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S501)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S501:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S502)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、次いで、特別図柄保留球実行エリア203cにデータが格納されているか判別する(S503)。特別図柄保留球実行エリア203cにデータが格納されていなければ(S503:No)、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S504)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S504:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過していれば(S504:Yes)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S505)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1入球口63又は第2入球口64に始動入賞したと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S505:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S506)、タイマ割込処理に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S505:Yes)、そのままタイマ割込処理に戻る。S506の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図14、S101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過した場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動表示が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。また、S503の処理において、特別図柄保留球実行エリア203cにデータが格納されていれば(S503:Yes)、変動開始処理を実行する(S507)。
S502の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S502:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S508)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S508:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S509)、タイマ割込処理に戻る。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S508:Yes)、変動中処理(S510)を実行して、本処理を終了する。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動中処理(S510)について説明する。図19は、この変動中処理(S510)を示すフローチャートである。変動中処理(S510)は、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動演出において変動中の演出について制御するものである。
変動中処理(S510)では、まず、第1図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S511)。停止図柄は、図20を参照して後述する変動開始処理(S507)によって予め設定される。変動開始処理では、特別図柄保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値により、15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)となる図柄か、5R大当たり(最大ラウンド数が5ラウンドの大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、5R大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDは、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S510の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S512)、タイマ割込処理に戻る。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。これにより、表示制御装置114は、確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
次に、停止する図柄に対して今回の抽選結果は、大当たりであるか否かが判別する(S513)。今回の抽選結果が大当たりでない(外れである)と判別されると(S513:No)、この処理を終了してタイマ割り込み処理に戻る。今回の抽選結果が大当たりであると判別されると(S513:Yes)、今回の抽選結果が15R大当たり(第1当たり種別カウンタC2の値が15R大当たり)であるかが判別される(S514)。今回の抽選結果が15R大当たりであると判別されると(S514:Yes)、第1入球口63へ始動入賞したことに基づいた抽選結果による大当たりである場合には、第1可変入賞口65に対して15R大当たりのラウンド回数等について大当たりの各種設定がされる。一方、第2入球口64へ始動入賞したことに基づいた抽選結果による大当たりである場合には、第2可変入賞口650に対して15R大当たりのラウンド回数等について大当たりの各種設定が実行される(S515)。
今回の抽選結果が5R大当たりであると判別されると(S514:No)、第1入球口63へ始動入賞したことに基づいた抽選結果による大当たりである場合には、第1可変入賞口65に対して5R大当たりのラウンド回数等について大当たりの各種設定がされる。一方、第2入球口64へ始動入賞したことに基づいた抽選結果による大当たりである場合には、第2可変入賞口650に対して5R大当たりのラウンド回数等について大当たりの各種設定が実行される(S516)。その後、この処理を終了し、タイマ割り込み処理に戻る。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動開始処理(S507)について説明する。図20は、変動開始処理(S507)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S507)は、特別図柄保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)等を決定する。
変動開始処理では、まず、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S601)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜109のうち「0〜99」が当たり値(当たり値)となる。
そして、S601の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S601:Yes)、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値と、図8(c)に示す大当たり種別テーブルとに基づいて、大当たり時の表示態様(15R大当たり(大当たりA)であれば、LED37aで青色のLEDを点灯、5R大当たり(大当たりB)であれば、LED37aで赤色のLEDを点灯)を設定する(S602)。
この処理では、大当たり種別テーブルによって、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの15R大当たりか、最大ラウンド数が5ラウンドの5R大当たりか、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、第1図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、第3図柄表示装置81において、大当たり種別に対応した各種大当たりに大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R大当たり、5R大当たり)をそのまま停止種別として設定することにより、第3図柄表示装置81における大当たり時の表示態様を設定する。
次に、図9(a)に示す大当たり用変動パターンテーブル202dに基づき、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種の中から、S602の処理によって判別された大当たり種別と、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値とに対応付けられた、大当たり時の変動パターンを決定する(S603)。S603の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり図柄で停止するまで変動時間が決定される。なお、変動パターンと変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S601:No)、外れ時の表示態様を設定する(S606)。S606の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれかを設定する。本実施形態では、上述したように、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、各停止種別に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるようにテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定し(S607)、S604の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、外れ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。このとき、図9(b)に示す外れ用変動パターンテーブル202eに基づいて、完全外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、S606の処理によって設定された停止種別と、特別図柄保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンが決定される。
S604の処理では、S603及びS607の処理によって決定された変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S604)。また、S602又はS606の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S605)、変動処理へ戻る。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図14)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるコマンド加工処理(S114)について説明する。図21は、コマンド加工処理(S114)を示したフローチャートである。このコマンド加工処理(S114)は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信するコマンドがあるか判別して、設定されている加工条件に基づいてコマンドを変更して生成する処理である。
主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドが設定(コマンド送信用リングバッファにセット)されているか判別する(S701)。コマンドが設定されていると判別された場合には(S701:Yes)、後述するS911の処理で設定された加工条件は、設定Aかどうか判別する(S702)。設定Aであると判別された場合には(S702:Yes)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力するために設定されている一つのコマンドに対して2バイト構成のコマンドの下位バイトの下から3ビット目を反転して生成したコマンドを出力用バッファに設定する(S703)。
S702の処理にて、設定Aではないと判別された場合には(S702:No)、設定Bかどうか判別する(S704)。設定Bであると判別された場合には(S704:Yes)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力するために設定されている一つのコマンドに対して2バイト構成のコマンドの下位バイトの下から4ビット目を反転して生成したコマンドを出力用バッファに設定する(S705)。
S704の処理にて、設定Bではないと判別された場合には(S704:No)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力するために設定されている一つのコマンドに対して2バイト構成のコマンドの下位バイトの下から5ビット目を反転して生成したコマンドを出力用バッファに設定する(S706)。
次に、S701の処理に戻り、繰り返し、音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドがあるか判別する。出力するコマンドがあると判別された場合には(S701:Yes)、再び、上記した処理を繰り返す。音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドがあるか判別し(S701)、出力するコマンドがないと判別された場合には(S701:No)、この処理を終了する。
上述したように、加工条件の設定により、コマンドの生成方法(変更方法)を変えることができる。主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドは、上位(1バイト)、下位(1バイト)の2バイト構成となっている。上位バイトのコマンドには、音声ランプ制御装置113のコマンドであることが判別できるように構成されている。加工条件の設定により、変更されるコマンドは下位バイトのコマンドとなっており、主制御装置110が加工条件の設定に基づいてコマンドの生成方法を変更しても、上位バイトのコマンドは変更されることがない。
このため、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドを加工条件の設定に基づいて生成(変更)しても、他の制御装置(例えば、払出制御装置111)と同じコマンドになってしまう不具合を防止している。そのため、主制御装置110がすべての接続されている制御装置に対してコマンドを出力する構成にしても、不具合なく制御を行うことができる。
なお、本実施形態では、図12(a)に示すように、特定ビットを反転させる方法を用いたが、それに限定されるものではなく、図12(b)に示すように、コマンドのビットを所定数一方向にローテートする方法であっても良い。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(S913)(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S605)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS915へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、図24のS1007の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S915)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。
なお、RAM203の初期化処理(S916,S917)では、フラッシュメモリ261は初期化処理されない。よって、後述する、加工条件設定(図23、S911)が記憶される加工条件設定記憶エリア261aも初期化処理されないので、加工条件設定の記憶も保持される。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。RAMの初期化処理(S916,S917)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S916)、その後、RAM203の初期値を設定する(S917)。RAM203の初期化処理の実行後は、S913の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、主制御装置110に設けられた乱数生成回路260から設定乱数値を取得する(S910)。なお、取得された設定乱数値は、主制御装置110のRAM203のその他のメモリエリア203kに記憶される。次に、取得した設定乱数値に基づいて、加工条件を選択しフラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aに記憶される(S911)。具体的には、取得した設定乱数値と加工条件設定テーブル202iとに基づいて加工条件の設定を選択(決定)する。設定乱数値の値が「0〜84」の範囲であれば、設定A(下3ビット目を反転)、「85〜169」の範囲であれば、設定B(下4ビット目を反転)、「170〜255」の範囲であれば、設定C(下5ビット目を反転)が選択される。次に、音声ランプ制御装置113に対して選択した加工条件の設定に基づく、加工条件コマンドを出力する(S912)。
次に、音声ランプ制御装置113が加工条件コマンドを受信して、音声ランプ制御装置113で行われている立ち上げ処理(図25)が完了するのに必要な時間まで待機する(S913)。その後、割込みを許可する(S914)。そして、後述するメイン処理(S1200)に移行する。
上述したように、パチンコ機10に電源が投入された場合に、第1に実行される立ち上げ処理(S910〜S911)で、加工条件の設定を行い、音声ランプ制御装置113へ加工条件コマンドを出力しているので、遊技が実行可能になる場合には、加工条件の設定でコマンドが変更して生成されて音声ランプ制御装置113に対して出力され、音声ランプ制御装置113のMPU221もそのコマンドを加工条件コマンドに基づいて、判別することができる。
このように、遊技が可能となる状態では、すでに、後述する、特殊外れコマンドも変更されて出力される。よって、中古機等で解析した特殊外れコマンドを「ぶら下げ基板」等が出力しても、そのコマンドを正規の特殊外れコマンドとして、音声ランプ制御装置113のMPU221は判別できない。従って、「ぶら下げ基板」による不正を防止できる。
また、主制御装置110に設けられた乱数生成回路260は、作動可能な電力が供給されると、作動するにあたり、乱数生成回路260の初期化は行わないので、乱数の更新を始める初期値はランダムになっており、不定の値から更新を開始する。よって、立ち上げ処理で、主制御装置110のMPU201が取得する設定乱数値は、毎回ランダムな値になり易く、その値に基づいて選択される加工条件もランダムになり易い。
さらに、主制御装置110のMPU201は、音声ランプ制御装置113に加工条件コマンドを出力した後、所定時間の待機時間を待機するウエイト処理(S913)を実行する。このウエイト処理(S913)の待機時間は、加工条件コマンドを出力してから、音声ランプ制御装置113がメイン処理(S1200)へ移行するまでに必要な時間より長く設定されている。これにより、主制御装置110がメイン処理(S1000)へ移行し、遊技の開始が可能となった状態では、すでに音声ランプ制御装置113は、メイン処理(S1200)を実行している。
よって、遊技が開始されても、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される通常遊技のコマンド(例えば、変動コマンド等)に対して、取りこぼしなく受信して通常の制御処理をすることができる。
主制御装置110のMPU201は、加工条件の設定を行うと、その加工条件をフラッシュメモリ261の加工条件設定記憶エリア261aに記憶するので、パチンコ機10のRAM203と独立して加工条件の設定が記憶されることとなり、不正にRAM203にアクセスされても加工条件の設定が抽出される不正を防止できる。RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされてRAM203の初期化がされても加工条件の設定まで消去されてしまうのを防止できる。また、RAM203とは別で設けられたフラッシュメモリ261としたことで、不正にフラッシュメモリにアクセスして、加工条件の設定を抽出しようとする不正に対しても不正対策をフラッシュメモリに対してするだけで良く、不正防止の対策を簡素化できる。
また、パチンコ機10の他データが読み書きされるRAM203と別に設けたので、RAM203と比較して、データの読み書き回数が少なくなり、フラッシュメモリ261が破損して、加工条件の設定が消去されてしまうような不具合も抑制できる。
なお、本実施形態では、フラッシュメモリ261には、加工条件の設定が記憶される構成としたが、それに限るものではなく、加工条件の設定に基づいて決定される設定情報であっても良いし、受信した加工条件コマンドであってもよい。
また、本実施形態では、フラッシュメモリ261は公知のフラッシュメモリで構成したが、それに限らず、パチンコ機10に電力が供給されていない状態(電断状態)でも記憶を保持可能な記憶手段であればよく、例えば、内部電池等を有し、所定時間記憶を保持可能に構成されたRAM等であってもよい。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1000)について説明する。図24は、このメイン処理(S1000)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1000)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(S1000)では、まず、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1001)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1001:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、前回のタイマ割り込み処理が開始されてから所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1002)、既に所定時間が経過していれば(S1002:Yes)、処理をS1001へ移行し、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する処理を繰り返し行する。
一方、所定時間が経過していなければ(S1002:No)、所定時間に至るまで間、即ち、所定時間に至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1003,S1004)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1003)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では109、299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107の処理と同一の方法によって実行し(S1004)、S1001の処理へ移行する。
ここで、タイマ割り込み処理にかかる時間は、タイマ割り込み処理における処理内容により変化し、所定時間が経過するまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1001の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1001:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1005以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1005)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1006)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1007)、RAM203のアクセスを禁止して(S1008)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1001の処理は、残余時間内に行われるS1003とS1004の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理(S1000)において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S1200)とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1218の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26、S1215参照)、S1218の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1218の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1218の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1218の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1218の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1218の電源断処理の実行時にオンされる(図26、S1217参照)。つまり、電源断フラグは、S1218の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1218の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1113)、メイン処理(S1200)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
また、フラッシュメモリ262についてはS1109の処理では初期化されない。よって、加工条件設定が記憶される加工条件設定記憶エリア262aについても初期化されることはない。従って、加工条件設定が消去されてしまうこともない。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1110)。
次に、主制御装置110から加工条件コマンドを受信しているか判別される(S1111)。加工条件コマンドを受信していないと判別された場合には(S1111:No)、S1111の処理を繰り返し実行し、主制御装置110から加工条件コマンドを受信するのを待つ。S1111の処理で、加工条件コマンドを受信していると判別された場合には(S1111:Yes)、受信した加工条件コマンドに基づいてコマンド加工条件を設定(選択)し、フラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aに記憶する(S1112)。なお、加工条件コマンドには、設定Aを指定する設定Aコマンドと、設定Bを指定する設定Bコマンドと、設定Cを表す設定Cコマンドがあり、音声ランプ制御装置113は、この加工条件コマンドに基づいて指定された加工条件(設定A〜C)を設定(選択)し、フラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aに記憶する。割込み許可を設定して(S1113)、メイン処理(S1200)へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
上述したように、主制御装置110から加工条件コマンドを受信するまでは、次のメイン処理(S1200)に移行しないため、音声ランプ制御装置113のMPU221で加工条件の設定ができていないのに、遊技が開始される不具合を防止できる。また、パチンコ機10が遊技可能な状態とならないので、遊技店側がパチンコ機10の異常に気づくことができる。また、加工条件の設定が行われていない状態で遊技が開始されてしまうのを防止できる。
なお、加工条件の設定がフラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aに記憶されるので、RAM223のデータが破壊される等で、初期化設定(S1110)される場合にも、フラッシュメモリ262は初期化されないので、加工条件設定記憶エリア262aの記憶も保持され、加工条件の設定が初期化されるのを防ぐことができる。
さらに、RAM223に不正にアクセスされても、フラッシュメモリ262はRAM223とは独立して設けられているため、加工条件の設定が不正に抽出されるのを防止できる。これにより、加工条件の設定を抽出され、コマンドの変更方法を解析されて、「ぶら下げ基板」により後述する、「特殊外れコマンド」が不正に出力される不正を防止できる。
なお、本実施形態では、フラッシュメモリ262には、加工条件の設定が記憶される構成としたが、それに限るものではなく、加工条件の設定に基づいて決定される設定情報であっても良いし、受信した加工条件コマンドであってもよい。
また、本実施形態では、フラッシュメモリ262は公知のフラッシュメモリで構成したが、それに限らず、パチンコ機10に電力が供給されていない状態(電断状態)でも記憶を保持可能な記憶手段であればよく、例えば、内部電池等を有して所定時間記憶を保持可能に構成されたRAM等であってもよい。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1200)について説明する。図26は、このメイン処理(S1200)を示したフローチャートである。メイン処理(S1200)が実行されると、まず、該メイン処理(S1200)が開始されてから、又は、前回S1201の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1211の処理を行わずにS1213の処理へ移行する。S1201の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1211が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1213の変動表示処理やS1214のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1214の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1214の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1209の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1207の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1209)、その後音編集・出力処理を実行する(S1210)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1210の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1211)。この後、S1212の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1209のランプ編集処理が実行される。なお、S1210の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1212の処理では、音声ランプ制御装置113のRAM223の遊技カウンタ223dが更新される(S1212)。遊技カウンタ223dは0〜255の範囲で更新されるカウンタ値であり、このS1212の処理が実行される度に、1ずつ加算され、上限値である255まで達すると0に戻されて繰り返し更新される。この後、S1213の処理へ移行する。
S1213の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図30を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110から受信したコマンドについて、所定の変更方法で生成された各種コマンドの判別をする判別処理を実行する(S1220)。
コマンド判別処理(S1220)は、主制御装置110のMPU201が実行するコマンド加工処理(図14、S114)で加工条件設定に基づいて変更されたコマンドを、音声ランプ制御装置113のMPU221が立ち上げ処理で受信している加工条件コマンドに基づいて変更されたコマンドを変更される前のコマンドに戻す処理を行う。このコマンド判別処理の詳細については、図27を参照して後述する。
次いで、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1214)。このコマンド判定処理の詳細については、図28を参照して後述する。
S1214の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1215)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1215の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1215:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1217)、電源断処理を実行する(S1218)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1219)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1215の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1215:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1216)、RAM223が破壊されていなければ(S1216:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理(S1200)が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1216:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理(S1200)が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判別処理(S1220)について説明する。図27は、このコマンド判別処理(S1220)を示したフローチャートである。このコマンド判別処理(S1220)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1200)(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信した加工条件の設定に基づいて変更されたコマンドを、加工条件コマンドに基づいて変更される前のコマンドに戻す処理を実行する。
まず、主制御装置110から受信した新規コマンドがあるか否か判別する(S1301)、主制御装置110から受信した新規コマンドがないと判別された場合には(S1301:No)、この処理を終了し、メイン処理(S1200)(図26)に戻る。一方、主制御装置110から受信した新規コマンドがあると判別された場合には(S1301:Yes)、フラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aにコマンド加工条件のうち、設定Aが記憶されているか判別する(S1302)。加工条件設定記憶エリア262aに記憶されている加工条件の設定が、設定Aが記憶されていると判別された場合には(S1302:Yes)、2バイト構成のコマンドの下位コマンドの下3ビット目を反転して、コマンドが設定(格納)されていたバッファに設定(格納)する(S1303)。
一方、設定Aが記憶されていないと判別された場合には(S1302:No)、フラッシュメモリ262の加工条件設定記憶エリア262aに記憶されている加工条件の設定が、設定Bか判別する(S1304)。設定Bが記憶されていると判別された場合には(S1304:Yes)、2バイト構成のコマンドの下位コマンドの下4ビット目を反転して、コマンドが設定(格納)されていたバッファに設定(格納)する(S1305)。さらに、設定Bが記憶されていないと判別された場合には(S1302:No)、2バイト構成のコマンドの下位コマンドの下5ビット目を反転して、コマンドが設定(格納)されていたバッファに設定(格納)する(S1306)。
次に、S1301の処理に戻り、繰り返し、主制御装置110から受信した新規コマンドがあるか否か判別する。あると判別された場合には(S1301)、再び、上記した処理を繰り返す。主制御装置110から受信した新規コマンドがないと判別された場合には(S1301:No)、この処理を終了する。
上述したように、主制御装置110のMPU201がコマンド加工処理(S114)で加工条件の設定に基づいてコマンドを変更した方法と同じ方法で変更される前のコマンドに戻す処理をすることで、音声ランプ制御装置113のMPU221は、後述するコマンド判定処理で特殊な処理をしなくても、受信したコマンドの内容を判別することができる。
コマンドを変更される前に戻す方法は、主制御装置110がコマンドを変更する方法に合わせて、適宜設定されるものであり、図12(b)のようなローテート方式で主制御装置110が変更するように設定されている場合には、主制御装置110でローテートされた反対の方向に同じ数だけローテートさせる方法にすることで、変更される前のコマンドに戻すことができる。
また、本実施形態では、コマンドを変更される前に戻すことで、コマンドの内容を判別できる構成としたが、それに限らず、例えば、加工条件の設定ごとに、変更されたコマンドとその内容が関連付けられたコマンド判定テーブルを設定しておき、受信したコマンドを加工条件の設定と、コマンド判定テーブルとに基づいて、判別するように構成してもよい。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1214)について説明する。図28は、このコマンド判定処理(S1214)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1214)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1200)(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S1214)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S1214)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1401)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1401:Yes)には、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S1402)、また、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1403)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図30参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別とを通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S1403の処理で、抽出した変動パターン種別が第1普通当たり変動パターン又は第2普通当たり変動パターン(図10(b))であるか判別する(S1404)。抽出した変動パターン種別が第1普通当たり変動パターン又は第2普通当たり変動パターン(図10(b))に関する変動パターン種別でないと判別された場合には(S1404:No)、メイン処理(S1200)に戻る。一方、抽出した変動パターン種別が普通当たり変動パターン(図10(b))であると判別された場合には(S1404:Yes)、遊技動作示唆設定がされているかどうか判断する(S1405)。
遊技動作示唆設定がされていると判別された場合には(S1405:Yes)、S1403の処理で、抽出した変動パターン種別が第1普通当たり変動パターン(図10(b))であるか判別する(S1420)。S1403の処理で、抽出した変動パターン種別が第1普通当たり変動パターン(図10(b))であると判別された場合には(S1420:Yes)、第1示唆変動パターン種別を設定する(S1406)。その後、メイン処理に戻る。
一方、S1403の処理で、抽出した変動パターン種別が第1普通当たり変動パターン(図10(b))であると判別された場合には(S1420:No)、第2示唆変動パターン種別を設定する(S1421)。その後、メイン処理(S1200)に戻る。
ここで、第1普通当たり変動パターンは、第3入球口67aを遊技球が通過したことを契機に抽選された結果、抽選結果が当たりとなった場合に選択される変動パターンである。一方、第2普通当たり変動パターンは、第4入球口67bを遊技球が通過したことを契機に抽選された結果、抽選結果が当たりとなった場合に選択される変動パターンである。
遊技動作示唆設定が設定されている場合に、選択される第1示唆変動パターン種別、第2示唆変動パターン種別は、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信される表示用変動パターンの一つである。通常、遊技動作示唆設定がされていない状態では、普通図柄の変動表示は、抽選結果にかかわらず、図4(b)に示すように、第2図柄表示部83は小領域Ds2で変動表示される。
遊技動作示唆設定がされている場合に、第1普通当たり変動パターンを受信した場合に設定される第1示唆変動パターン種別は、図5(a)のように第2図柄表示部83を小領域Ds1に移動させて表示させる表示用変動パターンである。これにより、遊技者は、現在、行われている普通図柄の変動表示が、第1示唆変動パターン種別により、小領域Ds1に移動して表示されることで、普通図柄が当たり図柄(本実施形態では「☆」)で停止表示された場合には、第1入球口63に付随する第1普通電動役物63aが作動し、第1入球口63aが入球可能になると判別できる。つまり、第1示唆変動パターンは、第1入球口63が入球可能になることを事前に報知している。
一方、遊技動作示唆設定がされている場合に、第2普通当たり変動パターンを受信した場合に設定される第2示唆変動パターン種別は、図5(b)のように第2図柄表示部83を小領域Ds3に移動させて表示させる表示用変動パターンである。これにより、遊技者は、現在、行われている普通図柄の変動表示が、第2示唆変動パターン種別により、小領域Ds3に移動して表示されることで、普通図柄が当たり図柄(本実施形態では「☆」)で停止表示された場合には、第2入球口64に付随する第2普通電動役物64aが作動し、第2入球口64aが入球可能になると判別できる。つまり、第2示唆変動パターンは、第2入球口64が入球可能になることを報知している。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1407)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1407:Yes)、停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1408)。
そして、S1408の処理で抽出された停止種別が、特別図柄の当たりを示す停止種別コマンドであるか判断される(S1409)。S1408の処理で抽出された停止種別が、特別図柄の当たりを示す停止種別コマンドであると判別された場合には(S1409:Yes)、遊技動作示唆設定がされているか判別される(S1410)。遊技動作示唆が設定されていないと判別された場合には(S1410:No)、S1414の処理に移行する。一方、遊技動作示唆設定がされていると判別された場合には(S1410:Yes)、継続抽選処理(S1411)が実行される(S1411)。その後、S1414の処理に移行する。継続抽選処理(S1411)については、後述するが、遊技動作示唆設定を特別図柄の当たり遊技後も継続するか否かの抽選を実行するための処理である。
S1409の処理で、抽出された停止種別が、特別図柄の当たりを示す停止種別コマンドでないと判別された場合には(S1409:No)、抽出された停止種別が、停止種別は特殊外れを示す停止種別かどうか判別される(S1412)。抽出された停止種別が、特殊外れを示す停止種別でないと判別された場合には(S1412:No)、S1414の処理へ移行する。一方、S1412の処理で、抽出された停止種別が、特殊外れを示す停止種別であると判別された場合には(S1412:Yes)、遊技動作示唆抽選処理が実行される(S1413)。その後、S1414の処理に移行する。
遊技動作示唆抽選処理(S1413)については、後述するが、特殊外れを示す停止種別コマンドを受信した場合に、遊技動作示唆を設定するか否かの抽選を実行するための処理である。
S1414の処理では、S1403の処理で抽出された停止種別を表示制御装置113へ通知するための表示用停止種別コマンドを設定して(S1411)、メイン処理(S1200)に戻る。S1414の処理で設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(S1200)のコマンド出力処理(S1202)により表示用制御装置114に対して送信される。
S1407の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1407:No)、次いで、主制御装置110より普通図柄保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1415)。そして、普通図柄保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1415:Yes)、普通図柄保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、主制御装置110に保留された普通図柄(第2図柄)の変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223aに格納する(S1416)。
ここで、普通図柄保留球数コマンドは、球が第3入球口67a,又は第4入球口67bに入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1417の処理によって、音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223eの値を主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の普通図柄保留球数カウンタ223eの値が主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S1416の処理の後、S1416の処理によって更新された普通図柄保留球数カウンタ223eの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1417)、メイン処理(S1200)へ戻る。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(S1200)のコマンド出力処理(S1202)により表示用制御装置114に対して送信される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S1415の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1415:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1418)。
次に、図29(a)を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される継続抽選処理(S1411)について説明する。図29(a)は、この継続抽選処理(S1411)を示したフローチャートである。
この継続抽選処理(S1411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図26、S1214)の中で実行され、上述したように、第2図柄表示部83で実行される遊技動作示唆演出が表示されるように設定された遊技動作示唆設定がされている場合に、その遊技動作示唆設定を特別図柄の大当たり遊技後も実行するか否かの抽選を実行するための処理である。
音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた遊技カウンタ223dから遊技カウンタ値を取得する(S1431)。次に、S1431で取得した遊技カウンタ値と継続抽選テーブル222a(図11(c))とに基づいて、遊技動作示唆設定を継続するか否かの抽選結果を取得する(S1411)。具体的には、遊技カウンタ値と継続抽選テーブル222a(図11(c))に格納されている値とを比較する。遊技カウンタ値が、「0〜170」の範囲にあれば、遊技動作示唆設定を継続すると判定し、「171〜255」の範囲にあれば、遊技動作示唆設定を解除(転落)すると判定する。
遊技動作示唆設定を継続すると判定された場合には(S1432:Yes)、このままこの処理を終了する。一方、遊技動作示唆設定を継続しないと判定された場合には(S1432:No)、遊技動作示唆設定フラグ223fをオフする。
次に、図29(b)を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される遊技動作抽選処理(S1413)について説明する。図29(b)は、この遊技動作示唆抽選処理(S1413)を示したフローチャートである。
この遊技動作示唆抽選処理(S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図28参照)の中で実行され、上述したように、この処理は、主制御装置110から普通図柄の判定結果が特殊外れであることを示す普通図柄の停止種別コマンドを受信した場合に行われる処理である。第2図柄表示部83で表示される普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりである変動表示である場合に、遊技動作示唆演出をする遊技動作示唆設定の設定をするか否かを決定するをための処理である。
音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた遊技カウンタ223dから遊技カウンタ値を取得する(S1422)。次に、S1422で取得した遊技カウンタ値と遊技動作示唆設定抽選テーブル(図11(d))とに基づいて、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選結果を取得する(S1423)。具体的には、遊技カウンタ値と遊技動作示唆抽選テーブル222b(図11(d))に格納されている値とを比較する。遊技カウンタ値が、「0〜127」の範囲にあれば、遊技動作示唆設定を設定する(当たり)と判定し、「128〜255」の範囲にあれば、遊技動作示唆設定を設定しない(外れ)と判定する。
遊技動作示唆設定をしない(外れ)と判定された場合には(S1423:No)、このままこの処理を終了する。一方、遊技動作示唆設定を設定する(当たり)と判定された場合には(S1423:Yes)、遊技動作示唆設定フラグ223fをオン(遊技動作示唆設定を設定)する。
上述したように、主制御装置110から特殊外れを示す停止種別である特殊外れコマンドを受信すると遊技動作示唆設定抽選処理が実行され、抽選で遊技動作示唆設定を設定することが決定されると遊技動作示唆が設定される。遊技動作示唆設定がされている状態で、普通図柄の抽選結果が当たりであることを示す変動パターンである普通当たり変動パターンを受信すると、示唆変動パターン種別が設定される。示唆変動パターン種別が設定されると、普通当たり変動パターンに基づく普通図柄の変動表示では、第2図柄表示部83が小領域Ds2からその普通当たり変動パターンが抽選される契機となった入球口により小領域Ds1又は小領域Ds3に移動して変動表示される。
遊技動作示唆演出は、第2図柄表示部が小領域Ds1に移動すれば、第1入球口63が入球可能になることを遊技者に報知することとなり、第2図柄表示部が小領域Ds3に移動すれば、第2入球口64が入球可能になることを遊技者に報知することとなる。遊技者は、この遊技動作示唆演出により、入球可能となる入球口を把握し、その入球口に狙いを定めて遊技球を発射することができる。
このように、遊技動作示唆演出設定が設定されると、遊技者は、第1入球口63又は第2入球口64に容易に始動入賞させることができるようにできる。
また、特別図柄の当たりを示す停止種別コマンドを受信した場合に、遊技動作示唆設定がされていると、遊技動作示唆設定を継続するか否かの抽選が行われるように構成したので、一度、遊技動作示唆設定がされると一度大当たりするまでは、遊技動作示唆設定が継続され、遊技者は、最低一度は特別図柄の大当たりを得るまで、遊技動作示唆演出がされるので、遊技動作示唆演出の価値を高くすることができ、遊技動作示唆設定がされることを目標にして遊技をすることができる。
さらに、特別図柄の大当たりの度に、遊技動作示唆設定が継続されるかの抽選がされるので、大当たりしたことに加え、遊技動作示唆設定の抽選結果に対する期待感も味わうことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技動作示唆設定は、特別図柄の大当たりまで最低継続される構成としたが、それに限らず、特殊外れコマンドを再び受信したことに基づいて遊技動作示唆設定を継続するか抽選しても良いし、抽選せずに、遊技動作示唆設定を解除するようにしても良い。また、所定の普通図柄の抽選回数が経過した場合には、遊技動作示唆設定を解除しても良い。その他、適宜、遊技動作示唆設定を解除する契機を設けるようにしても良い。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1213)について説明する。図30は、この変動表示処理(S1213)を示したフローチャートである。
この変動表示処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1200)(図26参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。また、普通図柄の変動演出の表示に伴って普通図柄保留球数カウンタ223eの値を更新して、更新後の普通図柄保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S1501)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1501:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理(S1200)に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S1501:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1502)、S1503の処理へ移行する。
S1503の処理では、コマンド判定処理(図28、S1214)のS1403の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1503)。S1503の処理で抽出された変動パターン種別を表示制御装置113へ通知するための表示用変動パターンコマンドを設定する(S1504)。
S1504の処理で設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(S1200)のコマンド出力処理(S1202)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。
次に、S1503で取得された変動パターン種別は、普通図柄の変動パターン種別であるかが判別される(S1505)。S1503で取得された変動パターン種別が普通図柄の変動パターン種別でないと判別された場合には(S1505:No)、このままこの処理を終了し、メイン処理(S1200)(図26)に戻る。一方、S1503で取得された変動パターン種別が普通図柄の変動パターン種別であると判別された場合には(S1505:Yes)、S1506の処理へ移行する。
S1506の処理では、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、普通図柄の保留球が消費される(即ち、普通図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、普通図柄保留球数カウンタ223eの値を1減らし(S1506)、更新後の普通図柄保留球数カウンタ223eの値で示される普通図柄の保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S1507)。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(S1200)のコマンド出力処理(S1202)により表示用制御装置114に対して送信される。そして、表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の普通図柄保留表示部84に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81の普通図柄保留表示部84に表示された普通図柄を示す保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された普通図柄に対する球の数を認識することができる。
なお、表示制御装置114の制御については、すでに公知のものであり、本発明の特徴的な構成を示すものでないため、詳細な説明は省略する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される表示制御用変動パターンコマンドを受信して、そのコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示制御を実行する。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機によれば、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される特殊外れコマンドに基づいて、遊技動作示唆設定の抽選が、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるように構成されている。
ここで、「ぶら下げ基板」等により、特殊外れコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力される不正がある。この「ぶら下げ基板」等による不正では、中古機等でコマンドの解析を行い、その解析により特殊外れコマンドを把握し、その把握した特殊外れコマンドを出力可能な「ぶら下げ基板」等を遊技店のパチンコ機10に取り付けて不正を行う。しかし、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理では音声ランプ制御装置113が出力するコマンドを変更して生成するための、加工条件を設定する処理がなされる。この加工条件処理が設定されると、音声ランプ制御装置113にも決定された加工条件の設定に基づいた加工条件コマンドが出力される。この加工条件コマンドに基づいて、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して送信するコマンドを判別することができる。
これにより、「ぶら下げ基板」等で、中古機から解析した特殊外れコマンドが音声ランプ制御装置113に出力されても、遊技店に設置されているパチンコ機10は、独自に、加工条件の設定を決定して、コマンドの変更方法を変更するので、中古機で設定されていた加工条件の設定と異なる設定がされていれば、「ぶら下げ基板」等から出力されるコマンドを特殊外れコマンドとは認識しない。よって、遊技動作示唆設定抽選処理も実行されず、「ぶら下げ基板」等による不正を防止できる。
次に、図31〜図33を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理において、電源が投入される毎に、加工条件の設定処理が行われて、音声ランプ制御装置113に加工条件コマンドがその度に送信される場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理で行われる加工条件の設定がされると、決定された加工条件の設定がフラッシュメモリ261に記憶される。そして、決定された加工条件に基づく加工条件コマンドが、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、加工条件コマンドを受信すると、加工条件コマンドに基づいて加工条件を設定し、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262に、加工条件の設定が保存される。
この後、主制御装置110のMPU201が、メイン処理(S1000)を実行し、通常遊技が可能な状態となり、パチンコ機10の電源が断されて、再びパチンコ機10に電源が投入される。すると、主制御装置110のフラッシュメモリ261には、加工条件の設定が記憶されているので、主制御装置110のMPU201では、加工条件の設定はされず、加工条件コマンドも音声ランプ制御装置113に対して出力されない。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のフラッシュメモリ261に、加工条件の設定が記憶されていれば、主制御装置110のMPU201で、立ち上げ処理が実行されても、加工条件の設定はされず、加工条件コマンドも音声ランプ制御装置113に出力されない点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図31は、第2実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。S901〜S903の各処理は、それぞれ第1実施形態のS901〜S903の各処理と同一の処理が実行される。S903の処理が完了すると、第2実施形態における立ち上げ処理では、S918の処理を実行する。
S918の処理では、主制御装置110のフラッシュメモリ261に加工条件の設定値が記憶されているか判別する(S918)。フラッシュメモリ261に加工条件の設定値が記憶されていると判別された場合には(S918:Yes)、S904の処理へ移行する。一方、フラッシュメモリ261に加工条件の設定値が記憶されていないと判別された場合には(S918:No)、工場出荷時処理が実行される(S919)。この工場出荷時処理は、後述するが、設定乱数値を乱数生成回路260から取得して、設定乱数値に基づいて、加工条件の設定を決定する処理である。その後、S904の処理に移行する。
S904〜S909、S914〜S917までの各処理については、それぞれ第1実施形態のS904〜S909、S914〜S917の各処理と同一の処理が実行される。
次に、図32は、第2実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される工場出荷時処理(S919)を示すフローチャートである。乱数生成回路260が所定回数更新されるまでの時間待機するウエイト処理(S913)が実行される(S931)。次に、主制御装置110の乱数生成回路260から設定乱数値を取得し、取得した設定乱数値を主制御装置110のRAM203のその他のメモリカウンタに保存する。
次に、取得した設定乱数値と図11(a)に示す加工条件設定テーブル202iとに基づいて加工条件の設定を決定する(S933)。決定された加工条件の設定に基づく加工条件コマンドを音声ランプ制御装置113に出力する(S934)。
図33は、第2実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。S1101〜S1110までの各処理は、それぞれ第1実施形態のS1101〜S1110の各処理と同一の処理が実行される。S1110の処理が完了すると、第2実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理では、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ263に加工条件の設定(加工条件コマンド)に基づく加工条件の設定が記憶されているか判別される(S1121)。フラッシュメモリ263に加工条件の設定(加工条件コマンド)に基づく加工条件の設定が、記憶されていると判別された場合には(S1121:Yes)、S1113の処理へ移行する。
一方、フラッシュメモリ263に加工条件の設定(加工条件コマンド)に基づく、加工条件の設定が、記憶されていないと判別された場合には(S1121:No)、加工条件コマンドを受信したか判別する(S1122)。加工条件コマンドを受信していないと判別された場合には(S1122:No)、S1122の処理を繰り返し実行する。一方、加工条件コマンドを受信したと判別された場合には、加工条件コマンドに基づいて加工条件を設定し、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262に加工条件の設定が記憶される(S1123)。その後、S1113の処理へ移行する。
このように、パチンコ機10に電力が供給されていない状態でも記憶を保持可能なフラッシュメモリ261に、加工条件の設定を記憶し、主制御装置110のフラッシュメモリ261に加工条件の設定が記憶されている場合には、立ち上げ処理で加工条件の設定を行わないように構成した。よって、フラッシュメモリ260に加工条件の設定が記憶されている場合には、加工条件コマンドも主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されない。
ここで、パチンコ機10が製造されて、出荷される場合には、一般的に、工場において、出荷検査が行われる。出荷検査では、パチンコ機10に電源が投入されて、パチンコ機10の動作もチェックされる。この工場出荷検査で、電源が投入されると、主制御装置110のMPU201では、フラッシュメモリ260に加工条件の設定が記憶されていなければ、工場出荷時処理として、加工条件の設定を行う。出荷検査において、加工条件の設定が行われると、決定された加工条件の設定に基づいた加工条件コマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力される。
このようにすることで、加工条件コマンドを解析して、コマンドが加工される変更方法を解析して、特殊外れコマンドを把握し、「ぶら下げ基板」等により把握した特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に出力しようとする不正に対しても、出荷検査時に加工条件コマンドが出力されて、遊技店に設置されてからは、加工条件コマンドが出力されないようにすることができるので、このような「ぶら下げ基板」による不正を防止できる。
また、工場から出荷されるパチンコ機10は、各パチンコ機10で設定されている加工条件の設定が異なり、遊技店に設置された各パチンコ機10が正規の特殊外れコマンドであると判別するコマンドが異なるようにすることができる。よって、遊技店設置されたパチンコ機10から特殊外れコマンドを解析しても他のパチンコ機10では、その特殊外れコマンドを正規の特殊外れコマンドであると判別することを防止できる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、本第2実施形態では、主制御装置110のフラッシュメモリ261に加工条件設定が記憶されていない場合に、加工条件の設定を行う構成にすることで、加工条件の設定がフラッシュメモリ261に記憶されている場合には、加工条件コマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力されない構成とした。
第1実施形態、第2実施形態では、主制御装置110の乱数生成回路260から設定乱数値を取得して加工条件の設定を決定する構成としたが、それに限らず、図34に示すように、日時を計時できるRTC263を乱数生成回路260に代わって設けるように構成してもよい。主制御装置110のRTC263は、「リアルタイムクロック(Real Time Clock)」と呼ばれる計時専用のICチップであり、内蔵電池を有しており、パチンコ機10に電力が供給されない状態でも、計時することが可能である。本実施形態のRTC263は「年」「月」「日」「時」「分」「秒」をそれぞれデータとして、主制御装置110に出力する。
このように、RTC263で構成した場合には、次のように加工条件の設定をするとよい。RTC263から取得した値(例えば、2011年11月15日10時42分)の各値を乗算した値に所定の定数(例えば、15321)を乗算して、その値を256で除算し、その余りの値を設定乱数値として、図11(a)に示す加工条件設定テーブル202iに基づいて加工条件の設定を決定するようにする。具体的には、(2011×11×15×10×42×15321)÷256=8340507024余り156となり、取得した設定乱数値は156となる。よって、図11(a)に示す加工条件テーブルに基づいて、この場合、設定Bが決定される。
このように構成することで、刻々と変化する値に基づいて、加工条件の設定を決定することができる。また、各パチンコ機10の時間設定を異ならせることで、各パチンコ機10で異なる値を取得することができ、より各パチンコ機10で異なる加工条件の設定とすることができる。
なお、本実施形態では、秒については、使用しなかったが、特にそれに限るものではなく、秒に対するデータも用いて算出してもよい。また、RTC263が計時するデータの一部を使用して設定乱数値を算出してもよい。さらには、本実施形態では、RTC263の計時データに基づいて所定の算出をすることにより設定乱数値を算出したが、RTC263の計時データをそのまま、設定乱数値として加工条件を設定する構成としてもよい。
本実施形態では、音声ランプ制御装置113で遊技動作示唆設定抽選がされる契機となるコマンドを特殊外れコマンドとしたが、それに限られず、大当たり開始のオープニングコマンドであってもよいし、特定の変動パターンコマンドであってもよい。さらには、所定の回数、特別図柄を抽選したことを示すコマンドであっても良い。主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して送信するコマンドであれば適宜適用してもよい。
本実施形態では、コマンドの加工条件を複数の加工条件(設定A〜設定C)から選択(決定)したが、それに限定されるものではない。なお、以下、具体例として記載する変形例は、本出願の請求項6に記載されている構成について説明したものである。具体的には、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドを3バイトで構成する。2バイトは、主に、遊技の制御内容を示すコマンド(例えば、特殊外れコマンド)であり、残り1バイトは、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に送信したコマンドの数を表すコマンド数が付与される。音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110から受信したコマンドの数をカウントして記憶しており、記憶しているコマンド数と主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送られてきたコマンドに付与されているコマンド数(コマンド数を示す信号)が音声ランプ制御装置113に記憶されているコマンド数とあっているかを音声ランプ制御装置113のMPU221が判別する。さらに、主制御装置110と音声ランプ制御装置113は、遊技機の電源が断された状態においても、記憶していたコマンド数をRAMのバックアップ領域にバックアップしており、再度、遊技機に電源が投入された場合には、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221は、電源が断される前のコマンド数からカウントを開始する。
これにより、「ぶら下げ基板」により、特殊外れコマンドが解析された場合においても、主制御装置110から音声ランプ制御装置に出力される特殊外れコマンドには毎回異なるコマンド数を示す信号が付与されることとなり、「ぶら下げ基板」から音声ランプ制御装置113に送信される特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113のMPU221が正規の特殊外れコマンドとして識別することを防止することができる。さらに、「ぶら下げ基板」により、音声ランプ制御装置113にコマンドが不正に出力されると、音声ランプ制御装置113が記憶している受信したコマンド数と主制御装置110が記憶しているコマンド数とが合致しなくなり、主制御装置110から音声ランプ制御装置に対して出力されるコマンドを音声ランプ制御装置113のMPU221は識別できなくなり、例えば、第3図柄表示装置81(液晶表示装置)の表示態様の更新等がされなくなる(表示態様がフリーズする)ことから「ぶら下げ基板」による不正がされたことを検知することも可能となる。
また、仮に「ぶら下げ基板」が電源投入されてから主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンド数をカウントし、解析した特殊外れコマンドにコマンド数を示す信号を付与して出力する場合にも、電源が断された前のコマンド数を主制御装置110も音声ランプ制御装置113も記憶しているので、「ぶら下げ基板」がカウントしたコマンド数と、音声ランプ制御装置113が記憶しているカウント数が異なることとなり、「ぶら下げ基板」が特殊外れコマンドに、電源投入から主制御装置110が音声ランプ制御装置113に送信したコマンド数を示す信号を付与して送信しても、音声ランプ制御装置113が実際に記憶しているコマンド数は、電源断される前から記憶しているコマンド数も含んだものであり、音声ランプ制御装置113のMPU221が正規の特殊外れコマンドと判別することを防止できる。
さらに、主制御装置110は、コマンド数のデータを本実施形態に記載されているフラッシュメモリ261に記憶し、音声ランプ制御装置113のMPU221は、コマンド数のデータを本実施形態に記載されているフラッシュメモリ262に記憶することで、RAM消去スイッチ(図3,122)の操作に基づくRAMクリアや、立ち上げ処理での使用RAM領域のクリア(S916、S1109)の処理でもフラッシュメモリ261、262は初期化されないので、コマンド数データを保持することができる。
次に、図35〜図48を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理において、電源が投入される毎に、加工条件の設定処理が行われて、音声ランプ制御装置113に加工条件コマンドが、その度に送信された。
これに対し、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110には、RTC263が設けられ、音声ランプ制御装置113には、RTC264が設けられる。主制御装置110のMPU201は、RTC263から計時データを取得して、その計時データに基づいて加工条件を決定する。また、音声ランプ制御装置113のMPU221は、RTC263から計時データを取得して、その計時データに基づいて加工条件を決定する。
即ち、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第1実施形態では、主制御装置110のMPU201が、加工条件を決定する毎に、加工条件コマンドを音声ランプ制御装置113に送信して、音声ランプ制御装置113のMPU221が、主制御装置110のMPU201が決定した加工条件を加工条件コマンドにより認識していた。これに対し、本第3実施形態では、主制御装置110のMPU201は、加工条件を決定しても加工条件コマンドを出力せず、音声ランプ制御装置113のMPU221は、独自にRTC264から取得した計時データに基づいて、加工条件を決定する点で、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図35は、第3実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第1実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図6参照)との相違点について説明する。第1実施形態では、乱数生成回路260が設けられていたが、第3実施形態では設けられていない。そして、第3実施形態では、主制御装置110には、RTC263が設けられ、音声ランプ制御装置113には、RTC264が設けられている。
RTC263とRTC264とは、「リアルタイムクロック(Real Time Clock)」と呼ばれる計時専用のICチップであり、内蔵電池を有しており、パチンコ機10に電力が供給されない状態(パチンコ機10の電力が断された状態)でも、計時することが可能である。本実施形態のRTC263は、「年」「月」「日」「時」「分」「秒(s)」「ミリ秒(ms)」をそれぞれデジタルデータ(計時データ)として、主制御装置110に出力する。また、RTC264は、「年」「月」「日」「時」「分」「秒(s)」「ミリ秒(ms)」をそれぞれデジタルデータ(計時データ)として、音声ランプ制御装置113に出力する。RTC263とRTC264とは、主制御装置の製造時に、専用の治具により同じ時間に設定されて主制御装置110と音声ランプ制御装置113とに取り付けられる。本実施形態では、RTC263とRTC264とは、専用の治具により、「年」「月」「日」「時」「分」「秒(s)」「ミリ秒(ms)」までが同じ日時で設定されており、それぞれ同期して計時するものである。
本実施形態では、RTC263とRTC264とは、専用の治具により、同じ時間に設定されるが、その設定される時間は、実際の時間とは異なる時間で設定される。このように構成することで、外部から、RTC263とRTC264とが計時している時間が判別できなくなり、実際の時間から、RTC263とRTC264との計時している時間を推測して、決定される加工条件が把握される不正を抑制(防止)することができる。
さらに、RTC263とRTC264とが、専用治具により設定される時間は、パチンコ機10毎にランダムに異なる設定時間で、設定されるとなお良い。このように構成することで、パチンコ機10毎に、RTC263とRTC264とで、計時されている時間が異なり、より外部からRTC263とRTC264とが、計時している時間を推測することが困難となる。また、パチンコ機10毎に決定される加工条件も異なったものとなり、加工条件を外部から把握されることを困難にして、「ぶら下げ基板」等により、決定された加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドが、音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制(防止)することができる。
第3実施形態で使用される主制御装置110のフラッシュメモリ261における各記憶エリアについて説明する。加算ID記憶エリア261bは、設定乱数値を算出する場合に、使用される加算ID値を記憶する記憶領域である。本実施形態では、加算ID値として、初期設定で「54321」が記憶されている。なお、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262にも同様に加算ID記憶エリア262bにも、初期設定で「54321」が記憶される。
後述する、主制御装置110のROM202及び音声ランプ制御装置113のROM222のプログラムエリアに記憶されている固有値「15321」を、取得した計時データに掛けて、更にその結果に加算IDを加算して、その結果を256で除算して、その余りを設定乱数値として算出する。
このようにすることで、計時データが外部から把握された場合にも、固有値を掛け、加算IDを加算することにより、算出される設定乱数値が推測されることを困難にすることができる。
第3実施形態で使用する音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262における記憶エリアについて説明する。加工条件設定記憶エリア262aは、図35に示すように、従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とで構成されている。
従新加工条件設定記憶エリア262a1は、音声ランプ制御装置113のMPU221が、加工条件を決定した場合に、その加工条件が記憶される記憶領域である。従旧加工条件設定記憶エリア262a2は、音声ランプ制御装置113のMPU221が、加工条件を決定した場合に、すでに、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が記憶される記憶領域である。つまり、従旧加工条件設定記憶エリア262a2には、新たに決定された加工条件よりも前に決定されて、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されていた加工条件が記憶される。
主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221との制御処理タイミングの違いにより、加工条件の更新タイミングがずれて、音声ランプ制御装置113の方が先に加工条件を更新した場合にも、後述する、コマンド判別処理(図46、S1220)では、従新加工条件設定記憶エリア262a1だけでなく従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された加工条件でも実行する。よって、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に更新される前の加工条件を記憶しておくことで、音声ランプ制御装置113のMPU221が加工条件を更新した後で、主制御装置110から更新される前の加工条件に基づいて変更(加工)された特殊外れコマンドを受信しても、判別することができる。
次に、第3実施形態で使用する音声ランプ制御装置113の条件変更時フラグ223g1について説明する。条件変更時フラグ223g1は、音声ランプ制御装置113のRAM223のその他メモリエリア223gに記憶されるフラグである。
条件変更時フラグは、後述する、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)において加工条件が決定され、従新加工条件設定記憶エリア262a1に決定された加工条件が記憶され、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に更新される前の加工条件が記憶されるとオンに設定される。
この条件変更時フラグがオンに設定されると、後述する、コマンド判別処理(図46、S1220)において、音声ランプ制御装置113のMPU221は、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている更新された加工条件だけでなく、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶されている更新される前の加工条件でも特殊外れコマンドの判別処理を実行する。
このように、構成することで、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221との、処理タイミング等の違いにより、音声ランプ制御装置113のMPU221が、加工条件を更新した後で、更新する前の加工条件で加工(変更)された特殊外れコマンドを受信しても、そのコマンドを判別することができる。
また、音声ランプ制御装置110のMPU201は、後述するが、確定前判別処理A〜C(図46、SS1320〜S1340)において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶された更新した加工条件と同じ加工条件で加工された特殊外れコマンドを主制御装置110から受信したと判別した場合には、条件変更時フラグ223g1をオフにする。
条件変更時フラグ223g1がオフであると、コマンド判別処理(図46、S1220)において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている更新された加工条件のみで、特殊外れコマンドの判別が実行される。これにより、主制御装置110のMPU201が加工条件を更新し、更新された加工条件で特殊外れコマンドを加工して送信したのを確認した後は、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された更新前の加工条件での判別をやめることができる。
これにより、2つの加工条件で特殊外れが判別される期間では、1つの時よりも正規の特殊外れコマンドと判別され易いので、その2つの加工条件で判別する期間を必要最低限の期間にすることができる。
次に、図36を参照して、第3実施形態において使用する、各種データ及び各種記憶エリアについて説明する。
図36(a)に示す主サブ同期補正データ202jは、主制御装置110のMPU201が取得した計時データと、音声ランプ制御装置113のMPU221が取得する計時データとの取得タイミングの違いによる誤差を補正するために、主制御装置110のMPU201が取得する計時データに加算するためのデータである。
本実施形態では、後述する、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図40参照)のS901からS903までに要する時間と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図42参照)のS1101に要する時間との差(本実施形態では100ms)の値が、主サブ同期補正データ202jとして記憶されている。
図36(c)に示す加工条件設定テーブル222cは、音声ランプ制御装置110のROM222に記憶されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が加工条件を算出した設定乱数値に基づいて選択(決定)するためのデータテーブルである。この加工条件設定テーブル222cは、主制御装置110のROM202に記憶されている加工条件設定テーブル202iと同一に構成されている。これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ設定乱数値を算出すれば、この加工条件設定テーブル202i、222cにより同じ加工条件を選択(決定)することができる構成となっている。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、選択(決定)する加工条件コマンドを示す信号を送受信することなく、同じ加工条件を選択(決定)することができる。
図36(d)は、第3実施形態における、特殊外れコマンドの一覧である。第1実施形態では、主制御装置110のMPU201が実行するコマンド加工処理(S114、図21)により主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に出力するコマンドは、すべて、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件に基づいて変更して出力された。一方、第3実施形態では、後述するが、主制御装置110のMPU201が実行するコマンド加工処理(S114、図39)により、特殊外れコマンド(9B60h)のみが加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件に基づいて変更されて出力される。
特殊外れコマンドは、コマンド加工処理(S114、図39)で加工される前の状態では、9B60hの2バイト構成のコマンドで設定されている。図36(d)に示すように加工条件設定記憶エリア261aに設定Aが記憶されている場合には、特殊外れコマンド(9B60h)の下位コマンド(60h)の下3ビット目が、反転されたコマンドである9B64hのコマンドに変更される。加工条件設定記憶エリア261aに設定Bが記憶されている場合には、特殊外れコマンド(9B60h)の下位コマンド(60h)の下4ビット目が、反転されたコマンドである9B68hのコマンドに変更される。加工条件設定記憶エリア261aに設定Cが記憶されている場合には、特殊外れコマンド(9B60h)の下位コマンド(60h)の下5ビット目が、反転されたコマンドである9B70hのコマンドに変更される。
主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に出力する特殊外れコマンド以外のコマンドには、特殊外れコマンドとして使用する9B60h、9B64h、9B68h、9B70hのコマンドは使用されない。このように、コマンドを構成することで、特殊外れコマンドが、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件に基づいて、変更された場合にも、他のコマンドと干渉する(重なってしまう)不具合を防止することができる。
図37は、第3実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第3実施形態のタイマ割込処理は、第1実施形態のタイマ割込み処理に対して、S120の処理とS114の処理とが追加されている。第3実施形態におけるS101の処理は、第1実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、加工条件更新処理1(図38、S120)の処理を実行する。
図38を参照して、第3実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である加工条件更新処理1(S120)について説明する。図38は、この加工条件更新処理1(S120)を示すフローチャートである。コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件は、後述する、加工条件設定処理1(図41、S940)で初期設定される。この加工条件更新処理1(S120)は、その初期設定された加工条件を更新するための処理である。
加工条件更新処理1(S120)では、まず、主制御装置110のMPU201によりRTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データが取得される(S121)。取得した「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データのうち、「時・分・秒(s)」の計時データについて設定時間(本実施形態では、10時00分20秒)か判別される(S122)。
ここで設定時間は、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件が、更新される時間が予め設定された時間であり、主制御装置110のROM202に記憶されているプログラムエリア(図示せず)に記憶されている。この設定時間は、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)で設定されている設定時間と同一に予め設定されている。本実施形態では、設定時間は、「10時00分20秒」に設定されている。本実施形態では、設定時間は1つとしたが複数の時間を設定するように構成しても良い。
設定時間であると判別された場合には(S122:Yes)、S121の処理で取得した「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データにより、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では54321))÷256が算出され、その余りが設定乱数値として設定される(RAM203のその他メモリに記憶される)(S123)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
具体的には、取得した計時データが2011年10月4日10時00分20秒であれば、(2011×10×4×20×15321+54321)÷256=96283121余り145となり、設定乱数値は145に設定される。
その設定乱数値に基づいて、図11(a)に示す加工条件設定テーブル202iより加工条件が選択される(決定される)(S124)。具体的には、設定乱数値の値が「0〜84」の範囲であれば、設定A(特殊外れコマンドの下位バイト下3ビット目を反転(9B64hに変更))、「85〜169」の範囲であれば、設定B(特殊外れコマンドの下位バイト下4ビット目を反転(9B68hに変更))、「170〜255」の範囲であれば、設定C(特殊外れコマンドの下位バイト下5ビット目を反転(9B70hに変更))が選択される。一方、S122の処理で取得した「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データが、設定時間でない場合には(S122:No)、この処理を終了する。
主制御装置110のRTC263と音声ランプ制御装置113のRTC264とは、専用治具で同じ設定日時に設定されており、同期して計時している。そのため、主制御装置110のMPU201がRTC263から取得した計時データと音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から取得した計時データとが、設定時間かをそれぞれ独立して判別しても、加工条件を同時期に変更することができる。
設定時間の値だけでなく、「年・月・日」のデータも算出式に入れることで、毎日同じ時刻に同じ設定乱数値が設定されることを防ぐことができる。また、「年・月・日・時・分・秒(s)」だけでなく、(15321)の固有値を掛けることで、固有値を掛けない場合に算出される余りに固有値を掛けた値を256で割った場合の余りを算出したことと同じとなり、「年・月・日・時・分・秒(s)」が解析されても、設定乱数値を算出されることを困難にすることができる。
また、「年・月・日・時・分・秒(s)」だけでなく、加算ID(本実施形態では、54321)の値を加算することで、加算IDを加算しない場合に算出される余りに、加算IDを加算した値を256で割った場合の余りを算出したことと同じとなり、設定乱数値の算出式を複雑にして、設定乱数値を予測困難にすることができる。また、加算IDをパチンコ機10毎に固有の値とすることで、中古機等を解析しても、設定乱数値の算出式を把握されることを困難にすることができる。
よって、「年・月・日・時・分・秒(s)」に(15321)の固有値を掛け、更に加算ID(本実施形態では、54321)の値を加算することで、上記したように、固有値を掛けた場合と加算IDを加算した場合とを組み合わせて設定乱数値を算出することができ、単純に、設定乱数値を計時データのみから算出する場合と比較して、設定乱数値が予測され難く、固有値を掛けて、さらに加算IDを加算する処理を組み合わせることで、算出方法が複雑になり、設定乱数値の算出方法を解析することを困難にすることができる。
また、計時データが外部から把握された場合にも、固有値を掛け、加算IDを加算することにより算出される設定乱数値が推測されることを困難にすることができる。
設定乱数値を算出する演算式はこれに限らず、適宜、他の演算式で設定してもよい。本実施形態では、計時データをそれぞれ掛けたが、加算してもよい。また、計時データを時間単位毎に掛けたが、それに限らず、すべて秒(s)(例えば、1時を1時間として3600秒、1分を1分間として60秒として、10時00分20秒であれば3600×10+20=36020秒(s))にして、それにより設定乱数値を算出するようにしてもよい。
本実施形態では、S122で判別される設定時間は、10時00分20秒として説明したが、複数設定することで、加工条件を更新する頻度を増やすことができる。例えば、1時間毎に設定したり、ランダムな間隔で設定するようにすることで、頻繁に加工条件が変化し、「ぶら下げ基板」等による不正が行われることをより困難にすることができる。
加工条件更新処理1(S120)の終了後は、S102(図37)の処理へ移行する。S102〜S113までの各処理は、第1実施形態のS102〜S113までの各処理と同一の処理が実行される。S113の処理が完了すると、コマンド加工処理(図39、S114)の処理を実行する。
図39を参照して、第3実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される、タイマ割込処理の一処理であるコマンド加工処理(S114)について説明する。図39は、このコマンド加工処理(S114)を示すフローチャートである。コマンド加工処理(S114)は、音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンド送信用のリングバッファに特殊外れコマンドが設定されている場合に、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件に基づいて、その特殊外れコマンドを変更し、加工された特殊外れコマンドを生成するための処理である。
コマンド加工処理(S114)では、まず、主制御装置110の音声ランプ制御装置113にコマンドを出力するための送信用リングバッファに、コマンドがあるか判別する(S711)。コマンドがあると判別された場合には(S711:Yes)、送信用リングバッファに設定されているコマンドのうち、出力される順番が早い順に一つずつのコマンドを判別して、そのコマンドが特殊外れコマンド(9B60h)か判別する(S712)。
コマンドが特殊外れコマンド(9B60h)であると判別された場合には(S712:Yes)、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件は設定Aか判別される(S713)。加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件が、設定Aであると判別された場合には(S713:Yes)、特殊外れコマンド(9B60h)の下位バイトの下から3ビット目を反転して、これを加工(変更)した特殊外れコマンドとして送信用リングバッファに設定する(S714)。一方、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件が、設定Aでないと判別された場合には(S713:N0)、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件が、設定Bか判別される(S715)。
加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件が、設定Bであると判別された場合には(S715:Yes)、特殊外れコマンド(9B60h)の下位バイトの下から4ビット目を反転して、これを加工(変更)した特殊外れコマンドとして送信用リングバッファに設定する(S716)。一方、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件が、設定Bでない(即ち、設定Cである)と判別された場合には(S715:N0)、特殊外れコマンド(9B60h)の下位バイトの下から5ビット目を反転して、これを加工(変更)した特殊外れコマンドとして送信用リングバッファに設定する(S717)。
このように構成することで、特殊外れコマンド(9B60h)のみが、加工条件設定記憶エリア261aに記憶された加工条件の設定に基づいてコマンドが変更されて生成されるので、すべての音声ランプ制御装置113に出力するコマンドを、変更する処理を実行する場合と比較して、主制御装置110のMPU201の制御負荷を、軽減することができる。
また、後述するが、加工条件は、電源投入時に実行される立ち上げ処理(図40)の加工条件設定処理1(図41、S940)で、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されるので、コマンド加工処理(図39、S114)で変更される前の特殊外れコマンド(9B60h)が音声ランプ制御装置113に出力されることがなく、変更前の特殊外れコマンド(9B60h)を外部から把握されることを抑制(防止)することができる。よって、変更前の特殊外れコマンド(9B60h)が、「ぶら下げ基板」等により音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制(防止)することができる。
図40は、第3実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。第3実施形態の立ち上げ処理は、第1実施形態の立ち上げ処理(図23)に対して、S940の処理が追加されている。第3実施形態におけるS901〜S903の各処理は、それぞれ第1実施形態のS901〜S903の各処理と同一の処理が実行される。S903の処理が完了すると、加工条件設定処理1(図41、S940)が実行される。
図41を参照して、第3実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理の一処理である加工条件設定処理1(S940)について説明する。図41は、この加工条件設定処理1(S940)を示すフローチャートである。加工条件設定処理1(S940)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を、電源投入時に実行される立ち上げ処理(図40)で初期設定するための処理である。なお、加工条件設定処理1(図41、S940)で設定された加工条件は、上記した加工条件更新処理1(図38、S120)で新たに選択され、更新される。
加工条件設定処理1(S940)では、まず、主制御装置110に設けられたRTC263より「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S941)。その取得した計時データに、主制御装置110のROM202に記憶されている主サブ同期補正データ202j(本実施形態では、100ms)が加算される(S942)。S942で取得された計時データに、主サブ同期補正データ202jが加算された補正後の計時データ「年・月・日・時・分」の各データに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256の演算を行い、その余りを設定乱数値として設定(RAM203のその他メモリエリア203kに記憶)する(S945)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
具体的には、RTC263から取得された計時データが2011年10月3日21時00分59秒900ミリ秒であれば、この値に、主サブ同期補正データ202j(本実施形態では、100ms)を加算して、補正後の計時データ(2011年10月3日21時01分00秒000ミリ秒)のうち、2011年10月3日21時01分の値に基づいて次の演算が実行される。(2011×10×3×21×1×15321+54321)÷256=75823003 余り83より、設定乱数値として83が設定される。
S945で算出された設定乱数値に基づいて加工条件設定テーブル202i(図11(a))より加工条件が選択(決定)されて、加工条件設定記憶エリア261aに記憶される(S946)。具体的には、上記具体例で算出した設定乱数値83であれば、加工条件設定テーブル202i(図11(a))より設定Aが決定され、加工条件設定記憶エリア261aに設定Aが記憶される。
なお、主サブ同期補正データ202jは、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理において、RAMアクセス許可(S903)が終了するまでに要する時間と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理において、初期設定(図42、S1101)が終了するまでに要する時間との差で設定されている(本実施形態では100ms)。
主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理1(S940)でRTC263から計時データを取得するタイミングと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)でRTC264から計時データを取得するタイミングとは同じではない。これは、音声ランプ制御装置113のほうが、初期設定(S1101)に時間がかかるためである。
そのため、主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理1(S940)でRTC263から取得する計時データと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理1(S1130)でRTC264から取得する計時データとは、取得タイミングの誤差である「100ms」のずれが発生する。
しかし、主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理1(S940)で算出する設定乱数値も、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)で算出する設定乱数値も、「年・月・日・時・分」の計時データに基づいて算出し、「秒(s)」及び「ミリ秒(ms)」については使用しない構成とすることで、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、異なる計時データに基づいて設定乱数値を算出する不具合を防止することができる。
さらに、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得してから、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得するまでの間に、計時データの「秒(s)」の値が桁上げすることにより、主制御装置110のMPU201が、取得した計時データと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、取得した計時データとにおいて、「分」以上の値が異なる場合が発生する。
具体的には、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得した場合に、「2011年10月1日14時33分59秒900ミリ秒」であったとすると、音声ランプ制御装置113のMPU221は、取得タイミングのずれが「100ms」あるため、RTC264から計時データを取得すると「2011年10月1日14時34分00秒000ミリ秒」となる。しかしながら、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理1(S940)では、S942の処理において、主サブ同期補正データ202j(本実施形態では、100ms)が、RTC263から取得した計時データに加算されるので、上記の場合にも、主制御装置110のMPU201が、取得した「2011年10月1日14時33分59秒900ミリ秒」の計時データは、「2011年10月1日14時34分00秒000ミリ秒」に補正される。
これにより、桁上げが発生するような場合においても、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、使用する「分」以上の計時データを同じ値にすることができる。そのため、正確に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ設定乱数値を算出することができ、それに基づいて同じ加工条件を選択することができる。
また、ミリ秒までの計時データを取得して、「分」以上の計時データを設定乱数値の算出に使用することで、パチンコ機10の通常時では、予期できない不具合により計時データの取得タイミングの差が通常時よりも大きくなった場合にも、「秒」の値で桁上げが発生する値未満の差であれば、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ値の「分」以上の計時データを取得することができ、異なる加工条件が選択(決定)されてしまう不具合を抑制することができる。
本実施形態では、「分」以上の計時データにより、設定乱数値を算出したが、それに限るものではなく、「秒」以上であっても良いし、「時」以上であってもよい。
また、主サブ同期補正データ202jは、本実施形態では、主制御装置110のMPU201が取得した計時データに加算したが、それに限らず、音声ランプ制御装置113のMPU221が取得した計時データから主サブ同期補正データ202jを減算しても良いし、主サブ同期補正データ202jの半分の値(本実施形態の値では、50ms)を主制御装置110のMPU201が取得した計時データに加算して、音声ランプ制御装置113のMPU221が取得した計時データから主サブ同期補正データ202jの半分の値(本実施形態の値であれば、50ms)を減算しても良い。
加工条件設定処理1(S940)の終了後は、処理を図40のS904へ移行する。第3実施形態において、S904〜S909、S913〜S917までの各処理は、それぞれ第1実施形態の図23に示すS901〜S909、S913〜S917までの各処理と同一の処理が実行される。S914(図40)の処理が終了すると、メイン処理(図24、S1000)へと移行する。
図42は、第3実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。第3実施形態では、第1実施形態の立ち上げ処理(図25)に対して、S1130の処理が追加されている。S1101の処理は、第1実施形態のS1101処理と同一の処理が実行される。S1101の処理が完了すると、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)を実行する。
図43は、サブ加工条件設定処理1(S1130)を示すフローチャートである。サブ加工条件設定処理1(S1130)は、コマンド判別処理(図46、S1220)で使用される加工条件を初期設定するための処理である。なお、後述する、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)は、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)が初期設定した加工条件を新たに選択して更新するための処理である。以下、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)について説明する。
サブ加工条件設定処理1(S1130)は、まず、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から「年・月・日・時・分」の計時データを取得する(S1131)。RTC264から取得した「年・月・日・時・分」の計時データに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出した余りの値を設定乱数値として設定(RAM223のその他メモリエリア223gに記憶)する(S1132)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
S1132の処理で算出した設定乱数値に基づいて、図36(c)に示す加工条件設定テーブル222cから加工条件を選択し、図35に示す、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262に設けられた従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2との両方に記憶する(S1135)。
サブ加工条件設定処理1(S1130)は、パチンコ機10に電源が投入された場合に、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図42)で加工条件を初期設定するための処理である。そして、サブ加工条件設定処理1(S1130)で選択された加工条件は、従新加工条件設定記憶エリア262a1だけでなく、従旧加工条件設定記憶エリア262a2にも記憶される。
ここで、サブ加工条件設定処理1(S1130)では、条件変更時フラグ223g1はオンに設定されない。条件変更時フラグ223g1がオフに設定されている場合には、コマンド判別処理(図46、S1220)において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶された加工条件のみで特殊外れコマンドの判別が実行される。
よって、立ち上げ処理(図42)が終了し、通常遊技が実行されても、条件変更時フラグ223g1がオンに設定されるまでは、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された加工条件に基づいて判定が行われることはないが、ノイズ等により、条件設定時フラグ223g1がオンであると、判別された場合にも、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)において、従旧加工条件設定記憶エリア262a2にも、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件と同一の加工条件が記憶されているので、特殊外れコマンドの判別を実行することができる。従って、ノイズ等により誤作動が起きた場合にも、パチンコ機10の制御をフリーズさせることなく対応することができる。
サブ加工条件設定処理1(S1130)の終了後は、処理をS1102(図42)へ移行する。立ち上げ処理で実行されるS1102〜S1110、S1113までの各処理は、第1実施形態のS1102〜S1110、S1113までの各処理と同一の処理が実行される。S1113の処理実行後は、メイン処理(図44、S1200)が実行される。
図44は、第3実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図44、S1200)を説明するフローチャートである。第3実施形態のメイン処理(S1200)は、第1実施形態のメイン処理(図26、S1200)に対して、S1230の処理とS1220の処理とが追加されている。メイン処理(S1200)で実行される、S1201〜S1212の各処理は、第1実施形態のS1201〜S1212の各処理と同一の処理が実行される。S1212の処理実行後は、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)が実行される。
図45を参照して、第3実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図44、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理1(S1230)について説明する。図45は、このサブ加工条件更新処理1(S1230)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理1(S1230)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得して、計時データが設定時間であれば、その計時データに基づいて設定乱数値を算出し、その設定乱数値に基づいて加工条件を更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理1(S1230)では、まず、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データを取得する(S1231)。その取得した計時データの「時・分・秒(s)」の値は、設定時間(本実施例では、10時00分20秒)か判別される(S1232)。
ここで設定時間は、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、更新される時間が予め設定された時間であり、従制御装置113のROM222に記憶されているプログラムエリア(図示せず)に記憶されている。この設定時間は、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理1(図38、S120)で設定されている設定時間と同一に予め設定されている。本実施形態では、設定時間は、「10時00分20秒」に設定されている。本実施形態では、設定時間は1つとしたが複数の時間が設定するように構成しても良い。
その取得した計時データの「時・分・秒(s)」の値が、設定時間(本実施例では、10時00分20秒)であると判別された場合には(S1232:Yes)、取得した計時データより(「年」×「月」×「日」×「年」×「時」×「分」×「秒」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出して、その余りの値が設定乱数値として設定(RAM203のその他メモリエリア203kに記憶)される(S1233)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
ここで、主制御装置110に設けられているRTC263と音声ランプ113に設けられているRTC264とは、製造時に専用治具で、同じ時間となるように同期して設定されている。そのため、主制御装置110のMPU201が、RTC263の計時データが設定時間になったと判別したのと同じタイミングで、音声ランプ制御装置113のMPUは、RTC264が設定時間となったと判別する。算出方法は、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理1(図38、S120)の算出方法と同じである。RTC264から取得した計時データが、2011年10月4日10時00分20秒であれば、(2011×10×4×20×15321+54321)÷256=96283121余り145となり、設定乱数値は145に設定される。
その設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル222c(図36(c))より加工条件が選択される(決定される)。加工条件が選択されると、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されていた加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、従新加工条件設定記憶エリア262a1に今回、新たに選択した加工条件を記憶し(加工条件を更新し)、条件変更時フラグ223g1をオンに設定する(S1234)。
このようにすることで、音声ランプ制御装置113のMPU221が加工条件を選択する前に、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されていた加工条件(今回新たに加工条件が選択される前に選択されていた加工条件)を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶させて、条件変更時フラグ223g1をオンに設定することで、コマンド判別処理(図46、S1220)で、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶された今回新たに選択された加工条件と、従新加工条件設定記憶エリア262a1から従旧加工条件設定記憶エリア262a2に移動して記憶された加工条件との2つの加工条件で特殊外れコマンドが判別されるように構成できる。
ここで、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図37)は、4ms毎に実行される制御処理である。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図44、S1200)は、1ms未満の高速で繰りえし実行される処理であり、そのメイン処理(図44、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)は、1ms毎に実行される処理である。
よって、このタイマ割込処理(図37)とメイン処理(図44、S1200)との処理タイミングの違いにより、主制御装置110のMPU201がタイマ割込処理(図37)内で実行する加工条件更新処理1(図38、S120)を実行するタイミングと、音声ランプ制御装置113のMPU221がサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)を実行するタイミングにずれが生じ、主制御装置110のMPU201よりも音声ランプ制御装置113のMPU221の方が、先に加工条件を選択してしまう場合がある。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、新たに選択した加工条件で変更された特殊外れコマンドを受信(判別)するまでは(条件変更時フラグ223g1がオンである期間は)、新たに選択した加工条件だけでなく、その一つ前に選択されていた加工条件に基づいて、特殊外れコマンドを判別するので、コマンドを判別できなくなる不具合を防止することができる。
サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)の終了後は、S1213(図44)の処理へ移行する。S1213(図44)の処理は、第1実施形態のS1213の処理と同一の処理が実行される。S1213の処理が実行された後は、コマンド判別処理(図46、S1220)を実行する。
図46〜図48を参照して、第3実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図44、S1200)の一処理であるコマンド判別処理(S1220)について説明する。図46は、このコマンド判別処理(S1220)を示すフローチャートである。コマンド判別処理(S1220)は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力された加工条件に基づいて、特殊外れコマンドを変更して生成された特殊外れコマンド(9B64h、9B68h、9B70hのいずれか)を判別するための処理である。
コマンド判別処理(S1220)では、まず、主制御装置110から出力されて、音声ランプ制御装置113が受信した新規コマンドが、受信データバッファにあるか判別される(S1310)。受信した新規コマンドがあると判別された場合には(S1310:Yes)、受信したコマンドのうち、受信した順番が最も早いものから1つ目について、そのコマンドが、加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンド(9B64h、9B68h、9B70h)のいずれかであるか判別される(S1311)。受信したコマンドが、加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドのいずれかでないと判別された場合には(S1311:No)、S1310の処理に戻り、再び受信しているコマンドがあるか判別される。
一方、受信したコマンドが加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドのいずれかであると判別された場合には(S1311:Yes)、条件変更時フラグ223g1がオンであるか判別される(S1312)。条件変更時フラグ223g1がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1312:No)、確定判別処理が実行される(図47、S1350)。一方、条件変更時フラグ223g1がオンに設定されていると判別された場合には(S1312:Yes)、S1313の処理へ移行する。
S1313の処理において、受信したコマンドが、設定Aの加工条件に基づいて特殊外れコマンド(9B60h)を変更して生成された特殊外れコマンド(9B64h)であれば、確定前判別処理Aが実行される(図48、S1320)。S1313の処理において、受信したコマンドが、設定Bの加工条件に基づいて特殊外れコマンド(9B60h)を変更して生成された特殊外れコマンド(9B68h)であれば、確定前判別処理Bが実行される(S1340)。S1313の処理において、受信したコマンドが、設定Cの加工条件に基づいて特殊外れコマンド(9B60h)を変更して生成された特殊外れコマンド(9B70h)であれば、確定前判別処理Cが実行される(S1330)。
処理S1320、S1330、S1340、S1350の実行後はS1310の処理に移行して、新規コマンドがないと判別されるまで、処理S1220が繰り返し実行される。
図47を参照して、第3実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判別処理(S1220)の一処理である確定判別処理(S1350)について説明する。図47は、この確定判別処理(S1350)を示すフローチャートである。確定判別処理(S1350)は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に出力された加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンド(9B64h、9B68h、9B70hのいずれか)を受信した場合に、条件変更時フラグ223g1がオフの場合に実行される処理である。
S1351の処理において、受信したコマンドが、9B64hのコマンドであれば、それは、設定Aの加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンド(9B64h)である。よって、かかる場合は(S1351の9B64hのコマンド)、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Aか判別される(S1352)。
従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Aであると判別された場合には(S1352:Yes)、受信したコマンド9B64hの下位バイト64hの下から3ビット目を反転して、特殊外れコマンド(9B60h)に変更(復元)して、これを受信データバッファに格納されている特殊外れコマンド(9B64h)に上書きして記憶する(S1353)。即ち、受信データバッファの特殊外れコマンド(9B64h)は、本来の特殊外れコマンド(9B60h)へ書き換えられる(復元される)。
一方、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Aでないと判別された場合には(S1352:No)、不正なコマンドを受信したことを、第3図柄表示装置81で文字等により報知するように指示する不正受信エラーコマンドが送信用リングバッファに設定される(S1354)。
このように、主制御装置110から設定Aの加工条件で変更して生成された特殊外れコマンドを受信したにも関わらず、従新加工条件設定記憶エリア262a1に、設定Aが記憶されていない場合には、主制御装置110から送信されるはずのない特殊外れコマンドが送信されたと判別できる。
このような場合には、「ぶら下げ基板」等により、不正に適当な加工条件で加工した特殊外れコマンドを、音声ランプ制御装置113に対して出力されていることが考えられる。よって、それを不正とみなして、その報知をする。これにより、「ぶら下げ基板」等により適当に多種のコマンドが送信された場合に、それを検知することができ、不正を早期に発見できる。
S1351の処理において、受信したコマンドが、9B68hのコマンドであれば、それは、受信しているコマンドが、設定Bの加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンド(9B68h)である。よって、かかる場合は(S1351の9B68hのコマンド)、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Bか判別される(S1356)。
従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Bであると判別された場合には(S1356:Yes)、受信したコマンド9B68hの下位バイト68hの下から4ビット目を反転して、特殊外れコマンド(9B60h)に変更(復元)して、これを受信データバッファに格納されている特殊外れコマンド(9B68h)に上書きして記憶する(S1353)。即ち、受信データバッファの特殊外れコマンド(9B68h)は、本来の特殊外れコマンド(9B60h)へ書き換えられる(復元される)。
一方、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Bでないと判別された場合には(S1356:No)、不正なコマンドを受信したことを、第3図柄表示装置81で文字等により報知するように指示する不正受信エラーコマンドが送信用リングバッファに設定される(S1358)。
また、S1351の処理において、受信したコマンドが、9B70hのコマンドであれば、それは、受信しているコマンドが、設定Cの加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンド(9B70h)である。よって、かかる場合は(S1351の9B70hのコマンド)、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Cか判別される(S1352)。
従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Cであると判別された場合には(S1359:Yes)、受信したコマンド9B70hの下位バイト70hの下から5ビット目を反転して、特殊外れコマンド(9B60h)に変更(復元)して、これを受信データバッファに格納されている特殊外れコマンド(9B70h)に上書きして記憶する(S1360)。即ち、受信データバッファの特殊外れコマンド(9B70h)は、本来の特殊外れコマンド(9B60h)へ書き換えられる(復元される)。
一方、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Cでないと判別された場合には(S1359:No)、不正なコマンドを受信したことを、第3図柄表示装置81で文字等により報知するように指示する不正受信エラーコマンドが送信用リングバッファに設定される(S1361)。
図48を参照して、第3実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判別処理(S1220)の一処理である確定前判別処理A(S1320)について説明する。図48は、この確定前判別処理A(S1320)を示すフローチャートである。確定前判別処理A(S1320)は、主制御装置110から出力された特殊外れコマンド(9B64h)を音声ランプ制御装置113が受信した場合に実行される処理である。
確定前判別処理A(S1320)では、まず、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件は設定Aか判別する(S1321)。従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が、設定Aであると判別された場合には(S1321:Yes)、条件変更時フラグ223g1をオフに設定する(S1322)。主制御装置110から受信した特殊外れコマンドが、従新加工条件設定記憶エリアに記憶されている加工条件で加工された特殊外れコマンドと一致したことにより、主制御装置110のMPU201が、音声ランプ制御装置113のMPU221が更新した加工条件と同じ加工条件で、特殊外れコマンドを加工して送信してきていることが判別できる。
よって、条件変更時フラグ223g1をオフにして、確定判別処理(図47、S1350)で特殊外れコマンドを従新加工条件設定記憶エリア262a1のみで判別するようにしても、主制御装置110からは、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された加工条件(更新される前の加工条件)で加工された特殊外れコマンドが出力されることはないので、受信した特殊外れコマンドを判別できないという不具合の虞がない。
また、このタイミングで、条件変更時フラグ223g1をオフにすることで、主制御装置110から更新される前の加工条件で加工された特殊外れコマンドが送信されてくることが無いのに、更新される前の加工条件で加工された特殊外れコマンドも正規の特殊外れコマンドとして、音声ランプ制御装置113のMPU221が判別してしまう期間を短くすることができる。よって、「ぶら下げ基板」等により不正な特殊外れコマンドをが出力されることで、正規の特殊外れコマンドとして認識してしまうことを抑制することができる。
次に、受信したコマンド9B64hの下位バイト64hの下から3ビット目を反転して、特殊外れコマンド(9B60h)に変更(復元)して、これを受信リングバッファに格納されている特殊外れコマンド(9B64h)に上書きして記憶する(S1323)。即ち、受信データバッファの特殊外れコマンド(9B64h)は、本来の特殊外れコマンド(9B60h)に書き換えられる(復元される)。
一方、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件が設定Aでないと判別された場合には(S1321:No)、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶されている加工条件が、設定Aであるか判別される(S1324)。従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶されている加工条件が、設定Aであると判別された場合には(S1324:Yes)、S1323の処理を実行してこの処理を終了する。
一方、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶されている加工条件が、設定Aでないと判別された場合には(S1324:No)、不正なコマンドを受信したことを、第3図柄表示装置81で文字等により報知するように指示する不正受信エラーコマンドが送信用リングバッファに設定される(S1325)。
このように、主制御装置110から設定Aの加工条件で変更して生成された特殊外れコマンドを受信したにも関わらず、従新加工条件設定記憶エリア262a1にも、従旧加工条件設定記憶エリア262a2にも設定Aが記憶されていない場合には、主制御装置110から送信されるはずのない特殊外れコマンドが送信されたと判別できる。
このような場合には、「ぶら下げ基板」等により、不正に適当な加工条件で加工した特殊外れコマンドを、音声ランプ制御装置113に対して出力されていることが考えられる。よって、それを不正とみなしてその報知をする。これにより、「ぶら下げ基板」等により適当に多種のコマンドが送信された場合に、それを検知することができ、不正を早期に発見することができる。
確定前判別処理B(図46、S1330)は、上記した確定前判別処理A(図48、S1320)に対して、S1312の処理で設定Aが設定Bに、S1323の処理で下から3ビット目が、下から4ビット目に、S1324の処理で設定Aが設定Bに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
また、確定前判別処理C(図46、S1340)も、上記した確定前判別処理A(図48、S1320)に対して、S1312の処理で設定Aが設定Cに、S1323の処理で下から3ビット目が下から5ビット目に、S1324の処理で設定Aが設定Cに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
コマンド判別処理(図46、S1220)の終了後は、メイン処理(図44、S1200)のコマンド判定処理(S1214)へ移行する。第3実施形態における、メイン処理(S1200)で実行されるS1214〜S1219の各処理は、第1実施形態のS1214〜S1219の各処理と同一の処理が実行される。
加工条件更新処理1(図38、S120)における設定時間と判別されると、主制御装置110は、それに基づいて、加工条件を更新(新たに選択)して、更新した加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶する。また、主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図37)におけるコマンド加工処理(図39、S114)で特殊外れコマンド(9B60h)を加工条件に基づいて変更(加工)して、送信用リングバッファに格納する。格納された特殊外れコマンドは、次のタイマ割込処理実行時(4ms後)に外部出力処理(図37、S101)により音声ランプ制御装置113に出力される。
これにより、設定時間と判別されたタイマ割込処理で、特殊外れコマンドが送信用リングバッファに格納されていた場合には、更新される前の加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力される。このとき、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)においても設定時間と判別されるので、音声ランプ制御装置113のMPU221も加工条件を更新する。
ここで、音声ランプ制御装置113のMPU221は、1ms未満の高速で、メイン処理(図44、S1200)を繰り返し実行する。一方、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図37)は、4ms毎に実行される。この処理タイミングの違いにより、音声ランプ制御装置110のMPU221が加工条件を更新した後で、更新する前の加工条件で加工された特殊外れコマンドを受信する場合がある。
しかしながら、条件変更時フラグ223g1がオンされている間は、コマンド判別処理(図46、S1220)において、音声ランプ制御装置113のMPU221は、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている更新された加工条件だけでなく、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶されている更新される前の加工条件でも特殊外れコマンドの判別処理を実行する。
このように、構成することで、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221との、処理タイミング等の違いにより、音声ランプ制御装置113のMPU221が、加工条件を更新した後で、更新する前の加工条件で加工(変更)された特殊外れコマンドを受信しても、そのコマンドを判別することができる。
また、音声ランプ制御装置110のMPU201は、後述するが、確定前判別処理A〜C(図46、SS1320〜S1340)において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶された更新した加工条件と同じ加工条件で加工された特殊外れコマンドを主制御装置110から受信したと判別した場合には、条件変更時フラグ223g1をオフにする。
条件変更時フラグ223g1がオフであると、上記説明したように、確定判別処理(図47、S1350)が実行される。即ち、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている更新された加工条件のみで、特殊外れコマンドの判別が実行される。これにより、主制御装置110のMPU201が加工条件を更新し、更新された加工条件で特殊外れコマンドを加工して送信したのを確認した後は、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された更新前の加工条件での判別をやめることができる。
これにより、音声ランプ制御装置110のMPU221が、2つの加工条件で判別する期間を必要最低限の期間にすることができる。よって、2つの加工条件で特殊外れコマンドが判別される期間(条件変更時フラグ223g1がオンの期間)には、不正な特殊外れコマンドを送信して、正規の特殊外れコマンドとして判別され易いが、その期間を極力短くすることができる。従って、「ぶら下げ基板」等における不正を抑制することができる。
また、通常遊技を行う前の電源投入時に実行される加工条件設定処理1(図41、S940)とサブ加工条件設定処理1(図43,S1130)において、加工条件が複数の加工条件の中から選択され初期設定されるために、毎回、パチンコ機に電源が投入される度に、設定される加工条件を変えることが可能となる。よって、中古機等で主制御装置110が出力する特殊外れコマンドを解析されたとしても、その特殊外れコマンドはパチンコ機10によって、選択される加工条件が異なれば、その特殊外れコマンドを正規の特殊外れコマンドとして判別しないため、「ぶら下げ基板」等により不正に解析された特殊外れコマンドが、音声ランプ制御装置113に出力される不正による被害を低減させることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで同じ加工条件を選択するために、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して、選択した加工条件を示す信号(コマンド)を出力すると、その信号を解析されることにより、加工された特殊外れコマンドが把握されてしまう虞があった。
しかしながら、本実施形態の構成によれば、加工条件設定処理1(図41、S940)とサブ加工条件設定処理1(図43、S1130)では、互いに独立して設けられたRTC263、264からそれぞれが計時データを取得して、所定の算出方法により算出した設定乱数値に基づいて、加工条件をそれぞれが決定する。主制御装置110のRTC263と音声ランプ制御装置113のRTC264は、製造時に治具により、同じ時間に設定されて、同時期に更新されている。
よって、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221が同時期に、計時データを取得することにより、同じ計時データを取得し、同じ設定乱数値を算出することで、同じ加工条件を選択することができる。従って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して選択した加工条件を示す信号を出力しなくとも、同じ加工条件を選択することができる。
また、同じように、加工条件更新処理1(図38、S120)とサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)でもRTC263、264から取得した計時データに基づいて加工条件が選択されることで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して選択した加工条件を示す信号を出力しなくとも、同じ加工条件を選択し更新することができる。
次に、図49〜図55を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、加工条件更新処理1(図38、S120)において、RTC263が設定時間となると、加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件を更新し、サブ加工条件更新処理1(S1130)において、RTC264が設定時間となると、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件を更新する場合について説明した。
これに対し、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技が開始される場合に、主制御装置110のMPU201が音声ランプ制御装置113に、オープニングコマンドを出力すると、主制御装置110のMPU201がRTC263より計時データを取得して、その計時データに基づいて加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件を更新する。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110から出力されたオープニングコマンドを受信すると、RTC264から計時データを取得して加工条件を更新する。
即ち、第4施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、設定時間毎に加工条件を選択して更新していた。これに対し、第4実施形態では、それに加えて特別図柄の抽選が当たりとなった場合に、実行される大当たりを契機として、加工条件を更新する点で、第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図49における(a)は、第4実施形態における、主制御装置110のROM202を模式的に示した図である。第4実施形態で使用するROM202に記憶された、桁上げ補正データ202kについて説明する。桁上補正データは、主制御装置110のMPU201が、後述する、オープニングコマンドを送信してから、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が、オープニングコマンドを受信したと判断するサブ加工条件更新処理2(S1240、図55)までに、要する時間である1msに設定されている。
このように、桁上補正データ202k(本実施形態では、1ms)を設定することで、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得する計時データと音声ランプ制御装置113のMPU221が、取得する計時データとのずれを抑制することができる。
図49における(b)は、第4実施形態における、主制御装置110のRAM203のその他メモリエリア203kの一部を模式的に示した図である。その他メモリエリア203kには、第4実施形態で使用する、大当たりフラグ203k1が記憶される。大当たりフラグ203k1は、主制御装置110のMPU201が実行する変動中処理(図53、S510)において、変動中の特別図柄(第1図柄)の変動時間が経過し、確定図柄で確定表示させる場合に、その特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に、オンに設定されるフラグであり、大当たり遊技の開始がされることを表すフラグである。また、大当たりフラグ203k1は、大開放口開閉処理(図52、S103)において、大当たり遊技の終了を表すエンディングコマンドが送信用リングバッファにセットされた後に、オフに設定される。
図50は、第4実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第4実施形態のタイマ割込処理は、第3実施形態のタイマ割込処理(図37)に対して、S130の処理が追加され、S103の処理とS108の処理とが変更されている。第4実施形態における、S101の処理は、第3実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、第4実施形態におけるタイマ割込処理では、加工条件更新処理2(S130)の処理を実行する。
図51を参照して、第4実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である加工条件更新処理2(S130)について説明する。図51は、この加工条件更新処理2(S130)を示すフローチャートである。加工条件更新処理2(S130)は、加工条件設定処理1(図41、S940)で初期設定された、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を、新たに選択(決定)し、更新するための処理である。
加工条件更新処理2(S130)では、まず、主制御装置110のMPU201が、加工条件更新処理2(S130)の前に実行する外部出力処理(S101)で、音声ランプ制御装置113にオープニングコマンドを出力したか判別される(S131)。
ここで、オープニングコマンドは、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、主制御装置110から出力されるコマンドである。音声ランプ制御装置113がオープニングコマンドを受信すると、音声ランプ制御装置110のMPU221は、大当たり遊技の開始と判別して、第3図柄表示装置81に大当たり遊技の開始を遊技者に報知するオープニング画像を、表示させるためのコマンドを表示制御装置114に対して出力する。
外部出力処理(S101)で音声ランプ制御装置113にオープニングコマンドを出力したと判別された場合には(S131:Yes)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(s)」の計時データが取得される(S132)。
S132の処理で取得された計時データに図49(a)に示す桁上補正データ202k(本実施形態では、1ms)が加算される(S133)。S133の処理で桁上補正データ202kが加算された計時データ(補正された計時データ)に基づいて(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア203kに記憶)される(S134)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
その設定乱数値に基づいて、加工条件変更テーブル202iより加工条件を選択(決定)し、加工条件設定記憶エリア261aに記憶される(S135)。一方、外部出力処理(S101)で音声ランプ制御装置113にオープニングコマンドを出力していないと判別された場合には(S131:No)、加工条件更新処理1が実行される(図38、S120)。加工条件更新処理1(図38、S120)については、第3実施形態で説明した処理と同一の処理が実行される。
このように、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得した計時データに桁上補正データ202kが加算される。この桁上補正データ202k(本実施形態では、1ms)は、主制御装置110のMPU201が、オープニングコマンドを送信してから、後述する音声ランプ制御装置113のMPU221が、オープニングコマンドを受信したと判断するサブ加工条件更新処理2(図55、S1240)までに、要する時間である1msに設定されている。
このように、桁上補正データ202k(本実施形態では、1ms)を設定することで、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得する計時データと音声ランプ制御装置113のMPU221が、取得する計時データとのずれを抑制することができる。
また、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得した場合に、計時データの「秒(s)・ミリ秒(ms)」が「59s999ms」であると、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得する時には、後述する音声ランプ制御装置113のMPU221がオープニングコマンドを受信したと判断するサブ加工条件更新処理2(図58、S1240)までに、要する時間(本実施形態では、1ms)が経過していることから、「分」の計時データに桁上げが発生する。
なお、本実施形態において、サブ加工条件更新処理2(図58、S1240)は、メイン処理(図54、S1200)のS1201の処理から明らかなように1ms以上経過毎に実行される。メイン処理(図58、S1240)は、1ms未満の高速で繰り返し実行されているので、サブ加工条件更新処理2(図58、S1240)も約1ms毎に実行される。よって、オープニングコマンドが出力されるとコマンド判定処理(図28、S1214)でコマンドを受信したことが判別され、その1ms後にサブ加工条件更新処理2(図55,S1240)でオープニングコマンドを受信したことを判別し、加工条件を更新する。従って、オープニングコマンドが出力されてからサブ加工条件更新処理2(図58、S1240)で受信したと判別されるまで1msの時間を要する。
しかしながら、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得した計時データには、桁上補正データ202kが加算されるので、主制御装置110のMPU201が取得した計時データも「分」の計時データに、桁上げが事前にされることとなる。これにより、設定乱数値の算出に「年・月・日・時・分」までの値を使用しても、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが、同じ設定乱数値を算出することができる。
このように、第4実施形態におけるパチンコ機10では、第3実施形態におけるパチンコ機10において、予め定められた設定時間で加工条件が更新されるのに加えて、ランダムの契機で選択(決定)される大当たり遊技が開始される毎に、加工条件が選択(決定)されて更新(変更)される。よって、加工条件が、予め定められた設定時間だけでなく、ランダムな契機にも更新されることとなり、パチンコ機10で使用する加工条件が把握されるのをさらに困難にすることができる。
また、設定されている加工条件で変更された特殊ハズレコマンドが、「ぶら下げ基板」等により不正に音声ランプ制御装置113に出力され、遊技動作示唆設定が設定され、不正に大当たりが発生されても、大当たりが発生すると、加工条件が変更されるので、「ぶら下げ基板」等が、出力するコマンドを大当たり後からは、正規の特殊ハズレコマンドが出力されたと音声ランプ制御装置113のMPU221が、判別することを抑制(防止)することができ、連続して大当たり遊技が発生させられる不正を抑制(防止)できる。
また、特別図柄の大当たりを契機として出力されるオープニングコマンドを加工条件の更新契機とすることで、ランダムな契機で発生する大当たりの契機で加工条件を更新することができる。
加工条件更新処理2(図51、S130)の終了後は、タイマ割込処理(図50)のS102へ移行する。S102の処理は、第3実施形態のS102の処理と同一の処理が実行される。その後、大開放口開閉処理(図52、S103)が実行される。
図52を参照して、第4実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である大開放口開閉処理(S103)について説明する。図52は、この大開放口開閉処理(S103)を示すフローチャートである。大開放口開閉処理(S103)は、大当たり遊技が実行される場合に、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650の開閉処理を実行する処理である。
大開放口開閉処理(S103)では、まず、大当たりフラグ203k1がオンか判別される(S2001)。大当たりフラグ203k1がオンであると判別された場合には(S2001:Yes)、オープニング時間が経過したかどうか判別される(S2002)。ここで、オープニング時間とは、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対してオープニングコマンドを出力したことに基づいて、第3図柄表示装置81で遊技者に大当たり遊技の開始を報知するオープニング画像が表示される時間である。
オープニング時間が経過したと判別された場合には(S2002:Yes)、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650が開放中かどうか判別される(S2003)。第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650が、開放中であると判別された場合には(S2003:Yes)、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650に遊技球が10個入賞したかどうか判別される(S2006)。
第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650に遊技球が10個入賞したと判別された場合には(S2006:Yes)、開放中の第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650を閉鎖する(S2008)。一方、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650に遊技球が10個入賞していないと判別された場合には(S2006:No)、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したかどうか判別される(S2007)。ラウンド時間とは、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650を開放してから閉鎖するまでの最大時間であり、本実施形態では、ラウンド時間は30秒に設定されている。
ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したと判別された場合には(S2007:Yes)、S2008の処理を実行する。一方、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過していないと判別された場合には(S2007:No)、この処理を終了する。S2008の処理が実行された後には、ラウンドカウンタの値が「−1」される(S2009)。
ラウンドカウンタとは、大当たり遊技の中で、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650が開放される回数を表すカウンタである。よって、15R大当たりの場合には、ラウンドカウンタの値が「15」が後述する変動中処理(図53、S510)のS515(図53)の処理で設定される。また、5R大当たりの場合には、ラウンドカウンタの値が「5」が後述する変動中処理(図53、S510)のS515(図53)の処理で設定される。
ラウンドカウンタの値が「0」か判別される(S2010)。ラウンドカウンタの値が「0」であると判別された場合には(S2010:Yes)、エンディングコマンドがセットされる(S2012)。その後、大当たりフラグ203k1がオフにセットされる(S2013)。エンディングコマンドとは、最終のラウンド(最後の第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650の開放)が終わった場合に、第3図柄表示装置81に大当たり遊技の終了を、遊技者に報知するエンディング画像を表示させるためのコマンドである。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判別された場合には(S2010:No)、ラウンド間に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の表示を指示するラウンド間コマンドをセットして、この処理を終了する。そして、大当たりフラグ203k1がオフ、オープニング時間が経過していないと判別された場合には(S2001:No、S2002:No)、この処理を終了する。第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650が閉鎖中であると判別された場合には(S2003:No)、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650を開放する時間かどうか判別される(S2004)。
第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650を開放する時間であると判別された場合には(S2004:Yes)、対応する可変入賞装置を開放する。対応する可変入賞装置とは、第1入球口63へ始動入賞したことに基づいた抽選結果による大当たりである場合には、第1可変入賞口65が開放され、第2入球口64へ始動入賞したことに基づいた抽選結果による大当たりである場合には、第2可変入賞口650が開放される(S2005)。一方、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置650を開放する時間でないと判別された場合には(S2004:No)、この処理を終了する。
大開放口開閉処理(図52、S103)の終了後は、S104(図50)へ移行する。S104〜S107までの各処理は、第3実施形態のS104〜S107までの各処理と同一の処理が実行される。S107の処理が実行された後は、変動処理(図18、S108)が実行される。
第4実施形態の変動処理(図50、S108)は、第3実施形態の変動処理(図18、S108)に対して、変動中処理(図53、S510)の内容が異なる。
図53を参照して、第4実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動中処理(S510)について説明する。図53は、この変動中処理(S510)を示すフローチャートである。この変動中処理(図53、S510)は、第3実施形態の変動中処理(図19、S510)に対して、S520の処理とS521の処理とS522の処理とが追加されている。S511〜S513までの各処理は、第3実施形態における、S511〜S513までの各処理と同一である。
図53、S513の処理において、変動中の第1図柄(特別図柄)の大当たり抽選結果が当たりであると判別された場合には(S513:Yes)、大当たりフラグ203k1をオンにして設定(記憶)する(S520)。S520の処理が終了すると、S514の処理へ移行する。第4実施形態における、S514〜S516までの各処理は第3実施形態(第1実施形態)の変動中処理(図19、S510)で実行されるS514〜S516までの各処理と同一の処理が実行される。
S515の処理の後には、S521の処理へ移行する。第4実施形態のS521の処理は、音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドが格納される送信用リングバッファに15R大当たりオープニングコマンドがセットされる(S521)。15R大当たりオープニングコマンドは、大当たり遊技が開始される場合に、第3図柄表示装置81に15R大当たり遊技の開始を、遊技者に報知するオープニング画像を、表示させるめのコマンドである。
一方、S516の処理の後には、S522の処理へ移行する。S522の処理では、音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドが格納される送信用リングバッファに5R大当たりオープニングコマンドがセットされる(S522)。5R大当たりオープニングコマンドは、大当たり遊技が開始される場合に、第3図柄表示装置81に5R大当たり遊技の開始を、遊技者に報知するオープニング画像を、表示させるめのコマンドである。
変動処理(図18、S108)の終了後は、S109(図37)へ移行する。S109〜S114までの各処理は、第3実施形態のS109〜S114までの各処理と同一の処理が実行される。S114の処理が実行された後は、タイマ割込処理(図37)を終了する。
図54は、第4実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(S1200)を説明するフローチャートである。第4実施形態のメイン処理(図54、S1200)は、第3実施形態のメイン処理(図44、S1200)に対して、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)がサブ加工条件更新処理2(図55、S1240)に変更されている点で相違する。S1201〜S1207、S1209〜S1212までの各処理は、第3実施形態のS1201〜S1207、S1209〜S1212までの各処理と同一の処理が実行される。S1212の処理が完了すると、サブ加工条件更新処理2(図55、S1240)を実行する。
図55を参照して、第4実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理2(S1240)について説明する。図54は、このサブ加工条件更新処理2(S1240)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理2(S1240)は、設定時間毎に加工条件を更新し、さらに、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に出力されたオープニングコマンドを受信したことを契機に加工条件をRTC264から取得した計時データに基づいて選択するための処理である。なお、サブ加工条件更新処理2(図55、S1240)は、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)で初期設定された加工条件を更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理2(S1240)では、まず、主制御装置110から15R大当たりオープニングコマンド又は5R大当たりオープニングコマンドを受信したか判別する(S1241)。主制御装置110から15R大当たりオープニングコマンド又は5R大当たりオープニングコマンドを、受信したと判別された場合には(S1241:Yes)、RTC264から「年・月・日・時・分」の計時データが取得される(S1242)。(S1242)の処理で取得した計時データに基づいて(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア223gに記憶)される(S1243)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
従新加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、S1243の処理で算出した設定乱数値に基づいて、図36(c)に示す加工条件変更テーブル222cより加工条件を選択(決定)し、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶する(S1244)。一方、主制御装置110から15R大当たりオープニングコマンド又は5R大当たりオープニングコマンドを、受信していないと判別された場合には(S1241:No)、サブ加工条件更新処理1が実行される(図45、S1230)。サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)については、第3実施形態で説明した処理と同一の処理が実行される。
このように構成することで、設定時間毎には、加工条件が定期的にRTC264から取得される計時データに基づいてランダムな加工条件が選択されて更新される。さらに、ランダムな契機で発生する大当たりを契機に、加工条件を更新することができ、加工条件の更新をよりランダムな契機で行うことができる。
また、大当たりを契機に加工条件を変更することで、「ぶら下げ基板」等による不正が行われた場合にも、連続して大当たりを不正に発生されることを抑制(防止)することができる。
所定の設定時間を更新契機に加工条件を更新する場合には、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図37)の処理タイミングでないときに所定の設定時間となり、処理周期の短い音声ランプ制御装置113のMPU201が実行するメイン処理(図44、S1200)のサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)で主制御装置110よりも先に加工条件が更新される場合があった。
しかしながら、オープニングコマンドを加工条件の更新(変更)契機とすることで、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図50)の処理実行周期に合わせて加工条件を更新することができ、音声ランプ制御装置113のMPU221も、次のタイマ割込処理(図50)の実行時期(4ms後)までに、加工条件をオープニングコマンドを受信したと判別して更新することができる。よって、音声ランプ制御装置113が主制御装置110よりも先に加工条件を更新してしまい、特殊外れコマンドを判別することができなくなるという不具合を防止することができる。
また、S1244の処理では、条件変更時フラグ223g1をオンに設定しないが、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に従新加工条件設定記憶エリア261a1に記憶されている加工条件を記憶させる。これにより、従旧加工条件設定記憶エリア262a2の加工条件も更新され、ノイズ等により、条件変更時フラグ223g1がオンと誤って判別された場合にも、なるべく新しい加工条件で特殊外れコマンドを判別することができる。
次に、図56を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理1(図41、S940)において、RTC263から取得した計時データに主サブ同期補正データ202jを加算することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理1(図43,S1130)にてRTC264から取得した計時データと同期(設定乱数値を算出するのに用いる計時データを同じに)させる場合について説明した。
これに対し、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理1(図56(a)、S940)と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理1(図56(b)、S1130)とにおいて、同じタイミングで計時データをRTC263、264から取得できるように取得タイミングを合わせる処理を実行する。
即ち、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態は、加工条件設定処理1(図41、S940)において、取得した計時データに主サブ同期補正データ202jに加算する。それにより、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)で取得する計時データと同期(設定乱数値を算出するのに用いる計時データを同じに)させていた。これに対し、第5実施形態では、加工条件設定処理1(図56(a)、S940)と音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理1(図56(b)、S1130)とにおいて、同じタイミングで計時データを取得できるようにする点で、第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU221によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図56(a)は、第5実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理の一処理である加工条件設定処理1(図56(a)、S940)を説明するフローチャートである。加工条件設定処理1(S940)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を初期設定するための処理である。なお、加工条件設定処理1(図56(a)、S940)で初期設定された加工条件は、加工条件更新処理1(図38、S120)で新たに選択(決定)され更新される。以下、加工条件設定処理1(図56(a)、S940)について説明する。
加工条件設定処理1(S940)では、まず、待機時間が経過したか判別する(S955)。待機時間は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図42)において、初期設定処理を終了し、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)において、後述するS1131の処理を実行するまでの時間(本実施形態では、100ms)で設定されている。この待機時間を設定することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得できる状態となると、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得する構成とすることができ、計時データの取得のタイミングを同期させることができる。なお、本実施形態では、計時データの取得タイミングの誤差を1ms未満となるように待機時間を設定した。
待機時間(本実施形態では、100ms)が経過したと判別された場合には(S955:Yes)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データを取得する(S956)。一方、待機時間(本実施形態では、100ms)が経過していないと判別された場合には(S955:No)、この処理を繰り返し、待機時間が経過するまでこの処理を繰り返す(即ち、待機時間が経過するまで待機する)。
取得した計時データの「秒(s)」は10秒であるか判別される(S957)。取得した計時データの「秒(s)」は10秒であると判別された場合には(S957:Yes)、RTC263から取得した計時データに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア203kに記憶)される(S958)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
S958の処理で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル202iより加工条件が選択され、加工条件設定記憶エリア261aに記憶される(S951)。一方、取得した計時データの「秒(s)」は10秒でないとと判別された場合には(S957:No)、再び、(S956)の処理に戻り、RTC263から計時データを取得し取得した計時データが10秒となるまでこの処理を繰り返す。
図56(b)は、第5実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理の一処理であるサブ加工条件設定処理1(S1130)を説明するフローチャートである。このサブ加工条件設定処理1(S1130)は、コマンド判別処理(S1220、図46)で使用される加工条件を設定するための処理である。なお、サブ加工条件設定処理1(図56(b)、S1130)で初期設定された加工条件は、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)の処理で新たに選択され更新される。以下、サブ加工条件設定処理1(図56(b)S1130)について説明する。
サブ加工条件設定処理1(S1130)は、上記した加工条件設定処理1(図56(a)、S940)に対して、S955の処理が削除され、S951の処理において、選択した加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶していたのが、S1136の処理において、加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶することに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
S957の処理までにおいて、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得するタイミングと音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から計時データを取得するタイミングとの時間差は、1ms未満であり、RTC263から計時データを取得する処理も1ms未満の高速で実行される。また、後述するが、音声ランプ制御装置113のMPU221もサブ加工条件設定処理1(図56(b)、S1130)で同様にRTC264から計時データを取得し、取得した計時データが10秒であるか判別し、10秒であればそのときに取得した計時データに基づいて設定乱数値を算出する。これにより、「分」以上の値で設定乱数値を算出することで、秒の値が、計時データの取得タイミングの違いにより異なっても(ミリ秒の桁上げにより11秒で取得してしまうことがあっても)、「分」以上の値に変動はないことから、主制御装置110と音声ランプ制御装置とが取得する計時データを同期させることができる。よって、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、正確に同期して計時データを取得することができる。
従って、同じ設定乱数値を算出することができ、その設定乱数値に基づいて主制御装置110と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、同じ加工条件を選択(決定)することができる。その結果、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができるので、加工条件を示す信号を解析されて、変更して生成された特殊外れコマンドを把握されて、音声ランプ制御装置113に対して、「ぶら下げ基板」等により変更して生成された特殊外れコマンドを送信される不正を抑制(防止)することができる。
音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理1(S1130)では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理1(S940)で実行されるS955の処理は設けていないが、サブ加工条件設定処理1でも待機時間を設けて、互いに同期をとるようにしてもよい。
また、サブ加工条件設定処理1(図56(b)、S1130)では、条件変更時フラグ223g1はオンに設定されない。条件変更時フラグ223g1がオフに設定されている場合には、コマンド判別処理(図46、S1220)において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶された加工条件のみで特殊外れコマンドの判別が実行される。
よって、立ち上げ処理(図42)が終了し、通常遊技が実行されても、条件変更時フラグ223g1がオンに設定されるまでは、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された加工条件に基づいて判定が行われることはないが、ノイズ等により、条件設定時フラグ223g1がオンであると、判別された場合にも、サブ加工条件設定処理1(図56(b)、S1130)において、従旧加工条件設定記憶エリア262a2にも、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件と同一の加工条件が記憶されているので、特殊外れコマンドの判別を実行することができる。従って、ノイズ等により誤作動が起きた場合にも、パチンコ機10の制御をフリーズさせることなく遊技を続けることができる。
次に、図57〜図59を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、加工条件更新処理1(図38、S120)において、RTC263が設定時間となると加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件を更新し、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)にて、RTC264が設定時間となると従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶されている加工条件を更新する場合について説明した。
これに対し、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、加工条件更新処理1(図58、S120)にて、RTC263が設定時間となると主制御装置110のMPU201は、RTC263から取得した計時データに基づいて加工条件を選択し、変更予定用として記憶する。また、音声ランプ制御装置113のMPU221も同じ設定時間となると、RTC264から取得した計時データに基づいて加工条件を選択(決定)し、変更予定用として記憶する。主制御装置110のMPU201は、普通図柄の変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力すると、変更予定用に記憶していた加工条件を正式に加工条件として設定する。音声ランプ制御装置113のMPU221も、主制御装置110から出力された普通図柄の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、変更予定用に記憶していた加工条件を正式に加工条件として設定する。
即ち、第6施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、設定時間毎に加工条件を選択(決定)して更新していた。しかし、第6実施形態では、設定時間となっても、すぐには、加工条件を変更(更新)せず、普通図柄の変動パターンコマンドを送受信することを契機に、加工条件を変更する点で、第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。これにより、第6実施形態の構成では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との加工条件の更新タイミングのずれを防止する(なくす)ことができる。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図57は、第6実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図35)との相違点について説明する。第6実施形態では、主制御装置110のMPU201のフラッシュメモリ261に主予定加工条件設定記憶エリア261cが設けられているが、第3実施形態では設けられていない。また、第6実施形態では、従予定加工条件設定記憶エリア262cが設けられているが、第3実施形態では設けられていない。
主予定加工条件設定記憶エリア261cは、後述する、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理1(S120)において、設定時間になると変更予定用に選択(決定)された加工条件が記憶される記憶領域である。
従予定加工条件設定記憶エリア262cは、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理1(S1230)において、設定時間になると変更予定用に選択された加工条件が記憶される記憶領域である。
このようにフラッシュメモリ261に主予定加工条件設定記憶エリア261cとフラッシュメモリ262に従予定加工条件設定記憶エリア262cとを設けることで、RAM消去スイッチ122の操作が行われたり、RAMの作業領域のクリア(S1109、図42)が行われても記憶内容がクリアされないので、加工条件が初期化されて、不正に初期化された加工条件に基づくコマンドで生成された特殊外れコマンドが、「ぶら下げ基板」等により音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制することができる。
主予定変更フラグ203k2は、主予定加工条件設定記憶エリア261cに加工条件が記憶された場合に、主制御装置110のRAM203のその他メモリエリア203kにオンに設定されて記憶される。即ち、主予定変更フラグ203k2がオンにされると、変更予定用に加工条件が、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている状態であることを示している。
従予定変更フラグ223g2は、従予定加工条件設定記憶エリア262cに加工条件が記憶された場合に、音声ランプ御装置113のRAM223のその他メモリエリア223gにオンに設定されて記憶される。即ち、従予定変更フラグ223g2がオンにされると、変更予定用に加工条件が、従予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている状態であることを示している。
図58は、第6実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理の一処理である加工条件更新処理1(S120)を説明するフローチャートである。図58を参照して、第6実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図37)の一処理である加工条件更新処理1(S120)について説明する。図58は、この加工条件更新処理1(S120)を示すフローチャートである。加工条件更新処理1(S120)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を設定し、更新するための処理である。
加工条件更新処理1(S120)では、まず、主予定変更フラグ203k2がオンか判別する(S141)。主予定変更フラグ203k2がオンでないと判別された場合には(S141:No)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S142)。
取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」は、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒)であるか判別される(S143)。取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」が、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒)であると判別された場合には(S143:Yes)、RTC263から取得した計時データに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア203kに記憶)される(S144)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
S144で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル202iより加工条件が選択され、加工条件設定記憶エリア261aに記憶され、主予定変更フラグ203k2をオンに設定する(S145)。
一方、主予定変更フラグ203k2がオンと判別された場合には(S141:Yes)、普通図柄の変動パターン(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、コマンド判定処理(図28、S1214)で受信したと判別されたか判別する。(S146)。
普通図柄の変動パターン(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、主制御装置110の外部出力処理(S101)において出力されたと判別された場合には(S146:Yes)、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶する(S147)。主予定変更フラグ203k2をオフに設定して、この処理を終了する(S148)。
一方、S143の処理で取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」は設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒)でないと判別された場合には(S143:No)、又は普通図柄の変動パターンコマンド(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、主制御装置110の外部出力処理(S101)の処理において出力されていないと判別された場合には(S146:No)、この処理を終了する。
主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理は、4ミリ秒間隔で実行される。そのため、設定時間は、その処理間隔を考慮して、ミリ秒の値を4ミリ秒の幅を設定して「500ミリ秒〜503ミリ秒」とした。これにより、設定時間を処理間隔により判別できない不具合を防止して、確実に設定時間になるとRTC263から計時データを取得して加工条件を選択することができる。
また、主制御装置110における設定時間を10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒とし、音声ランプ制御装置113における設定時間を10時00分00秒500ミリ秒としたことで、取得タイミングのずれが発生すると主制御装置110のMPU201が500ミリ秒〜503ミリ秒の範囲で計時データを取得することで、ミリ秒の値が異なるが、設定乱数値の算出は、計時データの「年・月・日・時・分」とすることで、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とは同じ設定乱数値を算出でき、それに基づいて同じ加工条件を選択することができる。
図59は、第6実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図44、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理1(S1230)を説明するフローチャートである。図59を参照して、サブ加工条件更新処理1(S1230)について説明する。サブ加工条件更新処理1(S1230)は、サブ加工条件設定処理1(図43,S1130)で初期設定されたコマンド判別処理(S1230、図46)で使用される加工条件を更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理1(図59、S1230)は、上記した、加工条件更新処理1(図58、S120)に対して、S141の処理における主予定変更フラグ203k2がS1261の処理における従予定変更フラグ223g2に、S143の処理における設定時間「10時00分00秒500〜503ミリ秒」がS1263の処理における設定時間「」10時00分00秒500ミリ秒」に、S145の処理において主予定加工条件設定記憶エリア262cと主予定変更フラグとがS1265の処理における従予定加工条件設定記憶エリア262cに、S147の処理がS1267の処理において従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、従予定加工条件設定記憶エリ262cに記憶されている加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶する処理に、S148における主予定変更フラグ203k2が従予定変更フラグ223g2に、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
このように、主制御装置110のMPU201は、設定時間となって、加工条件を選択しても、その加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶させないで、変更予定用として、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶させる。同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221は、設定時間となって、加工条件を選択(決定)しても、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶させないで、従予定加工条件設定記憶エリア262cに変更予定用として記憶させる。
そして、主制御装置110は、普通図柄の変動パターンコマンドを出力したことに基づいて、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶させる(加工条件を更新する)。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その普通図柄の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、従予定加工条件設定記憶エリア262cに記憶されている加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶させる(加工条件を更新する)。
この場合、普通図柄の変動パターンコマンドが出力された時の外部出力処理(図37、S101)で、特殊外れコマンドも出力された場合には、更新される前の加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドが出力される。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理1(図44、S1200)は、普通図柄の変動パターンコマンドの受信を判定するコマンド判定処理(図28、S1214)よりも前で実行されるので、このときは、加工条件の更新を行わずに、コマンド判別処理(図46、S1220)が実行される。よって、コマンド判別処理(図46、S1220)では、主制御装置110が出力した、更新される前の加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドを、同じ更新される前の加工条件に基づいて判別することができる。
そして、このコマンド判別処理(図46、S1220)の後で実行されるコマンド判定処理(図28、S1214)において、普通図柄の変動パターンの受信を判定する。この後(この処理の後に実行されるループ処理)で実行される、サブ加工条件更新処理1(図59、S1230)で加工条件の更新が実行される。
一方、主制御装置110のMPU201は、加工条件を更新する契機となる、普通図柄の変動パターンコマンドを出力した、外部出力処理(S101)の後に実行される加工条件更新処理1(図58、S120)において、加工条件を更新するので、次に実行されるタイマ割込処理(4ミリ秒後に実行されるタイマ割込処理)で出力される特殊外れコマンドは、新たに加工条件設定記憶エリア261aに記憶された加工条件に基づいて変更して生成されている。よって、その後、主制御装置110からは、更新される前の加工条件で変更して生成された特殊外れコマンドが出力されないので、音声ランプ制御装置113のMPU221が加工条件を変更した後に、前の加工条件を受信することがなく、コマンドを判別できないという不具合を防止することができる。
また、設定時間は、一つに限らず、音声ランプ制御装置113と設定乱数値を算出するのに用いる計時データが同じになるように設定すれば、複数設定時間を設定してもよい。このように構成することで、適宜、加工条件の更新が行われて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される特殊外れコマンドも適宜変更されるので、不正に外部から特殊外れコマンドを認識されることを抑制(防止)することができ、「ぶら下げ基板」等による不正を抑制(防止)することができる。
本実施形態では、加工条件を正式に更新する契機は、設定時間となった場合に、RTC263から計時データを取得した後に、ランダムな契機で送信される(第3入球口63又は第4入球口64への遊技球の入賞に基づく契機で送信される)普通図柄の変動パターンコマンドの送受信に基づくように構成した。そのため、普通図柄の変動パターンコマンドの送信契機からは、RTC263の値(設定時間)を予測することは困難であり、どの加工条件が選択されたか認識されることを抑制(防止)できる。
また、正式に加工条件が更新(変更)される時間が、設定時間と異なる普通図柄の変動パターンコマンドの送受信の時間となるので、ランダムな時間となり変更タイミングを不規則にして、加工条件が変更されたことを認識されるのを防止することができる。
なお、本実施形態では、正式に加工条件を更新する契機を、普通図柄の変動パターンコマンドとしたが、それに限らず、他の契機に基づいて生成されるコマンドでもよい。また、コマンドのみに限らず、普通図柄或いは特別図柄が、所定回数、変動したことに基づいて更新するように構成してもよい。
また、サブ加工条件更新処理1(図59、S1230)のS1267では、条件変更時フラグ223g1をオンに設定しないが、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に従新加工条件設定記憶エリア261a1に記憶されている加工条件を記憶させる。これにより、従旧加工条件設定記憶エリア262a2の加工条件も更新され、ノイズ等により、条件変更時フラグ223g1がオンと誤って判別された場合にも、なるべく新しい加工条件で特殊外れコマンドを判別することができる。
次に、図60〜図62を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技が開始される場合に、主制御装置110のMPU201が音声ランプ制御装置113に、オープニングコマンドを出力すると、主制御装置110のMPU201がRTC263より計時データを取得して、その計時データを桁上補正データ202kで補正した補正計時データに基づいて加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件を更新する。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110から出力されたオープニングコマンドを受信すると、RTC264から計時データを取得して加工条件を更新する場合について説明した。
これに対し、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理2(S130)にて、大当たり遊技が開始される場合に、主制御装置110のMPU201が音声ランプ制御装置113に対して、オープニングコマンドを出力すると、主制御装置110のMPU201がRTC263より計時データを取得する。次に、音声ランプ制御装置113のMPU221がオープニングコマンドを受信したことに基づいてRTC264から計時データを取得する。その間の時間の経過により、設定乱数値の算出に利用する計時データが、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる値となってしまう範囲にある場合には、その計時データに基づいて加工条件を設定せずに、設定乱数値の算出に用いる計時データが主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じとなる範囲まで経過してから計時データをそれぞれが取得して、加工条件を選択(決定)する。
即ち、第7施形態におけるパチンコ機10は、第4実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第4実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、設定乱数値の算出に利用する計時データが同じとなるように、桁上補正データ202kを加算していた。これに対し、第7実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置のMPU221とにおいて、計時データの取得タイミングのずれにより、桁上げが発生し、設定乱数値の算出に用いる計時データ異なる場合には、その計時データに基づいて加工条件を選択することを回避して、桁上げが発生しない計時データとなるまで経過した後に、その計時データに基づいて加工条件を選択する点で、第4施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図60は、第7実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第4実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(第4実施形態の電気的構成は第3実施形態と同一のため、図35参照)との相違点について説明する。
第7実施形態では、主制御装置110のMPU201のフラッシュメモリ261に計時データ1記憶エリア261dと、計時データ2記憶エリア261eとが設けられているが、第3実施形態では設けられていない。また、第7実施形態では、計時データ1記憶エリア262dと、計時データ2記憶エリア262eとが設けられているが、第3実施形態では設けられていない。
主制御装置110のフラッシュメモリ261に設けられた、計時データ1記憶エリア261dと計時データ2記憶エリア261eとは、加工条件更新処理2(図61、S130)において、RTC263から計時データを取得してからの経過時間を算出するために、取得した計時データを記憶しておくための記憶エリアである。
音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262に設けられた、計時データ1記憶エリア262dと計時データ2記憶エリア262eとは、サブ加工条件更新処理2(図62、S1240)において、RTC264から計時データを取得してからの経過時間を算出するために、取得した計時データを記憶しておくための記憶エリアである。
図61を参照して、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図50)の一処理である加工条件更新処理2(S130)について説明する。図61は、この加工条件更新処理2(S130)を示すフローチャートである。加工条件更新処理2(S130)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を設定し、更新するための処理である。
加工条件更新処理2(S130)では、まず、主制御装置110のRAM203のその他メモリ203kに設けられている主遅延フラグ203k3がオンとなっているか判別する(S2300)。主遅延フラグ203k3がオンでないと判別された場合には(S2300:No)、過去にS2302で取得した計時データが「997ms〜999ms」の範囲ではなく、主計時データの取得を遅延させていないので、オープニングコマンドが外部出力処理(S101)で音声ランプ制御装置113に出力されたか判別される(S2301)。
オープニングコマンドが外部出力処理(S101)で音声ランプ制御装置113に対して出力されていないと判別された場合には(S2301:No)、第4実施形態の加工条件更新処理2(図51、S130)と同一の処理である加工条件更新処理1(図38、S120)が実行される(S120)。その後、この処理を終了する。一方、オープニングコマンドが外部出力処理(S101)で音声ランプ制御装置113に対して出力されたと判別された場合には(S2301:Yes)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S2302)。
次に、S2302の処理が終了すると、S2302の処理で取得した計時データの「ミリ秒」の値が「997ms〜999ms」か判別される(S2303)。S2302の処理で取得した計時データの「ミリ秒」の値が、「997ms〜999ms」であると判別された場合には(S2303:Yes)、S2302の処理で取得した計時データが、主制御装置110のフラッシュメモリ261に設けられた計時データ1記憶エリア261dに記憶され、主遅延フラグ203k3がオンに設定される(S2304)。一方、S2302の処理で取得した計時データの「ミリ秒」の値が、「997ms〜999ms」でないと判別された場合には(S2303:No)、後述する、S2311の処理へ移行する。
主遅延フラグ203k3がオンであると判別された場合には(S2300:Yes)、過去にS2302で取得した計時データが、「997ms〜999ms」の範囲でであると判別されて、計時データの取得が遅延されているので、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得し、計時データ2記憶エリア261eに記憶する(S2307)。計時データ2記憶エリア261eに記憶された計時データから計時データ1記憶エリア261dに記憶された計時データを減算し、経過時間を算出する(S2308)。この経過時間は、S2302の処理でRTC263から計時データが取得されてから、S2307の処理でRTC263から計時データを取得するまでに経過した時間である。
その算出した経過時間が、5ms以上であるか判別される(S2309)。5ms以上か判別することで、取得した「997ms〜999ms」の範囲の計時データを取得してから、RTC263の計時データのミリ秒の値は最低でも2ms以上となり、秒の値へと桁上げが発生している。そのため、必ずミリ秒の値が秒の値へ桁上げが発生する値として5ms以上を設定した。なお、桁上げが発生させられればよいので、3ms以上の値であれば不具合のない上限値で他の値でもよい。
その算出した経過時間が、5ms以上であると判別された場合には(S2309:Yes)、主遅延フラグ203k3がオフに設定される(S2310)。一方、その算出した経過時間が、5ms以上でない(5ms未満である)と判別された場合には(S2309:No)、この処理を終了する。
S2310の処理を実行した後、又はS2303:Yesと判別された場合には、S2307で取得した計時データに基づいて(S2303:Noと判別された場合にはS2302で取得された計時データに基づいて)、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア223gに記憶)される(S2311)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。S2311の処理で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル202iより加工条件が選択され、加工条件設定記憶エリア261aに加工条件が記憶される(S2312)。
図62を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図54、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理2(S1240)について説明する。図62は、このサブ加工条件更新処理2(S1240)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理2(S1240)は、コマンド判別処理(S1220、図57)で使用される加工条件を設定し、更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理2(S1240)は、上記した加工条件更新処理2(図61、S130)に対して、S120の処理において加工条件更新処理1(図38、S120)がサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)に、S2300の処理における主遅延フラグ203k3がS1480における従遅延フラグ223g3に、S2301におけるオープニングコマンドの出力がS1481におけるオープニングコマンドの受信に、S2303の処理における「997ms〜999ms」がS1483における「998ms〜999ms」に、S2304の処理における計時データ1記憶エリア261dと主遅延フラグ203k3がS1484の処理における計時データ1記憶エリア262dと従遅延フラグ223g3に、S2308の処理における(S2307で取得した計時データ)−(S2304で記憶した計時データ)が(1487で取得した計時データ)−(S1484で取得した計時データ)に、S2310における主遅延フラグ203k3がS1490の処理における従遅延フラグ223g3に、S2312における処理が従新加工条件設定記憶エリア261a1に記憶されている加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、算出した設定乱数値に基づいて加工条件設定テーブル222cより加工条件を選択して従新加工条件設定記憶エリア261aに記憶する処理に、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
具体的には、主制御装置110のMPU201が、オープニングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力すると、RTC263から計時データを取得して、計時データの値が「2011年8月4日21時30分59秒999ミリ秒」であったとする。すると、オープニングコマンドが出力された1ms後に、音声ランプ制御装置113のMPU201は、オープニングコマンドを受信していると判別する処理を実行して、RTC264から計時データを取得する。よって、通常、主制御装置110のMPU201が、RTC263より計時データを取得してから、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得するまでには、1ミリ秒経過しており、「2011年8月4日21時31分00秒000ミリ秒」の計時データがRTC264から取得される。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで算出される設定乱数値が異なってしまう。
しかしながら、上述した、本第7実施形態の構成では、RTC263から取得した計時データが「2011年8月4日21時30分59秒999ミリ秒」であった場合には、S2303の処理で「997ms〜999」msの範囲に該当すると判別されることから(S2303:Yes)、この取得した計時データでは、設定乱数値を算出して加工条件を選択(決定)せず、5ms以上経過した後の計時データに基づいて設定乱数値が算出されて、その設定乱数値に基づいて加工条件が選択(決定)される(5ms以上計時データの取得を遅延させてからその計時データに基づいて加工条件を決定する)。
従って、5ms以上経過した後にRTC263から取得した計時データは、「2011年8月4日21時31分00秒004ミリ秒」以上となる。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から取得する計時データは、「2011年8月4日21時31分00秒000ミリ秒」であったので、後述する「998ms〜999ms」の範囲外となり設定乱数値を算出するのに用いられる。このように、「年・月・日・時・分」までの値は、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで同じにすることができる。
その結果、同じ設定乱数値を算出することができ、その設定乱数値に基づいて主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、同じ加工条件を選択することができる。さらに、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができるので、加工条件を示す信号が解析されることにより、その加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドを把握されて、音声ランプ制御装置113に対して「ぶら下げ基板」等により、その特殊外れコマンドを送信される不正を抑制(防止)することができる。
また、設定乱数値の算出について、「年・月・日・時・分」までの計時データに基づいて算出を行うことで、予期せぬ不具合で、「秒」単位の値が、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、ずれてしまったとしても、「分」単位までの値が同じであれば、同じ設定乱数値を算出して、同じ加工条件を選択することができ、音声ランプ制御装置113のMPU201が、特殊外れコマンドを判別できなくなるという不具合を防止することができる。
また、本実施形態では、RTC263から取得した計時データにより、設定乱数値の算出が回避されて、加工条件の選択(決定)を遅延させるのは、「ミリ秒」の値が「997ms〜999ms」の範囲とした。これにより、主制御装置110のオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113のMPU221が受信してRTC264から計時データを取得するまでに主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図50)の処理実行周期(4ms間隔)と音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理2(図62、S1240)の処理実行周期(1ms間隔)のずれにより時間を要したとしても、この範囲のずれであれば同じ設定乱数値を算出することができる。
主制御装置110がオープニングコマンドを出力してから、音声ランプ制御装置113のMPU221は、サブ加工条件更新処理2(図62、S1240)を1ms間隔で実行している(メイン処理(図54、S1200)のS1201参照)ので、1ミリ秒後にオープニングコマンドを受信していると判別し、RTC264から計時データを取得する。よって、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得してミリ秒が「997ms〜999ms」の範囲であれば、桁上げした後に(997ms〜999msの範囲の値が時間が経過して1秒以上の値に桁上された後に)RTC263から計時データを取得する。
従って、サブ加工条件更新処理2(S1240)では、997msに計時データ取得タイミングのずれである1msを加算した「998ms〜999ms」の範囲にRTC264から取得した計時データのミリ秒の値が入っている場合には、5ms以上が経過した後の計時データがRTC264から取得される。
その結果、同じ設定乱数値を算出することができ、その設定乱数値に基づいて、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、同じ加工条件を選択することができる。主制御装置110と音声ランプ制御装置とで、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができるので、加工条件を示す信号を解析されて、変更して生成された特殊外れコマンドを把握されて、音声ランプ制御装置113に「ぶら下げ基板」等により送信される不正を抑制(防止)することができる。
また、設定乱数値の算出について、「年・月・日・時・分」までの計時データに基づいて算出を行うことで、「秒」単位の値が、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、ずれてしまったとしても分単位までのデータが同じであれば、同じ設定乱数値を算出して、同じ加工条件を選択することができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU201が、特殊外れコマンドを判別できなくなるという不具合を防止することができる。
本実施形態では、桁上げされる範囲のミリ秒の値であれば、その範囲を回避するために、所定の経過時間以上、計時データを取得するのを遅延させる構成としたが、それに限るものではなく、取得した計時データが桁上げにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで設定乱数値の算出に用いる計時データの値が異なる場合には、取得した計時データに予め定められた所定値を加算して、桁上げをして計時データを補正するようにしてもよい。
また、取得した計時データが桁上げにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで設定乱数値の算出に用いる計時データの値が異なる場合には、予め定められた代替データを使用するようにしても良い。具体的には、オープニングコマンドを主制御装置110が出力した場合に、取得した計時データが、「2011年8月4日21時30分59秒999ミリ秒」であった場合には、音声ランプ制御装置113では、「2011年8月4日21時31分00秒000ミリ秒」を取得することとなり、設定乱数値に用いる「分」の値が、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なってしまう。
このような場合には、主制御装置110のMPU201が、取得した計時データのミリ秒の値が「997ms〜999ms」の範囲であれば、代替データとして、例えば「2010年12月31日23時31分」を設定して、この値で設定乱数値を算出して、加工条件を選択する。音声ランプ制御装置113のMPU221も同様に、オープニングコマンドを受信したことに基づいて、RTC264から取得した計時データが、「998ms〜999ms」の範囲であれば、代替データとして「2010年12月31日23時31分」を設定して、この値で設定乱数値を算出して、加工条件を選択する。
このようにすることで、正確に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、互いに加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができる。
また、代替データは、予め定められた計時データを設定するようにしたが、予め定められた加工条件(例えば、設定C)を選択するように構成しても当然よい。
また、上記、第3〜第7実施形態において、加工条件に基づく特殊外れコマンドの加工方法(生成方法)は、所定のビットを反転させる方法としたが、図12(b)に示すように、特殊外れコマンドのビットを所定数一方向にローテートする方法であっても良い。特殊外れコマンドを変更される前に戻す方法は、主制御装置110がコマンドを変更する方法に合わせて、適宜設定されるものであり、図12(b)のようなローテート方式で主制御装置110が変更するように設定されている場合には、主制御装置110でローテートされた反対の方向に同じ数だけローテートさせる方法にすることで、変更される前のコマンドに戻すことができる。
また、本実施形態では、特殊外れコマンドを変更される前に戻すことで、コマンドの内容を判別できる構成としたが、それに限らず、例えば、加工条件の設定ごとに、変更されたコマンドとその内容が関連付けられた特殊外れコマンド判定テーブルを設定しておき、受信した特殊外れコマンドを加工条件の設定と、特殊外れコマンド判定テーブルとに基づいて、判別するように構成してもよい。
また、サブ加工条件更新処理2(図62、S1240)のS1492では、条件変更時フラグ223g1をオンに設定しないが、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に従新加工条件設定記憶エリア261a1に記憶されている加工条件を記憶させる。これにより、従旧加工条件設定記憶エリア262a2の加工条件も更新され、ノイズ等により、条件変更時フラグ223g1がオンと誤って判別された場合にも、なるべく新しい加工条件で特殊外れコマンドを判別することができる。
次に、図63〜図72を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理1(図41、S940)、加工条件更新処理1(図38、S120)では、RTC263から取得した計時データに基づいて、加工条件を決定した。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理1(図43、S1130)、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)では、RTC264から取得した計時データに基づいて、加工条件を選択する場合について説明した。
これに対し、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)は、RTC263(RTC264)から取得した計時データに基づいて、複数の加工条件で構成された主加工条件変更テーブル202la(従加工条件変更テーブル222da)を、主加工条件選択用テーブル202l(従加工条件選択用テーブル202d)から選択する。主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とは、その選択した主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとから、設定時間毎に同期して更新される主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、同じ加工条件を選択して、加工条件の設定又は更新を行う。
即ち、第8施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、RTC263、264から取得した計時データに基づいて加工条件を選択していた。これに対し、第8実施形態では、RTC263、264から取得した計時データに基づいて、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが同じ複数の加工条件で構成された主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを選択し、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、その主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとからそれぞれ同じ加工条件を選択する点で第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図63は、第8実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図35参照)との相違点について説明する。
主制御装置110のフラッシュメモリ261には、主条件カウンタ261fが設けられている。主条件カウンタ261fは、主加工条件変更テーブル202laから加工条件を選択する場合に用いられるカウンタである。「0」を初期値として、加工条件更新処理3(図66、S150)の処理S152でYesと判別されると1ずつ加算され、上限値である「6」より大きい数値となると(即ち、本実施形態では「7」)、初期値である「0」に戻される。
同様に、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262には、従条件カウンタ262fが設けられている。従条件カウンタ262fは、従加工条件変更テーブル222daからから加工条件を選択する場合に用いられるカウンタである(図64(c)参照)。サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)で、主条件カウンタ261fと同様に「0〜6」の範囲で繰り返し順に更新される。
主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとは、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図67)、音声ランプ制御装置113のMPU201が実行する立ち上げ処理(図69)において、使用RAM領域をクリア(図67、S916)、RAMの作業領域をクリア(図69、S1109)が実行されても、初期化されることはない。
このように、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとは、互い同じ初期値(製造時の初期値は「0」)で設定され、同じ設定時間になると「+1」して更新され、同じ更新範囲(0〜6)で更新される。よって、同期されて更新されることから、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとは、同じタイミングで同期して(同じ値で)更新される。
主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとが初期化されないことから、電源投入時に実行される加工条件設定処理2(図68、S960)、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で前回の電源投入時と同じ主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとが選択されたとしても、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとは、前回の電源断時の値を保持しているので、電源投入時に毎回、同じ値とならず、異なる加工条件を選択することができる。
よって、電源投入時に選択される加工条件が、予測されてしまうことを困難にすることができ、「ぶら下げ基板」等により不正な特殊外れコマンドを送信して、音声ランプ制御装置113のMPU221に正規の特殊外れコマンドとして判別させる不正を抑制することができる。
主制御装置110のフラッシュメモリ261には、主加工条件変更テーブル記憶エリア261gが、音声ランプ制御装置113のラッシュメモリ262には、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gがそれぞれ設けられている。主加工条件変更テーブル記憶エリア261gには、加工条件設定処理2(図68、S960)で選択された主加工条件変更テーブル202laのテーブル種別(テーブルA〜テーブルF)を示す情報が記憶される。また、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gには、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で選択された従加工条件変更テーブル222daのテーブル種別(テーブルA〜テーブルF)を示す情報が記憶される。
図64(a)は、主制御装置110のROM202を模式的に示した図である。主制御装置110のROM202には、主加工条件選択用テーブル202lが記憶されている。主加工条件選択用テーブル202lは、図64(c)に示すように、主加工条件変更テーブル202la(テーブルA〜テーブルF)がそれぞれ設定乱数値(0〜255)に対応して記憶されている。
図64(b)は、音声ランプ制御装置113のROM222を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、従加工条件選択用テーブル222dが記憶されている。従加工条件選択用テーブル222dは、図64(c)に示すように、上述した主加工条件選択用テーブル202lと同一の構成であるため、その説明は省略する。
図64(C)は、主加工条件選択用テーブル202lと従加工条件選択用テーブル222dとを模式的に示した図である。主加工条件選択用テーブル202lと従加工条件選択用テーブル222dとは同一の加工条件で構成されている。具体的には、設定乱数値に対応付けられた主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとのテーブルA〜テーブルFは同じに設定されており、主条件カウンタ261fの値に対応付けられた加工条件と従条件カウンタ262fの値に対応付けられた加工条件とは同じに設定されている。
加工条件設定処理2(図68、S960)で算出された設定乱数値が「0〜42」の範囲であればテーブルAが、「43〜86」の範囲であればテーブルBが、「87〜130」の範囲であればテーブルCが、「131〜174」の範囲であればテーブルDが、「175〜217」であればテーブルEが、「218〜255」の範囲であればテーブルFがそれぞれ選択される。サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で算出された設定乱数値に対しても、同じであるので説明は、省略する。
これにより、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが同じ設定乱数値で主条件変更テーブル202laと従条件変更テーブル222daとを選択することで、同じテーブル種別(テーブルA〜テーブルFのいずれか)を選択し、同じ主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値で、加工条件を選択すれば、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とは同じ加工条件を選択することができる。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができる。
また、選択される主加工条件変更テーブル202la(従加工条件変更テーブル222da)が異なれば、同じ主条件カウンタ261f(従条件カウンタ262f)の値でも選択される加工条件は異なることから、加工条件をよりランダムに選択することができる。よって、特殊な計算や処理等をしなくとも、加工条件をランダムに選択することができる。
図65は、第8実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第8実施形態のタイマ割込処理は、第3実施形態のタイマ割込処理(図37)に対して、S150の処理が追加されている。第8実施形態における、S101の処理は、第3実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、第8実施形態におけるタイマ割込処理では、加工条件更新処理3(図66,S150)の処理を実行する。
図66を参照して、第8実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である加工条件更新処理3(S150)について説明する。図66は、この加工条件更新処理3(S150)を示すフローチャートである。加工条件更新処理3(S150)は、加工条件設定処理2(図68、S960)で初期設定された加工条件を、新たに選択(決定)した加工条件で更新するための処理である。
加工条件更新処理3(図66、S150)では、まず、主制御装置110のMPU201がRTC263から「時・分・秒(s)」の計時データを取得する(S151)。取得した「時・分・秒(s)」の計時データが設定時間(本実施形態では、10時00分20秒)かどうか判別する(S152)。取得した計時データが設定時間ではないと判別された場合には(S152:No)、この処理を終了する。一方、取得した計時データが設定時間であると判別された場合には(S152:Yes)、主条件カウンタ261fの値を読み出し、読み出した値に「+1」して主条件カウンタ261fに記憶する(S153)。
主条件カウンタ261fの値が上限値(本実施形態では、「6」が上限値)より大きいか判別する(S154)。主条件カウンタ261fの値が上限値より大きいと判別された場合には(S154:Yes)、主条件カウンタ261fの値を初期値である「0」に設定して、主条件カウンタ261fに記憶(設定)する(S155)。一方、主条件カウンタ261fの値が上限値でないと判別された場合には(S154:No)、S155の処理を実行せずに次のS156の処理を実行する。
主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル記憶エリア261gに記憶された主加工条件変更テーブル202laから加工条件が選択(決定)され、加工条件設定記憶エリア261aに記憶される(S156)。
このように、加工条件を主加工条件変更テーブル202laから、設定時間毎に「+1」更新される主条件カウンタ261fの値に基づいて、加工条件を選択することで、加工条件を規則的に変更して選択することができる。よって、特殊な計算や処理等をしなくとも、加工条件を変更して選択することができる。
また、主加工条件変更テーブル202laは、加工条件設定処理2(図68、S960)により、複数の異なる主加工条件テーブル202laで構成された主加工条件選択用テーブル202lから選択されて設定されているので、加工条件が変更される順を多様に設定することが可能であり、加工条件が変更される順序を外部より把握されることを抑制(防止)することができる。
加工条件更新処理3(図65、S150)の終了後は、S102(図65)へ移行する。S102〜S114までの各処理は、第3実施形態のS102〜S114までの各処理と同一の処理が実行される。S102の処理が実行された後は、タイマ割込処理(図37)を終了する。
図67を参照して、第8実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理(図67)について説明する。図67は、この立ち上げ処理(図67)を示すフローチャートである。第8実施形態の立ち上げ処理は、第3実施形態の立ち上げ処理(図40)に対して、S960の処理が追加されている。第8実施形態におけるS901〜S903の各処理は、第3実施形態におけるS901〜S903の各処理と同一に処理が実行される。S903の処理が完了すると、加工条件設定処理2(図68、S960)が実行される。
図68を参照して、第8実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(図67)の一処理である加工条件設定処理2(S960)について説明する。図68は、この加工条件設定処理2(S960)を示すフローチャートである。加工条件設定処理2(S960)は、電源投入時に主制御装置110のMPU201に実行される立ち上げ処理(図67)内において、RTC263から計時データを取得して、取得した計時データの値に基づいて、主加工条件選択用テーブル202lより主加工条件変更テーブル202laを選択(決定)して初期設定し、その決定した加工条件変更テーブル202laから加工条件を初期設定するための処理である。
加工条件設定処理2(図68、S960)におけるS961〜S963までの各処理は、第3実施形態における加工条件設定処理1(図41、S940)のS941〜S942、S945の各処理と同一であるのでその説明を省略する。
S963の処理が終了すると、次にS964の処理が実行される。S963で算出された設定乱数値に基づいて、主加工条件選択用テーブル202lより主加工条件変更テーブル202la(テーブルA〜テーブルF)が選択され、主加工条件変更テーブル記憶エリア261gに記憶される(S965)。
加工条件設定処理2(図68、S960)が終了すると、立ち上げ処理(図67)のS904の処理が実行される。第8実施形態の立ち上げ処理(図67)におけるS904〜S909、S913〜S917までの各処理は、第3実施形態の立ち上げ処理(図40)におけるS904〜S909、S913〜S917までの各処理と同一の処理が実行される。
図69を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理(図69)について説明する。図69は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。第8実施形態の立ち上げ処理は、第3実施形態の立ち上げ処理(図42)に対して、S1140の処理が追加されている。第8実施形態におけるS1101の処理は、第3実施形態におけるS1101の処理と同一に処理が実行される。S1101の処理が完了すると、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)が実行される。
図70を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221に実行される立ち上げ処理(図69)の一処理であるサブ加工条件設定処理2(S1140)について説明する。図70は、このサブ加工条件設定処理2(S1140)を示すフローチャートである。サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)は、電源投入時に音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理内において、RTC264から計時データを取得して、その計時データより設定乱数値を算出して、その設定乱数値に基づいて従加工状件選択用テーブル222dから従加工条件変更テーブル222daを選択(決定)し、初期設定する。そして、その初期設定した従加工条件変更テーブル222daから従条件カウンタ262fの値に基づいて、加工条件を選択(決定)して初期設定するための処理である。
サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で実行されるS1141〜S1142までの各処理は、第3実施形態のサブ加工条件設定処理1(図43、S1130)で実行されるS1131〜S1132までの各処理と同一であるので説明は省略する。
S1142の処理が終了するとS1143の処理が実行される。S1142で設定された設定乱数値に基づいて、従加工条件選択用テーブル222dより加工条件変更テーブル222daが選択(決定)され、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gに記憶される(S1143)。
従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gに記憶された従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択し、従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶する(S1144)。
主制御装置110が実行する加工条件設定処理2(図68、S960)では、取得した計時データに主サブ同期補正データ202jが加算される。この主サブ同期補正データ202jは、主制御装置110のMPU201が計時データを取得するタイミングと音声ランプ制御装置113のMPU221が計時データを取得するタイミングとの誤差である100msに設定されている。
これにより、主制御装置110のMPU201が取得した計時データと音声ランプ制御装置113が取得した計時データとは、補正されることにより、設定乱数値を算出するのに必要な計時データは同じ値となり、互いに同じ設定乱数値を算出することができる。
よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでは、互いに選択する主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル(222da)とのテーブル種別を示す信号を送受信しなくても、同じ設定乱数値に基づいて、同じテーブル種別(テーブルA〜テーブルFのいずれか)を選択(決定)することができる。
サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)の終了後は、処理をS1102(図69)へ移行する。立ち上げ処理で実行されるS1102〜S1110、S1113までの各処理は、第3実施形態のS1102〜S1110、S1113までの各処理と同一の処理が実行される。S1113の処理実行後は、メイン処理(図71、S1200)が実行される。
このように、第3実施形態でも説明したように、主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理2(図68、S960)でRTC263から計時データを取得するタイミングと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)でRTC264から計時データを取得するタイミングの誤差(100ms)を、主サブ同期補正データ202jの値(100ms)を主制御装置110のMPU201が、取得した計時データに加算することで、設定乱数値を算出するのに用いる計時データを、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで同じにすることができる。
さらに、主加工条件選択用テーブル202lと従加工条件選択用テーブル222dとは、互いに同じ加工条件で構成されている主加工条件変更テーブル202la(テーブルA〜テーブルF)と従加工条件変更テーブル222da(テーブルA〜テーブルF)とが同じ設定乱数値に対応して設定されている。これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ設定乱数値が算出されれば、構成している加工条件が同じ(テーブルの種類が同じ)である主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとが選択される。
同じ構成の主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとは、主条件カウンタ261fの値と従条件カウンタ262fとの値に対して、それぞれ同じ種類の加工条件が対応付けられていることを示している。具体的には、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで算出された設定乱数値が「10」であれば、図64(c)に示すように、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでは、テーブルAの主加工条件変更テーブル202laと同じくテーブルAの従加工条件変更テーブル222daとが選択される。
そして、例えば、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値が「3」であれば、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、テーブルAから「設定C」が共に選択される。このように、設定乱数値が同じ値であり、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値が同じであれば、同じ加工条件を選択することができる。
よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、選択する主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとの種類(テーブルA〜テーブルFのいずれか)を示す信号や、選択する加工条件の種類を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができるので、それぞれの信号から選択する加工条件が解析されてしまう不正を抑制することができる。従って、解析された加工条件で加工された特殊外れコマンドが、「ぶら下げ基板」等により、音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制(防止)することができる。
また、主制御装置110のMPU201が選択する主加工条件変更テーブル202laと音声ランプ制御装置113のMPU221が選択する従加工条件変更テーブル222daとは、電源投入がされて、加工条件設定処理2(図68、S960)とサブ加工条件設定処理2(図70、S1140)とが実行される毎に、取得される計時データにより選択されるテーブルの種類を変えることができる。
よって、テーブルの数を多数設定しておくことで、選択される加工条件の順番等を多様にすることができ、選択される加工条件の種類を予測されてしまうことを抑制(防止)することができる。
また、主条件カウンタ261fは、フラッシュメモリ261に、従条件カウンタ262fは、フラッシュメモリ262にそれぞれ設けられていることから、パチンコ機10の電源が断された状態でも、記憶している値をそれぞれ保持可能である。さらに、電源投入時においてもRAM消去スイッチ122が操作されてRAMの初期化が行われても主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fは初期化されない構成である。
これにより、パチンコ機10の電源が断されてから再び、電源が投入された場合には、電源断される直前の主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、加工条件が選択される。これにより、電源投入時に、毎回、同じ固定の主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、加工条件が選択されることを防止し、外部から選択される加工条件を予測することを困難にすることができる。
さらに、パチンコ機10は、通常、製造時に出荷時検査が実施される。これにより、ホールにパチンコ機10が設置される時には、すでに、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値は、製造時の初期値から異なる値となっており、ホールに設置された際にも、パチンコ機10毎に異なる、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、加工条件を選択することができ、各パチンコ機10同士で、同じ加工条件が選択され難くし、加工条件を把握されてしまうことを抑制(防止)することができる。
また、本実施形態では、主加工条件選択用テーブル202lを構成している主加工条件変更テーブル202laと従加工条件選択用テーブル222dを構成している従加工条件変更テーブル222daのテーブルA〜テーブルFは、すべて異なるテーブル種別(構成している加工条件が異なる)としたが、それに限らず、すべてのテーブル種別が同じ加工条件で構成されていなければよく、いくつかのテーブルで同じ構成であってもよい。例えば、テーブルAとテーブルBの構成が同じになる等。
図71は、第8実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図71、S1200)を説明するフローチャートである。第8実施形態のメイン処理(S1200)は、第3実施形態のメイン処理(図44、S1200)に対して、S1250の処理の処理が追加されている。メイン処理(S1200)で実行される、S1201〜S1212までの各処理は、第3実施形態のS1201〜S1212までの各処理と同一の処理が実行される。S1212の処理実行後は、サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)が実行される。
図72を参照して、第8実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図71、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理3(S1230)について説明する。図72は、このサブ加工条件更新処理3(S1250)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理3(S1250)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得して、計時データが設定時間であれば、従条件カウンタ262fの値を「+1」更新して、その値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daから加工条件を選択し、設定されている加工条件を更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)では、まず、音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264より「時・分・秒(s)」の計時データを取得する(S1251)。取得した「時・分・秒(s)」の計時データが設定時間(本実施形態では、10時00分20秒)であるか判別される(S1252)。取得した計時データが設定時間であると判別された場合には(S1252:Yes)、従条件カウンタ262fの値を読み出し、その値に「+1」した値が、従条件カウンタ262fに記憶される(S1253)。
従条件カウンタ262fの値が上限値(本実施形態では、「6」)より大きいか判別される(S1254)。従条件カウンタ262fの値が上限値よりも大きい(即ち、「7」である)と判別された場合には(S1254:Yes)、従条件カウンタ262fの値が初期値である「0」に0クリアされ、従条件カウンタ262fに記憶される(S1255)。一方、従条件カウンタ262fの値が上限値以下であると判別された場合には(S1254:No)、S1255の処理は実行されずにS1256の処理が実行される。
従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件と同じ加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、従条件カウンタの値に基づいて、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gに記憶されている加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択し、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶され、条件変更時フラグ223g1がオンに設定される(S1256)。
本実施形態のように構成することで、電源投入時に主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、加工条件設定処理2(図68、S960)とサブ加工条件設定処理2(図70、S1140)とで同じ加工条件が設定される。そして、その設定された加工条件は、加工条件更新処理3(図66、S150)とサブ加工条件更新処理3(図72、S1250)とで、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択して更新することができる。
主制御装置110のMPU201は、加工条件更新処理3(図66、S150)において、取得した計時データが設定時間であれば、主条件カウンタ261fの値を「+1」して更新する。そして、更新された値に基づいて、加工条件が主加工条件変更テーブル202laから選択される。このように、設定時間となると主条件カウンタ261fの値が更新され、その値に基づいて加工条件が選択されることで、規則的に加工条件を更新することができる。よって、主制御装置110のMPU201が、設定乱数値等を算出する処理をすることなく加工条件を更新することができるので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。同様に、音声ランプ制御装置113でも同じ効果を奏することができる。
また、本実施形態では、設定時間を一つとして説明した、設定時間を複数(例えば、20分毎としたり、ランダムな時間で複数設定してもよい)とすることで、頻繁に主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fの値を同期して同じ値で更新して、加工条件もそれに合わせて更新することができる。
また、主加工条件選択用テーブル202lを構成している主条件変更テーブル202laと従加工条件選択用テーブル222dを構成している従条件変更テーブル222daとの種類を多く設定することで、テーブルでカウンタ値に対応して設定された順に、規則的に加工条件が選択されても、その規則を予測されてしまう不具合を防止することができる。
また、本実施形態のように、各テーブルで更新される毎に、選択される加工条件の順序をカウンタ値に基づいて設定しておくことができるので、予め、意図的に加工条件の変更順序を設計することができ、選択される加工条件の種類が偏ってしまう等の不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択し、従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択した。それに限ることなく、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを構成している加工条件に予めそれぞれテーブル同士で同じ順序を付しておき、設定時間になる度にその順序に従って加工条件を更新するように構成してもよい。
次に、図73〜図77を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とは取得した計時データが設定時間であることを契機として、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fの値を更新して、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとから加工条件を選択して更新する場合について説明した。
これに対し、本第9実施形態におけるパチンコ機10では、第8実施形態と同様に設定時間であることを契機に加工条件が更新されることに加えて、特別図柄の大当たりを契機に、主制御装置110のMPU201は、主条件カウンタ261fを更新して、その値に基づいて主加工条件変更テーブル202laより加工条件を更新し、同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221も、従条件カウンタ262fを更新して、その値に基づいて従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択して更新を行う。
即ち、第9施形態におけるパチンコ機10は、第10実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第8実施形態では、設定時間となったことを契機に、加工条件の更新を行っていた。これに対し、第9実施形態では、設定時間となったことを契機に加工条件を更新することに加え、特別図柄の大当たりを契機に、加工条件の更新を行う点で第8施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図73は、第9実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第8実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図63参照)との相違点は、主制御装置110のRAM203に第4実施形態で説明した大当たりフラグ203k1が追加された点である。なお、大当たりフラグ203k1は、第4実施形態で説明したものと同一であるので詳細については省略するが、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に、オンに設定されるフラグであり、大当たり遊技の開始がされることを表すフラグである。
図74は、第9実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第9実施形態のタイマ割込処理は、第8実施形態のタイマ割込処理(図65)に対して、S160の処理が追加されている。第9実施形態における、S101の処理は、第8実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、第9実施形態におけるタイマ割込処理では、加工条件更新処理4(図75、S160)の処理を実行する。
図75を参照して、第9実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である加工条件更新処理4(S160)について説明する。図75は、この加工条件更新処理4(S160)を示すフローチャートである。加工条件更新処理4(S160)は、加工条件設定処理2(図68、S960)で初期設定された加工条件を、特別図柄の大当たりとなった場合(具体的には、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対してオープニングコマンドを出力した場合)にも、新たに加工条件を選択(決定)し、更新するための処理である。
加工条件更新処理4(図75、S160)では、まず、主制御装置110のMPU201が実行する外部出力処理(図74、S101)において、音声ランプ制御装置113に対してオープニングコマンドが、出力されたかが判別される(S161)。オープニングコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力されたと判別された場合には(S161:Yes)、主条件カウンタ261fの値が読み出され、その値に「+1」された値が主条件カウンタ261fに記憶される(S162)。
主条件カウンタ261fの値が上限値(本実施形態では、「6」)より大きいか判別される(S163)。上限値よりも大きい(即ち、主条件カウンタ261fの値は「7」)と判別された場合には(S163:Yes)、主条件カウンタ261fの値を初期値「0」に0クリアして主条件カウンタ261fに記憶する。一方、主条件カウンタ261fの値が上限値以下であると判別された場合には(S163:No)、主条件カウンタ261fの値を0クリアせずにS165の処理を実行する。
主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択(決定)して、加工条件設定記憶エリア261aに記憶する(S165)。一方、オープニングコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力していないと判別された場合には(S161:No)、加工条件更新処理3(図66、S150)が実行される。加工条件更新処理3(図66、S150)については、第8実施形態で説明したものと同一であるので、詳細な説明は省略する。
加工条件更新処理4(図75、S160)が終了すると、タイマ割込処理(図74)のS102の処理が実行される。第9実施形態のタイマ割込処理(図74)におけるS102〜S114までの各処理は、第9実施形態のタイマ割込処理(図74)におけるS102〜S114までの各処理と同一の処理が実行される。
図76を参照して、第9実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図76、S1200)について説明する。図76は、このメイン処理(S1200)を示すフローチャートである。第9実施形態のメイン処理は、第8実施形態のメイン処理(図71、S1200)に対して、S1270の処理が追加されている。第9実施形態におけるS1201〜S1212までの各処理は、第8実施形態におけるS1201〜S1212までの各処理と同一に処理が実行される。S1212の処理が完了すると、サブ加工条件更新処理4(図77、S1270)が実行される。
図77を参照して、第9実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221に実行されるメイン処理(図76、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理4(S1270)について説明する。図77は、このサブ加工条件更新処理4(S1270)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理4(図77、S1270)は、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で初期設定された加工条件を、特別図柄の大当たりとなった場合(具体的には、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に出力したオープニングコマンドを受信した場合)にも、新たに加工条件を選択(決定)し、更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理4(図77、S1270)では、まず、主制御装置110から出力されたオープニングコマンドを、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図28、S1214)において、受信したと判別されたかが判別される(S1271)。オープニングコマンドを受信したと判別された場合には(S1271:Yes)、従条件カウンタ262fの値が読み出され、その値に「+1」して更新され、従条件カウンタ262fに記憶される。
更新後の従条件カウンタ262fの値が上限値(本実施形態では、「6」)より大きいかが判別される(S1273)。従条件カウンタ262fの値が上限値よりも大きい(即ち、「7」である)と判別された場合には(S1273:Yes)、従条件カウンタ262fの値を初期値である「0」に0クリアする(S1274)」。一方、従条件カウンタ262fの値が上限値以下であると判別された場合には(S1273:No)、従条件カウンタ262fの値は、0クリアされずにS1275の処理が実行される。
従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件と同じ加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gに記憶されているテーブル種別(テーブルA〜テーブルFのいずれか)の従加工条件変更テーブル222daに基づいて、加工条件を選択し、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶され、条件変更時フラグ223g1がオンに設定される(S1256)。
一方、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合には(S1271:No)、サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)が実行される。サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)については、第8実施形態と同一の処理であるので詳細な説明は省略する。
このように、第8実施形態では、取得した計時データが設定時間であった場合に、加工条件が選択され更新されたが、それに加え、第9実施形態では、大当たり遊技が開始される場合に、主制御装置110が出力するオープニングコマンドの送受信を契機に加工条件を選択して更新する。よって、予め決まった設定時間に加工条件が更新されるだけでなく、ランダムな抽選の結果発生する特別図柄の大当たりを契機に、加工条件を更新することで、加工条件を更新するタイミングをランダムな契機とすることができ、加工条件の更新タイミングを予測されることを困難にすることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の大当たりを契機とするために、大当たり遊技が開始される場合に、主制御装置110から出力されるオープニングコマンドの送受信に基づいて、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが加工条件の更新を行うことで、主制御装置110のMPU201が、加工条件を更新したのをオープニングコマンドで確認して(更新タイミングを認識して)、その後で、音声ランプ制御装置113のMPU221が、加工条件を更新することができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、同じ複数の加工条件で構成された主加工条件変更テーブルと従加工条件変更テーブルとが設定されることで、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとが、同期して同じ値で更新されれば、その値に基づいて、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、互いに選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、互いに同じ加工条件を選択することができる。
従って、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、加工条件とは関係のないオープニングコマンドを送受信するだけであり、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、互いに同じ加工条件を選択することができるので、加工条件を示す信号から選択した加工条件を解析されて、「ぶら下げ基板」等により解析された加工条件で加工された特殊外れコマンドが、音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制(防止)することができる。
さらに、「ぶら下げ基板」等により、不正が行われた場合には、不正に大当たりを発生させることが目的であるが、本実施形態では、大当たりを契機に加工条件が更新されることで、たとえ、「ぶら下げ基板」等による不正が行われた場合にも、一度、大当たりが発生すると加工条件が更新されてしまい、連続して「ぶら下げ基板」等による不正で、大当たりが発生させられることを防止することができる。
また、第9実施形態では、第8実施形態で説明した、設定時間で加工条件が更新される構成も組み合わされていることから、大当たり遊技が開始される場合だけでなく、設定時間となった場合にも、加工条件が更新されることとなり、設定時間を複数設定しておくことで、長時間大当たりが発生しない場合でも、適宜、加工条件を更新することができる。
本実施形態では、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとから加工条件を選択したが、それに限らず、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを構成する、加工条件のそれぞれに順番を付して、その順番に基づいて、加工条件を決定して更新するように構成してもよい。
また、本実施形態では、特別図柄の大当たりを契機としたが、それに限らず、特別図柄の外れを契機としてもよいし、普通図柄の当たりを契機としてもよい。その場合には、その契機に基づいて生成されるコマンドの送受信のタイミングに基づいて、加工条件を決定して更新すればよい。
次に、図78を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理2(図68、S960)において、RTC263から取得した計時データに主サブ同期補正データ202jを加算することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)にてRTC264から取得した計時データと同期(設定乱数値を算出するのに用いる計時データを同じに)させる場合について説明した。
これに対し、本第10実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理2(図78(a)、S960)と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)とにおいて、同じタイミングで計時データをRTC263、264から取得できるように取得タイミングを合わせる処理を実行する。
即ち、第10実施形態におけるパチンコ機10は、第8実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第8実施形態は、加工条件設定処理2(図68、S960)において、取得した計時データに主サブ同期補正データ202jに加算する。それにより、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で取得する計時データと同期(設定乱数値を算出するのに用いる計時データを同じに)させていた。これに対し、第10実施形態では、加工条件設定処理2(図78(a)、S960)と音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)とにおいて、同じタイミングで計時データを取得できるように、取得するタイミングを判別する点で、第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU221によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図78(a)は、第10実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理の一処理である加工条件設定処理2(図78(a)、S960)を説明するフローチャートである。加工条件設定処理2(S960)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を初期設定するための処理である。なお、加工条件設定処理2(図78(a)、S960)で初期設定された加工条件は、加工条件更新処理3(図66、S150)で新たに選択(決定)され更新される。以下、加工条件設定処理2(図78(a)、S960)について説明する。
加工条件設定処理2(図78(a)、S960)では、まず、待機時間が経過したか判別する(S971)。待機時間は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図69)において、初期設定処理を終了し、サブ加工条件設定処理2(図78(a)、S1140)において、後述するS1151の処理を実行するまでの時間(本実施形態では、100ms)で設定されている。この待機時間を設定することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得できる状態となると、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得する構成とすることができ、計時データの取得のタイミングを同期させることができる。なお、本実施形態では、計時データの取得タイミングの誤差を1ms未満となるように待機時間を設定した。
待機時間(本実施形態では、100ms)が経過したと判別された場合には(S971:Yes)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データを取得する(S972)。一方、待機時間(本実施形態では、100ms)が経過していないと判別された場合には(S971:No)、この処理を繰り返し、待機時間が経過するまでこの処理を繰り返す(即ち、待機時間が経過するまで待機する)。
取得した計時データの「秒(s)」は10秒であるか判別される(S973)。この「10秒」は、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、計時データを取得するタイミングを同期させて同じにするためのものである。具体的には、S971の処理からS972の処理を実行した場合に、取得した計時データの「秒(s)」が「8s」であれば、2秒間経過して10秒となるまで、S972〜S973までの処理が繰り返される。
取得した計時データの「秒(s)」は10秒であると判別された場合には(S973:Yes)、RTC263から取得した計時データに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア203kに記憶)される(S974)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
S974の処理で算出した設定乱数値に基づいて、主加工条件選択用テーブル202lより主加工条件変更テーブル202la(テーブルA〜テーブルF)が選択され、主加工条件変更テーブル記憶エリア261gに記憶される(S975)。主条件カウンタ261fの値に基づいて、選択した主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択し、加工条件設定記憶エリア261aに記憶する(S976)。一方、取得した計時データの「秒(s)」は10秒でないと判別された場合には(S973:No)、再び、S972の処理に戻り、RTC263から計時データを取得し、取得した計時データが10秒となるまでこの処理を繰り返す。
図78(b)は、第10実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理の一処理であるサブ加工条件設定処理2(S1140)を説明するフローチャートである。このサブ加工条件設定処理2(S1140)は、コマンド判別処理(S1220、図46)で使用される加工条件を設定するための処理である。なお、サブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)で初期設定された加工条件は、サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)の処理で新たに選択され更新される。以下、サブ加工条件設定処理2(図78(b)S1140)について説明する。
サブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)は、上記した加工条件設定処理2(図78(a)、S960)に対して、S971の処理が削除され、S975の処理において、主加工条件選択用テーブル202lより主加工条件変更テーブル202laを選択し、主加工条件変更テーブル記憶エリア261gに記憶していたのを、S1154の処理において、従加工条件選択用テーブル222dより従加工条件変更テーブル222daを選択し、従加工条件変更テーブル記憶エリア262gに記憶することに、S976の処理において、主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択し、加工条件設定記憶エリア261aに記憶していたのを、従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択し、従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶されることに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、説明は省略する。
S972の処理までにおいて、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得するタイミングと音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から計時データを取得するタイミングとの時間差は、1ms未満であり、RTC263から計時データを取得する処理も1ms未満の高速で実行される。また、音声ランプ制御装置113のMPU221もサブ加工条件設定処理1(図78(b)、S1140)で同様にRTC264から計時データを取得し、取得した計時データが10秒であるか判別し、10秒であればそのときに取得した計時データのうち、「分」以上の計時データに基づいて設定乱数値を算出する。
これにより、更新の契機を判定する場合には「秒(s)」の単位で判定し、設定乱数値の算出は「年」〜「分」の値で算出するように、使用する計時データの範囲を異ならせることで、外部より計時データを算出するタイミング(本実施形態では、10秒)が解析されても、設定乱数値を算出している計時データの範囲が、判断をする場合に用いた範囲と異なっているので、取得タイミングを判断している時間(本実施形態では、10秒)が解析されたとしても、その取得タイミングの時間から設定乱数値を推測されることを困難とすることができる。さらに、計時データの取得タイミングの判断に用いた「秒」の単位を設定乱数値の算出には用いないことで、より外部より設定乱数値を推測(解析)されることを防止することができる。
その結果、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとは、同期して同じ値で更新されているので、その同じ値に基づいて、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとからそれぞれ選択することができるので、加工条件を示す信号を解析されることにより、変更して生成された特殊外れコマンドが把握されて、音声ランプ制御装置113に対して「ぶら下げ基板」等によりその変更して生成された特殊外れコマンドを送信される不正を抑制(防止)することができる。
また、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとは、パチンコ機10の電源が断されても記憶しているカウンタ値がクリアされずに保持され、再びパチンコ機10に電源が投入されて、RAM消去スイッチ122が操作されても初期化されない。これにより、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとが前回の電源投入時と同じテーブル(テーブルA〜テーブルFのいずれか)が選択されたとしても、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値が、前回の電源投入時と異なれば、電源投入時に毎回、同じ加工条件が選択されてしまう不具合を解消することができる。
音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理2(図78(a)、S960)で実行されるS971の処理は設けていないが、サブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)でも待機時間を設けて、互いに同期をとるようにしてもよい。
加工条件設定処理2(図78(a)、S960)では、選択した主加工条件変更テーブル202laから主条件カウンタ261fの値に基づいて、加工条件を選択し、サブ加工条件設定処理2(図78(b)、S1140)では、選択した従加工条件変更テーブル222daから従条件カウンタ262fの値に基づいて、加工条件を選択する構成としたが、これに限らず、選択した主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとから選択する加工条件を予め決めておき、それを選択するように構成してもよい。
次に、図79〜図81を参照して、第11実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第8実施形態におけるパチンコ機10では、加工条件更新処理3(図66、S150)において、RTC263が設定時間となると加工条件設定記憶エリア261aに記憶されている加工条件を更新し、また、サブ加工条件更新処理3(図72、S1250)にて、RTC264が設定時間となると従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶されている加工条件を更新する場合について説明した。
これに対し、本第11実施形態におけるパチンコ機10では、加工条件更新処理3(図80、S150)にて、RTC263が設定時間となると、主制御装置110のMPU201は、主条件カウンタ261fの値を更新して、その値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laから加工条件を選択し、変更予定用として記憶する。また、音声ランプ制御装置113のMPU221も、主制御装置110と同じ設定時間となると、従条件カウンタ262fの値を更新して、その値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daから加工条件を選択(決定)し、変更予定用として記憶する。主制御装置110のMPU201は、普通図柄の変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力すると、変更予定用に記憶していた加工条件を正式に加工条件として設定する。音声ランプ制御装置113のMPU221も、主制御装置110から出力された普通図柄の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、変更予定用に記憶していた加工条件を正式に加工条件として設定する。
即ち、第11実施形態におけるパチンコ機10は、第8実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、設定時間毎に、加工条件を選択(決定)し、更新していた。しかし、第11実施形態では、設定時間となっても、すぐには、加工条件を変更(更新)せず、普通図柄の変動パターンコマンドを送受信することを契機に、加工条件を変更する点で、第8施形態におけるパチンコ機10と相違する。これにより、第11実施形態の構成では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との加工条件の更新タイミングのずれを防止する(なくす)ことができる。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図79は、第11実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第8実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図63)との相違点について説明する。第11実施形態では、主制御装置110のフラッシュメモリ261に、主予定加工条件設定記憶エリア261cが設けられているが、第8実施形態では設けられていない。また、第11実施形態では、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262に、従予定加工条件設定記憶エリア262cが設けられているが、第8実施形態では設けられていない。
主予定加工条件設定記憶エリア261cは、後述する、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理1(S120)において、設定時間になると、変更予定用に加工条件が選択(決定)され、記憶される記憶領域である。
従予定加工条件設定記憶エリア262cは、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理1(S1230)において、設定時間になると、変更予定用に選択された加工条件が記憶される記憶領域である。
このように、フラッシュメモリ261に主予定加工条件設定記憶エリア261cが設けられ、フラッシュメモリ262に従予定加工条件設定記憶エリア262cが設けられることで、RAM消去スイッチ122の操作等による使用RAM領域のクリア(図67、S916)が行われたり、RAMの作業領域のクリア(図69、S1109)が行われても、フラッシュメモリ261とフラッシュメモリ262との記憶内容がクリアされないので、加工条件が初期化されて、不正に初期化された加工条件に基づくコマンドで、生成された特殊外れコマンドが、「ぶら下げ基板」等により音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制することができる。
第11実施形態では、主制御装置110のMPU201のRAM203に主予定変更フラグ203k2が設けられているが、第8実施形態では設けられていない。また、第11実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に従予定変更フラグ223g2が設けられているが、第8実施形態では設けられていない。
主予定変更フラグ203k2は、主予定加工条件設定記憶エリア261cに加工条件が記憶された場合に、主制御装置110のRAM203のその他メモリエリア203kにオンに設定されて記憶される。即ち、主予定変更フラグ203k2がオンにされると、変更予定用に加工条件が、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている状態であることを示している。
従予定変更フラグ223g2は、従予定加工条件設定記憶エリア262cに加工条件が記憶された場合に、音声ランプ御装置113のRAM223のその他メモリエリア223gにオンに設定されて記憶される。即ち、従予定変更フラグ223g2がオンにされると、変更予定用に加工条件が、従予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている状態であることを示している。
図80は、第11実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理(図65)の一処理である加工条件更新処理3(S150)を説明するフローチャートである。図80を参照して、第11実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図65)の一処理である加工条件更新処理3(S150)について説明する。図80は、この加工条件更新処理3(S150)を示すフローチャートである。加工条件更新処理3(図80、S150)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を設定し、更新するための処理である。
加工条件更新処理3(図80、S150)では、まず、主予定変更フラグ203k2がオンか判別する(S171)。主予定変更フラグ203k2がオンでないと判別された場合には(S171:No)、RTC263から「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S172)。
取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」は、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒)であるか判別される(S173)。取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」が、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒)であると判別された場合には(S143:Yes)、主条件カウンタ261fの値を読み出して、その値に「+1」を加算して更新し、主条件カウンタ261fに記憶される(S174)。
更新した後の主条件カウンタ261fの値が上限値(本実施形態では、「6」)より大きいか判別される(S175)。上限値よりも大きいと判別された場合には(S175:Yes)、主条件カウンタ261fの値を初期値である「0」に0クリアして主条件カウンタ261fに記憶する(S176)。
一方、主条件カウンタ261fの値が上限値以下であると判別された場合には(S175:No)、主条件カウンタ261fの値を0クリアせずにS177の処理を実行する。主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択して、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶し、主予定変更フラグ203k2をオンに設定する(S177)。一方、S172の処理で取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」は設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒〜503ミリ秒)でないと判別された場合には(S173:No)、この処理を終了する。
一方、主予定変更フラグ203k2がオンと判別された場合には(S171:Yes)、普通図柄の変動パターン(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、対回り込み処理(図65)における外部出力処理(図65、S101)により出力されたかが判別される(S178)。
普通図柄の変動パターン(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、主制御装置110の外部出力処理(図65、S101)において出力されたと判別された場合には(S178:Yes)、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶する(S179)。主予定変更フラグ203k2をオフに設定して、この処理を終了する(S180)。
一方、普通図柄の変動パターンコマンド(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、主制御装置110の外部出力処理(図65、S101)の処理において出力されていないと判別された場合には(S178:No)、この処理を終了する。
主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理は、4ミリ秒間隔で実行される。そのため、設定時間は、その処理間隔を考慮して、ミリ秒の値を4ミリ秒の幅を設定して「500ミリ秒〜503ミリ秒」とした。これにより、設定時間を処理間隔により判別できない不具合を防止して、確実に設定時間になるとRTC263から計時データを取得して加工条件を選択することができる。
図81は、第11実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図71、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理3(S1250)を説明するフローチャートである。図71を参照して、サブ加工条件更新処理3(S1250)について説明する。サブ加工条件更新処理3(S1250)は、サブ加工条件設定処理2(図68,S960)で初期設定されたコマンド判別処理(S1230、図46)で使用される加工条件を更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理3(図81、S1250)では、まず、従予定変更フラグ223g2がオンか判別する(S1281)。従予定変更フラグ223g2がオンでないと判別された場合には(S1281:No)、RTC264から「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S1282)。
取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ(秒)」は、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒)であるか判別される(S1283)。取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」が、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒)であると判別された場合には(S1283:Yes)、従条件カウンタ262fの値を読み出して、その値に「+1」を加算して更新し、従条件カウンタ262fに記憶される(S1284)。
更新した後の従条件カウンタ262fの値が上限値(本実施形態では、「6」)より大きいか判別される(S1285)。上限値よりも大きいと判別された場合には(S1285:Yes)、従条件カウンタ262fの値を初期値である「0」に0クリアして従条件カウンタ262fに記憶する(S1286)。
一方、従条件カウンタ262fの値が上限値以下であると判別された場合には(S1285:No)、従条件カウンタ262fの値を0クリアせずにS1287の処理を実行する。従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択して、従予定加工条件設定記憶エリア262cに記憶し、従予定変更フラグ223g2をオンに設定する(S1287)。一方、S1282の処理で取得した計時データの「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」は、設定時間(本実施形態では、10時00分00秒500ミリ秒)でないと判別された場合には(S1283:No)、この処理を終了する。
一方、従予定変更フラグ223g2がオンと判別された場合には(S1281:Yes)、普通図柄の変動パターン(図10(b)に示す、第1普通当たり変動パターン、第2普通当たり変動パターン、特殊外れ変動パターン、外れ変動パターンのいずれか)が、コマンド判定処理(図28、S1214)で受信したと判別されたか判別する。(S1288)。
このように、主制御装置110のMPU201は、設定時間となって、主条件カウンタ261fを更新して、その値に基づいて、加工条件を選択しても、その加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶させないで、変更予定用として、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶させる。同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221は、設定時間となって、従条件カウンタ262fを更新し、その値に基づいて、加工条件を選択(決定)しても、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶させないで、従予定加工条件設定記憶エリア262cに変更予定用として記憶させる。
そして、主制御装置110は、普通図柄の変動パターンコマンドを出力したことに基づいて、主予定加工条件設定記憶エリア261cに記憶されている加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶させる(加工条件を更新する)。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その普通図柄の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、従予定加工条件設定記憶エリア262cに記憶されている加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶させる(加工条件を更新する)。
この場合、普通図柄の変動パターンコマンドが出力された時の外部出力処理(図65、S101)で、特殊外れコマンドも出力された場合には、更新される前の加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドが出力される。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理3(図81、S1250)は、普通図柄の変動パターンコマンドの受信を判定するコマンド判定処理(図28、S1214)よりも前で実行されるので、受信バッファに普通図柄の変動パターンコマンドを受信していても、加工条件の更新を行われずに、コマンド判別処理(図46、S1220)が実行される。よって、コマンド判別処理(図46、S1220)では、主制御装置110が出力した、更新される前の加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドを、同じ更新される前の加工条件に基づいて判別することができる。
そして、このコマンド判別処理(図46、S1220)の後で実行されるコマンド判定処理(図28、S1214)において、普通図柄の変動パターンの受信を判定する。この後(この処理の後に実行されるループ処理)で実行される、サブ加工条件更新処理3(図81、S1250)で加工条件の更新が実行される。
一方、主制御装置110のMPU201は、加工条件を更新する契機となる、普通図柄の変動パターンコマンドを出力した、外部出力処理(S101)の後に実行される加工条件更新処理3(図80、S150)において、加工条件を更新するので、次に実行されるタイマ割込処理(4ミリ秒後に実行されるタイマ割込処理)で出力される特殊外れコマンドは、新たに加工条件設定記憶エリア261aに記憶された加工条件に基づいて変更して生成されている。よって、その後、主制御装置110からは、更新される前の加工条件で変更して生成された特殊外れコマンドが出力されないので、音声ランプ制御装置113のMPU221が加工条件を変更した後に、前の加工条件で変更された特殊外れコマンドを受信することがなく、コマンドを判別できないという不具合を防止することができる。
また、設定時間は、一つに限らず、複数設定時間を設定してもよい。このように構成することで、適宜、加工条件の更新が行われて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される特殊外れコマンドも適宜変更されるので、不正に外部から特殊外れコマンドを認識されることを抑制(防止)することができ、「ぶら下げ基板」等による不正を抑制(防止)することができる。
本実施形態では、加工条件を正式に更新する契機は、設定時間となった場合に、RTC263から計時データを取得した後に、ランダムな契機で送信される(第3入球口63又は第4入球口64への遊技球の入賞に基づく契機で送信される)普通図柄の変動パターンコマンドの送受信に基づくように構成した。そのため、正確な設定時間を把握することが困難となり、加工条件が更新されるタイミングを予測されるのを困難にすることができる。
さらに、加工条件更新処理3(図80、S150)とサブ加工条件更新処理3(図81、S1250)とでは、設定時間となる毎に、同期して主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fが更新されるように構成した。これにより、選択された主加工条件変更テーブル202la(従加工条件変更テーブル222da)には、主条件カウンタ261f(従条件カウンタ262f)の値に対応付けて加工条件が設定されているので、その対応付けられた値に従って、加工条件が規則的に変化して更新されることとなり、毎回、RTC263から取得した計時データから設定乱数値を算出する場合等と比較して、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221が毎回、RTC264から計時データを取得して、設定乱数値を算出する場合と比較して、音声ランプ制御装置113の制御負荷を軽減させることができる。
また、正式に加工条件が更新(変更)される時間が、設定時間と異なる普通図柄の変動パターンコマンドの送受信の時間となるので、更新タイミングがランダムな時間となり、加工条件の更新タイミングを不規則にして、加工条件が変更されることを予測されるのを防止することができる。
なお、本実施形態では、正式に加工条件を更新する契機を、普通図柄の変動パターンコマンドとしたが、それに限らず、他の契機に基づいて生成されるコマンドでもよい。また、コマンドのみに限らず、普通図柄或いは特別図柄が、所定回数、変動したことに基づいて更新するように構成してもよい。
また、サブ加工条件更新処理3(図81、S1250)のS1289では、条件変更時フラグ223g1をオンに設定しないが、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に従新加工条件設定記憶エリア261a1に記憶されている加工条件を記憶させる。これにより、従旧加工条件設定記憶エリア262a2の加工条件も更新され、ノイズ等により、条件変更時フラグ223g1がオンと誤って判別された場合にも、なるべく新しい加工条件で特殊外れコマンドを判別することができる。一方、S1289の処理で、条件変更時フラグ223g1をオンに設定するように構成しても当然よい。
第8実施形態〜第11実施形態について、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとが、更新される毎に、加工条件を選択し、更新する構成について説明したが、それに限らず、RTC263とRTC264から同期した同じ計時データを互いに取得して、それに基づいた設定乱数値を算出して、その値に対して、予め更新乱数値を設定しておき、更新乱数値となった場合にのみ、加工条件を主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて選択して更新するようにしてもよい。
このように構成することで、より加工条件がランダムに選択されるようになり、外部から選択される加工条件を推測され難くできる。
次に、図82〜図86を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理1(図38、S120)では、RTC263から取得した計時データに基づいて、加工条件を選択し、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)では、RTC264から取得した計時データに基づいて、加工条件を選択するように構成することで、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ加工条件をそれぞれ独立して選択する場合について説明した。
これに対し、本第12実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技の実行時間を、それぞれ独立して計測する。そして、その共通する大当たり遊技の実行時間に基づいて、同じ加工条件を主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、それぞれ独立して選択する。
即ち、第12施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、RTC263、RTC264から取得した計時データに基づいて加工条件を選択していた。これに対し、第12実施形態では、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得した計時データに基づいて、特別図柄の大当たり遊技の実行時間を計測し、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から取得した計時データに基づいて、特別図柄の大当たり遊技の実行時間を計測し、それぞれが、その計測した時間に基づいて、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、互いに決定する加工条件を示す信号を通知しなくとも、同じ加工条件を決定する点で第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図82は、第12実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図35参照)との相違点について説明する。
主制御装置110のRAM203に第4実施形態で説明した大当たりフラグ203k1が追加されている。なお、大当たりフラグ203k1は、第4実施形態で説明したものと同一であるので、詳細については省略するが、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に、オンに設定されるフラグであり、大当たり遊技の開始がされることを表すフラグである。
主制御装置110のフラッシュメモリ261には、計時データ1記憶エリア261dと計時データ2記憶エリア261eとが追加されている。計時データ1記憶エリア261dは、特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に実行される大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力したことに基づいて、主制御装置110のMPU201がRTC263から取得する計時データを記憶するための記憶領域である。また、計時データ2記憶エリア261eは、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力したことに基づいて、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得する計時データを記憶するための記憶領域である。
音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262には、計時データ1記憶エリア262dと計時データ2記憶エリア262eとが追加されている。計時データ1記憶エリア262dは、主制御装置110が出力したオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113が受信したことに基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264より取得する計時データを記憶するための記憶領域である。また、計時データ2記憶領域262eは、主制御装置110が出力したエンディングコマンドを音声ランプ制御装置113が受信したことに基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から取得した計時データを記憶するための記憶領域である。
図83は、第12実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第12実施形態のタイマ割込処理は、第3実施形態のタイマ割込み処理に対して、S190とS103との処理が追加されている。第12実施形態におけるS101の処理は、第3実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、加工条件更新処理5(図84、S190)の処理を実行する。
図84を参照して、第12実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図83)の一処理である加工条件更新処理5(S190)について説明する。図84は、この加工条件更新処理5(S190)を示すフローチャートである。コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件は、加工条件設定処理1(図41、S940)で初期設定されている。この加工条件更新処理5(図84、S190)は、その初期設定された加工条件を更新するための処理である。
加工条件更新処理5(図84、S190)では、まず、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図83)における一処理である、外部出力処理(図83、S101)において、15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力されたかが判別される(S191)。
ここで、オープニングコマンドは、タイマ割込処理(図83)で実行される変動処理(図18、S108)の一処理である変動中処理(図53、S510)で特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、大当たり種別(15R大当たり又は5R大当たり)に基づいて、15R大当たりオープニングコマンドと5R大当たりオープニングコマンドとが設定される。15R大当たりオープニングコマンドは、音声ランプ制御装置113に対して、15R大当たり遊技が開始されることを示すコマンドであり、同様に、5R大当たりオープニングコマンドは5R大当たり遊技が開始されることを示すコマンドである。
主制御装置110のMPU201は、15R大当たりオープニングコマンド又は5R大当たりオープニングコマンドの出力を、外部出力処理(図83、S101)で実行した後に、その同じ割込処理で、実行される大開放口開閉処理(図52、S103)で大当たり遊技の開始を実行する。
15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドが外部出力処理(図83、S101)において出力されたと判別された場合には(S191:Yes)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データが取得され、計時データ1記憶エリア261dに記憶される(S192)。一方、15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドが出力されていないと判別された場合には(S191:No)、エンディングコマンドが外部出力処理(図83、S101)において、音声ランプ制御装置113に対して出力されたかが判別される(S193)。
エンディングコマンドが出力されたと判別された場合には(S193:Yes)、RTC263より「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データが、主制御装置110のMPU201により取得され計時データ2記憶エリア261eに記憶される(S194)。S194の処理で取得して、計時データ2記憶エリア261eに記憶された計時データからS192の処理で取得して、計時データ1記憶エリア261dに記憶された計時データを減算して、大当たり遊技の実行時間を算出する(S195)。なお、「年・月・日」のデータは、減算せずに「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の値について減算し、「年・月・日」のデータについては算出された大当たり遊技の実行時間に、計時データ2記憶エリア261eに記憶されている「年・月・日」のデータが付与される。
S195の処理で算出した、大当たり時間に基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×「秒(s)」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア223gに記憶)される(S196)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。S196の処理で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル202iより加工条件が選択され、加工条件設定記憶エリア261aに加工条件が記憶される(S197)。
一方、エンディングコマンドが出力されていないと判別された場合には(S193:No)、加工条件更新処理1(図38、S120)が実行される(S120)。なお、加工条件更新処理1(図38、S120)については、第3実施形態で説明したものと同一のものであるので、説明については省略する。
このように構成することで、加工条件更新処理1(図38、S120)の処理により、設定時間になると加工条件が更新され、さらに、大当たり遊技が実行された場合にも、その大当たり遊技の実行時間に基づいて、加工条件を更新することができる。また、本実施形態では、RTC263は、実際の日時とは異なる値で日時の設定がされているので、大当たり遊技の実行時間を外部から計測されたとしても、設定されている「年・月・日」のデータは、判別できないので、外部から、加工条件が把握されるのを抑制(防止)することができる。
加工条件更新処理5(図84、S190)の終了後は、タイマ割込処理(図83)のS102へ移行する。S102の処理は、第3実施形態のS102の処理と同一の処理が実行される。その後、大開放口開閉処理(図83、S103)が実行される。
大開放口開閉処理(図83、S103)の処理は、第4実施形態で説明した大開放口開閉処理(図52、S103)と同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。
図85は、第12実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図85、S1200)を説明するフローチャートである。第12実施形態のメイン処理(図85、S1200)は、第3実施形態のメイン処理(図44、S1200)に対して、S1370の処理が追加されている。メイン処理(図85、S1200)で実行される、S1201〜S1212までの各処理は、第3実施形態のS1201〜S1212までの各処理と同一の処理が実行される。S1212の処理実行後は、サブ加工条件更新処理5(図86、S1370)が実行される。
図86を参照して、第12実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図85、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理5(S1370)について説明する。図86は、このサブ加工条件更新処理5(S1370)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理5(図86、S1370)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が、主制御装置110から出力された5R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドを受信したことに基づいて、RTC264から取得した計時データと、主制御装置110から出力されたエンディングコマンドを受信した事に基づいて、RTC264から取得した計時データと、から大当たり遊技の実行時間を算出して、その値に基づいて、加工条件を選択する。
これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、共通の要素である同じ大当たり遊技の実行時間という値に基づいて、加工条件を選択することで、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、加工条件を通知する信号を送受信しなくとも同じ加工条件を選択するものである。
サブ加工条件更新処理5(図86、S1370)では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力された15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドが、コマンド判定処理(図28、S1214)において、受信したと判定されたかが判別される(S1371)。15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S1371:Yes)、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264より「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得して計時データ1記憶エリア262dに記憶する(S1372)。
一方、15R大当たりオープニングコマンド或いは5Rオープニングコマンドを受信していないと判別された場合には(S1371:No)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力されたエンディングコマンドが、コマンド判定処理(図28、S1214)において、受信したと判定されたかが判別される(S1373)。エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S1371:Yes)、音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264より「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得して計時データ2記憶エリア262eに記憶する(S1374)。
S1374の処理で計時データ2記憶エリア262eに記憶された計時データから、S1372の処理で計時データ1記憶エリア262dに記憶された計時データを減算して大当たり遊技の実行時間を算出する(S1375)。なお、「年・月・日」のデータは、減算せずに「時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の値について減算し、「年・月・日」のデータについては算出された大当たり遊技の実行時間に、計時データ2記憶エリア261eに記憶されている「年・月・日」のデータが付与される。
S1375の処理で算出した、大当たり時間に基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×「秒(s)」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア223gに記憶)される(S1376)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件と同じ種類の加工条件を、従旧加工条件設定記憶エリア262aに記憶し、S1376の処理で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル222cより加工条件が選択され、従新加工条件設定記憶エリア262a1に選択された加工条件が記憶される(S1377)。
一方、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S1373:No)、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)が実行される(S1230)。なお、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)については、第3実施形態で説明したものと同一のものであるので、説明については省略する。
このように、主制御装置110のMPU201は、音声ランプ制御装置113に対して、15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドを出力してからエンディングコマンドを出力するまでの間を、大当たり遊技の実行時間として計測する。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221は、15R大当たりオープニングコマンド或いは5Rオープニングコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの間を、大当たり遊技の実行時間として計測する。
そして、主制御装置110が、15R大当たりオープニングコマンド或いは5R大当たりオープニングコマンドを出力してから、音声ランプ制御装置113のMPU221が、そのコマンドを受信したと判別するまでの時間(本実施形態では、1ms)と、主制御装置110が、エンディングコマンドを出力してから音声ランプ制御装置113のMPU221が受信したと判別するまでの時間(本実施形態では、1ms)とは同じである。よって、主制御装置110のMPU201が、計測(算出)する大当たり遊技の実行時間も、音声ランプ制御装置113のMPU221が、計測する大当たり遊技の実行時間も、同じとすることができる。
従って、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、選択する加工条件を通知する信号を送受信しなくとも、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とのそれぞれが、同じそれぞれの計時データに基づいて、それぞれが同じ設定乱数値を算出して、それに基づいて、それぞれが独立して同じ加工条件を選択することができる。
その結果、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、加工条件を示す信号を送受信しないので、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで選択されている加工条件を外部から把握される不正を抑制(防止)することができる。それにより、「ぶら下げ基板」等によって、特殊外れコマンドが、音声ランプ制御装置113に対して出力される不正を抑制(防止)することができる。
また、大当たり遊技は、第1入球口63又は第2入球口64に遊技球が入球したことに基づいて、特別図柄の当否抽選が実行され、その抽選結果が大当たりであった場合に、開始される。つまり、大当たり遊技はランダムなタイミングで実行されるものであり、そのランダムな契機に基づいて、主制御装置110と音声ランプ制御装置113の加工条件も更新するすることができる。
また、大当たり遊技の実行時間は、遊技球が第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aに入球するタイミングが一定ではなく、大当たり遊技の1ラウンドを消化する時間は最大30秒であるが、第1特定入賞口65a又は第2特定入賞口650aに遊技球が10個、入球するまでの時間は一定とはならない。そのため、大当たり遊技の実行時間は、毎回、一定とはならないので、算出される設定乱数値も異なる値とすることができる。よって、選択される加工条件が偏ってしまうのを防止することができる。
また、RTC263とRTC264とは、パチンコ機10の製造時に、専用の治具によりパチンコ機10毎に、同じ設定日時に初期設定され、同期して同じ値で計時するように構成されている。そして、その初期設定される設定日時は、実際の日時とは異なる値で設定され、さらに、パチンコ機10毎に、異なる値で設定される。これにより、大当たり遊技の実行時間を外部から計測して、選択される加工条件を推測しようとしても、設定乱数値は、「年・月・日」の値も算出式に入れているので、大当たり遊技の実行時間だけで、選択される加工条件を推測することを困難にすることができる。
本実施形態では、大当たり遊技の実行時間の算出には「ミリ秒(ms)」までの値を用いて算出し、設定乱数値の算出には、「秒(s)」までの値を用いた。これにより、より正確に主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで設定乱数値を算出するのに用いる計時データの値を同じにすることができる。また、大当たり遊技の実行時間を計測するのに用いた計時データの範囲と、設定乱数値の算出に用いた計時データの範囲と、を異ならせることで、より外部より加工条件がどのようにして選択されているかを予測困難にすることができる。
本実施形態では、加工条件更新処理5(図84、S190)とサブ加工条件更新処理5(図86、S1370)において、大当たり遊技が実行されて、その実行時間に基づいて加工条件が更新されるだけでなく、所定の設定時間となると加工条件が更新されるように構成している。これにより、大当たりが発生してから、次の大当たりが発生するまでに長時間かかってしまうような場合にも、設定時間を複数設定しておくことで、適宜、加工条件を更新することができ、より「ぶら下げ基板」等による不正を抑制(防止)することができる。
また、本実施形態では、大当たり遊技が終了した後には、加工条件も更新されている。これにより、「ぶら下げ基板」等による不正により、大当たりが不正に発生させられた場合にも、連続して、大当たりが不正に発生させられてしまうことを防止することができる。
本実施形態の加工条件更新処理5(図84、S190)及びサブ加工条件更新処理5(図86、S1370)において、設定乱数値の算出は、「秒(s)」までの値としたが、それに限らず、「ミリ秒(ms)」までの値で算出しても当然良く、その他、適宜、設定しても良い。
大当たり遊技の実行時間は、本実施形態では、オープニングコマンドとエンディングコマンドとを送受信したことに基づいて、算出するように構成したが、それに限らず、大当たり遊技の開始と終了を表す専用のコマンドを設定して、それを送受信することに基づいて、算出するように構成してもよいし、その他の方法であっても、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで同じ時間で、大当たり遊技の実行時間を算出(計測)できるものであれば良い。
また、本実施形態では、サブ加工条件更新処理5(図86、S1370)で実行されるS1377の処理において、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されていた加工条件と同じ加工条件を記憶しても、条件変更フラグ223g1はオンに設定しない。これは、エンディングコマンドを受信したことを契機に、加工条件を更新しているので、主制御装置110よりも先に音声ランプ制御装置113が加工条件を更新してしまうことがないためであるが、条件変更フラグ223g1をオンに設定するように構成するようにしても当然良い。
また、本実施形態では、大当たり遊技の開始から終了までの大当たり遊技の実行時間を計測して、その値に基づいて加工条件を選択したが、それに限らず、大当たり遊技の一部の時間を計測して、その値に基づいて加工条件を選択するようにしてもよい。詳細には、大当たり遊技開始時に、主制御装置110のMPU201がRTC263より計時データを取得して、その値に基づいて、大当たり遊技の時間を計測するラウンド数を決定する。そして、主制御装置110は、そのラウンド数が終了した事に基づいて、計測用コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力する。主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、オープニングコマンドの送受信と計測用コマンドの送受信に基づいて大当たり遊技の実行時間を計測し、その値に基づいて、加工条件を選択する。
このように構成することで、パチンコ機10で計測されている大当たり遊技の実行時間を、外部から計測することが困難にすることができる。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とに設定されている加工条件を予測困難にすることができる。
次に、図87〜図90を参照して、第13実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理1(図38、S120)では、RTC263から取得した計時データに基づいて、加工条件を決定し、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理1(図45、S1230)では、RTC264から取得した計時データに基づいて、加工条件を選択するように構成することで、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ加工条件をそれぞれ独立して選択する場合について説明した。
これに対し、本第13実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201は、選択した特別図柄の変動パターンコマンドの種類に対応した加工条件を選択して更新する。一方、音声ランプ制御装置113のMPU201も主制御装置110から出力された変動パターンコマンドの種類に対応した加工条件を選択して更新する。
即ち、第13施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201が、RTC263から取得した計時データに基づいて加工条件を選択し、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から取得した計時データに基づいて加工条件を選択していた。これに対し、第13実施形態では、特別図柄の変動パターンの種類に対応して、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが同じ加工条件を選択して更新する点で第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。
図87は、第13実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第13実施形態のタイマ割込処理は、第3実施形態のタイマ割込み処理に対して、S210の処理が追加されている。第13実施形態におけるS101の処理は、第3実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、加工条件更新処理6(図88、S210)の処理を実行する。
図88を参照して、第13実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図87)の一処理である加工条件更新処理6(S210)について説明する。図88は、この加工条件更新処理6(S210)を示すフローチャートである。コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件は、加工条件設定処理1(図41、S940)で初期設定されている。この加工条件更新処理6(S210)は、その初期設定された加工条件を更新するための処理である。
加工条件更新処理6(図88、S210)では、外部出力処理(図87、S101)の処理において、音声ランプ制御装置113に対して、15Rスペシャルリーチ変動パターン、外れスーパーリーチ変動パターン、外れスペシャルリーチ変動パターン、が出力されたか判別される(S211、S213、S215)。
15Rスペシャルリーチ変動パターンが出力された場合には(S211:Yes)、設定Aが、外れスーパーリーチ変動パターンが出力された場合には(S213:Yes)、設定Bが、外れスペシャルリーチ変動パターンが出力された場合には(S215:Yes)、設定Cが、それぞれ加工条件として、加工条件設定記憶エリア261aに記憶される。
一方、外部出力処理(図87、S101)の処理において、音声ランプ制御装置113に対して、15Rスペシャルリーチ変動パターン、外れスーパーリーチ変動パターン、外れスペシャルリーチ変動パターン、が出力されていないと判別された場合には(S211、S213、S215:No)、加工条件更新処理1(図38、S120)が実行される(S120)。なお、加工条件更新処理1(図38、S120)については、第3実施形態で説明したものと同一のものであるので、説明については省略する。
図89は、第13実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図89、S1200)を説明するフローチャートである。第13実施形態のメイン処理(図89、S1200)は、第3実施形態のメイン処理(図44、S1200)に対して、S1380の処理が追加されている。メイン処理(図89、S1200)で実行される、S1201〜S1212までの各処理は、第3実施形態のS1201〜S1212までの各処理と同一の処理が実行される。S1212の処理実行後は、サブ加工条件更新処理6(図90、S1380)が実行される。
図90を参照して、第13実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図85、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理6(S1380)について説明する。図90は、このサブ加工条件更新処理5(S1380)を示すフローチャートである。コマンド判別処理(図46、S1220)で使用される加工条件は、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)で初期設定されている。このサブ加工条件更新処理6(図90、S1380)は、初期設定された加工条件を更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理6(図90、S1380)は、上記した加工条件更新処理6(図88、S210)に対して、S211、S213、S215の各処理において、各変動パターンを出力したかを判別していたのが、S1381、S1383、S1385の各処理では、各変動パターンをコマンド判定処理(図28、S1214)の処理で受信したと判定したかを判別し、さらに、S212、S214、S216の各処理において、選択した加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶していたのが、S1382、S1384、S1386の各処理において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されていた加工条件と同じ加工条件を従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶し、選択した加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶する点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
このように、各種変動パターンに基づいて、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とのそれぞれで、加工条件を選択して更新する。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで同じ加工条件を正確に選択することができる。従って、主制御装置110が出力した、加工条件に基づいて変更して特殊外れコマンドを、音声ランプ制御装置113のMPU221は、より正確に、受信した特殊外れコマンドを解読することができる。その結果、「ぶら下げ基板」等が、特殊外れコマンドを解析して、その解析した特殊外れコマンドを不正に音声ランプ制御装置113に対して出力しても、パチンコ機10で使用される特殊外れコマンドの生成方法は変更されているので、音声ランプ制御装置113のMPU221は、「ぶら下げ基板」から出力された不正な「特殊外れコマンド」を受信しても、それを正規の「特殊外れコマンド」とは異なったものと判別できる。
本実施形態では、15Rスペシャルリーチ変動パターン、外れスーパーリーチ変動パターン、外れスペシャルリーチ変動パターンの何れかに限って説明したが、それに限らず、もっと多くの変動パターンの種類や、全ての変動パターンのそれぞれに対応して、加工条件を設定しておくことで、頻繁に、或いは特別図柄の変動毎に、加工条件を変更することができる。よって、「ぶら下げ基板」等により不正な特殊外れコマンドを送信しようとする不正を抑制することができる。
本実施形態では、特別図柄の変動パターンの種類に対応して加工条件を選択したが、それに限らず、例えば、普通図柄の変動パターンであってもよいし、エラーコマンド等であってもよく、適宜、設定すればよい。
本実施形態では、変動パターンコマンドの送受信に基づいて、加工条件を更新するだけでなく、予め定められた設定時間になると加工条件を更新するように構成した。これにより、異なる契機で加工条件を更新することができ、加工条件が更新されるタイミングを、外部から推測することを、より困難にすることができる。また、遊技が実行されない場合にも、加工条件を適宜、変更することができ、加工条件が更新されない期間を短くすることができる。よって、「ぶら下げ基板」等による不正を抑制することができる。
次に、図91〜図96を参照して、第14実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理1(図41、S940)では、RTC263から取得した計時データに基づいて、加工条件を選択して初期設定し、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理1(図43、S1130)では、RTC264から取得した計時データに基づいて、加工条件を選択して初期設定するように構成することで、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ加工条件をそれぞれ独立して選択して初期設定する場合について説明した。
これに対し、本第14実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、それぞれが独立して、パチンコ機10に電源が投入された回数を計測して、その値に基づいて、加工条件を選択して初期設定する。
即ち、第14施形態におけるパチンコ機10は、第3実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第3実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、RTC263、RTC264から取得した計時データに基づいて加工条件を選択していた。これに対し、第14実施形態では、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、パチンコ機10の電源投入回数をそれぞれ独立して計測して、その値に基づいて、加工条件を選択する点で第3施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU221によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図91は、第14実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図35参照)との相違点について説明する。
主制御装置110のフラッシュメモリ261には、主電源投入カウンタ261hが追加されている。主電源投入カウンタは、後述する、加工条件設定処理3(図94、S980)で、1ずつ加算されるカウンタであり、上限値(本実施形態では、49)よりも大きい値となると初期値である0にクリアされる。主電源投入カウンタ261hは、加工条件設定処理3(図94、S980)が実行される毎に、1加算されるので、即ち、パチンコ機10に電源が投入された回数をカウントしていることになる。
音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262には、従電源投入カウンタ262hが追加されている。従電源投入カウンタ262hは、主電源投入カウンタ261hと
同様に、パチンコ機10に電源が投入された回数をカウントするものである。後述する、サブ加工条件設定処理3(図96、S1160)で、1ずつ加算されるカウンタであり、上限値(本実施形態では、49)よりも大きい値となると初期値である0にクリアされる。主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとは、同期して同じ値で更新されるカウンタ値である。
図92(a)は、主制御装置110のROM202を模式的に示した図である。主制御装置110のROM202には、主加工条件回数選択テーブル202mが追加されている。主加工条件回数選択テーブル202mは、図92(c)に示すように、主電源投入カウンタ値に対応して、加工条件がそれぞれ割り当てられている。
図92(b)は、音声ランプ制御装置113のROM222を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、従加工条件回数選択テーブル222eが追加されている。従加工条件回数選択テーブル222eは、図92(c)に示すように、上記した、主加工条件回数選択テーブル202mと同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
図93は、第14実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。第14実施形態の立ち上げ処理は、第3実施形態の立ち上げ処理(図40)に対して、S980の処理が追加されている。第14実施形態におけるS901〜S903までの各処理は、それぞれ第3実施形態のS901〜S903までの各処理と同一の処理が実行される。S903の処理が完了すると、加工条件設定処理3(図94、S980)が実行される。
図94を参照して、第14実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理の一処理である加工条件設定処理3(S980)について説明する。図94は、この加工条件設定処理3(S980)を示すフローチャートである。加工条件設定処理3(S980)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を、電源投入時に実行される立ち上げ処理(図93)で初期設定するための処理である。なお、加工条件設定処理3(図94、S980)で設定された加工条件は、加工条件更新処理1(図38、S120)で選択され、更新される。
加工条件設定処理3(S980)では、まず、主制御装置110のフラッシュメモリ261に設けられた主電源投入カウンタ261hの値が読み出され、その値に+1して更新される(S981)。主電源投入カウンタ261hを更新した値が、上限値(本実施形態では、49)よりも大きいかが判別される(S982)。主電源投入カウンタ261hが上限値(本実施形態では、49)よりも大きい値(即ち、50)であると判別された場合には(S982:Yes)、主電源投入カウンタ261hの値を初期値である「0」にクリアする(S983)。一方、主電源投入カウンタ261hの値が上限値(本実施形態では、49)以下であると判別された場合には(S982:No)、S984の処理が実行される。
主電源投入カウンタ261hに、更新した主電源投入カウンタ値を記憶させる(S984)。主電源投入カウンタ値に基づいて、主加工条件回数選択テーブル202mより、加工条件を選択する(S985)。選択した加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶する(S986)。
図95は、第14実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。第14実施形態では、第3実施形態の立ち上げ処理(図42)に対して、S1130の処理が追加されている。S1101の処理は、第3実施形態のS1101処理と同一の処理が実行される。S1101の処理が完了すると、サブ加工条件設定処理3(図96、S1160)を実行する。
図96は、サブ加工条件設定処理3(S1160)を示すフローチャートである。サブ加工条件設定処理3(S1160)は、コマンド判別処理(図46、S1220)で使用される加工条件を初期設定するための処理である。なお、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)は、サブ加工条件設定処理3(図96、S1160)で初期設定した加工条件を新たに選択して更新するための処理である。以下、サブ加工条件設定処理3(図96、S1160)について説明する。
サブ加工条件設定処理3(S1160)では、上記した、加工条件設定処理3(図94、S980)に対して、S981〜S985までの各処理において、主電源投入カウンタ261hがS1161〜S1165までの各処理では、従電源投入カウンタ262hに、S986の処理において、選択した加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶していたのが、S1166の処理では、選択した加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶することに、それぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
このように、主制御装置110では、パチンコ機10に電源が投入されて、最初に実行される立ち上げ処理(図93)の加工条件設定処理3(図94、S980)で、主電源投入カウンタ261hの値が「+1」されて更新される。立ち上げ処理(図93)は、パチンコ機10に電源が投入された時のように、主制御装置110のMPU201に起動電力が供給されて、作動を開始するときのみに実行される処理であるので、パチンコ機10に電源が投入された回数(パチンコ機10に供給される電力がオフ状態からオン状態に変化した回数)をカウントすることができる。
また、音声ランプ制御装置113でも、パチンコ機10に電源が投入されて、最初に実行される立ち上げ処理(図95)のサブ加工条件設定処理3(図96、S1160)で、従電源投入カウンタ262hの値が「+1」されて更新される。よって、従電源投入カウンタ262hは、主電源投入カウンタ261hと同じく、パチンコ機10に電源が投入された回数を、互いに同期するための信号等を送受信しなくともカウントすることができる。
パチンコ機10は、製造時に電源が投入されて、出荷検査が実行される。この出荷検査では、複数回、電源が投入される。また、製造時に、治具等によりパチンコ機10毎にランダムな回数で電源の投入を行うことで、パチンコ機10毎に、パチンコ店に設置されたときには、電源の投入回数が異なり、そのため、パチンコ機10毎に初期設定される加工条件を異なり易くすることができる。
また、主電源投入カウンタ261hはフラッシュメモリ261に、従電源投入カウンタ262hはフラッシュメモリ262hにそれぞれ設けられているので、RAM消去スイッチ122が操作等により、使用RAM領域のクリア(S916)やRAMの作業領域をクリア(S1109)の処理が実行されても、フラッシュメモリ261とフラッシュメモリ262とは、初期化されることはないので、主電源投入カウンタ261hの値と従電源投入カウンタ262hとの値は保持することができる。
よって、パチンコ店に設置されているパチンコ機10のこれまでの電源投入回数は、外部から判別できないので、パチンコ機10が決定する加工条件を予測することを困難にすることができる。従って、「ぶら下げ基板」等により、予測した加工条件で特殊外れコマンドの生成方法を変更したコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力する不正を抑制することができる。
また、主制御装置110のMPU201は、加工条件を主電源投入カウンタ261hの値に基づいて、主加工条件回数選択テーブル202m(図92(c))から選択し、従電源投入カウンタ262hの値に基づいて、従加工条件回数選択テーブル222eから選択するので、加工条件を選択するために、設定乱数値等を算出する処理をする場合と比較して、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとの値には、上限値を設けて、初期値にリセットするように構成したが、それに限るものではなく、上限値を設けずに更新されるように構成して、主電源投入カウンタ261hと充電原投入カウンタ値との値に基づいて、設定乱数値を算出してもよい。具体的には、カウンタ値に所定定数を掛けて、その値を設定乱数値の上限値で除算して、その余りを設定乱数値として算出するように構成する。
このように構成することで、主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとの値を、外部から把握することをより困難にすることができる。さらに、加工条件をよりランダムに決定することができ、加工条件を外部より把握される不正を抑制(防止)することができる。
本実施形態では、主電源投入カウンタ261hの値と従電源投入カウンタ262hとの値に基づいて、主加工条件回数選択用テーブル202mと従加工条件回数選択用テーブル222eとからそれぞれ加工条件を選択した。それに限らずに、第8実施形態で説明したように、主加工条件選択用テーブル202l(図64(c))、従加工条件選択用テーブル222d(図64(c))から、設定乱数値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを選択し、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、加工条件を選択するように構成してもよい。この場合、第8〜9及び11実施形態で説明した構成を組み合わせると良い。
次に、図97〜図101を参照して、第15実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第14実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、それぞれが独立して、パチンコ機10に電源が投入された回数を計測して、その値に基づいて、加工条件を選択して初期設定する場合について説明した。
これに対し、本第15実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは、それぞれが独立して、パチンコ機10に電源が投入された回数を計測して、その値に基づいて、加工条件を選択して初期設定する。
即ち、第15実施形態におけるパチンコ機10は、第14実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第14実施形態では、主制御装置110のMPU201が主電源投入カウンタ261hの値に基づいて、加工条件を選択し、音声ランプ制御装置113のMPU221が従電源投入カウンタ262hの値に基づいて加工条件を選択していた。これに対し、第15実施形態では、主制御装置110のMPU201は、主電源投入カウンタ261hの値とRTC263から取得した計時データとに基づいて、加工条件を選択(決定)し、音声ランプ制御装置113のMPU221は、従電源投入カウンタ262hの値とRTC264から取得した計時データとに基づいて、加工条件を選択する点で第14施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU221によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第14実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図97(a)は、第15実施形態における、主制御装置110のMPU201に設けられたROM202の内容を模式的に示した図である。第14実施形態における、主制御装置110のMPU201に設けられたROM202の内容(図92(a))との相違点について説明する。第15実施形態における、主制御装置110のMPU201に設けられたROM202には、主加工条件回数選択テーブル202mが削除され、加工条件設定テーブル202iと主サブ同期補正データ202jとが追加されている。なお、加工条件設定テーブル202iと主サブ同期補正データ202jとは、第3実施形態で既に説明したものと同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
図97(b)は、第15実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した図である。第14実施形態において、主制御装置110のMPU221に設けられたROM222の内容(図92(b))との相違点について説明する。第15実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222には、従加工条件回数選択テーブルが削除され、加工条件設定テーブル222cが追加されている。なお、加工条件設定テーブル222cは、第3実施形態で既に説明したものと同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
図98は、第15実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。第15実施形態の立ち上げ処理は、第14実施形態の立ち上げ処理(図93)に対して、S990の処理が追加されている。第15実施形態におけるS901〜S903までの各処理は、それぞれ第14実施形態のS901〜S903までの各処理と同一の処理が実行される。S903の処理が完了すると、加工条件設定処理4(図99、S990)が実行される。
図99を参照して、第15実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理の一処理である加工条件設定処理4(S990)について説明する。図99は、この加工条件設定処理4(S990)を示すフローチャートである。加工条件設定処理4(S990)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を、電源投入時に実行される立ち上げ処理(図98)で初期設定するための処理である。なお、加工条件設定処理4(図99、S990)で設定された加工条件は、加工条件更新処理1(図38、S120)で選択され、更新される。
加工条件設定処理4(S990)では、まず、主制御装置110に設けられたRTC263より「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S991)。その取得した計時データに、主制御装置110のROM202に記憶されている主サブ同期補正データ202j(本実施形態では、100ms)が加算される(S992)。主電源投入カウンタ261hの値を読み出し、その値に「+1」して更新する(S993)。その更新した主電源投入カウンタ261hの値を主電源投入カウンタ261hに記憶する(S994)。
S992で取得された計時データに、主サブ同期補正データ202jが加算された補正後の計時データ「年・月・日・時・分」の各データに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×「主電源投入カウンタ261hの値」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256の演算を行い、その余りを設定乱数値として設定(RAM203のその他メモリエリア203kに記憶)する(S995)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
具体的には、RTC263から取得された計時データが2011年10月3日21時00分59秒900ミリ秒であれば、この値に、主サブ同期補正データ202j(本実施形態では、100ms)を加算して、補正後の計時データ(2011年10月3日21時01分00秒000ミリ秒)のうち、2011年10月3日21時01分の値と、例えば、更新後の主電源投入カウンタ261hの値が「54」であれば、その値とに基づいて次の演算が実行される。(2011×10×3×21×1×54×15321+54321)÷256=4094430933 余り93より、設定乱数値として93が設定される。
S995で算出された設定乱数値に基づいて加工条件設定テーブル202i(図11(a))より加工条件が選択(決定)されて、加工条件設定記憶エリア261aに記憶される(S996)。具体的には、上記具体例で算出した設定乱数値93であれば、加工条件設定テーブル202i(図11(a))より設定Bが決定され、加工条件設定記憶エリア261aに設定Bが記憶される。
なお、主サブ同期補正データ202jは、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図98)において、RAMアクセス許可(S903)が終了するまでに要する時間と、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図100)において、初期設定(図100、S1101)が終了するまでに要する時間との差で設定されている(本実施形態では100ms)。
主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理4(S990)でRTC263から計時データを取得するタイミングと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)でRTC264から計時データを取得するタイミングとは同じではない。これは、音声ランプ制御装置113のほうが、初期設定(S1101)に時間がかかるためである(本実施形態では、100ms長い)。
そのため、主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理4(S990)でRTC263から取得する計時データと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理4(S1170)でRTC264から取得する計時データとは、取得タイミングの誤差である「100ms」のずれが発生する。
しかし、主制御装置110のMPU201が、加工条件設定処理4(S990)で算出する設定乱数値も、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)で算出する設定乱数値も、「年・月・日・時・分」の計時データに基づいて算出し、「秒(s)」及び「ミリ秒(ms)」については使用しない構成とすることで、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、異なる計時データに基づいて設定乱数値を算出する不具合を防止することができる。
さらに、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得してから、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得するまでの間に、計時データの「秒(s)」の値が桁上げすることにより、主制御装置110のMPU201が、取得した計時データと、音声ランプ制御装置113のMPU221が、取得した計時データとにおいて、「分」以上の値が異なる場合が発生する。
具体的には、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得した場合に、「2011年10月1日14時33分59秒900ミリ秒」であったとすると、音声ランプ制御装置113のMPU221は、取得タイミングのずれが「100ms」あるため、RTC264から計時データを取得すると「2011年10月1日14時34分00秒000ミリ秒」となる。しかしながら、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理4(図99、S990)では、S992の処理において、主サブ同期補正データ202j(本実施形態では、100ms)が、RTC263から取得した計時データに加算されるので、上記の場合にも、主制御装置110のMPU201が、取得した「2011年10月1日14時33分59秒900ミリ秒」の計時データは、「2011年10月1日14時34分00秒000ミリ秒」に補正される。
これにより、桁上げが発生するような場合においても、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、使用する「分」以上の計時データを同じ値にすることができる。さらに、主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとの値は同期して同じ値にカウントされる。そのため、正確に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ設定乱数値を算出することができ、それに基づいて同じ加工条件を選択することができる。
また、ミリ秒までの計時データを取得して、「分」以上の計時データを設定乱数値の算出に使用することで、パチンコ機10の通常時では、予期できない不具合により計時データの取得タイミングの差が通常時よりも大きくなった場合にも、「秒」の値で桁上げが発生する値未満の差であれば、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じ値の「分」以上の計時データを取得することができ、異なる加工条件が選択(決定)されてしまう不具合を抑制することができる。
本実施形態では、「分」以上の計時データにより、設定乱数値を算出したが、それに限るものではなく、「秒」以上であっても良いし、「時」以上であってもよい。
また、主サブ同期補正データ202jは、本実施形態では、主制御装置110のMPU201が取得した計時データに加算したが、それに限らず、音声ランプ制御装置113のMPU221が取得した計時データから主サブ同期補正データ202jを減算しても良いし、主サブ同期補正データ202jの半分の値(本実施形態の値では、50ms)を主制御装置110のMPU201が取得した計時データに加算して、音声ランプ制御装置113のMPU221が取得した計時データから主サブ同期補正データ202jの半分の値(本実施形態の値であれば、50ms)を減算しても良い。
図100は、第15実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理を説明するフローチャートである。第15実施形態では、第14実施形態の立ち上げ処理(図95)に対して、S1170の処理が追加されている。S1101の処理は、第14実施形態のS1101処理と同一の処理が実行される。S1101の処理が完了すると、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)を実行する。
図101は、サブ加工条件設定処理4(S1170)を示すフローチャートである。サブ加工条件設定処理4(S1170)は、コマンド判別処理(図46、S1220)で使用される加工条件を初期設定するための処理である。なお、サブ加工条件更新処理1(図45、S1230)は、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)が初期設定した加工条件を新たに選択して更新するための処理である。以下、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)について説明する。
サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)は、まず、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から「年・月・日・時・分」の計時データを取得する(S1171)。従電源投入カウンタ262hの値を読み出し、その値に「+1」して更新する(S1172)。更新した従電源投入カウンタ262hの値を従電源投入カウンタ262hに記憶する(S1173)。
RTC264から取得した「年・月・日・時・分」の計時データと従電源投入カウンタ262hの値とに基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×従電源投入カウンタ262hの値×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出した余りの値を設定乱数値として設定(RAM223のその他メモリエリア223gに記憶)する(S1174)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
S1174の処理で算出した設定乱数値に基づいて、図36(c)に示す加工条件設定テーブル222cから加工条件を選択し、図35に示す、音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262に設けられた従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2との両方に選択して加工条件を記憶する(S1175)。
サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)は、パチンコ機10に電源が投入された場合に、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図100)で加工条件を初期設定するための処理である。そして、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)で選択された加工条件は、従新加工条件設定記憶エリア262a1だけでなく、従旧加工条件設定記憶エリア262a2にも記憶される。
ここで、サブ加工条件設定処理4(S1170)では、条件変更時フラグ223g1はオンに設定されない。条件変更時フラグ223g1がオフに設定されている場合には、コマンド判別処理(図46、S1220)において、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶された加工条件のみで特殊外れコマンドの判別が実行される。
よって、立ち上げ処理(図100)が終了し、通常遊技が実行されても、条件変更時フラグ223g1がオンに設定されるまでは、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された加工条件に基づいて判定が行われることはないが、ノイズ等により、条件設定時フラグ223g1がオンであると、判別された場合にも、サブ加工条件設定処理4(図101、S1130)において、従旧加工条件設定記憶エリア262a2にも、従新加工条件設定記憶エリア262a1に記憶されている加工条件と同一の加工条件が記憶されているので、特殊外れコマンドの判別を実行することができる。従って、ノイズ等により誤作動が起きた場合にも、パチンコ機10の制御をフリーズさせることなく対応することができる。
また、主電源投入カウンタ261hは、フラッシュメモリ261に設けられ、従電源投入カウンタ262hは、フラッシュメモリ262に設けられているので、RAM消去スイッチ122が操作された場合等におけるRAM使用領域をクリア(図98、S916)やRAMの作業領域をクリア(図100、S1109)の処理が実行されても、その値は、初期化されない。よって、工場における出荷検査からパチンコ機10に電源が投入された回数が、パチンコ機10がパチンコ店に設置された後も、含められたままカウントすることができる。従って、例え、パチンコ店に設置されてからの電源投入回数を外部からカウントしていたとしても、パチンコ機10の正しい電源投入回数をパチンコ機10の外部から把握することが困難とすることができる。その結果、主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとの値から選択される加工条件を推測して、「ぶら下げ基板」等に寄り音声ランプ制御装置113に対して、推測した加工条件で加工した特殊外れコマンドを出力する不正を抑制(防止)することができる。
さらに、主制御装置110のMPU201は、RTC263より取得した計時データに主サブ同期補正データ202jを加算した値と主電源投入カウンタ261hの値とに基づいて、設定乱数値を算出して、加工条件を加工条件設定テーブル202iから選択する。また、音声ランプ制御装置113のMPU221は、RTC264より取得した計時データと従電源投入カウンタ262hの値とに基づいて、主制御装置110と同じ設定乱数値を算出して、主制御装置110と同じ加工条件を加工条件設定テーブル222cから選択する。
算出される設定乱数値を外部から推測することが推測することが困難となり、選択される加工条件が把握されてしまう不具合を防止することができる。また、RTC263とRTC264とは、パチンコ機10の製造時に、専用の治具により同期した同じ値で、実際の時間とは異なる時間に予め設定されているので、よりパチンコ機10の外部より、算出される設定乱数値が推測されてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の構成では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、選択する加工条件を示す信号等を送受信しなくても、同じ加工条件を、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで選択することができるので、選択する加工条件を示す信号を解析されることにより、選択された加工条件が把握される不正を抑制することができる。
加工条件設定処理4(図99、S990)とサブ加工条件設定処理4(図101、S1170)とでは、設定乱数値を算出して、その値に基づいて加工条件を選択する構成としたが、第8実施形態で説明したように、主加工条件選択用テーブル202l(図64(c))、従加工条件選択用テーブル222d(図64(c))から、設定乱数値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを選択し、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、加工条件を選択するように構成してもよい。この場合、第8〜9及び11実施形態で説明した構成を組み合わせると良い。
次に、図102を参照して、第16実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第15実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理4(図99、S990)において、RTC263から取得した計時データに主サブ同期補正データ202jを加算することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)にてRTC264から取得した計時データと同期(設定乱数値を算出するのに用いる計時データを同じに)させる場合について説明した。
これに対し、本第16実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理4(図102(a)、S990)と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)とにおいて、同じタイミングで計時データをRTC263、264から取得できるように取得タイミングを合わせる処理を実行する。そして、主制御装置110のMPU201は、その計時データと主電源投入カウンタ261hとの値に基づいて加工条件を選択し、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その計時データと従電源投入カウンタ262hとの値に基づいて加工条件を選択する。
即ち、第16実施形態におけるパチンコ機10は、第15実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第15実施形態は、加工条件設定処理4(図99、S990)において、取得した計時データに主サブ同期補正データ202jを加算する。それにより、サブ加工条件設定処理4(図101、S1170)で取得する計時データと同期(設定乱数値を算出するのに用いる計時データを同じに)させていた。これに対し、第16実施形態では、加工条件設定処理4(図102(a)、S990)と音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)とにおいて、同じタイミングで計時データを取得できるように、取得するタイミングを判別する点で、第15実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU221によって実行される各種処理については、第15実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第15実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図102(a)は、第16実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行される立ち上げ処理の一処理である加工条件設定処理4(図102(a)、S990)を説明するフローチャートである。加工条件設定処理4(図102(a)、S990)は、コマンド加工処理(図39、S114)で使用される加工条件を初期設定するための処理である。なお、加工条件設定処理4(図102(a)、S990)で初期設定された加工条件は、加工条件更新処理1(図38、S120)で新たに選択(決定)され更新される。以下、加工条件設定処理4(図102(a)、S990)について説明する。
加工条件設定処理4(図102(a)、S990)では、まず、待機時間が経過したか判別する(S1011)。待機時間は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する立ち上げ処理(図100)において、初期設定処理を終了し、サブ加工条件設定処理4(図102(a)、S1170)において、後述するS1181の処理を実行するまでの時間(本実施形態では、100ms)で設定されている。この待機時間を設定することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得できる状態となると、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得する構成とすることができ、計時データの取得のタイミングを同期させることができる。なお、本実施形態では、計時データの取得タイミングの誤差を1ms未満となるように待機時間を設定した。
待機時間(本実施形態では、100ms)が経過したと判別された場合には(S1011:Yes)、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)」の計時データを取得する(S1012)。一方、待機時間(本実施形態では、100ms)が経過していないと判別された場合には(S1011:No)、この処理を繰り返し、待機時間が経過するまでこの処理を繰り返す(即ち、待機時間が経過するまで待機する)。
取得した計時データの「秒(s)」は10秒であるか判別される(S1013)。この「10秒」は、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、計時データを取得するタイミングを同期させて同じにするためのものである。具体的には、S1011の処理からS1012の処理を実行した場合に、取得した計時データの「秒(s)」が「8s」であれば、2秒間経過して10秒となるまで、S1012〜S1013までの処理が繰り返される。
取得した計時データの「秒(s)」は10秒であると判別された場合には(S1013:Yes)、主電源投入カウンタ261hの値を読み出して、その値を「+1」して更新する(S1014)。更新した主電源投入カウンタ261hの値を、主電源投入カウンタ261hに記憶する(S1015)。
RTC263から取得した計時データの「年・月・日・時・分」の計時データと主電源投入カウンタ261hとの値に基づいて、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×「主電源投入カウンタ261hの値」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア203kに記憶)される(S1016)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。
S1016の処理で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル202iから加工条件を選択して、加工条件設定記憶エリア261aに記憶する(S1017)。
図102(b)は、第16実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される立ち上げ処理の一処理であるサブ加工条件設定処理4(S1170)を説明するフローチャートである。このサブ加工条件設定処理4(S1170)は、コマンド判別処理(図46、S1220)で使用される加工条件を設定するための処理である。なお、サブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1140)で初期設定された加工条件は、サブ加工条件更新処理1(図38、S120)の処理で新たに選択され更新される。以下、サブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)について説明する。
サブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)は、上記した加工条件設定処理2(図102(a)、S990)に対して、S1011の処理が削除され、S1014〜S1016までの各処理において、主電源投入カウンタ261hがS1183〜S1185までの各処理において従電源投入カウンタ262hに、S1017の処理において、加工条件を加工条件設定記憶エリア261aに記憶していたのを、S1186の処理において、従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶することに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、説明は省略する。
本実施形態では、S1012とS1181との処理までにおいて、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得するタイミングと音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から計時データを取得するタイミングとの時間差は、1ms未満であり、RTC263から計時データを取得する処理も1ms未満の高速で実行される。また、音声ランプ制御装置113のMPU221もサブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)で同様にRTC264から計時データを取得し、取得した計時データが10秒であるか判別し、10秒であればそのときに取得した計時データのうち、「分」以上の計時データに基づいて設定乱数値を算出する。
これにより、更新の契機を判定する場合には「秒(s)」の単位で判定し、設定乱数値の算出は「年」〜「分」の値で算出するように、使用する計時データの範囲を異ならせることで、外部より計時データを算出するタイミング(本実施形態では、10秒)が解析されても、設定乱数値を算出している計時データの範囲が、判断をする場合に用いた範囲と異なっているので、取得タイミングを判断している時間(本実施形態では、10秒)が解析されたとしても、その取得タイミングの時間から設定乱数値を推測されることを困難とすることができる。さらに、計時データの取得タイミングの判断に用いた「秒」の単位を設定乱数値の算出には用いないことで、より外部より設定乱数値を推測(解析)されることを防止することができる。
また、主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとは、パチンコ機10に電源が投入された回数という共通した要素をカウントする。そのため、主電源投入カウンタ261hと従電源投入カウンタ262hとは、同期して同じ値となり、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とは、同じ設定乱数値を算出することができる。そして、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、その同じ設定乱数値に基づいて、同じ加工条件を独立して選択(決定)することができる。
設定乱数値の算出に、RTC263から取得した計時データと主電源投入カウンタ261hとを、RTC264から取得した計時データと従電源投入カウンタ262hとを、それぞれ組み合わせて用いることで外部から設定乱数値の値を推測されることを抑制(防止)することができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件をそれぞれ選択することができるので、加工条件を示す信号が解析されることにより、解析された加工条件で変更して生成された特殊外れコマンドが把握されて、音声ランプ制御装置113に対して「ぶら下げ基板」等によりその変更して生成された特殊外れコマンドを送信される不正を抑制(防止)することができる。
音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)では、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件設定処理4(図102(a)、S990)で実行されるS1011の処理は設けていないが、サブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)でも待機時間を設けて、互いに同期をとるようにしてもよい。
加工条件設定処理4(図102(a)、S990)とサブ加工条件設定処理4(図102(b)、S1170)とでは、設定乱数値を算出して、その値に基づいて加工条件を選択する構成としたが、第8実施形態で説明したように、主加工条件選択用テーブル202l(図64(c))、従加工条件選択用テーブル222d(図64(c))から、設定乱数値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを選択し、主条件カウンタ261fと従条件カウンタ262fとの値に基づいて、加工条件を選択するように構成してもよい。この場合、第8〜9及び11実施形態で説明した構成を組み合わせると良い。
次に、図103〜図107を参照して、第17実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第7実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において、大当たり遊技が開始される場合に、主制御装置110のMPU201が音声ランプ制御装置113に対して、オープニングコマンドを出力すると、主制御装置110のMPU201がRTC263より計時データを取得する。次に、音声ランプ制御装置113のMPU221がオープニングコマンドを受信したことに基づいてRTC264から計時データを取得する。オープニングコマンドを出力してから受信したと判別するまでの時間の経過により、設定乱数値の算出に利用する計時データが、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる値となってしまう範囲にある場合には、その計時データに基づいて加工条件を設定せずに、設定乱数値の算出に用いる計時データが主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じとなる範囲まで経過してから計時データをそれぞれが取得して、加工条件を選択(決定)する場合について説明した。
これに対し、本第17実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において、特殊外れコマンドの出力回数をカウントして、所定回数、特殊外れコマンドを出力したことに基づいて、RTC263から計時データを取得する。また、音声ランプ制御装置113において、特殊外れコマンドの受信回数をカウントして、所定回数、特殊外れコマンドを受信したことに基づいて、RTC264から計時データを取得する。オープニングコマンドを出力してから受信したと判別するまでの時間の経過により、設定乱数値の算出に利用する計時データが、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる値となってしまう範囲にある場合には、その計時データに基づいて加工条件を設定せずに、設定乱数値の算出に用いる計時データが主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、同じとなる範囲まで経過してから計時データをそれぞれが取得して、加工条件を選択(決定)する
即ち、第17施形態におけるパチンコ機10は、第7実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第17実施形態では、特殊外れコマンドの送受信回数が所定回数になると主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでRTC263、RTC264から計時データを取得する点で、第7施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114によって実行される各種処理については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第7実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図103は、第17実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第7実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図60参照)との相違点について説明する。
主制御装置110には、MPU201のRAM203に設けられた大当たりフラグ203k1が削除されている。主制御装置110のフラッシュメモリ261には、主回数カウント記憶エリア261iが追加されている。
主回数カウント記憶エリア261iは、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して特殊外れコマンドを出力した回数を示す主回数カウント値の記憶エリアである。主回数カウント記憶エリア261iは、主制御装置110のMPU201が実行する加工条件更新処理7(図105、S220)において、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図104)の一処理である外部出力処理(S101)により特殊外れコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力されたか判別され、出力されたと判別された場合には、主回数カウント値が主回数カウント記憶エリア261iから読み出され、その値に「+1」加算した値が従回数カウント記憶エリア261jに記憶される。また、主回数カウントの上限値は本実施形態では、「9」に設定されており、主回数カウントの値が上限値より大きい値となると(即ち、主回数カウントの値が「10」となると)、初期値である「0」にリセットされる。
音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262には、従回数カウント記憶エリア262iが追加されている。従回数カウント記憶エリア262iは、主制御装置110から出力された特殊外れコマンドを受信した回数を示す従回数カウント値を記憶するための記憶エリアである。従回数カウント記憶エリア262iは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理7(図107、S1440)において、コマンド判定処理(図28、S1214)により特殊外れコマンドを受信したと判別されたかが判別され、受信したと判別された場合には、従回数カウント値が従回数カウント記憶エリア262iから読み出され、その値に「+1」加算した値が従回数カウント記憶エリア262iに記憶される。また、従回数カウント値の上限値は本実施形態では、「9」に設定されており、従回数カウント値が上限値より大きい値となると(即ち、従回数カウントの値が「10」となると)、初期値である「0」にリセットされる。
このように、主回数カウント値と従回数カウント値とは同期して同じ値で更新される。そして、特殊外れコマンドの送受信回数が所定回数(本実施形態では、10回)となると、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とにおいて、加工条件を更新することで、タイミングを合わせて加工条件をそれぞれ更新することができる。また、特殊外れコマンドの送受信回数に基づいて加工条件を更新するタイミングを決定することで、「ぶら下げ基板」等により音声ランプ制御装置113に対して特殊外れコマンドが出力されると、主制御装置110よりも先に加工条件が音声ランプ制御装置113で更新されることとなり、「ぶら下げ基板」等により出力される特殊外れコマンドを正規の特殊外れコマンドとして認識しないようにすることができるので不正による被害を低減することができる。
図104は、第17実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第17実施形態のタイマ割込処理は、第7実施形態のタイマ割込処理(図50)に対して、S220の処理が追加されている。第17実施形態における、S101の処理は、第7実施形態のS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、第17実施形態におけるタイマ割込処理では、加工条件更新処理7(図105、S220)の処理を実行する。
図105を参照して、第17実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である加工条件更新処理7(S220)について説明する。図105は、この加工条件更新処理7(S220)を示すフローチャートである。加工条件更新処理7(図105、S220)は、加工条件設定処理1(図41、S940)で初期設定された加工条件を、主回数カウント値が設定値(本実施形態では、10)となった場合に、RTC263から計時データを取得して加工条件を選択して更新するための処理である。
加工条件更新処理7(図105、S220)では、まず、主遅延フラグ203k3がオンに設定されているか判別される(S221)。ここで、主遅延フラグ203k3は、主回数カウント値の値が設定値(本実施形態では、10)となった場合に、RTC263から取得した計時データの値の内、ミリ秒(ms)の値が所定範囲内(本実施形態では、997ms〜999ms)であった場合にオンに設定されるフラグである。即ち、主遅延フラグ203k3は、取得した計時データ所定範囲内の値であったことを示すフラグである。
主遅延フラグ203k3がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S221:No)、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図104)の一処理である外部出力処理(S101)において、特殊外れコマンドが出力されたかが判別される(S222)。特殊外れコマンドを出力したと判別された場合には(S222:Yes)、主回数カウント記憶エリア261iから主回数カウント値を読み出して、主回数カウント値に「+1」を加算して更新する(S223)。一方、特殊外れコマンドを出力していないと判別された場合には(S222:No)、この処理を終了する。
更新した主回数カウント値が上限値(本実施形態では、9)よりも大きいか(即ち、10であるか)が判別される(S224)。主回数カウント値が上限値よりも大きい(即ち、10である)と判別された場合には(S224:Yes)、主回数カウント値を初期値である「0」にリセットして、主回数カウント記憶エリア261iに記憶する(S225)。一方、主回数カウント値が上限値以下であると判別された場合には(S224:No)、この処理を終了する。
RTC263より「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得する(S226)。取得した計時データのミリ秒(ms)の値は、所定範囲(本実施形態では、997ms〜999ms)の値であるかが判別される(S227)。取得した計時データのミリ秒(ms)の値が、所定範囲の値であると判別された場合には(S227:Yes)、S226の処理で取得した計時データを計時データ1記憶エリア261dに記憶し、主遅延フラグ203k3をオンに設定する(S228)。一方、取得した計時データのミリ秒(ms)の値が、所定範囲の値でないと判別された場合には(S227:No)、後述する、S233の処理へ移行する。
主遅延フラグ203k3がオンであると判別された場合には(S221:Yes)、過去にS226で取得した計時データが、「997ms〜999ms」の範囲でであると判別されて、計時データの取得が遅延されているので、RTC263から「年・月・日・時・分・秒(s)・ミリ秒(ms)」の計時データを取得し、計時データ2記憶エリア261eに記憶する(S229)。計時データ2記憶エリア261eに記憶された計時データから計時データ1記憶エリア261dに記憶された計時データを減算し、経過時間を算出する(S230)。この経過時間は、S226の処理でRTC263から計時データが取得されてから、S229の処理でRTC263から計時データを取得するまでに経過した時間である。
その算出した経過時間が、5ms以上であるか判別される(S231)。5ms以上か判別することで、取得した「997ms〜999ms」の範囲の計時データを取得してから、RTC263の計時データのミリ秒(ms)の値は最低でも2ms以上となり、秒(s)の値へと桁上げが発生している。そのため、必ずミリ秒(ms)の値が秒(s)の値へ桁上げが発生する値として5ms以上を設定した。なお、桁上げが発生させられればよいので、3ms以上の値であれば不具合のない上限値で他の値でもよい。
その算出した経過時間が、5ms以上であると判別された場合には(S231:Yes)、主遅延フラグ203k3がオフに設定される(S232)。一方、その算出した経過時間が、5ms以上でない(5ms未満である)と判別された場合には(S231:No)、この処理を終了する。
S232の処理を実行した後、又はS227:Yesと判別された場合には、S229で取得した計時データに基づいて(S227:Noと判別された場合にはS226で取得された計時データに基づいて)、(「年」×「月」×「日」×「時」×「分」×15321+加算ID(本実施形態では、54321))÷256を算出し、その算出結果の余りの値が設定乱数値として設定(その他メモリエリア223gに記憶)される(S233)。なお、「00分」のように0のデータである場合には、その値はスキップされ、算出式から除外される。S233の処理で算出した設定乱数値に基づいて、加工条件設定テーブル202iより加工条件が選択され、加工条件設定記憶エリア261aに加工条件が記憶される(S234)。
図106は、第17実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221において実行されるメイン処理(S1200)を説明するフローチャートである。第17実施形態のメイン処理(図106、S1200)は、第7実施形態におけるメイン処理(図44、S1200)に対して、S1440の処理が追加されている。第17実施形態におけるS101の処理は、第7実施形態におけるS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、第17実施形態におけるメイン処理(図106、S1200)では、サブ加工条件更新処理7(図107、S1440)を実行する。
図107を参照して、第17実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221に実行されるメイン処理(図106、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理7(S1440)について説明する。図107は、サブ加工条件更新処理7(S1440)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理7(図107、S1440)は、サブ加工条件設定処理1(図43、S1130)で初期設定された加工条件を、従回数カウント値が設定値(本実施形態では、10)となった場合に、RTC264から計時データを取得して加工条件を選択して更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理7(図107、S1440)は、上記した加工条件更新処理7(図105、S220)に対して、S221の処理における主遅延フラグ203k3がS1441の処理における従遅延フラグ223g3に、S222の処理における特殊外れコマンドの出力がS1442の処理における特殊外れコマンドの受信に、S223〜S225までの各処理における主回数カウント値がS1443〜S1445までの各処理における従回数カウント値に、S227の処理における「997ms〜999ms」がS1447における「998ms〜999ms」に、S228の処理における計時データ1記憶エリア261dと主遅延フラグ203k3がS1448の処理における計時データ1記憶エリア262dと従遅延フラグ223g3に、S232における主遅延フラグ203k3がS1452の処理における従遅延フラグ223g3に、S234の処理が算出した設定乱数値に基づいて加工条件設定テーブル222cより加工条件を選択して従新加工条件設定記憶エリア261a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶する処理に、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
本実施形態では、主制御装置110では普通図柄の当否判定結果が特殊外れであったことを契機として生成される特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力した回数をカウントし、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力した特殊外れコマンドを受信した回数をカウントする。主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、特殊外れコマンドを送受信した回数が同じ設定値(本実施形態では、10回)となった場合に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでは加工条件を更新する。
これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、加工条件を更新するタイミングを合わせて更新することができる。さらに詳細には、主制御装置110では、特殊外れコマンドを出力したことに基づいて主回数カウント値を更新し、音声ランプ制御装置113では、特殊外れコマンドを受信したことに基づいて従回数カウント値を更新しているので、主制御装置110の方が、先に主回数カウント値が設定値となり、加工条件を更新し、音声ランプ制御装置113はその1ms後に、主制御装置110が出力した特殊外れコマンドを受信したと判別して、従回数カウント値が設定値となり、加工条件を更新する。
よって、音声ランプ制御装置113の方が主制御装置110よりも先に、加工条件を更新してしまい主制御装置110が出力する特殊外れコマンドを判別することができなくなってしまう不具合を防止することができる。
また、パチンコ機10では、「ぶら下げ基板」等により、中古のパチンコ機10等から解析した特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力される不正が行われる場合がある。このような場合には、音声ランプ制御装置113に対して、特殊外れコマンドが多回数出力される。それにより、主制御装置110では主回数カウント値が設定値に到達していない場合にも、従回数カウンタ値が設定値に到達して、音声ランプ制御装置113のみで加工条件の更新が実行される。それにより、音声ランプ制御装置113で選択される加工条件が主制御装置110で選択されている加工条件と異なるものとなると、主制御装置110から出力された特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判別処理(図46、S1220)において正規の特殊外れコマンドとは判別されず、不正受信エラーコマンドをセットする処理(図47、S1354、S1358、S1361)が実行される。
不正受信エラーコマンドにより、第3図柄表示装置(LCD)81に不正なコマンドを受信したことを示す表示態様が表示され、音声出力装置226により、不正なコマンドを受信したことを報知する音声が出力され、エラーを表す表示態様でランプ表示装置227が点灯表示される処理が実行される。これにより、遊技店は、不正が行われたことを早期に発見することができ、「ぶら下げ基板」等による不正の被害を低減させることができる。
また、「ぶら下げ基板」等により特殊外れコマンドが出力されて、加工条件が音声ランプ制御装置113のみで更新され、加工条件が変更された後も変わらず「ぶら下げ基板」等から特殊外れコマンドの出力がされると、そのコマンドをコマンド判別処理(図46、S1220)では異常なコマンドを受信したと判別して、不正受信エラーコマンドがセットされることで、第3図柄表示装置(LCD)81等により異常報知がされるので、「ぶら下げ基板」等による不正を早期に発見することができ、不正による被害を低減させることができる。
また、本実施形態では、不正受信エラーコマンドをセットしたが、それだけに限らず、異常コマンド(音声ランプ制御装置113で選択されている加工条件と異なる加工条件で加工された特殊外れコマンド)を受信した場合には、遊技動作示唆設定フラグ223fをオフに設定するように構成しても良い。このように構成することで、遊技動作示唆設定フラグ223fがオンに設定されている場合に異常コマンドを受信すると遊技動作示唆設定フラグ223fがオフに設定されることで、遊技動作示唆演出が実行されなくなり、不正による被害をさらに低減させることができる。
さらに、異常フラグを音声ランプ制御装置113のRAM223に設けて、異常コマンドを受信した場合には、異常フラグをオンに設定して、異常フラグがオンに設定されている場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図28、S1214)において、特殊外れコマンドを受信しても、遊技動作示唆抽選処理(図29(b)、S1413)を実行することを回避するように構成してもよい。このように構成することで、異常コマンドを受信した場合には、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容が初期化されるまで、異常フラグがオフに設定されず、遊技店側で、パチンコ機10の状態をチェックした後に、異常フラグをオフに設定することができる。よって、「ぶら下げ基板」等による不正が行われていた場合には、早期に発見することができ、より不正の被害を低減させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110のMPU201がRTC263から計時データを取得するタイミングと音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から計時データを取得するタイミングとは、同一に構成されてはいない。具体的には、主制御装置110のMPU201が、特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力すると、主回数カウンタ値が更新され、主回数カウンタ値が設定値(本実施形態では、10)となると、RTC263から計時データを取得する。この場合に、仮に計時データの値が「2011年8月4日21時30分59秒999ミリ秒」であったとする。すると、特殊外れコマンドが出力された1ms後に、音声ランプ制御装置113のMPU221は、特殊外れコマンドを受信したと判別して、RTC264から計時データを取得する。
よって、通常、主制御装置110のMPU201が、RTC263より計時データを取得してから、音声ランプ制御装置113のMPU221が、RTC264から計時データを取得するまでには、1ミリ秒経過しており、「2011年8月4日21時31分00秒000ミリ秒」の計時データがRTC264から取得される。よって、設定乱数値は、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでは、分以上の計時データに基づいて算出されるので、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで算出される設定乱数値が異なってしまう。
しかしながら、上述した、本第17実施形態の構成では、RTC263から取得した計時データが「2011年8月4日21時30分59秒999ミリ秒」であった場合には、S227の処理で「997ms〜999」msの範囲に該当すると判別されることから(S227:Yes)、この取得した計時データでは、設定乱数値を算出して加工条件を選択(決定)せず、5ms以上経過した後の計時データに基づいて設定乱数値が算出されて、その設定乱数値に基づいて加工条件が選択(決定)される(5ms以上計時データの取得を遅延させてからその計時データに基づいて加工条件を決定する)。
従って、5ms以上経過した後にRTC263から取得した計時データは、「2011年8月4日21時31分00秒004ミリ秒」以上となる。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221がRTC264から取得する計時データは、「2011年8月4日21時31分00秒000ミリ秒」であったので、後述する「998ms〜999ms」の範囲外となり設定乱数値を算出するのに用いられる。このように、「年・月・日・時・分」までの値は、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで同じにすることができる。
その結果、同じ設定乱数値を算出することができ、その設定乱数値に基づいて主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、同じ加工条件を選択することができる。さらに、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができるので、加工条件を示す信号が解析されることにより、その加工条件に基づいて変更して生成された特殊外れコマンドを把握されて、音声ランプ制御装置113に対して「ぶら下げ基板」等により、その特殊外れコマンドを送信される不正を抑制(防止)することができる。
また、設定乱数値の算出について、「年・月・日・時・分」までの計時データに基づいて算出を行うことで、取得した計時データの「秒(s)」単位の値が、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、ずれてしまったとしても、「分」単位までの値が同じであれば、同じ設定乱数値を算出して、同じ加工条件を選択することができ、音声ランプ制御装置113のMPU221が、特殊外れコマンドを判別できなくなるという不具合を防止することができる。
また、本実施形態では、RTC263から取得した計時データにより、設定乱数値の算出が回避されて、加工条件の選択(決定)を遅延させるのは、「ミリ秒(ms)」の値が「997ms〜999ms」の範囲とした。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力する特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113が受信したと判別してRTC264から計時データを取得するまでに主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図104)の処理実行周期(4ms間隔)と音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するサブ加工条件更新処理7(図107、S1440)の処理実行周期(1ms間隔)との時差(周期差)よりも時間を要したとしても、この範囲のずれであれば同じ設定乱数値を算出することができる。
主制御装置110が特殊外れコマンドを出力してから、音声ランプ制御装置113のMPU221は、サブ加工条件更新処理7(図107、S1440)を1ms間隔で実行している(メイン処理(図106、S1200)のS1201参照)ので、1ミリ秒後に特殊外れコマンドを受信していると判別し、RTC264から計時データを取得する。よって、主制御装置110のMPU201が、RTC263から計時データを取得してミリ秒(ms)が「997ms〜999ms」の範囲であれば、桁上げした後に(997ms〜999msの範囲の値が時間が経過して1秒以上の値に桁上された後に)RTC263から計時データを取得する。
従って、サブ加工条件更新処理7(図107、S1440)では、997msに計時データ取得タイミングのずれである1msを加算した「998ms〜999ms」の範囲にRTC264から取得した計時データのミリ秒(ms)の値が入っている場合には、5ms以上が経過した後の計時データがRTC264から取得される。
その結果、同じ設定乱数値を算出することができ、その設定乱数値に基づいて、主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とが、同じ加工条件を選択することができる。主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、選択する加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができるので、加工条件を示す信号を解析されて、変更して生成された特殊外れコマンドを把握されて、音声ランプ制御装置113に「ぶら下げ基板」等により送信される不正を抑制(防止)することができる。
また、設定乱数値の算出について、「年・月・日・時・分」までの計時データに基づいて算出を行うことで、「秒(s)」単位の値が、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、ずれてしまったとしても分単位までのデータが同じであれば、同じ設定乱数値を算出して、同じ加工条件を選択することができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU201が、特殊外れコマンドを判別できなくなるという不具合を防止することができる。
本実施形態では、桁上げされる範囲のミリ秒(ms)の値であれば、その範囲を回避するために、所定の経過時間以上、計時データを取得するのを遅延させる構成としたが、それに限るものではなく、取得した計時データが桁上げにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで設定乱数値の算出に用いる計時データの値が異なる場合には、取得した計時データに予め定められた所定値を加算して、桁上げをして計時データを補正するようにしてもよい。
また、取得した計時データが桁上げにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで設定乱数値の算出に用いる計時データの値が異なる場合には、予め定められた代替データを使用するようにしても良い。具体的には、特殊外れコマンドを主制御装置110が出力した場合に、取得した計時データが、「2011年8月4日21時30分59秒999ミリ秒」であった場合には、音声ランプ制御装置113では、「2011年8月4日21時31分00秒000ミリ秒」を取得することとなり、設定乱数値に用いる「分」の値が、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なってしまう。
このような場合には、主制御装置110のMPU201が、取得した計時データのミリ秒(ms)の値が「997ms〜999ms」の範囲であれば、代替データとして、例えば「2010年12月31日23時31分」を設定して、この値で設定乱数値を算出して、加工条件を選択する。音声ランプ制御装置113のMPU221も同様に、特殊外れコマンドを受信したことに基づいて、RTC264から取得した計時データが、「998ms〜000ms」の範囲であれば、代替データとして「2010年12月31日23時31分」を設定して、この値で設定乱数値を算出して、加工条件を選択する。
このようにすることで、正確に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、互いに加工条件を示す信号を送受信しなくとも、同じ加工条件を選択することができる。
また、代替データは、予め定められた計時データを設定するようにしたが、予め定められた加工条件(例えば、設定C)を選択するように構成しても当然よい。
また、本実施形態では、設定乱数値の算出には「分」以上の計時データを用いたが、それに限らず、「秒(s)」以上の計時データのうち、適宜、設定することができる。例えば、「時・秒(s)」の値に基づいて設定乱数値を算出してもよい。
次に、図108〜図112を参照して、第18実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において、設定時間となると、主条件カウンタ261fの値を更新して、その更新した主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laから加工条件を選択して更新する。次に、音声ランプ制御装置113のMPU221が設定時間となると従条件カウンタ262fを更新して、その更新した従条件カウンタ262fの値に基づいて従加工条件変更テーブル222daから加工条件を選択して更新する場合について説明した。
これに対し、本第18実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において、特殊外れコマンドの出力回数をカウントして、所定回数、特殊外れコマンドを出力したことに基づいて、主条件カウンタ261fの値を更新して、その更新した主条件カウンタ261fの値に基づいて主加工条件変更テーブル202laから選択して更新する。次に、音声ランプ制御装置113において、特殊外れコマンドの受信回数をカウントして、所定回数、特殊外れコマンドを受信したことに基づいて、従条件カウンタ262fの値を更新して、その更新した従条件カウンタ262fの値に基づいて従加工条件変更テーブル222daから加工条件を選択して更新する。
即ち、第18施形態におけるパチンコ機10は、第8実施形態におけるパチンコ機10と次の点で相違する。第18実施形態では、特殊外れコマンドの送受信回数が所定回数になると主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで主条件カウンタ261f、従条件カウンタ262fの値をそれぞれ更新して、その値に基づいて加工条件を選択する点で、第8施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図108は、第18実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第8実施形態における、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図(図63参照)との相違点について説明する。
主制御装置110のフラッシュメモリ261には、主回数カウント記憶エリア261iが追加されている。音声ランプ制御装置113のフラッシュメモリ262fには、従回数カウント記憶エリア262iが追加されている。主回数カウント記憶エリア261iと従回数カウント記憶エリア262iとは、第17実施形態で既に説明したものと同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
図109は、第18実施形態における、主制御装置110のMPU201で実行されるタイマ割込処理を説明するフローチャートである。第18実施形態のタイマ割込処理は、第8実施形態におけるタイマ割込処理(図65)に対して、S240の処理が追加されている。第18実施形態における、S101の処理は、第8実施形態におけるS101の処理と同一の処理が実行される。S101の処理が完了すると、第18実施形態におけるタイマ割込処理(図109)では、加工条件更新処理8(図110、S240)の処理を実行する。
図110を参照して、第18実施形態において、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図109)の一処理である加工条件更新処理8(S240)について説明する。図110は、この加工条件更新処理8(S240)を示すフローチャートである。加工条件更新処理8(図110、S240)は、加工条件設定処理2(図68、S960)で初期設定された加工条件を、主回数カウント値が設定値となった場合に、主条件カウンタ261fの値を更新して、その値に基づいて加工条件を選択して更新するための処理である。
加工条件更新処理8(図110、S240)では、まず、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図109)の一処理である外部出力処理(S101)において、特殊外れコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力されたか判別される(S241)。特殊外れコマンドが出力されたと判別された場合には(S241:Yes)、主回数カウント記憶エリア261iから主回数カウント値が読み出され、「+1」を加算して更新し、主回数カウント記憶エリア261iに記憶される(S242)。一方、特殊外れコマンドが出力されていないと判別された場合には(S241:No)、この処理を終了する。
更新した主回数カウント値が上限値(本実施形態では、9)よりも大きい(即ち、10であるか)が判別される。主回数カウント値が上限値よりも大きいと判別された場合には(S243:Yes)、主回数カウント値を初期値である「0」にリセットした値を主回数カウント記憶エリア261iに記憶させる(S244)。一方、主回数カウント値が上限値以下であると判別された場合には(S243:No)、この処理を終了する。
主条件カウンタ261fの値が読み出され、主条件カウンタ261fの値に「+1」を加算して更新された値が主条件カウンタ261fに記憶される(S245)。主条件カウンタ261fの値が上限値(本実施形態では、6)よりも大きい(即ち、7であるか)が判別される(S246)。主条件カウンタ261fの値が上限値以下であると判別された場合には(S246:No)、後述するS248の処理が実行される。一方、主条件カウンタ261fの値が上限値よりも大きい(即ち、7である)と判別された場合には(S246:Yes)、主条件カウンタ261fの値を初期値である「0」にリセットして主条件カウンタ261fに記憶させる(S247)。主条件カウンタ261fの値に基づいて主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択して、加工条件設定記憶エリア261aに記憶させる(S248)。
図111は、第18実施形態における、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(S1200)を説明するフローチャートである。第18実施形態のメイン処理(図111、S1200)は、第8実施形態のメイン処理(図71、S1200)に対して、S1460の処理が追加されている。第18実施形態におけるS1201〜S1212までの各処理は、第8実施形態におけるS1201〜S1212までの各処理と同一の処理が実行される。S1212の処理が完了すると、第18実施形態におけるメイン処理(図111、S1200)では、サブ加工条件更新処理8(図112、S1460)の処理を実行する。
図112を参照して、第18実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図111、S1200)の一処理であるサブ加工条件更新処理8(S1460)について説明する。図112は、このサブ加工条件更新処理8(S1460)を示すフローチャートである。サブ加工条件更新処理8(図112、S1460)は、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)で初期設定された加工条件を、従回数カウント値が設定値となった場合に、従条件カウンタ262fの値を更新して、その値に基づいて加工条件を選択して更新するための処理である。
サブ加工条件更新処理8(図112、S1460)では、上記した、加工条件更新処理8(図110、S240)に対して、S241の処理において特殊外れコマンドを出力がS1461の処理において特殊外れコマンドを受信に、S242〜S244までの各処理において主回数カウント値がS1462〜S1464までの各処理において従回数カウント値に、S245〜S247までの各処理において主条件カウンタ261fがS1465〜S1467までの各処理において従条件カウンタ262fに、S248の処理がS1468の処理において従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択して、従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶に、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
本実施形態では、主制御装置110では普通図柄の当否判定結果が特殊外れであったことを契機として生成される特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力した回数をカウントし、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して出力した特殊外れコマンドを受信した回数をカウントする。主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、特殊外れコマンドを送受信した回数が同じ設定値(本実施形態では、10回)となった場合に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでは加工条件を更新する。
これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで、加工条件を更新するタイミングを合わせて更新することができる。さらに詳細には、主制御装置110では、特殊外れコマンドを出力したことに基づいて主回数カウント値を更新し、音声ランプ制御装置113では、特殊外れコマンドを受信したことに基づいて従回数カウント値を更新しているので、主制御装置110の方が、先に主回数カウント値が設定値となり、加工条件を更新し、音声ランプ制御装置113はその1ms後に、主制御装置110が出力した特殊外れコマンドを受信したと判別して、従回数カウント値が設定値となり、加工条件を更新する。
よって、音声ランプ制御装置113の方が主制御装置110よりも先に、加工条件を更新してしまい主制御装置110が出力する特殊外れコマンドを判別することができなくなってしまう不具合を防止することができる。
また、パチンコ機10では、「ぶら下げ基板」等により、中古のパチンコ機10等から解析した加工条件で加工した特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力される不正が行われる場合がある。このような場合には、音声ランプ制御装置113に対して、特殊外れコマンドが多回数出力される。それにより、主制御装置110では主回数カウント値が設定値に到達していない場合にも、従回数カウンタ値が設定値に到達して、音声ランプ制御装置113のみで加工条件の更新が実行される。それにより、音声ランプ制御装置113で選択される加工条件が主制御装置110で選択されている加工条件と異なるものとなると、主制御装置110から出力された特殊外れコマンドを音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判別処理(図46、S1220)において
正規の特殊外れコマンドとは判別されず、不正受信エラーコマンドをセットする処理(図47、S1354、S1358、S1361)が実行される。
不正受信エラーコマンドにより、第3図柄表示装置(LCD)81に不正なコマンドを受信したことを示す表示態様が表示され、音声出力装置226により、不正なコマンドを受信したことを報知する音声が出力され、エラーを表す表示態様でランプ表示装置227が点灯表示される処理が実行される。これにより、遊技店は、不正が行われたことを早期に発見することができ、「ぶら下げ基板」等による不正の被害を低減させることができる。
また、「ぶら下げ基板」等により特殊外れコマンドが出力されて、加工条件が音声ランプ制御装置113のみで更新され、加工条件が変更された後も変わらず「ぶら下げ基板」等から特殊外れコマンドの出力がされると、そのコマンドをコマンド判別処理(図46、S1220)では異常なコマンドを受信したと判別して、不正受信エラーコマンドがセットされることで、第3図柄表示装置(LCD)81等により異常報知がされるので、「ぶら下げ基板」等による不正を早期に発見することができ、不正による被害を低減させることができる。
また、本実施形態では、不正受信エラーコマンドをセットしたが、それだけに限らず、異常コマンド(音声ランプ制御装置113で選択されている加工条件と異なる加工条件で加工された特殊外れコマンド)を受信した場合には、遊技動作示唆設定フラグ223fをオフに設定するように構成しても良い。このように構成することで、遊技動作示唆設定フラグ223fがオンに設定されている場合に異常コマンドを受信すると遊技動作示唆設定フラグ223fがオフに設定されることで、遊技動作示唆演出が実行されなくなり、不正による被害をさらに低減させることができる。
さらに、異常フラグを音声ランプ制御装置113のRAM223に設けて、異常コマンドを受信した場合には、異常フラグをオンに設定して、異常フラグがオンである場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図28、S1214)において、特殊外れコマンドを受信しても、遊技動作示唆抽選処理(図29(b)、S1413)を実行することを回避するように構成してもよい。このように構成することで、異常コマンドを受信した場合には、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容が初期化されるまで、異常フラグがオフに設定されず、遊技店側で、パチンコ機10の状態をチェックした後に、異常フラグをオフに設定することができる。よって、「ぶら下げ基板」等による不正が行われていた場合には、早期に発見することができ、より不正の被害を低減させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110では、主回数カウント値の値が設定値となると主条件カウンタ261fの値を「+1」して更新する。そして、更新された値に基づいて、加工条件が主加工条件変更テーブル202laから選択される。このように、特殊外れコマンドを予め設定された回数受信する毎に、主条件カウンタ261fの値が更新され、その値に基づいて加工条件が選択されることで、規則的に加工条件を更新することができる。よって、主制御装置110のMPU201が、設定乱数値等を算出する処理をすることなく加工条件を更新することができるので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。同様に、音声ランプ制御装置113でも同じ効果を奏することができる。
また、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとは、主制御装置110のMPUが実行する加工条件設定処理2(図68、S960)において、主加工条件選択用テーブル202lよりRTC263から取得した計時データに基づいて算出された設定乱数値により選択される。一方、音声ランプ制御装置113でも主制御装置110と同様に、サブ加工条件設定処理2(図70、S1140)において、従加工条件選択用テーブル222dよりRTC264から取得した計時データに基づいて算出される設定乱数値により選択される。
これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113で選択される加工条件は規則的に主条件カウンタ261f、従条件カウンタ262fにより各テーブルでそれぞれのカウンタ値に対応して設定された順に規則的に選択されても、多種多様のパターンで選択されるので、選択される加工条件を予測され、「ぶら下げ基板」等による不正が行われるのを抑制することができる。
また、主加工条件選択用テーブル202lを構成している主条件変更テーブル202laと従加工条件選択用テーブル222dを構成している従条件変更テーブル222daとの種類を多く設定することで、テーブルでカウンタ値に対応して設定された順に、規則的に加工条件が選択されても、その規則を予測されてしまう不具合を防止することができる。
また、本実施形態のように、各テーブルで更新される毎に、選択される加工条件の順序をカウンタ値に基づいて設定しておくことができるので、予め、意図的に加工条件の変更順序を設計することができ、選択される加工条件の種類が偏ってしまう等の不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、主条件カウンタ261fの値に基づいて、主加工条件変更テーブル202laより加工条件を選択し、従条件カウンタ262fの値に基づいて、従加工条件変更テーブル222daより加工条件を選択した。それに限ることなく、主加工条件変更テーブル202laと従加工条件変更テーブル222daとを構成している加工条件に予めそれぞれテーブル同士で同じ順序を付しておき、特殊外れコマンドの送受信回数が設定値となる度にその順序に従って加工条件を更新するように構成してもよい。
また、第17実施形態と第18実施形態とでは、音声ランプ制御装置113では、選択した加工条件を従新加工条件設定記憶エリア262a1と従旧加工条件設定記憶エリア262a2とに記憶し、条件変更フラグ223g1はオンに設定されない。このように構成することで、通常時は、従旧加工条件設定記憶エリア262a2に記憶された加工条件によって受信した特殊外れコマンドの判別をすることはないが、ノイズ等により、条件変更フラグ223g1がオンであると判別された場合にも、従旧加工条件設定記憶エリア262a2には従新加工条件設定記憶エリア262a1と同じ加工条件が記憶されているので、主制御装置110から受信した特殊外れコマンドを判別することができ、遊技の制御をフリーズさせてしまうような不具合を防止することができる。
また、第3〜第18の実施形態を適宜組み合わせて実施することで、それぞれの効果を組み合わせて奏することができる。例えば、第4実施形態と第5実施形態を組み合わせる等、適宜、構成することができる。
本実施形態では、パチンコ機10で説明したが、それに限るものでなく、スロットマシンであっても、本実施形態の構成を適用すれば、「ぶら下げ基板」等による不正を防止できる。具体的には、ART機やAT機と呼ばれるスロットマシンは、主制御装置110が当たり入賞役(ベル、スイカ、リプレイ)等を抽選する。当選した入賞役には、特定の遊技方法により遊技が行われた場合に、遊技者に入賞役が付与されるように遊技条件が割り付けられている。この遊技条件は、例えば、リールの停止順序等であり、主制御装置110が抽選で決定した停止順序(例えば、左リール→右リール→中リールや、中リール→右リール→左リール等)であり、3つのリールで構成されているスロットマシンであれば6通りの停止順序から一つが決定されている。この遊技条件で決定されているリールの停止順を遊技者に報知するか否かは主制御装置110では決定せず、サブ制御装置で決定される。サブ制御装置では、主制御装置110からの特殊コマンド(例えば、スイカが入賞したことを示すスイカ入賞役コマンド等)を受信すると停止順を報知(アシスト)するか否かの抽選を実行する。この特殊コマンドが本実施形態で説明した特殊外れコマンドに該当し、停止順の報知が本実施形態の遊技動作示唆演出に該当する。よって、このような、AT機、ART機と呼ばれるようなスロットマシンにおいても、本実施形態で上記したような方法で、主制御装置110がサブ制御装置に対して出力する特殊コマンドを変更するように構成することで、「ぶら下げ基板」等の不正を防止できる。
以下に、本発明のスロットマシン及び遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの従制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、その従制御手段からの指示に基づいて演出を行う演出実行手段と、を有し、入賞役に当選すると遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な入賞役遊技が実行される遊技機であって、前記主制御手段は、遊技条件の成立に基づいて前記従制御信号を生成する従制御信号生成手段と、その従制御信号生成手段により生成された前記従制御信号を前記従制御手段に出力する従制御信号出力手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別する判別手段と、その判別手段によって、前記受信した従制御信号が前記遊技条件のうちの特定の遊技条件の成立に基づいて生成された特定の従制御信号であると判別された場合に、前記入賞役遊技の実行において遊技者にとって有利となる遊技の進行を示唆する遊技動作示唆演出を実行するかを抽選する示唆演出抽選手段と、その示唆演出抽選手段によって前記遊技動作示唆演出を実行すると抽選された場合には、前記入賞役遊技において前記遊技動作示唆演出を前記演出実行手段により行わせる示唆実行手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更規則決定手段と、その変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記特定の従制御信号の生成方法を変更する変更信号生成手段と、を有し、前記主制御手段は、前記変更規則決定手段により決定された変更規則に基づく変更規則信号を前記従制御手段に出力する変更規則信号出力手段を有し、前記従制御手段の判別手段は、その変更規則信号出力手段により出力された変更規則信号に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段において、遊技条件の成立に基づいて従制御信号生成手段により従制御信号が生成され、その従制御信号が従制御信号出力手段によって従制御手段に出力される。従制御手段では、受信した従制御信号が判別手段によって判別され、その従制御信号が、遊技条件のうちの特定の遊技条件の成立に基づいて生成された特定の従制御信号であると判別されると、入賞役遊技の実行において遊技者にとって有利となる遊技動作示唆演出を実行するかが示唆演出抽選手段によって抽選される。そして、その抽選において、遊技動作示唆演出を実行すると抽選された場合には、示唆実行手段が入賞役遊技において遊技動作示唆演出を演出実行手段により行わせる。これにより、主制御手段は遊技動作示唆演出を実行するか否かの抽選処理を行わないので、主制御手段の制御負荷を軽くすることができる。一方、主制御手段の従制御信号生成手段において、複数の変更規則の中から1の変更規則が変更規則決定手段によって決定され、その決定された変更規則に基づいて、変更信号生成手段により特定の従制御信号の生成方法が変更される。この変更された生成方法に基づいて、従制御信号生成手段により特定の従制御信号が生成され、その従制御信号が従制御信号出力手段によって従制御手段に出力される。また主制御手段において、決定された変更規則に基づく変更規則信号は、変更規則信号出力手段によって従制御手段に出力される。従制御手段では、変更規則信号出力手段により出力された変更規則信号に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、決定された変更規則に基づいて生成方法が変更された特定の従制御信号が出力された場合、従制御手段の判別手段は、主制御手段の変更規則信号出力手段から出力された変更規則信号に基づいて、特定の遊技条件が成立したことを判別できる。一方、「ぶら下げ基板」等が特定の従制御信号を解析して、その解析した特定の従制御信号を不正に従制御手段に出力しても、遊技機で使用される特定の従制御信号の生成方法は変更されているので、従制御手段は「ぶら下げ基板」から出力された不正な「特定の従制御信号」を受信しても、それを正規の「特定の従制御信号」とは異なったものと判別できる。従って、不正に特定の遊技条件を成立させることを防止できるので、「ぶら下げ基板」等を用いた不正行為による被害を低減できる。
遊技機A1の遊技機において、前記主制御手段は、電源断後も記憶を保持可能で、書き込み及び読み込み可能な主特定記憶手段を有し、前記主制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行する初期制御手段と、その初期制御手段による初期処理の後に遊技処理を実行する遊技制御手段と、を有し、前記初期制御手段は、前記初期処理において、前記主特定記憶手段に変更規則を示す情報が記憶されているか判断し、記憶されていない場合に前記変更規則決定手段により変更規則を決定すると共に、その決定された変更規則を示す情報を前記主特定記憶手段に記憶させるものであり、前記変更規則信号出力手段は、前記主特定記憶手段に前記変更規則を示す情報が記憶された場合に、その変更規則に基づく変更規則信号を前記従制御手段に出力するものであり、前記従制御手段は、電源断後も記憶を保持可能で、書き込み及び読み込み可能な従特定記憶手段を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記主制御手段の変更規則信号出力手段から出力された変更規則信号を受信すると、その変更規則信号に基づく変更規則を示す情報を前記従特定記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、初期制御手段により電原投入時に遊技機の初期処理が実行され、その初期処理の後に、遊技制御手段により遊技処理が実行される。初期制御手段は、初期処理において、電断後も記憶を保持可能で書き込み及び読み込み可能な主特定記憶手段に変更規則が記憶されているか判断し、記憶されていない場合には、変更規則決定手段により変更規則を決定し、その決定した変更規則を示す情報を主特定記憶手段に記憶させる。そして、主特定記憶手段に変更規則を示す情報が記憶された場合に、その変更規則に基づく変更規則信号が変更規則信号出力手段によって従制御手段に出力される。従制御手段には、電源断後も記憶を保持可能で書き込み及び読み込み可能な従特定記憶手段が設けられており、その従制御手段が変更規則信号出力手段より出力された変更規則信号を受信すると、判別手段によって、その変更規則信号に基づく変更規則を示す情報が従特定記憶手段に記憶される。遊技機は、通常、工場出荷時において、電源が投入されて出荷検査がされる。その出荷検査で、初めて電源が投入されると初期制御手段によって変更規則の決定がなされて、主特定記憶手段にその変更規則を示す情報が記憶される。また、その決定された変更規則に基づいた変更規則信号が従制御手段に出力されて、従特定記憶手段にその変更規則を示す情報が記憶される。主特定記憶手段および従特定記憶手段は、電源断後も記憶を保持可能であるので、遊技ホールに遊技機が設置されたときには、主特定記憶手段および従特定記憶手段に変更規則を示す情報が記憶されている。よって、変更規則信号出力手段により変更規則信号を出力する必要の無い遊技機を構成できるので、「ぶら下げ基板」等による変更規則信号の解析を困難にして、「ぶら下げ基板」等による「特定の従制御信号」の把握を防止できる。
遊技機A1又はA2において、前記主制御手段は、カウント値の更新を所定の範囲で繰り返し乱数値を生成する乱数生成手段を有し、前記変更規則決定手段は、前記乱数生成手段が生成した乱数値に基づいて前記変更規則を決定することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段において、カウンタ値の更新を所定の範囲で繰り返す乱数生成手段により乱数値が生成され、その乱数生成手段で生成された乱数値に基づいて、変更規則が変更規則決定手段により決定される。このように、変更規則をランダムな乱数値により決定することで、変更規則が偏って決定されることを防止できる。よって、「ぶら下げ基板」等が「特定の従制御信号」の解析をしても、変更規則をランダムに決定することで、正規の「特定の従制御信号」もランダムに変えることができる。その結果、「ぶら下げ基板」等による不正を防止できる。
遊技機A1から遊技機A3のいずれかにおいて、前記主制御手段は、遊技機への電力供給が断された状態においても計時可能な計時手段を有し、前記変更規則決定手段は、前記計時手段から取得した値に基づいて前記変更規則を決定することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、請求項1から3に記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段において、計時手段から取得した値に基づいて、変更規則が変更規則決定手段により決定される。計時手段は、遊技機への電力供給が断された状態においても計時可能に構成される。よって、遊技機の電源を断しても計時を継続するので、遊技機の電源投入のタイミングに応じて、計時手段から日付や時間が異なったランダムな値を取得することができ、そのランダムな値を用いて変更規則を決定できる。このように、変更規則を計時手段から取得したランダムな値により決定することで、変更規則が偏って決定されることを防止できる。よって、「ぶら下げ基板」等が「特定の従制御信号」の解析をしても、変更規則をランダムに決定することで、正規の「特定の従制御信号」もランダムに変えることができる。その結果、「ぶら下げ基板」等による不正を防止できるという効果がある。なお、計時手段における日時設定を各遊技機でランダムにしておけば、各遊技機ごとに決定される変更規則を異ならせることができる。その結果、一の遊技機で「特定の従制御信号」が解析されても、他の遊技機では、それを解析できないので、多台数の遊技機に対する「ぶら下げ基板」等による不正を防止できる。
遊技機A2から遊技機A4のいずれかにおいて、初期化操作により、遊技機の状態を初期化する初期化手段を有しており、その初期化手段は、前記主特定記憶手段の前記変更規則を示す情報が記憶された領域と前記従特定記憶手段の前記変更規則信号に基づく変更規則を示す情報が記憶された領域とを保持した状態で、遊技機の状態を初期化するものであることを特徴する遊技機A5。
遊技機A5によれば、請求項2から4に記載の遊技機の奏する効果に加え、初期化操作がなされると、初期化手段によって遊技機の状態が初期化される。このとき、主特定記憶手段の変更規則を示す情報が記憶された領域と従特定記憶手段の変更規則を示す情報が記憶された領域とが保持された状態で、遊技機の状態が初期化される。よって、一度、遊技機が正常に作動して、主特定記憶手段に変更規則を示す情報が記憶され、且つ従特定記憶手段に変更規則を示す情報が記憶された場合には、それらの領域は、初期化操作がなされても、初期化されず保持される。従って、たとえ遊技機の状態が初期化されても、変更規則を示す情報を保持できるので、変更規則信号出力手段により変更規則信号が出力されないように構成できる。よって、「ぶら下げ基板」等が、変更規則信号を解析して正規の「特定の従制御信号」を把握しようとする不正を防止できる。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの従制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、その従制御手段からの指示に基づいて演出を行う演出実行手段と、を有し、入賞役に当選すると遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な入賞役遊技が実行される遊技機であって、前記主制御手段は、遊技条件の成立に基づいて前記従制御信号を生成する従制御信号生成手段と、その従制御信号生成手段により生成された前記従制御信号を前記従制御手段に出力する従制御信号出力手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別する判別手段と、その判別手段によって、前記受信した従制御信号が前記遊技条件のうちの特定の遊技条件の成立に基づいて生成された特定の従制御信号であると判別された場合に、前記入賞役遊技の実行において遊技者にとって有利となる遊技の進行を示唆する遊技動作示唆演出を実行するかを抽選する示唆演出抽選手段と、その示唆演出抽選手段によって前記遊技動作示唆演出を実行すると抽選された場合には、前記入賞役遊技において前記遊技動作示唆演出を前記演出実行手段により行わせる示唆実行手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を所定の変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記所定の変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、主制御手段において、遊技条件の成立に基づいて従制御信号生成手段により従制御信号が生成され、その従制御信号が従制御信号出力手段によって従制御手段に出力される。従制御手段では、受信した従制御信号が判別手段によって判別され、その従制御信号が、遊技条件のうちの特定の遊技条件の成立に基づいて生成された特定の従制御信号であると判別されると、入賞役遊技の実行において遊技者にとって有利となる遊技動作示唆演出を実行するかが示唆演出抽選手段によって抽選される。そして、その抽選において、遊技動作示唆演出を実行すると抽選された場合には、示唆実行手段が入賞役遊技において遊技動作示唆演出を演出実行手段により行わせる。これにより、主制御手段は遊技動作示唆演出を実行するか否かの抽選処理を行わないので、主制御手段の制御負荷を軽くすることができる。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、所定の変更規則に基づいて変更された生成方法で特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、所定の変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、所定の変更規則に基づいて変更された生成方法で従制御手段により生成された特定の従制御信号が主制御手段から従制御手段に対して出力された場合、従制御手段の判別手段は、変更された特定の従制御信号を所定の変更規則に基づいて判別した結果、特定の遊技条件が成立したことを判別できる。一方、「ぶら下げ基板」等が特定の従制御信号を解析して、その解析した特定の従制御信号を不正に従制御手段に出力しても、遊技機で使用される特定の従制御信号は変更されているので、従制御手段は「ぶら下げ基板」から出力された不正な「特定の従制御信号」を受信しても、それを正規の「特定の従制御信号」とは異なったものと判別できる。従って、不正に特定の遊技条件を成立させることを防止できるので、「ぶら下げ基板」等を用いた不正行為による被害を低減できる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主制御手段に設けられた場合には前記主計時データを補正し、前記従制御手段に設けられた場合には前記従計時データを補正する補正手段を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記主計時データ又は前記補正手段により補正された場合には主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、前記従制御手段は、前記従計時データ又は前記補正手段により補正された場合には補正後の従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段を有し、前記主変更規則決定手段と前記従変更規則決定手段とは、前記補正手段により前記主計時データと前記従計時データとの少なくとも一方が補正されることにより、同じ前記変更規則を決定するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、補正手段により主制御手段に設けられた場合には主計時データが、従制御手段に設けられた場合には従計時データが補正される。そして、主制御手段では、主計時データ又は補正手段により補正された場合には補正後の主計時データに基づいて主変更規則決定手段により複数の異なる変更規則の中から1の変更規則が決定される。従制御手段では、従計時データ又は補正手段により補正された場合には補正後の従計時データに基づいて従変更規則決定手段により複数の異なる変更規則の中から1の変更規則が決定される。これにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とでは、補正手段により主計時データと従計時データとの少なくとも一方が補正されることにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段との間で決定する変更規則を示す信号を通知しなくても同じ変更規則を決定することができる。よって、主制御手段と従制御手段との間で決定した変更規則を示す信号を通知することにより、その決定した変更規則を示す信号から、決定された変更規則が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握されて「ぶら下げ基板」等による不正に利用されることを抑制できる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主計時データ取得手段と前記従計時データ取得手段とが同じタイミングで前記主計時データと前記従計時データとをそれぞれ取得できるタイミングを判断する同期判断手段を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、前記従制御手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段を有していることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、主計時取得手段により主計時手段から主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、従計時データ取得手段により従計時手段から従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、同期判断手段により主計時データ取得手段と従計時データ取得手段とが同じタイミングで主計時データと従計時データとをそれぞれ取得するタイミングが判断される。これにより、同期判断手段が判断するタイミングで主計時データ取得手段が主計時データを取得し、従計時データ取得手段が従計時データを取得することで、同じ値の主計時データと従計時データとを取得することができる。そして、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段によりそのタイミングで取得された主計時データに基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が決定される。また、従制御手段では、従変更規則決定手段が同期判断手段により判断されたタイミングで取得された従計時データに基づいて複数の変更規則の中から1の変更規則が決定される。これにより、同じ値に基づいて、主計時データと従計時データとに基づいて、変更規則が決定されるので、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段との間で決定する変更規則を示す信号を通知しなくても同じ変更規則を決定することができる。よって、主制御手段と従制御手段との間で決定した変更規則を示す信号を通知することにより、その決定した変更規則を示す信号から、決定された変更規則が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握されて「ぶら下げ基板」等による不正に利用されることを防止できる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更契機判定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが主計時データに基づいて判定され、その変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、従変更契機判定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが従計時データに基づいて判定され、その変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。これにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とでは、同じ変更条件が成立したと判断された主計時データと従計時データとに基づいて変更規則をそれぞれ決定する。よって、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とで互いに決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも、同じ変更規則を決定することができる。従って、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を防止することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段が変更条件が成立したと判定した主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、その主変更規則決定手段が決定した変更規則を記憶させる主変更規則記憶手段と、を有し、前記従制御手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、その従変更規則決定手段が決定した変更規則が記憶される従新変更規則記憶領域と前記従新変更規則記憶領域に新たな変更規則が記憶される前に記憶されていた変更規則が記憶される従旧変更規則記憶領域とを有した従変更規則記憶手段と、を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則と前記従旧変更規則記憶領域に記憶された変更規則とのそれぞれに基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、そのどちらか一方の変更規則に基づいてその従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更契機判定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが主計時データに基づいて判定され、その変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて、主変更規則決定手段により変更規則が決定され、その決定された変更規則が主変更規則記憶手段に記憶される。そして、従制御手段では、従変更契機判定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが従計時データに基づいて判定され、その変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて、従変更規則決定手段により変更規則が決定され、その決定された変更規則が従変更規則記憶手段の従新変更規則記憶領域に記憶され、その決定された変更規則が記憶される前に記憶されていた変更規則が従変更規則記憶手段の従旧変更規則記憶領域に記憶される。従制御手段では、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則と従旧変更規則記憶領域に記憶された変更規則とのそれぞれに基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段により判別される。判別の結果、どちらか一方の変更規則に基づいてその従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主変更規則決定手段が変更規則を決定して特定の従制御信号の生成方法を決定した変更規則に基づいて変更して従制御手段に出力する。一方、従制御手段は、新たに決定した変更規則と前回決定した変更規則により特定の従制御信号を判別する。よって、主制御手段と従制御手段の制御処理タイミングの違い等から、従制御手段の従変更規則決定手段が主制御手段の主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定した場合にも、従制御手段の判別手段は、新たに決定した変更規則だけでなく前回決定した変更規則でも特定の従制御信号の判別を行うので、変更規則の決定タイミングの違いにより、特定の従制御信号を判別できないという不具合を防止することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を抑制できる。
遊技機B4において、前記従制御手段の判別手段は、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則にに基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合には、次に新たに前記従旧変更規則記憶領域に変更規則が記憶されるまで、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて前記従制御信号を判別することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、従制御手段では、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて、判別手段により主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別される。その結果、その従制御信号が特定の従制御信号と判別された場合には、次に新たに従旧変更規則記憶領域に変更規則が記憶されるまで、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて判別手段により従制御信号が判別される。これにより、主変更規則決定手段が新たな変更規則を決定して、その変更規則に基づいて特定の従制御信号の生成方法が変更されて生成された特定の従制御信号を従制御手段が受信し、その特定の従制御信号を判別した後の判別からは、新たに決定した変更規則と前回の変更規則とに基づいて判別していたものを新たに決定した変更規則に基づいて判別するように変更する。よって、従制御手段の判別手段が2つの変更規則で従制御信号を判別する期間を短くできる。従って、従制御手段の判別手段が2つの変更規則で従制御信号を判別する期間を狙って、「ぶら下げ基板」等により不正に特定の従制御信号を従制御手段に送信する不正を抑制することができる。
遊技機B4又はB5のいずれかにおいて、前記主変更契機判定手段が前記変更条件を成立したと判断する主計時データと前記従変更契機判定手段が前記変更条件を成立したと判定する従計時データとは同じ値である遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5のいずれかに奏する効果に加えて、主変更契機判定手段が変更条件を成立したと判断する主計時データと従変更契機判定手段が変更条件を成立したと判定する従計時データとは同じ値に構成されているので、同じ時間に加工条件の決定を行うことができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定した主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する主変更規則決定手段と、前記遊技条件のうち、予め設定された変更遊技条件が成立したことに基づいて、前記主変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則を正式に変更規則として決定する主変更規則設定手段と、を有し、前記従制御手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段が前記変更条件が成立したと判定した従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する従変更規則決定手段と、前記主制御手段の従制御信号出力手段が前記変更遊技条件が成立したことを契機に前記主制御手段の従制御信号生成手段が生成した変更従制御信号に基づいて前記従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則を正式に変更規則として決定する従変更規則設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更契機判定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかが主計時データに基づいて判定され、その変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて主変更規則決定手段により変更規則が変更予定用に決定される。そして、従制御手段では、従変更契機判定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかが従計時データに基づいて判定され、その変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて従変更規則決定手段により変更規則が変更予定用に決定される。遊技条件のうち、予め設定された変更遊技条件が成立したことに基づいて、主変更規則設定手段により主変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則が正式に変更規則として決定される。また、従制御手段では、従制御信号出力手段が変更遊技条件が成立したことを契機に、主制御手段の従制御信号生成手段が生成した変更従制御信号に基づいて、従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則が、従変更規則設定手段により正式に変更規則として決定される。これにより、従制御手段は、主制御手段から出力される変更従制御信号が出力されるまでは、変更予定用に決定された変更規則を、正式な変更規則として決定しない。よって、従変更規則決定手段は、主変更規則決定手段が変更予定用の変更規則を、正式な変更規則として決定するタイミングを変更従制御信号により認識することができ、主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定してしまい、主制御手段と従制御手段とで決定されている変更規則が異なってしまう不具合を防止することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を防止することができる。
遊技機B7において、前記変更遊技条件は、前記主変更規則決定手段又は前記従変更規則決定手段が前記変更規則を変更予定用に決定しているかに関わらず成立し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記主変更規則決定手段又は前記従変更規則決定手段が前記変更規則を変更予定用に決定しているかに関わらず前記変更遊技条件が成立したことに基づいて前記変更従制御信号を生成し、前記従変更規則決定手段が前記変更規則を変更予定用に決定していない場合には、前記従制御手段は、前記従制御信号出力手段が出力した変更従制御信号に基づいて予め定められた遊技の制御処理を実行する一方、前記従変更規則決定手段が前記変更規則を変更予定用に決定している場合には、前記変更予定用に決定している変更規則を正式に変更規則として決定する処理と前記予め定められた遊技の制御処理とを実行することを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変更遊技条件は、主変更規則決定手段又は従変更規則決定手段により変更規則が変更予定用に決定されているかに関わらず変更予定用に決定成立される。主制御手段では、主変更規則決定手段又は従変更規則決定手段が変更規則を変更予定用に決定しているかに関わらず変更遊技条件が成立したことに基づいて変更従制御信号が従制御信号生成手段により生成される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段が変更規則を変更予定用に決定していない場合には、従制御信号出力手段が出力した変更従制御信号に基づいて予め定められた遊技の制御が実行される一方、従変更規則決定手段が変更規則を変更予定用に決定している場合には、変更予定用に決定している変更規則が正式に変更規則として決定される処理と予め定められた遊技の制御処理とが実行される。これにより、変更従制御信号が送信されても必ず変更規則が決定されず、予め定められた遊技の制御処理が実行される。よって、変更従制御信号を契機に変更規則が正式に決定されていることが遊技機の外部から認識することを困難にすることができる。従って、変更規則を決定するための専用信号を送受信しなくても、変更規則の決定タイミングを主制御手段と従制御手段とで合わせることができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記遊技条件のうち予め変更契機に設定された変更遊技条件が成立したことを判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段が前記変更遊技条件が成立したと判定したことを契機に前記主計時データ取得手段が取得した主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号出力手段は、前記変更遊技条件の成立に基づいて前記従制御信号生成手段により生成された変更従制御信号を前記従制御手段に出力し、前記従制御手段は、その変更従制御信号を受信したことを契機に前記従計時データ取得手段が取得した従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更契機判定手段により、遊技条件のうち予め変更契機に設定された変更遊技条件が成立したと判定され、その変更遊技条件が成立したと判定されたことを契機に主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定され、従制御信号出力手段により変更遊技条件が成立したことに基づいて従制御信号生成手段により生成された変更従制御信号が従制御手段へ出力される。そして、従制御手段では、その変更従制御信号を受信したことを契機に従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。これにより、主変更規則決定手段は、変更遊技条件が成立したことに基づいて取得された主計時データにより変更規則を決定し、従変更規則決定手段は、その変更遊技条件が成立したことに基づいて生成された変更従制御信号を受信したことに基づいて取得した従計時データにより変更規則が決定される。よって、従変更規則決定手段は、主変更規則決定手段が決定するタイミングを変更従制御信号により認識することができ、主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定してしまい、主制御手段と従制御手段とで決定されている変更規則が異なってしまう不具合を防止できる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により、従制御手段に出力される不正を抑制できる。
遊技機B9において、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと前記変更従制御信号を受信したと判定されたタイミングとの時差を補正する時差補正手段を有していることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと変更従制御信号を受信したと判定されたタイミングとの時差を時差補正手段により補正する。これにより、主計時データ取得手段が変更遊技条件が成立した場合に主計時データを取得するタイミングと変更従制御信号を受信した場合に従計時データ取得手段が従計時データを取得するタイミングとをより正確に一致させることができるので、主制御手段と従制御手段とで正確に同じ変更規則を決定することができる。
遊技機B9において、前記主変更規則決定手段は、前記変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、予め定められた主代替データに基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記従変更規則決定手段は、前記変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、前記主代替データと同一の値である従代替データに基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記主回避計時データ範囲と前記従回避計時データ範囲とは、前記主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと前記従制御手段により前記変更従制御信号を受信したと判定されたタイミングとの時差により、前記主計時データが取得されてから前記従計時データが取得されるまでの間に、前記従計時データの1秒未満の値が1秒以上の値に桁上げされる範囲を含んで設定されていることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、予め定められた主代替データに基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、1秒以上の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、主代替データと同一の値である従代替データに基づいて従主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。その主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲とは、主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと従制御手段により変更従制御信号を受信したと判定されるタイミングとの時差により、主計時データが取得されてから従計時データが取得されるまでの間に、従計時データの1秒未満の値が1秒以上の値に桁上げされる範囲が含まれて設定される。これにより、主計時データが取得されるタイミングと従計時データが取得されるタイミングとの時差により1秒未満の値が1秒以上となり桁上げが発生する場合を回避して主計時データと従計時データを取得する。よって、桁上げが発生することにより主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とが決定する変更規則が異なってしまう不具合を防止することができる。
遊技機B9において、前記主変更規則決定手段は、前記変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、前記主計時手段が前記主回避計時データ範囲外の値を計時するまでの回避時間が経過したことを契機として、前記主計時データ取得手段により前記主回避計時データ範囲外の主計時データを取得して、その主計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記従変更規則決定手段は、前記変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、前記従計時手段が前記従回避計時データ範囲外の値を計時するまでの前記回避時間が経過したことを契機として、前記従計時手段から前記従計時データ取得手段により前記従回避計時データ範囲外の従計時データを取得して、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記主回避計時データ範囲と前記従回避計時データ範囲とは、前記主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと前記従制御手段により前記変更従制御信号を受信したと判定されたタイミングとの時差により、前記主計時データが取得されてから前記従計時データが取得されるまでの間に、前記従計時データの1秒未満の値が1秒以上の値に桁上げされる範囲を含んで設定されていることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、主計時手段が主回避計時データ範囲外の値を計時するまでの回避時間が経過したことを契機として、主計時データ取得手段により主回避計時データ範囲外の主計時データを取得して、その主計時データのうち1秒以上の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、1秒以上の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、従計時手段が前記従回避計時データ範囲外の値を計時するまでの回避時間が経過したことを契機として、従計時手段から従計時データ取得手段により従回避計時データ範囲外の従計時データを取得して、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて従主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。その主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲とは、主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと従制御手段により変更従制御信号を受信したと判定されるタイミングとの時差により、主計時データが取得されてから従計時データが取得されるまでの間に、従計時データの1秒未満の値が1秒以上の値に桁上げされる範囲が含まれて設定される。これにより、主計時データが取得されるタイミングと従計時データが取得されるタイミングとの時差により1秒未満の値が1秒以上となり桁上げが発生する場合を回避して主計時データと従計時データを取得する。よって、桁上げが発生することにより主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とが決定する変更規則が異なってしまう不具合を防止することができる。
遊技機B9において、前記主変更規則決定手段は、前記変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、取得した前記主計時データに回避補正データを加算して、前記主回避計時データ範囲外の補正主計時データを生成して、その補正主計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記従変更規則決定手段は、前記変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、取得した前記従計時データに前記回避補正データを加算して、前記従回避計時データ範囲外の補正従計時データを生成して、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記主回避計時データ範囲と前記従回避計時データ範囲とは、前記主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと前記従制御手段により前記変更従制御信号を受信したと判定されたタイミングとの時差により、前記主計時データが取得されてから前記従計時データが取得されるまでの間に、前記従計時データの1秒未満の値が1秒以上の値に桁上げされる範囲を含んで設定されていることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、取得した主計時データに回避補正データを加算して、主回避計時データ範囲外の補正主計時データを生成して、その補正主計時データのうち1秒以上の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更遊技条件が成立した場合に取得した主計時データのうち、1秒未満の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、1秒以上の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、取得した従計時データに回避補正データを加算して、従回避計時データ範囲外の補正従計時データを生成して、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて従主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうち、1秒未満の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうち1秒以上の値に基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。その主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲とは、主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定されたタイミングと従制御手段により変更従制御信号を受信したと判定されるタイミングとの時差により、主計時データが取得されてから従計時データが取得されるまでの間に、従計時データの1秒未満の値が1秒以上の値に桁上げされる範囲が含まれて設定される。これにより、主計時データが取得されるタイミングと従計時データが取得されるタイミングとの時差により1秒未満の値が1秒以上となり桁上げが発生する場合を回避して主計時データと従計時データを取得する。よって、桁上げが発生することにより主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とが決定する変更規則が異なってしまう不具合を防止することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行する主初期制御手段と、その主初期制御手段による初期処理の後に遊技処理を実行する主遊技制御手段と、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行する従初期制御手段と、その従初期制御手段による初期処理の後に前記従制御信号に基づいた遊技処理を実行する従遊技制御手段と、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主制御手段に設けられた場合には前記主計時データを補正し、前記従制御手段に設けられた場合には前記従計時データを補正する補正手段を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記主計時データ又は前記補正手段により補正された場合には主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、前記従制御手段は、前記従計時データ又は前記補正手段により補正された場合には補正後の従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段を有し、前記主変更規則決定手段と前記従変更規則決定手段とは、前記補正手段により前記主計時データと前記従計時データとの少なくとも一方が補正されることにより、同じ前記変更規則を決定し、前記主初期制御手段は、前記初期処理において、前記主変更規則決定手段により変更規則を設定する主変更規則設定処理を実行し、前記従初期制御手段は、前記初期処理において、前記従変更規則決定手段により変更規則を設定する従変更規則設定処理を実行することを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、電源投入時に遊技機の初期処理が主初期制御手段により実行され、その主初期制御手段による初期処理の後に遊技処理が主遊技制御手段により実行される。そして、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、電源投入時に遊技機の初期処理が従初期制御手段により実行され、その従初期制御手段による初期処理の後に前記従制御信号に基づいた遊技処理が従遊技制御手段により実行される。そして、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、補正手段により主制御手段に設けられた場合には主計時データが、従制御手段に設けられた場合には従計時データが補正される。そして、主制御手段では、主計時データ又は補正手段により補正された場合には補正後の主計時データに基づいて主変更規則決定手段により複数の異なる変更規則の中から1の変更規則が決定される。従制御手段では、従計時データ又は補正手段により補正された場合には補正後の従計時データに基づいて従変更規則決定手段により複数の異なる変更規則の中から1の変更規則が決定される。そして、主初期制御手段では、初期処理において、主変更規則決定手段により変更規則を設定する主変更規則設定処理が実行され、従初期制御手段では、初期処理において、従変更規則決定手段により変更規則を設定する従変更規則設定処理が実行される。これにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とでは、補正手段により主計時データと従計時データとの少なくとも一方が補正されることにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段との間で決定する変更規則を示す信号を通知しなくても同じ変更規則を決定して変更規則を初期処理で設定することができる。よって、初期処理で主制御手段と従制御手段との間で決定した変更規則を示す信号を通知することにより、その決定した変更規則を示す信号から、決定された変更規則が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握されて「ぶら下げ基板」等による不正に利用されることを抑制して、変更規則を設定した状態で遊技を開始することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行する主初期制御手段と、その主初期制御手段による初期処理の後に遊技処理を実行する主遊技制御手段と、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行する従初期制御手段と、その従初期制御手段による初期処理の後に前記従制御信号に基づいた遊技処理を実行する従遊技制御手段と、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主計時データ取得手段と前記従計時データ取得手段とが同じタイミングで前記主計時データと前記従計時データとをそれぞれ取得できるタイミングを判断する同期判断手段を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、前記従制御手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段を有し、前記主初期制御手段は、前記初期処理において、前記主変更規則決定手段により変更規則を設定する主変更規則設定処理を実行し、前記従初期制御手段は、前記初期処理において、前記従変更規則決定手段により変更規則を設定する従変更規則設定処理を実行することを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、電源投入時に遊技機の初期処理が主初期制御手段により実行され、その主初期制御手段による初期処理の後に遊技処理が主遊技制御手段により実行される。そして、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、主計時取得手段により主計時手段から主計時データが取得される。また、従制御手段では、電源投入時に遊技機の初期処理が従初期制御手段により実行され、その従初期制御手段による初期処理の後に前記従制御信号に基づいた遊技処理が従遊技制御手段により実行される。そして、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされ、従計時データ取得手段により従計時手段から従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、同期判断手段により主計時データ取得手段と従計時データ取得手段とが同じタイミングで主計時データと従計時データとをそれぞれ取得するタイミングが判断される。これにより、同期判断手段が判断するタイミングで主計時データ取得手段が主計時データを取得し、従計時データ取得手段が従計時データを取得することで、同じ値の主計時データと従計時データとを取得することができる。そして、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段によりそのタイミングで取得された主計時データに基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が決定される。また、従制御手段では、従変更規則決定手段が同期判断手段により判断されたタイミングで取得された従計時データに基づいて複数の変更規則の中から1の変更規則が決定される。そして、主初期制御手段では、初期処理において、主変更規則決定手段により変更規則を設定する主変更規則設定処理が実行され、従初期制御手段では、初期処理において、従変更規則決定手段により変更規則を設定する従変更規則設定処理が実行される。これにより、初期処理において同じ値に基づいて、主計時データと従計時データとに基づいて、変更規則が決定され設定されるので、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段との間で決定する変更規則を示す信号を通知しなくても同じ変更規則を決定して、設定することができる。よって、主制御手段と従制御手段との間で決定した変更規則を示す信号を通知することにより、その決定した変更規則を示す信号から、決定された変更規則が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握されて「ぶら下げ基板」等による不正に利用されることを防止して、変更規則を設定した状態で遊技を開始することができる。
遊技機B14又はB15のいずれかにおいて、前記主遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を前記主変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する主変更規則更新処理を実行し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段を有し、前記主変更規則決定手段は、前記主変更規則更新処理において、前記主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定して前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を更新し、前記従遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を前記従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する従変更規則更新処理を実行し、前記従制御手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段を有し、前記従変更規則決定手段は、前記従変更規則更新処理において、前記従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定して前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を更新するものであることを特徴とする遊技機B16。
遊技機B16によれば、遊技機B14又はB15のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、遊技処理において、主変更規則設定処理で設定された変更規則が主変更規則決定手段により決定された変更規則で更新される主変更規則更新処理が主遊技制御手段により実行される。そして、主制御手段の従制御信号生成手段では、複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが主変更契機判定手段により主計時データに基づいて判定される。主変更規則更新処理において、主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて変更規則を決定して主変更規則設定処理で設定された変更規則が更新される。一方、従制御手段では、遊技処理において、従変更規則設定処理で設定された変更規則が従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新される従変更規則更新処理が従遊技制御手段により実行される。さらに、従制御手段では、複数の変更規則の中から1の変更規則が決定される変更条件が成立したか従変更契機判定手段により判定され、従変更規則更新処理において、従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて変更規則が決定され従変更規則設定処理で設定された変更規則が従変更規則決定手段により更新される。これにより、初期処理で設定された変更規則が、変更条件が成立すると更新される。よって、主制御手段と従制御手段とは、変更条件が成立すると、計時データを取得して変更規則を決定することから、互いに決定する変更規則を示す信号等を送受信しなくとも同じ加工条件で更新することができる。従って、変更規則を示す信号を送受信することにより、その信号が解析されて、決定した変更規則が把握されることを防止することができる。
遊技機B14又はB15のいずれかにおいて、前記主遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を前記主変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する主変更規則更新処理を実行し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、前記主変更規則決定手段が決定した変更規則を記憶させる主変更規則記憶手段と、を有し、前記主変更規則設定処理において、前記主変更規則決定手段により決定された変更規則が前記主変更規則記憶手段に記憶され、前記主変更規則決定手段は、前記主変更規則更新処理において、前記主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定して、前記主変更規則設定処理で前記主変更規則記憶手段に記憶された変更規則を前記決定した変更規則に更新して前記主変更規則記憶手段に記憶させ、前記従遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を前記従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する従変更規則更新処理を実行し、前記従制御手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段と、前記従変更規則決定手段が決定した変更規則が記憶される従新変更規則記憶領域と前記従新変更規則記憶領域に新たな変更規則が記憶される前に記憶されていた変更規則が記憶される従旧変更規則記憶領域とを有した従変更規則記憶手段と、を有し、前記従変更規則設定処理において、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則が前記従新変更規則記憶領域に記憶され、前記従変更規則決定手段は、前記従変更規則更新処理において、前記従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定して、前記従変更規則設定処理で前記従新変更規則記憶領域に記憶されている変更規則と同じ変更規則を前記従旧変更規則記憶領域に記憶し、前記従変更規則設定処理で前記従新変更規則記憶手段に記憶された変更規則を前記決定した変更規則に更新して前記従新変更規則記憶領域に記憶させ、前記従制御手段の判別手段は、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則と前記従旧変更規則記憶領域に記憶された変更規則とのそれぞれに基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、そのどちらか一方の変更規則に基づいてその従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機B17。
遊技機B17によれば、遊技機B14又はB15のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、遊技処理において、主変更規則設定処理で設定された変更規則が主変更規則決定手段により決定された変更規則で更新される主変更規則更新処理が主遊技制御手段により実行される。そして、主制御手段では、複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが主変更契機判定手段により主計時データに基づいて判定され、主変更規則記憶手段に主変更規則決定手段が決定した変更規則が記憶される。主変更規則更新処理において、主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された主計時データに基づいて変更規則を決定して主変更規則設定処理で設定された変更規則が更新され主変更規則記憶手段に記憶される。一方、従制御手段では、遊技処理において、従変更規則設定処理で設定された変更規則が従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新される従変更規則更新処理が従遊技制御手段により実行される。さらに、従制御手段では、複数の変更規則の中から1の変更規則が決定される変更条件が成立したか従変更契機判定手段により判定され、従変更規則記憶手段の従新変更規則記憶領域に従変更規則決定手段が決定した変更規則が記憶され、従変更規則記憶手段の従旧変更規則記憶領域に、新たな変更規則が記憶される前の従新変更規則記憶領域に記憶されていた変更規則が記憶される。また、従変更規則設定処理において、従変更規則決定手段により決定された変更規則が従新変更規則記憶領域に記憶される。そして、従変更規則更新処理において、従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された従計時データに基づいて変更規則が決定され従変更規則設定処理で設定された変更規則が従変更規則決定手段により決定され、従変更規則設定処理で従変更規則記憶領域に記憶された変更規則と同じ変更規則が従旧変更規則記憶領域に記憶される一方、従変更規則設定処理で記憶された変更規則が決定された変更規則に更新され従新変更規則記憶領域に記憶される。そして、従制御手段では、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則と従旧変更規則記憶領域に記憶された変更規則とのそれぞれに基づいて、従制御信号を判別した結果、そのどちらか一方の変更規則に基づいてその従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段により判別される。これにより、主変更規則決定手段が変更規則を決定して特定の従制御信号の生成方法を決定した変更規則に基づいて変更して従制御手段に出力する。一方、従制御手段は、新たに決定した変更規則と前回決定した変更規則により特定の従制御信号を判別する。よって、主制御手段と従制御手段の制御処理タイミングの違い等から、従制御手段の従変更規則決定手段が主制御手段の主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定した場合にも、従制御手段の判別手段は、新たに決定した変更規則だけでなく前回決定した変更規則でも特定の従制御信号の判別を行うので、変更規則の決定タイミングの違いにより、特定の従制御信号を判別できないという変更規則を更新した場合の不具合を防止することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を抑制できる。
遊技機B14又はB15のいずれかにおいて、前記主遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を前記主変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する主変更規則更新処理を実行し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記主変更規則決定手段により複数の前記変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段が変更条件が成立したと判定したことを契機にその判定した主計時データに基づいて前記主変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則を前記遊技条件のうち、予め設定された変更遊技条件が成立したことに基づいて正式に変更規則として決定する主変更規則設定手段と、を有し、その主変更規則設定手段は、前記主変更規則更新処理において、前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を前記変更予定用に決定した変更規則に更新し、前記従遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を前記従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する従変更規則更新処理を実行し、前記従制御手段は、前記従変更規則決定手段により複数の前記変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段が変更条件を成立したと判定したことを契機としてその判定した従計時データに基づいて前記従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則を、前記主制御手段の従制御信号出力手段が前記変更遊技条件が成立したことを契機に前記主制御手段の従制御信号生成手段が生成した変更従制御信号に基づいて正式に変更規則として決定する従変更規則設定手段と、を有し、その従変更規則設定手段は、前記従変更規則更新処理において、前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を前記変更予定用に決定した変更規則に更新するものであることを特徴とする遊技機B18。
遊技機B18によれば、遊技機B14又はB15のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、遊技処理において、主変更規則設定処理で設定された変更規則が主変更規則決定手段により決定された変更規則で更新される主変更規則更新処理が主遊技制御手段により実行される。そして、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則が変更予定用に決定する変更条件が成立したかが主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて主変更契機判定手段により判定され、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されたことを契機にその判定された主計時データに基づいて主変更規則決定手段により変更予定用に決定された変更規則が、遊技条件のうち、予め設定された変更遊技条件が成立したことに基づいて、主変更規則設定手段により正式に変更規則として決定される。主変更規則設定処理で設定された変更規則は、主変更規則更新処理において、変更予定用に決定した変更規則に主変更規則決定手段により更新される。一方、従制御手段では、遊技処理において、従変更規則設定処理で設定された変更規則が従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新される従変更規則更新処理が従遊技制御手段により実行される。さらに、従制御手段では、従変更規則決定手段により複数の変更規則の中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかが従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて従変更契機判定手段により判定され、その従変更契機判定手段により変更条件が成立したことを契機にその判定された従計時データに基づいて従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則が、主制御手段の従制御信号出力手段より出力された主制御手段の従制御信号生成手段が生成した変更従制御信号に基づいて正式に変更規則として従変更規則設定手段により決定される。そして、従変更規則設定処理で設定された変更規則は、従変更規則更新処理において、従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則に更新される。これにより、初期設定された変更規則が、変更条件が成立したことに基づいて決定された変更規則により、変更従制御信号に基づいて主制御手段と従制御手段とで更新される。よって、同時期に変更従制御信号で更新タイミングをとりながら変更規則を更新することができる。従って、主制御手段と従制御手段とで、更新する変更規則を示す信号を送受信しなくても、同じ変更規則で更新することができる。その結果、更新する変更規則を示す信号から変更規則が解析されて、「ぶら下げ基板」等により解析された変更規則で加工された信号が出力される不正を抑制することができる。
遊技機B14又はB15のいずれかにおいて、前記主遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を前記主変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する主変更規則更新処理を実行し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記遊技条件のうち予め変更契機に設定された変更遊技条件が成立したことを判定する主変更契機判定手段を有し、前記主制御手段の従制御信号出力手段は、前記変更遊技条件の成立に基づいて前記従制御信号生成手段により生成された変更従制御信号を前記従制御手段に出力し、前記主変更規則決定手段は、前記主変更規則更新処理において、前記主変更契機判定手段が前記変更遊技条件が成立したと判定したことを契機に前記主計時データ取得手段が取得した主計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定して前記主変更規則設定処理で設定された変更規則を更新し、前記従遊技制御手段は、前記遊技処理において、前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を前記従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新する従変更規則更新処理を実行し、前記従変更規則決定手段は、前記従変更規則更新処理において、前記変更従制御信号を受信したことを契機に前記従計時データ取得手段が取得した従計時データに基づいて複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定して前記従変更規則設定処理で設定された変更規則を更新するものであることを特徴とする遊技機B19。
遊技機B19によれば、遊技機B14又はB15のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、遊技処理において、主変更規則設定処理で設定された変更規則が主変更規則決定手段により決定された変更規則で更新される主変更規則更新処理が主遊技制御手段により実行される。主制御手段の従制御信号生成手段では、遊技条件のうち予め変更契機に設定された変更遊技条件が成立したことが主変更契機判定手段により判定される。主制御手段では、変更遊技条件の成立に基づいて従制御信号生成手段により生成された変更従制御信号が従制御信号出力手段により従制御手段に出力される。そして、主変更規則更新処理において、主変更契機判定手段が主変更契機判定手段が変更遊技条件が成立したと判定したことを契機に主計時データ取得手段が取得した計時データに基づいて複数の変更規則の中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定され変更規則設定処理で設定された変更規則が更新される。一方、従制御手段では、遊技処理において、従変更規則設定処理で設定された変更規則が従変更規則決定手段により決定される変更規則で更新される従変更規則更新処理が従遊技制御手段により実行される。さらに、従変更規則更新処理において、変更従制御信号を受信したことを契機に従計時データ取得手段が取得した従計時データに基づいて複数の変更規則の中から1の変更規則が従変更規則決定手段により決定され従変更規則設定処理で設定された変更規則が更新される。これにより、主制御手段では、変更遊技条件が成立したことを契機に変更規則が決定され、従制御手段では、その変更遊技条件が成立したことに基づいて生成され出力されて変更従制御信号に基づいて変更規則が決定される。よって、主制御手段と従制御手段とで、決定する変更条件を示す信号を送受信しなくとも、同時期に変更規則を決定して、更新することができる。従って、変更条件を示す信号により変更規則が解析されて、「ぶら下げ基板」等により解析された変更規則で加工された信号を送信される不正を抑制することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主制御手段に設けられた場合には前記主計時データを補正し、前記従制御手段に設けられた場合には前記従計時データを補正する補正手段を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記主計時データ又は前記補正手段により補正された場合には、補正後の主計時データに基づいて、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルを、その構成する変更規則の異なる複数種類の主変更規則テーブルで構成された主変更規則テーブル群より、決定する主変更規則テーブル決定手段と、その主変更規則テーブル決定手段が決定した主変更規則テーブルから予め定められた手順に従って変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段は、前記従計時データ又は前記補正手段により補正された場合には、補正後の従計時データに基づいて、前記複数種類の主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された異なる複数種類の従変更規則テーブルで構成された従変更規則テーブル群の中から1の従変更規則テーブルを決定する従変更規則テーブル決定手段と、その従変更規則テーブル決定手段が決定した従変更規則テーブルから予め定められた手順に従って変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記補正手段は、前記主変更規則テーブル決定手段が決定する主変更規則テーブルの種類と前記従変更規則テーブル決定手段が決定する従変更規則テーブルの種類とが、同じ複数の前記変更規則で構成された種類となるように前記主計時データ又は前記従計時データの少なくとも一方を補正するものであり、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、主制御手段に設けられた場合には主計時データが、従制御手段に設けられた場合には従計時データが、補正手段により補正される。そして、主制御手段では、主計時データ又は補正手段により補正された場合には、補正後の主計時データに基づいて、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルが、その構成する変更規則の異なる複数種類の変更規則テーブルで構成された変更規則テーブル群から、主変更規則テーブル決定手段により決定される。そして、その決定された主変更規則テーブルから、予め定められた手順に従って、変更規則が主変更規則決定手段により決定される。一方、従制御手段では、従計時データ又は補正手段により補正された場合には、補正後の従計時データに基づいて、複数種類の主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された複数種類の従変更規則テーブルで構成された従変更規則テーブル群の中から1の従変更規則テーブルが、従変更規則テーブル決定手段により決定される。そして、その決定された従変更規則テーブルから、予め定められた手順に従って変更規則が従変更規則決定手段により決定される。主変更規則テーブル決定手段が決定する主変更規則テーブルの種類と従変更規則テーブル決定手段が決定する従変更規則テーブルの種類とが、同じ複数の変更規則で構成された種類となるように、主計時データ又は従計時データの少なくとも一方が、補正手段により補正される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で、特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主変更規則テーブル決定手段と従変更規則テーブル決定手段とでは、補正手段により主計時データと従計時データとの少なくとも一方が補正されることにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段との間で決定するテーブルの種類を示す信号を通知しなくても同じ複数の変更規則で構成された種類のテーブルを決定し、予め定められた手順でそのテーブルから同じ変更規則を決定することができる。よって、主制御手段と従制御手段との間で決定した変更規則テーブルや決定する変更規則を示す信号を通知することにより、その信号から、決定された変更規則が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握されて「ぶら下げ基板」等による不正に利用されることを抑制できる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主計時データ取得手段と前記従計時データ取得手段とが同期して前記主計時データと前記従計時データとをそれぞれ取得できるタイミングを判断する同期判断手段を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した主計時データに基づいて、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルを、その構成する変更規則の異なる複数種類の主変更規則テーブルで構成された主変更規則テーブル群より、決定する主変更規則テーブル決定手段と、その主変更規則テーブル決定手段が決定した主変更規則テーブルから予め定められた手順に従って変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した従計時データに基づいて、前記複数種類の主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された異なる複数種類の従変更規則テーブルで構成された従変更規則テーブル群の中から1の従変更規則テーブルを決定する従変更規則テーブル決定手段と、その従変更規則テーブル決定手段が決定した従変更規則テーブルから予め定められた手順に従って変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、主計時データ取得手段と従計時データ取得手段とが、同期して主計時データと従計時データとをそれぞれ取得するタイミングが同期判断手段により判断される。これにより、同期判断手段が同期すると判断するタイミングで、主計時データ取得手段が主計時データを、従計時データ取得手段が従計時データを、取得することで、同じ値の主計時データと従計時データとを取得することができる。そして、主制御手段の従制御信号生成手段では、同期判断手段により同期すると判断されたタイミングで取得された主計時データに基づいて、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルが、その構成する変更規則の異なる複数種類の変更規則テーブルで構成された変更規則テーブル群から、主変更規則テーブル決定手段により決定される。そして、その決定された主変更規則テーブルから、予め定められた手順に従って、変更規則が主変更規則決定手段により決定される。一方、従制御手段では、同期判断手段により判断されたタイミングで取得された従計時データに基づいて、複数種類の主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された複数種類の従変更規則テーブルで構成された従変更規則テーブル群の中から1の従変更規則テーブルが、従変更規則テーブル決定手段により決定される。そして、その決定された従変更規則テーブルから、予め定められた手順に従って変更規則が従変更規則決定手段により決定される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で、特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、同じ値の主計時データと従計時データとに基づいて、主変更規則テーブルと従変更規則テーブルとが決定されるので、主変更規則テーブル決定手段と従変更規則テーブル決定手段との間で決定するテーブルの種類を示す信号を通知しなくても同じ種類のテーブルを決定し、予め定められた手順に従って主変更規則テーブルと従変更規則テーブルとから変更規則を決定することで、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段との間で決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。よって、主制御手段と従制御手段との間で、決定した変更規則テーブルや変更規則を示す信号を通知することにより、その信号から、決定された変更規則が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握されて、「ぶら下げ基板」等による不正に利用されることを防止できる。
遊技機C1又はC2のいずれかにおいて、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、更新条件の成立に基づいてカウンタ値を更新する主条件カウンタを有し、前記主変更規則決定手段は、前記主条件カウンタの値に基づいて、前記主変更規則テーブルから1の変更規則を決定するものであり、前記従制御手段は、前記更新条件の成立に基づいてカウンタ値を前記主条件カウンタの値と同期して更新する従条件カウンタを有し、前記従変更規則決定手段は、前記従条件カウンタの値に基づいて、前記従変更規則テーブルから1の変更規則を決定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主条件カウンタにより更新条件の成立に基づいてカウンタ値が更新され、その主条件カウンタの値に基づいて主変更規則テーブルから1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。また、従制御手段では、従条件カウンタにより更新条件の成立に基づいてカウンタ値が主条件カウンタの値と同期して更新され、その従条件カウンタの値に基づいて従変更規則テーブルから1の変更規則が従変更規則決定手段により決定される。これにより、同じ主条件カウンタの値と従条件カウンタの値とに基づいて、主変更規則テーブルと従変更規則テーブルとからそれぞれ同じ変更規則を正確に決定することができる。よって、主制御手段と従制御手段とで異なる変更規則を決定してしまう不具合を防止することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、前記主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、予め定められた主選択規則に基づいて前記主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主変更規則テーブルと同一に構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて判定する従変更契機判定手段と、前記従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、前記主選択規則と同一の従選択規則に基づいて前記従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが、主計時データに基づいて、主変更契機判定手段により判定される。そして、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、主選択規則に基づいて、主変更規則テーブルの中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。一方、従制御手段では、複数の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが、従計時データに基づいて、従変更契機判定手段により判定される。そして、その従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、従変更規則テーブルの中から1の変更規則が従変更規則決定手段により決定される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で、特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とでは、同じ変更条件が成立したことに基づいて、予め定められた同じ主選択規則と従選択規則とに基づいて、主変更規則テーブルと従変更規則テーブルとから、それぞれが変更規則を決定する。よって、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とで、互いに決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも、変更条件が成立すれば、互いに同じ変更規則を決定することができる。従って、決定する変更規則を示す信号を、主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を防止することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて判定する主変更契機判定手段と、前記主変更契機判定手段が変更条件が成立したと判定した場合には、予め定められた主選択規則に基づいて、前記従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、その主変更規則決定手段が決定した変更規則を記憶させる主変更規則記憶手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを、前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて、判定する従変更契機判定手段と、前記従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、前記主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、前記従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、その従変更規則決定手段が決定した変更規則が、記憶される従新変更規則記憶領域とその従新変更規則記憶領域に新たな変更規則が記憶される前に記憶されていた変更規則が、記憶される従旧変更規則記憶領域とを有した従変更規則記憶手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則と前記従旧変更規則記憶領域に記憶された変更規則とのそれぞれに基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、そのどちらか一方の変更規則に基づいてその従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが、主計時データに基づいて、主変更契機判定手段により判定される。その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、予め定められた主選択規則に基づいて、主変更規則テーブルの中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。そして、その決定された変更規則が主変更規則記憶手段に記憶される。一方、従制御手段では、主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが、従計時データに基づいて、従変更契機判定手段により判定される。その従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、従変更規則テーブルの中から1の変更規則が従変更規則決定手段により決定される。そして、その決定された変更規則が、従変更規則記憶手段の従新変更規則記憶領域に記憶され、その決定された変更規則が記憶される前に記憶されていた変更規則が、従変更規則記憶手段の従旧変更規則記憶領域に記憶される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で、特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則と従旧変更規則記憶領域に記憶された変更規則とのそれぞれに基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段により判別される。判別の結果、どちらか一方の変更規則に基づいてその従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主変更規則決定手段が変更規則を決定して特定の従制御信号の生成方法を決定した変更規則に基づいて変更して従制御手段に出力する。一方、従制御手段は、新たに決定した変更規則と前回決定した変更規則により特定の従制御信号を判別する。よって、主制御手段と従制御手段の制御処理タイミングの違い等から、従制御手段の従変更規則決定手段が主制御手段の主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定した場合にも、従制御手段の判別手段は、新たに決定した変更規則だけでなく前回決定した変更規則でも特定の従制御信号の判別を行うので、変更規則の決定タイミングの違いにより、特定の従制御信号を判別できないという不具合を防止することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を抑制できる。
遊技機C5において、前記従制御手段の判別手段は、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合には、次に新たに前記従旧変更規則記憶領域に変更規則が記憶されるまで、前記従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて前記従制御信号を判別することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段では、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて、判別手段により主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別される。その結果、その従制御信号が特定の従制御信号と判別された場合には、次に新たに従旧変更規則記憶領域に変更規則が記憶されるまで、従新変更規則記憶領域に記憶された変更規則に基づいて判別手段により従制御信号が判別される。これにより、主変更規則決定手段が新たな変更規則を決定して、その変更規則に基づいて特定の従制御信号の生成方法が変更されて生成された特定の従制御信号を従制御手段が受信し、その特定の従制御信号を判別した後の判別からは、新たに決定した変更規則と前回の変更規則とに基づいて判別していたものを新たに決定した変更規則に基づいて判別するように変更する。よって、従制御手段の判別手段が2つの変更規則で従制御信号を判別する期間を短くできる。従って、従制御手段の判別手段が2つの変更規則で従制御信号を判別する期間を狙って、「ぶら下げ基板」等により不正に特定の従制御信号を従制御手段に送信する不正を抑制することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記遊技条件のうち予め変更契機に設定された変更遊技条件が成立したことを判定する主変更契機判定手段と、前記主変更契機判定手段が前記変更遊技条件が成立したと判定した場合には、予め定められた主選択規則に基づいて、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号出力手段は、前記変更遊技条件の成立に基づいて前記従制御信号生成手段により生成された変更従制御信号を前記従制御手段に出力するものであり、前記従制御手段は、前記変更従制御信号を受信した場合には、前記主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、前記主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段の従制御信号生成手段では、遊技条件のうち予め変更契機に設定された変更遊技条件が成立したかが、主変更契機判定手段により判定され、その主変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定された場合には、主選択規則に基づいて、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則が、主変更規則決定手段により決定される。そして、変更遊技条件が成立したことに基づいて、従制御信号生成手段により生成された変更従制御信号が、従制御手段へ従制御信号出力手段により出力される。そして、従制御手段では、その変更従制御信号を受信した場合には、主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則が、従変更規則決定手段により決定される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で、特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主変更規則決定手段は、変更遊技条件が成立したことに基づいて、主選択規則により変更規則を決定し、従変更規則決定手段でも、その変更遊技条件が成立したことに基づいて生成された変更従制御信号を受信したことに基づいて、主選択規則と同一の従選択規則により変更規則が決定される。よって、従変更規則決定手段は、主変更規則決定手段が変更規則を決定したことを、、変更従制御信号により認識することができ、主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定してしまい、主制御手段と従制御手段とで決定されている変更規則が異なってしまう期間が発生してしまう不具合を防止できる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも、同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により、従制御手段に出力される不正を抑制できる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかを、前記主計時データ取得手段により取得された主計時データに基づいて、判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、前記主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、前記主変更規則テーブルの中から1の変更規則を、変更予定用に決定する主変更規則決定手段と、前記遊技条件のうち、予め設定された変更遊技条件が成立したことに基づいて、前記主変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則を正式に変更規則として決定する主変更規則設定手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主変更規則テーブルと同一の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を変更予定用に決定する前記変更条件が成立したかを、前記従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて、判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段が前記変更条件が成立したと判定した場合には、前記主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、前記従変更規則テーブルの中から1の変更規則を、変更予定用に決定する従変更規則決定手段と、前記変更遊技条件が成立したことを契機に、前記主制御手段の従制御信号生成手段が生成した変更従制御信号を受信したことに基づいて、前記従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則を正式に変更規則として決定する従変更規則設定手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則設定手段が正式に決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則設定手段により正式に決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかが、主計時データに基づいて、主変更契機判定手段により判定される。そして、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、主選択規則に基づいて、主変更規則テーブルの中から1の変更規則が、変更予定用に主変更規則決定手段により決定される。そして、従制御手段では、主変更規則テーブルと同一に構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を変更予定用に決定する変更条件が成立したかが、従計時データに基づいて、従変更契機判定手段により判定される。そして、その従変更契機判定手段により変更遊技条件が成立したと判定された場合には、主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、従変更規則テーブルの中から1の変更規則が、変更予定用に従変更規則決定手段により決定される。これにより、主制御手段の主変更規則決定手段と従制御手段の従変更規則決定手段とが、決定した変更規則を示す信号を送受信しなくとも、同じ変更規則を変更予定用として決定することができる。次に、遊技条件のうち、予め設定された変更遊技条件が成立したことに基づいて、主変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則が、主変更規則設定手段により正式に変更規則として決定される。そして、従制御手段では、変更遊技条件が成立したことを契機に、主制御手段の従制御信号生成手段が生成した変更従制御信号を受信したことに基づいて、従変更規則決定手段が変更予定用に決定した変更規則が、従変更規則設定手段により正式に変更規則として決定される。これにより、従制御手段は、主制御手段から出力される変更従制御信号が出力されるまでは、変更予定用に決定された変更規則を、正式な変更規則として決定しない。よって、従変更規則決定手段は、主変更規則決定手段が変更予定用の変更規則を、正式な変更規則として決定するタイミングを変更従制御信号により認識することができ、主変更規則決定手段よりも先に変更規則を決定してしまい、主制御手段と従制御手段とで決定されている変更規則が異なってしまう不具合を防止することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも同じ変更規則を決定することができる。その結果、決定する変更規則を示す信号を主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を防止することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、前記入賞役の当否を判定する当否判定手段と、その当否判定手段が入賞役の当選を判定したことに基づいて、入賞役遊技を実行する入賞役遊技実行手段と、前記入賞役遊技の実行時間を計測可能な主入賞役遊技計測手段と、を有し前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記入賞役遊技実行手段による前記入賞役遊技が終了したことを契機に、前記入賞役遊技計測手段により計測された入賞役遊技の実行時間に基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、前記特定の従制御信号の生成方法をその主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記主制御手段の従制御信号出力手段は、前記入賞役遊技実行手段が前記入賞役遊技を開始することに基づいて、前記主制御手段の従制御信号生成手段が生成する入賞役遊技開始信号と、前記入賞役遊技実行手段が前記入賞役遊技を終了することに基づいて、前記主制御手段の従制御信号生成手段が生成する入賞役遊技終了信号とを従制御手段に対して出力するものであり、前記従制御手段は、前記入賞役遊技開始信号と前記入賞役遊技終了信号とから前記入賞役遊技の実行時間を計測する従入賞役遊技計測手段と、前記入賞役遊技終了信号を受信したことを契機に、前記従入賞役遊技計測手段により計測された入賞役遊技の実行時間に基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、入賞役の当否が当否判定手段により判定され、その当否判定手段により入賞役の当選が判定されたことに基づいて、入賞役遊技実行手段により入賞役遊技が実行され、その入賞役遊技の実行時間が、主入賞役遊技計測手段により計測される。そして、主制御手段の従制御信号生成手段では、入賞役遊技実行手段による入賞役遊技が終了したことを契機に、入賞役遊技計測手段により計測された入賞役遊技の実行時間に基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。また、主制御手段では、入賞役遊技実行手段が入賞役遊技を開始することに基づいて、主制御手段の従制御信号生成手段により生成される入賞役開始信号と、入賞役遊技実行手段により入賞役遊技が終了されることに基づいて、主制御手段の従制御信号生成手段により生成される入賞役遊技終了信号とが、従制御手段に対して従制御信号出力手段により出力される。そして、従制御手段では、入賞役開始信号と入賞役終了信号とから、入賞役遊技の実行時間が、従入賞役遊技計測手段により計測され、入賞役遊技終了信号を受信したことを契機に、従入賞役遊技計測手段により計測された入賞役遊技の実行時間に基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が、従変更規則決定手段により決定される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で、特定の従制御信号が生成される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、入賞役遊技の実行時間を主制御手段と従制御手段とで計測することが可能となり、その共通した入賞役遊技の実行時間の値に基づいて、同じ変更規則を決定することができる。よって、入賞役遊技の実行時間の値に基づいて、主制御手段と従制御手段とで変更規則を決定することができるので、互いに、変更規則を示す信号を送受信しなくとも、同じ変更規則を決定することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、変更規則を示す信号を通知しないので、主制御手段と従制御手段とが、それぞれ決定した変更規則が、外部から把握されることを抑制することができる。その結果、「ぶら下げ基板」等によって、把握された特定の従制御信号が、従制御手段に対して出力される不正を抑制できる。
遊技機D1において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段が計時する主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段が計時する従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主入賞役遊技計測手段は、前記入賞遊技開始信号を前記従制御手段に対して出力したことに基づいて、前記主計時手段から取得した主開始計時データと、前記入賞役遊技終了信号を前記従制御手段に対して出力したことに基づいて、前記主計時手段から取得した主終了計時データとから入賞役遊技の実行時間を算出するものであり、前記従入賞役遊技計測手段は、前記入賞役遊技開始信号を受信したことに基づいて、前記従計時手段から取得した従開始計時データと、前記入賞役遊技終了信号を受信したことに基づいて、前記従計時手段から取得した従終了計時データとから前記入賞役遊技の実行時間を算出するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時手段が計測する主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時手段が計時する従計時データが取得される。主制御手段では、入賞役遊技開始信号が従制御手段に対して出力されたことに基づいて、主計時手段から取得された主開始計時データと、入賞役遊技終了信号が従制御手段に対して出力されたことに基づいて、主計時手段から取得された主終了計時データとから入賞役遊技の実行時間が主入賞役計測手段により算出される。一方、従制御手段では、入賞役遊技開始信号を受信したことに基づいて、従計時手段から取得された従開始計時データと、入賞役遊技終了信号を受信したことに基づいて、従計時手段から取得された従終了計時データと、から入賞役遊技の実行時間が従入賞役遊技計測手段により算出される。これにより、主制御手段の主入賞役遊技計測手段と、従制御手段の従入賞役遊技計測手段とで、より正確に、入賞役遊技の実行時間を計測することができる。よって、主制御手段の主入賞役遊技計測手段と従制御手段の従入賞役遊技計測手段とが計測する、入賞役遊技の実行時間という共通の値に基づいて、主制御手段と従制御手段とで同じ変更規則を選択することができる。従って、主制御手段が出力する特定の従制御信号を正しく認識することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、予め定められた異なる複数の遊技条件の中から1の遊技条件が成立したことに基づいて、複数の前記変更規則の中からその成立した遊技条件に対応する1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、前記特定の従制御信号の生成方法をその主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、従制御手段は、前記予め定められた異なる複数の遊技条件のそれぞれに対応して、前記主制御手段の従制御信号生成手段が生成する異なる種類の遊技従制御信号のうち、その1つを受信したことに基づいて、その受信した遊技従制御信号が生成された契機となった前記遊技条件が成立した場合に、前記主変更規則決定手段が決定する変更規則と同じ変更規則を決定する従変更規則決定手段を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、予め定められた異なる複数の遊技条件の中から1の遊技条件が成立したことに基づいて、複数の変更規則の中からその成立した遊技条件に対応する1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。そして、その主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、特定の従制御信号の生成方法が変更され、その特定の従制御信号が従制御信号生成手段により生成される。また、従制御手段では、予め定められた異なる複数の遊技条件のそれぞれに対応して、主制御手段の従制御信号生成手段により、生成される異なる種類の遊技従制御信号のうち、その1つを受信したことに基づいて、その受信した遊技従制御信号が生成された契機となった遊技条件が成立した場合に、主変更規則決定手段が決定する変更規則と同じ変更規則を従変更規則決定手段により決定される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、予め定められた遊技条件が成立すると、その成立した遊技条件に対応した変更規則が、主制御手段と従制御手段とで決定される。よって、成立した遊技条件に対応した変更規則によって、主制御手段と従制御手段とで、対応する同じ変更規則をそれぞれ決定することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、正確に特定の従制御信号を判別することができる。
遊技機D3において、前記主制御手段は、判定条件条件の成立に基づいて入賞役の当否を判定する当否判定手段と、その当否判定手段が判定した当否判定結果を示す当否判定図柄が、所定の変動表示態様で変動表示された後に確定表示される表示手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、前記当否判定手段の判定結果に基づいて、前記判定図柄の変動表示態様を示す変動態様信号を生成するものであり、前記遊技従制御信号は、前記変動態様信号に該当するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、判定条件の成立に基づいて、入賞役の当否が当否判定手段により判定され、その当否判定手段が判定した判定結果を示す当否判定図柄が、表示手段に所定の変動表示態様で変動表示された後で確定表示される。当否判定手段の判定結果に基づいて、判定図柄の変動表示態様を示す変動態様信号が従制御信号生成手段により生成される。これにより、入賞役の当否が判定される毎に生成される遊技従制御信号の種類に対応して、主制御手段と従制御手段とで同じ変更規則が決定される。よって、変更規則を遊技中に判定される当否判定に基づいて決定することができ、変更規則を決定するための抽選制御処理を行う必要がなく、主制御手段と従制御手段との制御負荷を軽減させることができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機に電源が投入された電源投入回数をカウントする主電源投入カウント手段と、その主電源投入カウント手段より主電源投入カウント値を取得する主電源投入カウント値取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、遊技機に電源が投入されたことを契機として、前記主電源投入カウント手段より取得した主電源投入カウント値に基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段を有し、その主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて前記特定の従制御信号の生成方法を変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段は、遊技機に電源が投入された電源投入回数をカウントする従電源投入カウント手段と、その従電源投入カウント手段より従電源投入カウント値を取得する従電源投入カウント値取得手段と、遊技機に電源が投入されたことを契機として、前記従電源投入カウント手段より取得した従電源投入カウント値に基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別することを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、遊技機に電源が投入された電源投入回数が主電源投入カウント手段によりカウントされ、その主電源投入カウント手段より主電源投入カウント値が主電源投入カウント値取得手段により取得される。そして、遊技機に電源が投入されたことを契機として、主電源投入カウント手段より取得した主電源投入カウント値に基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定され、その主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて特定の従制御信号の生成方法が変更され、その特定の従制御信号が従制御信号生成手段により生成される。従制御手段では、遊技機に電源が投入された電源投入回数が従電源投入回数カウント手段によりカウントされ、その従電源投入カウント手段より従電源投入カウント値が従電源投入カウント値取得手段により取得される。そして、遊技機に電源が投入されたことを契機として、従電源投入カウント手段より取得した従電源投入カウント値に基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が従変更規則決定手段により決定される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、遊技機の電源投入回数を、主制御手段と従制御手段とが、それぞれカウントし、その値に基づいて同じ変更規則を決定する。よって、主制御手段と従制御手段との間で、互いに変更規則を示す信号を送受信しなくとも、同じ変更規則を決定することができる。従って、主制御手段と従制御手段との間で、変更規則を示す信号を通知しないので、主制御手段と従制御手段とが、それぞれ決定した変更規則が、外部から把握されることを抑制することができる。その結果、「ぶら下げ基板」等によって、把握された特定の従制御信号が、従制御手段に対して出力される不正を抑制できる。
遊技機E1において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主制御手段に設けられた場合には前記主計時データを前記従計時データと同じ値となるように補正し、前記従制御手段に設けられた場合には前記従計時データを前記主計時データと同じ値となるように補正する補正手段を有し、前記主変更規則決定手段は、前記主計時データと前記主電源投入カウント値又は前記補正手段により補正された場合には補正後の主計時データと前記主電源投入カウント値とに基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定するものであり、前記従変更規則決定手段は、前記従計時データと前記従電源投入カウント値又は前記補正手段により補正された場合には補正後の従計時データと前記従電源投入カウント値とに基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、主制御手段に補正手段が設けられた場合には主計時データが、従制御手段に補正手段が設けられた場合には従計時データが補正手段により補正される。そして、主制御手段では、主計時データと主電源投入カウント値と、又は補正手段により補正された場合には補正後の主計時データと主電源投入カウント値とに基づいて主変更規則決定手段により複数の異なる変更規則の中から1の変更規則が決定される。また、従制御手段では、従計時データと従電源投入カウント値と、又は補正手段により補正された場合には補正後の従計時データと従電源投入カウント値とに基づいて従変更規則決定手段により複数の異なる変更規則の中から1の変更規則が決定される。これにより、主変更規則決定手段が、主計時データと主電源投入カウント値とに基づいて変更規則を決定し、従変更規則決定手段が、従計時データと従電源投入カウント値とに基づいて主変更規則決定手段と同じ変更規則を決定する。よって、変更規則を決定するのに用いる値をより推測され難い値にすることができるので、決定される変更規則が外部から推測される不正を抑制することができる。
遊技機E1において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、前記主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、を有し、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、前記従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、を有し、前記主制御手段と前記従制御手段との少なくとも一方は、前記主計時データ取得手段と前記従計時データ取得手段とが同じタイミングで前記主計時データと前記従計時データとをそれぞれ取得できるタイミングを判断する同期判断手段を有し、前記主変更規則決定手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した主計時データと前記主電源投入カウント値とに基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定するものであり、前記従変更規則決定手段は、前記同期判断手段が判断したタイミングで取得した従計時データと前記従電源投入カウント値とに基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、主計時取得手段により主計時手段から主計時データが取得される。また、従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、従計時データ取得手段により従計時手段から従計時データが取得される。主制御手段と従制御手段との少なくとも一方では、主計時データ取得手段と従計時データ取得手段とが同じタイミングで主計時データと従計時データとをそれぞれ取得するタイミングが同期判断手段により判断される。これにより、同期判断手段が判断するタイミングで主計時データ取得手段が主計時データを取得し、従計時データ取得手段が従計時データを取得することで、同じ値の主計時データと従計時データとを取得することができる。そして、主制御手段では、同期判断手段が判断したタイミングで取得された主計時データと主電源投入カウント値とに基づいて、複数の変更規則の中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。また、従制御手段では、従変更規則決定手段が同期判断手段により判断されたタイミングで取得された従計時データと従電源投入カウント値とに基づいて複数の変更規則の中から1の変更規則が従変更規則決定手段により決定される。これにより、主変更規則決定手段が、主計時データと主電源投入カウント値とに基づいて、変更規則を決定し、従変更規則決定手段が、従計時データと従電源投入カウント値とに基づいて主変更規則決定手段が決定する加工条件と同じ加工条件を決定する。よって、変更規則を決定するのに用いる値をより複雑にすることができるので、決定される変更規則が外部から推測される不正を抑制することができる。
遊技機E1において、前記主制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行し、その初期処理の1処理として、前記主電源投入カウント手段により前記電源投入回数をカウントして、その主電源投入カウント手段から取得した主電源投入カウント値に基づいて、前記主変更規則決定手段により複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則設定処理を実行する主初期制御手段と、その主初期制御手段による初期処理の後に遊技処理を実行する主遊技制御手段と、を有し、前記従制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行し、その初期処理の1処理として、前記従電源投入カウント手段により前記電源投入回数をカウントして、その従電源投入カウント手段から取得した従電源投入カウント値に基づいて、前記従変更規則決定手段により複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則設定処理を実行する従初期制御手段と、その従初期制御手段による初期処理の後に前記従制御信号に基づいた遊技処理を実行する従遊技制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、電源投入時に実行される遊技機の初期処理の1処理として、主電源投入カウント手段により電源投入回数がカウントされ、その主電源投入カウント手段より取得した主電源投入カウント値に基づいて、主変更規則決定手段により変更規則を決定する主変更規則設定処理が主初期制御手段により実行され、その後に遊技処理が主遊技制御手段により実行される。また、従制御手段では、電源投入時に実行される遊技機の初期処理の1処理として、従電源投入カウント手段により電源投入回数がカウントされ、その従電源投入カウント手段より取得した従電源投入カウント値に基づいて、従変更規則決定手段により変更規則を決定する従変更規則設定処理が従初期制御手段により実行され、その後に、前記従制御信号に基づいた遊技処理が従遊技制御手段により実行される。これにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とでは、遊技処理が実行される前の初期処理において、電源投入回数がカウントされ、その電源投入回数に基づいて変更規則が決定がされる。よって、遊技が開始される時には、主制御手段と従制御手段とでは、すでに電源投入回数に基づいて変更規則が決定されており、変更規則を決定するタイミングの違いにより特定の従制御信号を従制御手段の判別手段が判別できないという不具合を防止することができる。従って、従制御手段の判別手段は、変更規則で生成方法が変更された特定の従制御信号を、より正確に判別することができる。
遊技機E2又は3のいずれかにおいて、前記主制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行し、その初期処理の1処理として、前記主電源投入カウント手段により前記電源投入回数をカウントして、その主電源投入カウント手段から取得した主電源投入カウント値と前記主計時手段から取得した主計時データとに基づいて前記主変更規則決定手段により複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則設定処理を実行する主初期制御手段と、その主初期制御手段による初期処理の後に遊技処理を実行する主遊技制御手段と、を有し、前記従制御手段は、電源投入時に遊技機の初期処理を実行し、その初期処理の1処理として、前記従電源投入カウント手段により前記電源投入回数をカウントして、その従電源投入カウント手段から取得した従電源投入カウント値と前記従計時手段から取得した従計時データとに基づいて、前記従変更規則決定手段により複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則設定処理を実行する従初期制御手段と、その従初期制御手段による初期処理の後に前記従制御信号に基づいた遊技処理を実行する従遊技制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E2又はE3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、電源投入時に実行される遊技機の初期処理の1処理として、主電源投入カウント手段により電源投入回数がカウントされ、その主電源投入カウント手段より取得した主電源投入カウント値と主計時手段より取得した主計時データとに基づいて、主変更規則決定手段により変更規則を決定する主変更規則設定処理が主初期制御手段により実行され、その後に遊技処理が主遊技制御手段により実行される。また、従制御手段では、電源投入時に実行される遊技機の初期処理の1処理として、従電源投入カウント手段により電源投入回数がカウントされ、その電源投入回数と従計時手段より取得した従計時データとに基づいて、従変更規則決定手段により変更規則を決定する従変更規則設定処理が従初期制御手段により実行され、その後に、前記従制御信号に基づいた遊技処理が従遊技制御手段により実行される。これにより、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とでは、遊技処理が実行される前の初期処理において、電源投入回数がカウントされ、その電源投入回数と計時データとに基づいて変更規則の決定が行われる。よって、遊技が開始される時には、主制御手段と従制御手段とでは、すでに電源投入回数と計時データとに基づいて変更規則が決定されており、変更規則を決定するタイミングの違いにより特定の従制御信号を従制御手段の判別手段が判別できないという不具合を防止することができる。従って、従制御手段の判別手段は、変更規則で生成方法が変更された特定の従制御信号を、より正確に判別することができる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、前記特定の遊技条件が成立したことに基づいてカウント値を更新する主特定カウント手段と、その主特定カウント手段からカウント値を取得する主特定カウント値取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されたことを契機として前記主計時データ取得手段によって取得された主計時データに基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、前記特定の従制御信号を受信したことに基づいてカウント値を更新する従特定カウント手段と、その従特定カウント手段からカウント値を取得する従特定カウント値取得手段と、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されたことを契機として前記従計時データ取得手段によって取得された計時データに基づいて、複数の前記変更規則の中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データが主計時データ取得手段により取得される。また、特定の従制御信号を生成する契機となる特定の遊技条件が成立したことに基づいてカウント値が主特定カウント手段により更新される。そして、主特定カウント手段のカウント値が主特定カウント値取得手段により取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが主特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて主変更契機判定手段により判定され、その変更条件が成立したと判定されたことを契機として主計時データ取得手段によって取得された主計時データに基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。ここで、主制御手段では、主変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて変更された生成方法で特定の従制御信号が従制御信号生成手段により生成される。従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされる。そして、その従計時手段から従計時データが従計時データ取得手段により取得される。また、特定の従制御信号を受信したことに基づいてカウント値が従特定カウント手段により更新される。そして、従特定カウント手段のカウント値が従特定カウント値取得手段により取得される。複数の変更規則の中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが従特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて従変更契機判定手段により判定される。そして、その変更条件が成立したと判定されたことを契機に従計時データ取得手段により取得された従計時データに基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主特定カウント手段と従特定カウント手段とのカウント値は、同期して同じ値でそれぞれ更新される。そして、そのカウント値に基づいて、主制御手段と従制御手段とでは、変更規則を決定する契機がそれぞれ判定され、変更規則を決定する契機となると、同期した主計時データと従計時データとに基づいて、変更規則をそれぞれ決定することにより同じ変更規則が主制御手段と従制御手段とでそれぞれ決定される。よって、主制御手段と従制御手段とで互いに決定する変更規則を示す信号を送受信することなく同じ変更規則を決定することができる。従って、変更規則を示す信号を送受信しないので、その信号から決定した変更規則が把握されてしまう不正を抑制することができる。その結果、「ぶら下げ基板」等により特定の従制御信号が従制御手段に対して出力される不正を防止することができる。また、仮に「ぶら下げ基板」等により正規の特定の従制御信号が従制御信号に対して不正に出力される不正が行われても、従制御手段では、特定の従制御信号を受信したことに基づいてカウント値を更新して、そのカウント値に基づいて変更規則を決定(更新)する契機を決定しているので、従制御手段では変更規則が変更され、「ぶら下げ基板」等による不正の被害を低減させることができる。
遊技機F1において、前記主変更規則決定手段は、前記変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、予め定められた主代替データに基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記従変更規則決定手段は、前記変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、前記主代替データと同一の値である従代替データに基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記主回避計時データ範囲と前記従回避計時データ範囲とは、前記主変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定されたタイミングと前記従変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定されたタイミングとの差により、前記主計時データが取得されてから前記従計時データが取得されるまでの間に、前記従計時データのうちの第1所定部分の値が第2所定部分の値に桁上げされる範囲を含んで設定されていることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、予め定められた主代替データに基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、主代替データと同一の値である従代替データに基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。その主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲とは、主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されたタイミングと従制御手段により変更条件が成立したと判定されたタイミングとの差により、主計時データが取得されてから従計時データが取得されるまでの間に、従計時データのうちの第1所定部分の値が第2所定部分の値に桁上げされる範囲が含まれて設定される。これにより、主計時データが取得されるタイミングと従計時データが取得されるタイミングとの差によりの第1所定部分の値が第2所定部分となり桁上げが発生する場合には、主代替データとその主代替データと同一の従代替データにより変更規則がそれぞれ決定される。よって、桁上げが発生することにより主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とがそれぞれ決定する変更規則が異なってしまう不具合を防止することができるという効果がある。なお、主計時データまたは従計時データのうちの第1所定部分の値としては、それらのデータのうちの1秒未満の値を、主計時データまたは従計時データのうちの第2所定部分の値としては、それらのデータのうちの1秒以上の値を、それぞれ例示できる。また、第1所定部分の値としては、それらのデータのうちの10秒未満の値を、第2所定部分の値としては、それらのデータのうちの10秒以上の値を、それぞれ例示できる。
遊技機F1において、前記主変更規則決定手段は、前記変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、前記主計時手段が前記主回避計時データ範囲外の値を計時するまでの回避時間が経過したことを契機として、前記主計時データ取得手段により前記主回避計時データ範囲外の主計時データを取得して、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記従変更規則決定手段は、前記変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、前記従計時手段が前記従回避計時データ範囲外の値を計時するまでの前記回避時間が経過したことを契機として、前記従計時手段から前記従計時データ取得手段により前記従回避計時データ範囲外の従計時データを取得して、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記主回避計時データ範囲と前記従回避計時データ範囲とは、前記主変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定されたタイミングと前記従変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定されたタイミングとの差により、前記主計時データが取得されてから前記従計時データが取得されるまでの間に、前記従計時データのうちの第1所定部分の値が第2所定部分の値に桁上げされる範囲を含んで設定されていることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、主計時手段が主回避計時データ範囲外の値を計時するまでの回避時間が経過したことを契機として、主計時データ取得手段により主回避計時データ範囲外の主計時データを取得して、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、従計時手段が前記従回避計時データ範囲外の値を計時するまでの回避時間が経過したことを契機として、従計時手段から従計時データ取得手段により従回避計時データ範囲外の従計時データを取得して、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて従主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更従制御信号を受信した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。その主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲とは、主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されたタイミングと従制御手段により変更従制御信号を受信したと判定されるタイミングとの差により、主計時データが取得されてから従計時データが取得されるまでの間に、従計時データのうちの第1所定部分の値が第2所定部分の値に桁上げされる範囲が含まれて設定される。これにより、主計時データが取得されるタイミングと従計時データが取得されるタイミングとの差により第1所定部分の値が第2所定部分となり桁上げが発生する場合を回避して主計時データと従計時データを取得する。よって、桁上げが発生することにより主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とが決定する変更規則が異なってしまう不具合を防止することができるという効果がある。なお、第1の所定部分、第2の所定部分としては遊技機F2の効果において例示したものと同一のものが、それぞれ例示できる。
遊技機F1において、前記主変更規則決定手段は、前記変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、取得した前記主計時データに回避補正データを加算して、前記主回避計時データ範囲外の補正主計時データを生成して、その補正主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が前記主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうち、第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記従変更規則決定手段は、前記変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて前記変更規則を決定することを回避し、取得した前記従計時データに前記回避補正データを加算して、前記従回避計時データ範囲外の補正従計時データを生成して、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定する一方、前記変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて前記変更規則を決定し、前記主回避計時データ範囲と前記従回避計時データ範囲とは、前記主変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定されたタイミングと前記変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定されたタイミングとの差により、前記主計時データが取得されてから前記従計時データが取得されるまでの間に、前記従計時データのうちの第1所定部分の値が第2所定部分の値に桁上げされる範囲を含んで設定されていることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲の値である場合には、その主計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、取得した主計時データに回避補正データを加算して、主回避計時データ範囲外の補正主計時データを生成して、その補正主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更条件が成立した場合に取得した主計時データのうちの第1所定部分の値が主回避計時データ範囲外の値である場合には、その主計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて主変更規則決定手段により変更規則が決定される。そして、従制御手段では、変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲の値である場合には、その従計時データに基づいて変更規則を決定することを回避し、取得した従計時データに回避補正データを加算して、従回避計時データ範囲外の補正従計時データを生成して、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて従主変更規則決定手段により変更規則が決定される一方、変更条件が成立した場合に取得した従計時データのうちの第1所定部分の値が従回避計時データ範囲外の値である場合には、その従計時データのうちの第2所定部分の値に基づいて従変更規則決定手段により変更規則が決定される。その主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲とは、主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されたタイミングと従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定されるタイミングとの差により、主計時データが取得されてから従計時データが取得されるまでの間に、従計時データのうちの第1所定部分の値が第2所定部分の値に桁上げされる範囲が含まれて設定される。これにより、主計時データが取得されるタイミングと従計時データが取得されるタイミングとの差により第1所定部分の値が第2所定部分の値となり桁上げが発生する場合には、取得した計時データに回避補正データを加算することで、主回避計時データ範囲と従回避計時データ範囲との範囲外となるようにそれぞれ補正して、その補正した計時データに基づいて変更規則をそれぞれ決定する。よって、桁上げが発生することにより主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とが決定する変更規則が異なってしまう不具合を防止することができるという効果がある。なお、第1の所定部分、第2の所定部分としては遊技機F2の効果において例示したものと同一のものが、それぞれ例示できる。
遊技機A6において、前記主制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な主計時手段と、その主計時手段から主計時データを取得する主計時データ取得手段と、前記特定の従制御信号を生成する契機となる特定の遊技条件が成立したことに基づいてカウント値を更新する主特定カウント手段と、その主特定カウント手段からカウント値を取得する主特定カウント値取得手段と、を有し、前記主制御手段の従制御信号生成手段は、複数の前記変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかを前記主特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて判定する主変更契機判定手段と、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、予め定められた主選択規則に基づいて、前記主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する主変更規則決定手段と、を有し、前記特定の従制御信号の生成方法を前記主変更規則決定手段が決定した変更規則に基づいて変更して、その特定の従制御信号を生成するものであり、前記従制御手段は、遊技機の電力供給が断された状態でも計時可能な前記主計時手段と同期した従計時手段と、その従計時手段から従計時データを取得する従計時データ取得手段と、前記特定の従制御信号を受信したことに基づいてカウント値を更新する従特定カウント手段と、その従特定カウント手段からカウント値を取得する従特定カウント値取得手段と、前記主変更規則テーブルと同一に構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する前記変更条件が成立したかを前記従特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて判定する従変更契機判定手段と、その従変更契機判定手段により前記変更条件が成立したと判定された場合には、前記主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、前記従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する従変更規則決定手段と、を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、前記主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号を判別した結果、その従制御信号が前記特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、主計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも計時がされる。そして、その主計時手段から主計時データ取得手段により主計時データが取得される。また、特定の従制御信号を生成する契機となる特定の遊技条件が成立したことに基づいてカウント値が主特定カウント手段により更新される。そして、主特定カウント手段のカウント値が主特定カウント値取得手段により取得される。主制御手段の従制御信号生成手段では、複数の変更規則で構成された主変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが主特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて主変更契機判定手段により判定され、その主変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、予め定められた主選択規則に基づいて、主変更規則テーブルの中から1の変更規則が主変更規則決定手段により決定される。ここで、主制御手段の従制御信号生成手段では、所定の変更規則に基づいて変更された生成方法で特定の従制御信号が生成される。従制御手段では、従計時手段により遊技機の電力供給が断された状態でも主計時手段と同期して計時がされ、その従計時手段から従計時データ取得手段により従計時データが取得される。また、特定の従制御信号を受信したことに基づいてカウント値が従特定カウント手段により更新される。そして、従特定カウント手段のカウント値が従特定カウント値取得手段により取得される。従制御手段では、複数の変更規則で構成された従変更規則テーブルの中から1の変更規則を決定する変更条件が成立したかが、従特定カウント値取得手段により取得されたカウント値に基づいて従変更契機判定手段により判定される。そして、その従変更契機判定手段により変更条件が成立したと判定された場合には、主選択規則と同一の従選択規則に基づいて、従変更規則テーブルの中から1の変更規則が従変更規則決定手段により決定される。そして、従制御手段では、従変更規則決定手段により決定された変更規則に基づいて、主制御手段の従制御信号出力手段により出力された従制御信号が判別手段によって判別される。判別の結果、その従制御信号が特定の従制御信号となった場合に、特定の遊技条件が成立したものと判別手段によって判別される。これにより、主特定カウント手段と従特定カウント手段とのカウント値は、同期して同じ値でそれぞれ更新される。そして、そのカウント値に基づいて、主制御手段と従制御手段とでは、変更規則を決定する契機である変更条件が成立したかがそれぞれ判定される。主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とは、同じ変更条件が成立したことに基づいて、予め定められた同じ主選択規則と従選択規則とに基づいて、主変更規則テーブルと従変更規則テーブルとから、それぞれが変更規則を決定する。よって、主変更規則決定手段と従変更規則決定手段とで、互いに決定する変更規則を示す信号を通知しなくとも、変更条件が成立すれば、互いに同じ変更規則を決定することができる。従って、決定する変更規則を示す信号を、主制御手段と従制御手段との間で通知することにより、その信号が解析されて、正規の特定の従制御信号が把握され、「ぶら下げ基板」等により従制御手段に出力される不正を防止することができる。また、仮に「ぶら下げ基板」等により正規の特定の従制御信号が従制御信号に対して不正に出力される不正が行われても、従制御手段では、特定の従制御信号を受信したことに基づいてカウント値を更新して、そのカウント値に基づいて変更規則を決定(更新)する契機を決定している。よって、従制御手段では、変更規則を決定する契機となり変更規則を変更することで、「ぶら下げ基板」等による不正の被害を低減させることができるという効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記従制御手段は、遊技者に所定の報知態様で遊技の情報を報知可能な報知手段を有し、前記従制御手段の判別手段は、前記従変更規則決定手段で決定された変更規則と異なる変更規則で生成方法を変更して生成された前記特定の従制御信号を受信したと判別した場合には、異常を示す報知態様を前記報知手段により報知することを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段では、遊技者に所定の報知態様で遊技の情報が報知手段により報知される。そして、従変更規則決定手段で決定された変更規則と異なる変更規則で生成方法を変更して生成された特定の従制御信号を受信したと判別手段が判別した場合には、異常を示す報知態様が報知手段により報知される。これにより、「ぶら下げ基板」等により特定の従制御信号が不正に従制御手段に対して出力されることにより、従制御手段で主制御手段よりも先に変更条件が成立して、従変更規則決定手段により変更規則が決定され、異なる変更規則に更新された場合には、主制御手段から送信される特定の従制御信号を受信すると従制御手段の判別手段により異常を示す報知態様が報知手段より報知される。よって、「ぶら下げ基板」等による不正行為が行われたことを、遊技店が早期に認識することができる。従って、「ぶら下げ基板」等による不正の被害を低減することができるという効果がある。
遊技機A1からA6、B1からB19、C1からC8、D1からD4、E1からE5、F1からF6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA6、B1からB19、C1からC8、D1からD4、E1からE5、F1からF6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA6、B1からB19、C1からC8、D1からD4、E1からE5、F1からF6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。