JP2013128511A - 床置き型x線防護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線を用いる装置、例えば医用の血管造影装置やX線CT装置等を使用して術を施す術者の放射線被曝を効果的に防止するための防護装置を提供すること。
【解決手段】立っている人の周りを囲む形状で、その後部もしくは側部の一部が開放された囲い枠と、該囲い枠を所定の高さに保持する複数の支柱と、前記囲い枠の外周に沿って垂下させて設けられる防護シートとを備えている床置き型X線防護装置。前記支柱の下端部位置に移動用の車輪を設けておくのが好ましく、さらに複数の支柱と防護シートで囲まれた空間内に折り畳み式の椅子を設けておくのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線を用いる装置、例えば医用の血管造影装置やX線CT装置等を使用して術を施す術者の放射線被曝を防止するための防護装置に関するものである。
X線装置は医学の分野を含む種々の分野で使用されている。例えば、血管造影装置は、回転移動可能なC形のアーム(Cアームという)の一方の端部にX線管球を取付け、他方の端部に検出器を取り付けたもので、Cアームを所望の位置に移動し、造影剤を注入した被検者の検査部位を挟むようにCアームを移動して、X線を照射しつつ、対象となる被検部位の映像を得る装置である。また、X線CT装置は、ベッドに寝た被検者の体軸を中心としてX線管とX線検出器を対向させて配置し、両者を円周方向に回転させながらX線管からX線を放射し、円周方向に配置した複数個のX線検出器で人体を透過したX線を検知して、コンピュータによる画像処理により所望の断面画像を得る装置である。
従来、血管造影は、超音波やCT、MRI等の画像診断装置を用いても診断が困難な症例に対し、造影剤とカテーテルを用いて疾患を診断する検査手段であったが、近来、各種デバイスを使用することにより、この検査技術を用いた様々なカテーテル治療が、手術に代わる低侵襲治療として広く普及している。
一方、上記血管造影装置やX線CT装置の欠点として、放射線(X線)による被曝の危険性が挙げられる。特にカテーテル操作や穿刺等を行う術者は、頻繁にX線の散乱する位
置に立ち入らねばならないので、防護に対する配慮がきわめて重要である。このため、従来からX線装置用防護手段が種々考案されている。例えば、放射線を遮断する機能を有する含鉛ガラス、含鉛樹脂、含鉛クロス等を用いた防護衝立や防護服、防護手袋等が実用されている。
血管造影装置を用いるカテーテル操作において、術者は患者の主として右足近くに立ちながらカテーテル操作を行うのが一般的で、重力の下側に配置されているX線管球から患者を挟んで重力の上側方向に配置されている検出器にX線が放出されるため、管球からの直接線及び患者からの散乱線により、術者の身体、特に骨盤を含む下半身の被曝に注意してカテーテル操作を行うことが必要である。
また、X線CT透視による穿刺等を行う場合は、穿刺針を保持したホルダを人手で掴んでガントリの開口部内で操作しなければならないので、術者はできるだけガントリの開口部に接近して術を施す必要がある。これらの場合、術者が手袋等で防護していても、X線管球やガントリ開口部から放射されるX線に被曝するおそれがあるので、術者は防護服を身につけて作業を行っている。しかしながら、防護服は鉛を含んでいるため重く、長時間着用していると疲労が大きいという問題点があった。
なお、X線管球やガントリ開口部からのX線の散乱による被爆を防ぐ手段として、図10に示すような防護板Pを3次元的に移動可能にアームAで支持したものが採用されている。この防護板を支持するアームAは、Cアームやガントリが自走式の場合は天井に設けたレールに取り付けられ、Cアームやガントリの移動方向に応じて、所定の方向に移動可能となっていることが多い。CTがテーブルスライド式の場合は、このようなアーム自体の前後方向の移動は不要である。また、この防護板Pは、一隅が湾状に切り欠かれていて、この部分が患者の体表やガントリ開口部に沿うように保持した状態で、術者が腕を前に出してカテーテル操作を行うか、或いは、ガントリ開口内に挿入することが一般的である。
しかしながら、上記防護板Pは、上記切り欠き部分を除いて全体が角型の平板であるから、X線CT透視による穿刺等を行う場合は、ガントリの表面等と干渉し、開口部の内側に近づけることができず、術者の身体と穿刺位置との距離を短くすることができなかった。このため、穿刺針等の操作が困難となっていた。また、上記切り欠き部分以外の隙間からX線が漏出するという問題点もあった。
なお、参考までに挙げれば、血管造影装置としては特許文献1に記載のものがあり、X線CT装置としては例えば下記特許文献2に記載のものがある。
特開2004―81569号公報
特開平8−321995号公報
本発明は、上記事情に鑑み、X線を用いる血管造影、カテーテルインターベンション、血管内治療や穿刺等の術において、術者が所望の位置に近づくことができ、しかも散乱する放射線を効果的に防護可能な可動式の防護装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、請求項1に記載の本発明に係る床置き型X線防護装置は、立っている人の周りを囲む形状で、その後部もしくは側部の一部が開放された囲い枠と、該囲い枠を所定の高さに保持する複数の支柱と、前記囲い枠の外周に沿って垂下させて設けられる防護シートとを備えていることを特徴とするものである。また、請求項2に記載の防護装置は、前記支柱の下端部に移動用の車輪が設けられているものである。
また、請求項3に記載の床置き型X線防護装置は、上記請求項1又は2に記載の防護装置であって、前記囲い枠が、防護シートを挿入できる間隔をおいて配置された上下一対のフレームを備え、該上下一対のフレームが所定間隔で配置された連結ロッドで互いに連結一体化されているものである。
つぎに、請求項4に記載の床置き型X線防護装置は、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の防護装置であって、前記防護シートが着脱可能となっているものである。さらに、請求項5に記載の床置き型X線防護装置は、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の防護装置であって、前記防護シートが複数枚で人の周りを囲むように形成され、各防護シートは、上部が上記連結ロッドの間隔に適合する幅を持ち、下部はそれよりも広い幅を持ち、かつ、連結ロッドの間隔部に挿入した上部を下向きに折り曲げて、下部側の面に固定することにより上部フレームに取り付けられるものである。
また、請求項6に記載の床置き型X線防護装置は、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の防護装置であって、複数の支柱と防護シートで囲まれた空間内に椅子が設けられているものである。
さらに、請求項7に記載の床置き型X線防護装置は、前記請求項6に記載の防護装置であって、前記椅子が、前記支柱に取り付けられたアームによって支持され、該アームを上下方向に回動させることにより着座面が前記支柱に沿うように折り畳み可能であるとともに、着座面が水平状態となる使用時には、水平面内で前後左右に移動可能であり、かつ着座面が垂直軸回りに回転可能に支持されているものである。
本発明に係る床置き型X線防護装置は、後部もしくは側部の一部が開放された囲い枠と、該囲い枠を所定の高さに保持する複数の支柱と、前記囲い枠の外周に沿って垂下させて設けられる防護シートとを備えているので、術者は開放部から囲い枠の中に入り込んで、X線装置の近くの所望の位置まで移動することができる。請求項2に記載のように下端部に車輪を設けておけば、移動に便利である。
上記囲い枠の高さは、術者が患者の右足近傍や血管穿刺部位近傍でカテーテル操作を行うことができるか、もしくは術者が腕を載せてガントリ開口部内へ挿入できる高さであり、その高さまでは防護シートによって防護されるので、該防護シートよりも上側の身体部分だけを何らかの手段で防護すればよい。このため、重い防護被覆を着用する必要がなくなり、術者の身体的負担を低減することができる。また、垂下させた防護シートは、術者の膝や手が押しても適当にしなるため、膝の抵抗感や圧迫感を感じず、快適に作業を行うことができる。
請求項3に記載のように、囲い枠を、防護シートを挿入できる間隔をおいて配置された上下一対のフレームを備え、該上下一対のフレームが所定間隔で配置された連結ロッドにより互いに連結一体化されているものとすれば、構造的に安定するのみならず、防護シートをその隙間に挿入し、下フレームに巻き付けるようにして下側の防護シートの裏面に固定するだけで該防護シートを取り付けることができるので、防護シートの保持が容易である。また、請求項4に記載のように、防護シートを着脱可能としておけば、防護シートの交換が可能となり、しかも囲い枠や支柱のメンテナンスも容易となる。
さらに、請求項5に記載のように、前記防護シートを複数枚で人の周りを囲むように形成し、各防護シートは、上部が上記連結ロッドの間隔に適合する幅を持ち、下部はそれよりも広い幅を持つものとすれば、各防護シートの製作や着脱が容易である。
また、請求項6に記載のように、複数の支柱と防護シートで囲まれた空間内に椅子を設けておけば、術者が座って作業を行うことができるので、術者の疲労は軽減される。さらに、請求項7に記載のように、前記椅子が、前記支柱に取り付けられたアームによって支持され、該アームを上下方向に回動させることにより着座面が前記支柱に沿うように折り畳み可能であるとともに、着座面が水平状態となる使用時には、水平面内で前後左右に移動可能であり、かつ着座面が垂直軸回りに回転可能に支持されているものとすれば、術者の移動の邪魔にならず、しかも術者の作業が楽に行えるようになるので好ましい。
本発明の実施形態を表す斜視図である。 その骨組み構造を表す斜視図である。 防護シートの正面図(a)及び断面図(b)である。 椅子の使用状態(a)及び折り畳み状態(b)を表す側面図である。 上記と異なる実施形態を表す外観図である。 異なる実施形態を表す囲い枠の平面図であり、(a)は上記実施形態を、(b)はさらに異なる実施形態を表す。 血管造影装置を用いる術に使用する説明図である。 CT装置を用いる術に使用する説明図である。 X線を利用する装置の1例として、従来のX線CT装置の概要を表わす断面図(a)及び正面図(b)である。 従来の防護板の外観図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて具体的に説明する。図1及び図2は、本発明に係る床置き型X線防護装置(以下、単に「防護装置」と略称することもある)を表すもので、この防護装置10は、可動式の防護装置として形成され、囲いフレーム11と防護シート12と、複数の支柱13を備え、これらで本体の骨組みを構成している。
囲いフレーム11は、図示例では上フレーム11aと下フレーム11bからなる二重構造であり、上下両フレームが適当間隔で配置された複数の連結ロッド11cによって所定の隙間15をあけて結合されている。隙間15は、防護シート12を挿入できる大きさであり、好ましくは、隙間15の大きさは10mm程度である。
囲いフレームの平面形状11は、後部が開放された湾曲形状であり、その先端部16は、CT装置に使用する場合は、ガントリの開口部に部分的に嵌まり込めるような丸みを帯びた形状である。図6は囲いフレーム11の平面形状をあらわすもので、同図(a)に示すような後部が開放された形状でもよく、場合によっては同図(b)に示すような側部が開放された形状としてもよい。囲いフレーム11は、必要な強度が得られ、しかも作業上支障がない程度に開口の面積が維持できるような大きさとすればよい。また、囲いフレームの先端部16の突出量Tは、例えば350〜450mm(好ましくは400mm)程度とすればよい。
囲いフレーム11を構成する上フレーム11aは、硬質の芯材をスポンジ等のクッション材で包んだものが好ましい。このようにしておくと、術者が肘を載せたときにやわらかい感触を受け、快適かつ楽に術を施すことができる。上フレーム11aの芯材としては、放射線を遮断する機能を有する材料、例えば含鉛樹脂(アクリル)等の材質で作られたものを使用するのが好ましい。
上フレーム11aの寸法は、例えば幅Wが35〜45mm、厚みtが25〜35mm程度とすればよい。なお、上フレームには血液が飛び散ることがあるので、拭き取り易いように滑らかな黒皮等の表皮材料で被覆しておくのが好ましい。図示例では、上フレーム11aの先端部形状が湾曲状の滑らかな曲線となっているので、飛散した血液が付着しても拭き取り易いという利点がある。
上フレーム11aの外面側には、前記隙間15を覆うように垂下する防護シート片16がほぼ全周にわたって設けられている。この防護シート片16は、前記隙間15から漏出する放射線を防護するためのもので、放射線防護機能を有する防護クロス等の材料で作られている。防護シート12の取り付けに際して該防護シート12を隙間15に挿入するときは、この防護シート片16を捲り上げて挿入すればよい。
囲いフレーム11は、複数の支柱13によって所定高さに支持される。図示例では、支柱13として、下フレームに固着された4本のメイン支柱13aと、2本の補助支柱1bが設けられている。メイン支柱13aは上部が二重管構造となっており、セットボルト14を緩めることによって高さ調節可能となっている。
左右それぞれの側の前後のメイン支柱13aは、上下2本の横フレーム17によって互いに連結されており、前記補助支柱13bは、これら上下2本の横フレーム17、18に固着されている。左右の下側の横フレーム18の前後位置(前記メイン支柱13aの下端部)には、移動用の車輪(キャスター)20がそれぞれ取り付けられている。なお、床置き型の防護装置でも車輪を設けなくても持ち運びできればよい場合もある。上記支柱13と横フレーム17、18は、金属管で構成されていて、軽量であるが、高強度となっている。図中の21は、補強材である。
左右いずれかの補助支柱13bには椅子25が取り付けられている。すなわち、図4に示すように、補助支柱13bに支持用のブラケット26が軸回りに回転可能に設けられ、該ブラケットにアーム27が上下回動可能に取り付けられている。アーム27は、所定長さの範囲で伸縮可能であり、かつ水平状態から垂直状態まで回動可能である。
このアームの先端部にはスリーブ28が固着されており、このスリーブ28に椅子25の裏面に突設した軸29が回転自在に取り付けられている。椅子25は、不使用時には図4(b)に示すように補助支柱(13b)に沿わせて邪魔にならないように保持(図示を省略したフック等の保持手段で倒れないように保持)することができ、使用時には、同図4(a)に示すように水平状態として使用できる。
この椅子の使用時には、アーム27を水平面内で回動させることにより、椅子25を水平面内で横方向に移動でき、かつアーム27を伸縮することにより、前後位置も調節可能である。さらに、椅子25は軸29周りに回転自在であるので、術者は最適な位置に座って術を施すことができる。なお、このような椅子を設けず、外から適当な椅子を持ち込んで使用してもよい。
防護シート12は、プロテクターであり、放射線を遮断する機能を有する柔軟なシート材、例えば含鉛クロスで形成されている。鉛当量は、効率よく放射線を防護でき、また、重量面から考えたときにスムーズで楽に術者が持ち運ぶためには、適当なものを採用すればよく、0.25mmPb乃至0.5mmPb程度のものが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば1mmPb程度でもよい。防護シート12の厚みは、数ミリメートルで比較的薄めのものが好ましいが、これに限定されない。さらに、清潔性に関しては、上から適切な滅菌された清潔なビニールを被せるだけで担保される。
この防護シート12は、図3に示すように、上部12aの幅が狭く、下部12bの幅がそれよりも広い段状に形成されている。防護シート12の幅の狭い上部12aは、上フレーム11aと下フレーム11bの隙間15に挿入される部分で、該隙間15に挿入したのち下向きに折り返して幅の広い下部12bの裏面に固定するようになっている。図3(b)はこの固定状態を表わす。幅の狭い上部の幅は、前記連結ロッド11cの間隔とほぼ同じであるが、下部12bは幅が広いので、囲いフレーム11に取り付けた時、隣の防護シート12と部分的もしくは全体的に重なり合うようになっていて、この点でも放射線の漏出は抑制される。図示例では、上部と下部を固定する固定手段として、面ファスナー23が採用されているが、ボタン、スナップファスナー等、他の固定手段を利用してもよい。
なお、防護装置10の全体形状は、平面視で楕円形や折り曲げ式(少なくとも2個所以上で折り曲げる形状)としてもよい。防護装置10のサイズは、術者の体格に合わせて、既存の防護服と同様に、S,M,L,LL等の区分を設けておいてもよい。
つぎに、図5は上記と異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、防護シート12が1枚のシートとして形成され、その上縁に沿って適当間隔で設けられた穴35を囲いフレーム11の外面に設けた突起37に嵌合して吊り下げるようになっている。この場合は、強度的な問題がなければ、囲いフレーム11は二重構造としなくてもよい。このように、防護シート12を1枚で構成すれば、メンテナンスや洗濯等が容易であるが、複数枚を並べて一部もしくは全体が重なり合うように取り付けてもよい。この図示例では、下端部に囲いフレーム11と同形の下部フレーム11‘が設けられ、両者が支柱で結合されているが、骨組みの構造は上記実施形態と同じでもよく、他の適当な形状・構造でもよい。
また、防護シート12の取り付けは、このような穴35と突起37を設ける代わりに、他の適当な手段で防護シートを囲いフレーム11に固定してもよく、上記と異なる方法、例えば一対の枠体で防護シート12の上縁部を挟んで締め付ける方法等で取り付けるようにしてもよい。なお、防護シート12は、囲いフレーム11に固着してもよく、着脱可能に取り付けてもよい。さらに、該防護シートよりも上側の身体部分の被曝を防止したいときに、カテーテル操作等において両手を近づけたり交差したりといった作業をしない場合を含め、術に支障のない場合には、クッション性のない金属フレームに2〜4個ほどの小さな穴を設けておき、そこに複数の突起を設けた適切な防護具を複数個差し込む形として、追加の防護具あるいはフレーム自体が取り外し可能な形状や材質を選択してもよい。
図7は、血管造影装置を用いて術を施す例を表すもので、この血管造影装置は、ベッド50とCアーム51を備えた公知の装置である。この血管造影装置を用いる場合は、被検者Mをベッド50に載せ、Cアーム51を回転移動させて、X線管球52と検出器53を被検者Mの診断及び治療部位に位置させる。この状態で術者はフットスイッチ30を操作して透視を行い、モニタで観察しながら、被検者の部位が最適位置となるように調節したのち、血管塞栓術や血管拡張術、ステント留置術、穿刺等の術を施す。
次に、X線CT装置を用いて穿刺等の術を施す場合について説明する。図9は公知のX線CT装置の概要を表すもので、このX線CT装置は、ガントリ1とベッド2を備えている。ベッド2は高さ調節可能であり、上面に前後動可能なスライド式の天板3が設けられており、この上に被検者Mを載せてガントリ1の開口部5に送り込むことができる。
ガントリ1には円筒状の開口部5が設けられ、その内部には、X線ビームを放射するX線管球6と、X線検出素子を備えた検出器7が被検者Mの体軸を挟むように対向配置されている。これらX線管球6と検出器7は、図示を省略した回転枠に取り付けられていて、制御装置により所定の速度で回転しつつX線の放射と検出を行い、画像処理装置により、付属のディスプレイに画像を表示するようになっている。X線管6と検出器7を取り付けた回転枠は、図7の矢印方向にチルト可能である。
このCT装置を用いて穿刺等の術を施す場合は、図8に示すように、被検者Mをベッドの天板3に載せ、該被検者の患部(もしくは検査部位)がX線管球と検出器との間に位置するようにガントリ内へ送り込む。しかる後、防護装置10内に入った術者が当該防護装置とともにガントリ開口部5に斜め側方から接近し、穿刺針20等の必要な器具を保持したホルダ22を握った腕を防護装置10の上部フレーム11a上に載せた状態でガントリ開口部5内に挿入し、X線を患部に照射しながら必要な術を施す。このとき、付属のディスプレイ(図示を省略)にはリアルタイムで患部の画像が表示されるので、それを見ながら術を施せばよい。図中の30はX線照射用のフットスイッチである。
X線照射中は、血管造影装置の場合は、X線が下から上に向かって放射され、その周囲に散乱し、CT装置ではガントリ開口部5から放射線が散乱する。いずれの場合も放射線が外部へ散乱するが、術者が防護装置10内に入っていれば、防護シート12によって身体の下部が覆われるので、この部分が被曝する恐れはない。このため、防護シート12よりも上側に露出する身体部分だけを必要な防護手段、防護材料で作られた、帽子、手袋、顔面防護具、首巻防護具、上半身防護衣、ハンドプロテクター、眼鏡等の防護手段によって防護すればよい。身体の大部分は防護シート12によって防護されるので、この部分は重い防護クロス等で防護する必要がなく、その分だけ身軽に術を施すことができ、術者の疲労が少なくてすむ。したがって、従来の重い防護服を着用するよりも楽に作業を行うことができるのである。
本防護装置10を使用すれば、主に放射線科が行う肝臓癌に対する動脈塞栓術や、胆道治療、ドレナージ等のIVR治療以外にも、主に循環器科が行う心臓カテーテル検査や各種インターベンション、主に消化器内科が行うERCPや、消化管のポリーブ切除術等のX線透視下で行う内視鏡治療を行う場合、さらには看護師等、術者以外の者がX線装置室内で患者のケアを行ったり、治療経過記録を記載する等の術者をサポートしたりする際にも被曝を気にすることなく移動や作業ができ、安心で便利である。
また、何らかの理由で、継続的な立位が困難な術者が術を行う際にも、本防護装置を使用すれば、防護服を着用せず、坐って検査や治療を行うことができる。さらに、整形外科や血管外科等の手術室で行う清潔区域での観血的治療の際にもX線透視を使用しながら行うことも多いが、同様に安心して術を施行できるので、極めて便利である。
なお、以上の説明では、この床置き型防護装置10を車輪20を備えた可動式防護装置として説明したが、場合によっては車輪を設けなくてもよい。車輪を備えない床置き型の防護装置を移動させる場合は、これを手で抱えるか、台車等に載せて移動させればよい。重量が大きい場合は、クレーンで吊り上げたり、可動式アームに接続したりして移動させることもできる。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る防護装置は、血管造影装置を用いる血管造影、カテーテルインターベーション、血管内治療等やX線CT装置を用いる穿刺等の術に際し、術者がX線による被曝を効果的に防止できるものとなった。この防護装置を、他の放射線発生装置に関連する作業に使用できることは言うまでもない。
1 ガントリ
2 ベッド
3 天板
5 開口部
6 X線管
7 検出器
10 防護装置
11 囲いフレーム
12 防護シート
13 支柱
16 防護シート片
20 車輪
25 椅子
30 フットスイッチ
50 ベッド
51 Cアーム

Claims (7)

  1. 立っている人の周りを囲む形状で、その後部もしくは側部の一部が開放された囲い枠と、該囲い枠を所定の高さに保持する複数の支柱と、前記囲い枠の外周に沿って垂下させて設けられる防護シートとを備えていることを特徴とする床置き型X線防護装置。
  2. 前記支柱の下端部位置に移動用の車輪が設けられている請求項1に記載の床置き型X線防護装置。
  3. 前記囲い枠が、防護シートを挿入できる間隔をおいて配置された上下一対のフレームを備え、該上下一対のフレームが所定間隔で配置された連結ロッドで互いに連結一体化されている請求項1又は2に記載の床置き型X線防護装置。
  4. 防護シートが着脱可能である請求項1又は2に記載の床置き型X線防護装置。
  5. 防護シートは、複数枚で人の周りを囲むように形成され、各防護シートは、上部が上記連結ロッドの間隔に適合する幅を持ち、下部はそれよりも広い幅を持ち、かつ、連結ロッドの間隔部に挿入した上部を下向きに折り曲げて、下部側の面に固定することにより上部フレームに取り付けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の床置き型X線防護装置。
  6. 複数の支柱と防護シートで囲まれた空間内に椅子が設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の床置き型X線防護装置。
  7. 椅子は、前記支柱に取り付けられたアームによって支持され、該アームを上下方向に回動させることにより着座面が前記支柱に沿うように折り畳み可能であるとともに、着座面が水平状態となる使用時には、水平面内で前後左右に移動可能であり、かつ着座面が垂直軸回りに回転可能に支持されている請求項6に記載の床置き型X線防護装置。
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