JP2013126269A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小石や泥水等の異物に対する電力ケーブルの耐久性を高めたインホイールモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】インホイールモータ駆動装置21は、モータ部Aと、モータ部Aに駆動される車輪ハブ部Cと、モータ部Aの外郭をなすケーシング22と、ケーシング22に設けられてモータ部Aの金属端子を包囲する端子ボックス61と、端子ボックス61からケーシング22の外部へ延びる電力ケーブル62を途中で係止する係止部66と、端子ボックス61と係止部66の間に位置してケーシング22の外部に露出する電力ケーブルの露出部分62sに異物が衝突することを防止する異物遮蔽部材65とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、車輪のロードホイール内に配置されるインホイールモータ駆動装置に関し、特に端子ボックスから延びる電力ケーブルの保護に関する。
インホイールモータ駆動装置は、車輪のロードホイール内に配置されて、車輪を直接駆動する。したがってインホイールモータ駆動装置は、車体に直接取り付けられるのではなく、懸架装置を介して車体と連結する。そして車両の走行中に懸架装置が路面の凹凸段差を吸収する際、車体からみてインホイールモータ駆動装置は上下に変位する。
インホイールモータ駆動装置は、車体に配置されるインバータあるいは電力源と、可撓性を有する電力ケーブルを介して接続する。上述のようにインホイールモータ駆動装置は上下に変位するため、インホイールモータ駆動装置と電力ケーブルとの接続箇所には、曲げ、引っ張り、圧縮といった外力が繰り返し作用する他、振動が作用する。そこで、かかる外力および振動に対する防護を目的として、例えば、特開2009−219271号公報(特許文献1)に記載のごとき構造が知られている。特許文献1に記載の構造は、モータ部を保持するケーシングに、電力ケーブルの先端部分と接続する端子ボックスと、電力ケーブルの中途部分を係止する係止部を設けるというものである。
特開2009−219271号公報
しかし、上記従来のようなインホイールモータ駆動装置にあっては、更に改善すべき点があることを本発明者は見出した。つまり、インホイールモータ駆動装置は車体の床下に配置されるため、路面に近い位置で車外に晒されており、路面から小石が飛来したり、泥や水を被ったりする。
また端子ボックスから車体まで延びる電力ケーブルも、インホイールモータ駆動装置の外部に露出するため、路面から小石が飛来したり、泥や水を被ったりする。ところが、電力ケーブルのうち端子ボックスと係止部の間の露出部分は、係止部によって屈曲を規制されることから、小石などの異物の衝撃に対して脆弱である。また、長尺な電力ケーブルに小石や水などの異物が衝突する頻度は、車体側よりも端子ボックス側の方が多くなる。
本発明は、上述の実情に鑑み、小石や泥水等の異物に対する電力ケーブルの耐久性を高める技術を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置は、モータと、モータに駆動される車輪ハブと、モータを収容するケーシングと、ケーシングに設けられてモータの金属端子を包囲する端子ボックスと、端子ボックスからケーシングの外部へ延びる電力ケーブルを途中で係止する係止部と、端子ボックスと係止部の間に位置してケーシングの外部に露出する電力ケーブルの露出部分に異物が衝突することを防止する異物遮蔽部材とを備える。
かかる本発明によれば、電力ケーブルの露出部分を飛来する異物の衝突に対して保護する異物遮蔽部材を備えることから、端子ボックスと電力ケーブルとの接続箇所に小石や泥や水等の異物が衝突し難くなる。したがって、電力ケーブルの耐久性を高めることができる。電力ケーブルは1本であってもよいし、複数本であってもよい。
異物遮蔽部材の取付方法および設置場所は特に限定されない。異物遮蔽部材は端子ボックスに取り付けられてもよいし、ケーシングに取り付けられてもよいし、係止部に取り付けられてもよい。また係止部は電力ケーブルの途中部分をケーシングに対し固定したり、移動し難いよう保持したりするものであればよく、係止部の取付方法および設置場所は特に限定されない。係止部はケーシングに取り付けられてもよいし、異物遮蔽部材に取り付けられてもよい。
ここで好ましくは、異物遮蔽部材は、根元部および先端部を有し、根元部で端子ボックスに固定され、先端部で係止部を支持する。かかる実施形態によれば、係止部はケーシングから離隔した位置で異物遮蔽部材に取り付けられ、異物遮蔽部材は電力ケーブルの露出部分に沿って延びることから、飛来する異物を電力ケーブルの露出部分に衝突しないよう好適に遮蔽することができる。
好ましい実施形態として、車輪ハブの軸線に関して、車輪ハブはケーシングの軸線方向一方端に配置され、端子ボックスは、ケーシングの軸線方向他方側端面に配置される。かかる実施形態によれば、車輪から離れた位置に端子ボックスを配置することから、端子ボックスと電力ケーブルとの接続箇所に小石や泥水等の異物が益々衝突し難くなる。なお、他の実施形態として、軸線を包囲するケーシングの外周面に端子ボックスを配設してもよい。あるいは減速機構に近いケーシングの部位に端子ボックスを配設してもよい。
本発明の一実施形態として、ケーシングの軸線方向他方側端面は、水平に延びる軸線と交差して上下方向に延びる仮想直線を境界として、車輪ハブが前進回転するとき前方となる前方領域と、後方となる後方領域を有する。そして、端子ボックスは後方領域に配設される。また、異物遮蔽部材は端子ボックスから前方に向かって延び、ケーシングの軸線方向他方側端面と対向する板材であり、ケーシングの軸線方向他方側端面と異物遮蔽部材との間に電力ケーブルの露出部分が配置される。かかる実施形態によれば、電力ケーブルの露出部分がケーシングの軸線方向他方側端面と異物遮蔽部材の間に配置されることから、電力ケーブルの露出部分に小石や泥水等の異物が益々衝突し難くなる。また電力ケーブルは後方領域に配設された端子ボックスから前方に向かって延びることから、後方から前方へ向かって飛来する小石や泥水等の異物が電力ケーブルの露出部分に衝突することを防止することができる。
本発明の好ましい実施形態として、異物遮蔽部材は、係止部からケーシングの軸線方向他方側端面に向かって突出するようさらに延びて前面および後面を有し、後面で電力ケーブルの露出部分と向き合う異物遮蔽部材延設壁部を含む。かかる実施形態によれば、前方から後方へ向かって飛来する小石や泥水等の異物が電力ケーブルの露出部分に衝突し難くなる。
本発明の他の実施形態として、ケーシングの軸線方向他方側端面は、水平に延びる軸線と交差して上下方向に延びる仮想直線を境界として、車輪ハブが前進回転するとき前方となる前方領域と、後方となる後方領域を有する。そして、端子ボックスは、前方領域に配設される。また、電力ケーブルは、端子ボックスから軸線方向他方側へ延び、異物遮蔽部材は、端子ボックスから軸線方向他方側へ延びて前面および後面を有する板材であり、後面で電力ケーブルの露出部分と向き合う。かかる実施形態によれば、前方から後方へ向かって飛来する小石や泥水等の異物が電力ケーブルの露出部分に衝突することを防止することができる。また端子ボックスが前方領域に配設されることから、後方から前方へ向かって飛来する小石や泥水等の異物が電力ケーブルの露出部分に衝突することを軽減することができる。
あるいはさらに他の実施形態として、異物遮蔽部材を板材以外の形状、例えば半割管や四角筒や、その他の管のような形状としてもよい。
本発明の好ましい実施形態として、異物遮蔽部材は、端子ボックスを閉塞する端子ボックス蓋部と一体に形成される。かかる実施形態によれば、部品点数および組立工数を減らすことができる。あるいは他の実施形態として、端子ボックス蓋部と異物遮蔽部材とを別々に形成してボルト等の連結具で両者を連結してもよい。
本発明の他の実施形態として、係止部は、弾性部材を介して電力ケーブルを途中で係止してもよい。かかる実施形態によれば、異物遮蔽部材から電力ケーブルに振動が伝達することを抑制することができる。また電力ケーブルのうち係止部に係止される部分に曲げ力や、引張力や、圧縮力などの外力が作用しても、弾性部材が外力を吸収することができる。
本発明の好ましい実施形態として、異物遮蔽部材は、ケーシングから延びる信号線に異物が衝突することを防止する。かかる実施形態によれば、信号線も飛来する小石や泥水から保護することができる。
電力ケーブルの露出部分は端子ボックスと係止部の間で略直線状に延びてもよい。あるいは本発明の好ましい実施形態として、電力ケーブルは、端子ボックスと係止部との間で屈曲して延びる。かかる実施形態によれば、電力ケーブルに曲げ力や、引張力などの外力が作用しても、屈曲箇所で外力を吸収することができる。また、たとえ飛来する小石が電力ケーブルに衝突しても、屈曲箇所でその衝撃を吸収することができる。
本発明の一実施形態として、異物遮蔽部材は樹脂製であってもよい。かかる実施形態によれば、安価な樹脂を用いてコストを低減することができる。あるいは他の実施形態として、異物遮蔽部材はアルミニウムや、アルミニウム合金など、ケーシングと同じ軽金属製であってもよい。
このように本発明は、電力ケーブルの露出部分に、小石や泥水等の異物が衝突せず、たとえ衝突したとしてもその確率は小さい上に異物の飛来速度は減勢されており、電力ケーブルの保護を図ることができる。したがって車両としての耐久性が向上する。
本発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 同実施例の減速部の横断面図である。 本発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を示す平面図である。 図3のモータ部を軸線方向からみた状態を示す図である。 本発明の変形例になるインホイールモータ駆動装置を示す平面図である。 図5のモータ部を軸線方向からみた状態を示す図である。 本発明の他の実施例になるインホイールモータ駆動装置を示す平面図である。 図7のモータ部を軸線方向からみた状態を示す図である。 本発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略を示す平面図である。 図9の電気自動車を後方から見た概略断面図である。 懸架装置およびインホイールモータ駆動装置を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。図9は、この発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を採用した電気自動車の概略図であって、図10は、電気自動車を後方から見た概略断面図である。電気自動車11は、車体を構成するシャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、左右の後輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。後輪14は、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に取り付けられている。
シャーシ12上には図示しないインバータおよびバッテリーが搭載されている。これらインバータおよびバッテリーは、屈曲可能な電力ケーブル62を介して、シャーシ12よりも下方に配置されるインホイールモータ駆動装置21と接続する。電力ケーブル62はインホイールモータ駆動装置21のケーシングに設けられた端子ボックス61からシャーシ12へ延びている。
図11は、懸架装置12bおよびインホイールモータ駆動装置21を示す斜視図である。懸架装置12bは、アッパーアーム81と、トーコントロールロッド82と、ロアアーム83と、図示しないショックアブソーバとを備える独立懸架式を含む。これらアッパーアーム81と、トーコントロールロッド82と、ロアアーム83は、電気自動車11の車幅方向に延び、車幅内側端を基端とし、車幅外側端を遊端とする。各基端はシャーシ12に連結され、各遊端は揺動可能とされて、インホイールモータ駆動装置21の減速部ケーシング22bに連結される。
アッパーアーム81の遊端は、アッパーアームブラケット84を介して、減速部ケーシング22bの一方側面の上方に連結される。トーコントロールロッド82の遊端は、トーコントロールロッドブラケット85を介して、減速部ケーシング22bの他方側面の上方に連結される。ロアアーム83の遊端は、ロアアームブラケット86を介して、減速部ケーシング22bの下側面に連結される。
アッパーアーム81とロアアーム83の間の空間には、上下方向に延びる図示しないショックアブソーバが配置される。ショックアブソーバの上端はシャーシ12と連結し、ショックアブソーバの下端はロアアーム83の中央部と連結する。ショックアブソーバは、懸架装置12bの揺動を減衰させ、路面から後輪14に入力される振動を吸収する。
減速部ケージング22bにはさらにブレーキキャリパ87が取り付けられる。また、インホイールモータ駆動装置21の車輪ハブ32にはブレーキディスクが後述の方法によって取付固定される。ブレーキキャリパ87はブレーキディスクを制動する。インホイールモータ駆動装置21のモータ部ケーシング22aには3本の電力ケーブル62が接続される。
車輪ハブ32の軸線方向にみて、車輪ハブ32は減速部ケーシング22bよりも軸線方向一方に配置され、モータ部ケーシング22aは減速部ケーシング22bよりも軸線方向他方に配置される。そこで以下、車幅方向内側を軸線方向他方と称する場合がある。また車幅方向外側を軸線方向一方と称する場合がある。
説明を図10に戻すと、電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の後輪14それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
一方、この電気自動車11の走行安定性を向上するために、ばね下重量を抑える必要がある。また、さらに広い客室スペースを確保するために、インホイールモータ駆動装置21の小型化が求められる。そこで、図1に示すようなこの発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を採用する。
図1は、本発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。図2は、同実施例の減速部を示す横断面図である。インホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪(後輪14)に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備える。そして、モータ部A、減速部B、車輪ハブ軸受部Cの順に直列かつ同軸に配置される。
モータ部Aは、外郭を形成するモータ部ケーシング22aと、モータ部ケーシング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向に開いた隙間を介して対面する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に固定連結されてロータ24と一体回転するモータ回転軸35とを有するラジアルギャップモータである。図1に示すように、モータ部Aのステータ23およびロータ24は、モータ部ケーシング22a内に収容される。
モータ部Aのケーシングの一部になるモータ部ケーシング22aは、円筒形状であり、軸線O方向一方(図1の左方)で減速部ケーシング22bの他端と結合する。モータ部ケーシング22aの内周はステータ23を支持する。モータ回転軸35は、モータ部Aの両端で転がり軸受36a,36bによって支持される。モータ部ケーシング22aの軸線O方向他方には、円盤形状の端面ケーシング22dが取付固定され、モータ部ケーシング22aの他方端は閉塞される。
モータ部Aのケーシングの一部になる端面ケーシング22dには、端子ボックス61が形成される。端子ボックス61は箱状であり、端面ケーシング22dから突出して形成される壁を有する。この壁は軸線O方向にみて四角筒状のように形成され、四方を包囲する。このうち、一方の壁には、電力ケーブルを挿通するための孔63が3個形成される。また端子ボックス61は、四角筒状に形成された壁の端部開口を閉塞する蓋部64をさらに有する。
四角筒状の壁によって包囲される端子ボックス61の内部空間には、ステータ23に巻回された三相の巻線から延びる3個の金属端子が保持される。また端子ボックス61には、インホールモータ駆動装置の外部から延びる3本の電力ケーブル62の先端部が引き込まれ、各金属端子には、電力ケーブル62の導線が接続固定される。電力ケーブル62自体は樹脂などの保護材で全周を被覆されているが、その先端部では導線が保護材から突出している。ただし先端部の導線は金属端子とともに端子ボックス61に保護される。
減速部Bは、外郭を形成する減速部ケーシング22bと、モータ回転軸35の回転が入力される入力軸25と、モータ回転軸35の回転を減速して出力する出力軸28とを有し、モータ部Aの軸線O方向一方に配置される。具体的には、減速部Bはサイクロイド減速機構である。減速部Bの入力軸25は、軸線Oに沿って延び、モータ部A側へ突出して、突出端がモータ回転軸35の軸線方向一方端に連結固定される。モータ部Aのモータ回転軸35および減速部Bの入力軸25は、一体回転することから、モータ側回転部材とも称する。モータ部Aとは反対側に位置する入力軸25の一方端部は、減速部B内で転がり軸受36cによって支持される。
入力軸25の外周には、2枚の円盤形状の偏心部材25a,25bが固定される。モータ回転軸35および入力軸25はインホイールモータ駆動装置21の軸線Oと一致して延在するが、偏心部材25a,25bの中心は軸線Oと一致しない。さらに、2つの偏心部材25a,25bは、偏心運動による遠心力で発生する振動を互いに打ち消し合うために、180°位相を変えて設けられている。
偏心部材25a,25bの外周には、公転部材としての曲線板26a,26bがそれぞれ回転自在に保持される。波状に屈曲した形状である曲線板26a,26bの外周部は、外周係合部材としての複数の外ピン27と係合する。外ピン27は減速部ケーシング22bの内周に取り付けられる。曲線板26a,26bの隙間には、これら曲線板26a,26bの傾きを防止するセンターカラー29が設けられる。また、減速部Bには、曲線板26a,26bの自転運動を取り出して出力軸に伝達する運動変換機構と、減速部Bに潤滑油を供給する減速部潤滑機構がさらに設けられる。
減速部ケーシング22bは、モータ部ケーシング22aよりも小さな径の円筒形状であり、軸線O方向他方(図1の右方)でモータ部ケーシング22aの一端と結合し、軸線O方向一方(図1の左方)で車輪ハブ軸受外輪22cの他端と結合する。これらケーシング22a,22b,22dおよび車輪ハブ軸受外輪22cは1つのケーシング22を構成する。ケーシング22は、前述した転がり軸受36aや、後述する車輪ハブ軸受33等の各種軸受を介してケーシング22内部の回転要素を回転自在に支持する。したがって減速部ケーシング22bの内周は、後述する曲線板26a,26b等の回転要素と離隔しており、回転要素と接触しない。
減速部Bの出力軸28は、軸線Oに一致して減速部Bから軸線O方向一方へ突出して車輪ハブ軸受部Cまで延在し、フランジ部28aと軸部28bとを有する。減速部Bに配置されるフランジ部28aの端面には、軸線Oを中心とする円周上で等間隔に内ピン31を固定する穴が形成されている。車輪ハブ軸受部Cに配置される軸部28bの外周面には、車輪ハブ32が連結固定されている。減速部Bの出力軸28および車輪ハブ軸受部Cの車輪ハブ32は、一体回転することから、車輪側回転部材とも称する。フランジ部28aに植設された内ピン31は、軸線O方向他方へ向かって突出し、先端部が曲線板26a,26bの径方向中央領域と係合する。フランジ部28aの中心穴28cは、入力軸25の一方端部を受け入れるとともに、転がり軸受36cを介して入力軸25の一端を相対回転自在に支持する。
図2を参照して、曲線板26aは、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26aの自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、曲線板26aの外周縁と内周縁との間になる径方向中央領域に形成されて、後述する内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26aの中心(自転軸心)に設けられており、曲線板26aの内周になる。曲線板26aは、偏心部材25aの外周に相対回転可能に取り付けられる。
すなわち曲線板26aは、転がり軸受41によって偏心部材25aに対して回転自在に支持されている。この転がり軸受41は、内周面が偏心部材25aの外周面に嵌合し、外周面に内側軌道面42aを有する内輪部材42と、曲線板26aの貫通孔30bの内周面に直接形成された外側軌道面43と、内側軌道面42aおよび外側軌道面43の間に配置される複数の円筒ころ44と、周方向で隣り合う円筒ころ44の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。あるいは深溝玉軸受であってもよい。内輪部材42は、円筒ころ44が転走する内輪部材42の内側軌道面42aを軸線方向に挟んで向かい合う1対の鍔部をさらに有し、円筒ころ44を1対の鍔部間に保持する。曲線板26bについても同様である。
外ピン27は、入力軸25の軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。外ピン27は、軸線Oと平行に延び、その両端が、ケーシング22のうち減速部Bを収容する減速部ケーシング22bの内周面に嵌合固定されている外ピン保持部45(図1)に保持されている。より具体的には、外ピン27の軸線O方向両端部が、外ピン保持部45に取り付けられた針状ころ軸受27a(図1)によって回転自在に支持されている。
曲線板26a,26bが入力軸25の回転軸線Oを中心に公転運動すると、曲線形状の波形と外ピン27とが係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。また外ピン27の両端に設けられた針状ころ軸受27aにより、外ピン27が曲線板26a,26bの外周面に当接する際、曲線板26a,26bとの摩擦抵抗が低減される。
運動変換機構は、出力軸28のフランジ部28aに植設された内側係合部材としての複数の内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される。内ピン31は、出力軸28の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられており、出力軸28の軸線と平行に延び、内ピン31の基端が出力軸28に固定されている。また内ピン31の外周には中空円筒体および針状ころからなる針状ころ軸受31aが設けられている。かかる針状ころ軸受31aにより、内ピン31が曲線板26a,26bの貫通孔30aの内周面に当接する際、曲線板26a,26bとの摩擦抵抗が低減される。
内ピン31の先端には、内ピン31を補強する内ピン補強部材31bが圧入で連結固定されている。内ピン補強部材31bは、複数の内ピン31先端同士を連結する円環形状のフランジ部31cと、フランジ部31cの内径部と結合し内ピン31から離れるよう軸線方向に延びる円筒形状の筒状部31dとを含む。複数の内ピン31を補強する内ピン補強部材31bは、曲線板26a,26bから一部の内ピン31に負荷された荷重を全ての内
ピン31に均一に分散する。
内ピン31は、曲線板26a,26bのうち波形の外周部と入力軸25の軸線との間の径方向部位に設けられた貫通孔30aを貫通する。貫通孔30aは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられる。また、貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(「針状ころ軸受31aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。したがって、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aを貫通して延びる内ピン31は、貫通孔30aとそれぞれ係合する内側係合部材になる。
筒状部31dの他方端は、潤滑油ポンプ51まで延びる。複数の内ピン31が出力軸28とともに回転すると、内ピン31に連れ回される筒状部31dが潤滑油ポンプ51を駆動する。ケーシング22の内部に設けられる潤滑油ポンプ51は、モータ部Aの出力によって駆動され、インホイールモータ駆動装置21の内部に潤滑油を循環させる。
減速部潤滑機構について簡単に説明すると、潤滑油は、潤滑油ポンプ51によって、減速部Bの下部に形成された潤滑油貯留部25fから吸い上げられ、モータ回転軸35の内部に形成される油路35pを経由してロータ24に供給される。これによりモータ部Aのロータ24は潤滑される。同様に、潤滑油は、入力軸25の内部に形成される油路25pを経由して偏心部材25a,25bおよび曲線板26a,26bに供給される。これにより減速部Bの偏心部材25a,25bおよび曲線板26a,26bは潤滑される。その後、潤滑油は流下して、減速部Bの下部に形成された潤滑油貯留部25fに溜まる。再び潤滑油は潤滑油ポンプ51によって潤滑油貯留部25fから吸い上げられる。このようにして潤滑油はインホイールモータ駆動装置21の内部を還流する。
車輪ハブ軸受部Cは、出力軸28に固定連結された車輪ハブ32と、車輪ハブ32を減速部ケーシング22bに対して回転自在に保持する車輪ハブ軸受33とを有する。また、車輪ハブ軸受部Cは、減速部Bの軸線方向一方に配置される。これにより、モータ部A、減速部B、および車輪ハブ軸受部Cは、軸線Oに沿って同軸かつ直列に順次配置される。
車輪ハブ軸受33は複列アンギュラ玉軸受であって、複数の玉(転動体)と、保持器と、車輪ハブ軸受外輪22cとを備える。複数の玉は内側軌道面となる車輪ハブ32の外周面に嵌合固定される。車輪ハブ軸受33の外側軌道面は、略円筒形状の車輪ハブ軸受外輪22cの内周面に形成される。車輪ハブ32は、出力軸28の一方端で軸部28bの外周に結合する円筒形状の中空部32aと、減速部Bから遠い側の端部に形成されるフランジ部32bとを有する。フランジ部32bには、ボルト32cによって、ブレーキディスク15および後輪14のロードホイールが固定連結される。
図3はインホイールモータ駆動装置21の平面図である。図4はモータ部Aを軸線O方向からみた状態を示す図であり、インホイールモータ駆動装置21を電気自動車11の幅方向内側から見た状態を示す。車輪ハブ32に後輪14を取付固定し、車輪ハブ32が前進回転すると、インホイールモータ駆動装置21(すなわち電気自動車11)は図3に矢印で示すように右方へ前進する。このため以下、前進方向を前方と称し、反対方向の後退方向を後方と称する。端面ケーシング22dは、水平に延びる軸線Oと交差して上下方向に延びる仮想直線Xを境界として前進側である前方領域Fおよび後退側である後方領域Gに区分される。電気自動車11の前進走行中、小石、泥、水などが端子ボックス61や端面ケーシング22dに飛来する。その飛来方向は決まっていないが、特に斜め前方から飛来する傾向がある。
端子ボックス61は、軸線Oよりも後方の領域Gで、端面ケーシング22dから突出して形成される。電力ケーブル62は、端子ボックス61から軸線Oと直角かつ水平に延び、途中部分である係止部66の近傍で直角に向きを変えて軸線Oと平行に延びる。端子ボックス61には、異物遮蔽部材65が8本のボルトで取付固定される。異物遮蔽部材65は、端子ボックス61から突出して延びる長方形の板材であり、上段・中段・下段の3本からなり略水平かつ互いに平行に整列する電力ケーブル62に沿って延びる。また異物遮蔽部材65の幅は、上段の電力ケーブル62から下段の電力ケーブル62までの距離よりも大きい。
したがって、異物遮蔽部材65と3本の電力ケーブル62が互いに向き合い、図4に破線で示すように、軸線O方向他方側からみて3本の電力ケーブル62の露出部分62sをすべて覆うことができる。この結果、露出部分62sは軸線O方向他方側からみて異物遮蔽部材65に遮蔽され、飛来する異物が3本の露出部分62sに衝突しないよう電力ケーブル62を保護することができる。
異物遮蔽部材65の根元部は端子ボックス61の蓋部64(図1)を兼用する。そして異物遮蔽部材65は、端子ボックス61から突出して軸線Oと直角方向に前方へ延びる。異物遮蔽部材65の一方面は端面ケーシング22dと向き合い、異物遮蔽部材65の他方面は電気自動車11の幅方向内側(軸線O方向他方側)に向かう。
異物遮蔽部材65の先端には、係止部66が設けられる。係止部66は、異物遮蔽部材65の先端に形成された断面半円形状の3個の溝66gと、異物遮蔽部材65の先端に4本のボルトで取付固定される係止部材67から構成される。係止部材67には、溝66gと対応する位置に断面半円形状の3個の溝67gが形成される。そして、これら溝66gと溝67gとが対面して、共通する丸孔を構成する。各丸孔には電力ケーブル62の途中部分が係止される。これにより電力ケーブル62は係止部66に取付固定される。そして異物遮蔽部材65は、図4に示すように軸線O方向他方側からみて、電力ケーブル62のうち端子ボックス61と係止部66との間に位置してケーシング22の外部に露出する露出部分62sを確実に覆う。
ところで本実施例によれば、ケーシング22が電力ケーブル62のうち端子ボックス61と係止部66の間に位置してケーシング22の外部に露出する電力ケーブル62の露出部分62sに異物が衝突することを防止する異物遮蔽部材65を有することから、電気自動車11の走行中、路面から飛来する石や泥水などの異物が露出部分62sに衝突し難く、電力ケーブル62の耐久性が向上する。
また本実施例によれば、異物遮蔽部材65は、根元部および先端部を有し、根元部で端子ボックス61に固定され、先端部で係止部66を支持することから、電力ケーブルの露出部分62sは自ずと異物遮蔽部材65に沿って延びる。したがって露出部分62sは、走行中に飛来する異物から好適に保護される。
また本実施例によれば、端子ボックス61は、モータ部Aの軸線O方向他方側端面に位置する端面ケーシング22dに配設されることから、電力ケーブル62を後輪14から離隔させることができ、後輪14のタイヤから露出部分62sに石や泥水などの異物が衝突する虞を低減できる。
また本実施例によれば、端面ケーシング22dは、水平に延びる軸線Oと交差して上下方向に延びる仮想直線Xを境界として、車輪ハブ32が前進回転するとき前方となる前方領域Fと、後方となる後方領域Gを有する。そして端子ボックス61は、後方領域Gに配設され、異物遮蔽部材65は、ケーシング22の端面ケーシング22dと対向する板材であり、電力ケーブル62の露出部分62sは、ケーシング22の端面ケーシング22dと異物遮蔽部材65との間に配置され、端子ボックス61から前方に向かって延びる。したがって、電気自動車11の走行中、路面から飛来する石や泥水などの異物が露出部分62sに益々衝突し難く、電力ケーブル62の耐久性が向上する。
また電力ケーブル62は係止部66で係止されているので、懸架装置12bに懸架されるインホイールモータ駆動装置21が上下に変位するとき、曲げ、引張、あるいは圧縮力が、電力ケーブル62の露出部分62sに作用することがない。
また本実施例によれば、異物遮蔽部材65は、端子ボックス61の蓋部64と一体に形成されることから、部品点数および組立工数を減らすことができる。
次に本実施例の変形例を説明する。図5は本発明の変形例を示す平面図であり、図6はモータ部Aを軸線O方向からみた状態を示す図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この変形例では、係止部66からモータ部Aの端面ケーシング22dに向かって突出する異物遮蔽部材延設壁部67wにさらに有する。異物遮蔽部材延設壁部67wは係止部材67の一部であって、異物遮蔽部材65と同じ幅で延設される板材である。異物遮蔽部材延設壁部67wの前面は電気自動車11の前進方向に向かい、異物遮蔽部材延設壁部67wの後面は、露出部分62sのうち係止部66の近傍の部分である係止部近傍部分62eと向き合う。そして異物遮蔽部材延設壁部67wは、図5に示すように、前方からみて露出部分62sのうちの係止部近傍部分62eを覆う。
この変形例によれば、係止部66からモータ部Aの端面ケーシング22dに向かって突出するようさらに延びて前面および後面を有し、後面と露出部分62sが互いに向き合う異物遮蔽部材延設壁部67wをさらに有する、これにより、前方から飛来する石や泥水などの異物が係止部近傍部分62eに衝突し難くなる。したがって、異物遮蔽部材65と異物遮蔽部材延設壁部67wが相俟って、露出部分62sを飛来する異物から確実に保護することができる。
次に本実施例の他の実施例を説明する。図7は他の実施例になるインホイールモータ駆動装置21の平面図であり、図8はモータ部Aを軸線O方向からみた状態を示す図である。他の実施例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。他の実施例では、端子ボックス61が前方領域Fに配設される。また、電力ケーブル62は、端子ボックス61から軸線Oと平行に延びる。また、異物遮蔽部材65は、軸線Oと平行に延び、図7に示すように前方からみて電力ケーブル62の露出部分62sの前方側を覆う。また、他の実施例では、端面ケーシング22dからインホイールモータ駆動装置21の外方へ延びる信号線68がさらに設けられる。
他の実施例につき詳細に説明する。端子ボックス61には、端面ケーシング22dから最も離れた面61aに、電力ケーブル62が差し込まれる。また端面ケーシング22dと直交する端子ボックス61の前方側面に蓋部64が取付固定される。なお図7に示すように、蓋部64は異物遮蔽部材65と一体結合する。
異物遮蔽部材65は、動力ケーブル62の露出部分62sよりも前方に位置する。異物遮蔽部材65は、その根元部で端子ボックス61に取付固定され、軸線Oに沿って延びる。異物遮蔽部材65の後面は後方に向かい、露出部分62sの前方側を覆う。また異物遮蔽部材65の前面は電気自動車11の前進方向に向かう。そして異物遮蔽部材65の先端部が直角に向きを変えて後方へ延びる。そして係止部材67が取り付けられる。このように係止部66は、電力ケーブル62を軸線Oと平行に保持することができる。係止部66はさらに信号線68を係止する。
信号線68は、その一端が端面ケーシング22dのうち端子ボックス61よりも後方で端面ケーシング22dの前方領域Fに差し込まれたプラグ69と接続する。また信号線68の他端はシャーシ12に至る。そして信号線68の途中部分が係止部66に係止される。係止部66において、3本の電力ケーブル62と1本の信号線68は4本平行に配置される。なお信号線68は、図7に示すようにプラグ69と係止部66との間で屈曲する。プラグ69は例えば、モータ部A内でモータ回転軸25の角度を検出する図示しないセンサと接続する。
異物遮蔽部材65は、図8に示すように前方からみて、上段・中段・下段に平行に配置される3本の電力ケーブル62と、最下段に配置される信号線68とを覆う。異物遮蔽部材65の幅は、上段の電力ケーブル62から最下段の信号線68までの距離よりも大きい。
他の実施例によれば、端子ボックス61は、前方領域Fに配設され、電力ケーブル62は、端子ボックス61から軸線O方向他方側へ延び、異物遮蔽部材65は、端子ボックス61から軸線O方向他方側へ延びて前面および後面を有する板材であり、異物遮蔽部材65の後面と電力ケーブル62の露出部分62sが互いに向き合う。これにより、電力ケーブル62は端子ボックス61から異物遮蔽部材65の後面に沿って延び、異物遮蔽部材65は露出部分62sの前方側を覆う。したがって、前方から飛来する石や泥水などの異物が露出部分62sに衝突しない。
また他の実施例によれば、異物遮蔽部材65は、前方からみてモータ部Aの端面ケーシング22dから延びる信号線68をさらに覆うことから、信号線68も飛来する異物から保護することができる。また端子ボックス61はプラグ69の前方側を覆うことから、プラグ69も飛来する異物から保護することができる。
なお、図には示さなかったが、溝66g,67gで構成される係止部66の丸孔と、丸孔に通される電力ケーブル62との間にゴムなどの弾性部材を介してもよい。これにより、たとえ異物が露出部分62sに衝突しても、その衝撃を弾性部材で吸収することができる。また、懸架装置12bによってインホイールモータ駆動装置21が上下に変位するときに電力ケーブル62に入力される外力を緩和して、電力ケーブル62を保護することができる。
また、図には示さなかったが、電力ケーブル62の露出部分62sは、端子ボックス61と係止部66との間で屈曲して延びてもよい。これにより、電力ケーブル62に入力される引張力によって、電力ケーブル62が係止部66からシャーシ12側へ引き出されても、端子ボックス61から電力ケーブル62が引き抜かれることを防止できる。また、たとえ異物が露出部分62sに衝突しても、屈曲箇所で衝撃を吸収することができる。
なお、異物遮蔽部材65は、端子ボックス61や、端面ケーシング22dや、モータ部ケーシング22aや、ケーシング22と同じ材料で形成される。具体的には、異物遮蔽部材65はアルミニウムあるいはアルミニウム合金などの軽金属が用いられる。この他、異物遮蔽部材65をケーシング22と異なる材料で形成してもよい。例えばFRP(Fiber Reinforced Plastics 繊維強化プラスチック)や硬質の塩化ビニル樹脂などの樹脂が用いられることにより、コストを低減することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
11 電気自動車、12 シャーシ、12a ホイールハウジング、12b 懸架装置、13 前輪、14 後輪、15 ブレーキディスク、22 ケーシング、22a モータ部ケーシング、22b 減速部ケーシング、22c 車輪ハブ軸受外輪、23 ステータ、24 ロータ、25 入力軸、25a,25b 偏心部材、26a,26b 曲線板、27 外ピン、28 出力軸、31 内ピン、32 車輪ハブ、33 車輪ハブ軸受、35 モータ回転軸、61 端子ボックス、62 電力ケーブル、62s 露出部分、62e 係止部近傍部分、65 異物遮蔽部材、66 係止部、67 係止部材、67w 異物遮蔽部材延設壁部、68 信号線、81 アッパーアーム、82 トーコントロールロッド、83 ロアアーム、87 ブレーキキャリパ。

Claims (11)

  1. モータと、前記モータに駆動される車輪ハブと、前記モータを収容するケーシングと、前記ケーシングに設けられて前記モータの金属端子を包囲する端子ボックスと、前記端子ボックスから前記ケーシングの外部へ延びる電力ケーブルを途中で係止する係止部と、前記端子ボックスと前記係止部の間に位置して前記ケーシングの外部に露出する前記電力ケーブルの露出部分に異物が衝突することを防止する異物遮蔽部材とを備える、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記異物遮蔽部材は、根元部および先端部を有し、前記根元部で前記端子ボックスに固定され、前記先端部で前記係止部を支持する、請求項1に記載のインホールモータ駆動装置。
  3. 前記車輪ハブの軸線に関して、前記車輪ハブは前記ケーシングの軸線方向一方端に配置され、
    前記端子ボックスは、前記ケーシングの軸線方向他方側端面に配置される、請求項2に記載のインホールモータ駆動装置。
  4. 前記ケーシングの軸線方向他方側端面は、水平に延びる前記軸線と交差して上下方向に延びる仮想直線を境界として、前記車輪ハブが前進回転するとき前方となる前方領域と、後方となる後方領域を有し、
    前記端子ボックスは、前記後方領域に配設され、
    前記異物遮蔽部材は、前記端子ボックスから前方に向かって延び、前記ケーシングの軸線方向他方側端面と対向する板材であり、前記ケーシングの軸線方向他方側端面と前記異物遮蔽部材との間に前記電力ケーブルの露出部分が配置される、請求項3に記載のインホールモータ駆動装置。
  5. 前記異物遮蔽部材は、前記係止部から前記ケーシングの軸線方向他方側端面に向かって突出するようさらに延びて前面および後面を有し、前記後面で前記電力ケーブルの露出部分と向き合う異物遮蔽部材延設壁部を含む、請求項4に記載のインホールモータ駆動装置。
  6. 前記ケーシングの軸線方向他方側端面は、水平に延びる前記軸線と交差して上下方向に延びる仮想直線を境界として、前記車輪ハブが前進回転するとき前方となる前方領域と、後方となる後方領域を有し、
    前記端子ボックスは、前記前方領域に配設され、
    前記異物遮蔽部材は、前記端子ボックスから前記軸線方向他方側へ延びて前面および後面を有する板材であり、前記後面で前記電力ケーブルの露出部分と向き合う、請求項3に記載のインホールモータ駆動装置。
  7. 前記異物遮蔽部材は、前記端子ボックスを閉塞する端子ボックス蓋部と一体に形成される、請求項2〜6のいずれかに記載のインホールモータ駆動装置。
  8. 前記係止部は、弾性部材を介して前記電力ケーブルを途中で係止する、請求項1〜7のいずれかに記載のインホールモータ駆動装置。
  9. 前記異物遮蔽部材は、前記ケーシングから延びる信号線に異物が衝突することを防止する、請求項1〜8のいずれかに記載のインホールモータ駆動装置。
  10. 前記電力ケーブルの露出部分は、前記端子ボックスと前記係止部との間で屈曲して延びる、請求項1〜9のいずれかに記載のインホールモータ駆動装置。
  11. 前記異物遮蔽部材は樹脂製である、請求項1〜10のいずれかに記載のインホールモータ駆動装置。
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