JP2013124219A - ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造において、反応液に還元剤や活性炭の添加や、得られたポリグリセリン脂肪酸エステルの脱色を行う必要がなく、着色や臭いといった品質面を改善できる、生産性に優れたポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法を提供する
【解決手段】不均一系触媒の存在下、グリセリンカーボネートと脂肪酸とを反応させる、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法に関する。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、各種洗浄剤、乳化剤、分散剤、可溶化剤等の幅広い用途分野において使用されており、最近では食品添加物として、その使用量が増加傾向にある。
このポリグリセリン脂肪酸エステルの製造法としては、(1)ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、(2)ポリグリセリンと脂肪酸エステルとのエステル交換反応、(3)ポリグリセリンと油脂とのエステル交換反応、(4)グリシドールと脂肪酸モノグリセライドとの付加重合反応、(5)グリシドールと脂肪酸との付加重合反応、(6)グリセリンカーボネートと脂肪酸との付加重合反応などがある。
前記(1)の方法は、期待する性能を発現する重合度を有するポリグリセリンを予め製造する必要がある。前記(2)〜(3)の方法は、反応性、生成したポリグリセリン脂肪酸エステルの品質、純度などから制約の多い方法である。また、前記(4)〜(5)の方法は、活性が高く不安定なグリシドールを用いるため好ましくない。
前記(6)の方法は、塩基触媒を用いることで、反応が円滑に進行することが知られている(例えば、特許文献1)。
米国特許出願公開2010/144978号明細書
しかしながら、前記(6)の方法では、円滑な反応の進行に高温が必要であり、そのため着色が激しく、必要に応じて反応液へ触媒以外に還元剤や活性炭の添加、及び得られたポリグリセリン脂肪酸エステルの脱色を行う必要があるという問題がある。
そこで、本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造において、反応液に還元剤や活性炭の添加や、得られたポリグリセリン脂肪酸エステルの脱色を行う必要がなく、着色や臭いといった品質面を改善できる、生産性に優れたポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、不均一系触媒の存在下、グリセリンカーボネートと脂肪酸とを反応させる、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)に関する。
本発明の製造方法によれば、グリセリンカーボネートと脂肪酸との反応によるポリグリセリン脂肪酸エステルの製造において、着色や臭いが少ない高品質のポリグリセリン脂肪酸エステルを生産性よく製造することができる。
本発明の製造方法に用いられる脂肪酸としては、界面活性剤としての性能向上の観点から、炭素数2〜30の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数6〜22の脂肪酸、更に好ましくは炭素数8〜18の脂肪酸である。これら脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸でも側鎖をもつ脂肪酸であってもよく、炭素鎖がヒドロキシル基で置換された置換脂肪酸であってもよい。
これらの脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸等を挙げられる。これらは各単独で使用できるほか、2種以上を任意に混合して使用してもよい。
本発明の製造方法に用いられるグリセリンカーボネートとしては、いずれの製造方法により得られたものでも使用できる。グリセリンカーボネートの製造方法としては、例えばグリセリンとホスゲンとの反応、ジメチルカーボネート等のカーボネート類との反応、尿素との反応、一酸化炭素、酸素の混合ガスとの反応、及び超臨界二酸化炭素との反応等が挙げられる。
本発明の製造方法におけるグリセリンカーボネートの使用量は、界面活性剤としての性能向上の観点から、脂肪酸1モル当り1〜100モルが好ましく、より好ましくは1.2〜50、更に好ましくは1.5〜15、更に好ましくは2〜10である。
本発明の製造方法では、ポリグリセリン脂肪酸エステルの着色及び臭いを低減する観点から、反応を不均一系触媒の存在下で行う。ここで不均一系触媒とは、グリセリンカーボネートと脂肪酸との反応液に溶解せず、固体として異なる相で存在できる触媒のことをいう。
この不均一系触媒としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルの着色及び臭い低減の観点から、触媒表面に塩基点を有する不均一系触媒が好ましく、触媒表面に塩基点と酸点の両方を有する不均一系触媒がより好ましい。
ここで、塩基点とは、水素イオン(H+)を吸着し得る触媒の活性点を意味し、カルボキシル基、及び水酸基の水素を活性化させ、O-イオンの生成を促進させる役割を果たす。
また、酸点とは、ヒドロキシルイオン(OH-)を吸着し得る触媒の活性点を意味し、グリセリンカーボネートのカーボネート基を活性化させ、カルボキシレート基(−OCOO-)の生成を促進させる役割を果たす。
触媒表面に塩基点を有する不均一系触媒としては、Li2O、Na2O、MgO、K2O、CaO、Rb2O、SrO、Cs2O、BaO、TiO、Sc23等の金属酸化物、Li+やNa+等のアルカリ金属イオンを用いてイオン交換したX型またはY型ゼオライト、NaOH等のアルカリ金属水酸化物、KNO3等のアルカリ金属塩やKF等のアルカリ金属フッ化物を担持したAl23触媒、及びアニオン交換樹脂等が挙げられる。
これらのうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルの着色及び臭い低減の観点から、Na2O、MgO、K2O、CaO、Cs2O、BaO、及びアルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライトからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、MgO、CaO、及びアルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライトからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
触媒表面に塩基点と酸点の両方を有する不均一系触媒としては、Al23、Ti23、Fe23、TiO2、ZnO、ZrO2、NbO2、SnO2等の単独の金属酸化物、M1−O(M1はCa又はMgを示す。)とM2−O(M2:周期律表の3〜10族金属、又は12〜16族金属を示す。)の結合を有する複合酸化物等が挙げられる。
ここで、前記M2の具体例としては、12族金属として、Zn、Cd;13族金属として、Al、Ga、In、Tl;3族金属として、Sc、Y、La;14族金属として、Ge、Sn、Pb;4族金属として、Ti、Zr、Hf;15族金属として、Sb、Bi;5族金属として、V、Nb、Ta;16族金属として、Se、Te;6族金属として、Cr、Mo、W;7族金属として、Mn、Tc、Re;8〜10族金属としてFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等が挙げられる。これらのうち、M2としては、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuが好ましく、Al、Zn、Ti、Zr、Fe、Niがより好ましい。
これらのうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルの着色及び臭い低減の観点から、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、Al23、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Mgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Zn、Ti、Zr、Fe、又はNiを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましい。
したがって、本発明の製造方法で使用される不均一系触媒としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルの着色及び臭い低減の観点から、Na2O、MgO、K2O、CaO、Cs2O、BaO、アルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライト、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
より好ましくは、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上である。
更に好ましくは、Al23、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Mgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Zn、Ti、Zr、Fe、又はNiを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群からなる群から選ばれる1種以上である。
前記不均一系触媒は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
反応液中の不均一系触媒の含有量は、生産性向上、及び経済性の観点から、脂肪酸100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量部、更に好ましくは1〜15質量部である。
本発明の製造方法で使用する不均一系触媒の形態は特に限定されないが、ペレット状、ヌードル状、タブレット状等の粒状、あるいはオープンセル型フォーム、ハニカム等の構造体等の成形触媒あるいは触媒が支持体表面に固定化されたフィルム型触媒の形態で用いることができる。
さらに、前記形態の不均一系触媒を充填した固定床形式の反応器とすることで、反応物の連続的な供給及び/又は生成物の連続的な回収が容易になり、好適に実施することができる。また、反応器壁面修飾型触媒による濡れ壁塔式固定床型反応器等も、同様の理由により好適に用いることができる。
これら固定床型反応器への反応物(グリセリンカーボネート、脂肪酸)、及び/又は生成物(ポリグリセリン脂肪酸エステル)の混合物の供給方法及び/又は不活性ガスの供給方法は、アップフロー、ダウンフロー、サイドフローなどいずれでもよい。
本発明の製造方法における反応温度は、反応性の向上及び生産効率向上の観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは170℃以上である。また、色相及び臭い低減の観点から、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下、更に好ましくは230℃以下である。よって、反応性及び生産性の向上、着色及び臭い低減の観点から、100〜250℃が好ましく、より好ましくは150〜240℃、更に好ましくは170〜230℃である。
本発明の製造方法における反応は、副反応を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気下、特にアルゴンガス、窒素ガス雰囲気下において行うことが好ましい。また、反応圧力は、生産性向上の観点から、好ましくは0.01〜5.0MPa、より好ましくは0.05〜1.0MPaである。
本発明の製造方法における反応は、回分式で反応を行うことができる。ここで回分式とは、一定容積の反応容器に反応原料を投入し、反応の途中もしくは終了後に生成物を取り出す反応方法のことをいう。
本発明の製造方法においては、回分式反応装置に脂肪酸と不均一系触媒、及びグリセリンカーボネートの全てを導入して反応を開始してもよい。また、脂肪酸と不均一系触媒とを含む溶液を回分式反応装置に導入した後、この溶液を反応温度に加温し、これにグリセリンカーボネートを滴下しながら、又は全量を一括して添加し、反応を行ってもよい。
本発明の製造方法を実施したとき、製造原料に由来する水が反応系内に持ち込まれる場合があるが、グリセリンカーボネートの加水分解反応によるグリセリン及びポリグリセリンの副生を抑制する観点から、予め脱水処理を施した原料を使用することが好ましい。
この脱水処理としては、反応原料の熱分解を回避する観点、及び粘度低下による操作性向上の観点から、グリセリンカーボネート、脂肪酸共に60℃〜120℃、0.01〜20kPa、乾燥ガスの気流下で行うことが好ましい。
具体的な反応系内の水分量としては、前記と同様の観点から、グリセリンカーボネートと脂肪酸の総質量に対して1.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.2質量%である。
本発明の製造方法において得られた反応生成物は、これを冷却後、不均一系触媒を濾過等の固液分離法で除去する。これにより、高品質のポリグリセリン脂肪酸エステルを得ることができる。
このポリグリセリン脂肪酸エステルは、本質的に中性であるため、従来のように、酸やアルカリを添加して中和する必要がなく、中和により生成する塩をイオン交換樹脂、合成吸着剤などによる吸着処理、濾過により除去するという必要もない。
更に、本発明の製造方法で使用した不均一系触媒は、濾過分離することで再度グリセリンカーボネートと脂肪酸との反応に用いてもよい。その際、熱処理や溶剤による洗浄等の触媒再生処理を行ってもよい。
本発明の製造方法で得られるポリグリセリン脂肪酸エステルは、洗浄剤、可溶化剤、乳化剤、分散剤や起泡剤として食品、香粧品、医薬品などの分野で利用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明は以下のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法を開示する。
[1]不均一系触媒の存在下、グリセリンカーボネートと脂肪酸とを反応させる、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[2]不均一系触媒が、触媒表面に塩基点を有するものである、前記[1]に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[3]触媒表面に塩基点を有する不均一系触媒が、Na2O、MgO、K2O、CaO、Cs2O、BaO、及びアルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライトからなる群から選ばれる1種以上である、前記[2]に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[4]不均一系触媒が、触媒表面に塩基点と酸点の両方を有するものである、前記[1]又は[2]に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[5]触媒表面に塩基点と酸点の両方を有する不均一系触媒が、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上である、前記[4]に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[6]不均一系触媒が、Na2O、MgO、K2O、CaO、Cs2O、BaO、アルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライト、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上である、前記[1]に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[7]脂肪酸が炭素数2〜30の脂肪酸、好ましくは炭素数6〜22、更に好ましくは炭素数8〜18の脂肪酸である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[8]グリセリンカーボネートの使用量が、脂肪酸1モル当り1〜100モル、好ましくは1.2〜50、より好ましくは1.5〜15、更に好ましくは2〜10である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[9]反応温度が100〜250℃、好ましくは150〜240℃、より好ましくは170〜230℃である、前記[1]〜[8]のいずれかに記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
[10]反応液中の不均一系触媒の含有量が、脂肪酸100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜25質量部、より好ましくは1〜15質量部である、前記[1]〜[9]のいずれかに記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
(着色度の評価方法)
ポリグリセリン脂肪酸エステルの色相(ガードナー値)をJIS K 0071−2に準じて測定を行い評価した。表1において、ガードナー値の低い方が、色相が良好であることを示す。
(異臭強度の評価方法)
ポリグリセリン脂肪酸エステルのこげ様の異臭の強さを、パネラー4名による官能評価で評価した。評価は、製造直後のポリグリセリン脂肪酸エステルを70℃に加温した状態で、下記基準に従って行い、4名のスコアの平均値を表1に示した。
5:非常に強く感じる
4:強く感じる
3:感じる
2:わずかに感じる
1:全く感じない
実施例1
攪拌機、温度計、滴下ロート、試料採取口及び還流冷却器を備えた内容積100ミリリットルの四つ口フラスコを反応器とし、これにラウリン酸(花王社製品名ルナックL−98)18.6g(0.1モル)とγ‐Al23(ストレム社製)0.9gを仕込んだ。フラスコ内容物を80℃に加熱し、ラウリン酸が完全に溶解したところで、窒素置換を行った。
その後、更にフラスコ内容物を攪拌しながら190℃に加熱し、攪拌下190℃に保ちながら、滴下ロートからグリセリンカーボネート(東京化成工業社製)23.6g(0.2モル)を3時間で滴下した。
滴下終了後もフラスコ内容物を常圧下に190℃で5時間加熱攪拌を続けて反応を終了した。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった。反応終了後、反応生成物を冷却し、不均一系触媒を濾別して、反応生成液を得た。
実施例2
γ‐Al23の代わりにZrO2(メルク社製)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、反応生成液を得た。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった。
実施例3
γ‐Al23の代わりにMgO(メルク社製)を用いた以外は同様の操作を行い、反応生成液を得た。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった。
実施例4
γ‐Al23の代わりにMg0.7Al0.31.15(協和化学工業社製品名キョーワード2000)0.9gを用い、グリセリンカーボネート(東京化成工業製)59.0g(0.5モル)を6時間で滴下した以外は実施例1と同様の操作を行った。
滴下終了後、フラスコ内容物を常圧下に190℃で6時間加熱攪拌を続けて、反応生成液を得た。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった。
実施例5
攪拌機、温度計、滴下ロート、試料採取口及び還流冷却器を備えた内容積100ミリリットルの四つ口フラスコを反応器とし、これにオレイン酸(花王社製品名ルナックO−LL)28.2g(0.1モル)とZrO2(メルク社製)0.9gを仕込んだ。フラスコ内容物を80℃に加熱し、窒素置換を行った。
その後、更にフラスコ内容物を攪拌しながら200℃に加熱し、攪拌下200℃に保ちながら、滴下ロートからグリセリンカーボネート(東京化成工業社製)118.1g(1.0モル)を8時間で滴下した。
滴下終了後もフラスコ内容物を常圧下に200℃で8時間加熱攪拌を続けて、反応生成液を得た。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった。
比較例1
γ‐Al23の代わりに炭酸カリウム0.2g(0.005モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、反応生成液を得た。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった。
比較例2
γ‐Al23の代わりに水酸化ナトリウム2.0g(0.005モル)を用い、グリセリンカーボネート(東京化成工業社製)59.0g(0.5モル)を6時間で滴下した以外は実施例1と同様の操作を行った。滴下終了後もフラスコ内容物を常圧下に190℃で6時間加熱攪拌を続けて、反応生成液を得た。反応終了時のグリセリンカーボネートの反応率は100%であった
Figure 2013124219
表1の色相及び臭い(異臭の強さ)評価から明らかなとおり、実施例1〜5では、反応生成液の着色及びにおいが抑制されていたが、塩基触媒を使用した比較例1、2では、着色及びにおいの両方とも劣っていた。
本発明の製造方法で得られたポリグリセリン脂肪酸エステルは、衣料用、食器やプラスチック、金属等の硬質表面用、身体(手指、毛髪、洗顔等)用等の洗浄剤、香粧や化粧用等の乳化剤、可溶化剤、湿潤・浸透剤、更に消泡剤、潤滑剤の用途に用いることができる。

Claims (9)

  1. 不均一系触媒の存在下、グリセリンカーボネートと脂肪酸とを反応させる、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  2. 不均一系触媒が触媒表面に塩基点を有するものである、請求項1に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  3. 触媒表面に塩基点を有する不均一系触媒が、Na2O、MgO、K2O、CaO、Cs2O、BaO、及びアルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライトからなる群から選ばれる1種以上である、請求項2に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  4. 不均一系触媒が、触媒表面に塩基点と酸点の両方を有するものである、請求項1又は2に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  5. 触媒表面に塩基点と酸点の両方を有する不均一系触媒が、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上である、請求項4に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  6. 不均一系触媒が、Na2O、MgO、K2O、CaO、Cs2O、BaO、アルカリ金属イオンを用いてイオン交換したY型ゼオライト、Al23、Ti23、TiO2、ZnO、及びZrO2、並びにM1−O(M1は、Ca又はMgを示す。)とM2−O(M2は、Al、Ga、Co、Sc、La、Mn、Zn、Ti、Zr、Bi、Mo、W、Fe、Cr、Ni、又はCuを示す。)の結合を有する複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  7. 脂肪酸が炭素数2〜30の脂肪酸である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  8. グリセリンカーボネートの使用量が、脂肪酸1モル当り1〜100モルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
  9. 反応温度が100〜250℃である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法。
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