JP2013123909A - 画像形成装置 - Google Patents

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辰男 奥野
Akemi Murakami
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Abstract

【課題】像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、簡単な構成で各画素電極に潜像を形成する。
【解決手段】支持体2上に行列配置された画素電極3を有する像保持体1と、画素電極3に対し潜像を形成する潜像形成装置4と、現像装置8と、を備え、潜像形成装置4は、画素電極3夫々に対応して行列配置され、照射される光の照射強度により導電率が変化する光導電素子5と、予め決められた潜像形成位置にて各画素電極3に対し光導電素子5を介して電圧信号を供給する電圧信号供給部6と、電圧信号が供給された光導電素子5に対し照射すべき光信号を供給する光信号供給部7と、を有し、電圧信号及び光信号は、各画素電極3に画像信号に基づく潜像電位を与えるように、一方を大きさが予め定められた基準信号とし、他方を大きさが画像信号に基づいて変化する可変信号とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
一般に、複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる画像形成方式として電子写真方式が利用される。これは、コロナ帯電器や帯電ロール等の帯電装置によって帯電された感光体に対して、レーザやLEDアレイを用いて光イメージを照射することで静電潜像を形成し、この形成された静電潜像に対し帯電したトナーを用いて現像することで静電潜像を可視像化するようにしたものである。
これに対し、感光体を使用せずに、静電潜像を形成する方式の画像形成装置も既に提案され、ドラム上にマトリクス状に画素電極を設ける方式が開示されている。
特許文献1には、画素電極の一部に光導電材料を用い、光像を静電像に変換する構成が記載されている。また、特許文献2には、縦横にスイッチング素子を配した像担持体にて、スイッチング素子の走査ライン毎に設けた受光素子にレーザ光を当ててアクティブにする方式が記載されている。更に、特許文献3には、画素電極上の保護層として光導電層を用い、現像時には光照射を行うことで現像電界を有効に作用させるようにした構成が記載されている。
特許第3233463号公報(実施例、図14) 特許第3826013号公報(実施の形態9、図6) 特開2010−83032号公報(実施の形態1、図3)
本発明の技術的課題は、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、簡単な構成で各画素電極に潜像を形成する画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、循環移動が可能な支持体、および、この支持体上に設けられ且つ当該支持体の移動方向を列方向として画素単位毎に行列配置された画素電極を有する像保持体と、この像保持体の前記画素電極に対し画素単位の潜像を形成する潜像形成装置と、この潜像形成装置にて潜像が形成された画素電極を有する像保持体に対し、当該像保持体との対向領域である現像領域にて現像剤を用いて現像する現像装置と、を備え、前記潜像形成装置は、前記画素電極夫々に対応して行列配置され、各画素電極に夫々接続されると共に照射される光の照射強度により導電率が変化する光導電素子と、像保持体の移動方向における前記現像領域を含む上流側に位置する予め決められた潜像形成位置にて各画素電極に対し前記光導電素子を介して印加すべき電圧信号を供給する電圧信号供給部と、この電圧信号供給部にて電圧信号が供給された前記光導電素子に対し照射すべき光信号を供給する光信号供給部と、を有し、前記電圧信号及び前記光信号は、各画素電極に画像信号に基づく潜像電位を与えるように、一方を大きさが予め定められた基準信号とし、他方を大きさが画像信号に基づいて変化する可変信号とすることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記電圧信号供給部は、前記電圧信号として予め定められた電圧の基準信号を供給し、前記光信号供給部は、前記光信号として画像信号に基づいて照射強度が変化する可変信号を供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、前記電圧信号供給部は、前記潜像形成位置に位置し且つ像保持体の移動方向に交差する行方向に沿って並ぶ画素電極群を処理対象として選択し、選択された各画素電極に対し各光導電素子を介して前記基準信号を電圧信号として一括して供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る画像形成装置において、前記電圧信号供給部は、行方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して行方向に延びる複数の共通信号線を有し、各行の共通信号線と対応する行方向に沿って並ぶ各光導電素子とを接続する信号線と、前記電圧信号の電圧を形成する電圧源と、前記潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群に対応する信号線と前記電圧源とを接続し、当該画素電極群を処理対象として選択する選択器と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、前記選択器は、像保持体の画素電極の配置領域を超える端部側の表面部位に設けられ且つ前記複数の信号線夫々に接続される複数の端子と、像保持体の表面側にて、前記潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群に対応する前記端子に接触するように設けられ、当該端子に前記基準信号を電圧信号として供給可能な接触子と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項2乃至5のいずれかに係る画像形成装置において、前記光信号供給部は、画像濃度に対応して三段階以上に区分された照射強度を有する可変信号を光信号として供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項2乃至6のいずれかに係る画像形成装置において、前記潜像形成位置より像保持体の移動方向における上流側の予め決められた除電位置で行方向に沿って並ぶ画素電極群に対し、潜像電位が形成される前の各画素電極の有する残留電位を除電する除電装置を更に備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る画像形成装置において、前記除電装置は、前記除電位置に位置する各画素電極に前記光導電素子を介して予め定められた除電可能な除電電圧を除電電圧信号として供給する除電電圧信号供給部と、この除電電圧信号供給部にて除電電圧信号が供給された前記光導電素子に対応する画素電極に対して前記除電電圧を印加可能とするように、前記光導電素子に対し当該光導電素子の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の除電光信号を供給する除電光信号供給部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項2乃至8のいずれかに係る画像形成装置において、一つの像保持体と、この像保持体に対向して配置される複数の現像装置と、これら複数の現像装置に対応する夫々の潜像形成位置にて潜像を形成する複数の潜像形成装置と、を備え、前記複数の潜像形成装置の各電圧信号供給部は、予め定められた夫々異なる電圧の基準信号からなる電圧信号を供給するものであり、一色目の電圧信号供給部は、一色目の基準信号からなる電圧信号を供給し、二色目以降の電圧信号供給部は、前色の基準信号を累積して当該色用に設定される累積基準信号からなる電圧信号を供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、前記複数の潜像形成装置の各光信号供給部のうち一色目の光信号供給部は、一色目の画像信号に基づく光信号を供給し、二色目以降の光信号供給部は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づく光信号を供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項9又は10に係る画像形成装置において、像保持体の移動方向における上流側に隣り合う現像装置の現像領域より下流側で且つ当該現像装置に対応する潜像形成位置までの予め決められた除電位置で行方向に沿って並ぶ画素電極群に対し、潜像電位が形成される前の各画素電極の有する残留電位を除電する除電装置を更に備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記電圧信号供給部は、前記電圧信号として画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を供給し、前記光信号供給部は、前記光信号として予め定められた大きさの照射強度の基準信号を供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に係る発明は、請求項12に係る画像形成装置において、前記電圧信号供給部は、列方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して列方向に延びる複数の共通信号線を有し、各列の共通信号線と対応する列方向に沿って並ぶ各光導電素子とを接続する信号線と、これらの信号線に接続され、前記潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群を処理対象として選択し、選択された画素電極群に対応する画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給する電圧供給器と、を備え、前記光信号供給部は、前記潜像形成位置にて前記電圧供給器から電圧が供給された行方向に沿って並ぶ各光導電素子に対し、当該光導電素子の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の基準信号を光信号として供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項14に係る発明は、請求項12又は13に係る画像形成装置において、一つの像保持体と、この像保持体に対向して配置される複数の現像装置と、これら複数の現像装置に対応する夫々の潜像形成位置にて潜像を形成する複数の潜像形成装置と、を備え、前記複数の潜像形成装置の各電圧信号供給部のうち一色目の電圧信号供給部は、一色目の画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給し、二色目以降の電圧信号供給部は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給することを特徴とする画像形成装置である。
請求項15に係る発明は、請求項1乃至14のいずれかに係る画像形成装置のうち光信号供給部が像保持体の表面側から光信号を供給するものである態様において、前記画素電極は前記光信号供給部からの光信号が透過する素材で構成され、前記光導電素子は前記画素電極より支持体寄りに設けられることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、簡単な構成で各画素電極に潜像を形成する画像形成装置を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、像保持体から外部への配線が少ない簡単な構成の画像形成装置を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、像保持体から外部への配線が少ない一層簡単な構成の画像形成装置を提供できる。
請求項4に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、簡単な構成の画像形成装置を提供できる。
請求項5に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、像保持体から外部への配線が不要な画像形成装置を提供できる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、階調性の高い画像が形成できる。
請求項7に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、画素電極の残留電位の除電を行うことができる。
請求項8に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、画素電極の残留電位の影響を抑えた潜像形成が可能になる。
請求項9に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、簡単な構成で一つの像保持体上に複数色の画像を形成する画像形成装置を提供できる。
請求項10に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、簡単な構成で一つの像保持体上に複数色の画像を形成する画像形成装置を提供できる。
請求項11に係る発明によれば、一つの像保持体に複数の現像装置を備える態様にあって、画素電極の残留電位の除電を行うことができる。
請求項12に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、スイッチング素子としてトランジスタを使用する場合に比べて、簡単な構成の画像形成装置が可能になる。
請求項13に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、スイッチング素子としてトランジスタを使用する場合に比べて、簡単な構成の画像形成装置を提供できる。
請求項14に係る発明によれば、像保持体上に行列配置された画素電極を有する態様において、スイッチング素子としてトランジスタを使用する場合に比べて、簡単な構成で一つの像保持体上に複数色の画像を形成する画像形成装置を提供できる。
請求項15に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、画素電極の面積を光導電素子に影響されることなく大きくすることができる。
(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す模式図であり、(b)及び(c)は二つの態様を示す模式図である。 (a)は実施の形態モデルによる一画素を示す模式図であり、(b)は比較モデルの一画素を示す模式図である。 (a)〜(c)は像保持体の移動方向に交差する行方向に沿って電圧信号が供給される態様についての模式図である。 (a)〜(c)は像保持体の移動方向に沿って電圧信号が供給される態様についての模式図である。 実施の形態1の画像形成装置の概要を示す模式図である。 実施の形態1の像保持体の概要を示す斜視図である。 (a)はマトリクスパネルを表面側から見たときの構成、(b)は一画素当たりの等価回路、(c)はマトリクスパネルの断面構造を示す。 実施の形態1の潜像形成制御装置の例を示す模式図である。 実施の形態1で用いられる現像器の一例を示す模式図である。 実施の形態1での潜像形成の作用を示す模式図であり、(a)は光導電素子の配置、(b)は潜像形成時の様子、(c)は除電時の様子を示す。 (a)〜(c)は光導電素子による画像部と背景部との形成過程を示す模式図である。 (a)及び(b)は光導電素子による除電過程を示す模式図である。 実施の形態1の変形例としての像保持体の概要を示す模式図である。 光導電素子における照射強度と導電率との関係を示すグラフである。 (a)は実施の形態2の像保持体の概要を示す斜視図であり、(b)は実施の形態2のマトリクスパネルの概要を示す模式図である。 実施の形態2の潜像形成制御装置の例を示す模式図である。 (a)は実施の形態3の像保持体の概要を示す斜視図であり、(b)は実施の形態3のマトリクスパネルの概要を示す模式図である。 実施の形態3の潜像形成制御装置の例を示す模式図である。 (a)〜(c)は実施の形態3での潜像形成過程を示す模式図である。 実施の形態3の変形例としての像保持体の概要を示す模式図である。 実施の形態4の画像形成装置の概要を示す模式図である。 (a)〜(d)は一色目と二色目の潜像電位の違いを示す模式図である。 実施の形態5の画像形成装置の概要を示す模式図である。 実施の形態5の潜像形成過程を示す模式図である。 四色の重ね合わせ時の各パターンでの電圧信号を示す一例である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された一例としての画像形成装置の実施の形態の概要を示す模式図である。(b)及び(c)は二つの態様を示す模式図である。
同図において、画像形成装置は、循環移動が可能な支持体2、および、この支持体2上に設けられ且つ支持体2の移動方向を列方向として画素単位毎に行列配置された画素電極3を有する像保持体1と、この像保持体1の画素電極3に対し画素単位の潜像を形成する潜像形成装置4と、この潜像形成装置4にて潜像が形成された画素電極3を有する像保持体1に対し、像保持体1との対向領域である現像領域にて現像剤を用いて現像する現像装置8と、を備え、潜像形成装置4は、画素電極3夫々に対応して行列配置され、各画素電極3に夫々接続されると共に照射される光の照射強度により導電率が変化する光導電素子5と、像保持体1の移動方向における前記現像領域を含む上流側に位置する予め決められた潜像形成位置にて各画素電極3に対し光導電素子5を介して印加すべき電圧信号を供給する電圧信号供給部6と、この電圧信号供給部6にて電圧信号が供給された光導電素子5に対し照射すべき光信号を供給する光信号供給部7と、を有し、電圧信号及び光信号は、各画素電極3に画像信号に基づく潜像電位を与えるように、一方を大きさが予め定められた基準信号とし、他方を大きさが画像信号に基づいて変化する可変信号とすることを特徴とする。尚、図中矢印Aは、像保持体1の移動方向を示す。
ここで、支持体2は、移動可能な構成であればよく、ドラム状、ベルト状いずれであっても差し支えないが、構成を簡略化するにはドラム状が好適である。また、画素電極3としては、支持体2の移動方向(列方向)及び移動方向に交差する交差方向(行方向)に行列配置(所謂マトリクス状に配置)されていればよく、その配置密度が形成可能な画素密度に相当する。更に、画素電極3は、一つの画素を一つの画素電極3で構成する態様、あるいは、複数の画素電極3で構成する態様のいずれであってもよい。そして、画像信号とは、像保持体1での画素毎に対応した画像データの信号を意味する。
また、光導電素子5は、照射される光の照射強度により導電率が変化するものであればよく、光が照射されると導電率が増加する特性を有する。このような光導電素子5の代表的態様としては、有機又は無機の感光体が挙げられる。
更に、電圧信号供給部6は、潜像形成位置にある画素電極3の光導電素子5に対し、印加すべき電圧信号を供給するものであればよい。ここで、潜像形成位置とは、行方向に並ぶ画素電極群の各画素電極3に対して光導電素子5を介して一括して電圧信号を供給するようにしてもよいし、行方向を複数に分割して、夫々別々に電圧信号を供給するようにしてもよい。そして、現像性能を安定化させるには行方向に沿って並ぶ画素電極群の各画素電極3に対し一括して電圧信号を供給する方がよい。尚、具体的態様としては後述する実施の形態で説明する。
また、光信号供給部7は、電圧信号供給部6にて電圧信号が供給された光導電素子5に照射すべき光信号を供給するもので、代表的態様としてはLEDアレイやレーザアレイを用いるものが挙げられる。更に、光信号供給部7としては、像保持体1の表面側に設けるようにしてもよいし、裏面側に設けるようにしてもよい。尚、裏面側に設ける際には、光導電素子5に光が照射されるように、支持体2等が透光性であることは言うまでもない。
そして、このような電圧信号供給部6と光信号供給部7とを用い、電圧信号及び光信号の一方を大きさが予め定められた基準信号とし、他方を大きさが画像信号に基づいて変化する可変信号とすることで、画素電極3には、画像信号に基づく潜像電位が形成される。
このような画像形成装置において、像保持体1から外部への配線を少なくする観点からすれば、図1(b)に示すように、電圧信号供給部6は、電圧信号として予め定められた電圧の基準信号を供給し、光信号供給部7は、光信号として画像信号に基づいて照射強度が変化する可変信号を供給することが好ましい。尚、図中点線は、例えば画素電極3が備える蓄積容量を示しており、画素電極3は潜像形成装置4にて形成された潜像電位を保持するものであるため、画素電極3要素自体あるいは別要素を付加することで、蓄積容量を備えるようにすればよい。
また、電圧信号供給部6及び光信号供給部7は、像保持体1の行方向に並ぶ画素電極群を複数に区分して処理するようにしてもよいが、電圧信号供給部6や光信号供給部7をより簡素化する観点から、電圧信号供給部6は、潜像形成位置に位置し且つ像保持体1の移動方向に交差する行方向に沿って並ぶ画素電極群を処理対象として選択し、選択された各画素電極に対し各光導電素子5を介して基準信号を電圧信号として一括して供給することが好ましい。
また、一方、画像形成装置としては、次のようにしてもよい。すなわち、図1(c)に示すように、電圧信号供給部6は、電圧信号として画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を供給し、光信号供給部7は、光信号として予め定められた大きさの照射強度を有する基準信号を光信号として供給するようにしてもよい。
ここで、このような画像形成装置と従来の画像形成装置との違いについて説明する。図2(a)は、本実施の形態モデルに係る画像形成装置の一画素を示す模式図であり、図2(b)は比較モデルに係る画像形成装置の一画素を示す模式図である。尚、図中符号9は、蓄積容量を示す。
図2(a)のモデルでは、画素電極3に光導電素子5が接続され、光導電素子5には光照射がなされている状態を示している。このような構成において、像保持体1には、画素電極3、光導電素子5及び蓄積容量9が形成され、光導電素子5に対し、X点から図示外の電圧信号供給部6からの電圧信号が供給される。また、光信号供給部7からは、像保持体1とは離間した位置から光照射がなされる。そのため、像保持体1側では、X点から光導電素子5までの配線を考慮するのみでよく、また、光導電素子5の形成自体も、後述する比較モデルのようにトランジスタを形成する場合に比べ、構成が簡単で、かつ、製造も簡略化される。
一方、図2(b)のような比較モデルでは、像保持体1には、画素電極3、蓄積容量9の他、画素電極3への電圧を供給するためにスイッチングするトランジスタTRを必要とし、トランジスタTRには、X点からの電圧供給(画像信号に基づく電圧)と、Y点からの電圧供給(走査信号としての電圧)を行うことが必要となる。そのため、像保持体1側では、トランジスタTRのみならず、X点に画像信号に基づく電圧を供給するための部材や、Y点を走査するための部材が必要となり、像保持体1から外部への配線を多く必要とする。更に、トランジスタTRを画素電極3に対応して形成する必要もある。それ故、構成が複雑、かつ、製造に際しては一層精密な技術を必要とする。
次に、図1(b)の態様における画素電極3での潜像電位の形成過程について、図3を基に説明する。今、図3(a)のように、像保持体1の移動方向が矢印A方向であり、図中上側の画素電極群、つまり、画素電極3(3a〜3c)が潜像形成位置に位置する処理対象の画素電極群とする。このとき、画素電極3a〜3cには、光導電素子5(5a〜5c)を介して電圧信号供給部6から基準信号としてVhの電圧が供給されている。尚、図中Ca〜Ccは、各画素電極3a〜3cが有する蓄積容量を示す。
次に、このように電圧信号供給部6にて光導電素子5にVhの電圧が供給されている状態で、図3(b)のように、各画素電極3a〜3cに対応する光導電素子5a〜5cに夫々画像信号に基づいて変化する照射強度の可変信号の光信号が供給される。ここでは、仮に、画素電極3a及び3cには光照射がなく(照射強度がゼロ)、画素電極3bに光照射がなされている場合を想定すると、光導電素子5bは高い導電率となり、光導電素子5a,5cは低い導電率(絶縁性)となる。その結果、(c)に示すように、画素電極3bには電圧信号供給部6から供給される電圧Vhに対応する電圧Vが潜像電位として形成される。一方、光照射がなされなかった画素電極3a,3cは電圧ゼロが潜像電位として形成される。また、このような過程を像保持体1の移動方向に沿って順次行うことで、像保持体1には画像信号に基づく潜像が形成される。
一方、図1(c)の態様における画素電極3での潜像電位の形成過程について、図4を基に説明する。今、図4(a)のように、像保持体1の移動方向が矢印A方向であり、図中上側の画素電極群、つまり、画素電極3(3a〜3c)が処理対象の画素電極群とする。このとき、画素電極3a〜3cのうち、画素電極3a,3cには光導電素子5a,5cを介して電圧信号供給部6から可変信号としてVhの電圧が供給され、画素電極3bには光導電素子5bを介して電圧信号供給部6から可変信号としてゼロ電圧が供給されているものとする。尚、図中Ca〜Ccは、各画素電極3a〜3cが有する蓄積容量を示す。
次に、このように電圧信号供給部6から光導電素子5(5a〜5c)に画像信号に基づいて変化する電圧が供給されている状態で、図4(b)のように、各画素電極3a〜3cに対応する光導電素子5a〜5cに光信号供給部7によって光導電素子5の導電率が予め定められた高い導電率(光導電素子5が例えば短絡に相当する導電率を意味する)に変化する照射強度の光信号が供給されると、いずれの光導電素子5a〜5c共、高い導電率の状態になる。その結果、図4(c)に示すように、画素電極3bには電圧信号供給部6から供給される電圧Vhに対応する電圧Vが潜像電位として形成される。一方、画素電極3a,3cには電圧信号供給部6から供給される電圧に対応するゼロ電圧が潜像電位として形成される。また、このような過程を像保持体1の移動方向に沿って順次行うことで、像保持体1には画像信号に基づく潜像が形成される。
以上のような画像形成装置のうち、先ず、図1(b)に示す態様の画像形成装置について説明する。このような態様の画像形成装置において、像保持体1から外部への配線を少なくするには、次のようにすればよい。つまり、電圧信号供給部6は、行方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して行方向に延びる複数の共通信号線を有し、各行の共通信号線と対応する行方向に沿って並ぶ各光導電素子5とを接続する信号線と、電圧信号の電圧を形成する電圧源と、潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群に対応する信号線と前記電圧源とを接続し、画素電極群を処理対象として選択する選択器と、を備えるようにすれば、電圧源からの電圧を如何にして信号線に供給するかを想定すればよい。
そして、この場合、像保持体1から外部への配線を不要にするには、選択器は、像保持体1の画素電極3の配置領域を超える端部側の表面部位に設けられ且つ複数の信号線夫々に接続される複数の端子と、像保持体1の表面側にて、潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群に対応する前記端子に接触するように設けられ、端子に基準信号を電圧信号として供給可能な接触子と、を備えるようにすればよい。
つまり、像保持体1側に端子を設け、この端子に対して電圧信号供給部6からの電圧信号の供給を、像保持体1とは離間した接触子を通じて行うようにしている。そのため、電圧源で形成された電圧は、接触子を通じて像保持体1側の端子に伝達され、端子から信号線経由で光導電素子5に供給される。このことで、像保持体1から外部への配線が不要になる。
ここで、像保持体1の端部側としては、像保持体1の片方の端部側が好適であるが、例えば両端部側であっても差し支えない。また、接触子としては、像保持体1の移動に伴って移動する端子との間で電圧信号の伝達がなされるように、端子に接触する部材であればよく、固定ブラシ、回転ブラシ、ロール部材、接触片等が挙げられる。この場合の電圧信号は、単に電圧が供給されるものであればよいため、多くの電流を流す必要がなく、体積抵抗率がある程度高くても差し支えない。そのため、導電性繊維を用いた固定ブラシが好適である。
また、端子と接触子との接触では、接触子が一つの端子と接触する方が好ましいが、両者の物理的大きさからそれが困難な場合には、光照射がなされる一群の光導電素子5(行方向に沿って並ぶ)に接続される端子が接触子の接触範囲内における像保持体1の移動方向の最下流側であることが望ましい。こうすることで、画素電極3に対し最後に形成された潜像電位が現像に供されるようになる。仮に、潜像電位が形成された画素電極3に対して、その後、これに対応する光導電素子5に光照射がなされると、光照射がなされたときの端子の有する電圧に影響されるようになるが、端子がフローティング(入力インピーダンスが非常に高い状態)であると、影響が少ないことは言うまでもない。
更に、接触子を用いない態様としては、次の例が挙げられる。すなわち、選択器が、像保持体1の画素電極3の配置領域を超える端部側に設けられて複数の信号線夫々に接続され、処理対象となる画素電極群に対応する信号線に基準信号が供給されるように予め決められた順番で信号線を走査する走査部材を備えるようにしてもよい。この場合、像保持体1側の走査部材に対する外部からの配線が必要となるが、処理対象となる画素電極群に対応する信号線の選択が容易になされるようになる。
このような走査部材としては、像保持体1の支持体2上に取り付けられる集積回路部品の構成が代表的であり、走査部材にて所望の信号線を選択し走査することで、電圧信号供給部6で供給すべき電圧信号が所望の光導電素子5に供給される。このように走査部材を設けることで、走査部材への電圧信号の供給が必要になり、像保持体1から外部への配線が必要となったり、走査部材を像保持体1に取り付ける必要が生じる。しかしながら、像保持体1の周長を短くすれば、像保持体1から外部への配線数を低減したり、走査部材の数を低減することも可能になる。
そして、このような態様の画像形成装置にあって、潜像の階調性を高める観点からすれば、光信号供給部7は、画像濃度に対応して三段階以上に区分された照射強度を有する可変信号を光信号として供給することが好ましい。このような照射強度の区分は三段階以上であれば何段階であっても差し支えないが、ここで言う三段階には、照射しないことも一段階として含む趣旨である。これにより、区分が単に二段階(照射の有無のみ)の場合に比べ、階調性の優れた画像が形成される。
また、このような画像形成装置にあって、画像信号に基づく潜像電位を形成する前の画素電極3の残留電位の影響を軽減する観点から、潜像形成位置より像保持体1の移動方向における上流側の予め決められた除電位置で行方向に沿って並ぶ画素電極群に対し、潜像電位が形成される前の各画素電極3の有する残留電位を除電する除電装置10を更に備えることが好ましい。
そして、このような除電装置10としては次のような態様が挙げられる。すなわち、除電装置は、前記除電位置に位置する各画素電極3に光導電素子5を介して予め定められた除電可能な除電電圧を除電電圧信号として供給する除電電圧信号供給部11と、この除電電圧信号供給部11にて除電電圧信号が供給された光導電素子5に対応する画素電極3に対して除電電圧を印加可能とするように、光導電素子5に対し光導電素子5の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の除電光信号を供給する除電光信号供給部12と、を備えるようにすればよい。
ここで、除電電圧としては、画素電極3が除電されるものであればよく、予め定められた電圧を用いるようにすればよいが、代表的には接地電圧が挙げられる。また、このような除電対象となる画素電極群としては、像保持体1の移動方向に交差する行方向に対して、一行のみならず、複数行を同じ時期に処理しても差し支えなく、例えば、離間する行で除電を行ってもよいし、隣り合う行で除電を行うようにしてもよい。更に、例えば除電装置10で光導電素子5に対し光信号を供給する際、複数行に跨がった光導電素子5に光導電素子5の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の除電光信号を供給するために、複数行に跨がって広がった光源を用いるようにしてもよい。
更に、一つの像保持体1にて複数色の画像を多重化させる方式に対しては、次のようにすればよい。すなわち、一つの像保持体1と、この像保持体1に対向して配置される複数の現像装置8と、これら複数の現像装置8に対応する夫々の潜像形成位置にて潜像を形成する複数の潜像形成装置4と、を備え、複数の潜像形成装置4の各電圧信号供給部6は、予め定められた夫々異なる電圧の基準信号からなる電圧信号を供給するものであり、一色目の電圧信号供給部6は、一色目の基準信号からなる電圧信号を供給し、二色目以降の電圧信号供給部6は、前色の基準信号を累積して当該色用に設定される累積基準信号からなる電圧信号を供給するようにすればよい。
そして、複数色の画像を多重化させる際、更に、より良好な色重ねを行うには、複数の潜像形成装置4の各光信号供給部7のうち一色目の光信号供給部7は、一色目の画像信号に基づく光信号を供給し、二色目以降の光信号供給部7は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づく光信号を供給することが好ましい。
このように、一つの像保持体1に複数の現像装置8を有する態様において、以前に通過した現像装置8にて画素電極3上に現像剤(トナー)の付着がある画素電極3と付着がない画素電極3とが発生することが想定される。そのため、次の現像時に同じ潜像電位であると、当該現像装置8による現像時に現像剤の付着量が異なる虞がある。したがって、現像剤の付着がある画素電極3の潜像電位を現像剤の付着がない画素電極3の潜像電位より大きくするように、光信号で調整することで、後続の現像装置8での現像がより画像信号に基づいてなされるようになる。
更に、一つの像保持体1に対して複数の現像装置8を備える態様にて、画素電極3に形成される潜像電位をより画像信号に基づくものとするには、像保持体1の移動方向における上流側に隣り合う現像装置8の現像領域より下流側で且つ当該現像装置8に対応する潜像形成位置までの予め決められた除電位置で行方向に沿って並ぶ画素電極群に対し、潜像電位が形成される前の各画素電極3の有する残留電位を除電する除電装置10を更に備えることが好ましい。
尚、このように一つの像保持体1に対して複数の現像装置8を備える態様では、複数の潜像形成装置4のうち少なくとも二以上の潜像形成装置4は、互いの潜像形成位置における潜像形成を並行して行うようにすれば、一つの像保持体1での画像形成速度を速くしたり、あるいは、一つの画素電極3での処理時間を長くすることもでき、画質の向上がなされるようにもなる。
次に、図1(c)に示すような画像形成装置について説明する。このような態様の画像形成装置の具体的態様は、次のようにすればよい。すなわち、電圧信号供給部6は、列方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して列方向に延びる複数の共通信号線を有し、各列の共通信号線と対応する列方向に沿って並ぶ各光導電素子5とを接続する信号線と、これらの信号線に接続され、潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群を処理対象として選択し、選択された画素電極群に対応する画像信号に基づく電圧信号を供給する電圧供給器と、を備え、光信号供給部7は、潜像形成位置にて前記電圧供給器から電圧が供給された行方向に沿って並ぶ各光導電素子5に対し、当該光導電素子5の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の光信号を供給するようにすればよい。ここで、予め定められた高い導電率とは、光導電素子5がほぼ短絡に近い状態になる導電率が好適であり、このような導電率に変化する照射強度を、実験等によって求めておけばよい。
この態様は、図1(b)の態様と異なり、像保持体1と外部との間の配線を要するが、光信号供給部7は、除電装置10のように、行方向に沿って並ぶ光導電素子5対し、光導電素子5の導電率が予め定められた高い導電率(光導電素子5が短絡するような導電率)に変化する照射強度の光信号を与えればよい。そして、この態様においては除電装置10を要しない特徴を有する。
また、この態様にあって、一つの像保持体1にて複数色の画像を多重化させる方式に対しては、次のようにすればよい。すなわち、一つの像保持体1と、この像保持体1に対向して配置される複数の現像装置8と、これら複数の現像装置8に対応する夫々の潜像形成位置にて潜像を形成する複数の潜像形成装置4と、を備え、複数の潜像形成装置4の各電圧信号供給部6のうち一色目の電圧信号供給部6は、一色目の画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給し、二色目以降の電圧信号供給部6は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給するようにすればよい。
画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給する際、以前に通過した現像装置8にて画素電極3上に現像剤の付着がある画素電極3と付着がない画素電極3とが発生することが想定される。そのため、次の現像時に同じ潜像電位であると、当該現像装置8による現像時に現像剤の付着量が異なる虞がある。したがって、現像剤の付着がある画素電極3の潜像電位を現像剤の付着がない画素電極3の潜像電位より大きくするように、電圧信号で調整することで、後続の現像装置8での現像がより画像信号に基づいてなされるようになる。
以上のような二つの態様の画像形成装置において、画素電極3の専有面積を大きくし、更なる高密度化を可能にする観点からすれば、光信号供給部7が像保持体1の表面側から光を照射するものである態様において、画素電極3は光信号供給部7からの光が透過する素材で構成され、光導電素子5は画素電極3より支持体2寄りに設けられることが好ましい。例えば、一つの画素電極3の領域内の下方に、この画素電極3に対応する光導電素子5を形成することも可能で、この場合、像保持体1を表面側から見たときには、画素電極3のみが適度な間隙を持って行列配置された状態が実現される。また、光導電素子5を対応する画素電極3の直下からずらした状態で配置するようにしてもよく、行列配置された光導電素子5のうち、行方向に並ぶ光導電素子5に対し、電圧信号供給部6からの電圧信号が供給されると共に、光信号供給部7からの光信号が供給されるようになっていればよい。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図5は、本発明が適用された実施の形態1の画像形成装置の概要を示す。
<画像形成装置の全体構成>
同図において、本実施の形態の画像形成装置は、所謂タンデム型のカラー画像形成装置であり、装置筐体18内に例えば電子写真方式にて各色成分(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等)のトナー像が形成される像保持体20(20a〜20d)を略鉛直方向に並べて配置すると共に、これらの像保持体20に対向して循環回転する中間転写ベルト50を略鉛直方向に掛け渡し、この中間転写ベルト50上で像保持体20上の各色トナー像を多重化するようにしたものである。
本実施の形態では、各像保持体20a〜20dの周囲の構成は略同様であるので、ここでは、一番上方に位置する像保持体20a(20)を例に、その周囲の構成を説明する。図中B方向に回転する像保持体20の周囲には、像保持体20上に形成された潜像電位に対してトナーを用いて現像する現像器40、現像器40にて現像された像保持体20上のトナー像を中間転写ベルト50上に転写するために中間転写ベルト50を挟んで像保持体20と対向する位置に設けられた転写器55、転写器55による転写後の像保持体20上の残留トナーを清掃する清掃器56等が設けられている。
特に、本実施の形態における像保持体20の周囲のうち清掃器56と現像器40との間には、像保持体20の回転軸方向の端部側で像保持体20の表面に接触する二つの固定ブラシからなる接触子57,59と、これらの接触子57,59が接触する位置で、像保持体20の回転軸方向に沿って延びるように設けられ、像保持体20に対して光信号を供給する光信号供給部を構成する例えばLEDアレイを用いた二つの光源58,60が設けられている。
本実施の形態では、二つの接触子57,59のうち、像保持体20の回転方向の上流側の接触子57が除電装置を構成する除電ブラシ(以降、接触子57の代わりに除電ブラシ57と称す)であり、回転方向の下流側の接触子59が潜像形成位置に位置する画素電極26(後述する)に潜像電位が形成されるように書き込むための書込ブラシ(以降、接触子59の代わりに書込ブラシ59と称す)となる。そのため、二つの光源58,60は、光源58が除電装置を構成し、光源60が光信号供給部を構成する。以降、光源58を除電光源58、光源60を書込光源60と称す。
一方、中間転写ベルト50は、複数の張架ロール51〜53(本例では三個)に張架され、例えば張架ロール51を駆動ロールとして図中C方向に循環回転するようになっている。また、張架ロール53に対し中間転写ベルト50を挟んで対向する位置には二次転写器66が設けられ、中間転写ベルト50上で多重化されたトナー像が後述する記録材供給部13から供給された記録材上に一括転写される。更に、中間転写ベルト50を挟んで張架ロール51と対向する位置には、中間転写ベルト50上の残留トナーを清掃するベルト清掃器54が取り付けられている。尚、二次転写器66は張架ロール53を対向ロールとして、両者の間に予め定められた二次転写バイアスが印加されている。
また、装置筐体18内の下方には、記録材を供給する記録材供給部13が設けられ、例えば供給容器14内に収容された記録材が、ピックアップロール15及び捌き機構16にて一枚毎に略鉛直方向に延びる記録材搬送路17に向かって供給される。記録材が搬送される記録材搬送路17には、記録材を搬送するための搬送部材68,69が適宜設けられている。これらのうち、二次転写器66に対して上流側に隣り合う位置にある搬送部材68は、記録材を一旦位置決めした後に送り出すレジストレーションロールであり、記録材搬送路17の最下流側の搬送部材69は、記録材を装置筐体18の上面に設けられた記録材排出部19に排出する排出ロールとなっている。更に、二次転写器66と排出ロール69との間には、二次転写器66で記録材上に転写されたトナー像を定着する定着器67が設けられている。
<像保持体>
次に、本実施の形態で用いられる像保持体20について説明する。
図6は像保持体20の概要を示す斜視図であり、循環回転が可能な略円筒状の支持体21上に画素単位毎に行列配置された画素電極(図示せず)等が設けられたマトリクスパネル25が巻き付けられて固定されたものとなっている。マトリクスパネル25は、所謂薄膜製造技術を用いて形成されたもので、また、支持体21の両側端部には、回転軸23を有する側板22が装着され、回転軸23を回転させることで支持体21が回転するようになっている。
また、除電ブラシ57及び書込ブラシ59は、マトリクスパネル25の画素電極の配置領域(図示せず)を超える支持体21の端部側に配置される一方、除電光源58及び書込光源60はマトリクスパネル25の画素電極の配置領域に対応する位置に配置されている。
除電ブラシ57及び書込ブラシ59は、例えばアクリルやレーヨン等の有機材料に導電性カーボンブラック等の導電剤を分散又は被覆した導電性繊維を用いたブラシ状で、像保持体20の端部側にてマトリクスパネル25に対して軟らかく接触するように配置され、除電光源58及び書込光源60は、夫々除電ブラシ57及び書込ブラシ59に対応する位置で、像保持体20の回転軸方向に沿って延びて設けられており、マトリクスパネル25とは非接触の状態で配置されている。
また、このような像保持体20のマトリクスパネル25を表面側から見た構成は、図7(a)に示すようになっており、一画素当たりの等価回路は図7(b)のように表される。これらの図において、マトリクスパネル25は、支持体21の回転方向(図中矢印B方向)を列方向として画素単位毎に行列配置された画素電極26を有している。そして、一画素としては、画素電極26と、画素電極26夫々に対応して行列配置され、各画素電極26夫々に接続されると共に照射される光の照射強度により導電率が変化する光導電素子27と、一端側が画素電極26と光導電素子27との接続箇所に接続され、他端側が例えば接地される蓄積容量28等で構成される。本実施の形態では、画素電極3自体が有する浮遊容量ではなく、別途蓄積容量28を設けることで、画素電極26に対する潜像電位の書き込み性能は浮遊容量のみの場合に比べて向上する。
そして、本実施の形態では、行方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して行方向に延びる複数の共通信号線を有し、各行の共通信号線と対応する行方向に沿って並ぶ各光導電素子27とを接続する信号線29が設けられ、これらの信号線29は画素電極26の配置領域を超えて像保持体20の端部側にまで延びている。更に、像保持体20の画素電極26の配置領域を超える端部側の表面部位には、複数の信号線29夫々に接続される複数の端子30が設けられている。これにより、端子30から信号線29を通って電圧信号が光導電素子27まで達するようになる。ここで、端子30は、除電ブラシ57や書込ブラシ59との間で繰り返しの擦り動作が行われるため、このような擦り動作にも耐えられるように、例えば表面にめっき処理等によって厚さが厚く且つ硬度の硬い素材等による被覆層が形成されたものであってもよい。
また、図7(c)は、図7(a)を右側方から見たときのマトリクスパネル25の断面構造の概要を示している。同図において、一画素の構造は、マトリクスパネル25の絶縁性の基体25a上に、信号線29及び蓄積容量28の接地側電極28aを形成し、第一の絶縁層31で覆う。次に、第一の絶縁層31上に蓄積容量28の残りの片方の電極28bを形成し、第二の絶縁層32で覆う。この第二の絶縁層32上に光導電素子27の電極27aを形成し、その上を覆うように光導電素子27となる光導電層33を設ける。この光導電層33の上に、例えばITOやポリシリコン等の透光性の画素電極26を設け、表面を透光性のある絶縁性の保護層34で覆っている。尚、蓄積容量28の接地側電極28aはまとめて例えば支持体21に接続するようにしてもよいし、絶縁性の基体25a上に導電層を設け、この導電層に接続するようにしてもよい。
このように構成することで、光導電素子27の残りの電極を画素電極26が担うようになり、層構成が簡略化されると共に、光導電素子27を画素電極26の下方に設けることで、画素電極26の面積も大きくなる。尚、図中太線で示す部分は、信号線29の一部が光導電素子27の電極27a側に延びている導体部分であり、また、蓄積容量28の電極28bと画素電極26との間を結ぶ導体部分であり、各層の形成時に適宜形成している。
<潜像形成制御装置>
図8は、本実施の形態における潜像形成装置の一部を構成する潜像形成制御装置100と像保持体20との関係を示すもので、像保持体20には、予め決められた位置に外部の読み取りセンサ110によって回転する像保持体20の位置が認識できるような例えばロータリエンコーダ111が設けられ、このロータリエンコーダ111からの信号に基づいて像保持体20の位置が識別される。
潜像形成制御装置100は、像保持体20上で、特に、現像器40との対向部位の現像領域より像保持体20の回転方向の上流側で、像保持体20の回転方向に交差する行方向(像保持体20の回転軸方向に相当する)に沿って並ぶ画素電極群(図7参照)のうち、どの画素電極群が潜像電位を形成する書込位置(潜像形成位置に相当)に至るかを識別する識別部101、画像信号に対して例えば二値化等の階調変換を行って変換された画像データを得る階調変換部102、階調変換部102にて階調変換された画像データを記憶する記憶部103、識別部101からの識別信号に合わせて記憶部103に記憶された画像データを基に書込光源60への光信号を形成する書込光形成部104、電圧源を有し、書込ブラシ59に対し電圧源から供給する電圧信号を形成する書込電圧形成部105、除電光源58への光信号を形成する除電光形成部106、除電ブラシ57に対し供給する除電電圧を形成する除電電圧形成部107等で構成されている。
本実施の形態では、識別部101に対するトリガ信号として、像保持体20のロータリエンコーダ111を読み取りセンサ110で読み取った信号を用い、その信号から、書込ブラシ59及び書込光源60の位置に対応する潜像電位の書込位置に至る画素電極群を識別し、その画素電極群に合わせた画像データに対応する光信号が書込光形成部104及び書込光源60を介して対応する光導電素子27(図7参照)に照射されるようになる。そのため、本実施の形態では書込光形成部104及び書込光源60が光信号供給部に相当する。尚、本実施の形態では、階調変換部102が画像信号を二階調に変換するため、照射される光の照射強度は、ON/OFFの二段階で、光導電素子27が短絡状態に相当する高い導電率になる場合と絶縁性が維持される場合となっている。つまり、画像データに合わせて書込光源60が画素毎にON/OFFの選択点灯を行う。
また、本実施の形態の書込電圧形成部105は、予め定められた電圧の基準信号を電圧信号として画素電極群に対応する光導電素子27に供給するもので、像保持体20での画像形成期間中は、書込ブラシ59に対して一定の電圧を供給する。つまり、本実施の形態では書込電圧形成部105及び書込ブラシ59が電圧信号供給部の一部を構成する。
更に、本実施の形態では、像保持体20の行方向に並ぶ画素電極群が、清掃器56(図4参照)から書込位置に達するまでの間の適宜位置にあるときに該当する画素電極26(図7参照)に対して除電がなされるように、除電ブラシ57や除電光源58の配置を決めている。そのため、潜像形成制御装置100では、除電光形成部106及び除電光源58によって光導電素子27の導電率が予め定められた高い導電率(略短絡状態)になる照射強度の光信号が該当する光導電素子27に供給されると共に、除電電圧形成部107及び除電ブラシ57によって該当する光導電素子27に除電可能な除電電圧が供給されるようになっている。そのため、本実施の形態では除電光形成部106、除電光源58、除電電圧形成部107、除電ブラシで除電装置が構成される。そして、本実施の形態では、像保持体20での画像形成期間中は除電光源58が光照射(全点灯)を行い、一方、除電ブラシ57は除電電圧としての接地電圧に常に接続されている。
つまり、本実施の形態では、像保持体20のロータリエンコーダ111を読み取りセンサ110で読み取り、書込位置に至る画素電極群を識別すると共に、書込位置に書込ブラシ59及び書込光源60を配置することで、画像信号に基づく潜像電位を対応する画素電極26に形成するようになっている。また、除電光源58からは光導電素子27を短絡状態とするような照射強度の光が画像形成期間中は常に照射されるように設定されている。
<現像器>
本実施の形態における現像器40は、図9に示すように、導電性トナー(以降適宜トナーと略す)が収容される現像容器41を有し、この現像容器41には像保持体20に対向して現像用開口41aが開設されると共に、この現像用開口41aに面して像保持体20と離れて配置され且つ対向部位で互いに異なる方向に回転する現像ロール42が設けられている。そして、像保持体20と現像ロール42とが対向する部位のうちトナーによって現像可能な現像領域DRにて像保持体20上に形成された潜像が現像される。
また、現像容器41内の現像ロール42に対向する位置には、トナーを現像ロール42に供給する供給ロール43が設けられ、この供給ロール43より現像ロール42の回転方向の下流側で現像領域DRとの間には、現像ロール42上のトナーに電荷注入を行う電荷注入ロール44が設けられている。更に、供給ロール43には、この供給ロール43上のトナーの層厚を規制する層規制ブレード45が設けられ、供給ロール43上のトナーの層厚が略均一な厚さになされる。更にまた、供給ロール43の奥側には、トナーを攪拌しながら供給ロール43に供給するアジテータ46が設けられている。
そして、現像ロール42にはバイアス電源47からの現像バイアスが印加される一方、供給ロール43と現像ロール42とが同電位になっている。また、電荷注入ロール44にはバイアス電源48が接続され、現像バイアスより大きい電荷注入バイアスが電荷注入ロール44に印加される。それ故、像保持体20と現像ロール42との間には現像電界が作用し、現像ロール42と電荷注入ロール44との間には電荷注入電界が作用する。
本実施の形態において、現像ロール42は、例えば表面をアルマイト処理したアルミニウム合金製のロール部材で構成される。また、電荷注入ロール44は、サンドブラスト法や化学エッチング法等により表面に小さく均一な凹凸面が形成されたアルミニウム合金製のロール部材で構成される。そして、現像ロール42と電荷注入ロール44とは軽く接触又は微小間隙をもって支持される。更に、層規制ブレード45は例えば厚さ0.03〜0.3mm程度のステンレス製の板ばねにシリコーンゴムやEPDMゴムを接着剤等により固着し、その一端は供給ロール43の表面に軽く接触させ、他端は現像容器41の一部に支持されている。
また、本実施の形態で用いられる導電性トナーの一例としては、導電性を有する材料からなる導電性トナー基体(導電性コア)を有し、この導電性コアの周囲を絶縁性被覆層(例えば絶縁性樹脂層)で被覆すると共に、導電性コアの一部が露出するように絶縁性被覆層に適宜数の凹部を設けたものが用いられる。導電性トナーは、重合法や各種公知のカプセル化技術等で作製することができる。この時、導電性コアは、ポリエステル系樹脂やスチレンアクリル系樹脂等に導電性カーボンやITO等の透明導電粉などの導電剤を分散させたり、ポリエステル系樹脂やスチレンアクリル系樹脂等からなる粒子表面を前記導電剤にて被覆することによって、作製される。
このような態様の導電性トナーは、高電界が印加されると低抵抗化する傾向を示す。そして、低抵抗化する電界の大きさについては、トナーの主として凹部の占有割合、あるいは、絶縁性被覆層の厚さなどに依存する。このメカニズムについては、次のように推測される。つまり、導電性コアが絶縁性被覆層にて被覆されているため、導電性コア自体がコア同士接触することや直接電極部材等に接触することが殆どなく、絶縁性被覆層を介して一定の微小間隙を保つことになり、この結果、例えば高電界が印加された時、トンネル効果等により導通することによる。
次に、このような画像形成装置における作用について説明する。
<画像形成装置全体での作用>
図5に示すように、現像器40にて現像され、夫々の像保持体20(20a〜20d)上に形成されたトナー像は、夫々の転写器55にて中間転写ベルト50上に順次転写されて多重化される。一方、記録材供給部13から供給された記録材には、中間転写ベルト50上で多重化されたトナー像が二次転写器66のある二次転写部位にて一括転写され、多重化されたトナー像が転写された記録材は定着器67にて定着された後、排出ロール69から記録材排出部19上に排出される。
<像保持体での潜像形成>
このような画像形成装置における像保持体20での潜像形成について、図10を基に説明する。今、図10(a)のように、像保持体20は図中矢印B方向に沿って回転しており、行方向に延びる三本の信号線29(29a〜29c)の端子30a〜30cに対して書込ブラシ59が接触し、夫々の信号線29a〜29cには光導電素子27が接続されているものを想定する。この場合、書込ブラシ59は例えば一つの端子30aと接触することが望ましいが、物理的な大きさからそのことが困難なことを想定し、本例では例えば三つの端子30a〜30cに接触している状態としている。
このとき、書込ブラシ59からは、書込ブラシ59が接触する端子30a〜30cに対して予め定めた電圧が供給される。また、書込光源60からは、書込ブラシ59が接触する端子30のうち、像保持体20の回転方向における最下流側の端子30aに接続する光導電素子27(具体的には27A〜27D)に対して、画像信号に基づいて照射強度が変化する光が照射される。尚、本実施の形態では、書込ブラシ59が接触する端子30より像保持体20の回転方向における上流側において、図示外の除電ブラシ57が端子30に接触すると共に、除電ブラシ57に合わせて除電光源58が配置されていることは言うまでもない。
このような状態で、先ず、潜像形成時には、図10(b)に示すように、書込ブラシ59から、光導電素子27(本例では信号線29a〜29cに接続される光導電素子)に予め定められた電圧Vhが供給される。このとき、書込光源60から、画像信号に基づいて照射強度が変化する光が照射され、例えば光導電素子27B及び27Cにのみ光が照射される。これにより、光が照射された光導電素子27B,27Cは高導電性を示し、略短絡した状態となる。そのため、これらの光導電素子27B,27Cを介して画素電極26B及び26Cには電圧Vhが供給され、これが新たな潜像電位を形成する。
また、除電時には、図10(c)に示すように、除電ブラシ57を介して行方向に沿って並ぶ光導電素子27(27A〜27D)に接地電圧を供給した上で、これらの光導電素子27に除電光源58(図示せず)を介して光導電素子27が短絡されるような照射強度の光を照射するようにすれば、これらの光導電素子27を介して画素電極26(26A〜26D)には接地電圧が供給される。このため、仮に、これらの画素電極26(26A〜26D)に画像信号と異なる潜像電位が残留していたとしても、安定した除電がなされることで、次の潜像形成時の潜像電位への影響が抑えられる。
このような除電時には、光導電素子27毎に照射強度を区分する必要がなく、行方向に並ぶ光導電素子27に亘って同程度の照射強度の光を照射すればよい。また、像保持体20の回転方向で隣り合う複数の光導電素子27に同時に光照射を行っても差し支えないことから、例えば除電ブラシ57と除電光源58との組み合わせを複数設けてもよいし、除電光源58として像保持体20の回転方向に沿う照射幅が広いものを用いてもよい。更には、例えば除電光源58として、LEDアレイの代わりに、行方向に並ぶ光導電素子27を跨がる大きさのスリットを開けて、ランプからの光をこのスリットを介して照射するようにしてもよい。
このような光導電素子27としては、有機感光体に限られず、照射される光の照射強度によって導電率が変化するものであればよく、例えば、無機感光体、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅、その他有機半導体など(適宜不純物を含む)が挙げられる。ただし、ここでは光導電素子27の例として、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)を備えた有機感光体(OPC)の構成にて、その電荷の動きに着目して、背景部や画像部での様子を説明する。
図11(a)は、光導電素子27(有機感光体に相当)に書込ブラシ59を介して予め定められた電圧が供給されると共に、光照射はなされていない状態を示している。光導電素子27は、蓄積容量28側にCGL271、書込ブラシ59側にCTL272を有するものとなっている。今、光照射がなされていない光導電素子27の静電容量をC1、蓄積容量28の静電容量をC2とし、書込ブラシ59に電圧Vhが供給されているものとすると、光導電素子27と蓄積容量28との間では、互いの電荷量が等しくなるように電荷が発生し、画素電極26の電圧は、V=Vh・C1/(C1+C2)となる。そして、この状態が画像の背景部となる潜像電位が形成されるものとなる。
次に、光導電素子27に光が照射された場合には、図11(b)に示すように、CGL271で電荷が発生し、この電荷がCTL272を通って反対極性の電荷(プラス電荷)と再結合し、光導電素子27中の電荷量はほぼゼロとなる。一方、蓄積容量28側にもCGL271で発生した電荷が作用し、蓄積容量28の電荷量は増加する方向になる。その後、(c)に示すように、書込ブラシ59が離れると、光導電素子27では電荷がなくなった状態が維持され、蓄積容量28では電荷量が増加した状態が維持される。これにより画素電極26の電位は、V≒Vhとなる。これが画像部の潜像電位を形成する。
一方、除電時には次のように作用する。図12(a)に示すように、今、ある程度の電荷量が光導電素子27及び蓄積容量28に蓄えられている状態を想定し、このとき、除電ブラシ57から接地電圧が光導電素子27に供給されると、光導電素子27中ではCTL272側がマイナス電荷となる一方、蓄積容量28には光導電素子27側がプラス電荷となる電荷量が残存している。このとき更に、除電光源58(図示せず)からの光照射がなされると、光導電素子27のCGL271では新たに電荷が発生し、この発生した電荷により、光導電素子27では中和が生じ、電荷量がほぼゼロとなる。一方、光導電素子27で発生した電荷は、蓄積容量28に対しては逆極性となるため、蓄積容量28の電荷量も減少する。その後、除電ブラシ57が離れると、光導電素子27及び蓄積容量28のいずれの電荷量もほぼゼロとなり、画素電極26は略ゼロの電位となる。これにより画素電極26の除電がなされる。
以上、図10(a)〜(c)に示したように、書込ブラシ59を介して信号線29毎に予め定められた電圧を順次供給し、電圧が供給された信号線29に繋がる光導電素子27に対して、書込光源60から、画像信号に基づいて照射強度が変化する光を照射することで、各画素電極26に画像信号に基づく潜像電位が形成され、マトリクスパネル25としての潜像が形成される。また、除電ブラシ57(図示せず)を介して信号線29毎に予め定められた電圧を順次供給し、電圧が供給された信号線29に繋がる光導電素子27に対して、除電光源58(図示せず)から、予め定められた照射強度を有する光を照射することで、各画素電極26の除電がなされる。
<現像器での現像>
以上のように潜像電位が形成された像保持体20の現像工程は次のようになる。図9に示すように、像保持体20の回転方向であるB方向に沿って、先ず、画素電極26(図示せず)に対し、除電ブラシ57及び除電光源58にて除電を行った後、書込ブラシ59及び書込光源60にて潜像を形成した後、現像領域DRにて現像される。このとき、画像部にはトナーが吸引されて付着し、一方、背景部にはトナーの吸引がなされないことで所望の画像が得られる。
本実施の形態では、以上のような構成を採用することで、像保持体20上のマトリクスパネル25側に対する信号の受け渡しが、例えば電圧信号においては二つのブラシ、つまり、除電ブラシ57及び書込ブラシ59から直接行われ、光照射についても像保持体20から離れた位置からの照射となるため、マトリクスパネル25側と外部との間の配線が不要になる。また、マトリクスパネル25の作製にあたっては、例えば薄膜トランジスタ等の高精度のプロセス制御を必要とする要素もなく、更には、マトリクスパネル25上にドライバ等の集積回路部品を搭載する必要もない。それ故、像保持体20の構成も簡略化され、安価な画像形成装置が実現される。
本実施の形態では、光導電素子27を画素電極26の下方、つまり、支持体21寄りに設ける態様を示したが、画素電極26を非透光性の材料で構成し、光導電素子27を画素電極26以外の部位に設けるようにしてもよい。また、本実施の形態では、光導電素子27を厚み方向に動作させる構成としたが、平面方向で動作させる構成としてもよい。
更に、本実施の形態では、書込ブラシ59及び除電ブラシ57に固定ブラシを用いる態様を示したが、例えば、導電性繊維を回転体の周囲に設けた回転ブラシ形状のものでもよいし、例えばクロロプレンゴムに導電剤を添加したゴムが巻かれた回転ロール状のものでもよい。更には、金属片や、金属片の一部に貴金属を埋め込んだ所謂インレイ加工を施した接触片等、適宜選定すればよい。
そして、本実施の形態では、除電光源58及び書込光源60を像保持体20の表面側に設ける態様を示したが、像保持体20の内側に設けるようにしてもよい。図13は、除電ブラシ57及び書込ブラシ59に対応する像保持体20の内側位置で、像保持体20の回転軸方向に沿って延びるように配置されている除電光源58及び書込光源60を有する。この場合、像保持体20の支持体21を透光性の部材、例えばガラスやアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用い、更に、除電光源58及び書込光源60からの光照射が光導電素子27に達するまでの部材、例えばマトリクスパネル25の基材25a(図7参照)や信号線29、および、光導電素子27の電極27a等の材料を透光性の材料にて構成すればよい。
このように、像保持体20の内側から光照射を行う態様では、書込光源60による書込位置を現像領域に設定することも可能であるが、この場合、書込ブラシ59を像保持体20の回転方向では現像領域に配置し、像保持体20の回転軸方向では現像器40を超える位置に配置すればよい。
本実施の形態では、書込光源60から照射される光の照射強度として、照射の有無(ON/OFF)の二段階を用いる態様を示したが、次のようにしてもよい。図14(a)は光導電素子27の照射強度と導電率との関係を示す一例で、照射強度を大きくすると導電率は増加する。照射強度をゼロから上げていくと、ある照射強度から導電率は増加を開始し、急激に増加した後、飽和に近づく傾向を示す。このような関係の中で、例えば図のように、照射強度α、β、γを定め、このような照射強度の光を光導電素子27に照射することで、光導電素子27の導電率が変化し、その容量成分が照射強度によって異なる(図11のC1に相当)ことで、画素電極26の電位が変化するようになる。
そこで、図14(b)に示すように、画像信号に対して階調変換する際、画像濃度に二つの閾値を設け、画像濃度を三段階に区分し、区分した画像濃度の範囲に対して、照射強度がα、β、γの光を照射すれば、照射光の照射強度に応じた潜像電位が形成され、結果的に画像濃度が区分されたものとして現れる。尚、このような区分は、三段階に限られず、より細かく区分するようにしても差し支えなく、実験等によって適切な照射強度を求めておけばよい。
また、本実施の形態では、像保持体20として、支持体21上にマトリクスパネル25を貼り付ける構成を示したが、薄膜製造技術を用いて、例えば支持体21上に直接画素電極26等を形成するようにしてもよい。更に、現像器40としては、導電性トナーを使用するタイプを例示したが、通常の摩擦帯電型のトナーを使用するタイプであっても差し支えない。
更に、本実施の形態では、除電装置、つまり、除電ブラシ57及び除電光源58を用いる態様を示したが、特に、転写時に用いられる転写バイアスによる画素電極26への影響を想定すると、除電装置を用いることが好ましいが、仮に、除電ブラシ57や除電光源58を用いない場合であっても、転写後の画素電極26での残留電位の影響が小さい場合には適用が可能である。
◎実施の形態2
図15(a)は、実施の形態2の画像形成装置の要部概要を示す斜視図であり、(b)はマトリクスパネル25の構成要素を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は実施の形態1の像保持体と一部が異なる像保持体20を用いたもので、マトリクスパネル25における像保持体20の画素電極26(図示せず)の配置領域を超える端部側に設けられ、像保持体20の回転軸方向(行方向)に延びて並ぶ各信号線29に接続される走査部材としての走査用ドライバ35を適宜数備えている。
走査用ドライバ35は、処理対象となる画素電極群に対応する信号線29に予め定められた電圧の電圧信号を送出するために、像保持体20の回転方向に沿って予め決められた順番で信号線29を走査するもので、例えばカウンタ、ラッチ、バッファ等のデバイスで構成され、外部から供給される電圧信号を適宜信号線29に供給するようになっている。そのため、本実施の形態では、実施の形態1で用いた除電ブラシ57や書込ブラシ59(図6参照)を有していない。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、このように走査用ドライバ35を備えているため、潜像形成制御装置100も実施の形態1と異なるものとなっている。図16は、本実施の形態における潜像形成制御装置100と像保持体20との関係を示すもので、像保持体20には、予め決めた位置に外部の読み取りセンサ110によって回転する像保持体20の位置が認識できるようなロータリエンコーダ111が設けられている。
潜像形成制御装置100は、像保持体20上で、特に、現像器40との対向部位の現像領域より像保持体20の回転方向の上流側で、像保持体20の回転方向に交差する行方向(像保持体20の回転軸方向に相当する)に沿って並ぶ画素電極群(図7参照)のうち、どの画素電極群が潜像電位を形成する書込位置に至るかを識別すると共に、どの画素電極群が除電光源58に対応する除電位置に至るかを識別する識別部101、画像信号に対して例えば二値化等の階調変換を行って変換された画像データを得る階調変換部102、階調変換部102にて階調変換された画像データを記憶する記憶部103、識別部101からの識別信号に合わせて記憶部103に記憶された画像データを基に書込光源60への光信号を形成する書込光形成部104、書込ブラシ59に対し供給する電圧信号を形成する書込電圧形成部105、除電光源58への光信号を形成する除電光形成部106、除電ブラシ57に対し供給する除電電圧を形成する除電電圧形成部107、識別部101からの識別情報に基づいて、書込電圧形成部105や除電電圧形成部107から予め定められた電圧を該当する走査用ドライバ35に振り分けて走査する走査部108等で構成されている。
本実施の形態では、識別部101に対するトリガ信号として、像保持体20のマークMKを読み取りセンサ110で読み取った信号を用い、その信号から、書込光源60の位置に対応する潜像電位の書込位置に至る画素電極群(像保持体20の回転軸方向に沿って並ぶ各画素電極26)、および、除電光源58に対応する除電位置に至る画素電極群を識別する。そして、これらの識別された画素電極群に対し、走査部108から走査用ドライバ35を介して対応する信号線29に潜像形成のための書き込み並びに除電のための夫々予め定められた電圧が供給される。一方、書込位置にある画素電極群に対しては、画像データに基づいて照射強度が変化する光が書込光形成部104及び書込光源60を介して対応する光導電素子27に照射される。また、除電位置にある画素電極群に対しては、対応する光導電素子27に予め定められた照射強度の光が照射される。
このような走査用ドライバ35を用いて潜像電位を形成するには、次のようにすればよい。例えば、図15に示すように、走査ドライバ35で信号線29aに電圧が供給されている状態に合わせて、この信号線29aに接続する光導電素子27(図中二点鎖線で囲う部分)に対し、光導電素子27毎に画像信号に基づいて照射強度が変化する光を書込光源60から照射することで、所望の潜像電位が形成される。また、除電を行う場合には、書込光源60より像保持体20の回転方向の上流側にある除電光源58に対応する位置にある画素電極群に対応する光導電素子27に除電ブラシ57によって接地電圧を供給し、除電光源58からは予め定められた照射強度の光を照射するようにすればよい。尚、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、除電光源58からは予め定められた照射強度の光が画像形成期間中は常に照射されるように設定されている。
本実施の形態では、マトリクスパネル25に走査用ドライバ35を設ける必要から、マトリクスパネル25と外部との配線が必要になる。このような配線は、マトリクスパネル25の例えば端部に配線部材を取り付け、支持体21の内側にまで延ばし、そこから、例えばスリップリング等を用いて像保持体20の外部との信号の受け渡しを行うようにすればよい。
本実施の形態では、実施の形態1と異なり、除電ブラシ57や書込ブラシ59を用いないため、これらとマトリクスパネル25との接触部位がなく、このような接触部位での経時変化を考慮する必要もない。更に、走査用ドライバ35にて信号線29の選択が容易になされ、長期に亘る安定した潜像形成が実現される。一方、走査用ドライバ35を用いることで、マトリクスパネル25への走査用ドライバ35の実装や、像保持体20外への配線を行う必要がある。しかしながら、本実施の形態のように、信号線29を行方向に備える態様では、像保持体20の径を小さくすることで走査用ドライバ35の数量を減らすことも可能で、この場合、像保持体20を一回転より多く回転させて、一枚の画像を形成するようにすればよい。
◎実施の形態3
図17(a)は、実施の形態3の画像形成装置の要部概要を示す斜視図であり、(b)はマトリクスパネル25の構成要素を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は実施の形態1の像保持体20と一部が異なる像保持体20を用い、更に、除電ブラシ57及び書込ブラシ59、および、除電光源58を有さない構成(図6参照)のものとなっている。そして、マトリクスパネル25における像保持体20の画素電極26の配置領域を超える端部側に光導電素子27に画像信号に基づいて電圧を変化させた可変信号を供給するためのデータ用ドライバ36が実装されている。これらのデータ用ドライバ36は、像保持体20の回転方向(列方向)に延びて並ぶ各信号線29に繋がり、各信号線29を介して光導電素子27に可変信号が供給される。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるマトリクスパネル25での配線は、図17(b)に示すようになっている。像保持体20の回転方向(列方向)に沿って配置された光導電素子27が接続された信号線29を列方向に設け、これらの信号線29と、像保持体20の端部側に設けられたデータ用ドライバ36との間を接続する信号引出線37を設けている。このような信号引出線37は、各信号線29から夫々一本ずつ引き出され、データ用ドライバ36と信号線29との間を中継している。したがって、像保持体20の端部側に設けられたデータ用ドライバ36からの電圧信号は、信号引出線37を介して各信号線29に伝達されるようになる。尚、このようなデータ用ドライバ36としては、例えばサンプルホールド付きのシフトレジスタ、ラッチ、バッファ等を用いて適宜構成される。
本実施の形態では、このようにデータ用ドライバ36を備えているため、潜像形成制御装置100も実施の形態1や実施の形態2のものと異なるものとなっている。図18は、本実施の形態における潜像形成制御装置100と像保持体20との関係を示すもので、像保持体20には、読み取りセンサ110によって回転する像保持体20の位置が認識できるようなロータリエンコーダ111が設けられている。
潜像形成制御装置100は、像保持体20上で、特に、現像器40との対向部位の現像領域より像保持体20の回転方向の上流側で、像保持体20の回転方向に交差する行方向(像保持体20の回転軸方向に相当する)に沿って並ぶ画素電極群(図示せず)のうち、どの画素電極群が潜像電位を形成する書込位置に至るかを識別する識別部101、画像信号に対して例えば二値化等の階調変換を行って変換された画像データを得る階調変換部102、階調変換部102にて階調変換された画像データを記憶する記憶部103、識別部101からの識別情報に合わせて記憶部103に記憶された画像データを基にデータ用ドライバ36への電圧信号を形成する書込電圧形成部105、書込光源60から予め定められた照射強度の光が照射されるように光信号を形成する書込光形成部104等で構成されている。
本実施の形態では、識別部101に対するトリガ信号として、像保持体20のロータリエンコーダ111から読み取りセンサ110で読み取った信号を用い、その信号から、書込光源60の位置に対応する書込位置に至る画素電極群を識別する。そして、これらの識別された画素電極群に対する光導電素子27に画像信号に基づいて変化する電圧が供給されるように、書込電圧形成部105からデータ用ドライバ36を介して対応する信号線29に画像信号に基づく潜像形成のための電圧が供給される。一方、書込位置にある画素電極群の光導電素子27に対しては、光導電素子27の導電率が予め定められた高い導電率になる照射強度(光導電素子27が短絡状態になるような照射強度)の光が書込光形成部104及び書込光源60を介して照射される。
このような構成における潜像電位を形成する際の作用について図19を基に説明する。今、図19(a)のように、列方向の信号線29(29A〜29E)に対して、夫々光導電素子27(27A1〜27E1、27A2〜27E2)が接続されているものとする。尚、ここでは信号引出線37(図17参照)や画素電極26は示していない。
ここで、画像信号に基づいて、(b)に示すような電圧が夫々の信号線29に供給されたものとする。このとき、例えば光導電素子27A1〜27E1に対しては、夫々[0,0,Vh,0,Vh]が、光導電素子27A2〜27E2に対しては、夫々[Vh,0,Vh,Vh,0]が供給されるように各信号線29の電圧が時間的に変化するものを想定する。一方、光導電素子27に対する書込光源60は、(a)に示すように配置され、その位置で全点灯の光照射がなされる。そのため、画素電極26では、像保持体20の回転方向に沿って順次潜像電位が変化し、結果的に(c)のような潜像、すなわち、斜線部を施した画素電極26にトナーが付着するような潜像が得られる。
本実施の形態では、画像信号に基づいて変化する電圧を信号線29に供給すると共に、この電圧が供給された光導電素子27に全点灯の光照射(光導電素子27が略短絡状態となる照射強度)を行うことで潜像電位が形成される。そのため、夫々の画素電極26の潜像電位は、この潜像形成時に決められることから、潜像形成前に除電を行う必要はなく、潜像形成用の書込光源60を備えていればよい。また、このような光照射は、一様な照射強度を照射すればよいため、例えばスリットを介してランプからの光源を照射させるようにしてもよい。更に、像保持体20の回転方向に並ぶ複数の光導電素子27に同時に光照射を行うようにしてもよく、この場合、像保持体20の回転方向における光照射される部位の最下流側に位置する光導電素子27に対し、この光導電素子27に対応する画素電極26での画像信号に基づく電圧が供給されるようになっていればよい。
また、本実施の形態では、データ用ドライバ36と外部との配線が必要になるため、実施の形態2と同様に、例えばスリップリング等を設ける必要がある。また、データ用ドライバ36をマトリクスパネル25に実装することも必要になることは言うまでもない。
本実施の形態では、書込光源60を像保持体20の表面側に設ける態様を示したが、書込光源60を像保持体20の内側に設けるようにしてもよい。例えば、図20に示すように、像保持体20の支持体21を透光性の材料で構成し、また、書込光源60からの光が光導電素子27に達するまでの部材を透光性の材料で構成すれば、像保持体20の内側に書込光源60を設けても光導電素子27に対する光の照射がなされる。
また、このように像保持体20の内側に書込光源60を備える態様にあっては、書込光源60を現像領域DRに対して設けるようにしてもよく、この場合、マトリクスパネル25側に蓄積容量28(図7参照)を備えなくても、浮遊容量にて画素電極26に有効な潜像電位が形成されるようにもなる。
◎実施の形態4
図21は、実施の形態4の画像形成装置の概要を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は、実施の形態1の画像形成装置(図5参照)と異なり、一つの像保持体20の周囲に複数(本例では四つ)の現像器200(200a〜200d)を備えている。このような構成にて、像保持体20上に、四つのトナー像が多重化されるように構成されている。
本実施の形態の像保持体20は実施の形態1と略同様に構成され、信号線(図示せず)は像保持体20の回転軸方向(行方向)に沿って延びるように配置され、像保持体20の端部側の表面には、各信号線に繋がる端子が設けられている(図7参照)。また、本実施の形態では、光導電素子(図示せず)は画素電極(図示せず)の下方に配置されたものではなく、像保持体20を表面側から見たときに、画素電極とは異なる部位に光導電素子が配置されている。そのため、光導電素子に対する光照射は画素電極上のトナーに影響されることがない。
像保持体20の周囲には、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した現像器200(200a〜200d)が配置されており、像保持体20上に形成された各色に対応する潜像を各現像器200で夫々現像することで、像保持体20上には順次多重化されたトナー像が形成される。また、各現像器200より像保持体20の回転方向の上流側には、各現像器200に対応して像保持体20の画素電極26の電位を除電するための除電ブラシ57(57a〜57d)や、潜像を形成するための書込ブラシ59(59a〜59d)が像保持体20に接触するように配置されている。更に、これらの除電ブラシ57や書込ブラシ59が接触する信号線の光導電素子(図示せず)に対応して、除電光源58(58a〜58d)や書込光源60(60a〜60d)が配置されている。
更に、像保持体20の周囲には、現像器200dの下流側に、像保持体20上の多重化されたトナー像を記録材Pに転写するための転写器210が設けられ、この転写器210より像保持体20の回転方向における下流側で、現像器200aに対する除電ブラシ57aより上流側の位置には、像保持体20上の残留トナーを清掃する清掃器220が設けられている。
本実施の形態における現像器200としては、実施の形態1のように導電性トナーを使用するタイプの現像器40(例えば図9参照)を用いるようにしてもよいし、通常の摩擦帯電型トナーを使用するタイプの現像器を用いるようにしてもよい。尚、現像器200の種類や順番などは適宜選定すればよい。
このような構成の画像形成装置における除電や潜像形成について説明する。本実施の形態では、四つの除電ブラシ57(57a〜57d)に対して接地電圧を供給し、四つの書込ブラシ59(59a〜59d)に対して予め定められた電圧を供給している。また、四つの除電光源58(58a〜58d)は、全点灯(光導電素子を略短絡させる状態の照射強度で点灯)させるように制御し、四つの書込光源60(60a〜60d)には、夫々の現像器200(200a〜200d)に対応する画像信号に基づいて照射強度が変化する光を照射させるようにしている。つまり、四箇所の除電位置や潜像形成位置(書込位置)にて、除電や潜像形成が同時に行われるようにしている。
このような潜像形成位置(書込位置)としては、像保持体20の移動方向における上流側に隣り合う現像器200(前色の現像装置に相当)の現像領域より下流側で該当する現像器200(当該色の現像装置に相当)の現像領域までの範囲内で予め決められた位置に設定すればよい。そして、二色目以降の書込電圧形成部は、前色の基準信号(予め定められた電圧)を累積して当該色用に設定される累積基準信号を新たな電圧信号として設定する。また、二色目以降の書込光形成部は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づく光信号を光導電素子に供給することに特徴がある。
このことについて、図22を用いて説明する。今、(a)のように、一色目のトナーを付着させる場合と、(b)のように一色目のトナーを付着させない場合を想定すると、光導電素子27には共にVhの電圧が印加される。この状態で、例えば、(a)では光導電素子27に対して光導電素子27が短絡するような照射強度の光(λ1)を照射し、(b)では光照射を行わないようにすればよい。
次に、(a)及び(b)共に二色目のトナーを付着させることを想定すると、(c)のように一色目のトナーが付着している状態の画素電極26に、一色目と同じ電圧を供給すると二色目のトナーが十分付着されない。そのため、二色目には、例えば2Vhの電圧を光導電素子27に供給する。そして、この2Vhの電圧が供給された状態で、光導電素子27に対して光導電素子27が短絡するような照射強度の光(λ1)を照射することで、二色目のトナーが一色目の上に良好に付着される。
一方、(d)のように、一色目のトナーが付着していない画素電極26に対して二色目のトナーを付着させるには、次のようにすればよい。光導電素子27に供給される電圧は(c)と同様に2Vhであるため、この状態で、光導電素子27に(c)と同様の照射強度の光(λ1)を照射すると、画素電極26には2Vhに近い電位を有する潜像電位が形成される。その結果、(d)では一色目がないため、二色目には(c)に比べて多くのトナーが付着する。これを避けるため、光導電素子27に例えば2Vhが供給されても、一色目の状態を付加した状態で二色目の照射強度を決定し、その照射強度の光(λ2)を照射することで、例えば画素電極26にはVhに近い電位を有する潜像電位を形成する。これにより、二色目のトナー付着が良好になされる。続いて、三色目、四色目も同様に行うことで、四色の重ね合わせられたトナー像が形成される。
本実施の形態では、図21に示すように、夫々の現像器200に至る前に、除電された画素電極に対して各色の潜像電位が形成されることで、四つの現像器200(200a〜200d)にて現像されたトナー像は像保持体20上で多重化される。そして、この多重化されたトナー像が転写器210によって記録材P上に一括転写される。トナー像が一括転写された記録材Pは図示外の定着器によって定着される。本実施の形態では潜像形成を四箇所で並行して実施していることから、画像形成に際して時分割駆動する必要もなく、時分割駆動する場合に比べて、一つの画素に対する潜像形成時間も長く確保されるようになり、より安定した潜像が形成される。
本実施の形態では、除電ブラシ57及び除電光源58を用いる態様を示したが、転写部位での画素電極の潜像電位に与える影響が小さければ、これらを用いないようにしてもよい。また、本実施の形態では、像保持体20の端部側に設けられた端子に対して、除電ブラシ57及び書込ブラシ59を接触させる態様を示したが、実施の形態2のように、走査用ドライバ35を用いるようにしてもよい(図15参照)。また、支持体21等を透光性の材料で形成するようにして、除電光源58及び書込光源60を支持体21の内側に設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、二色目以降の書込光源60に対して、前色までに現像されたトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、この付加された画像信号に基づく光信号を供給するようにしたが、現像器200にて供給されるトナー量を適切にすれば、当該色に対する書込光源60に対して、前色までのトナー像を考慮しなくても差し支えない。
◎実施の形態5
図23は、実施の形態5の画像形成装置の概要を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置は、実施の形態4の画像形成装置(図21参照)と略同様に構成されるが、実施の形態4と異なり、夫々の現像器200に対する潜像形成が、実施の形態3と同様に行われている。つまり、信号線が像保持体20の回転方向に沿って延びるように構成され、信号線に対し信号引出線を像保持体20の回転軸方向の端部側にまで延ばし、データ用ドライバ36(図17参照)と接続するようにしたものとなっている。尚、実施の形態4と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、一つの像保持体20の周囲に複数(本例では四つ)の現像器200(200a〜200d)を備えている。また、像保持体20の回転方向における各現像器200より上流側位置には、像保持体20に対向して、その表面側に書込光源60(60a〜60d)が設けられている。これらの書込光源60は、各現像器200の現像領域から、夫々略同じ長さの位置に設けられ、画素電極26に対する潜像形成がなされた後に現像に至るまでの時間が略等しくなるようにしている。
図24は、本実施の形態における潜像形成過程を示す模式図である。本実施の形態の信号線29(29A〜29D)は像保持体20の回転方向に沿って延びている。また、四つの書込光源60(60a〜60d)は図のように配置され、夫々の潜像形成位置(書込位置に相当する)がPa〜Pdとなっている。尚、ここでは、簡単にするために、信号線29の本数を四本とし、信号引出線は記載していない。また、光導電素子27のみ示し、画素電極等は省略しているが、これらを備えていることは言うまでもない。
今、データ用ドライバ36にて、各信号線29には潜像形成のための画像信号に基づいて電圧が変化する電圧信号が供給されるが、先ず、潜像形成位置Paに対応する光導電素子27(27A1〜27D1)に対して、現像器200aに対する潜像電位が形成されるように、対応する画素電極26(図示せず)での画像信号に基づく夫々の電圧が信号線29を介して供給されている。この状態で、書込光源60aが全点灯した光を照射する。これによって、光導電素子27(27A1〜27D1)に対応する画素電極(図示せず)に、現像器200aに対応する潜像電位が形成される。
次に、像保持体20のB方向への回転により、潜像形成位置Pbに対応する光導電素子27(27A2〜27D2)が至るときを見計らって、データ用ドライバ36から、現像器200bに対する潜像電位が形成されるように、光導電素子27(27A1〜27D1)に対応する画素電極での画像信号に基づく電圧信号に、一色目の電圧信号を付加した電圧信号が供給され、この状態で書込光源60bが全点灯した光を照射する。つまり、二色目以降は、それまでに現像された色のトナー像での電圧信号を当該色用の電圧信号に付加し、この付加された電圧信号を当該色用の電圧信号としている。これにより、光導電素子27(27A2〜27D2)に対応する画素電極26に、現像器200bに対する潜像電位が形成される。
次に、潜像形成位置Pcに対して、同様の操作を行った後に、潜像形成位置Pdでも同様の操作を行う。そして、次に、潜像形成位置Paで、光導電素子27(27A5〜27D5)に対し同様の操作を行う。このような操作を順次行うことで、像保持体20の回転方向に沿って一画面の画像を形成する間に、四色の潜像形成を行うようにすれば、最終の現像器200dを通過した像保持体20上には、多重化されたトナー像が形成される。このような形成方法における一枚目の画像形成にあっては、例えば潜像形成位置Paを通過した光導電素子27が潜像形成位置Pbに達したときに潜像形成位置Pbでの潜像形成を行うようにすればよく、それまでは、例えば電圧信号を潜像に影響のない状態(例えば接地電圧)にしておくなどをすればよい。また、同様に、潜像形成位置Pcや潜像形成位置Pdに対しても同様の操作を行うようにすればよい。
本実施例は、実施の形態4及び実施の形態5での光導電素子に供給する電圧や照射強度の具体例を示したもので、また、画像を三階調(画像濃度が100%、50%、0%)としたものである。
◎実施例1
実施の形態4の構成を用いた場合の例について図25を用いて説明する。図25は、例えば一色目をY色、二色目をM色、三色目をC色、四色目をK色(各現像装置200a〜200dに対応)とし、各色の濃度が100%のものを例えばY2(Y色で100%)、50%のものをY1(Y色で50%)として示し、濃度0%は記載しない。また、Aパターンは、Y,M,C,Kの四色が共に100%のもの、Bパターンは、Y,M色が50%で、C,K色が100%のもの、Cパターンは、Y,M,C,Kの四色が共に50%のもの、Dパターンは、C,K色のみが50%のもの、Eパターンはいずれのトナーも付着されていないものを示している。また、各色の電圧信号による電圧は100%に相当する電圧が10Vとして示している。
先ず、Aパターンを形成する過程について説明する。Y色の書込位置では、10Vを電圧信号として供給し、書込光源を全点灯(光導電素子が略短絡状態となる照射強度)とすることで、Y2のトナー像が現像される。次に、M色の書込位置では、Y色の10Vに新たに10Vを累積した20Vを電圧信号として供給し、書込光源を全点灯とすることでM2のトナー像が現像される。以下、同様に、C色、K色を行うことでAパターンとなる。
また、Bパターンを形成するには、Y色の書込位置では、10Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約5Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりY1のトナー像が現像される。次に、M色の書込位置では、Y色の10Vに新たに10Vを累積した20Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約10Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりM1のトナー像が現像される。次に、C色の書込位置では、M色の20Vに新たに10Vを累積した30Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約20Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりC2のトナー像が現像される。そして、K色の書込位置では、C色の30Vに新たに10Vを累積した40Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約30Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりK2のトナー像が現像される。
更に、Cパターンを形成するには、Y色の書込位置では、10Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約5Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりY1のトナー像が現像される。次に、M色の書込位置では、Y色の10Vに新たに10Vを累積した20Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約10Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりM1のトナー像が現像される。以下、同様に、C色、K色を行うことで、Cパターンとなる。
更にまた、Dパターンを形成するには、Y色の書込位置では、10Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源からの照射は行わない。次に、M色の書込位置では、Y色の10Vに新たに10Vを累積した20Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源からの照射は行わない。次に、C色の書込位置では、M色の20Vに新たに10Vを累積した30Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約5Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりC1のトナー像が現像される。そして、K色の書込位置では、C色の30Vに新たに10Vを累積した40Vを電圧信号として供給すると共に、潜像電位が約10Vになるような照射強度の光を書込光源から照射する。これによりK1のトナー像が現像される。
また、Eパターンを形成するには、各色の書込位置では、上述の電圧信号を供給すると共に、いずれも書込光源からの照射は行わないことでなしうる。
◎実施例2
実施の形態5の構成を用いた場合の例について実施例1と同様に、図25を用いて説明する。
先ず、Aパターンを形成する過程について説明する。Y色の書込位置では、10Vを電圧信号として供給し、書込光源を全点灯(光導電素子が略短絡状態となる照射強度)とすることで、Y2のトナー像が現像される。次に、M色の書込位置では、Y色の10Vを考慮した20Vを電圧信号として供給し、書込光源を全点灯とすることでM2のトナー像が現像される。以下、同様に、C色、K色を行うことでAパターンとなる。
また、Bパターンを形成するには、Y色の書込位置では、5Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでY1のトナー像が現像される。次に、M色の書込位置では、M色の5VにY色の5Vを考慮した10Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでM1のトナー像が現像される。次に、C色の書込位置では、C色の10VにY色、M色を考慮した20Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでC2のトナー像が現像される。そして、K色の書込位置では、K色の10VにY色、M色、C色を考慮した30Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでK2のトナー像が現像される。
更に、Cパターンを形成するには、Y色の書込位置では、5Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでY1のトナー像が現像される。次に、M色の書込位置では、M色の5VにY色を考慮した10Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでM1のトナー像が現像される。以下、同様に、C色、K色を行うことでCパターンとなる。
更にまた、Dパターンを形成するには、Y色及びM色の書込位置では、共に0Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでY色及びM色のトナー像は形成されない。次に、C色の書込位置では、C色の5Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでC1のトナー像が現像される。次に、K色の書込位置では、K色の5VにC色を考慮した10Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすることでK1のトナー像が現像される。
また、Eパターンを形成するには、各色の書込位置では、0Vを電圧信号として供給すると共に、書込光源を全点灯とすればよい。
1…像保持体,2…支持体,3…画素電極,4…潜像形成装置,5…光導電素子,6…電圧信号供給部,7…光信号供給部,8…現像装置、10…除電装置,11…除電電圧信号供給部,12…除電光信号供給部

Claims (15)

  1. 循環移動が可能な支持体、および、この支持体上に設けられ且つ当該支持体の移動方向を列方向として画素単位毎に行列配置された画素電極を有する像保持体と、
    この像保持体の前記画素電極に対し画素単位の潜像を形成する潜像形成装置と、
    この潜像形成装置にて潜像が形成された画素電極を有する像保持体に対し、当該像保持体との対向領域である現像領域にて現像剤を用いて現像する現像装置と、を備え、
    前記潜像形成装置は、
    前記画素電極夫々に対応して行列配置され、各画素電極に夫々接続されると共に照射される光の照射強度により導電率が変化する光導電素子と、
    像保持体の移動方向における前記現像領域を含む上流側に位置する予め決められた潜像形成位置にて各画素電極に対し前記光導電素子を介して印加すべき電圧信号を供給する電圧信号供給部と、
    この電圧信号供給部にて電圧信号が供給された前記光導電素子に対し照射すべき光信号を供給する光信号供給部と、を有し、
    前記電圧信号及び前記光信号は、各画素電極に画像信号に基づく潜像電位を与えるように、一方を大きさが予め定められた基準信号とし、他方を大きさが画像信号に基づいて変化する可変信号とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記電圧信号供給部は、前記電圧信号として予め定められた電圧の基準信号を供給し、
    前記光信号供給部は、前記光信号として画像信号に基づいて照射強度が変化する可変信号を供給することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2記載の画像形成装置において、
    前記電圧信号供給部は、前記潜像形成位置に位置し且つ像保持体の移動方向に交差する行方向に沿って並ぶ画素電極群を処理対象として選択し、選択された各画素電極に対し各光導電素子を介して前記基準信号を電圧信号として一括して供給することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、
    前記電圧信号供給部は、
    行方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して行方向に延びる複数の共通信号線を有し、各行の共通信号線と対応する行方向に沿って並ぶ各光導電素子とを接続する信号線と、
    前記電圧信号の電圧を形成する電圧源と、
    前記潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群に対応する信号線と前記電圧源とを接続し、当該画素電極群を処理対象として選択する選択器と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4記載の画像形成装置において、
    前記選択器は、
    像保持体の画素電極の配置領域を超える端部側の表面部位に設けられ且つ前記複数の信号線夫々に接続される複数の端子と、
    像保持体の表面側にて、前記潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群に対応する前記端子に接触するように設けられ、当該端子に前記基準信号を電圧信号として供給可能な接触子と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記光信号供給部は、画像濃度に対応して三段階以上に区分された照射強度を有する可変信号を光信号として供給することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記潜像形成位置より像保持体の移動方向における上流側の予め決められた除電位置で行方向に沿って並ぶ画素電極群に対し、潜像電位が形成される前の各画素電極の有する残留電位を除電する除電装置を更に備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7記載の画像形成装置において、
    前記除電装置は、
    前記除電位置に位置する各画素電極に前記光導電素子を介して予め定められた除電可能な除電電圧を除電電圧信号として供給する除電電圧信号供給部と、
    この除電電圧信号供給部にて除電電圧信号が供給された前記光導電素子に対応する画素電極に対して前記除電電圧を印加可能とするように、前記光導電素子に対し当該光導電素子の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の除電光信号を供給する除電光信号供給部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項2乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、
    一つの像保持体と、
    この像保持体に対向して配置される複数の現像装置と、
    これら複数の現像装置に対応する夫々の潜像形成位置にて潜像を形成する複数の潜像形成装置と、を備え、
    前記複数の潜像形成装置の各電圧信号供給部は、予め定められた夫々異なる電圧の基準信号からなる電圧信号を供給するものであり、一色目の電圧信号供給部は、一色目の基準信号からなる電圧信号を供給し、二色目以降の電圧信号供給部は、前色の基準信号を累積して当該色用に設定される累積基準信号からなる電圧信号を供給することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9記載の画像形成装置において、
    前記複数の潜像形成装置の各光信号供給部のうち一色目の光信号供給部は、一色目の画像信号に基づく光信号を供給し、二色目以降の光信号供給部は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づく光信号を供給することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項9又は10に記載の画像形成装置において、
    像保持体の移動方向における上流側に隣り合う現像装置の現像領域より下流側で且つ当該現像装置に対応する潜像形成位置までの予め決められた除電位置で行方向に沿って並ぶ画素電極群に対し、潜像電位が形成される前の各画素電極の有する残留電位を除電する除電装置を更に備えることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記電圧信号供給部は、前記電圧信号として画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を供給し、
    前記光信号供給部は、前記光信号として予め定められた大きさの照射強度の基準信号を供給することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12記載の画像形成装置において、
    前記電圧信号供給部は、
    列方向に沿って並ぶ夫々の画素電極群に対応して列方向に延びる複数の共通信号線を有し、各列の共通信号線と対応する列方向に沿って並ぶ各光導電素子とを接続する信号線と、
    これらの信号線に接続され、前記潜像形成位置にて行方向に沿って並ぶ画素電極群を処理対象として選択し、選択された画素電極群に対応する画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給する電圧供給器と、を備え、
    前記光信号供給部は、
    前記潜像形成位置にて前記電圧供給器から電圧が供給された行方向に沿って並ぶ各光導電素子に対し、当該光導電素子の導電率が予め定められた高い導電率に変化する照射強度の基準信号を光信号として供給することを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項12又は13に記載の画像形成装置において、
    一つの像保持体と、
    この像保持体に対向して配置される複数の現像装置と、
    これら複数の現像装置に対応する夫々の潜像形成位置にて潜像を形成する複数の潜像形成装置と、を備え、
    前記複数の潜像形成装置の各電圧信号供給部のうち一色目の電圧信号供給部は、一色目の画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給し、二色目以降の電圧信号供給部は、当該色よりも前に現像された色のトナー像に関する画像信号を当該色用の画像信号に付加し、当該付加された画像信号に基づいて電圧が変化する可変信号を電圧信号として供給することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成装置のうち光信号供給部が像保持体の表面側から光信号を供給するものである態様において、
    前記画素電極は前記光信号供給部からの光信号が透過する素材で構成され、
    前記光導電素子は前記画素電極より支持体寄りに設けられることを特徴とする画像形成装置。
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