JP2013123690A - フッ酸廃液処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フッ酸のNF膜分離を、構成部材からの金属溶出を著しく低減して行うことができるフッ酸廃液処理装置を提供する。
【解決手段】フッ酸廃液が加圧手段により加圧されて供給されるNF膜分離手段を備えたフッ酸廃液処理装置において、該装置の構成部材の接液部の少なくとも表面がフッ酸耐腐食性のある樹脂素材にて構成されているフッ酸廃液処理装置。加圧手段による加圧が1MPa以下であり、前記膜分離手段の前段にフッ酸廃液の液温を0〜25℃に調整する温度調整手段が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】フッ酸廃液が加圧手段により加圧されて供給されるNF膜分離手段を備えたフッ酸廃液処理装置において、該装置の構成部材の接液部の少なくとも表面がフッ酸耐腐食性のある樹脂素材にて構成されているフッ酸廃液処理装置。加圧手段による加圧が1MPa以下であり、前記膜分離手段の前段にフッ酸廃液の液温を0〜25℃に調整する温度調整手段が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明はフッ酸廃液処理装置に係り、特にNF膜分離手段を備えたフッ酸廃液処理装置に関する。
フッ酸を回収して再利用するための従来技術として、NF膜(ナノフィルタ膜)を用いた圧力透析がある。特許文献1には、圧力透析装置に硫酸廃液を供給して透析し、酸溶液と金属濃縮液とに分離し、金属濃縮液を拡散透析、イオン交換樹脂、電気透析、冷却晶析のいずれかにより、酸溶液と廃酸とに分離する方法が記載されている。また、特許文献2には、スパイラル型ナノフィルタ膜を装着した圧力透析装置に、廃酸溶液を透析圧で供給して透析し、酸溶液を回収する方法が記載されている。
NF膜は圧力透析膜とも言われており、2MPa以上の透析圧をかけないと、フラックス(透過流束)が低くなり、膜本数が増大する。また、高圧であるため、配管緩みやベッセル部分が外れた場合に液が噴出する可能性がある。なお、低圧では不純物の除去性が悪くなる。
1MPa以上の高圧NF膜装置には、耐圧部材として耐食合金(ハステロイ)が用いられている。ハステロイは金属溶出が極めて少ないが、フッ酸存在下では、年間にすると0.1mm/yr程度の減肉が生じることから、NF膜処理液から金属を除去することが必要となり、またフッ酸接液部の構成部材(継手・バルブなど)の交換の頻度が高くなってしまうという問題があった。
フッ酸廃液の蒸留処理や、フッ酸ガスの膜分離処理装置に耐食性樹脂部材を用いることが知られている(特許文献3〜5)。しかしながら、樹脂製部材は耐圧強度が低いので、1MPa以上の高圧となるNF膜装置には用いることはできない。
本発明は、フッ酸のNF膜分離を、構成部材からの金属溶出を著しく低減して行うことができるフッ酸廃液処理装置を提供することを目的とする。
本発明のフッ酸廃液処理装置は、フッ酸廃液が加圧手段により加圧されて供給されるNF膜分離手段を備えたフッ酸廃液処理装置において、該装置の構成部材の接液部の少なくとも表面がフッ酸耐腐食性のある樹脂素材にて構成されていることを特徴とするものである。
このフッ酸対腐食性のある樹脂素材としてはフッ素樹脂が好ましい。前記フッ酸廃液のフッ酸濃度は0.5〜40wt%であることが好ましい。
本発明では、前記加圧手段による加圧が1MPa以下であり、前記膜分離手段の前段にフッ酸廃液の液温を0〜25℃に調整する温度調整手段が設けられていることが好ましい。
本発明では、接液部の少なくとも表面をフッ酸耐腐食性のある樹脂素材にて構成したことにより、フッ酸廃液中への金属の溶出を著しく低減することができる。
本発明では、接液部を有する部材の全体を樹脂素材にて構成した場合、加圧手段による加圧を1MPa以下とすることにより、圧力による該部材の損傷が防止される。なお、加圧圧力を1MPa以下と低くすると、膜透過流束が低下するが、膜分離処理される液の温度を0〜25℃と低くすることにより、透過流束を高くすることができる。
フッ酸廃液としては、半導体製造工程排水、太陽電池製造工程排水などが例示される。このフッ酸廃液のフッ酸濃度は0.5〜40wt%特に1〜10wt%程度が好適である。
<フッ酸耐腐食性のある樹脂>
本発明において、フッ酸耐腐食性のある樹脂とは、フッ酸中での腐食速度が低い材料であり、具体的には、フッ素ゴム、硬質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、特に、フッ素樹脂が好ましい。フッ酸耐食性のあるフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)が挙げられ、特にPTFE、PFA、FEPが好適である。
本発明において、フッ酸耐腐食性のある樹脂とは、フッ酸中での腐食速度が低い材料であり、具体的には、フッ素ゴム、硬質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、特に、フッ素樹脂が好ましい。フッ酸耐食性のあるフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)が挙げられ、特にPTFE、PFA、FEPが好適である。
図1はフッ酸廃液処理装置の一例を示すブロック図である。フッ酸廃液は、NF給水タンク1から配管2、ポンプ3、配管4によって第1のNF膜分離モジュール6に供給される。なお、配管4には圧力計5が設けられている。
第1のNF膜分離モジュール6の透過液は、配管7を介して精製液タンク8に導入される。NF膜分離モジュール6の濃縮液は、配管9、背圧弁10及び配管11を介して濃縮液タンク12に導入される。この濃縮液タンク12内の濃縮液(ブライン)は、配管13、ポンプ14によって加圧され、第2のNF膜分離モジュール16に供給される。この第2のNF膜分離モジュール16の透過液は、配管17、冷却用熱交換器18、配管19を介してNF給水タンク1に返送される。第2のNF膜分離モジュール16の濃縮液の一部は、配管20、背圧弁21、配管22を介して濃縮液タンク12に返送され、濃縮液の残部は、配管23を介して濃縮廃液として取り出される。
上記フッ酸耐食性樹脂で構成される接液部としては、NF膜モジュール6,16のベッセル、タンク1,2、ポンプ3,14、そのパッキン、バルブ、背圧弁(ニードルバルブ)10,21、温度計、圧力計5、配管、継ぎ手、流量計、熱交換器18などが挙げられる。ポンプとしては、ダイヤフラムポンプが好適である。このダイヤフラムが上記樹脂で構成されていることが好ましい。
このフッ酸廃液処理装置においては、液温度が低い方が除去率は高いので25℃以下(好ましくは20℃以下)で膜分離処理するのが好ましい。液温の下限値は0℃まで原理的には可能である。ただし、10℃よりも低温になると透過させる液の粘性が増加して、膜の透過流束(フラックス)が低下するので、液温は10℃以上であることが好ましい。また膜フラックスと除去率のバランスを見ながら、設置する膜本数を決定するのが好ましい。
[実施例1]
図1に示す本発明の装置を用いて実験を行った。
図1に示す本発明の装置を用いて実験を行った。
NF膜分離モジュール6,16としては、スパイラル型2.5インチNFモジュール(分画分子量500〜1000)を用いた。配管、バルブ、圧力計などの接液部はFEPで構成した。NF膜エレメントを収納するベッセルは硬質塩化ビニル樹脂素材を用いた。ポンプ3,14は、FEPのダイヤフラムポンプ(エア駆動)とした。
太陽電池製造工程から排出されることを想定して以下の組成のフッ酸廃液を1m3/dにて処理した。
HF:5wt%
ケイフッ酸:100mg/L
カチオン成分(Na+):100μg/L
HF:5wt%
ケイフッ酸:100mg/L
カチオン成分(Na+):100μg/L
なお、太陽電池製造工程排水として、初期濃度はHF:10wt%、ケイフッ酸:0mg/Lであり、基板表面のSiO2膜を溶解するにつれてケイフッ酸濃度が増え、ウエハカセットの持ち出しによりHFが希釈されて、上記排水組成になると想定した。この廃液からケイフッ酸を選択的に除去して、優先的にフッ酸を得る。これにより、廃液中で有効に使えることのできるフッ酸を回収し、工程で使用される濃度に調整すると、再利用が可能となる。
次の運転条件で上記フッ酸廃液を処理した。
操作圧:0.5MPa
液温度:20℃
ミニマムブライン通水量:5L/min
操作圧:0.5MPa
液温度:20℃
ミニマムブライン通水量:5L/min
ケイフッ酸除去率を表1に示す。また、精製液中のCr、Ni及びMo濃度を表2に示す。
[比較例1]
樹脂製接液部を有する部材の代わりにハステロイC−22製部材を用いたこと及び操作圧2MPaにしたこと以外は実施例1と同様の条件として実験を行った。ケイフッ酸除去率を表1に示す。また、精製液中のCr、Ni及びMo濃度を表2に示す。
樹脂製接液部を有する部材の代わりにハステロイC−22製部材を用いたこと及び操作圧2MPaにしたこと以外は実施例1と同様の条件として実験を行った。ケイフッ酸除去率を表1に示す。また、精製液中のCr、Ni及びMo濃度を表2に示す。
表2に示されるように、接液部を樹脂コートした実施例1によると、合金素材を用いた比較例1に比べてケイフッ酸除去率はわずかに劣るものの、金属溶出を低減できることが認められた。
[実施例2,3、参考例1]
通水時の温度を15℃(実施例2)、25℃(実施例3)、30℃(参考例1)としたこと以外は実施例1と同一条件にて運転を行い、ケイフッ酸除去率を表1に示した。
通水時の温度を15℃(実施例2)、25℃(実施例3)、30℃(参考例1)としたこと以外は実施例1と同一条件にて運転を行い、ケイフッ酸除去率を表1に示した。
表1に示されるように、いずれの実験においてもケイフッ酸を除去できるが、液温が25℃以下の条件で高いケイフッ酸除去率を得ることができた。
3,14 ポンプ
6,16 NF膜分離モジュール
10,21 背圧弁
6,16 NF膜分離モジュール
10,21 背圧弁
Claims (4)
- フッ酸廃液が加圧手段により加圧されて供給されるNF膜分離手段を備えたフッ酸廃液処理装置において、
該装置の構成部材の接液部の少なくとも表面がフッ酸耐腐食性のある樹脂素材にて構成されていることを特徴とするフッ酸廃液処理装置。 - 請求項1において、フッ酸対腐食性のある樹脂素材がフッ素樹脂であることを特徴とするフッ酸廃液処理装置。
- 請求項1又は2において、前記加圧手段による加圧が1MPa以下であり、前記膜分離手段の前段にフッ酸廃液の液温を0〜25℃に調整する温度調整手段が設けられていることを特徴とするフッ酸廃液処理装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記フッ酸廃液のフッ酸濃度が0.5〜40wt%であることを特徴とするフッ酸廃液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011274698A JP2013123690A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | フッ酸廃液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011274698A JP2013123690A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | フッ酸廃液処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013123690A true JP2013123690A (ja) | 2013-06-24 |
Family
ID=48775272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011274698A Pending JP2013123690A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | フッ酸廃液処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013123690A (ja) |
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2011
- 2011-12-15 JP JP2011274698A patent/JP2013123690A/ja active Pending
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