JP2013122949A - 低反射膜を有する物品および太陽電池モジュール - Google Patents

低反射膜を有する物品および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】大きい入射角で入射する光の反射率が低く、耐摩耗性が良好である低反射膜付き物品;太陽電池モジュールの表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように太陽電池モジュールを設置した場合でも発電効率が高い太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】透明基材10と、透明基材10の上に設けられた低反射膜12とを有する低反射膜付き物品1であって、低反射膜12が、下層14、中間層16および上層18の3層からなり、低反射膜12の表面に入射角70度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が7%以下、低反射膜12の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が5%以下、低反射膜12の表面に入射角60度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が3%以下、低反射膜12の表面に入射角50度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が2%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明基材の上に低反射膜を有する物品および該物品からなる太陽電池用カバーガラスを備えた太陽電池モジュールに関する。
透明基材の表面に低反射膜を有する物品は、太陽電池のカバーガラス、各種ディスプレイおよびそれらの前面板、各種窓ガラス、タッチパネルのカバーガラス等として用いられている。
低反射膜としては、たとえば、下記のものが知られている。
(1)中空SiO微粒子とマトリックスとを含む単層の低反射膜(特許文献1)。
(2)3層以上の薄膜層からなり、各層の屈折率が1.0〜2.5の範囲内で最表層から基材に向かって段階的に大きくされた低反射膜(特許文献2)。
ところで、太陽電池用カバーガラスの低反射膜には、下記の(i)〜(iii)の点から、低反射膜の表面に大きい入射角で入射する光の反射率が低いことが要求される。
(i)全天日射量のうち、太陽からの直達日射量以外の散乱日射量は30%程度を占める。散乱日射光は、直達日射量よりも大きい入射角で太陽電池モジュールに入射するため、低反射膜の表面に大きい入射角で入射する光の反射率を低く抑えることによって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
(ii)砂漠等の砂埃が多い場所では、砂埃が太陽電池モジュールの表面に堆積しないように、太陽電池モジュールの表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように太陽電池モジュールが設置されることがある。該太陽電池モジュールには、太陽光が大きい入射角で入射するため、低反射膜の表面に大きい入射角で入射する光の反射率を低く抑えることによって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
(iii)両面受光型太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの表面が鉛直方向となるように、かつ該太陽電池モジュールの一方の表面が東向き、他方の表面が西向きになるように設置される。太陽が南中およびその付近にある場合、両面受光型太陽電池モジュールには、太陽光が大きい入射角で入射するため、低反射膜の表面に大きい入射角で入射する光の反射率を低く抑えることによって、太陽が南中およびその付近にあるときの太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
特開2001−233611号公報 特開2007−052345号公報
しかし、(1)の低反射膜には、下記の問題がある。
・(1)の低反射膜は単層であるため、(1)の低反射膜の表面に大きい入射角で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が高い。
一方、(2)の低反射膜は、3層以上の薄膜層からなるため、(1)の低反射膜に比べ、大きい入射角で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が低い。しかし、(2)の低反射膜には、下記の問題がある。
・波長600〜900nmの光は太陽電池セルにおける発電に最も寄与する光であるが、(2)の低反射膜では、各層の膜厚が同程度とされているため(特許文献2の段落[0039]参照)、大きい入射角で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が高い。
・(2)の低反射膜が4層以上の薄膜層からなる場合、層間の界面の数が多くなる。界面の数が多い分、界面における層間剥離の頻度が高くなりやすく、耐摩耗性が低い。
本発明は、大きい入射角で入射する光の反射率が充分に低く、かつ耐摩耗性が良好である低反射膜付き物品、および太陽電池モジュールの表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように太陽電池モジュールを設置した場合でも発電効率が高い太陽電池モジュールを提供する。
本発明の低反射膜付き物品は、透明基材と、該透明基材の上に設けられた低反射膜とを有する物品であって、前記低反射膜が、前記透明基材の側の下層、該下層の上に設けられた中間層および該中間層の上に設けられた上層の3層からなり、前記低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が、7%以下であり、前記低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が、5%以下であり、前記低反射膜の表面に入射角60度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が、3%以下であり、前記低反射膜の表面に入射角50度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が、2%以下であることを特徴とする。
前記上層の屈折率は、1.10〜1.20であり、前記中間層の屈折率は、1.10〜1.35であり、かつ前記上層の屈折率よりも大きく、前記下層の屈折率は、1.36〜1.60であり、かつ前記中間層の屈折率よりも大きく、前記上層の膜厚は、150〜340nmであり、前記下層および中間層の膜厚は、それぞれ30〜150nmであることが好ましい。
本発明の低反射膜付き物品は、太陽電池用カバーガラスであることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の低反射膜付き物品からなる太陽電池用カバーガラスを備えたものである。
本発明の太陽電池モジュールは、前記太陽電池用カバーガラスの前記低反射膜の側の表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように設置されたものであることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、2枚の前記太陽電池用カバーガラスと、該2枚の太陽電池用カバーガラスの間に設けられた太陽電池セルとを備え、前記太陽電池セルが、両面受光型太陽電池セルであることが好ましい。
本発明の低反射膜付き物品は、大きい入射角で入射する光の反射率が充分に低く、かつ耐摩耗性が良好である。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように太陽電池モジュールを設置した場合でも発電効率が高い。
本発明の低反射膜付き物品の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール一例を示す断面図である。 例1の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例2の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例3の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例4の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例5の透明基材の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例6の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例7の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例8の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例9の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例10の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例11の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。 例12の低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を示す図である。
本明細書における透明とは、波長400〜1200nmの光の平均透過率が80%以上であることを意味する。
本明細書においてSiOを主成分とする層とは、該層(100質量%)のうちSiOの割合が90質量%以上であることを意味する。
本明細書において実質的にSiOからなる層とは、不可避不純物を除いてSiOのみから構成されている層を意味する。
本明細書における入射角は、光の入射方向と低反射膜の表面の法線とのなす角度である。
本明細書における各層の屈折率は、ガラス板の表面に形成された各層の単層膜についてエリプソメータを用いて求めた波長550nmの光の屈折率である。
本明細書における各層の膜厚は、低反射膜付き物品の断面を走査型電子顕微鏡にて観察して得られる像から計測される膜厚である。
本明細書における平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡にて観察して得られる像から100個の微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、100個の微粒子の粒子径を平均したものである。
<低反射膜付き物品>
図1は、本発明の低反射膜付き物品の一例を示す断面図である。低反射膜付き物品1は、透明基材10と、透明基材10の表面に形成された低反射膜12とを有する。
(透明基材)
透明基材10の形状としては、板、フィルム等が挙げられる。
透明基材10の表面には、アルカリバリア層等の低反射膜以外の層があらかじめ形成されていてもよい。
透明基材10の材料としては、ガラス、樹脂等が挙げられる。
ガラスとしては、たとえば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。また、フロート法等により成形された平滑なガラスであってもよく、表面に凹凸を有する型板ガラスであってもよい。
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
透明基材10が建築用または車両用の窓ガラスの場合、下記の組成を有するソーダライムガラスが好ましい。
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO :65〜75%、
Al:0〜10%、
CaO :5〜15%、
MgO :0〜15%、
NaO :10〜20%、
O :0〜3%、
LiO :0〜5%、
Fe:0〜3%、
TiO:0〜5%、
CeO :0〜3%、
BaO :0〜5%、
SrO :0〜5%、
:0〜15%、
ZnO :0〜5%、
ZrO :0〜5%、
SnO :0〜3%、
SO :0〜0.5%、を含む。
透明基材10が無アルカリガラスの場合、下記の組成を有するものが好ましい。
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO :39〜70%、
Al:3〜25%、
:1〜30%、
MgO :0〜10%、
CaO :0〜17%、
SrO :0〜20%、
BaO :0〜30%、を含む。
透明基材10が混合アルカリ系ガラスの場合、下記の組成を有するものが好ましい。
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO :50〜75%、
Al:0〜15%、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、
NaO+KO:6〜24%、を含む。
透明基材10が太陽電池用カバーガラスの場合、表面に凹凸をつけた梨地模様の型板ガラスが好ましい。型板ガラスとしては、通常の窓ガラス等に用いられるソーダライムガラス(青板ガラス)よりも鉄の成分比が少ない(透明度が高い)ソーダライムガラス(白板ガラス)が好ましい。
(低反射膜)
低反射膜12は、透明基材10の側の下層14、下層14の上に形成された中間層16および中間層16の上に形成された上層18の3層からなる。2層では反射防止性能が不充分になり、4層では膜界面数が増えるため耐久性が不充分になる。
低反射膜12の膜厚は、250〜500nmが好ましい。低反射膜12の膜厚が250nm以上であれば、波長400〜1200nmの光の反射率を低く抑えることができる。低反射膜12の膜厚が500nm以下であれば、低反射膜12の耐摩耗性がさらに向上する。低反射膜12の膜厚は、300〜500nmがより好ましく、320〜400nmがさらに好ましい。
(上層)
上層18の屈折率は、1.10〜1.20が好ましい。上層18の屈折率が該範囲内であれば、波長400〜1200nmの光の反射率を低く抑えることができる。上層18の屈折率は、1.12〜1.18がより好ましく、1.14〜1.16がさらに好ましい。
上層18の膜厚は、150〜340nmが好ましい。上層18の膜厚が該範囲内であれば、波長400〜1200nmの光(特に波長600〜900nmの光)の反射率を低く抑えることができる。上層18の膜厚は、160〜330nmがより好ましく、180〜300nmがさらに好ましい。
上層18としては、比較的屈折率が低く、化学的安定性に優れ、中間層16との密着性に優れる点から、SiOを主成分とする層が好ましく、実質的にSiOからなる層がより好ましい。
上層18は、上層18の屈折率を前記範囲内に調整しやすい点から、SiO微粒子およびSiOのマトリックスから構成されていることが好ましい。
SiO微粒子としては、中空SiO微粒子または中実SiO微粒子が挙げられ、上層18の屈折率を前記範囲内に調整しやすい点から、中空SiO微粒子が好ましい。中空SiO微粒子および中実SiO微粒子は、各粒子が独立した状態で存在していてもよく、各粒子が鎖状に連結していてもよく、各粒子が凝集していてもよい。
中空SiO微粒子の平均一次粒子径は、5〜150nmが好ましい。中空SiO微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であれば、低反射膜12の反射率が充分に低くなる。中空SiO微粒子の平均一次粒子径が150nm以下であれば、低反射膜12のヘイズが低く抑えられる。中空SiO微粒子の平均一次粒子径は、50〜100nmがより好ましい。
中実SiO微粒子の平均一次粒子径は、5〜150nmが好ましい。中実SiO微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であれば、低反射膜12の反射率が充分に低くなる。中実SiO微粒子の平均一次粒子径が150nm以下であれば、低反射膜12のヘイズが低く抑えられる。中実SiO微粒子の平均一次粒子径は、50〜100nmがより好ましい。
マトリックスとしては、アルコキシシランの加水分解物(ゾルゲルシリカ)の焼成物、シラザンの焼成物等が挙げられ、アルコキシシランの加水分解物の焼成物が好ましい。アルコキシシランの加水分解に用いる触媒としては、中空SiO微粒子の分散を妨げないものが好ましい。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン(パーフルオロポリエーテルトリエトキシシラン等)、パーフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン(パーフルオロエチルトリエトキシシラン等)、ビニル基を有するアルコキシシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、エポキシ基を有するアルコキシシラン(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
アルコキシシランの加水分解は、テトラアルコキシシランの場合、アルコキシシランの4倍モル以上の水、および触媒として酸またはアルカリを用いて行う。酸としては、無機酸(HNO、HSO、HCl等)、有機酸(ギ酸、シュウ酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸等)が挙げられる。アルカリとしては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。触媒としては、アルコキシシランの加水分解物の長期保存性の点から、酸が好ましい。
(中間層)
中間層16の屈折率は、1.10〜1.35であり、かつ上層18の屈折率よりも大きいことが好ましい。中間層16の屈折率が該範囲内であり、かつ上層18の屈折率よりも大きければ、波長400〜1200nmの光の反射率を低く抑えることができる。中間層16の屈折率は、1.12〜1.34がより好ましく、1.14〜1.34がさらに好ましい。
中間層16の膜厚は、30〜150nmが好ましい。中間層16の膜厚が該範囲内であれば、波長400〜1200nmの光の反射率を低く抑えることができる。中間層16の膜厚は、50〜130nmがより好ましく、60〜100nmがさらに好ましい。
中間層16としては、比較的屈折率が低く、化学的安定性に優れ、他の層との密着性に優れる点から、SiOを主成分とする層が好ましく、実質的にSiOからなる層がより好ましい。
中間層16は、中間層16の屈折率を前記範囲内に調整しやすい点から、SiO微粒子およびSiOのマトリックスから構成されていることが好ましい。
中空SiO微粒子および中実SiO微粒子としては、上層18に用いたものと同様のものを用いればよい。
マトリックスとしては、上層18に用いたものと同様のものを用いればよい。
(下層)
下層14の屈折率は、1.36〜1.60であり、かつ中間層16の屈折率よりも大きいことが好ましい。下層14の屈折率が該範囲内であり、かつ中間層16の屈折率よりも大きければ、波長400〜1200nmの光の反射率を低く抑えることができる。下層14の屈折率は、1.38〜1.58がより好ましく、1.40〜1.52がさらに好ましい。
下層14の膜厚は、30〜150nmが好ましい。下層14の膜厚が該範囲内であれば、波長400〜1200nmの光の反射率を低く抑えることができる。下層14の膜厚は、50〜130nmがより好ましく、60〜100nmがさらに好ましい。
下層14としては、比較的屈折率が低く、化学的安定性に優れ、透明基材10(ガラス)や中間層16との密着性に優れる点から、SiOを主成分とする層が好ましく、実質的にSiOからなる層がより好ましい。
下層14は、SiOのマトリックスのみから構成されていてもよく、SiOのマトリックスおよびSiO微粒子から構成されていてもよい。下層14の屈折率を前記範囲内に調整しやすい点からは、SiOのマトリックスのみから構成されていることが好ましい。
マトリックスとしては、上層18に用いたものと同様のものを用いればよい。
(反射率)
低反射膜12の表面に入射角70度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率は、7%以下であり、6.5%以下が好ましく、6%以下がより好ましい。
低反射膜12の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率は、5%以下であり、4.5%以下が好ましく、4%以下がより好ましい。
低反射膜12の表面に入射角60度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率は、3%以下であり、2.5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。
低反射膜12の表面に入射角50度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率は、2%以下であり、1.5%以下が好ましく、1.2%以下がより好ましい。
低反射膜12の表面に入射角10度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率、低反射膜12の表面に入射角20度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率、低反射膜12の表面に入射角30度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率、低反射膜12の表面に入射角40度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率、低反射膜12の表面に入射角50度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率、低反射膜12の表面に入射角60度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率、および低反射膜12の表面に入射角70度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率の平均値(以下、入射角10〜70度の平均反射率の平均値とも記す。)は、2.4%以下が好ましい。入射角10〜70度の平均反射率の平均値が、2.4%以下であれば、反射率の入射角依存性が充分に小さい。入射角10〜70度の平均反射率の平均値は、2%以下がより好ましく、1.8%以下がさらに好ましい。
(物品の製造方法)
本発明の低反射膜付き物品は、たとえば、透明基材の上に、各層を形成するための塗布液を順次、塗布、必要に応じて予熱し、最後に焼成することによって製造できる。
塗布液としては、マトリックス前駆体の溶液(アルコキシシランの加水分解物の溶液、シラザンの溶液等);SiO微粒子の分散液とマトリックス前駆体の溶液との混合物等が挙げられる。
塗布液は、レベリング性向上のための界面活性剤、塗膜の耐久性向上のための金属化合物等を含んでいてもよい。
SiO微粒子の分散液の分散媒としては、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。
アルコキシシランの加水分解物の溶液の溶媒としては、水とアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等)との混合溶媒が好ましい。
塗布方法としては、公知のウェットコート法(スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フローコート法、グラビアコート法、バーコート法、フレキソコート法、スリットコート法、ロールコート法等)等が挙げられる。
塗布温度は、室温〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましい。
焼成温度は、30℃以上が好ましく、透明基材、微粒子またはマトリックスの材料に応じて適宜決定すればよい。
たとえば、透明基材の材料が樹脂の場合、焼成温度は樹脂の耐熱温度以下になるが、その温度であっても充分な反射防止効果が得られる。
透明基材がガラスの場合、焼成温度は200〜800℃が好ましい。焼成温度が200℃以上であれば、下層が緻密化して耐久性が向上する。焼成温度が800℃以下であれば、低反射膜中の空孔が消失することなく、低反射膜の反射率が充分に低くなる。
(作用効果)
以上説明した本発明の低反射膜付き物品にあっては、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が7%以下であり、低反射膜の表面に入射角60度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が3%以下であり、低反射膜の表面に入射角50度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が2%以下であるため、大きい入射角で入射する光の反射率が充分に低い。
また、低反射膜が、透明基材の側の下層、該下層の上に設けられた中間層および該中間層の上に設けられた上層の3層からなるため、2層以下の薄膜層からなる低反射膜に比べ、大きい入射角で入射する光の反射率が低く、4層以上の薄膜層からなる低反射膜に比べ、耐摩耗性が良好である。
また、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が5%以下であるため、太陽電池用カバーガラスとして用いた場合、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
前記平均反射率を達成するためには、たとえば、低反射膜を下記のような構成とすればよい。
上層の屈折率を1.10〜1.20とし、中間層の屈折率を1.10〜1.35とし、かつ上層の屈折率よりも大きくし、下層の屈折率を1.36〜1.60とし、かつ中間層の屈折率よりも大きくする、すなわち、低反射膜の屈折率を空気の側から透明基材の側に向かうにしたがって特定の範囲内で段階的に大きくすることによって、大きい入射角で入射する光の反射率を低くできる。
また、上層の膜厚を150〜340nmとする、すなわち比較的厚くすることによって、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率を低く抑えることができる。
また、下層および中間層の膜厚を30〜150nmとする、すなわち比較的薄くすることによっても、大きい入射角で入射する光の反射率を低くできる。
(他の形態)
なお、本発明の低反射膜付き物品は、図示例のものに限定はされない。
たとえば、本発明の低反射膜付き物品は、波長変換材料を含む波長変換材料膜を有していてもよく、低反射膜または透明基材が波長変換材料を含んでいてもよい。波長変換材料膜を有する場合、波長変換材料膜は、低反射膜が設けられた側とは反対側の透明基材の表面に設けられていることが好ましい。波長変換材料としては、波長300〜400nmのいずれかの光によって励起され、波長400〜1200nmのいずれかの光を発光するものが挙げられる。本発明の低反射膜付き物品が波長変換材料を含むことによって、太陽電池セルにおける発電に寄与しない波長の光を、太陽電池セルにおける発電に有効に利用できる。本発明の低反射膜付き物品は、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長300〜400nmの光の平均反射率も充分に低い(たとえば8%以下である)ため、波長変換材料を含む場合にも好適に用いることができる。
また、本発明の低反射膜付き物品は、防汚性材料を含む防汚膜を有していてもよく、低反射膜が防汚性材料を含んでいてもよい。防汚性材料としては、含フッ素材料(フッ素樹脂等)、光触媒等が挙げられる。本発明の低反射膜付き物品が防汚性材料を含むことによって、低反射膜付き物品の表面に汚れが残留しにくくなり、太陽電池用カバーガラスとして用いた場合、太陽電池モジュールの発電効率を高く維持できる。
<太陽電池モジュール>
図2は、本発明の太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。太陽電池モジュール2は、両面受光型太陽電池モジュールであり、低反射膜12の側が外側となるように配置された2枚の低反射膜付き物品1と、2枚の低反射膜付き物品1を貼り合わせる封止材20と、封止材20で封止、固定され、インターコネクタ(図示略)を介して電極(図示略)間が接続された複数の両面受光型太陽電池セル22とを備えたものである。
封止材20としては、太陽電池モジュールに用いられる公知の封止シート(エチレン−酢酸ビニル共重合体シート、ポリビニルブチラールシート等)が挙げられる。
両面受光型太陽電池セル22としては、薄型単結晶シリコン基板(p型)の一方の表面にリン拡散によってn層が形成され、他方の表面にボロン拡散によってp層が形成されたもの等が挙げられる。
(作用効果)
以上説明した本発明の太陽電池モジュールにあっては、本発明の低反射膜付き物品からなる太陽電池用カバーガラスを備えたものであるため、太陽電池用カバーガラスの低反射膜の側の表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように設置され、太陽電池モジュールに太陽光が大きい入射角で入射する場合でも、発電効率が高い。
よって、本発明の太陽電池モジュールは、砂漠等の砂埃が多い場所に、砂埃が太陽電池モジュールの表面に堆積しないように、太陽電池モジュールの表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように太陽電池モジュールを設置する場合や、両面受光型太陽電池モジュールを、太陽電池モジュールの表面が鉛直方向となるように、かつ該太陽電池モジュールの一方の表面が東向き、他方の表面が西向きになるように設置する場合に、特に有用である。
また、以上説明した本発明の太陽電池モジュールにあっては、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率を低く抑えられた本発明の低反射膜付き物品からなる太陽電池用カバーガラスを備えたものであるため、太陽電池セルにおける発電に最も寄与する光を効率よく利用でき、発電効率をさらに向上できる。
(他の形態)
なお、本発明の太陽電池モジュールは、本発明の低反射膜付き物品からなる太陽電池用カバーガラスを備えたものであればよく、図示例の両面受光型太陽電池モジュールに限定はされない。
たとえば、本発明の太陽電池モジュールは、公知の片面受光型太陽電池モジュールであってもよい。また、太陽電池セルは、単結晶シリコン型以外の太陽電池セル(薄膜型等)であってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
例1〜4は実施例であり、例5〜12は比較例である。
(微粒子の平均一次粒子径)
中空微粒子の平均一次粒子径は、中空微粒子の分散液をエタノールで0.1質量%に希釈した後、コロジオン膜上にサンプリングして透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−9000)にて観察し、100個の中空微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、100個の微粒子の粒子径を平均して、中空微粒子の平均一次粒子径を求めた。
中空微粒子以外の微粒子の平均一次粒子径は、球形粒子が担体に均一に分散されていると仮定して、BET法により測定した比表面積と球形粒子の体積から換算して算出した。
(中空微粒子の外殻の厚さおよび空孔径)
中空微粒子の外殻の厚さおよび空孔径は、中空微粒子の分散液をエタノールで0.1質量%に希釈した後、コロジオン膜上にサンプリングして透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−9000)にて観察し、100個の中空微粒子を無作為に選び出し、各中空微粒子の外殻の厚さおよび空孔径を測定し、100個の中空微粒子の外殻の厚さおよび空孔径をそれぞれ平均して、中空微粒子の外殻の厚さおよび空孔径を求めた。
(屈折率)
各層の屈折率は、ガラス板の表面に形成された各層の単層膜についてエリプソメータ(J.A.Woollam社製、型式:M−2000DI)用いて求めた波長550nmの光の屈折率とした。
(膜厚)
各層の膜厚は、低反射膜付き物品の断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、型式:S−4300)で観察して得られる像より計測した。
(反射率)
低反射膜付き物品の反射率は、分光光度計(日立製作所社製、型式:U−4100)を用いて測定した。
(透過率)
低反射膜付き物品の透過率は、分光光度計(日立製作所社製、型式:U−4100)を用いて測定した。平均透過率は、波長400〜1200nmの平均透過率である。
(摩耗試験)
低反射膜付き物品の低反射膜の表面を、フェルトにて1kg荷重で1000回往復摩耗した後、透過率を測定して波長400〜1200nmの平均透過率を求めた。試験前後の平均透過率から摩耗試験による変化を求めた。
(中空状SiO微粒子分散液(A))
イソプロパノールの59gを撹拌しながら、ZnO微粒子水分散液(固形分濃度:20質量%、平均一次粒子径:30nm)の30g、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分量:29質量%)の10gを加えた後、28質量%のアンモニア水溶液の1gを加え、分散液のpHを10に調整し、20℃で6時間撹拌して、コア−シェル型微粒子分散液(固形分濃度:6質量%)の100gを得た。
得られたコア−シェル型微粒子分散液に、強酸性カチオン交換樹脂(三菱化学社製、ダイヤイオン、総交換量:2.0mseq/mL以上)の100gを加え、1時間撹拌してpHが4となった後、ろ過により強酸性カチオン樹脂を除去し、該分散液を限外ろ過することでSiO換算固形分濃度が15質量%の中空状SiO微粒子分散液(A)を得た。中空状SiO微粒子の外殻厚さは6nmであり、空孔径は30nmであり、平均一次粒子径は42nmであった。
(鎖状中実SiO微粒子分散液(B))
日産化学工業社製、IPA−ST−UP、SiO換算固形分濃度:15質量%、一次粒子径:5〜40nm、分散媒:イソプロパノール。
(マトリックス前駆体の溶液(C))
コルコート社製、コルコートP、アルコキシシランの加水分解物の溶液、SiO換算固形分濃度:2質量%、エタノール:4質量%、イソプロパノール:40質量%、n−ブタノール:50質量%、水:4質量%。
〔例1〕
エタノールの72.5gを撹拌しながら、これに中空状SiO微粒子分散液(A)の15.0gおよびマトリックス前駆体の溶液(C)の12.5gを加え、固形分濃度が2.0質量%の上層塗布液を調製した。組成を表1に示す。また、ガラス板の表面に、後述の上層形成条件と同じ条件にて上層塗布液を塗布、焼成して単層膜を形成し、屈折率を求めた。結果を表2に示す。
エタノールの66.4gを撹拌しながら、これに中空状SiO微粒子分散液(A)の5.6gおよびマトリックス前駆体の溶液(C)の28.0gを加え、固形分濃度が1.4質量%の中間層塗布液を調製した。組成を表1に示す。また、ガラス板の表面に、後述の中間層形成条件と同じ条件にて中間層塗布液を塗布、焼成して単層膜を形成し、屈折率を求めた。結果を表2に示す。
マトリックス前駆体の溶液(C)の100gをそのまま用い、固形分濃度が2.0質量%の下層塗布液とした。また、ガラス板の表面に、後述の下層形成条件と同じ条件にて下層塗布液を塗布、焼成して単層膜を形成し、屈折率を求めた。結果を表2に示す。
透明基材として型板ガラス(旭硝子社製、Solite、低鉄分のソーダライムガラス(白板ガラス)、サイズ:100mm×100mm、厚さ:3.2mm)を用意し、酸化セリウム水分散液で型板ガラスの表面を研磨し、水で酸化セリウムを洗い流した後、イオン交換水でリンスし、乾燥させた。
型板ガラスの表面に下層塗布液をスピンコート(500rpm、20秒間)にて塗布し、200℃で1分間焼成した。さらに中間層塗布液をスピンコート(500rpm、20秒間)にて塗布し、200℃で1分間焼成した。さらに上層塗布液をスピンコート(500rpm、20秒間)にて塗布し、650℃で10分間焼成し、低反射膜付き物品を得た。該物品を評価した。結果を表2に示す。また、低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を図3に示す。
〔例2〜4、7〜9〕
塗布液の組成を表1に示す組成に変更した以外は、例1と同様にして低反射膜付き物品を得た。該物品を評価した。結果を表2に示す。また、低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を図4〜6、9〜11に示す。
〔例5〕
透明基材である型板ガラス(旭硝子社製、Solite)について評価した。結果を表2に示す。また、透明基材の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を図7に示す。
〔例6〕
表1に示す1種類の塗布液を調製し、上層のみを形成する以外は、例1と同様にして低反射膜付き物品を得た。該物品を評価した。結果を表2に示す。また、低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を図8に示す。
〔例10〕
表1に示す4種類の塗布液を調製し、下層と中間層との間に第2の中間層を形成する以外は、例1と同様にして低反射膜付き物品を得た。該物品を評価した。結果を表2に示す。また、低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を図12に示す。
〔例11、12〕
特許文献2の実施例1、2についてシミュレーションよって反射率を求めた。結果を表2に示す。また、低反射膜の表面に入射角70度、60度または50度で入射する波長300〜1200nmの光の反射率を図13、14に示す。
Figure 2013122949
Figure 2013122949
例6は、低反射膜が単層であるため、低反射膜の表面に入射角70度または60度で入射する波長300〜1200nmの光の平均反射率および低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が高い。
例7は、上層の膜厚が厚いため、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が高い。
例8は、上層の膜厚が薄いため、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が高い。
例9は、上層の屈折率が高いため、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長300〜1200nmの光の平均反射率および低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が高い。
例10は、低反射膜が4層であるため、耐摩耗性に劣る。
例11、12は、上層の膜厚が薄いため、低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が高い。
本発明の低反射膜付き物品は、太陽電池用カバーガラス、車両用窓ガラス(フロントガラス、サイドガラス、リアガラス等)、車両用透明部品(ヘッドライトカバー、サイドミラー、インスツルメントパネル表面、メータ等)、建築用窓ガラス、ショーウインドウ、ディスプレイ(ノート型パソコン、モニタ、LCD、PDP 、ELD、CRT、PDA等)、前面板(LCDカラーフィルタ等)、タッチパネル用カバーガラス、ピックアップレンズ、光学レンズ、眼鏡レンズ、カメラ部品、ビデオ部品、CCD用カバー基板、光ファイバー端面、プロジェクター部品、複写機部品、携帯電話窓、バックライトユニット部品(導光板、冷陰極管等)、液晶輝度向上フィルム(プリズム、半透過フィルム等)、液晶輝度向上フィルム、有機EL発光素子部品、無機EL発光素子部品、蛍光体発光素子部品、光学フィルタ、光学部品の端面、照明ランプ、照明器具のカバー、増幅レーザ光源、反射防止フィルム、偏光フィルム、農業用フィルム等として有用である。
1 低反射膜付き物品
2 太陽電池モジュール
10 透明基材
12 低反射膜
14 下層
16 中間層
18 上層
20 封止材
22 両面受光型太陽電池セル

Claims (6)

  1. 透明基材と、該透明基材の上に設けられた低反射膜とを有する物品であって、
    前記低反射膜が、前記透明基材の側の下層、該下層の上に設けられた中間層および該中間層の上に設けられた上層の3層からなり、
    前記低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が、7%以下であり、
    前記低反射膜の表面に入射角70度で入射する波長600〜900nmの光の平均反射率が、5%以下であり、
    前記低反射膜の表面に入射角60度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が、3%以下であり、
    前記低反射膜の表面に入射角50度で入射する波長400〜1200nmの光の平均反射率が、2%以下である、低反射膜付き物品。
  2. 前記上層の屈折率は、1.10〜1.20であり、
    前記中間層の屈折率は、1.10〜1.35であり、かつ前記上層の屈折率よりも大きく、
    前記下層の屈折率は、1.36〜1.60であり、かつ前記中間層の屈折率よりも大きく、
    前記上層の膜厚は、150〜340nmであり、
    前記下層および中間層の膜厚は、それぞれ30〜150nmである、請求項1に記載の低反射膜付き物品。
  3. 太陽電池用カバーガラスである、請求項1または2に記載の低反射膜付き物品。
  4. 請求項1または2に記載の低反射膜付き物品からなる太陽電池用カバーガラスを備えた、太陽電池モジュール。
  5. 前記太陽電池用カバーガラスの前記低反射膜の側の表面と水平面とのなす角度が50〜90度となるように設置された、請求項4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 2枚の前記太陽電池用カバーガラスと、該2枚の太陽電池用カバーガラスの間に設けられた太陽電池セルとを備え、
    前記太陽電池セルが、両面受光型太陽電池セルである、請求項4に記載の太陽電池モジュール。
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