JP2016225225A - 表示装置用の導光板 - Google Patents

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雄一 ▲桑▼原
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Abstract

【課題】透過性を有意に高めることができ、反射性を有意に高めることが可能な出射表面を有する、使用環境において寸法変化が生じ難いエッジライト方式の表示装置用の導光板を提供する。【解決手段】エッジライト方式の表示装置用の導光板100であって、相互に対向する第1及び第2の表面を有するガラス板110と、ガラス板の第1の表面112に設置された低反射膜120と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、エッジライト方式の表示装置用の導光板に関する。
従来、LEDなどの低消費電力光源を使用したエッジライト方式の表示装置が知られている。エッジライト方式の表示装置では、相互に対向する2つの主表面を有する導光板と、該導光板の一つの端面に対向して配置された光源とが使用される。ここで、導光板の「端面」とは、導光板の2つの主表面を相互に接続する4つの側面を意味する。また、4つの側面のうち、光源と面する端面を、特に、「入射端面」と称する。
エッジライト方式では、光源からの光は、導光板の入射端面に入射される。その後、導光板に入射した光は、導光板の一つの表面(「出射表面」という)から出射される。以下、出射表面と対向する表面を反射表面という。
一般に、このようなエッジライト方式の表示装置の導光板として、樹脂系の材料で構成された板、例えばアクリル板が用いられている。
特開2012−123933号公報
一般に、エッジライト方式の表示装置では、光源であるLEDの光を導光板に入射し、導光板内で光を全反射させながら、入射部と反対の面まで光を伝播させる。出射輝度向上や輝度分布の均一化の観点から、導光板内で全反射条件を満たす光、すなわち臨界角(θc)以上で入射する光は全反射をすることが必要である一方で、臨界角未満の入射角で出射表面に入射する光は、最終的にできるだけ減衰の少ない状態で出射表面から出射することが望まれる。このため、導光板の出射表面において、臨界角以上の入射角θで入射する光は、反射表面において適正に反射され、臨界角未満の入射角θで入射する光とともに出射表面を透過して、最終的に出射表面から出射するとよい。概念図を図8に示す。
一方、導光板から光が出射する際、導光板は空気と接しているため、導光板と空気との界面において反射光が生じる。この反射光は、導光板や反射シートに戻り、さらに長い距離導光板内を伝播することになる。導光板がガラス製の場合、一定の吸収があるため、ガラス内の伝播距離が長いほど最終的な出射光量が小さくなり、LEDの近傍とLEDから遠い場所とにおいて出射輝度差が大きくなったり、最終製品であるTVの面内平均輝度が小さくなったりする懸念がある。また、反射シート側に戻った光も100%反射されて出射されるわけではなく、反射シート側における吸収損失やバックライト以外の部分に光が出ていくことによる光損失により、出射光量が小さくなる懸念がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、臨界角θc未満の入射角θの光に対しては、透過性を有意に高めることができ、かつ臨界角θc以上の入射角θの光に対しては、反射性を有意に高めることが可能な出射表面を有する、エッジライト方式の表示装置用の導光板を提供することを目的とする。
本発明では、エッジライト方式の表示装置用の導光板であって、
相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス板と、
前記ガラス板の第1の表面に設置された低反射膜と、
を有する導光板が提供される。
本発明では、使用環境において、寸法変化が生じ難いエッジライト方式の表示装置用の導光板を提供することができる。
本発明の一実施形態による導光板の断面を模式的に示した図である。 導光板の透過率の最大値Tmaxおよび透過率T35の測定に使用される測定装置の構成を概略的に示した図である。 本発明の一実施形態による導光板を備えるエッジライト方式の表示装置の一例を概略的に示した断面図である。 本発明の一実施形態による導光板の製造方法のフローを概略的に示した図である。 各例に係るガラス板において、波長450nmの光を用いて得られた入射角θと透過率の関係を示したグラフである。 各例に係るガラス板において、波長550nmの光を用いて得られた入射角θと透過率の関係を示したグラフである。 各例に係るガラス板において、波長630nmの光を用いて得られた入射角θと透過率の関係を示したグラフである。 バックライトの概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態による導光板)
図1には、本発明の一実施形態による、エッジライト方式の表示装置用の導光板(以下、「第1の導光板」と称する)の断面を模式的に示す。
図1に示すように、第1の導光板100は、ガラス板110と、低反射膜120とを有する。
ガラス板110は、相互に対向する第1の表面112および第2の表面114を有し、低反射膜120は、ガラス板110の第1の表面112の側に設置される。
なお、第1の導光板100が実際にエッジライト方式の表示装置に使用される場合、ガラス板110の第1の表面112の側は、光出射側となり、ガラス板110の第2の表面114の側は、光反射側となる。このため、第1の導光板100において、ガラス板110の第1の表面112(さらには、低反射膜120の側)を、出射表面101とも称し、ガラス板110の第2の表面114の側を、反射表面102とも称する。
低反射膜120は、ガラス板110の内部を伝播する光のうち、全反射条件を満たす入射角の光を第1の表面112で全反射させる一方、それ以外の入射角の光の第1の表面112での反射を抑制する役割を有する。
ここで、前述のように、エッジライト方式の表示装置用の導光板として一般に使用されているアクリル板は、熱や水分の吸収により、寸法が容易に変化する傾向がある。また、この問題に対処するため、表示装置の周囲に、額縁状に幅広のフレームを設置した場合、すっきりとした輪郭の、スタイリッシュな表示装置を構成することが難しいという問題がある。
これに対して、第1の導光板100では、構成部材として、アクリル板の代わりにガラス板110が使用されるという特徴を有する。
一般に、ガラス板は、アクリル板に比べて、熱変形が生じ難く、水分の吸収も生じ難い。このため、第1の導光板100では、使用中にガラス板110の寸法が変化することは生じ難い。従って、第1の導光板100を使用した場合、寸法変形のためのマージンをあまり考慮する必要がなくなり、表示装置の周囲に、額縁状に幅広のフレーム部材を設置する必要性も少なくなる。その結果、スタイリッシュな表示装置を提供することが可能になる。
ただし、単に導光板の構成部材をアクリル板からガラス板に変更しただけでは、ガラス板の出射表面での反射が顕著となり、出射表面から出射される光量が低下してしまうという問題が生じ得る。
しかしながら、第1の導光板100では、ガラス板110の出射表面101(すなわち第1の表面112)の側に、低反射膜120が設置されている。このため、第1の導光板100では、出射表面101の側から出射される光量が低下するという問題を、有意に抑制することができる。
以上の特徴により、第1の導光板100をエッジライト方式の表示装置に適用した場合、表示装置の周囲には、幅広のフレーム部材を設置することが必須ではなくなり、スタイリッシュな表示装置を提供することが可能となる。
なお、第1の導光板100において、低反射膜120の構成は、ガラス板110の第1の表面112における光の反射を有意に抑制することができる限り、特に限られない。例えば、低反射膜120は、単一の層で構成されても良い。あるいは、低反射膜120は、複数の層で構成されても良い。
低反射膜120が複数の層で構成される場合、低反射膜120は、ガラス板110から近い順に、高屈折率層/低屈折率層の層組を1組以上有しても良い。
例えば、図1に示した例では、低反射膜120は、2組の高屈折率層/低屈折率層の層組を有する。より具体的には、低反射膜120は、ガラス板110に近い側から、第1の層125、第2の層130、第3の層135、および第4の層140を有し、第1の層125は、第2の層130よりも高い屈折率を有し、第3の層135は、第4の層140よりも高い屈折率を有する。なお、第3の層135は、第2の層130よりも高い屈折率を有する。
あるいは、低反射膜120は、3組以上の高屈折率層/低屈折率層の層組を有しても良い。
(本発明の一実施形態による導光板の構成部材)
次に、本発明の一実施形態による導光板を構成する各構成部材について、より詳しく説明する。なお、ここでは、一例として、図1に示した第1の導光板100を例に、その構成部材について説明する。従って、各部材を参照する際には、図1に示された参照符号を使用する。
(ガラス板110)
ガラス板110は、いかなる組成のガラスで構成されても良い。例えば、ガラス板110は、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、または無アルカリガラス等であっても良い。
本発明に係るガラス板は高透過ガラスであることが好ましい。ガラス板の光吸収の主要因は、不純物として含まれる鉄イオンである。鉄は、工業的に生産されるガラスの原料として不可避的に含有されるものであり、ガラス中への鉄の混入は避けられない。
Feに換算した全酸化鉄(t−Fe)の含有量は、可視域全域にわたって極めて高い透過率を実現させるために80質量ppm以下とされる。t−Feの含有量は、より好ましくは60質量ppm以下であり、さらに好ましくは50質量ppm以下であり、特に好ましくは40質量ppm以下であり、最も好ましくは35質量ppm以下である。
一方、本発明のガラス板のt−Fe含有量は、1質量ppm以上とされる。1質量ppm未満では多成分系の酸化物ガラス製造時においてガラスの熔解性を向上させることが難しくなり、又、低コストで大量生産することが難しくなる。また、原料の入手が困難である。好ましくは5質量ppm以上であり、より好ましくは8質量ppm以上であり、さらに好ましくは10質量ppm以上である。なお、ガラス板中のt−Fe量は、ガラス製造時に添加する鉄成分の量により調節できる。
ガラス板に含まれる全酸化鉄量を、Feの量として表しているが、ガラス中に存在する鉄がすべてFe3+(3価の鉄)として存在しているわけではない。通常、ガラス中にはFe3+とFe2+(2価の鉄)が同時に存在している(以下、これらをまとめて「鉄成分」という)。鉄成分は可視光域に吸収を持つが、Fe2+の吸収係数(11cm−1Mol−1)は、Fe3+の吸収係数(0.96cm−1Mol−1)よりも1桁大きいため、可視光域の内部透過率をより低下させる。そのため、Fe2+の含有量が少ないことが、可視光域の内部透過率を高めるうえで好ましい。
本発明のガラス板は、Feに換算した二価鉄(Fe2+)の含有量が10質量ppm以下に抑制されている。好ましくは8.0質量ppm以下であり、より好ましくは6.0質量ppm以下であり、特に好ましくは4.0質量ppm以下であり、最も好ましくは3.5質量ppm以下である。
本発明に係るガラス板の組成は、前述の特徴を有する限り、その組成は特に限定されない。例えば、下記の3種類(ガラス組成A、ガラス組成B、ガラス組成Cを有するガラス)が代表的な例として挙げられる。
ガラス組成Aであるガラス板は、酸化物基準の質量百分率表示で、実質的に、SiOを60〜80%、Alを0〜7%、MgOを0〜10%、CaOを0〜20%、SrOを0〜15%、BaOを0〜15%、NaOを3〜20%、およびKOを0〜10%含んでも良い。
ガラス組成Bであるガラス板は、酸化物基準の質量百分率表示で、実質的に、SiOを45〜80%、Alを7%超30%以下、Bを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜6%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、NaOを7〜20%、KOを0〜10%、およびZrOを0〜10%含んでも良い。
ガラス組成Cであるガラス板は、酸化物基準の質量百分率表示で、実質的に、SiOを45〜70%、Alを10〜30%、Bを0〜15%含むとともに、MgO、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を、合計5〜30%含み、さらにLiO、NaOおよびKOからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を、合計0%以上3%未満含んでも良い。
上記した成分を有する本発明のガラス板のガラスの組成の各成分の組成範囲について、以下に説明する。本明細書において、ガラスの成分は、SiO、Al等の酸化物換算で表し、ガラス全体に対する各成分の含有量(ガラス組成)は、酸化物基準の質量百分率、又は質量ppm(質量百分率を単に%、又は質量ppmを単にppmと表記する場合もある)で表す。
SiOは、ガラスの主成分である。
SiOの含有量は、ガラスの耐候性、失透特性を保つため、酸化物基準の質量百分率表示で、ガラス組成Aにおいては、好ましくは60%以上、より好ましくは63%以上であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上である。
一方、SiOの含有量の上限は、溶解を容易にし、泡品質を良好なものとするために、またガラス中の二価鉄(Fe2+)の含有量を低く抑え、光学特性を良好なものとするために、ガラス組成Aにおいては、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下である。
Alは、ガラス組成B及びCにおいてはガラスの耐候性を向上させる必須成分である。本発明のガラスにおいて実用上必要な耐候性を維持するためには、Alの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは7%超、より好ましくは10%以上であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは10%以上、より好ましくは13%以上である。
但し、二価鉄(Fe2+)の含有量を低く抑え、光学特性を良好なものとし、泡品質を良好なものとするため、Alの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは30%以下、より好ましくは23%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。
は、ガラス原料の溶融を促進し、機械的特性や耐候性を向上させる成分であるが、ガラス組成Aのようなソーダライムシリケート系のガラスにおいては、揮発による脈理(ream)の生成、炉壁の侵食等の不都合が生じないために5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。以下、本明細書において、実質的に含有しないとは、不可避的不純物を除き含有しない意味である。また、ガラス組成B及びCにおいては、Bの含有量は好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下であるが、必須成分ではない。
LiO、NaO、及び、KOといったアルカリ金属酸化物は、ガラス原料の溶融を促進し、熱膨張、粘性等を調整するのに有用な成分である。
そのため、NaOの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは3%以上、より好ましくは8%以上である。NaOの含有量は、ガラス組成Bにおいては、好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上である。但し、溶解時の清澄性を保持し、製造されるガラスの泡品質を保つために、NaOの含有量は、ガラス組成A及びBにおいては、20%以下とするのが好ましく、15%以下とするのがさらに好ましい。ガラス組成Cにおいては、3%以下とするのが好ましく、1%以下とするのがより好ましいが、必須成分ではない。
また、KOの含有量は、ガラス組成A及びBにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下であり、含まなくてもよい。ガラス組成Cにおいては、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下であるが、必須成分ではない。
また、LiOは、任意成分であるが、ガラス化を容易にし、原料に由来する不純物として含まれる鉄含有量を低く抑え、バッチコストを低く抑えるために、ガラス組成A及びBにおいて、LiOを5%以下、より好ましくは2%以下含有させることができ、ガラス組成Cにおいては3%未満が好ましい。
また、これらアルカリ金属酸化物の合計含有量(LiO+NaO+KO)は、溶解時の清澄性を保持し、製造されるガラスの泡品質を保つために、ガラス組成A及びBにおいては、好ましくは5%〜20%、より好ましくは8%〜15%であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは0%以上3%未満、より好ましくは0%〜2%、さらに好ましくは、0%〜1%である。
MgO、CaO、SrO、及びBaOといったアルカリ土類金属酸化物は、ガラス原料の溶融を促進し、熱膨張、粘性等を調整するのに有用な成分である。
MgOは、ガラス溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する作用がある。また、比重を低減させ、ガラス板に疵をつきにくくする作用があるために、ガラス組成A、B及びCにおいて、含有させることができる。ガラスの熱膨張係数を低く、失透特性を良好なものとするために、MgOの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは10%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
CaOは、ガラス原料の溶融を促進し、また粘性、熱膨張等を調整する成分であるので、ガラス組成A、B及びCにおいて含有させることができる。上記の作用を得るためには、ガラス組成Aにおいては、CaOの含有量は、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上である。また、失透を良好にするためには、ガラス組成Aにおいては、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは6%以下であり、より好ましくは4%以下である。
SrOは、熱膨張係数の増大及びガラスの高温粘度を下げる効果がある。かかる効果を得るために、ガラス組成A、B及びCにおいて、SrOを含有させることができる。但し、ガラスの熱膨張係数を低く抑えるため、ガラス組成A及びCにおいて、SrOの含有量は、15%以下とするのが好ましく、10%以下とするのがより好ましく、ガラス組成Bにおいては5%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。
BaOは、SrO同様に熱膨張係数の増大及びガラスの高温粘度を下げる効果がある。上記の効果を得るためにBaOを含有させることができる。但し、ガラスの熱膨張係数を低く抑えるため、ガラス組成A及びCにおいてBaOの含有量は、15%以下とするのが好ましく、10%以下とするのがより好ましく、ガラス組成Bにおいては5%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。
また、これらアルカリ土類金属酸化物の合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO)は、熱膨張係数を低く抑え、失透特性を良好なものとし、強度を維持するために、ガラス組成Aにおいては、好ましくは10%以上、より好ましくは13%以上であり、ガラス組成Bにおいては好ましくは1%以上、より好ましくは10%以上であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上である。ただし多くなると相対的に他の成分の量が少なくなることにより失透特性と強度に問題が出てしまうため、ガラス組成Aにおいては30%以下が好ましく、より好ましくは27%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。
本発明のガラス板の組成においては、ガラスの耐熱性及び表面硬度の向上のために、任意成分としてZrOを、ガラス組成A、B及びCにおいて、10%以下、好ましくは5%以下含有させてもよい。但し、10%超であると、ガラスが失透しやすくなるので、好ましくない。
また、本発明のガラス板のガラスは、清澄剤としてSOを含有してもよい。この場合、SO含有量は、質量百分率表示で0%超、0.5%以下が好ましい。0.4%以下がより好ましく、0.3%以下がさらに好ましく、0.25%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明のガラス板のガラスは、酸化剤及び清澄剤としてSb、SnO及びAsのうちの一つ以上を含有してもよい。この場合、Sb、SnOまたはAsの含有量は、質量百分率表示で0〜0.5%が好ましい。0.2%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
ただし、Sb、SnO及びAsは、ガラスの酸化剤として作用するため、ガラスのFe2+の量を調節する目的により上記範囲内で添加してもよい。ただし、Asは、環境面から積極的に含有させるものではない。
本発明のガラス板のガラスは、TiOを含んでいてもよい。TiOを含有する場合、TiOは、可視光を吸収する成分としても機能するので、TiOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、1000ppm以下とするのが好ましい。波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、TiOは、含有量を500ppm以下とすることがより好ましく、100ppm以下とすることが特に好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、CeOを含んでいてもよい。CeOには鉄のレドックスを下げる効果があり、波長400〜700nmの光に対して、ガラスの吸収を小さくすることができる。しかし、CeOを多量に含有する場合、CeOは、ソーラリゼーションの原因となるだけでなく可視光を吸収する成分としても機能するため上記したガラス組成の合量に対し、1000ppm以下とするのが好ましい。また、CeOの含有量は、500ppm以下とするのがより好ましく、400ppm以下とするのがさらに好ましく、300ppm以下とするのが特に好ましく、250ppm以下とするのが最も好ましい。
添加する場合は製造時の製品特性のばらつき、特に色味のばらつきを抑制しやすくするために常に0.1ppm以上添加してあることが好ましい。色味の制御には1.0ppm以上の添加が好ましく、5.0ppm以上の添加がより好ましい。鉄のレドックスを下げる効果を期待する場合は、ガラス中に含まれるFeに換算した鉄量(質量ppm)と同じ量以上添加することが好ましく、鉄の質量に対して1.5倍以上添加することがより好ましく、3倍以上添加することがさらに好ましく、5倍以上添加することが特に好ましい。
また、本発明のガラス板のガラスは、NiOを含有してもよい。NiOを含有する場合、NiOは、着色成分としても機能するので、NiOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10ppm以下とするのが好ましい。特に、NiOは、波長400〜700nmの光によるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、1.0ppm以下とするのが好ましく、0.8ppm以下とするのがより好ましく、0.6ppm以下とするのがさらに好ましく、0.5ppm以下とすることが特に好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、Crを含有してもよい。Crを含有する場合、Crは、着色成分としても機能するので、Crの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10ppm以下とするのが好ましい。特に、Crは、波長400〜700nmの光によるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、2.0ppm以下とするのが好ましく、1.6ppm以下とするのがより好ましく、1.2ppm以下とするのがさらに好ましく、1.0ppm以下とすることが特に好ましく、0.8ppm以下とすることが一段と好ましく、0.6ppm以下とすることが最も好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、MnOを含有してもよい。MnOを含有する場合、MnOは、可視光を吸収する成分としても機能するので、MnOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、50ppm以下とするのが好ましい。特に、MnOは、波長400〜700nmの光によるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、30ppm以下とするのが好ましく、20ppm以下とするのがより好ましく、15ppm以下とするのがさらに好ましく、10ppm以下とするのが特に好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、Se、CoO、V及びCuOからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。これらの成分を含有する場合、可視光を吸収する成分としても機能するので、前記成分の含有量はそれぞれ5.0ppm以下とするのが好ましく、2.0ppm以下とすることがより好ましく、1.0ppm以下とするのがさらに好ましい。特に、これら成分は、波長400〜700nmの光によるガラス板の内部透過率を低下させないように、実質的に含有しないことが最も好ましい。
ガラス板110の厚さは、特に限られないが、例えば、0.5mm〜4.0mmの範囲である。
(低反射膜120)
前述のように、低反射膜120は、単層で構成されても、複数の層で構成されても良い。
低反射膜120が複数の層で構成される場合、低反射膜120は、ガラス板110に近い側から、高屈折率層/低屈折率層の層組を少なくとも2組以上有するように構成されることが好ましい。例えば、図1に示した例では、低反射膜120は、2組の高屈折率層/低屈折率層の層組を有する。高屈折率層/低屈折率層の層組は、3組または4組であっても良い。
ここで、低反射膜120が、図1に示したような4層からなる構成の場合、各層は、以下の特徴を有しても良い。
(第1の層125)
第1の層125の屈折率は、1.30〜1.44の範囲であり、1.31〜1.42の範囲であることが好ましく、1.32〜1.38の範囲であることがより好ましい。第1の層125の厚さは、50nm〜150nmの範囲であり、60nm〜140nmの範囲がより好ましい。
第1の層125は、例えばSiOを主成分とする層であっても良い。「SiOを主成分とする」とは、第1の層125中に含まれるSiOの割合が、90質量%以上であることを意味する。
第1の層125は、SiO微粒子およびマトリックスから構成されても良い。SiO微粒子としては、中空SiO微粒子または中実SiO微粒子がある。
中空SiO微粒子の平均一次粒子径は、5nm〜150nmが好ましく、50nm〜100nmがより好ましい。中空SiO微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であれば、低反射膜120の反射率を充分に低くできる。中空SiO微粒子の平均一次粒子径が150nm以下であれば、低反射膜120のヘイズを低く抑えられる。
中実SiO微粒子の平均一次粒子径は、5nm〜150nmが好ましく、50nm〜100nmがより好ましい。中実SiO微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であれば、低反射膜120の反射率を充分に低くできる。中実SiO微粒子の平均一次粒子径が150nm以下であれば、低反射膜120のヘイズを低く抑えられる。
平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から100個の微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、100個の微粒子の粒子径を平均して求める。
マトリックスとしては、アルコキシシランの加水分解物(ゾルゲルシリカ)の焼成物、シラザンの焼成物等が挙げられるが、アルコキシシランの加水分解物の焼成物がより好ましい。アルコキシシランの加水分解に用いる触媒としては、中空SiO微粒子の分散を妨げないものが好ましい。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン(例えば、パーフルオロポリエーテルトリエトキシシラン等)、パーフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン(例えば、パーフルオロエチルトリエトキシシラン等)、ビニル基を有するアルコキシシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、エポキシ基を有するアルコキシシラン(例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(例えば、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
(第2の層130)
第2の層130の屈折率は、1.10〜1.29の範囲であり、1.12〜1.27の範囲であることが好ましく、1.15〜1.25の範囲であることがより好ましい。第2の層130の厚さは、50nm〜300nmの範囲であり、100nm〜250nmの範囲がより好ましい。
第2の層130は、例えばSiOを主成分とする層であっても良い。
第2の層130は、SiO微粒子およびマトリックスから構成されても良い。
SiO微粒子としては、中空SiO微粒子または中実SiO微粒子が挙げられる。中空SiO微粒子、中実SiO微粒子およびマトリックスについては、前述の(第1の層125)の欄に示した記載が参照できる。
層中の中空SiO微粒子の量を変化させることで、層の屈折率を調整することができる。例えば、第2の層130中の中空SiO微粒子の量を、第1の層125中の中空SiO微粒子の量よりも増加させることにより、第2の層130の屈折率を第1の層125よりも低くすることができる。
(第3の層135)
第3の層135としては、(第1の層125)の欄に記載した事項が参照できる。なお、第3の層135は、第1の層125と同じ構成であっても、異なる構成であっても良い。
(第4の層140)
第4の層140としては、(第2の層130)の欄に記載した事項が参照できる。なお、第4の層140は、第2の層130と同じ構成であっても、異なる構成であっても良い。
なお、屈折率は、被評価対象となる層を単独で透明基材の表面に形成したサンプルを用いて、以下のようにして算定する。
分光光度計を用いて、波長300〜1200nmの範囲で、サンプルの反射率を測定する。得られた反射率のうち最小の値(いわゆるボトム反射率)をRminとし、透明基材の屈折率をnとして、以下の式(1)から、被評価対象となる層の屈折率nが求められる:

min=(n−n/(n+n 式(1)

第1の層125の屈折率と第2の層130の屈折率の差は、0.10〜0.30の範囲であることが好ましく、0.14〜0.24の範囲であることがより好ましい。屈折率の差が0.10以上であれば、入射角の大きな光に対しても、反射を十分に抑制できる。また、屈折率の差が0.30以下であれば、第1の層125と第2の層130との界面における反射を充分に抑制できる。
なお、低反射膜120が3組以上の高屈折率層/低屈折率層の層組を有する場合も、前述の4層構造の低反射膜120における第1の層125および第2の層130に関する記載が参照できる。
(第1の導光板100)
第1の導光板100において、ガラス板110の内部から、第1の表面112に向かって入射角θ=0〜40゜で入射される波長550nmの光の透過率の最大値をTmax(%)とし、ガラス板110の内部から、第1の表面112に向かって入射角θ=35゜で入射される波長550nmの光の透過率をT35(%)としたとき、
max×T35は9000より大きいことが好ましい。
このような特徴を有する第1の導光板100では、導光板からの出射光の強度をより高めることが可能になる。
なお、一般的な測定装置では、屈折現象のため、低反射膜を有するガラス板の内部を伝播する光の、第1の表面における入射角を正確に制御することは難しい。このため、一般的な測定では、ガラス板の内部から、第1の表面に向かって入射される光の入射角θと透過率の関係を正確に評価することは難しい。
そこで、本願では、前述の透過率の最大値Tmaxおよび透過率T35は、図2に示した測定装置を用いて、以下のように測定する。
図2には、波長550nmの光の透過率の最大値Tmaxおよび透過率T35を測定する際に使用される測定装置の構成を概略的に示す。
図2に示すように、測定装置1は、積分球2と、補正用レンズ50とを有する。補正用レンズ50は、円柱を軸方向に沿って1/2に分割したような形状を有する。TmaxおよびT35の測定の際には、被測定対象となるサンプル10が測定装置1に設置される。
サンプル10は、第1の表面18および第2の表面19を有するガラス板15と、該ガラス板15の第1の表面18に設置された低反射膜30とを有する。
サンプル60を測定装置50に設置する際には、サンプル60と積分球52との間に隙間が生じないようにし、かつサンプル60と補正用レンズ80との間にインデックスマッチングをとる液体(一例としてアニソール等)を挟みこんで、サンプル60を設置する。また、サンプル60は、低反射膜70の側が積分球52に接するようにして、測定装置50に設置される。測定の際には、波長550nmの光が所定の角度で補正用レンズ50に照射される。
ここで、補正用レンズ50は、該補正用レンズ50に入射された光が所定の角度で、第1の表面18に入射されるように構成されている。従って、本測定装置1では、補正用レンズ50を介してガラス板15の内部に伝播する光60を、ガラス板15の第1の表面18に、適切に把握された入射角θで入射させることができる。
このため、測定装置1では、ガラス板の内部を伝播する光の、第1の表面における入射角θと透過率の関係を、適正に評価することができる。また、これにより、透過率の最大値Tmaxおよび透過率T35を、正確に把握することができる。ただし、測定用の入射光が補正用レンズ50に入射される際に、空気/レンズ界面において反射損失が生じる。実際の測定において、この反射により測定値として出力される透過率の値が小さくなるため、ここではレンズと空気界面の反射損失を実測の透過率に加えた値を透過率としている。
(本発明の一実施形態による導光板を備えた表示装置)
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態による導光板を備えた表示装置の構成例について説明する。
図3には、本発明の一実施形態による導光板を備えた表示装置(以下、「第1の表示装置」と称する)の一構成例を概略的に示す。
図3に示すように、第1の表示装置201は、エッジライト方式の表示装置であり、表示面側203および背面側204を有する。第1の表示装置201において、表示面側203は、視認者が第1の表示装置201からの画像を視認する側となる。
第1の表示装置201は、表示部255と、光学シート258と、光源260と、導光板270と、反射シート290と、を有する。
表示部255は、液晶パネル等の画像形成部材を有し、第1の表示装置201の表示面側203に向かって画像を表示する役割を有する。光学シート258は、導光板からの出射光の面内分布均一化、輝度向上、偏光面制御等の役割を有する。
光源260は、例えばLEDの群で構成され、「エッジライト」方式で、導光板270に向かって光を照射する役割を有する。
導光板270は、光源260から照射された光を、表示部255に向かって出射する役割を有する。導光板270は、出射表面272、反射表面274、および端面276を有する。表示部255および光学シート258は、導光板270の出射表面272の側に配置される。また、光源260からの光は、導光板270の端面276に入射される。従って、端面276は入射端面である。
導光板270は、反射表面274に、導光板270内を伝播する光を全反射させる手段を備える。例えば、図3の例では、導光板270の反射表面274には、例えば印刷インク等により形成された反射ドット280が配置されている。この反射ドット280は、導光板270内を伝播する光が、反射表面274に到達した際に、全反射される(すなわち、導光板270外に出射されない)ように構成、配置されている。これにより、導光板270内を伝播する光を、効率良く出射表面272から出射させることができる。
なお、光を全反射させる手段は、反射ドット280に限られず、その他の態様を有しても良い。
また、導光板270において、光が入射される端面276とは反対の端面(第2の端面)277には、反射部材285が設置される。これにより、導光板270内を伝播する光が第2の端面277から放射されてしまい、出射表面272から出射される光量が低下するという問題を軽減することが可能となる。
反射シート290は、導光板270の反射表面274の側に配置され、導光板270の反射表面274から漏れ出た光(もし存在する場合)を反射して、該光を導光板270の方に戻す役割を有する。
ここで、第1の表示装置201において、導光板270には、本発明の一実施形態による、ガラス板および低反射膜を含む導光板(例えば図1に示したような第1の導光板100)が使用されている。また、この導光板270は、低反射膜が表示部255の側となるようにして、第1の表示装置201内に設置されている。
このため、第1の表示装置201では、導光板がアクリル板で構成された表示装置とは異なり、寸法変形のためのマージンをあまり考慮する必要がなくなる。その結果、表示装置の周囲に、額縁状に幅広のフレーム部材を設置する必要がなくなり、スタイリッシュな表示装置を提供することができる。
また、第1の表示装置201では、導光板270の出射表面272の側に、低反射膜が設置されている。このため、導光板270の出射表面272における光の全反射が抑制され、出射表面272から十分な量の光を出射させることが可能となる。従って、第1の表示装置201では、表示面側203において、十分な光量で画像を表示することができる。
(本発明の一実施形態による導光板の製造方法)
次に、本発明の一実施形態による導光板の製造方法について説明する。
図4には、本発明の一実施形態による導光板の製造方法(以下、「第1の製造方法」という)のフローを概略的に示す。
図4に示すように、この第1の製造方法は、
第1および第2の表面を有するガラス板を準備するステップ(ステップS110)と、
前記ガラス板の第1の表面に、低反射膜を設置するステップ(ステップS120)と、
前記ガラス板の第2の表面に、前記ガラス板の内部に伝播する光を全反射させる光学手段を設置するステップ(ステップS130)と、
を有する。
なお、ステップS130は、任意に実施されるステップであって、省略される場合もあり得る。
以下、各ステップについて説明する。なお、ここでは、一例として、図1に示した第1の導光板100を例に、その製造方法について説明する。従って、以下の説明において、各部材を表す際には、図1(および図3)に示した参照符号を使用するものとする。
(ステップS110)
まず、導光板100の構成部材となるガラス板110が準備される。
前述のように、ガラス板110は、いかなる組成であっても良い。例えば、ガラス板110は、ソーダライムガラス等で構成される。
(ステップS120)
次に、ガラス板110の第1の表面112に低反射膜120が設置される。
低反射膜120の形成方法は特に限られず、低反射膜120は、例えば、「湿式法」または「乾式法」等により形成されても良い。以下、各方法の代表的なプロセスについて説明する。なお、以下の説明では、低反射膜120が図1に示すような4層125〜140で構成されるものと仮定する。
(湿式法)
湿式法では、所定の材料の塗布および焼成の工程を繰り返すことにより、4層構造の低反射膜120が形成される。
以下、第1の層125〜第4の層140がいずれもSiO微粒子およびマトリックスから構成される場合を例に、低反射膜120の形成方法について説明する。
第1の層125を形成する場合、塗布液として、例えば、SiO微粒子の分散液とマトリックス前駆体の溶液(例えば、アルコキシシランの加水分解物の溶液またはシラザンの溶液等)との混合物が使用される。塗布液は、さらに、レベリング性向上のための界面活性剤、および/または層の耐久性向上のための金属化合物等を含んでも良い。
例えば、SiO微粒子の分散液の分散媒としては、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、および含硫黄化合物等が使用できる。
また、アルコキシシランの加水分解物の溶液の溶媒としては、水とアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、およびジアセトンアルコール等)との混合溶媒が使用できる。
塗布液を塗布する方法としては、公知のウェットコート法(例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フローコート法、グラビアコート法、バーコート法、フレキソコート法、スリットコート法、およびロールコート法等)等が使用できる。
塗布液の塗布温度は、室温〜200℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましい。焼成温度は、特に限られないが、例えば100℃〜700℃の範囲である。
第2の層130〜第4の層140についても、例えば、SiO微粒子中に含まれる中空SiO微粒子と、中実SiO微粒子との割合を変化させて、第1の層125と同様の方法で形成することができる。
以上の工程により、4層構造の低反射膜120を形成することができる。
(乾式法)
乾式法では、「乾式」成膜プロセスにより、ガラス板110の第1の表面112に、各層を順次成膜することにより、4層構造の低反射膜120が形成される。
「乾式」成膜プロセスとしては、例えば、蒸着法、スパッタリング法、PVD法、およびCVD法等が挙げられる。
なお、各層の成膜後、または全ての層の成膜後に、熱処理を実施しても良い。
以上の工程により、ガラス板110の第1の表面112に、低反射膜120を設置することができる。
(ステップS130)
次に、低反射膜120を有するガラス板110の第2の表面114に、ガラス板110の内部に伝播する光を全反射させる光学手段(以下、「全反射手段」という)が設置される。
全反射手段は、例えば、図3に示したような複数のドット280で構成されても良い。このようなドット280は、例えば一般的な印刷法により形成することができる。
なお、ステップS130は、ステップS120の前に実施されても良い。
以上、第1の導光板100を例に、その製造方法について簡単に説明した。しかしながら、本発明の一実施形態による導光板は、その他の製造方法により製造されても良いことは、当業者には明らかである。
次に、本発明の実施例について説明する。
(例1)
以下の方法で、第1の表面に低反射膜を有するガラス板を製造し、その特性を評価した。
ガラス板には、ソーダライムガラス(屈折率1.52)を使用した。
低反射膜は、SiO微粒子とマトリックスからなる単層(第1の層)とし、以下の方法により形成した。
(中空SiO微粒子の分散液の調製)
59gのエタノールを撹拌しながら、30gのZnO微粒子水分散液(固形分濃度:20質量%、平均一次粒子径:30nm)と、10gのテトラエトキシシラン(SiO換算固形分量:29質量%)とを添加した。これに1gの28質量%のアンモニア水溶液を加えて、pHを10に調整した後、20℃で6時間撹拌し、100gのコア−シェル型微粒子分散液(固形分濃度:6質量%)を得た。
得られたコア−シェル型微粒子分散液に、100gの強酸性カチオン交換樹脂(三菱化学社製、ダイヤイオン、総交換量:2.0mseq/mL以上)を加え、1時間撹拌した。pHが4になった後、ろ過により強酸性カチオン樹脂を除去し、分散液を限外ろ過することにより、SiO換算固形分濃度が15質量%の中空SiO微粒子の分散液(以下、「分散液A」という)を得た。
中空状SiO微粒子の外殻厚さは8nmであり、空孔径は26nmであり、平均一次粒子径は42nmであった。
(第1の層の形成)
78.0gのエタノールを撹拌しながら、これに12gの分散液Aと、10gのマトリックス前駆体の溶液を加え、固形分濃度が2.0質量%の第1の塗布液を調製した。なお、マトリックス前駆体の溶液は、以下を含む:
コルコート社製、コルコートP(商品名)、アルコキシシランの加水分解物の溶液、SiO換算固形分濃度:2質量%、エタノール:4質量%、イソプロパノール:40質量%、n−ブタノール:50質量%、水:4質量%。
次に、この第1の塗布液を、スピンコート法(500rpm、20秒間)を用いて、ガラス板の第1の表面に塗布した。その後、ガラス板を予熱炉内で予熱した後、650℃で10分間焼成した。
これにより、第1の層の単層で構成された低反射膜を有するガラス板(以下、「例1に係るガラス板」と称する)を製造した。
(例2)
例1の場合と同様の方法により、ガラス板の第1の表面に第1の層を形成した。なお、第1の層の厚さは、例1の場合とは変化させた。
次に、第1の層の上に、以下の方法で、第2の層を形成した。
(第2の層の形成)
66.4gのエタノールを撹拌しながら、これに5.6gの分散液Aと、28gの前述のマトリックス前駆体の溶液を加え、固形分濃度が1.4質量%の第2の塗布液を調製した。
次に、この第2の塗布液を、スピンコート法(500rpm、20秒間)を用いて、ガラス板の第1の表面の第1の層の上に塗布した。次に、ガラス板を予熱炉内で予熱した後、650℃で10分間焼成した。
以上の工程により、第1の層および第2の層の2層で構成された低反射膜を有するガラス板(以下、「例2に係るガラス板」と称する)を製造した。
(例3〜例4)
例2の場合と同様の方法により、ガラス板の第1の表面に、2層構造の低反射膜を形成した。なお、第1の層および第2の層の厚さは、例2の場合とは変化させた。
得られたガラス板を、それぞれ、例3および例4に係るガラス板と称する。
(例5)
以下の方法で、第1の表面に4層構成の低反射膜を有するガラス板を製造した。
まず、ソーダライム製ガラス板(屈折率1.52)の第1の表面に、スパッタリング法により、第1の層を成膜した。
次に、第1の層の上に、第2の層を成膜した。さらに、第3の層の上に、第4の層を成膜した。
これにより、4層構成の低反射膜を有するガラス板(以下、「例5に係るガラス板」という)が製造された。
(例6)
例5と同様の方法により、第1の表面に4層構成の低反射膜を有するガラス板(以下、「例6に係るガラス板」という)を製造した。ただし、この例6では、各層の厚さを、例5の場合とは変化させた。
(例7)
例5と同様の方法により、第1の表面に、第1の層〜第4の層を形成した。さらに、第4の層の上に、第5の層および第6の層を形成して、6層構成の低反射膜を有するガラス板(以下、「例7に係るガラス板」という)を製造した。
(例8)
例7と同様の方法により、第1の表面に6層構成の低反射膜を有するガラス板(以下、「例8に係るガラス板」という)を製造した。ただし、この例8では、各層の厚さを、例7の場合とは変化させた。
以下の表1には、各例に係るガラス板における低反射膜の構成、各層の厚さおよび屈折率をまとめて示した。
Figure 2016225225
なお、表1において、例9は、低反射膜を有しないガラス板(比較例)である。
(評価)
各例に係るガラス板について、透過率の入射角θの依存性を評価した。ここで、入射角θは、前述のように、ガラス板の内部を伝播する光が、第1の表面に照射される際の角度である。透過率の測定には、前述の図2に示した測定装置1を使用した。
更に、図2のレンズ50と空気界面での反射の影響を除くため、レンズと同素材の平面板を用いて各波長における反射率を測定し、上記で得られた透過率の値に足し合わせた。
図5には、各例に係るガラス板において、波長450nmの光を用いて得られた結果をまとめて示す。図5において、横軸は入射角θであり、縦軸は透過率である。また、図6には、各例に係るガラス板において、波長550nmの光を用いて得られた結果をまとめて示す。さらに、図7には、各例に係るガラス板において、波長630nmの光を用いて得られた結果をまとめて示す。
これらの結果から、例1〜例8に係るガラス板では、例9に係るガラス板に比べて、全体的に高い透過率が得られていることがわかる。
以下の表2には、各例に係るガラス板において得られた、波長550nmの光の透過率の最大値Tmax(%)、入射角θ=35゜で入射される波長550nmの光の透過率T35、および両者の積Tmax×T35を、まとめて示す。
Figure 2016225225
この結果から、例1〜例8に係るガラス板では、積Tmax×T35が9000を超えるのに対して、例9に係るガラス板では、積Tmax×T35は9000未満であることがわかった。特に、例2〜例4に係るガラス板では、積Tmax×T35は9800を超え、大きな値となることがわかった。
このように、ガラス板の第1の表面に低反射膜を設置することにより、第1の表面から十分な光量を取り出し得ることが確認された。
本発明は、例えば、エッジライト方式の表示装置等に利用することができる。
1 測定装置
2 積分球
10 サンプル
15 ガラス板
18 第1の表面
19 第2の表面
30 低反射膜
50 補正用レンズ
60 光
100 第1の導光板
101 出射表面
102 反射表面
110 ガラス板
112 第1の表面
114 第2の表面
120 低反射膜
125 第1の層
130 第2の層
135 第3の層
140 第4の層
201 第1の表示装置
203 表示面側
204 背面側
255 表示部
258 光学シート
260 光源
270 導光板
272 出射表面
274 反射表面
276 端面
277 第2の端面
280 反射ドット
285 反射部材
290 反射シート

Claims (5)

  1. エッジライト方式の表示装置用の導光板であって、
    相互に対向する第1および第2の表面を有するガラス板と、
    前記ガラス板の第1の表面に設置された低反射膜と、
    を有する導光板。
  2. 前記ガラス板の内部から、前記第1の表面に向かって入射角θ=0〜40゜で入射される波長550nmの光の透過率の最大値をTmax(%)とし、前記ガラス板の内部から、前記第1の表面に向かって入射角θ=35゜で入射される波長550nmの光の透過率をT35(%)としたとき、
    max×T35は9000より大きい、請求項1に記載の導光板。
  3. 前記低反射膜は、前記ガラス板に近い側から、連続する第1の層〜第4の層を有し、
    前記第1の層は、前記ガラス板および前記第2の層よりも高い屈折率を有し、
    前記第3の層は、前記第2の層および前記第4の層よりも高い屈折率を有する、請求項1または2に記載の導光板。
  4. 前記低反射膜は、前記第4の層の上に、第5の層および第6の層を有し、
    前記第5の層は、前記第4の層および前記第6の層よりも高い屈折率を有する、請求項3に記載の導光板。
  5. 前記ガラス板は、Feに換算した鉄の総量が1質量ppm以上80質量ppm以下、かつFeに換算したFe2+が10質量ppm以下である請求項1乃至4に記載の導光板。
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JP2019197202A (ja) * 2018-05-08 2019-11-14 北京漢能太陽光投資有限公司 曲面コーティングパネル及びその製造方法、ソーラーモジュール

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