以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、作業員の実際の位置とGPSが測定した位置との差(GPS誤差)よりも狭い幅を持つ特定領域内における作業員の存在可否を精度良く判別する。以下、複数のハウスが隣接して設置される農場において作業員が作業する各ハウスを特定施設とし、複数の作業員の各々が作業しているハウスを特定することを例として説明する。
先ず、作業員が辿った正しい軌跡とGPSによる測定位置に基づく測定軌跡との関係について説明する。図1は、正しい軌跡と測定軌跡との関係を説明するための図である。図1では、ハウスH1、H2、H3が隣接された農場において、作業員がハウスH1に入室してから退室するまでの軌跡を、正しい軌跡1aと、作業員が携帯するGPS機能によって測定された測定軌跡1bとで示している。ハウスの幅7wに対してGPS誤差7gが大であると、時刻tにおける、正しい軌跡1a上の作業員の位置6aは、位置6aからGPS誤差範囲1z内の位置6bであるとしてGPSによって測定される。
従って、正しい軌跡1a上の作業員の位置6aはハウスH1内であるのに対して、GPSによって測定された位置6bはハウスH3内となる。図1で例示されるように、GPS誤差7gのため、GPSによって測定された測定軌跡1bは、ハウスH1とH2を跨る軌跡と、ハウスH1とH3を跨る軌跡とを描くため、作業員が作業しているハウスを正確に特定することが困難となる。
作業員が1人の場合には、人感センサを各ハウスH1、H2、及びH3の出入り口に設置して作業員の入退出を検知することによって、作業員が作業したハウスを特定することができる。しかしながら、作業員が複数の場合には、個々の作業員を識別しない人感センサでは、どの作業員の入退出を検知したのかを判断することが難しくなる。
図2は、複数の作業員の軌跡の例を示す図である。図2において、隣接して並ぶハウスH1、H2、及びH3の出入り口に人感センサS1a、S2a、及びS3aが備えられている。また、作業員W1及びW2は、GPS機能付き携帯電話機を保持している。作業員W1及びW2の各々の実際の軌跡は、正しい軌跡21a及び22aで示され、GPSによって測定された軌跡は、測定軌跡21b及び22bで示されている。
作業員W1の正しい軌跡21aは、ハウスH1に入室してその後退出したことを示し、作業員W1はハウスH1で作業していたことを示している。作業員W2の正しい軌跡22aは、ハウスH3に入室してその後退出したことを示し、作業員W2はハウスH3で作業していたことを示している。
一方、GPS誤差により作業員W1及びW2の各々の測定軌跡21b及び22bからでは、作業員W1がハウスH1で作業していたこと、作業員W2がハウスH3で作業していたことを特定するのは困難である。また、人感センサS1a、S2a、及びS3aは、各作業員W1及びW2を個別に識別できないため、人感センサの周辺に複数の作業員のGPSによる軌跡が存在すると、どの作業員が人感センサに検知されたのかを特定できないことがある。
以下に、GPS誤差より幅の狭い隣接する複数のハウスのうち、複数の作業員の各々が作業しているハウスを特定するための本実施例に係る作業記録システムについて説明する。本実施例では、人感センサの代わりに、無線機器を各ハウスに備える。
図3は、作業記録システムの全体構成例を示す図である。図3に示す作業記録システム1000は、携帯電話基地局3と、複数の作業員端末4と、複数の無線機器5と、サーバ装置100とを有する。図3において、ハウスH1、H2、H3、・・・が隣接して配置されているものとする。各ハウスH1〜H3等に少なくとも1台の無線機器5が出入り口に設置されている。
携帯電話基地局3は、インターネット2を介してサーバ装置100に接続される。また、複数の作業員端末4は、無線により携帯電話基地局3と通信することにより、携帯電話基地局3からインターネット2を介してサーバ装置100に接続される。
作業員端末4は、農作業を行う各作業員W1、W2等(以下、総称して作業員Wと言う)により所持されるGPS機能、近距離無線機能、時計機能、データ送信機能等を有する携帯電話機である。作業員端末4は、所定間隔でGPS機能によって作業員WのGPS情報を取得し、サーバ装置100へ送信する。位置情報は、経度、緯度、時刻、作業員Wを特定する作業員IDを含む。作業員IDとして、作業員端末4の電話番号を用いてもよい。
また、作業員端末4は、無線機能によって無線機器5との通信により取得したハウスIDを含む特定施設情報をサーバ装置100へ送信する。特定施設情報は、無線機器5を特定する無線機器IDと、無線機器5と通信した(即ち、無線機器IDを受信した)時刻と、作業員IDとを含む。
複数の無線機器5は、無線機器IDを送出する無線機器である。無線通信可能な範囲に作業員W1等が入ると作業員端末4は無線機器5からの電波を検知して通信を開始し、無線機器IDを受信する。複数の無線機器5は、作業員端末4が有する無線機能と同様の機能を有する。
作業員端末4と各無線機器5とは、Bluetooth(登録商標)などの近距離(数mの範囲)で通信を行う。
図4は、作業員端末のハードウェア構成を示す図である。作業員端末4は、図4に示されるように、CPUにより作業員端末4全体を制御する制御部4aと、GPSから経度、緯度、時刻を含むGPS情報を受信するGPS受信部4bと、携帯電話基地局3を介してサーバ装置100とデータ通信するためのデータ通信部4c−2と、ハウスの無線機器5と通信し、その通信中の電波強度を測定可能な近距離無線通信部4c−4と、作業員Wを特定するための作業員IDが格納された作業員ID保持部4dと、GPS情報、特定施設情報などを格納するためのメモリ4eと、現在時刻を計測し、タイマ機能を含む時計部4fとを有する。
図5は、作業員端末における位置情報の取得送信処理を説明するためのフローチャート図である。作業員端末4では、図5に示すように、所定周期(例えば、1分)毎(ステップS11)に、GPS情報をGPS受信部4bで受信すると、制御部4aは、受信したGPS情報と、作業員端末4の時刻とをメモリ4eに蓄積して保存する(ステップS12)。
そして、制御部4aは、所定周期(例えば、1時間)毎(ステップS13)に、作業員ID保持部4dに予め格納された作業員IDを、メモリ4eに蓄積されたGPS情報に付加した位置情報を作成し、データ通信部4c−2によって携帯電話基地局3へ送信することによって携帯電話基地局3からインターネット2を介してサーバ装置100へ送信する(ステップS14)。
制御部4aは、サーバ装置100への所定周期毎の位置情報の送信処理の終了か否かを判断する(ステップS15)。終了でない場合、制御部4aは、ステップS11へ戻り、上記同様の処理を繰り返す。終了の場合、つまり、その日の作業員による作業が終了した場合、制御部4aは、この処理を終了する。
図6は、作業員端末における入退室時刻の決定方法を説明するための図である。図6(A)は、作業員端末4と無線機器5との通信において、最も強い電波強度で通信した時刻Tpを入退室時刻と見なす入退室時刻の決定処理の一例を示している。この例では、通信開始時刻Tsと通信終了時刻Tf間の通信中に最も強い電波強度で通信した時刻Tpを特定し、入退室時刻として決定する。
図6(B)は、作業員端末4と無線機器5との通信において、通信開始時刻Tsと通信終了時刻Tf間の中間時刻Tmを入退室時刻と見なす入退室時刻の決定処理の他の例を示している。この例では、通信開始時刻Tsと通信終了時刻Tf間の通信中の中間時刻Tmを特定し、入退室時刻として決定する。
図7は、最も強い電波強度で通信した時刻を入退室時刻とする入退室時刻の決定処理を説明するためのフローチャート図である。図7において、作業員端末4の制御部4aは、近距離無線通信部4c−4による無線機器通信を起動する。近距離無線通信部4c−4は、通信可能な無線機器5があるか否かを判断する(ステップS71)。通信可能な無線機器5がない場合、ステップS71の判断処理を繰り返す。
一方、通信可能な無線機器5がある場合、即ち、無線機器IDを受信している場合、既に接続済みであるか否かを判断する(ステップS72)。通信開始時に受信した無線機器IDを、制御部4aを介してメモリ4eに保持しておくことで、接続済みであるか否かの判断を行える。
既に接続していない無線機器5である場合、近距離無線通信部4c−4は、無線機器5と接続し、接続時刻を示す通信開始時刻Tsをメモリ4eに格納して(ステップS73)、ステップS74へと進む。
近距離無線通信部4c−4は、無線機器5との通信接続後、無線機器5から送出される無線機器IDを受信し、電波強度を計測する(ステップS74)。測定した電波強度は、受信した無線機器IDに対応させて、メモリ4aに格納される。そして、近距離無線通信部4c−4は、無線機器5との通信が切断されたか否かを判断する(ステップS75)。例えば、作業員Wが通信機器5との通信可能な範囲外に移動すると通信が切断される。通信が切断されていない場合、近距離無線通信部4c−4は、ステップS71へと戻り、上述した同様の処理を通信が切断されるまで行う。
一方、近距離無線通信部4c−4は、通信が切断されたと判断すると、通信切断の時刻を示す通信終了時刻Tfをメモリ4eに格納する(ステップS76)。
次に、近距離無線通信部4c−4は、メモリ4aを参照することによって、通信開始時刻Tsから通信終了時刻Tfまでの間で最も電波強度の強い時刻Tpを入退室時刻として決定する(ステップS77)。
メモリ4aを参照する際に、通信の切断直前に受信した無線機器IDに関して最も電波強度の強い時刻Tpを取得するようにする。近距離無線通信部4c−4は、メモリ4aに入退室時刻を格納する。この時点では、時刻Tpが入室時刻を示すのか、退室時刻を示すのか、又は、いずれでもない時刻を示すのかは不明である。入室時刻又は退室時刻の可能性があるという意味において、入退室時刻と言うことにする。
図8は、通信開始時刻と通信終了時刻間の中間時刻を入退室時刻とする入退室時刻の決定処理を説明するためのフローチャート図である。図8において、作業員端末4の制御部4aは、近距離無線通信部4c−4を制御して、無線機器通信を起動する。近距離無線通信部4c−4は、通信可能な無線機器5があるか否かを判断する(ステップS81)。通信可能な無線機器5がない場合、ステップS81の判断処理を繰り返す。
一方、通信可能な無線機器5がある場合、即ち、無線機器IDを受信している場合、既に接続済みであるか否かを判断する(ステップS82)。通信開示時に受信した無線機器IDを、制御部4aを介してメモリ4eに保持しておくことで、接続済みであるか否かの判断を行える。
既に接続していない無線機器5である場合、近距離無線通信部4c−4は、無線機器5と接続し、接続時刻を示す通信開始時刻Tsをメモリ4eに格納して(ステップS83)、ステップS84へと進む。
近距離無線通信部4c−4は、無線機器5との通信接続後、無線機器5から送出される無線機器IDを受信してメモリ4aに格納する(ステップS84)。そして、近距離無線通信部4c−4は、無線機器5との通信が切断されたか否かを判断する(ステップS85)。例えば、作業員Wが通信機器5との通信可能な範囲外に移動すると通信が切断される。通信が切断されていない場合、近距離無線通信部4c−4は、ステップS81へと戻り、上述した同様の処理を通信が切断されるまで行う。
一方、近距離無線通信部4c−4は、通信が切断されたと判断すると、通信切断の時刻を示す通信終了時刻Tfをメモリ4eに格納する(ステップS86)。
次に、近距離無線通信部4c−4は、メモリ4aを参照することによって、通信開始時刻Tsから通信終了時刻Tfまでの中間時刻Tmを入退室時刻として決定する(ステップS87)。
メモリ4aを参照する際に、通信の切断直前に受信した無線機器IDに関して中間時刻Tmを取得するようにする。近距離無線通信部4c−4は、メモリ4aに入退室時刻を格納する。この時点では、中間時刻Tmが入室時刻を示すのか、退室時刻を示すのか、又は、いずれでもない時刻を示すのかは不明である。入室時刻又は退室時刻の可能性があるという意味において、入退室時刻と言うことにする。
図9は、作業員端末における作業員入退室情報の送信処理を説明するためのフローチャート図である。図9において、制御部4aは、一定時間(たとえば、1時間)毎(ステップS91)に、メモリ4eに保持された入退室時刻と無線機器IDとが対応付けられた作業員入退室情報134を、データ通信部4c−2によって携帯電話基地局3へ送信することによって携帯電話基地局3からインターネット2を介してサーバ装置100へ送信する(ステップS92)。
作業員入退室情報134には、一定時間の間に蓄積された入退室時刻と無線機器IDとの組が含まれている。
図10は、無線機器のハードウェア構成を示す図である。無線機器5は、図10に示されるように、制御部5aと、CPUにより無線機器5全体を制御する制御部5aと、サーバ装置100と通信するための通信部5cと、無線機器5を特定するための無線機器IDが格納された無線機器ID保持部5dと、メモリ5eとを有する。本実施例における無線機器5は、少なくとも、作業員端末4に無線機器IDを受信させる機能を有すればよく、作業員Wを特定する等の高度な技術や装置を必要としない。
無線機器5は、各作業員Wが作業するハウスH1、H2、・・・毎に1又は複数設置され、無線機器IDを送出する送信機である。作業員端末4は、無線機器5の通信可能な範囲に入ると、無線機器5との通信を開始し、通信可能な範囲から出ると無線機器5との通信を切断する。作業員端末4は、無線機器5との通信の開始から終了の間で無線機器IDを受信する。
図11は、無線機器5での処理を説明するためのフローチャート図である。図11において、無線機器5の制御部4aは、通信部5cによる無線機器通信を起動する。通信部5cは、作業員Wの作業員端末4による接続を検知すると(ステップS21)、無線機器ID保持部5dに格納されている無線機器IDを送出する(ステップS22)。
通信部5cは、作業員端末4からの切断を検知したか否かを判断する(ステップS23)。切断を検知していない場合、通信部5cは、ステップS22に戻り、無線機器IDを送出する制御を繰り返す。一方、切断を検知した場合、通信部5cは、ステップS21に戻り、上述した同様の制御を繰り返す。
本実施例に係るサーバ装置100は、例えば、図12に示すようなハードウェア構成を有する。図12は、サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図12において、サーバ装置100は、コンピュータによって制御される端末であって、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリユニット12と、表示ユニット13と、出力ユニット14と、入力ユニット15と、通信ユニット16と、記憶装置17と、ドライバ18とを有し、バスBに接続される。
CPU11は、メモリユニット12に格納されたプログラムに従ってサーバ装置100を制御する。メモリユニット12には、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等が用いられ、CPU11にて実行されるプログラム、CPU11での処理に必要なデータ、CPU11での処理にて得られたデータ等を格納する。また、メモリユニット12の一部の領域が、CPU11での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
表示ユニット13は、CPU11の制御のもとに必要な各種情報を表示する。出力ユニット14は、プリンタ等を有し、利用者からの指示に応じて各種情報を出力するために用いられる。入力ユニット15は、マウス、キーボード等を有し、利用者がサーバ装置100が処理を行なうための必要な各種情報を入力するために用いられる。通信ユニット16は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等に接続し、外部装置との間の通信制御をするための装置である。記憶装置17には、例えば、ハードディスクユニットが用いられ、各種処理を実行するプログラム等のデータを格納する。
サーバ装置100によって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等の記憶媒体19によってサーバ装置100に提供される。即ち、プログラムが保存された記憶媒体19がドライバ18にセットされると、ドライバ18が記憶媒体19からプログラムを読み出し、その読み出されたプログラムがシステムバスBを介して記憶装置17にインストールされる。そして、プログラムが起動されると、記憶装置17にインストールされたプログラムに従ってCPU11がその処理を開始する。尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、CD−ROMの他に、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良い。また、サーバ装置100によって行われる処理を実現するプログラムが、通信ユニット16を介して外部装置から提供されてもよい。
図13は、サーバ装置の機能構成例を示す図である。サーバ装置100は、主に、表示処理部111と、入出力処理部112と、通信制御部113と、インストーラ114と、初期設定部121と、GPS情報記録部122と、入退室情報記録部123と、圃場特定部124と、作業記録生成部125と、記憶部130とを有する。記憶部130は、メモリユニット12又は/及び記憶装置17で構成され、ハウス位置情報131と、無線機器設置位置情報132と、作業員位置情報133と、作業員入退室情報134と、入退室表135と、統計量管理表136と、作業管理表137とを管理する。
表示処理部111は、表示ユニット13へのデータの表示を制御する。入出力処理部112は、入力ユニット15及び出力ユニット14へのデータの入出力を制御する。通信制御部113は、ネットワーク2等を介して行われるデータ通信を制御する。インストーラ114は、本実施例に係るプログラムを記録した記録媒体19から該プログラムを記憶装置17にインストールする。そして、CPU11が対応するプログラムを実行することによって、CPU11が処理部121から125等として機能する。
初期設定部121は、事前に登録の必要なハウス位置情報131と無線機器設置位置情報132とを初期設定するための処理部である。初期設定部121は、利用者によって入力されたハウスH1〜H3等の特定施設の位置を記憶部130のハウス位置情報131に設定する。また、初期設定部121は、利用者によって入力された各ハウスH1〜H3に設置された無線機器5の設置位置を記憶部130の無線機器設置位置情報132に設定する。
GPS情報記録部122は、作業員端末4から作業員端末4を特定する作業員IDが付加された位置情報を受信すると、記憶部130の作業員位置情報133に追加する。作業員位置情報133は、位置情報を作業員ID毎に蓄積して保持する。
入退室情報記録部123は、作業員端末4から無線機器IDに対応付けた入退室時刻を示す作業員入退室情報134を受信すると、記憶部130の作業員入退室情報134に追加する。作業員入退室情報134は、作業員入退室情報134を作業員ID毎に蓄積して保持する。
圃場特定部124は、記憶部130内に作業員毎の入退室表135を作成し、作業員毎の作業員入退室情報134を参照して、本実施例に係る統計量を用いた作業領域特定処理を実行し、作業員毎に作業したハウスを特定する。統計量を計算した結果に係る統計量管理表136が記憶部130に格納される。
作業記録生成部125は、圃場特定部124による処理結果を用いて、作業員毎にハウス内での作業時間を自動的に、記憶部130内の作業管理表137に記録する。
[第1実施例]
各ハウスH1〜H3の2箇所に無線機器5を設置した場合を第1実施例として説明する。第1実施例において、初期設定部121により利用者によって初期設定されたハウス位置情報131とセンサ設置位置情報132のデータ構成例を図14で説明する。図14は、初期設定のデータ構成例を示す図である。図14では、初期設定部121を介して利用者によって初期設定された、ハウス毎の位置が設定されたハウス位置情報131のデータ構成例と、無線機器5毎の所属するハウスIDと位置とが設定された無線機器設置位置情報132のデータ構成例とを示す。
ハウス位置情報131は、ハウスID、頂点数、頂点毎の位置などを記録し保持している。ハウスIDは、ハウスを識別するための識別情報である。この例では、H1、H2などで記録される。頂点数は、ハウスの形状に応じて設定される。この例では、ハウスの形状となる長方形に対応させて頂点数「4」が記録されている。頂点毎の位置は、緯度及び経度で指定される。頂点数「4」の場合、頂点1、頂点2、頂点3、頂点4のように頂点を特定して頂点の数だけ記録され管理される。頂点1から4を特定することによってハウス領域が定まる。
この例では、ハウスID「H1」の頂点数は「4」であり、頂点1の緯度「35.35013」及び経度「139.3602」が記録されている。頂点2〜4についても同様に記録されている。他ハウスについても同様に、ハウスID毎に頂点数と緯度及び経度による頂点毎の位置とが記録されている。
無線機器設置位置情報132は、無線機器ID、ハウスID、無線種別、設置位置の内外情報、通信可能範囲、頂点数、頂点毎の位置などを記録し保持している。無線機器IDは、無線機器5を特定するための識別情報である。この例では、F1a、F1b、F2a、F2bなどで記録される。ハウスIDは、無線機器IDで特定される無線機器5が設置されているハウスを特定する識別情報である。この例では、無線機器ID「F1a」の無線機器5が設置されているハウスは、ハウスID「H1」であることが記録されている。
無線種別は、無線種別に対応させた数値を示す。設置位置の内外情報は、無線機器5が出入り口の内側なのか外側なのかを示す。例えば、内側に設置の場合は「2」、外側に設置の場合は「3」が示される。通信可能範囲は、無線機器5が作業員端末4と近距離aで通信可能な範囲を示す。ハウスID「H1」の場合、無線種別「1」、設置位置の内外情報「3」、通信可能範囲「10」のように示される。
頂点数は、無線機器5の頂点数を示す。頂点数に応じて頂点毎に経度及び緯度が示される。ハウスID「H1」の場合、無線機器ID「F1a」の無線機器5の設置位置は、頂点数「2」に対応させて、頂点1と頂点2とで示される。頂点1は、緯度「35.35026」及び経度「139.3603」に位置しており、頂点2は、緯度「35.35025」及び経度「139.3603」に位置していることが記録されている。他の無線機器5についても同様である。
以下の説明において、各無線機器5は、センサID「F1a」、「F1b」、「F2a」、「F2b」などで示すものとする。
図15は、作業員の軌跡を記録するためのデータ構成例を示す図である。図15では、GPS情報記録部122が各作業員端末4から受信した位置情報が作業員W毎に記録された作業員位置情報133のデータ構成例と、無線機器情報記録部123が各作業員端末4から受信した作業員入退室情報134のデータ構成例とを示す。
作業員位置情報133は、作業員名、所定時間毎にGPSから取得した位置1、位置2、・・・などを記録し保持している。作業員名は、作業員Wを特定するための識別情報である。この例では、W1、W2、・・・などで記録される。作業員名は、作業員Wの作業員ID、又は、作業員端末4の電話番号であってもよい。位置1、位置2、・・・には、各作業員端末4から受信した、所定時間毎にGPSから取得したGPS情報に時刻が付加された位置情報が記録される。
この例では、作業員名「W1」の位置1には、時刻「8:20」に緯度「35.44347」及び経度「139.31332」の位置であったことが記録されている。緯度及び経度は、GPSによって測定された測定値である。位置2でも同様に時刻、緯度、経度が記録される。他の作業員W2、・・・についても同様である。
更に、位置LT11、LT12、LT21、LT22、LT31、LT32、LT41、及びLT42が、後述される隣接されるハウスのいずれかで作業する複数の作業員の軌跡例に関して、簡潔に示される。簡便に、ここでは、作業員W1に関して、時刻T1で位置LT11(緯度「xx.yyy11」及び経度「rrr.zzz11」)、時刻T2で位置LT22(緯度「xx.yyy21」及び経度「rrr.zzz21」)、時刻T3で位置LT32(緯度「xx.yyy31」及び経度「rrr.zzz31」)、時刻T4で位置LT22(緯度「xx.yyy41」及び経度「rrr.zzz41」)であったことを示す。
また、作業員W2に関して、時刻T1で位置LT12(緯度「xx.yyy12」及び経度「rrr.zzz12」)、時刻T2で位置LT21(緯度「xx.yyy22」及び経度「rrr.zzz22」)、時刻T3で位置LT31(緯度「xx.yyy32」及び経度「rrr.zzz32」)、時刻T4で位置LT42(緯度「xx.yyy42」及び経度「rrr.zzz42」)であったことを示す。
作業員入退室情報134は、作業員毎に、入退室時刻と無線機器IDとが対応付けられ、時系列に記録される情報である。無線機器IDは、無線機器5を特定するための識別情報である。この例では、F1a、F1b、F2a、F2bなどで記録される。作業員端末4は、時刻T1で、無線機器ID「F1a」の無線機器5と通信したことが記録されている。他の作業員端末4の作業員入退室情報134についても同様である。
この例では、時刻T1、時刻T2、時刻T3、及び時刻T4が、後述される隣接されるハウスのいずれかで作業する複数の作業員の軌跡例に関して、簡潔に示される。
時刻T1で無線機器ID「F2a」の無線機器5が人を検知し、時刻T2で無線機器ID「F1a」の無線機器5が人を検知し、時刻T3で無線機器ID「F2a」の無線機器5が人を検知し、時刻T4で無線機器ID「F1b」の無線機器5が人を検知したことを示す。
以下、説明及び図面において、無線機器IDを用いて、各無線機器5を無線機器F1a、無線機器F1b、無線機器F2a、無線機器F2bなどで示す。
図16は、GPS誤差を説明するための図である。図16において、施設特定範囲B1は、農業用のハウスH1の形状に対してGPS誤差7gに基づいて拡大した範囲を示す。特定範囲A1aは、無線機器F1aに対して無線機器F1aの通信可能範囲にGPS誤差7gに基づいて拡大した範囲を示す。同様に、特定範囲A1bは、無線機器F1bに対して無線機器F1bの通信可能範囲にGPS誤差7gに基づいて拡大した範囲を示す。以下、同様に各範囲が示される。特定範囲A1a及びA1bは、判り易くするため真円で示す。他ハウスにおいても同様である。
以下に、少なくとも2つのハウスH1及びH2が隣接し、ハウスH1又はH2のいずれかで、作業員W1がハウス内作業を行った場合を例として、作業員W1の軌跡例について、図17から図20で詳述する。
図17は、作業員端末が無線機器と通信した時刻毎の軌跡例を示す図(その1)である。図17において、2つの隣接するハウスH1及びH2を含むGPS誤差7gで拡大した範囲を対象領域9として示している。ハウスH2には無線機器F2a及びF2bが備えられ、図16に示すハウスH1に適用される各範囲と同様の方法で、ハウスH2にもそれら範囲が適用され、施設特定範囲B2、特定範囲A2a及びA2bで示される。以下の図面においても同様である。
軌跡TR1は、測定開始(作業開始)から時刻T1までの作業員W1のGPSによる測定軌跡21bを示す。また、軌跡TR1では、測定開始(作業開始)から測定終了(作業終了)までの、作業員W1が実際に動いた正しい軌跡21aが、参照として例示される。
軌跡TR1において、時刻T1で、作業員W1がハウスH2の出入り口付近を通り、作業員W1の作業員端末4が無線機器F2aと通信する。無線機器F2aと通信した時刻T1において、無線機器F2aの特定範囲A2a内で、作業員W1はGPSによって位置測定される。
作業員入退室情報134(図15)から無線機器F2aと通信した時刻T1に基づいて作業員位置情報133(図15)を参照し、「時刻T1」を示すレコードのうち、緯度及び経度に基づいて、無線機器F2aの特定範囲A2a内と判断されるレコードを抽出することによって、作業員W1が「時刻T1」に特定範囲A2a内に居たと判断される。この時点では、無線機器F2aのハウスH2に、作業員W1が入室したのか、退室したのか、いずれでもないのかは特定できない。
図18は、作業員端末が無線機器と通信した時刻毎の軌跡例を示す図(その2)である。図18において、作業員端末4が無線機器F1aと通信した時刻T2までの軌跡例が示される。
軌跡TR2は、測定開始(作業開始)から時刻T2までの作業員W1のGPSによる測定軌跡21bを示す。また、軌跡TR2においても同様に、作業員W1の正しい軌跡21aが、参照として例示される。
作業員入退室情報134(図15)から無線機器F1aと通信した時刻T2に基づいて作業員位置情報133(図15)を参照し、「時刻T2」を示すレコードのうち、緯度及び経度に基づいて、無線機器F2aの特定範囲A1a内と判断されるレコードを抽出することによって、作業員W1が「時刻T2」に特定範囲A1a内に居たと判断される。この時点では、無線機器F1aのハウスH1に、作業員W1が入室したのか、退室したのか、いずれでもないのかは特定できない。
図19は、作業員端末が無線機器と通信した時刻毎の軌跡例を示す図(その3)である。図19において、作業員端末4が無線機器F2bと通信した時刻T3までの軌跡例が示される。
軌跡TR3は、測定開始(作業開始)から時刻T3までの作業員W1のGPSによる測定軌跡21bを示す。また、軌跡TR3においても同様に、作業員W1の正しい軌跡21aが、参照として例示される。
作業員入退室情報134(図15)から無線機器F2bと通信した時刻T3に基づいて作業員位置情報133(図15)を参照し、「時刻T3」を示すレコードのうち、緯度及び経度に基づいて、無線機器F2bの特定範囲A2b内と判断されるレコードを抽出することによって、作業員W1が「時刻T3」に特定範囲A2b内に居たと判断される。この時点では、無線機器F2bのハウスH2に、作業員W1が入室したのか、退室したのか、いずれでもないのかは特定できない。
図20は、作業員端末が無線機器と通信した時刻毎の軌跡例を示す図(その4)である。図20において、無線機器F1bが人を検知した時刻T4までの軌跡例が示される。
軌跡TR4は、測定開始(作業開始)から時刻T4までの作業員W1のGPSによる測定軌跡21bを示す。また、軌跡TR4においても同様に、作業員W1の正しい軌跡21aが、参照として例示される。
作業員入退室情報134(図15)から無線機器F1bと通信した時刻T4に基づいて作業員位置情報133(図15)を参照し、「時刻T4」を示すレコードのうち、緯度及び経度に基づいて、無線機器F1bの特定範囲A1b内と判断されるレコードを抽出することによって、作業員W1が「時刻T4」に特定範囲A1b内に居たと判断される。この時点では、無線機器F1bのハウスH1に、作業員W1が入室したのか、退室したのか、いずれでもないのかは特定できない。
図17から図20で示した軌跡例を用いて、作業記録システム1000におけるサーバ装置100でのハウスを特定する仕組みについて、図21から図26で説明する。
図21は、無線機器との通信に基づく入退室時刻に基づく入退室表の作成例を示す図である。図21において、測定開始(作業開始)から測定終了(作業終了)までの作業員W1の測定軌跡21bと、正しい軌跡21aとを示す軌跡TR5を参照として示す。
図17から図20で説明したように、
時刻T1にハウスH2の無線機器F2aと通信し、
時刻T2にハウスH1の無線機器F1aと通信し、
時刻T3にハウスH2の無線機器F2bと通信し、
時刻T4にハウスH1の無線機器F1bと通信
したことが、作業員W1の作業員入退室情報134(図15)から分かる。
図21において、作業員入退室情報134(図15)から得られる作業員W1の入退室に係る情報と、無線機器IDに基づいて、無線機器設置位置情報132から得られるハウスIDを対応付けた表を入退室表135−1で示す。
入退室表135−1は、圃場特定部124によって作成される。入退室表135−1では、作業員W毎に、時系列順に記録したいずれかの無線機器との通信により得られた入退室時刻と、入退室時刻に対応させた無線機器IDとハウスIDとが示される。入退室表135−1より、下記のように纏めることができる。( )内は正しい軌跡21aからのみ知り得る内容を補足して示す。
(作業員W1がハウスH2の特定範囲A2a内に入り)無線機器F2aと通信した時刻T1を、ハウスH2への入室時刻と仮定し、
(作業員W1がハウスH1の特定範囲A1a内に入り)無線機器F1aと通信した時刻T2を、ハウスH1への入室時刻と仮定し、
(作業員W1がハウスH2の特定範囲A2b内に入り)無線機器F2bと通信した時刻T3を、ハウスH2からの退室時刻と仮定し、
(作業員W1がハウスH1の特定範囲A1b内に入り)無線機器F1bと通信した時刻T4を、ハウスH1からの退室時刻と仮定
すると、作業員W1が入退室したハウスが複数あることになる。つまり、時刻T1からT3間はハウスH2で作業していたと仮定すると同時に、時刻T2からT4間はハウスH1で作業していたと仮定することになる。同時に複数のハウスで作業することはないため、作業員W1がどのハウスで作業したのかを、下記に説明するような統計量を計算することによって判断する。
統計量の第1の計算方法では、作業員W1のハウス毎のハウス領域内のGPS軌跡の線長の統計量を計算することにより特定する作業領域特定処理を行う。図22及び図23は、統計量の第1の計算方法を説明するための図である。図22では、図21の軌跡TR5に基づいて、作業員W1の測定軌跡21bに基づく線長の統計量を計算する方法について説明する。他の作業員Wについても同様である。
作業員W1の入退室表135−1から、時間間隔T1−T3が、作業員W1がハウスH2で作業していたと仮定した時間となる。一方、時間間隔T2−T4が、作業員W1がハウスH1で作業していたと仮定した時間となる。作業時間の組み合わせは、時刻T1と時刻T3、及び、時刻T2と時刻T4となる。
図22(A)では、作業員W1の測定軌跡21b(図21)のうち、ハウスH2で作業していたと仮定した場合に、作業員位置情報133(図15)を参照することによって得られる、時間間隔T1−T3において測定されたGPS軌跡に基づく全線長GL2を示している。GPS軌跡GL2が、ハウスH2での作業に係る統計量の算出の対象となる軌跡となる。
図22(B)では、作業員W1の測定軌跡21b(図21)のうち、ハウスH1で作業していたと仮定した場合に、作業員位置情報133(図15)を参照することによって得られる、時間間隔T2−T4において測定されたGPS軌跡に基づく全線長GL1を示している。GPS軌跡GL1が、ハウスH1での作業に係る統計量の算出の対象となる軌跡となる。
図23(A)では、作業員W1がハウスH2で作業していたと仮定した場合の、ハウスH2内となる線長Lh21及びLh22を強調して示している。これら線長Lh12及びLh12を求め、時刻T1−T3間の全線長GL2で割って得られる割合を統計量L2とする。
図23(B)では、作業員W1がハウスH1で作業していたと仮定した場合の、ハウスH1内となる線長Lh11、Lh12、及びLh13を強調して示している。これら線長Lh11、Lh12、及びLh13を求め、時刻T2−T4間の全線長GL1で割って得られる割合を統計量L1とする。
このようにして得られた統計量L1と統計量L2とを比較することによって、最大値となる統計量L1のハウスH1を、作業員W1が作業していた特定施設であると特定する。
図24は、統計量の第1の計算処理を説明するためのフローチャート図である。図24で説明される統計量の第1の計算処理は、圃場特定部124によって行われる。サーバ装置100において、CPU11(図12)が対応するプログラムを実行することによって圃場特定部124として機能し実現される。図24では、作業員W1の入退室表153−1に基づく処理を説明するが、他作業員についても各作業員の入退室表153を用いることで同様の処理となる。
図24において、圃場特定部124は、作業員W1の入退室表153−1に基づいて、作業員W1が作業したと仮定したハウス毎に、作業員位置情報133を参照することによって得られる入退室時刻間のGPS軌跡から全線長を求める(ステップS211)。図23の例において、圃場特定部124は、仮定したハウスH1に関して、時間間隔T2−T4における全線長GL1を算出する。また、ハウスH2に関して、時間間隔T1−T3における全線長GL2を算出する。
次に、圃場特定部124は、ハウス位置情報131を参照することによって、入退室時刻間のGPS軌跡から仮定したハウス毎のハウス領域内に存在する線長を求める(ステップS212)。図23の例において、圃場特定部124は、仮定したハウスH1に関して線長Lh11、Lh12、Lh13、及びLh14と、ハウスH2に関して線長Lh21及びLh22とを算出する。
更に、圃場特定部124は、仮定したハウス毎に、ステップS212で算出したハウス領域内に存在する線長を合計し、ステップS211で算出した入退室時刻間の全線長で割った値を統計量とする(ステップS213)。図23の例において、圃場特定部124は、仮定したハウスH1に関して、線長Lh11、Lh12、Lh13、及びLh14の合計を全線長GL1で割ることによって、統計量L1を算出する。また、仮定したハウスH2に関して、線長Lh21及びLh22の合計を全線長GL2で割ることによって、統計量L2を算出する。
そして、圃場特定部124は、仮定したハウスのうち、統計量が最大となるハウスを作業したハウスとして特定し(ステップS214)、この処理を終了する。図23の例において、圃場特定部124は、統計量L1と統計量L2とを比較することによって、最大となる統計量L1のハウスH1を作業員W1が作業したハウスであるとして特定する。
統計量の第2の計算方法について以下に説明する。統計量の第2の計算方法では、入退室したと仮定したハウスのうち、入退室の時刻間におけるGPS軌跡の平均位置がよりハウスの中心位置に近い方を作業したハウスであると特定する。
図25は、統計量の第2の計算方法を説明するための図である。図25では、図21の軌跡TR5の時刻T1からT4の軌跡のみを示す軌跡TR5’に基づいて、作業員W1の測定軌跡21bに基づく線長の統計量を計算する方法について説明する。他の作業員Wについても同様である。
作業員W1の入退室表135−1から、時間間隔T1−T3が、作業員W1がハウスH2で作業していたと仮定した時間となる。一方、時間間隔T2−T4が、作業員W1がハウスH1で作業していたと仮定した時間となる。作業時間の組み合わせは、時刻T1と時刻T3、及び、時刻T2と時刻T4となる。
先ず、ハウス位置情報131を参照することによって、ハウスH1及びH2の重心の位置g1及びg2を求める。次に、入退室表135−1を参照することによって、ハウスIDが同一となる時刻間において、作業員位置情報133から得られる作業員W1の各時刻の位置情報に基づいてGPS軌跡の平均位置d13を求める。GPSによる測定値(経度及び緯度)の平均値を求めればよい。この例では、時刻T1−T3間のGPS軌跡の平均位置d13と、時刻T2−T4間のGPS軌跡の平均位置d24とが算出される。
そして、ハウスIDが同一となる時刻間について、仮定した各ハウスの中心位置までの距離を算出する。入退室表135−1において同一ハウスID「H2」を示す時刻T1−T3間に関して、平均位置d13からハウスH2の中心位置g2までの距離L13は、中心位置g2から平均位置d13を減算した値の絶対値で求まる。また、同一ハウスID「H1」を示す時刻T2−T4間に関して、平均位置d24からハウスH1の中心位置g1までの距離L2は、中心位置g1から平均位置d24を減算した値の絶対値で求まる。
軌跡TR5’を参照しても分かるように、距離L13は距離L24より短いため(L13>L24)、作業員W1が作業していたハウスはハウスH1であると特定する。
図26は、統計量の第2の計算処理を説明するためのフローチャート図である。図26で説明される統計量の第2の計算処理は、圃場特定部124によって行われる。サーバ装置100において、圃場特定部124(図12)が対応するプログラムを実行することによって圃場特定部124として機能し実現される。図26では、作業員W1の入退室表153−1に基づく処理を説明するが、他作業員についても各作業員の入退室表153を用いることで同様の処理となる。
図26において、圃場特定部124は、作業員W1の入退室表153−1に基づいて、作業員W1が作業したと仮定したハウス毎に、作業員位置情報133を参照することによって得られる入退室時刻間のGPS軌跡から平均位置を求める(ステップS221)。図25の例において、圃場特定部124は、仮定したハウスH1に関して、作業員位置情報133から得られる時間間隔T2−T4における作業員W1のGPSから取得した測定値(経度及び緯度)の平均値を算出することによって、平均位置d13を求める。同様に、圃場特定部124は、仮定したハウスH2に関して、時間間隔T1−T3における作業員W1のGPSから取得した測定値(経度及び緯度)の平均値を算出することによって、平均位置d24を求める。
次に、圃場特定部124は、ハウス位置情報131に基づく仮定した各ハウスの中心位置からGPS軌跡の平均位置までの距離を求め、統計量距離とする(ステップS222)。圃場特定部124は、ハウス位置情報131を参照することによって、仮定した各ハウスH1及びH2の頂点1〜4の経度及び緯度を平均することによって、中心位置g1及びg2を算出する。そして、圃場特定部124は、仮定したハウスH2に関して、GPSによる平均位置d13とハウスH2の中心位置g2間の統計量距離L13を算出する。同様に、圃場特定部124は、仮定したハウスH1に関して、GPSによる平均位置d24とハウスH1の中心位置g1間の統計量距離L24を算出する。
そして、圃場特定部124は、仮定したハウスのうち、統計量距離が最小となるハウスを作業したハウスとして特定し(ステップS223)、この処理を終了する。図25の例において、圃場特定部124は、統計量距離L13と統計量距離L24とを比較することによって、最小となる統計量L24のハウスH1を作業員W1が作業したハウスであるとして特定する。
以下に、本実施例に係るサーバ装置100によって行われる統計量の第1又は第2の計算方法を用いた処理についてフローチャートで説明する。
先ず、作業員W毎に入退室表を作成する入退室表作成処理について説明する。図27は、圃場特定部によって行われる入退室表作成処理を説明するためのフローチャート図である。図27に示されるステップS31、S33、及びS35が行われることによって、入退室表作成処理が実行される。
圃場特定部124は、記憶部130から、無線機器設置位置情報132と、作業員入退室情報134とを読み込む(ステップS31)。圃場特定部124は、作業員Wの作業員入退室情報134の入退室時刻毎に、無線機器IDを用いて、無線機器設置位置情報132からハウスIDを取得して、入退室時刻にハウスIDを対応付けた入退室表135を作成する(ステップS33)。
そして、圃場特定部124は、全ての作業員Wを調査したか否かを判断する(ステップS35)。全ての作業員Wを調査していない場合、次の作業員Wを選択してステップS33へ戻り、上記同様の処理を繰り返す。次の作業員Wの作業員入退室情報134が処理対象となり、作業員W毎の入退室表135が作成される。
一方、全ての作業員Wを調査した場合、圃場特定部124は、図29のステップS38へと進む。
ここで、図28を参照して、ステップS31、S33、及びS35による入退室表作成処理によって作成された入退室表135の例について説明する。以下の処理において、作業員W毎に作成された入退室表135に対して処理が行われるため、複数の作業員Wのうちの一の作業員Aの入退室表135−2として例示する。図28は、図27の入退室表作成処理の一例を示す図である。図28には、図27の入退室表作成処理によって作成された作業員Aの入退室表の例が示される。
図28に例示される入退室表135−2は、複数の作業員Wのうちの一人(作業員A)に対して作成された入退室表である。作業員Aの作業員端末4と無線機器5との通信に基づく入退室時刻と、その無線機器5が設置されているハウスのハウスIDと、無線機器ID(省略)とが対応付けられて記録される。
入退室表135−2では、入退室時刻が早い順に、例えば、時刻「T1」、「T2」、・・・、「T11」のように並べられる。時刻「T1」、「T2」、・・・、「T11」に対して、ハウスID「H3」、「H2」、・・・、「H3」が夫々対応付けられている。
このように、圃場特定部124は、作業員W毎に入退室表135を作成すると、入退室表135毎に統計量を用いた統計量管理表136を作成するための統計量管理表作成処理を行う。図29は、圃場特定部によって行われる統計量管理表作成処理を説明するためのフローチャート図である。図29に示されるステップS38からS46が行われることによって、各作業員Wの入退室表135から統計量管理表136を作成する統計量管理表作成処理が実行される。
圃場特定部124は、記憶部130から、複数の作業員Wから順番に選択した作業員名(作業員ID)を用いて作業員Wに係る入退室表135を読み込んで、その入退室表135において、最初のレコードの入退室時刻とハウスIDとを変数Old_IDに設定する(ステップS38)。
そして、圃場特定部124は、入退室表135において、入退室時刻が近い昇順に同じハウスIDを検索して(ステップS39)、同じハウスIDがあるか否かを判断する(ステップS40)。同じハウスIDが検索されなかった場合、圃場特定部124は、ステップS45へと進む。
一方、ステップS40において、同じハウスIDが検索された場合、圃場特定部124は、検索したレコードから入退室時刻とハウスIDとを変数New_IDに設定する(ステップS41)。
そして、圃場特定部124は、変数Old_IDと変数New_IDとによって示される時刻間の軌跡の全部又は一部が、ハウスIDで識別されるハウスの施設特定範囲内か否かを判断する(ステップS42)。時刻間の軌跡の全てが施設特定範囲内でない場合、圃場特定部124は、所定最低値を統計量とし(ステップS42−2)、変数Old_IDと変数New_IDの時刻(入退室時刻)と、統計量(所定最低値)と、検出フラグ(“2”設定)とを記憶部130の統計量管理表136に保存する(ステップS42−4)。そして、圃場特定部124は、ステップS45へと進む。
変数Old_IDが示す時刻を入室時刻とし、変数New_IDが示す時刻を退室時刻として設定される。所定最低値は、例えば、「0」である。検出フラグ“2”は、施設特定範囲外を示す。
一方、ステップS42において、時刻間の軌跡の全部又は一部が施設特定範囲内であるとき、圃場特定部124は、変数Old_IDと変数New_IDとによって示される時刻間の、ハウスIDで識別されるハウス内となる軌跡の統計量を計算する(ステップS43)。そして、圃場特定部124は、変数Old_IDと変数New_IDの時刻(入退室時刻)と、ステップS43で計算した統計量と、検出フラグ(“0”設定)とを記憶部130の統計量管理表136に保存する(ステップS42−4)。
変数Old_IDが示す時刻を入室時刻とし、変数New_IDが示す時刻を退室時刻として設定される。統計量は、最初の検知時刻から最後の検知時刻までの軌跡の線長を全線長とし、ハウスIDで識別されるハウス領域内に存在する軌跡の合計の全線長に対する割合を計算することにより算出できる(図23)。検出フラグ“0”は、施設特定範囲内の軌跡が存在したことを示す。
圃場特定部124は、入退室表135において全てのハウスIDを調査したか否かを判断する(ステップS45)。変数Old_IDで示される時刻の次のレコードが入退室表135の最後のレコードであるか否かを判断すればよい。全てのハウスIDを調査していないと判断した場合、圃場特定部124は、ステップS39へと戻り、上述同様の処理を繰り返す。一方、全てのハウスIDを調査したと判断した場合、圃場特定部124は、図33のステップS47へと進む。
ここで、図30から図33を参照して、ステップS38からS46による統計量管理表作成処理によって作成された統計量管理表136の例について説明する。図30から図33では、図28に例示される作業員Aの入退室表135−2を用いて説明する。
図30は、図29の統計量管理表作成処理の一例を示す図(その1)である。図30において、作業員Aの入退室表135−2のレコードを入退室時刻の早い順(時系列)に並べることによって、時刻T1からT11の順にレコードが並べられる。最初に時刻T1のレコードが選択され、時刻「T1」とハウスID「H3」とが変数Old_IDに設定される。ハウスID「H3」と一致するハウスIDを時系列に検索することによって、時刻「T7」のレコードを検索する。この時刻「T7」とハウスID「H3」とが変数New_IDに設定される。
変数Old_IDと変数New_IDとがペアとなり、時刻「T1」から「T7」の時刻間で、作業員AのハウスID「H3」で識別されるハウス内を示すGPSで測定された位置情報に基づいて、作業員Aの軌跡の線長を算出する。作業員Aの軌跡の全線長は、時刻間T1−T7で算出される。ハウス領域内の作業員Aの軌跡の線長の作業員Aの軌跡の全線長に対する割合が統計量として計算される。ここでは、統計量「60」%を得る。
統計量権利表136は、ハウスID、入室時刻、退室時刻、統計量[%]、フラグなどの項目を有し、各作業員W毎に記憶部130に作成され保存される。
作業員Aの統計量管理表136−2において、変数Old_IDと変数New_IDとのペアにより、変数Old_IDの時刻「T1」が入室時刻に設定され、変数New_IDの時刻「T7」が退室時刻に設定される。また、このペアに関して、統計量「60」%が設定され、ハウス内に作業員Aの軌跡が存在したことを示す値「0」がフラグに設定される。その後、時刻「T1」の次の時刻「T2」のレコードで示されるハウスID「H2」に関して同様の処理が行われる。
図31は、図29の統計量管理表作成処理の一例を示す図(その2)である。図31において、作業員Aの入退室表135−2で、次に選択された検知時刻「T2」のレコードから、検知時刻「T2」とハウスID「H2」とが変数Old_IDに設定される。
時刻「T2」のレコードに対して、このレコードで示されるハウスID「H2」と一致するレコードを、このレコード以降から時系列に検索する。最初に検索された時刻「T4」のレコードから、時刻「T4」とハウスID「H2」とが変数New_IDに設定され、変数Old_IDとペアとなる。
このペアに関して、上述したように統計量が計算されることにより、統計量「65」%を得る。そして、作業員Aの統計量管理表136−2に対して、新たなレコードが追加され、変数Old_IDの時刻「T2」が入室時刻に設定され、変数New_IDの時刻「T4」が退室時刻に設定される。また、このペアに関して、統計量「65」%が設定され、ハウス内に作業員Aの軌跡が存在したことを示す値「0」がフラグに設定される。その後、時刻「T2」の次の時刻「T3」のレコードで示されるハウスID「H1」に関して同様の処理が行われる。
図32は、図29の統計量管理表作成処理の一例を示す図(その3)である。図32において、作業員Aの入退室表135−2で、次に選択された検知時刻「T3」のレコードから、検知時刻「T3」とハウスID「H1」とが変数Old_IDに設定される。
時刻「T3」のレコードに対して、このレコードで示されるハウスID「H1」と一致するレコードを、このレコード以降から時系列に検索する。最初に検索された時刻「T6」のレコードから、時刻「T6」とハウスID「H1」とが変数New_IDに設定され、変数Old_IDとペアとなる。
このペアに関して、上述したように統計量が計算されることにより、統計量「80」%を得る。そして、作業員Aの統計量管理表136−2に対して、新たなレコードが追加され、変数Old_IDの時刻「T3」が入室時刻に設定され、変数New_IDの時刻「T6」が退室時刻に設定される。また、このペアに関して、統計量「80」%が設定され、ハウス内に作業員Aの軌跡が存在したことを示す値「0」がフラグに設定される。その後、時刻「T3」の次の時刻「T4」のレコードで示されるハウスID「H2」に関して同様の処理が行われる。
上述したような処理を時刻T1からT10の各レコードのハウスIDに対して行うことによって、結果として、例えば、図33に示すように統計量管理表136−2が構成される。時刻T11に対しては、次の時刻のレコードが存在しないため処理は行われない。
図33は、図29の統計量管理表作成処理の一例を示す図(その4)を示す図である。図33では、最終的な統計量管理表のデータ例が示される。図33に例示される統計量管理表136−2は、作業員Aの入退室表135−2から作成された統計量管理表を示している。
統計量管理表136−2内の入室時刻「T8」と退室時刻「T9」とを示すレコード6aにおいて、統計量6bには所定最低値「0」が設定され、フラグ6cには「2」が設定されている。この時刻間T8−T9の作業員AのGPSによる軌跡は、ハウスH2の施設特定範囲外であったことを示している。
ステップS38で選択した作業員名(作業員ID)に係る統計量管理表136が記憶部130に作成されると、圃場特定部124は、この作成された統計量管理表136において、最も確度高く作業をしていたと判断されるハウスを示すレコードを特定するためのハウス特定処理を行う。
図34は、圃場特定部によって行われるハウス特定処理を説明するためのフローチャート図である。図34に示されるステップS47からS59が行われることによって、作業員Wの統計量管理表136から作業していたハウスと作業時間(入室時刻及び退室時刻)とを特定するハウス特定処理が実行される。
圃場特定部124は、変数MAX_STを統計量の最も低い値(例えば、0(ゼロ))に設定し(ステップS47)、統計量管理表作成処理(図29)によって作成された統計量管理表136を入室時刻の昇順でフラグ“0”のレコードを検索する(ステップS48)。圃場特定部124は、入室時刻の昇順で最初のレコードを取得する。
圃場特定部124は、統計量管理表136から取得したレコードのフラグが“0”を示しているか否かを判断する(ステップS49)。フラグが“0”でない場合、圃場特定部124は、ステップS52へと進む。
一方、フラグが“0”の場合、圃場特定部124は、取得したレコードの統計量が変数MAX_STより大きいか否かを判断する(ステップS50)。統計量が変数MAX_ST以下である場合、圃場特定部124は、ステップS52へと進む。一方、統計量が変数MAX_STより大きい場合、圃場特定部124は、変数MAX_STへ統計量を代入する(ステップS51)。変数MAX_STへ統計量を代入する際に、少なくとも入室時刻を記憶部130に記憶しておく。
そして、圃場特定部124は、統計量管理表136の全ての統計量を調査したか否かを判断する(ステップS52)。全ての統計量を調査し終えていない場合、圃場特定部124は、入室時刻の昇順に次のレコードを取得して、ステップS49へと戻り、上記同様の処理を繰り返す。
全ての統計量を調査した場合、圃場特定部124は、最後に変数MAX_STを更新したレコードのフラグを“1”に設定する(ステップS53)。変数MAX_STへ統計量を代入する際に記憶部130に記憶しておいた入室時刻と一致するレコードに対してフラグを“1”に設定すればよい。
ステップS47からS53までの処理によって、統計量管理表136のレコードのうち統計量が最大値を示すレコードを特定することができる。このレコードのハウスIDで示されるハウスが、作業していたハウスとして特定する。
次に、ステップS54からS59までの処理を行うことによって、圃場特定部124は、特定したレコードによって示される時刻間の一部又は全部と重なる時刻間を示すレコードを作業記録対象から除外するための処理を行う。
圃場特定部124は、統計量管理表136を入室時刻の昇順でフラグ“0”のレコードを検索する(ステップS54)。圃場特定部124は、入室時刻の昇順で最初のレコードを取得する。
圃場特定部124は、統計量管理表136から取得したレコードのフラグは“0”を示しているか否かを判断する(ステップS55)。フラグが“0”でない場合、圃場特定部124は、ステップS58へと進む。
一方、フラグが“0”の場合、圃場特定部124は、変数MAX_STのレコードから得られる時刻間の全部又は一部と重なるか否かを判断する(ステップS56)。具体的には、フラグ“0”のレコードの入室時刻及び退室時刻から得られる時刻間が、
(a)変数MAX_STのレコードの入室時刻又は退室時刻の一方を含む、
(b)変数MAX_STのレコードの入室時刻及び退室時刻の両方を含む、
(c)変数MAX_STのレコードの入室時刻及び退室時刻による時刻間に含まれる、
のいずれかであるかが判断される。
全部又は一部と重ならない場合、即ち、上記(a)から(c)のいずれも当てはまらない場合、圃場特定部124は、ステップS58へと進む。一方、全部又は一部と重なる場合、圃場特定部124は、レコードのフラグ“0”を“2”に設定する(ステップS57)。
そして、圃場特定部124は、統計量管理表136の全てのフラグ“0”のレコードを調査したか否かを判断する(ステップS58)。全てのフラグ“0”のレコードを調査し終えていない場合、圃場特定部124は、ステップS54へと戻り、上述同様の処理を繰り返す。
一方、全てのフラグ“0”のレコードを調査した場合、圃場特定部124は、統計量管理表136に未だフラグ“0”のレコードが存在するか否かを判断する(ステップS59)。未だフラグ“0”のレコードが存在する場合、ステップS47へと戻り、未だフラグ“0”のレコードから他の時刻間で作業したハウスを特定するために、上記同様の処理を繰り返す。一方、未だフラグ“0”のレコードが存在しない場合、圃場特定部124は、図41のステップS60へと進む。
ここで、図35から図40を参照して、ステップS47からS59によるハウス特定処理の例について説明する。図35から図40では、図33に例示される作業員Aの入退室表135−2及び統計量管理表136−2とを用いて説明する。
図35は、図34のハウス特定処理の一例を示す図(その1)である。図35中、作業員Aの統計量管理表136−2のレコードと作業員Aの入退室表135−2のレコードのペアに対して、rd1からrd8のように同一の符号を付して対応付けを示す。以下に参照される図36から図40においても同様である。
図35に例示される作業員Aの統計量管理表136−2において、フラグ“0”のレコードrd1からrd5、rd7、及びrd8から統計量が最大のレコードを検索する。この例では、統計量「80」%を示すレコードrd3が検索され、フラグ“0”が“1”に設定される。
そして、このフラグ“0”が“1”に設定されたレコードrd3で示される入室時刻から退室時刻までの時刻間と重なる他の時刻間を統計量管理表136−2から除外する処理を行が行われる。
図36は、図34のハウス特定処理の一例を示す図(その2)である。図34での処理では、作業員Aの例においても統計量管理表136−2に対して行われるが、時刻間の重なりの理解を容易とするため、ここでは、入退室表135−2で説明する。
統計量の最大値(図34の変数MAX_ST)を示すレコードrd3の時刻間に対して、
(a)変数MAX_STのレコードの入室時刻又は退室時刻の一方を含む、
(b)変数MAX_STのレコードの入室時刻及び退室時刻の両方を含む、
(c)変数MAX_STのレコードの入室時刻及び退室時刻による時刻間に含まれる、
時刻間となるのは、上記(a)に該当するレコードrd2及びrd5、上記(b)に該当するレコードrd1、上記(c)に該当するレコードrd4である。図36中、破線で示される。レコードrd1、rd2、rd4、及びrd5のフラグ“0”が、レコードの除外を示す“2”に設定される。
図37は、図34のハウス特定処理の一例を示す図(その3)である。図37では、統計量管理表136−2から、統計量の最大値を示すレコードrd3の時刻間と重なる時刻間を示すレコードrd1、rd2、rd4、及びrd5のフラグ“0”が“2”に変更された状態を示している。
図37に例示される統計量管理表136−2には、未だフラグ“0”のレコードrd6及びrd8が存在する。これらレコードrd6及びrd8に対して、上記同様に、統計量の最大値を示すレコードの検索を行う。
図38は、図34のハウス特定処理の一例を示す図(その4)である。図38では、残りのフラグ“0”のレコードrd6及びrd8のうち、レコードrd6が統計量の最大値を示すと判断され、フラグ“0”が“1”に設定される状態を示している。そして、上述同様に、レコードrd6の時刻間と重なる時刻間を示すレコードを除外する処理を行う。
図39は、図34のハウス特定処理の一例を示す図(その5)である。図39では、入退室表135−2に対して破線で示されるように、統計量管理表136−2のレコードrd7の時刻間が統計量の最大値を示すレコードrd6の時刻間との重なり(上記(c))を示すが、ハウス外の軌跡であったことにより統計量「0」かつフラグ“2”が設定され、この例では、既に除外レコードとなっている。
図40は、図34のハウス特定処理の一例を示す図(その6)である。図40では、フラグ“0”のレコードはレコードrd8のみが残り、上記同様の統計量の最大値を示すレコードの検索により検索され、その結果、レコードrd8のフラグ“0”が“1”に設定された状態を示している。統計量管理表136−2においてフラグ“0”のレコードが全て処理されたことになる。
このように、フラグ“0”のレコードを全て処理した後、作業記録生成部125によって処理が継続され、2以上のレコードから連続した作業時間を判断してレコードを統合することによって、作業管理表137を作成する作業管理表作成処理が行われる。
図41は、作業記録生成部によって行われる作業管理表作成処理を説明するためのフローチャート図である。図41に示されるステップS60からS67が行われることによって、作業員Wの統計量管理表136から作業管理表137を作成する作業管理表作成処理が実行される。
作業管理表作成処理では、図34に示すハウス特定処理によって処理された統計量管理表136内の重なる時刻間のレコードが除外されたフラグ“1”を示す(統計量の最大値の)レコードに対して、2以上のレコードから連続した作業時間を判断してレコードを統合する。作業管理表作成処理において作成された作業管理表137では、連続した作業時間ごとに作業したハウスが特定された状態で示される。
図41において、作業記録生成部125は、図34に示すハウス特定処理によって処理された統計量管理表136において、入室時刻の昇順にフラグ“1”のレコードを検索する(ステップS60)。作業記録生成部125は、入室時刻の昇順で最初のレコードを取得する。
作業記録生成部125は、統計量管理表136から取得したレコードのフラグが“1”を示しているか否かを判断する(ステップS61)。フラグが“1”でない場合、作業記録生成部125は、ステップS65へと進む。
一方、フラグが“1”の場合、作業記録生成部125は、取得したレコード以降の次のフラグ“1”のレコードを検索して、次のレコード(検索したレコード)のハウスIDが、今のレコード(取得したレコード)のハウスIDと一致するか否かを判断する(ステップS62)。次のレコードのハウスIDが今のレコードのハウスIDと不一致の場合、作業記録生成部125は、ステップS65へと進む。
一方、次のレコードのハウスIDが今のレコードのハウスIDと一致する場合、作業記録生成部125は、今のレコードの退室時刻と次のレコードの入室時刻とが同時刻であるか否かを判断する(ステップS63)。同時刻でない場合、作業記録生成部125は、ステップS65へと進む。一方、同時刻である場合、今のレコードと次のレコードとを統合して、今のレコードの入室時刻から次のレコードの退室時刻までを一つの作業時間とする(ステップS64)。
作業記録生成部125は、フラグ“1”の今のレコードに関して、作業管理表137に、ハウスIDと、入室時刻と、退室時刻とを登録し、統計量管理表136のフラグ“1”を“3”に設定する(ステップS65)。今のレコードが統合されている場合には、今のレコードの入室時刻と、ステップS62の判断の対象となった次のレコードの退室時刻とが、作業管理表137に登録される。
その後、作業記録生成部125は、統計量管理表136において全ての時刻間を調査したか否かを判断する(ステップS66)。全ての時刻間を調査していない場合、作業記録生成部125は、入室時刻の昇順に次のレコードを取得して、ステップS61へと戻り、上記同様の処理を繰り返す。
全ての時刻間を調査した場合、作業記録生成部125は、全ての作業員Wを調査したか否かを判断する(ステップS67)。全ての作業員Wを調査し終えてない場合、作業記録生成部125は、図29のステップS38へと戻り、次の作業員名(作業員ID)を取得して、その作業員名(作業員ID)に対応付けられる入退室表135を用いた統計量管理表作成処理から、上記同様の処理を繰り返す。
一方、全ての作業員Wを調査した場合、圃場特定部124及び作業記録生成部125による処理全体を終了する。各作業員Wの作業管理表137が記憶部130に保存される。
図42は、図41の作業記録生成処理の一例を説明するための図(その1)である。図42中、図33に例示される作業員Aの統計量管理表136−2を用いて説明する。作業員Aの統計量管理表136−2では、フラグ“1”のレコードは、レコードrd3、rd6、及びrd8である。
統計量管理表136−2を入室時刻の時系列順にフラグ“1”のレコードを検索することによって、最初にレコードrd3が検索される。そして、最初のレコードrd3以降でフラグ“1”を示す次のレコードrd6との間で、連続した作業時間を示すか否かが判断される。
連続した作業時間の判断は、先ず、レコードrd3とレコードrd6との間で、ハウスIDが一致すること、次に、ハウスIDが一致した場合に更に、レコードrd3の退室時刻と、レコードrd6の入室時刻の一致することが条件となる。
共にフラグ“1”のレコードrd3とレコードrd6とに対して、連続した作業時間となるか否かが判断される。この判断結果に基づく、作業員Aの作業管理表137−2への登録について図43で説明する。
図43は、図41の作業記録生成処理の一例を説明するための図(その2)である。図43において、統計量管理表136−2内のレコードrd3とレコードrd6のハウスIDが不一致であるため、レコードrd3とレコードrd6との間では連続した作業時間を示さないと判断される。従って、レコードrd3のみに基づいて、レコードrd3のハウスID「H1」と、入室時刻「T3」と、退室時刻「T6」とが、作業員Aの作業管理表137−2に登録される。
そして、登録したレコードrd3のフラグ“1”を“3”に設定する。フラグ“3”は、既に、作業管理表137−2に登録したレコードであることを示し、重複して処理されることを防止する。
登録後更に、レコードrd3以降で最初のフラグ“1”のレコードを検索し、該当するレコードrd6に対して、レコードrd6以降で最初のフラグ“1”のレコードrd8との間で連続した作業時間の判断を行う。レコードrd6とレコードrd8とに対する判断結果に基づく、作業員Aの作業管理表137−2への登録について図44で説明する。
図44は、図41の作業記録生成処理の一例を説明するための図(その3)である。図44において、統計量管理表136−2内のレコードrd6とレコードrd8のハウスIDが一致するため、更に、レコードrd6の退室時刻とレコードrd8の入室時刻とが一致するか否かが判断される。
この例の場合、レコードrd6の退室時刻とレコードrd8の入室時刻とが一致するため、レコードrd6とレコードrd8とが統合されて、一致したハウスID「H3」と、レコードrd6の入室時刻「T7」と、レコードrd8の退室時刻「T11」とが新たに、作業員Aの作業管理表137−2へ登録される。そして、登録したレコードrd6とレコードrd8のフラグ“1”を“3”に設定する。
図45は、図41の作業記録生成処理の一例を説明するための図(その4)である。図45において、図44での処理の結果、統計量管理表136−2内は、フラグ“1”を示すレコードが存在しなくなると、作業員Aの作業管理表137−2の完成となる。
完了した作業管理表137−2より、作業員Aは、入室時刻「T3」から退室時刻「T6」までハウスH1で作業をしていたこと、また、入室時刻「T7」から退室時刻「T11」までハウスH3で作業をしていたこと、が示される。
このようにして、各作業員Wの作業管理表137が完了すると、作業員Wの識別情報に対応させて記憶部130に格納される。
上述において、統計量の第1の計算方法に基づいて説明したが、統計量の第2の計算方法を適用してもよい。
本実施例を適用した場合、人感センサを用いた場合より、作業員が作業したハウスを精度よく判定できる例について図46及び図47で説明する。
図46は、入退室を精度良く判定する例を示す図である。図46(A)では、作業員AのGPSによる測定軌跡23b上に、人感センサS1aが反応した時の作業員AのGPSによる測定位置を時刻T1及びT4で示し、作業員Aの作業員端末4が無線機器F1aと通信した時のGPSによる測定位置を時刻T2及びT3で示している。
この例では、人感センサS1aを用いた場合、予め定めたGPS誤差範囲(特定範囲A1a)の外側に時刻T1の測定位置が存在するため、作業員位置情報133から抽出されず、図46(B)に例示されるように、作業員Aの入退室表135−3に記録されない場合がある。作業員Aの入退室表135−3には、時刻T1を示すレコードが存在しない。このように、入室時刻又は退室時刻のいずれかが存在しない場合、ハウスH1での作業が正しく記録されない場合がある。
一方、無線機器F1aを用いた本実施例の場合、作業員Aの作業員端末4が、無線機器F1aと通信し、図6に示すいずれかの方法で決定した入退室時刻T2及びT3を用いて、作業員Aの入退室表135−4が作成される。入退室時刻T2及びT3は、作業員端末4から提供されるため、入退室表135−4において記録もれが起き難い。従って、入室時刻及び退室時刻を適切に判断することができ、より精度の高い特定施設での作業記録を行うことができる。
図47は、入退室を精度良く判定する他の例を示す図である。図47では、複数の作業員A、BがハウスH1の内外で作業した場合であっても、入退室を精度良く判定できる例を示している。図47(A)では、作業員AのGPSによる測定軌跡24bと作業員BのGPSによる測定軌跡25bとを夫々例示している。測定軌跡24bと測定軌跡25b上に、人感センサS1aが反応した時の作業員A及びBのGPSによる測定位置を時刻T1及びT3で示している。
作業員Aは、ハウスH1の外で作業していたにも関わらず、時刻T1及びT3で、人感センサS1aによって検知されたことにより、図47(B)に例示されるように、時刻T1及びT3を含む入退室表135−5が作成される。この場合、作業員Bが入室及び退室した時刻と同じ時刻T1から時刻T3で、作業員AもハウスH1で作業していたと候補者となる。
作業員Aに関して、測定軌跡24b上に無線機器F1aと通信した時のGPSによる測定位置を時刻T2で示している。無線機器F1aを用いた本実施例の場合、図47(C)に例示されるように、作業員Bの入退室した時刻T1及びT3とは関係なく、作業員Aの作業員端末4の無線機器F1aとの通信により入退室時刻T2が決まる。入退室時刻T2は、図6に示すいずれかの方法で決定される。本実施例の場合、作業員Aの作業員端末4が、入退室時刻を2回決定しないと、作業員AはハウスH1で作業していた候補者とはならない。
上述したように、本実施例では、作業員が携帯する作業員端末4がハウスの出入り口に設置された無線機器5と近距離無線通信を行い、作業員端末4が入室又は退室の時刻を決定して、サーバ装置100へ送信するため、サーバ装置100は、作業員毎に入退室情報を容易に管理することができる。従って、より精度高く、作業員のハウス内での作業記録を行うことができる。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
施設の出入り口に設置された無線機器を特定する無線機器IDと該施設を特定する施設IDとを対応付けた無線機器設置位置情報と、作業員の作業員端末が該無線機器と通信した時刻毎に該通信した無線機器の無線機器IDとを対応付けた作業員入退室情報とを記録する記憶部と、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納する入退室表作成部と、
前記記憶部から前記入退室表を参照することによって、同一施設IDを示す2つの時刻間の施設領域内おける前記作業員の軌跡の統計量を算出して、該同一施設IDと該2つの時刻と該算出した統計量とを対応付けた統計量管理表を作成して前記記憶部内に格納する統計量管理作成部と、
前記記憶部から前記作業員の前記統計量管理表を参照することによって、前記統計量に基づいて該作業員が作業していた施設を特定して、該施設の施設IDと前記2つの時刻とを対応付けた作業管理表を作成して前記記憶部に格納する作業管理表作成部と、
を有することを特徴とする作業記録システム。
(付記2)
前記無線機器の通信可能な範囲での前記作業員端末と通信した時刻のうち、最も強い電波強度を示した時刻を入退室時刻であると決定する入退室決定部を有し、
前記作業員入退室情報の前記時刻は前記入退室決定部によって決定された入退室時刻であることを特徴とする付記1記載の作業記録システム。
(付記3)
前記無線機器の通信可能な範囲での前記作業員端末と通信した時刻のうち、該通信の開始時刻から終了時刻までの中間時刻を入退室時刻であると決定する入退室決定部を有し、
前記作業員入退室情報の前記時刻は前記入退室決定部によって決定された入退室時刻であることを特徴とする付記1記載の作業記録システム。
(付記4)
前記作業員端末が前記入退室決定部を有することを特徴とする付記2又は3記載の作業記録システム。
(付記5)
コンピュータによって実行される作業記録方法であって、
記憶部に記録された施設の出入り口に設置された無線機器を特定する無線機器IDと該施設を特定する施設IDとを対応付けた無線機器設置位置情報を参照することによって、前記前記記憶部に記録された作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記記憶部に記録された作業員の作業員端末が該無線機器と通信した時刻毎に該通信した無線機器の無線機器IDとを対応付けた作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部から前記入退室表を参照することによって、同一施設IDを示す2つの時刻間の施設領域内おける前記作業員の軌跡の統計量を算出して、該同一施設IDと該2つの時刻と該算出した統計量とを対応付けた統計量管理表を前記記憶部内に作成して格納し、
前記記憶部から前記作業員の前記統計量管理表を参照することによって、前記統計量に基づいて該作業員が作業していた施設を特定して、該施設の施設IDと前記2つの時刻とを対応付けた作業管理表を作成して前記記憶部に格納する
ことを特徴とする作業記録方法。
(付記6)
記憶部に記録された施設の出入り口に設置された無線機器を特定する無線機器IDと該施設を特定する施設IDとを対応付けた無線機器設置位置情報を参照することによって、前記前記記憶部に記録された作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記記憶部に記録された作業員の作業員端末が該無線機器と通信した時刻毎に該通信した無線機器の無線機器IDとを対応付けた作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部から前記入退室表を参照することによって、同一施設IDを示す2つの時刻間の施設領域内おける前記作業員の軌跡の統計量を算出して、該同一施設IDと該2つの時刻と該算出した統計量とを対応付けた統計量管理表を前記記憶部内に作成して格納し、
前記記憶部から前記作業員の前記統計量管理表を参照することによって、前記統計量に基づいて該作業員が作業していた施設を特定して、該施設の施設IDと前記2つの時刻とを対応付けた作業管理表を作成して前記記憶部に格納する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする作業記録プログラム。
(付記7)
記憶部に記録された施設の出入り口に設置された無線機器を特定する無線機器IDと該施設を特定する施設IDとを対応付けた無線機器設置位置情報を参照することによって、前記前記記憶部に記録された作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記記憶部に記録された作業員の作業員端末が該無線機器と通信した時刻毎に該通信した無線機器の無線機器IDとを対応付けた作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部に記録された前記無線機器設置位置情報を参照することによって、前記作業員入退室情報に記録される時刻毎に、無線機器IDから前記施設IDを対応付けた入退室表を作成して前記記憶部に格納し、
前記記憶部から前記入退室表を参照することによって、同一施設IDを示す2つの時刻間の施設領域内おける前記作業員の軌跡の統計量を算出して、該同一施設IDと該2つの時刻と該算出した統計量とを対応付けた統計量管理表を前記記憶部内に作成して格納し、
前記記憶部から前記作業員の前記統計量管理表を参照することによって、前記統計量に基づいて該作業員が作業していた施設を特定して、該施設の施設IDと前記2つの時刻とを対応付けた作業管理表を作成して前記記憶部に格納する
処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。