JP2013122041A - 化合物、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

化合物、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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JP2013122041A
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Koji Ichikawa
幸司 市川
Mitsuyoshi Ochiai
光良 落合
Masashi Yoshida
昌史 吉田
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Abstract

【課題】レジストパターンのラインエッジラフネス(LER)が満足できるレジスト組成物に用いるポリマーを提供する。
【解決手段】式(I)で表される化合物の(共)重合体。
Figure 2013122041

[式(I)中、Lは単結合、*−X−等を表す。Lは*−A−X−A−等を表す。環Wは芳香族環を表す。環Wは脂肪族環等を表す。Rはヒドロキシ基又はアルキル基を表す。Rはアルキル基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニル基を表す。Rはハロゲン原子を有してもよいアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。s及びtは0〜2の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、化合物、樹脂、レジスト組成物及び該レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関する。
特許文献1には、以下に示す、式(u−A)で表される構造単位を有する樹脂が記載されている。
Figure 2013122041
特開2010−256875号公報
従来から知られる上記レジスト組成物では、得られるレジストパターンのラインエッジラフネス(LER)が必ずしも十分に満足できない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕式(I)で表される化合物。
Figure 2013122041
[式(I)中、
は、単結合、*−X−、*−X−A−、*−X−A−X−又は*−X−A−X−A−(*は、Oとの結合手を表す。)を表す。
は、*−A−X−A−、*−A−X−A−X−、*−A−X10−A10−X11−A11−又は*−A12−(*は、環Wとの結合手を表す。)を表す。
、X、X、X、X、X、X、X、X、X10及びX11は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
、A、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、酸素原子又は−CO−O−を表す。
環Wは、炭素数6〜18の芳香族環を表す。
環Wは、炭素数4〜18の脂肪族環を表し、前記脂肪族環を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。但し、前記脂肪族環に含まれるメチレン基の少なくとも1つは、カルボニル基に置き換わっている。
は、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を表す。
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
sは、0〜2の整数を表す。sが2のとき、複数存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
tは、0〜2の整数を表す。tが2のとき、複数存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
〔2〕前記Lが、*−CHR−(Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。*は、Oとの結合手を表す。)である前記〔1〕記載の化合物。
〔3〕前記Lが、*−O−CH−CO−O−又は*−CO−O−(*は環Wとの結合手を表す。)である前記〔1〕又は〔2〕記載の化合物。
〔4〕前記Wが、ベンゼン環である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の化合物。
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の化合物に由来する構造単位を有する樹脂。
〔6〕さらに、酸に不安定な基を有するモノマー(但し、前記式(I)で表される化合物ではない)に由来する構造単位を有する前記〔5〕記載の樹脂。
〔7〕前記酸に不安定な基を有するモノマーが、式(a1−1)で表されるモノマー又は式(a1−2)で表されるモノマーである前記〔6〕記載の樹脂。
Figure 2013122041
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CHk1−CO−O−を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
〔8〕ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーに由来する構造単位を、さらに有する前記〔5〕〜〔7〕のいずれか記載の樹脂。
〔9〕前記ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーが、式(a2−1)で表されるモノマーである前記〔8〕記載の樹脂。
Figure 2013122041
[式(a2−1)中、
a3は、−O−又は*−O−(CHk2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。]
〔10〕前記〔5〕〜〔9〕のいずれか記載の樹脂及び酸発生剤を含有するレジスト組成物。
〔11〕前記酸発生剤が、式(B1)で表される前記〔10〕記載のレジスト組成物。
Figure 2013122041
[式(B1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
は、有機カチオンを表す。]
〔12〕式(B1)におけるYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である前記〔11〕記載のレジスト組成物。
〔13〕さらに、塩基性化合物を含有する前記〔10〕〜〔12〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔14〕(1)前記〔10〕〜〔13〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
本発明の化合物に由来する構造単位を有する樹脂を含むレジスト組成物を用いれば、ラインエッジラフネス(LER)に優れたレジストパターンを製造できる。
本明細書では、特に断りのない限り、炭素数を適宜選択しながら、以下の置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても適用される。脂肪族炭化水素基のうち、アルキル基のように直鎖状又は分岐状をとることができるものは、そのいずれをも含む。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。以下の置換基の例示において、「C」に付して記載した数値は、各々の基の炭素数を示すものである。
さらに、本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH=CH−CO−」又は「CH=C(CH)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
炭化水素基とは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含する。
炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(飽和炭化水素基)が好ましい。
脂肪族炭化水素基のうち1価のものとしては、典型的にはアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基(C)、エチル基(C)、プロピル基(C)、ブチル基(C)、ペンチル基(C)、ヘキシル基(C)、ヘプチル基(C)、オクチル基(C)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、典型的には、シクロアルキル基を意味し、以下に示す単環式及び多環式のいずれも包含する。
脂環式炭化水素基のうち1価のものとして、単環式の脂肪族炭化水素基は、以下の式(KA−1)〜(KA−7)で表されるシクロアルカンの水素原子を1個取り去った基である。
Figure 2013122041
多環式の脂肪族炭化水素基は、以下の式(KA−8)〜(KA−22)で表されるシクロアルカンの水素原子を1個取り去った基である。
Figure 2013122041
脂環式炭化水素基のうち2価のものとしては、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に限定されない限り、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アラルキル基及びアリールオキシ基が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C)、エトキシ基(C)、プロポキシ基(C)、ブトキシ基(C)、ペンチルオキシ基(C)、ヘキシルオキシ基(C)、ヘプチルオキシ基(C)、オクチルオキシ基(C)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。
アシル基としては、アセチル基(C)、プロピオニル基(C)、ブチリル基(C)、バレリル基(C)、ヘキサノイル基(C)、ヘプタノイル基(C)、オクタノイル基(C)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの並びにベンゾイル基(C)などのアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C)、フェネチル基(C)、フェニルプロピル基(C)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(C)、ナフチルオキシ基(C10)、アントリルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)などのアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、典型的には、アリール基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。
芳香族炭化水素基も置換基を有することがある。該置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基が挙げられる。該アルキル基は、脂肪族炭化水素基として例示したものと同じであり、芳香族炭化水素基に任意に有する置換基のうち、該アルキル基以外のものは、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと同じものを含む。
<式(I)で表される化合物(以下「化合物(I)」という場合がある)>
本発明の化合物(I)は、式(I)で表される。
Figure 2013122041
[式(I)中、
は、単結合、*−X−、*−X−A−、*−X−A−X−又は*−X−A−X−A−(*は、Oとの結合手を表す。)を表す。
は、*−A−X−A−、*−A−X−A−X−、*−A−X10−A10−X11−A11−又は*−A12−(*は、環Wとの結合手を表す。)を表す。
、X、X、X、X、X、X、X、X、X10及びX11は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
、A、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、酸素原子又は−CO−O−を表す。
環Wは、炭素数6〜18の芳香族環を表す。
環Wは、炭素数4〜18の脂肪族環を表し、前記脂肪族環を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。但し、前記脂肪族環に含まれるメチレン基の少なくとも1つは、カルボニル基に置き換わっている。
は、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を表す。
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
sは、0〜2の整数を表す。sが2のとき、複数存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
tは、0〜2の整数を表す。tが2のとき、複数存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
に含まれる2価の炭素数1〜6のアルカンジイル基としては、直鎖状アルカンジイル基又は分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;及び、該直鎖状アルキレン基に、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)の側鎖を有したもの、例えば、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
に含まれる*−X−A−(*は、Oとの結合手を表す。)としては、例えば、*−CH−CO−O−、*−CH−O−CO−等が挙げられる。
に含まれる*−X−A−X−としては、例えば、*−CH−CO−O−CH−、*−CH−O−CO−CH−等が挙げられる。
に含まれる*−X−A−X−A−としては、例えば、*−CH−CO−O−CH−CO−O−、*−CH−O−CO−CH−CO−O−等が挙げられる。
は、単結合又は*−CH−CO−O−であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
に含まれる*−A−X−A−としては、例えば、*−O−CH−CO−O−、*−O−CO−CH−O−、*−CO−O−CH−O−、*−CO−O−CH−O−CO−、*−CO−O−CH−CO−O−等が挙げられる。
に含まれる*−A−X−A−X−としては、例えば、*−O−CH−CO−O−CH−、*−O−CH−O−CO−CH−、*−CO−O−CH−O−CH−、*−CO−O−CH−O−CO−CH−、*−CO−O−CH−CO−O−CH−等が挙げられる。
に含まれる*−A−X10−A10−X11−A11−としては、例えば、*−O−CH−CO−O−CH−CO−O−、*−O−CH−O−CO−CH−CO−O−、*−CO−O−CH−O−CH−CO−O−、*−CO−O−CH−O−CO−CH−CO−O−、*−CO−O−CH−CO−O−CH−CO−O−等が挙げられる。
に含まれる*−A12−としては、例えば、*−CO−O−等が挙げられる。
は、*−O−CH−CO−O−、*−O−CO−CH−O−、*−CO−O−CH−O−、*−CO−O−CH−O−CO−又は*−CO−O−であることが好ましく、*−O−CH−CO−O−、*−O−CO−CH−O−又は*−CO−O−であることがより好ましく、*−O−CH−CO−O−又は*−CO−O−であることがさらに好ましい。
環Wで表される炭素数6〜18の芳香族環とは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等、アントラセン環が挙げられ、ベンゼン環が好ましい。
環Wで表される炭素数4〜18の飽和炭化水素環としては、下記の環が挙げられ、式(W−a)で表される環又は式(W−b)で表される環が好ましい。
Figure 2013122041
及びRで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、すでに例示したものを含み、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
で表される炭素数1〜6のアルコキシ基としては、すでに例示したものを含み、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基などが挙げられる。
で表される炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びペンチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
のハロゲン原子は、すでに例示したものを含む。
の「ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基」のうち、アルキル基はRなどで説明したとおりである。かかるアルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたものが、ハロゲン原子を有する炭素数1〜6のアルキル基に該当する。ハロゲン原子を有するアルキル基の中では、フッ素原子を有するアルキル基が好ましく、アルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル基がさらに好ましい。このペルフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
式(I)で表される化合物は、例えば、以下で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Figure 2013122041
ここに示す式(I−1)〜式(I−24)でそれぞれ表される化合物(I)において、以下に示す部分構造Mを、以下に示す部分構造Aに置き換えたものも化合物(I)の具体例として挙げることができる。
Figure 2013122041
式(I)において、例えば、Lが、*−CHR−(*はOとの結合手を表す。)、Lが、*−O−CH−CO−O−(*は環Wとの結合手を表す。)である化合物(I)[式(IA)で表される化合物]は、以下の製造方法によって製造することができる。
Figure 2013122041
[式中、環W、環W、R、R、R、s及びtは、それぞれ上記と同じ意味を表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
式(IA−a)で表される化合物と式(IA−b)で表される化合物を塩基性触媒下で、反応させることにより、式(IA−c)で表される化合物を得ることができる。溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。塩基触媒としては、ピリジン等が挙げられる。
Figure 2013122041
[Y及びYは、ハロゲン原子を表す。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。YとYとはそれぞれ異なっていてもよいが、ともに塩素原子であることが好ましい。
式(IA−a)で表される化合物としては、以下で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013122041
式(IA−b)で表される化合物としては、以下で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013122041
また、式(IA−c)で表される化合物として、以下で表される化合物は、市場より容易に入手することが出来る。
Figure 2013122041
式(IA−c)で表される化合物と式(IA−d)で表される化合物とを触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより、式(IA−e)で表される化合物を得ることができる。溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。触媒としては、ピリジン等が挙げられる。
Figure 2013122041
式(IA−d)で表される化合物としては、以下で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013122041
式(IA−e)で表される化合物を溶媒中で還元することにより、式(IA−f)で表される化合物を得ることができる。溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
Figure 2013122041
式(IA)で表される化合物は、式(IA−f)で表される化合物と式(IA−g)で表される化合物とを、触媒の存在下、溶剤中で反応させることにより得ることができる。
Figure 2013122041
[Yは、ハロゲン原子又は(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が好ましい。]
触媒としては、例えば、N−メチルピロリジンなどが挙げられる。
溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
式(IA−g)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸無水物等が挙げられる。
式(I)において、また、例えば、Lが、*−CH−(*はOとの結合手を表す。)、Lが、*−CO−O−(*は環Wとの結合手を表す。)である式(IB)で表される化合物の製造方法を下記に示す。
Figure 2013122041
[式中、環W、環W、R、R、R、s及びtは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
式(IB−a)で表される化合物と式(IB−b)で表される化合物を溶剤中で、反応させることにより、式(IB−c)で表される化合物を得ることができる。溶媒としては、アセトニトリル、クロロホルム等が挙げられる。
Figure 2013122041
式(IB−a)で表される化合物としては、以下で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013122041
式(IB−c)で表される化合物と式(IB−d)で表される化合物を、溶媒中で反応させることにより、式(IB−e)で表される化合物を得ることができる。溶媒としては、アセトニトリル、クロロホルム等が挙げられる。
Figure 2013122041
式(IB−d)で表される化合物としては、以下で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013122041
式(IB−e)で表される化合物を溶媒中で還元することにより、式(IB−f)で表される化合物を得ることができる。溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。還元剤としては、リチウムアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
Figure 2013122041
式(IB)で表される化合物は、式(IB−f)で表される化合物と式(IB−g)で表される化合物とを、触媒の存在下、溶剤中で反応させることにより得ることができる。
Figure 2013122041
[Yは、ハロゲン原子又は(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が好ましい。]
触媒としては、例えば、N−メチルピロリジンなどが挙げられる。
溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
式(IB−g)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸無水物等が挙げられる。
化合物(I)及び後述する当該化合物(I)に由来の構造単位を有する樹脂は、新規化合物であり、特に、化合物(I)に由来する構造単位を有する樹脂は、該樹脂を含有するレジスト組成物を用いることにより、形状に優れたレジストパターンを製造できるという効果を発現する。
<樹脂>
本発明の樹脂は、化合物(I)に由来する構造単位を含む。
レジスト組成物に用いる本発明の樹脂は、化合物(I)に由来する構造単位に加え、さらに、酸に不安定な基を有するモノマー、特に、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位を有することが好ましい。ただし、酸に不安定な基を有するモノマーは、式(I)で表される化合物ではない。以下、化合物(I)に由来する構造単位と、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位とを有する樹脂を「樹脂(A)」という場合がある。
この樹脂(A)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であることが好ましく、さらに、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であることがより好ましい。
「酸の作用によりアルカリに溶解し得る」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
このような酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂(A)は、化合物(I)と、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸不安定モノマー(a1)」という場合がある)とを重合することによって製造することができる。かかる樹脂(A)の製造において、酸不安定モノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)において、該樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対する式(I)で表される化合物に由来する構造単位の含有割合は1〜50モル%の範囲が好ましく、3〜45モル%の範囲がより好ましく、5〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸不安定モノマー(a1)>
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が脱離することで、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、式(1)で表される基(酸不安定基(1))又は式(2)で表される基(酸不安定基(2))などが挙げられる。
Figure 2013122041
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Figure 2013122041
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の複素環基を形成し、前記炭化水素基及び2価の炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。]
a1〜Ra3のアルキル基及び脂環式炭化水素基の具体例は、炭素数が各々の範囲で、すでに例示したものを含む。該脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは炭素数3〜16である。
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)基としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2013122041
該2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12である。
酸不安定基(1)としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
a1’及びRa2’の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。これらの具体例は各々の炭素数の範囲で、すでに例示したものを含む。
a2’及びRa3’が結合して形成する2価の複素環基は、Ra1及びRa2が結合して形成する2価の炭化水素基の1つの炭素原子が1つの酸素原子と置き換わったものが挙げられる。
好ましくは、Ra1’及びRa2’のうち少なくとも1つが水素原子である。
酸不安定基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2013122041
酸不安定モノマー(a1)は、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有する酸不安定モノマー(a1)を重合して得られる樹脂(A)を用いることにより、より一層解像度に優れたレジスト組成物を得ることができる。
酸不安定基モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基(1)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーであり、より好ましくは酸不安定基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸に不安定な基と脂環式炭化水素基とを有する(メタ)アクリルモノマーとして、好ましくは式(a1−1)で表されるモノマー及び式(a1−2)で表されるモノマーが挙げられる。樹脂(A)の製造において、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2013122041
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CHk1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
式(a1−1)及び式(a1−2)においては、La1及びLa2は、好ましくは、−O−又は*−O−(CHk1−CO−O−(k1は、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1である。)であり、より好ましくは−O−である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7のアルキル基の具体例は炭素数1〜8の範囲において、すでに例示するものを含むが、Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基の具体例は炭素数3〜10の範囲において、すでに例示するものを含むが、該脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0又は1である。
式(a1−1)で表されるモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)でそれぞれ表されるモノマーが好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)でそれぞれ表されるモノマーがより好ましい。
Figure 2013122041
式(a1−2)で表されるモノマーとしては、例えば、1−エチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート等が挙げられる。式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)でそれぞれ表されるモノマーが好ましく、式(a1−2−3)、式(a1−2−4)及び式(a1−2−9)、式(a1−2−10)でそれぞれ表されるモノマーがより好ましく、式(a1−2−3)又は式(a1−2−9)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 2013122041
樹脂(A)が式(a1−1)で表されるモノマー及び/又は式(a1−2)で表されるモノマーに由来する構造単位を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%であり、さらに好ましくは30〜60モル%である。
他のモノマー(a1)としては、例えば、式(a1−5)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−5)」という場合がある)を用いてもよい。
Figure 2013122041
[式(a1−5)中、
31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−[CHk4−CO−La4−を表す。ここで、k4は1〜4の整数を表す。*は、La1との結合手を表す。
a1、La2、La3及びLa4は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。]
式(a1−5)においては、R31は、水素原子、メチル基及びトリフルオロメチル基が好ましい。
a1は、酸素原子が好ましい。
a2及びLa3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
a1は、単結合又は*−CH−CO−O−が好ましい。
モノマー(a1−5)としては、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 2013122041
樹脂(A)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜95モル%が好ましく、3〜90モル%がより好ましく、5〜85モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)は、化合物(I)に由来する構造単位及び酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位に加えて、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)に由来する構造単位を有していることが好ましい。この場合の樹脂(A)が有する酸安定モノマーに由来する構造単位は、1種であっても、2種以上であってもよい。
樹脂(A)が、化合物(I)と、酸不安定モノマー(a1)と、酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位は、樹脂(A)の全構造単位において、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。また、アダマンチル基を有する酸不安定モノマー(a1)(特に、式(a1−1)で表されるモノマー)に由来する構造単位の含有率は、好ましくは酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位の合計に対して15モル%以上である。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、該樹脂(A)を含有するレジスト組成物から製造されるレジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。
酸安定モノマーとしては、好ましくは、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するモノマーが挙げられる。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という場合がある)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂(A)含有するレジスト組成物によれば、優れた解像度でレジストパターンを製造でき、後述するレジストパターンの製造において、塗布膜又は組成物層の基板に対する密着性が良好になる傾向がある。
<ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)>
本発明のレジスト組成物が、KrFエキシマレーザ露光(248nm)あるいは電子線又はEUV光などの高エネルギー線照射に用いられる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、該レジスト組成物に含有する樹脂(A)は、好ましくは、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)、例えばヒドロキシスチレン類を使用して製造されたものである。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などに用いられる場合は、該レジスト組成物に含有する樹脂(A)は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用して製造されたものである。この場合の樹脂(A)の製造には、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーとして、式(a2−0)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーが挙げられる。
Figure 2013122041
[式(a2−0)中、
a30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は互いに同一であるか相異なる。]
a30及びRa31におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
a30のハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基等が挙げられる。
a30及びRa31におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。Ra30は、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1又は2のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1又は2のアルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
a31のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げられる。
a31のアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基などが挙げられる。
maは、好ましくは、0〜2であり、より好ましくは、0又は1であり、さらに好ましくは、0である。
このようなフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)に由来する構造単位を有する樹脂(A)は、フェノール性ヒドロキシ基を保護基で保護したモノマー及び共重合させるモノマーをラジカル重合した後、酸又は塩基で脱保護することによって製造することができる。樹脂(A)は、酸不安定基モノマー(a1)に由来する構造単位を有しているので、保護基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基を脱保護する際には、該酸不安定基を著しく損なわないよう、塩基との接触により、脱保護することが好ましい。保護基としては、例えば、アセチル基等が好ましい。塩基としては、例えば、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーとしては、例えば、特開2010−204634号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a2−0−1)及び式(a2−0−2)で表されるモノマーが好ましい。樹脂(A)を製造する際には、これらにあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護したものを用いることもできる。
Figure 2013122041
樹脂(A)が式(a2−0)で表されるスチレン系モノマーに由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜90モル%であり、好ましくは10〜85モル%であり、より好ましくは15〜80モル%である。
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとして、式(a2−1)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 2013122041
[式(a2−1)中、
a3は、−O−又は*−O−(CHk2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CHf1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。]
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 2013122041
樹脂(A)が式(a2−1)で表されるモノマーに由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常3〜45モル%であり、好ましくは5〜40モル%であり、より好ましくは5〜35モル%であり、さらに好ましくは5〜15モル%である。
<ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)>
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が挙げられる。
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される。樹脂(A)の製造の際には、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2013122041
[式(a3−1)〜式(a3−3)中、
a4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、互いに同一であるか相異なる。
式(a3−1)〜式(a3−3)中の、La4〜La6としては、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。)であることが好ましく、より好ましくは−O−である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。]
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)としては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)、式(a3−3−1)〜式(a3−3−4)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a3−1−1)〜式(a3−1−2)、式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)のいずれかで表されるモノマーがより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 2013122041
樹脂(A)がラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
<その他のモノマー(a4)>
樹脂は、上記のモノマー以外のその他の公知のモノマー(以下「モノマー(a4)」という場合がある)に由来する構造単位を有していてもよい。
かかるモノマー(a4)としては、例えば、フッ素原子を有する式(a4−1)で表される化合物(以下、「モノマー(a4−1)」という場合がある)などが挙げられる。
Figure 2013122041
[式(a4−1)中、
41は、水素原子又はメチル基を表す。
41は、式(a4−g1)で表される基を表す。
Figure 2013122041
(式(a4−g1)中、
ssは0〜2の整数を表す。
40及びA43は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
ssが2のとき、複数存在するA40は、互いに同一であるか相異なる。
40は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
ssが2のとき、複数存在するX40は、互いに同一であるか相異なる。)
42は、フッ素原子を有する炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
基(a4−g1)は、X40のように、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基等の原子又は原子団を含むことがある2価の基である。ただし、基(a4−g1)において、ssが0である場合、この基(a4−g1)はA43となる。
40及びA43の脂肪族炭化水素基の具体例は、炭素数1〜5の範囲ですでに例示したアルカンジイル基又は2価の脂環式炭化水素基を含むが、これらの中でも、A40及びA43は、炭素数1〜5のアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、エチレン基が特に好ましい。
酸素原子を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013122041
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
カルボニル基を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013122041
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
カルボニルオキシ基を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013122041
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
オキシカルボニル基を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013122041
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
41としては、式(a4−g1)においてssが0であり、A43が炭素数1〜5のアルカンジイル基であるものが好ましく、炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、エチレン基が特に好ましい。
42のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基は、部分的に炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、炭素−炭素不飽和結合を有さない飽和のものが好ましい。脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(直鎖及び分岐状)及び脂環式炭化水素基、並びにアルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせた脂肪族炭化水素基などが挙げられ、これらの基の含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されている。なお、アルキル基及び脂環式炭化水素基の具体例はそれぞれの炭素数の範囲ですでに例示したものを含む。
42がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、A41がエチレン基である化合物(a4−1)は、以下の式(a4−1−1)〜式(a4−1−22)でそれぞれ表されるモノマー(a4−1)が挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
42のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基は、アルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子で置換されたペルフルオロアルキル基(例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基など)、シクロアルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子で置換されたペルフルオロシクロアルキル基がより好ましい。
42が、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基である化合物は、上述の式(a4−1−3)、式(a4−1−4)、式(a4−1−7)、式(a4−1−8)、式(a4−1−11)、式(a4−1−12)、式(a4−1−15)、式(a4−1−16)、式(a4−1−19)、式(a4−1−20)、式(a4−1−21)及び式(a4−1−22)のいずれかで表される化合物が該当する。
42としては、ペルフルオロアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。
42は、酸素原子を含む基で中断されていてもよい。この場合の好ましいR42は、例えば、式(a−g2)で表される。
Figure 2013122041
[式(a−g2)中、
13は、炭素数1〜18の2価の脂肪族炭化水素基を表し、A14は、炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表すが、A13及びA14の炭素数の合計は18以下である。A13及びA14のうち少なくとも一方がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基である。
12は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。]
式(a−g2)において、A13の2価の脂肪族炭化水素基は典型的には、アルカンジイル基又は2価の脂環式炭化水素基であり、当該アルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基は、上述のとおりフッ素原子を有することもある。なお、当該アルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は置換基に置換されていてもよく、その場合の置換基は好ましくは、フッ素原子以外のハロゲン原子である。一方、A14の脂肪族炭化水素基は典型的には、アルキル基又は1価の脂環式炭化水素基であり、当該アルキル基及び1価の脂環式炭化水素基は、上述のとおりフッ素原子を有することもある。なお、当該アルキル基及び2価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は置換基に置換されていてもよく、その場合の置換基は好ましくは、フッ素原子以外のハロゲン原子である。A13及びA14は少なくも一方がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であるが、中でも、A13がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であると好ましい。
*−A13−X12−A14(*はカルボニル基との結合手である)としては、好ましくは、以下の構造が挙げられる。
Figure 2013122041
42が、式(a−g2)で表される基であるモノマー(a4−1)としては、以下の式(a4−1’)で表されるもの(以下、「モノマー(a4−1’)」という場合がある)が挙げられる。
Figure 2013122041
[式(a4−1’)中、
全ての符号はいずれも、上記と同じ意味である。]
モノマー(a4−1’)において、上述のとおり、A14がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であるものが好ましく、そのなかでも、フッ素原子を有するアルカンジイル基であるものがより好ましく、ペルフルオロアルカンジイル基であるものがさらに好ましい。「ペルフルオロアルカンジイル基」とは、水素原子の全部がフッ素原子に置換されたアルカンジイル基をいう。
13がペルフルオロアルカンジイル基であり、A41がエチレン基であるモノマー(a4−1’)としては、以下の式(a4−1’−1)〜式(a4−1’−22)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
13及びA14の炭素数は、これらの合計が17以下である範囲で任意に選択されるが、A13の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
14の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましい。さらに好ましいA14は、炭素数6〜12の脂環式炭化水素基であり、シクロヘキシル基及びアダマンチル基が特に好ましい。
樹脂(A)がモノマー(a4−1)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常、1〜20モル%であり、2〜15モル%が好ましく、3〜10モル%がより好ましい。
樹脂(A)は、好ましくは、式(I)で表される化合物に由来する構造単位、式(I)で表される化合物とは異なる酸に不安定な基を有するモノマー(a1)、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)を重合させた共重合体である。該共重合体において、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、より好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a1−1)及びシクロへキシル基を有するモノマー(a1−2)の少なくとも1種(さらに好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a1−1))であり、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、好ましくはヒドロキシスチレンを有する酸安定モノマー(a2−0)又はヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)であり、ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)は、より好ましくはγ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)の少なくとも1種である。
樹脂(A)の構造単位の好ましい構成比としては、式(I)で表される化合物に由来する構造単位:式(I)で表される化合物とは異なる酸に不安定な基を有するモノマー(a1):ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(a3):その他のモノマー(a4)=1〜50:20〜60:30〜70:1〜20(好ましくは、3〜45:25〜55:35〜65:2〜15、より好ましくは、5〜40:25〜50:35〜65:3〜10)である。
樹脂(A)の構造単位のより好ましい構成比としては、式(I)で表される化合物に由来する構造単位:式(I)で表される化合物とは異なる酸に不安定な基を有するモノマー(a1):ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)=1〜50:20〜60:30〜70(好ましくは、3〜45:25〜55:35〜65、より好ましくは、5〜40:25〜50:35〜65)である。
樹脂(A)の構造単位のさらに好ましい構成比としては、式(I)で表される化合物に由来する構造単位:式(I)で表される化合物とは異なる酸に不安定な基を有するモノマー(a1):ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2):ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)=1〜50:20〜60:3〜35:25〜65(好ましくは、3〜45:25〜55:4〜30:30〜65、より好ましくは、5〜40:25〜50:5〜25:35〜60)である。
樹脂(A)のより好ましい具体例としては、下記(A−1)〜(A−12)の樹脂が挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは10,000以下)である。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準で求めた値であり、その分析条件は本願の実施例に記載する。
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物は、化合物(I)に由来する構造単位を有する樹脂、好ましくは上述した樹脂(A)と、酸発生剤とを含む。
また、本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物を含むことが好ましい。
本発明のレジスト組成物においては、樹脂(A)の含有量は、組成物の固形分中80質量%以上99質量%以下であることが好ましい。「組成物中の固形分」とは、後述する溶剤(D)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対する樹脂(A)の含有率は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
本発明のレジスト組成物においては、樹脂(A)以外に、さらに、フッ素原子を有するモノマーに由来する構造単位を有する樹脂(X)を含有していてもよい。ここで、フッ素原子を有するモノマーとしては、上述したモノマー(a4−1)が挙げられる。樹脂(X)は、レジスト組成物において、添加剤樹脂として使用することができる。
なお、樹脂(X)は、化合物(I)に由来する構造単位を有してもよい。
樹脂(X)が、化合物(I)に由来する構造単位を有する場合、酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位を有する他の樹脂を本発明のレジスト組成物に含有させてもよい。
樹脂(X)が、モノマー(a4−1)に由来する構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(X)の全構造単位に対して、70〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
樹脂(X)が、モノマー(a4−1)に由来する構造単位及び化合物(I)に由来する構造単位を有する場合、樹脂(X)の構造単位の好ましい構成比としては、モル比基準で、モノマー(a4−1)に由来する構造単位:化合物(I)に由来する構造単位=70〜99:1〜30であり、好ましくは、80〜97:3〜20であり、より好ましくは、85〜99:1〜15である。
なお、化合物(I)に由来する構造単位を有する樹脂(X)をレジスト組成物に含有させる場合に併用する樹脂としては、酸不安定モノマー(a1)、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)を重合させた共重合体が好ましい。
本発明のレジスト組成物に含有される樹脂において、樹脂(A)に加えて、樹脂(X)を含有する場合、樹脂(X)の含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。化合物(I)に由来する構造単位を有しない樹脂と、化合物(I)に由来する構造単位を有する樹脂(X)を併用する場合は、ここに示した樹脂(A)と樹脂(X)との含有率において、樹脂(A)を、化合物(I)に由来する構造単位を有しない樹脂に置き換えればよい。
<酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)>
レジスト分野に用いられる酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類される。本発明のレジスト組成物に含有する酸発生剤(B)としては、非イオン系酸発生剤であっても、イオン系酸発生剤であっても、それらの組み合わせであってもよい。非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、レジスト分野で使用される酸発生剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物も、適宜、使用できる。例えば特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表されるもの(以下、「酸発生剤(B1)」という場合がある)である。この酸発生剤(B1)のうち、正電荷を有するZは「有機カチオン」といい、該有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
Figure 2013122041
[式(B1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
は、有機カチオンを表す。]
及びQのペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
式(B1)では、Q及びQは、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
b1の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。これらのアルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基の具体例は、各々の炭素数の範囲ですでに例示したものを含む。
b1における前記2価の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、以下の式(b1−1)〜式(b1−7)のいずれかで示される基が挙げられる。Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれかで示される基であり、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−3)で示される基である。なお、式(b1−1)〜式(b1−7)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側で−C(Q)(Q)−にある炭素原子と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−7)の具体例も同様である。
Figure 2013122041
[式(b1−1)〜式(b1−7)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
b5は、単結合又は炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
b6は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb5及びLb6の合計炭素数の上限は15である。
b7は、単結合又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
b8は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb7及びLb8の合計炭素数の上限は16である。
b9は、単結合又は炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
b10は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は14である。
b11及びLb12は、単結合又は炭素数1〜11の飽和炭化水素基を表す。
b13は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
b14及びLb15は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
b16は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。但しLb14、Lb15及びLb16の合計炭素数の上限は14である。]
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
式(b1−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
式(b1−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
式(b1−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
式(b1−5)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
式(b1−6)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
式(b1−7)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
これらの中でも、Lb1は、式(b1−1)で表される基が好ましく、Lb2が単結合又は炭素数1〜6の飽和炭化水素基である式(b1−1)で表される2価の基であることがより好ましい。
Yのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
Yの脂環式炭化水素基としては、例えば、以下の式(Y1)〜式(Y11)で表される基が好ましい。
アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、アルキル基に含まれるメチレン基が酸素原子、カルボニル基又は酸素原子とカルボニル基とに置き換わった基、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013122041
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)でそれぞれ表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)及び式(Y19)でそれぞれ表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)及び式(Y14)でそれぞれ表される基である。
Yにおける脂肪族炭化水素基の置換基は、例えば、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CHj2−O−CO−Rb1で表される基(式中、Rb1は、炭素数1〜16の炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。Yの置換基である芳香族炭化水素基及びアラルキル基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基をさらに有していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、トリチル、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
Yとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013122041
なかでも、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜12の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基がより好ましく、置換基を有していてもよいアダマンチル基がさらに好ましく、アダマンチル基、オキソアダマンチル基又はヒドロキシアダマンチル基が特に好ましい。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、好ましくは、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。以下の式において、符号の定義は上記と同じ意味であり、Rb2及びRb3は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
Figure 2013122041
Yが無置換の脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−0)〜式(b1−s−9)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2013122041
Yがヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−10)〜式(b1−s−18)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2013122041
Yが環状ケトン基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−19)〜式(b1−s−29)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Yが芳香族炭化水素基を有する脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−30)〜式(b1−s−35)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2013122041
Yが、ラクトン環基又はスルトン環基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−36)〜式(b1−s−41)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2013122041
酸発生剤(B)に含まれるカチオンとしては、有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、有機ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、より好ましくは、以下の式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表される有機カチオン〔以下、各式の番号に応じて、「カチオン(b2−1)」、「カチオン(b2−2)」、「カチオン(b2−3)」及び「カチオン(b2−4)」ということがある。〕である。
Figure 2013122041
[式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、互いに独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく、該脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。Rb4、Rb5及びRb6から選ばれる2つが一緒になって、それらが結合する硫黄原子と共に硫黄原子を含む環を形成してもよい。
b4、Rb5及びRb6から選ばれる2つが一緒になってそれらが結合する硫黄原子と共に形成してもよい環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、硫黄原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上の硫黄原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜13の環がより好ましい。
b7及びRb8は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、互いに独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上である場合、複数のRb7は互いに同一であっても異なってもよく、n2が2以上である場合、複数のRb8は互いに同一であっても異なってもよい。
b9及びRb10は、互いに独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜12)又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数4〜12)を表す。
b9とRb10とは、互いに結合して硫黄原子を含む3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)の脂環式炭化水素環を形成していてもよく、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜12)、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数4〜12)又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9〜Rb11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
b12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基を有していてもよい。
b11とRb12は、互いに結合して3員〜12員(好ましくは3員〜7員)環を形成していてもよく、該環を構成しているメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b13〜Rb18は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、互いに独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、互いに独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は互いに同一であっても異なってもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は互いに同一であっても異なってもよく、q2が2以上であるとき、複数のRb15は互いに同一であっても異なってもよく、r2が2以上であるとき、複数のRb16は互いに同一であっても異なってもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb17は互いに同一であっても異なってもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は互いに同一であっても異なってもよい。]
脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b9〜Rb12の脂肪族炭化水素基のうち好ましい基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基である。
b9〜Rb11の脂環式炭化水素基のうち好ましい基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基である。
b12の芳香族炭化水素基のうち好ましい基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基である。
b12の脂肪族炭化水素基を有する芳香族炭化水素基は、典型的にはアラルキル基であり、具体的にはベンジル基等が挙げられる。
b9とRb10とが結合してそれらが結合している硫黄原子と共に形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが結合してそれらが結合している原子と共に形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
上述の有機カチオンの中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という場合がある。〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2、w2及びx2が共に0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2、w2及びx2が共に1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)がさらに好ましい。
Figure 2013122041
[式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、互いに独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Rb19、Rb20及びRb21から選ばれる2つが一緒になって単結合、−O−又は炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基を表し、硫黄原子を含む環を形成してもよい。
脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数は1〜12であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、置換基として、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよい。
脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数は4〜18であり、置換基として、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、互いに独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、互いに独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。]
カチオン(b2−1−1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Figure 2013122041
カチオン(b2−2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2013122041
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2013122041
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができ、好ましくは、アニオン(b1−1−1)〜アニオン(b1−1−9)のいずれかとカチオン(b2−1−1)との組合せ、並びにアニオン(b1−1−1)〜(b1−1−9)のいずれかとカチオン(b2−3)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、好ましくは、式(B1−1)〜式(B1−24)のいずれかで表される塩が挙げられ、より好ましくは、トリアリールスルホニウムカチオンを含む塩である式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−18)、式(B1−19)、式(B1−20)、式(B1−21)、式(B1−22)、式(B1−23)及び式(B1−24)が挙げられる。
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Figure 2013122041
Figure 2013122041
本発明のレジスト組成物における酸発生剤(B)の含有率は、該レジスト組成物に含有される樹脂の総量を基準にして好ましい範囲が定められる。該樹脂が、樹脂(A)である場合、樹脂(A)の総量に対して、酸発生剤(B)の含有率は、好ましくは1質量%以上(より好ましくは3質量%以上)、好ましくは40質量%以下(より好ましくは35質量%以下)である。なお、本発明のレジスト組成物に含まれる樹脂が例えば、樹脂(A)及び樹脂(X)の混合物である場合、すでに説明した酸発生剤(B)の好ましい含有率において、「樹脂(A)の総量」を「樹脂(A)及び樹脂(X)」に置き換えればよい。
酸発生剤(B)は、上述したように、酸発生剤(B1)とは異なる酸発生剤を含んでいてもよく、この場合は、酸発生剤(B)の総量における酸発生剤(B1)の含有割合は、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。ただし、本発明のレジスト組成物における酸発生剤(B)は、実質的に酸発生剤(B1)のみであることがさらに好ましい。
<塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。塩基性化合物(C)はクエンチャーとして作用する。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013122041
[式(C1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Figure 2013122041
[式(C1−1)中、Rc2及びRc3は、上記と同じ意味を表す。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、互いに同一であるか相異なる。]
Figure 2013122041
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアシル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は、互いに同一であるか相異なる。]
Figure 2013122041
[式(C5)及び式(C6)中、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3又はp3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc14及びRc15は互いに同一であるか相異なる。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Figure 2013122041
[式(C7)及び式(C8)中、Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3、r3及びs3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc18、Rc19及びRc20は互いに同一であるか相異なる。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)〜式(C8)においては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルカンジイル基及びアシル基は、上述したものと同様のものが挙げられる。
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジン等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物に塩基性化合物(C)を含有する場合、その含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、好ましくは、0.01〜5質量%程度であり、より好ましく0.01〜3質量%程度であり、特に好ましく0.01〜1質量%程度である。
<溶剤(以下「溶剤(D)」という場合がある>
本発明のレジスト組成物は、溶剤(D)を含有すると、後述するレジストパターンの製造がより容易となるので好ましい。この場合の溶剤(D)の含有率は、例えばレジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、例えば99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。
溶剤(D)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(D)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類等を挙げることができる。溶剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
<本レジスト組成物及びその調製方法>
本レジスト組成物は、樹脂(好ましくは、樹脂(A)、又は樹脂(A)と樹脂(X)との混合物)及び酸発生剤(B)ならびに必要に応じて用いられる溶剤(D)、塩基性化合物(C)又はその他の成分(F)を混合することで調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂などの種類や樹脂等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選べばよく、混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間が好ましい。なお、混合手段は特に限定されず、攪拌混合などを用いることができる。
このように、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる溶剤(D)、塩基性化合物(C)又は成分(F)の各々を好ましい含有量で混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過等することにより、本レジスト組成物は調製できる。
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。
塗布後の組成物を乾燥させて、溶剤を除去する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤等の揮発成分を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行われるか、あるいは減圧装置を用いて行われ、乾燥された組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
得られた組成物層は、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fエキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。また、露光機は、電子線や、プラズマから発生される極端紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光光源が電子線の場合は、フォトマスクを使用せずに、所望のパターンを直接描画してもよい。
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5〜60℃が好ましく、現像時間は、例えば、5〜300秒間が好ましい。
現像液の種類を選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
<用途>
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に利用できる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
実施例において、重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により下記の条件で求めた値である。
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
実施例1:式(I−1)で表される化合物の合成
Figure 2013122041
式(I1−b)で表される化合物9.42部、テトラヒドロフラン28.26部及びピリジン6.02部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。得られた混合物に、同温度を保持したまま、式(I1−a)で表される化合物14.36部を、1時間かけて添加した。さらに、温度を10℃まで上げ、10℃に到達した時点から、同温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、酢酸エチル200部、5%塩酸水溶液12部及びイオン交換水100部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水100部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を4回繰り返した。回収された有機層を濃縮した後、以下の条件でカラム(シリカゲル60−200メッシュ;メルク社製 展開溶媒:酢酸エチル)分取することにより、式(I1−c)で表される化合物9.82部を得た。
Figure 2013122041
式(I1−c)で表される化合物6.19部及びアセトニトリル18.57部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、5℃まで冷却した。得られた混合物に、水素化ホウ素ナトリウム0.36部及びイオン交換水5.32部を仕込み、5℃で3時間攪拌した。得られた混合物に、イオン交換水30部及び酢酸エチル100部を加えて攪拌し、分離した。回収された有機層にイオン交換水30部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。回収された有機層を濃縮した後、以下の条件でカラム(シリカゲル60−200メッシュ;メルク社製 展開溶媒:酢酸エチル)分取することにより、式(I1−d)で表される化合物3.88部を得た。
Figure 2013122041
式(I1−d)で表される化合物2.04部、N−メチルピロリジン1.83部、メチルイソブチルケトン20部を仕込み、攪拌下、式(I1−e)で表される化合物0.77部を添加し、60℃で5時間攪拌した。その後、反応マスにイオン交換水10部を添加、攪拌後、分液水洗を行った。この水洗の操作を5回行った。回収された有機層を濃縮後、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ、展開溶媒:酢酸エチル)分取することにより、式(I−1)で表される化合物1.24部を得た。
MS:400.2
実施例2:式(I−15)で表される化合物の合成
Figure 2013122041
式(I15−a)で表される塩10.00部及びアセトニトリル60部を仕込み、40℃で30分間攪拌し、式(I15−b)で表される化合物10.79部を仕込み、60℃で1時間攪拌することにより、式(I15−c)で表される化合物を含む溶液を得た。
Figure 2013122041
得られた式(I15−c)で表される化合物を含む溶液に、式(I15−d)で表される化合物8.63部を仕込み、23℃で1時間攪拌した後、さらに、70℃で18時間攪拌した。得られた反応マスに、酢酸エチル200部及びイオン交換水100部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。回収された有機層を濃縮した後、以下の条件でカラム(シリカゲル60−200メッシュ;メルク社製 展開溶媒:酢酸エチル)分取することにより、式(I15−e)で表される化合物12.11部を得た。
Figure 2013122041
テトラヒドロフラン62.5部に、5℃で、リチウムアルミニウムハイドライド1.59部を仕込み、その後、式(I15−e)12.04部及びテトラヒドロフラン37.5部の混合溶液を、5℃で1時間かけて滴下した後、23℃で12時間攪拌した。さらに、50℃で2時間攪拌した後、5℃まで冷却した。得られた混合物に、10%硫酸24.54部を滴下した後、クロロホルム200部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液100部を加えて攪拌し、分離した。回収された有機層にイオン交換水100部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。回収された有機層を濃縮した後、以下の条件でカラム(シリカゲル60−200メッシュ;メルク社製 展開溶媒:酢酸エチル)分取することにより、式(I15−f)で表される化合物9.28部を得た。
Figure 2013122041
式(I15−f)で表される化合物1.77部、N−メチルピロリジン1.83部、メチルイソブチルケトン20部を仕込み、攪拌下、式(I15−g)で表される化合物0.77部を添加し、60℃で5時間攪拌した。その後、反応マスにイオン交換水10部を添加、攪拌後、分液水洗を行った。この水洗の操作を5回行った。回収された有機層を濃縮後、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ、展開溶媒:酢酸エチル)分取することにより、式(I−15)で表される化合物1.02部を得た。
MS:356.1
樹脂の合成
樹脂[樹脂(A)など]の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
Figure 2013122041
以下、これらのモノマーを、それぞれ「モノマー(a1−1−1)」、「モノマー(a1−1−2)」、「モノマー(a2−1−1)」、「モノマー(a3−1−1)」、「モノマー(M−A)」、「モノマー(I−1)」及び「モノマー(I−15)」という。
実施例3〔樹脂A1の合成〕
モノマー(a1−1−1)7.03部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)3.55部、モノマー(I−1)6.01部に1,4−ジオキサン31.18部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール324.32部とイオン交換水81.08部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン3.12部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.22部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が4.3×10の共重合体20.41部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(I−1)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
Figure 2013122041
実施例4〔樹脂A2の合成〕
モノマー(a1−1−2)7.45部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)1.77部、モノマー(a3−1−1)1.28部、モノマー(I−1)6.01部に1,4−ジオキサン31.11部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール323.53部とイオン交換水80.88部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン3.11部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.22部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が4.3×10の共重合体20.44部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−2)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−1)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
Figure 2013122041
実施例5〔樹脂A3の合成〕
モノマー(a1−1−1)8.11部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(I−1)5.55部に1,4−ジオキサン28.26部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.73部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール293.89部とイオン交換水73.47部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.83部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.01部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が4.4×10の共重合体20.89部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン及びモノマー(I−1)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A3とする。
Figure 2013122041
実施例6〔樹脂A4の合成〕
モノマー(a1−1−2)7.45部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)1.77部、モノマー(a3−1−1)1.28部、モノマー(I−15)5.35部に1,4−ジオキサン30.45部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール320部とイオン交換水80部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン3.11部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.22部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が4.5×10の共重合体19.88部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−2)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−15)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A4とする。
Figure 2013122041
合成例1〔樹脂A5の合成〕
モノマー(a1−1−1)8.11部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(M−A)6.18部に1,4−ジオキサン28.90部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.73部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール300.52部とイオン交換水75.13部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.89部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.06部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が4.5×10の共重合体21.49部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン及びモノマー(M−A)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A5とする。
Figure 2013122041
実施例7〜10及び比較例1
<レジスト組成物の調製>
実施例3〜6及び合成例1で得られた樹脂A1〜樹脂A5;
以下に示す酸発生剤B1−11;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表1に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 2013122041
<樹脂>
A1:実施例3で得られた樹脂A1
A2:実施例4で得られた樹脂A2
A3:実施例5で得られた樹脂A3
A4:実施例6で得られた樹脂A4
A5:合成例1で得られた樹脂A5
<酸発生剤>
B1−11:
Figure 2013122041
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:
Figure 2013122041
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
γ−ブチロラクトン 5部
(電子線照射によるレジストパターンの製造及びその評価)
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理し、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして、組成物層を形成した。このように組成物層を形成したそれぞれのウェハに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
<ラインエッジラフネス評価(LER)>
80nmのラインアンドスペースパターンの線幅が1:1となる露光量で得られたレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンの側壁の凹凸の振れ幅(LER)が、
4.5nm以下であるものを○、
4.5nmを超えるものを×とした。
以上のようにして求められたラインエッジラフネス評価(LER)の結果を、上述の水準評価で表し、かつ、カッコ内にLER(nm)を数値で記した。その結果を表2に示す。
Figure 2013122041
本発明の化合物に由来する構造単位を有する樹脂を含むレジスト組成物を用いれば、ラインエッジラフネス(LER)に優れたレジストパターンを製造できる。

Claims (14)

  1. 式(I)で表される化合物。
    Figure 2013122041
    [式(I)中、
    は、単結合、*−X−、*−X−A−、*−X−A−X−又は*−X−A−X−A−(*は、Oとの結合手を表す。)を表す。
    は、*−A−X−A−、*−A−X−A−X−、*−A−X10−A10−X11−A11−又は*−A12−(*は、環Wとの結合手を表す。)を表す。
    、X、X、X、X、X、X、X、X、X10及びX11は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
    、A、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、酸素原子又は−CO−O−を表す。
    環Wは、炭素数6〜18の芳香族環を表す。
    環Wは、炭素数4〜18の脂肪族環を表し、前記脂肪族環を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。但し、前記脂肪族環に含まれるメチレン基の少なくとも1つは、カルボニル基に置き換わっている。
    は、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基を表す。
    は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    sは、0〜2の整数を表す。sが2のとき、複数存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
    tは、0〜2の整数を表す。tが2のとき、複数存在するRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
  2. 前記Lが、*−CHR−(Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。*は、Oとの結合手を表す。)である請求項1記載の化合物。
  3. 前記Lが、*−O−CH−CO−O−又は*−CO−O−(*は環Wとの結合手を表す。)である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 前記環Wが、ベンゼン環である請求項1〜3のいずれか記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の化合物に由来する構造単位を有する樹脂。
  6. さらに、酸に不安定な基を有するモノマー(但し、前記式(I)で表される化合物ではない)に由来する構造単位を有する請求項5記載の樹脂。
  7. 前記酸に不安定な基を有するモノマーが、式(a1−1)で表されるモノマー又は式(a1−2)で表されるモノマーである請求項6記載の樹脂。
    Figure 2013122041
    [式(a1−1)及び式(a1−2)中、
    a1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CHk1−CO−O−を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
    a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
    a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
    m1は0〜14の整数を表す。
    n1は0〜10の整数を表す。
    n1’は0〜3の整数を表す。]
  8. さらに、ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーに由来する構造単位を有する請求項5〜7のいずれか記載の樹脂。
  9. 前記ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーが、式(a2−1)で表されるモノマーである請求項8記載の樹脂。
    Figure 2013122041
    [式(a2−1)中、
    a3は、−O−又は*−O−(CHk2−CO−O−を表し、
    k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
    a14は、水素原子又はメチル基を表す。
    a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
    o1は、0〜10の整数を表す。]
  10. 請求項5〜9のいずれか記載の樹脂及び酸発生剤を含有するレジスト組成物。
  11. 前記酸発生剤が、式(B1)で表される請求項10記載のレジスト組成物。
    Figure 2013122041
    [式(B1)中、
    及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    は、有機カチオンを表す。]
  12. 式(B1)におけるYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である請求項11記載のレジスト組成物。
  13. さらに、塩基性化合物を含有する請求項10〜12のいずれか記載のレジスト組成物。
  14. (1)請求項10〜13のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程
    を含むレジストパターンの製造方法。
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