JP2013121912A - 強化ガラス基板及びガラス並びに強化ガラス基板の製造方法 - Google Patents

強化ガラス基板及びガラス並びに強化ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスのイオン交換性能と耐失透性を両立させることによって、機械的強度が高く、成形性に優れた強化ガラスを得ることを技術的課題とする。
【解決手段】本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%でSiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、強化ガラス基板に関するものであり、特に、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)、太陽電池のカバーガラス、あるいはタッチパネルディスプレイに好適な強化ガラス基板に関するものである。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA、あるいはタッチパネルディスプレイといったデバイスは、ますます普及する傾向にある。
従来、これらの用途ではディスプレイを保護するための保護部材としてアクリル等の樹脂が用いられていた。しかしアクリル樹脂ではヤング率が低いため、指などでディスプレイが押された場合にアクリル樹脂基板がたわみ、ディスプレイに接触して表示不良が発生する場合があった。また傷がつきやすく、視認性が悪化しやすくなるといった問題があった。これらの問題を解決するひとつの方法は保護部材としてガラス基板を用いる方法である。これらの保護部材に用いられるガラス基板には、(1)高い機械的強度を有すること、(2)低密度であること、(3)安価で多量に供給できること、(4)泡品位に優れることが求められる。(1)の要件を満たすため、従来イオン交換等で強化したガラス基板(所謂、強化ガラス基板)が用いられている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特開2006−83045号公報 泉谷徹朗等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451−498
非特許文献1には、ガラス組成中のAl含有量を増加させていくと、ガラスのイオン交換性能が向上し、ガラス基板の機械的強度を向上できることが記載されている。
しかし、ガラス組成中のAl含有量を増加させていくと、ガラスの耐失透性が悪化し、成形中にガラスが失透しやすくなり、ガラス基板の製造効率、品位等が悪化する。またガラスの耐失透性が悪いと、ロール成形等の方法でしか成形できず、表面精度の高いガラス板を得ることができない。それ故、ガラス板の成形後、別途研磨工程を付加しなければならない。しかしながらガラス基板を研磨すると、ガラス基板の表面に微小な欠陥が発生しやすくなり、ガラス基板の機械的強度を維持し難くなる。
このような事情から、ガラスのイオン交換性能と耐失透性を両立することが困難であり、ガラス基板の機械的強度を顕著に向上させることが困難となっていた。また、デバイスの軽量化を図るため、タッチパネルディスプレイ等のデバイスに用いられるガラス基板は、年々薄肉化されてきている。薄板のガラス基板は破損しやすいことから、ガラス基板の機械的強度を向上させる技術は益々重要となってきている。
そこで、本発明は、ガラスのイオン交換性能と耐失透性を両立させることによって、機械的強度が高く、成形性に優れた強化ガラス基板を得ることを技術的課題とする。
本発明者は、種々の検討を行った結果、Bを所定量含有させると共に、NaOとAlの含有量を規制することで、ガラスのイオン交換性能が向上し、表面圧縮応力を高めることができ、かつガラスの失透を抑制できることを見いだし、本発明を提案するに至った。
即ち、本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2であることを特徴とする。なお、特に断りのない限り、以下の説明において「%」は質量%を意味する。
また本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.8〜2であることを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜16.5%、B 0.01〜6%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.8〜1.5であることを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、SnOを0.01〜6%含有することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、TiO+ZrO 0.1〜15%含有することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、MgO+CaO+SrO+BaO 0.1〜10%を含有することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、化学的に強化されてなることを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、表面の圧縮応力が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上であって、ガラス基板内部の引っ張り応力が200MPa以下であることを特徴とする。ここで、「表面の圧縮応力」および「圧縮応力層の厚み」は、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。またガラス基板内部の引っ張り応力は以下の式によって計算されるものを表す。
“ガラス基板内部の引っ張り応力=(圧縮応力値×応力深さ)/(板厚−応力深さ×2)”
また本発明の強化ガラス基板は、未研磨の表面を有することを特徴とする。ここで「未研磨の表面」とはガラス基板の主表面(いわゆる表面と裏面)が研磨されていないということである。言い換えれば両表面が火造り面であるということを意味し、表面の平均表面粗さ(Ra)はSEMI D7−97「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定した場合に平均表面粗さ(Ra)は10Å以下、好ましくは5Å以下、より好ましくは2Å以下である。なお端面部については、面取り等の研磨処理がなされていてもよい。
また本発明の強化ガラス基板は、液相温度が1200℃以下であることを特徴とする。ここで、「液相温度」とは、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。
また本発明の強化ガラス基板は、液相粘度が104.0dPa・s以上であることを特徴とする。ここで、「液相粘度」とは、液相温度におけるガラスの粘度を指す。なお、液相粘度が高く、液相温度が低いほど、ガラスの耐失透性は優れ、ガラス基板の成形性に優れている。
また本発明の強化ガラス基板は、タッチパネルディスプレイに用いることを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、携帯電話のカバーガラスに用いることを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、太陽電池のカバーガラスに用いることを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板は、ディスプレイの保護部材として用いられることを特徴とする。
また本発明のガラスは、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2であることを特徴とする。
また本発明のガラスは、SnOを0.01〜6%含有することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2のガラス組成となるように調合したガラス原料を溶融し、ガラスを板状に成形した後、イオン交換処理を施すことによって、ガラス表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、SnOを0.01〜6%含有することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ダウンドロー法にて板状に成形することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、オーバーフローダウンドロー法にて板状に成形することを特徴とする。
本発明の強化ガラス基板は、イオン交換性能の高いガラスにて作製される。また耐失透性に優れるガラスにて作製されるため、オーバーフローダウンドロー法等を採用することが可能である。それゆえ成形後の研磨が不要であり、研磨により生じる微小欠陥がない。それゆえ機械的強度が高いという効果がある。
さらに研磨工程を行うことなく作製可能であるため、製造コストが低減でき、安価に供給することが可能である。
それゆえ、本発明の強化ガラス基板は、タッチパネルディスプレイ、携帯電話のカバーガラス、太陽電池のカバーガラス、ディスプレイの保護部材等に好適に使用できる。なおタッチパネルディスプレイは、携帯電話、デジタルカメラ、PDA等に搭載されている。モバイル用途のタッチパネルディスプレイでは、軽量化、薄型化、高強度化の要請が強く、薄型で機械的強度が高いガラス基板が要求されている。その点、本発明の強化ガラス基板は、板厚を薄くしても、実用上、十分な機械的強度を有するため、モバイル用途に好適である。
また本発明のガラスは、高いイオン交換性能を有している。また耐失透性に優れるため、オーバーフローダウンドロー法等で成形可能である。
それゆえ本発明のガラスを用いれば、機械的強度が高い強化ガラス基板を安価に作製可能である。
また本発明の強化ガラスの製造方法は、イオン交換性能が高く、且つ耐失透性に優れるガラスを用いるものであるため、機械的強度が高い強化ガラス基板を安価に作製可能である。
本発明の強化ガラス基板は、その表面に圧縮応力層を有する。ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成する方法には、物理強化法と化学強化法がある。本発明の強化ガラス基板は、化学強化法で圧縮応力層を形成することが好ましい。化学強化法は、ガラスの歪点以下の温度でイオン交換によりガラス基板の表面にイオン半径の大きいアルカリイオンを導入する方法である。化学強化法で圧縮応力層を形成すれば、ガラス基板の板厚が薄くても、良好に強化処理を施すことができ、所望の機械的強度を得ることができる。さらに、ガラス基板に圧縮応力層を形成した後にガラス基板を切断しても、風冷強化法等の物理強化法で強化されたガラス基板のように容易に破壊することがない。
イオン交換の条件は、特に限定されず、ガラスの粘度特性等を考慮して決定すればよい。特に、KNO溶融塩中のKイオンをガラス基板中のNa成分とイオン交換すると、ガラス基板の表面に圧縮応力層を効率良く形成することができるため好ましい。
本発明の強化ガラス基板において、ガラス組成を上記範囲に限定した理由を以下に説明する。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分であり、その含有量は40〜75%、好ましくは50〜70%、40〜70%、45〜65%、特に49〜60%である。SiOの含有量が多くなり過ぎると、ガラスの溶融、成形が難しくなったり、熱膨張係数が小さくなり過ぎたりして、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなる。またガラスの熱膨張係数が大きくなり、ガラスの耐熱衝撃性が低下しやすくなる。
Alはイオン交換性能を高める成分である。またガラスの歪点およびヤング率を高くする効果もあり、その含有量は10〜20%である。Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出しやすくなってオーバーフローダウンドロー法等による成形が困難になる。またガラスの熱膨張係数が小さくなり過ぎて周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなったり、ガラスの高温粘性が高くなり溶融し難くなったりする。Alの含有量が少な過ぎると、十分なイオン交換性能を発揮できない虞が生じる。従ってAlの好適な範囲は、10〜17.5%、さらに10〜16.5%、12〜16.5%、12〜16%、12〜15.5%、特に13〜15%である。
は、ガラスの高温粘度及び密度を低下させると共に、ガラスのイオン交換性能、特に圧縮応力値を向上させる効果がある。さらにガラスを安定化させて結晶を析出させにくくし、ガラスの液相温度を低下させる効果がある。しかしながらBが多くなりすぎると、イオン交換によってヤケと呼ばれるガラス表面の着色が発生したり、ガラスの耐水性が低下したり、圧縮応力層の深さが小さくなるため好ましくない。従ってBの含有量は、0.01〜8%、好ましくは0.01〜6%、0.1〜4%、0.5〜4%、特に1〜3%である。
LiOは、イオン交換成分であるとともに、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を向上させる成分である。さらにLiOは、ガラスのヤング率を向上させる効果がある成分である。またLiOはアルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を高める効果が高い。しかしLiOの含有量が多くなり過ぎると液相粘度が低下してガラスが失透しやすくなる。またガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎて、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなったりする。さらに、低温粘性が低下しすぎて応力緩和が起こりやすくなると、かえって圧縮応力値が低くなる場合がある。従ってLiOの含有量は0〜5%であり、さらに0〜4%、0〜2%、0〜1%、0〜0.5%、0〜0.1%であることが好ましく、実質的に含有しないこと、つまり0.01%未満に抑えることが最も好ましい。
NaOは、イオン交換成分であるとともに、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を向上させる効果がある。また、NaOは、ガラスの耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量は10〜20%であるが、より好適な含有量は、10〜19%、12〜19%、12〜18%、12〜17%、13〜17%、特に14〜17%である。NaOの含有量が多くなり過ぎると、ガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎて、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなったりする。また歪点が低下しすぎたり、ガラス組成のバランスを欠き、かえってガラスの耐失透性が悪化する傾向がある。一方、NaOの含有量が少ないと、溶融性が悪化したり、熱膨張係数が小さくなりすぎたり、イオン交換性能が悪化したりする。
MgOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高めたりする成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を向上させる効果が高い。MgOの含有量は0〜10%である。しかし、MgOの含有量が多くなると、ガラスの密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透しやすくなったりする傾向がある。したがって、その含有量は、0〜6%、0〜4%、0〜3.5%、0.01〜3.5%、0.5〜3.5%、1〜3.5%とすることが望ましい。
CaOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高めたりする成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を向上させる効果が高い。CaOの含有量は0〜4%である。しかし、CaOの含有量が多くなると、ガラスの密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透しやすくなったり、更にはイオン交換性能が悪化する傾向がある。したがって、その含有量は、0〜3%、0.1〜3%、0.5〜3%、特に1〜3%とすることが望ましい。
SrO及びBaOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を向上させたり、歪点やヤング率を高めたりする成分であるが、これらの合量を10%以下に抑えることによって、効果的にイオン交換性能を向上させることができる。つまりSrOとBaOは、イオン交換反応を阻害する作用を有するため、これらの成分を多量に含有すると、機械的強度の向上が困難となる。SrO+BaOの好ましい範囲は、0〜5%、0〜3%、0〜2.5%、0〜2%、0〜1%、特に0〜0.1%である。
またSrO及びBaOの含有量は、各々0〜5%にすることが好ましい。SrOやBaOの含有量が多くなると、イオン交換性能が悪化すると共に、ガラスの密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透しやすくなる。SrOの含有量は、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下であることが望ましい。またBaOの含有量は、2.5%以下、2%以下、1%以下、0.8%以下、0.5%以下、特に0.1%以下が望ましい。
TiOは、イオン交換性能を向上させる効果がある成分である。またガラスの高温粘度を低下させる効果があるが、その含有量が多くなりすぎると、ガラスが着色したり、失透しやすくなる。従って、その含有量は、0〜10%、好ましくは0〜8%、0.5〜7%、1〜6%、2〜6%、特に3〜6%である。
ZrOは、イオン交換性能を顕著に向上させると共にガラスの液相粘度付近の粘性や歪点を高くする効果があるが、その含有量が多くなりすぎると、耐失透性が著しく低下する。従って、その含有量は、0〜10%、好ましくは0〜8%、0.5〜7%、1〜6%、2〜6%、特に3〜6%である。
本発明においては、イオン交換性能向上の観点から、ZrOとTiOを合量で0.1〜15%(好ましくは1〜12%、より好ましくは3〜10%)含有させることが望ましいが、TiO源、ZrO源として試薬を用いても良いし原料等に含まれる不純物から含有させても良い。
は、ガラスのイオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力厚みを大きくする効果を有している。しかし、Pの含有量が多くなると、ガラスが分相したり、耐水性が低下するため、その含有量は10%以下、8%以下、5%以下、4%以下、特に3%以下にすることが望ましい。
また本発明は、質量比でNaO/Alの比が、0.7〜2であることを特徴とする。すなわち、この比が、0.7より小さくなると、ガラスが失透しやすくなる。一方、2より大きくなると、ガラスのイオン交換性能が低下する。また熱膨張係数が大きくなりすぎて、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。また歪点が低下したり、ガラス組成のバランスを欠き、ガラスの耐失透性が低下する傾向がある。NaO/Alの比の好ましい範囲は、0.8〜2であり、より好ましくは0.8〜1.5であり、さらに0.85〜1.5、さらに1〜1.4、さらに1.1〜1.4.さらに0.9〜1.4、さらに1〜1.4であり、特に1.1〜1.4の範囲が望ましい。
本発明の強化ガラス基板は、上記成分から構成されるが、ガラスの特性を損なわない範囲で、以下の成分を添加することができる。
Oは、イオン交換を促進する効果があり、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力層の深さを深くする効果が高い。またガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高める効果がある。また、KOは、耐失透性を改善する成分でもある。しかしながらKOの含有量が多過ぎると、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなったりする。さらに歪点が低下したり、ガラス組成のバランスを欠き、かえってガラスの耐失透性が悪化する傾向がある。従って、その含有量は、0〜15%、好ましくは、0.1〜12%、0.5〜10%、1〜8%、特に1〜6%である。
またアルカリ金属酸化物RO(RはLi、Na、Kから選ばれる1種以上)の含有量が多くなり過ぎると、ガラスが失透しやすくなることに加えて、ガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎて、ガラスの耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなったりする。またガラスの歪点が低下し過ぎて、高い圧縮応力値が得られにくくなる場合がある。さらに液相温度付近の粘性が低下し、高い液相粘度を確保することが困難となる場合がある。従ってROは10〜25%、好ましくは13〜22%、さらに15〜20%、特に16.5〜20%含有することが望ましい。
またKO/NaOの質量比の範囲は、0〜2であることが好ましい。KO/NaOの比を変化させることで圧縮応力値の大きさと応力層の深さを変化させることが可能である。圧縮応力値を高く設定したい場合には0〜0.5、好ましくは0〜0.3、より好ましくは0〜0.2の範囲に設定することが望ましい。一方、圧縮応力層の厚みをより深くした場合には0.5〜2、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは1.2〜2、最も好ましくは1.5〜2にすることが望ましい。この比が、2より大きくなるとガラスの組成のバランスを欠いて失透しやすくなったり、高温粘度が高くなり、溶融性が低下したり、高い圧縮応力値が得られがたくなる。
アルカリ土類金属酸化物R’O(R’はMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上)が多くなると、ガラスの密度や熱膨張係数が高くなったり、耐失透性が悪化したりすることに加えて、イオン交換性能が悪化する傾向がある。それ故、アルカリ土類金属酸化物R’Oの合量は、0.1〜10%、好ましくは1〜8%、より好ましくは1.5〜8%、さらに好ましくは2〜6%、最も好ましくは2〜5%である。
またZnOは、ガラスのイオン交換性能を高める成分であり、特に、圧縮応力値を高くする効果が大きい。またガラスの低温粘性を低下させずに高温粘性を低下させる効果を有する成分である。しかし、ZnOの含有量が多くなると、ガラスが分相したり、失透性が悪化したり、密度が高くなったり、圧縮応力層の厚みが小さくなる傾向がある。従って、その含有量は0〜4%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%、さらに好ましくは0〜0.5%である。
またR’Oの合量をROの合量で除した値が大きくなると、ガラスの耐失透性が悪化する傾向が現れる。それ故、質量分率でR’O/ROの値を0.5以下、0.4以下、0.3以下に規制することが望ましい。
またSnOは、ガラスの清澄剤として働くと共に、イオン交換性能をより向上させる効果があるが、その含有量が多くなるとSnOに起因する失透が発生したり、ガラスが着色しやすくなる傾向がある。従って、0.01〜6%、0.01〜3%、特に0.1〜1%含有することが望ましい。
また清澄剤としてAs、Sb、CeO、SnO、F、Cl、SOの群から選択された一種または二種以上を0〜3%含有させてもよい。ただし、As及びF、特にAsは環境に対する配慮から、使用は極力控えるべきであり、実質的に含有しないことが望ましい。ここで「実質的に含有しない」とは、積極的に原料として用いず、不純物として混入するレベルであることを意味し、含有量としては0.1%未満となる。従って本発明において好ましい清澄剤の含有量はSnO+CeO+Cl 0.001〜1%、好ましくは0.01〜0.5%、より好ましくは0.05〜0.4%である。また上記したようにSnOにはイオン交換性能を向上させる効果もあるため、清澄効果とイオン交換性能向上効果を同時に得るためにSnO 0.01〜3%、好ましくは0.01〜1.5、より好ましくは0.1〜1%含有することが好ましい。ただし清澄剤としてSnO2を使用すると、ガラスが着色する場合がある。そのためガラスの透過率を高く保つ必要がある場合には、清澄剤としてSbやSOを使用しても良い。具体的には、Sb 0.01〜6%、好ましくは0.01〜3%を含有したり、SO 0.001〜6%、好ましくは0.001〜3%を含有すれば良い。またイオン交換性能を向上させながらガラスの着色を抑制するという観点では、SnO+Sb+SOを共存させ、これらを合量で0.01〜10%含有させることが望ましい。
またNbやLa等の希土類酸化物は、ガラスのヤング率を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に含有させると耐失透性が悪化する。それ故、それらの含有量は、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下に制限することが望ましい。
なお、本発明において、Co、Ni等のガラスを強く着色するような遷移金属元素は、ガラス基板の透過率を低下させるため好ましくない。特に、タッチパネルディスプレイ用途に用いる場合、遷移金属元素の含有量が多いと、タッチパネルディスプレイの視認性が損なわれる。具体的には0.5%以下、0.1%以下、特に0.05%以下となるよう、原料あるいはカレットの使用量を調整することが望ましい。
また、PbO、Bi等の物質は環境に対する配慮から、使用は極力控えるべきであり、実質的に含有しないことが望ましく、その場合の含有量は、各々0.1%未満となる。
本発明の強化ガラス基板は、各成分の好適な含有範囲を適宜選択し、好ましいガラス組成範囲とすることができる。その中でも、より好適なガラス組成範囲の例は以下の通りである。
(1)質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%、R′O 1.5〜8%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.8〜2であるガラス組成。
(2)質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%、R′O 1.5〜8%、SnO 0.01〜6%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.8〜2であるガラス組成。
(3)質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜16%、B 0.1〜4%、LiO 0〜2%、NaO 12〜18%、MgO 0〜3%、CaO 0〜3%、SrO+BaO 0〜4%、ZnO 0〜1%、P 0〜10%、TiO 0〜8%、ZrO 0〜8%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.9〜1.4であるガラス組成。
(4)質量%で、SiO 50〜70%、Al 12〜16%、B 1〜3%、LiO 0〜2%、NaO 14〜18%、KO 1〜5%、MgO 0.5〜3%、CaO 0.5〜3%、SrO+BaO 0〜2%、ZnO 0〜1%、P 0〜5%、TiO 0〜5%、ZrO 0〜5%を含有し、質量比でNaO/Al比が1〜1.3であるガラス組成。
(5)質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%、Sb 0.01〜6%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であるガラス組成。
(6)質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%、SO 0.001〜6%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であるガラス組成。
(7)質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%、SnO+Sb 0.01〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であるガラス組成。
(8)質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%、SnO+Sb+SO 0.01〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であるガラス組成。
本発明の強化ガラス基板は、下記の特性を満足することが好ましい。
本発明の強化ガラス基板は、上記ガラス組成を有するとともに、ガラス表面に圧縮応力層を有している。圧縮応力層の圧縮応力は、600MPa以上、800MPa以上が好ましく、1000MPa以上がより好ましく、1200MPa以上が更に好ましく、1300MPa以上が更に好ましい。圧縮応力が大きくなるにつれて、ガラス基板の機械的強度が高くなる。一方、ガラス基板表面に極端に大きな圧縮応力が形成されると、基板表面にマイクロクラックが発生し、かえってガラスの強度が低下する虞がある。また、ガラス基板に内在する引っ張り応力が極端に高くなる恐れがあるため、2500MPa以下とするのが好ましい。なお圧縮応力が大きくなるようにするには、Al、TiO、ZrO、MgO、ZnO、の含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減したりすればよい。またイオン交換に要する時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げればよい。
圧縮応力層の厚みは、10μm以上が好ましく、15μm以上が最も好ましい。圧縮応力層の厚みが大きい程、ガラス基板に深い傷がついても、ガラス基板が割れにくくなる。一方、ガラス基板が切断しにくくなるため、圧縮応力層の厚みは500μm以下とするのが好ましい。なお圧縮応力層の厚みを大きくするには、KO、Pの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減したりすればよい。またイオン交換に要する時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を高めたりすればよい。
また“ガラス基板内部の引っ張り応力=(圧縮応力値×応力深さ)/(板厚−応力深さ×2)”で計算されるガラス内部の引っ張り応力は200MPa以下(好ましくは150MPa以下、より好ましくは100MPa以下、更に好ましくは50MPa以下)である。この値が小さくなるほどガラス基板内部の欠陥によってガラスが破損にいたる恐れが少なくなるが、極端に小さくしすぎると、ガラス表面の圧縮応力値の低下や、応力深さが低下することを意味するため、1MPa以上、10MPa以上、15MPa以上であることが好ましい。
本発明の強化ガラス基板は、板厚が3.0mm、1.5mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、特に0.3mm以下であることが好ましい。ガラス基板の板厚が薄い程、ガラス基板を軽量化することできる。また、本発明の強化ガラス基板は、板厚を薄くしても、ガラス基板が破壊しにくい利点を有している。なおガラスの成形をオーバーフローダウンドロー法で行う場合、ガラスの薄肉化を研磨等を行うことなく達成できるため有利である。
本発明の強化ガラス基板は、未研磨の表面を有することが好ましく、未研磨の表面の平均表面粗さ(Ra)は10Å以下、好ましくは5Å以下、より好ましくは2Å以下である。尚、表面の平均表面粗さ(Ra)はSEMI D7−97「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定すればよい。ガラスの理論強度は本来非常に高いのであるが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラス基板の表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥がガラスの成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。それ故、強化ガラス基板の表面を未研磨とすれば、本来のガラス基板の機械的強度を損ない難くなり、ガラス基板が破壊し難くなる。また、ガラス基板の表面を未研磨とすれば、ガラス基板の製造工程で研磨工程を省略できるため、ガラス基板の製造コストを下げることができる。本発明の強化ガラス基板において、ガラス基板の両面全体を未研磨とすれば、ガラス基板が更に破壊し難くなる。また、本発明の強化ガラス基板において、ガラス基板の切断面から破壊に至る事態を防止するため、ガラス基板の切断面に面取り加工等を施してもよい。なお、未研磨の表面を得るためには、ガラスの成形をオーバーフローダウンドロー法で行えばよい。
本発明の強化ガラス基板は、ガラスの液相温度が1200℃以下、1050℃以下、1030℃以下、1010℃以下、1000℃以下であることが好ましく、950℃以下が特に好ましい。ここで、「液相温度」とは、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。なお液相温度を低下させるには、NaO、KO、Bの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減したりすればよい。
本発明の強化ガラス基板は、ガラスの液相粘度は、104.0dPa・s以上が好ましく、104.3dPa・s以上がより好ましく、104.5dPa・s以上が更に好ましく、105.0dPa・s以上が特に好ましく、105.4dPa・s以上が最も好ましい。ここで、「液相粘度」とは、液相温度におけるガラスの粘度を指す。なお液相粘度を上昇させるには、NaO、KOの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減したりすればよい。
なお、液相粘度が高く、液相温度が低いほど、ガラスの耐失透性は優れるとともに、ガラス基板の成形性に優れている。そしてガラスの液相温度が1200℃以下で、ガラスの液相粘度は、104.0dPa・s以上であれば、オーバーフローダウンドロー法で成形可能である。
本発明の強化ガラス基板は、ガラスの密度が2.8g/cm以下であることが好ましく、2.7g/cm以下がより好ましく、2.6g/cm以下が更に好ましい。ガラスの密度が小さい程、ガラス基板の軽量化を図ることができる。ここで、「密度」とは、周知のアルキメデス法で測定した値を指す。なおガラスの密度を低下させるには、SiO、P、Bの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO、TiOの含有量を低減したりすればよい。
本発明の強化ガラス基板は、30〜380℃の温度範囲におけるガラスの熱膨張係数が70〜110×10−7/℃であることが好ましく、75〜100×10−7/℃であることがより好ましく、80〜100×10−7/℃であることが更に好ましく、85〜96×10−7/℃であることが特に好ましい。ガラスの熱膨張係数を上記範囲とすれば、金属、有機系接着剤等の部材と熱膨張係数が整合しやすくなり、金属、有機系接着剤等の部材の剥離を防止することができる。ここで、「熱膨張係数」とは、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を測定した値を指す。なお熱膨張係数を上昇させるには、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を増加さればよく、逆に低下させるには、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を低減すればよい。
本発明の強化ガラス基板は、歪点が500℃以上であることが好ましく、540℃以上がより好ましく、550℃以上がより好ましく、560℃以上がさらに好ましい。ガラスの歪点が高いほどガラスの耐熱性が優れることなり、強化ガラス基板に熱処理を施したとしても、強化層が消失しがたくなる。またガラスの歪点が高いとイオン交換中に応力緩和が起こりにくくなるため高い圧縮応力値を得ることが可能になる。ガラスの歪点を高くするためにはアルカリ金属酸化物の含有量を低減させたり、アルカリ土類金属酸化物、Al、ZrO、Pの含有量を増加させればよい。
本発明の強化ガラス基板は、ガラスの高温粘度102.5dPa・sに相当する温度が1500℃以下が好ましく、1450℃以下がより好ましく、1430℃以下がより好ましく、1420℃以下がより好ましく、1400℃以下が更に好ましい。ガラスの高温粘度102.5dPa・sに相当する温度が低い程、溶融窯等のガラスの製造設備への負担が小さいとともに、ガラス基板の泡品位を向上させることができる。つまり、ガラスの高温粘度102.5dPa・sに相当する温度が低い程、ガラス基板を安価に製造することができる。なお、ガラスの高温粘度102.5dPa・sに相当する温度は、ガラスの溶融温度に相当しており、ガラスの高温粘度102.5dPa・sに相当する温度が低いほど、低温でガラスを溶融することができる。なお102.5dPa・sに相当する温度を低下させるには、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すればよい。
また本発明のガラスは、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2であることを特徴とし、好ましくは、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.8〜2であることを特徴とし、さらに好ましくは、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜16.5%、B 0.01〜6%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.8〜1.5であることを特徴とする。
本発明のガラスにおいて、ガラス組成を上記範囲に限定した理由および好ましい範囲は、既述の強化ガラス基板と同様であるため、ここではその記載を省略する。さらに、本発明のガラスは、当然のことながら、既述の強化ガラス基板の特性、効果を有している。
本発明のガラスは、430℃のKNO溶融塩中で4時間イオン交換したとき、表面の圧縮応力が600MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上になることが好ましい。本発明のガラスは、ガラス組成を上記範囲に規制しているため、イオン交換性能が良好であり、容易に表面の圧縮応力を600MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みを10μm以上とすることができる。
本発明に係るガラスは、上記組成範囲内のガラス組成となるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を1500〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で溶融ガラスを板状に成形し、徐冷することにより製造することができる。
成形は、オーバーフローダウンドロー法を採用することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形すれば、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を製造することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラス基板の表面となるべき面は桶状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されることにより、無研磨で表面品位が良好なガラス基板を成形できるからである。ここで、オーバーフローダウンドロー法は、溶融状態のガラスを耐熱性の桶状構造物の両側から溢れさせて、溢れた溶融ガラスを桶状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を製造する方法である。桶状構造物の構造や材質は、ガラス基板の寸法や表面精度を所望の状態とし、ガラス基板に使用できる品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うためにガラス基板に対してどのような方法で力を印加するものであってもよい。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラス基板に接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラス基板の端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。本発明のガラスは、耐失透性が優れるとともに、成形に適した粘度特性を有しているため、オーバーフローダウンドロー法による成形を精度よく実行することができる。なお、液相温度が1200℃以下、液相粘度が104.0dPa・s以上であれば、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を製造することができる。
なおオーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の方法を採用することができる。例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、フロート法、ロールアウト法、プレス法等の様々な成形方法を採用することができる。例えばプレス法でガラスを成形すれば、小型のガラス基板を効率良く製造することができる。
本発明の強化ガラス基板を製造するには、まず上記ガラスを用意する。次いで強化処理を施す。ガラス基板を所定サイズに切断するのは、強化処理の前でもよいが、強化処理後に行う方が製造コストを低減できるため好ましい。強化処理は、イオン交換処理にて行うことが望ましい。イオン交換処理は、例えば400〜550℃の硝酸カリウム溶液中にガラス板を1〜8時間浸漬することによって行うことができる。イオン交換条件は、ガラスの粘度特性や、用途、板厚、ガラス内部の引っ張り応力等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜9)のガラス組成と特性を示すものである。尚、表中の「未」の表示は、未測定を意味している。
表1の各試料は次のようにして作製した。まず、表中のガラス組成となるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1580℃で8時間溶融した。その後、溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して板状に成形した。得られたガラス基板について、種々の特性を評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した。
歪点Ps、徐冷点Taは、ASTM C336の方法に基づいて測定した。
軟化点Tsは、ASTM C338の方法に基づいて測定を行った。
ガラスの粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sに相当する温度は、白金球引き上げ法で測定した。
熱膨張係数αは、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を測定したものである。
液相温度は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定したものである。
液相粘度は、液相温度における各ガラスの粘度を示す。
その結果、得られたガラス基板は、密度が2.59g/cm以下、熱膨張係数が92〜98×10−7/℃、強化ガラス素材として好適であった。また液相粘度が104.9dPa・s以上と高くオーバーフローダウンドロー成形が可能であり、しかも102.5dPa・sにおける温度が1482℃以下と低いので、生産性が高く安価に大量のガラス基板を供給できるものと考えられる。なお、未強化ガラス基板と強化ガラス基板は、ガラス基板の表層において微視的にガラス組成が異なっているものの、ガラス基板全体としてガラス組成が実質的に相違していない。したがって、密度、粘度などの特性値については未強化ガラス基板と強化ガラス基板は、上記特性が実質的に相違していない。続いて試料No.1〜9の各ガラス基板の両表面に光学研磨を施した後、イオン交換処理を行った。処理を終えた各試料は表面を洗浄した後、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から表面の圧縮応力値と圧縮応力層の厚みを算出した。算出に当たり、試料の屈折率は1.53、光学弾性定数は28[(nm/cm)/MPa]とした。
その結果、本発明の実施例である試料No.1〜9の各ガラス基板は、その表面に802MPa以上の圧縮応力が発生しており、且つその厚みは15μm以上と深かった。また、板厚0.5mmの基板において内部の引っ張り応力は59MPa以下と低かった。
なお、上記実施例は、本発明の説明の便宜上、ガラスを溶融し、流し出しによる成形を行った後、イオン交換処理前に光学研磨を行った。工業的規模で実施する場合には、オーバーフローダウンドロー法等でガラス基板を成形し、ガラス基板の両表面が未研磨の状態でイオン交換処理することが望ましい。
本発明の強化ガラス基板は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA等のカバーガラス、あるいはタッチパネルディスプレイ等のガラス基板として好適である。また、本発明の強化ガラス基板は、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、太陽電池用カバーガラス、固体撮像素子用カバーガラス、食器への応用が期待できる。
即ち、本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2であり、強化後切断に用いることを特徴とする。なお、特に断りのない限り、以下の説明において「%」は質量%を意味する。
また本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.8〜2であり、強化後切断に用いることが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜16.5%、B 0.01〜6%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.8〜1.5であり、強化後切断に用いることが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、SnOを0.01〜6%含有することが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、TiO+ZrO 0.1〜15%含有することが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、MgO+CaO+SrO+BaO 0.1〜10%を含有することが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、化学的に強化されてなることが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、表面の圧縮応力が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上であって、ガラス基板内部の引っ張り応力が200MPa以下であることが好ましい。ここで、「表面の圧縮応力」および「圧縮応力層の厚み」は、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。またガラス基板内部の引っ張り応力は以下の式によって計算されるものを表す。
“ガラス基板内部の引っ張り応力=(圧縮応力値×応力深さ)/(板厚−応力深さ×2)”
また本発明の強化ガラス基板は、未研磨の表面を有することが好ましい。ここで「未研磨の表面」とはガラス基板の主表面(いわゆる表面と裏面)が研磨されていないということである。言い換えれば両表面が火造り面であるということを意味し、表面の平均表面粗さ(Ra)はSEMI D7−97「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定した場合に平均表面粗さ(Ra)は10Å以下、好ましくは5Å以下、より好ましくは2Å以下である。なお端面部については、面取り等の研磨処理がなされていてもよい。
また本発明の強化ガラス基板は、液相温度が1200℃以下であることが好ましい。ここで、「液相温度」とは、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。
また本発明の強化ガラス基板は、液相粘度が104.0dPa・s以上であることが好ましい。ここで、「液相粘度」とは、液相温度におけるガラスの粘度を指す。なお、液相粘度が高く、液相温度が低いほど、ガラスの耐失透性は優れ、ガラス基板の成形性に優れている。
また本発明の強化ガラス基板は、タッチパネルディスプレイに用いることが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、携帯電話のカバーガラスに用いることが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、太陽電池のカバーガラスに用いることが好ましい
また本発明の強化ガラス基板は、ディスプレイの保護部材として用いられることが好ましい
また本発明のガラスは、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2であり、強化後切断に用いることを特徴とする。
また本発明のガラスは、SnOを0.01〜6%含有することが好ましい
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/KO比が0.7〜2のガラス組成となるように調合したガラス原料を溶融し、ガラスを板状に成形した後、イオン交換処理を施すことによって、ガラス表面に圧縮応力層を形成した後、得られた強化ガラス基板を所定サイズに切断することを特徴とする。
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、SnOを0.01〜6%含有することが好ましい
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ダウンドロー法にて板状に成形することが好ましい
また本発明の強化ガラス基板の製造方法は、オーバーフローダウンドロー法にて板状に成形することすることが好ましい
本発明の強化ガラス基板は、その表面に圧縮応力層を有する。ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成する方法には、物理強化法と化学強化法がある。本発明の強化ガラス基板は、化学強化法で圧縮応力層を形成することが好ましい。化学強化法は、ガラスの歪点以下の温度でイオン交換によりガラス基板の表面にイオン半径の大きいアルカリイオンを導入する方法である。化学強化法で圧縮応力層を形成すれば、ガラス基板の板厚が薄くても、良好に強化処理を施すことができ、所望の機械的強度を得ることができる。さらに、ガラス基板に圧縮応力層を形成した後にガラス基板を切断する場合に、風冷強化法等の物理強化法で強化されたガラス基板のように容易に破壊することがない。
圧縮応力層の厚みは、10μm以上が好ましく、15μm以上が最も好ましい。圧縮応力層の厚みが大きい程、ガラス基板に深い傷がついても、ガラス基板が割れにくくなる。一方、ガラス基板が切断しにくくなるため、圧縮応力層の厚みは500μm以下、特に27MPa以下とするのが好ましい。なお圧縮応力層の厚みを大きくするには、KO、Pの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減したりすればよい。またイオン交換に要する時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を高めたりすればよい。
また“ガラス基板内部の引っ張り応力=(圧縮応力値×応力深さ)/(板厚−応力深さ×2)”で計算されるガラス内部の引っ張り応力は200MPa以下(好ましくは150MPa以下、より好ましくは100MPa以下、より好ましくは59MPa以下、更に好ましくは50MPa以下)である。この値が小さくなるほどガラス基板内部の欠陥によってガラスが破損にいたる恐れが少なくなるが、極端に小さくしすぎると、ガラス表面の圧縮応力値の低下や、応力深さが低下することを意味するため、1MPa以上、10MPa以上、15MPa以上であることが好ましい。
本発明の強化ガラス基板を製造するには、まず上記ガラスを用意する。次いで強化処理を施す。ガラス基板を所定サイズに切断するのは、強化処理後に行う。このようにすれば、強化ガラス基板の製造コストを低減することができる。強化処理は、イオン交換処理にて行うことが望ましい。イオン交換処理は、例えば400〜550℃の硝酸カリウム溶液中にガラス板を1〜8時間浸漬することによって行うことができる。イオン交換条件は、ガラスの粘度特性や、用途、板厚、ガラス内部の引っ張り応力等を考慮して最適な条件を選択すればよい。

Claims (21)

  1. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であることを特徴とする強化ガラス基板。
  2. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜17.5%、B 0.01〜8%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.8〜2であることを特徴とする請求項1記載の強化ガラス基板。
  3. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜16.5%、B 0.01〜6%、LiO 0〜4%、NaO 10〜20%、MgO 0〜6%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜7%、P 0〜10%、TiO 0〜10%、ZrO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.8〜1.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の強化ガラス基板。
  4. SnO 0.01〜6%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  5. TiO+ZrO 0.1〜15%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  6. MgO+CaO+SrO+BaO 0.1〜10%を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  7. 化学的に強化されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  8. 表面の圧縮応力が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上であって、ガラス基板内部の引っ張り応力が200MPa以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  9. 未研磨の表面を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  10. 液相温度が1200℃以下のガラスからなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  11. 液相粘度が104.0dPa・s以上のガラスからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  12. タッチパネルディスプレイに用いられることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  13. 携帯電話のカバーガラスに用いられることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  14. 太陽電池のカバーガラスに用いられること特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  15. ディスプレイの保護部材として用いられることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の強化ガラス基板。
  16. 質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であることを特徴とするガラス。
  17. SnO 0.01〜6%を含有することを特徴とする請求項16記載のガラス。
  18. 質量%で、SiO 40〜75%、Al 10〜20%、B 0.01〜8%、LiO 0〜5%、NaO 10〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜4%、SrO+BaO 0〜10%を含有し、質量比でNaO/Al比が0.7〜2であるガラス組成となるように調合したガラス原料を溶融し、ガラスを板状に成形した後、イオン交換処理を施すことによって、ガラス表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする強化ガラス基板の製造方法。
  19. SnO 0.01〜6%を含有することを特徴とする請求項18記載の強化ガラス基板の製造方法。
  20. ダウンドロー法にてガラスを板状に成形することを特徴とする請求項18又は19記載の強化ガラス基板の製造方法。
  21. オーバーフローダウンドロー法にてガラスを板状に成形することを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
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