JP2013121162A - コンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器およびコンデンサマイクロホン - Google Patents

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Abstract

【課題】振動や衝撃によって真空管の内蔵部品が変位することによる振動雑音の出力を打ち消すことができるコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器およびコンデンサマイクロホンを得る。
【解決手段】2個一対のコンデンサマイクロホンユニットの出力インピーダンスを低インピーダンスに変換する2個一対の真空管21,22を備え、2個一対の真空管21,22が2個一対のコンデンサマイクロホンユニットによる電気音響変換信号を平衡出力するように接続されたコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。2個一対の真空管21,22は、同一仕様の真空管であり、同じ向きに並列に並べられて一体に結合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空管を用いたコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器およびコンデンサマイクロホンに関するもので、真空管が物理的に振動することによって発生する雑音を低減することを目的とするものである。
コンデンサマイクロホンは有効静電容量が小さく、出力インピーダンスが高いため、周波数応答を低周波数領域まで確保するには、コンデンサマイクロホンの出力信号を高い入力インピーダンスで受ける必要がある。また、コンデンサマイクロホンの出力信号を、ケーブルなどを経由して増幅器などに入力するためには、コンデンサマイクロホンの出力インピーダンスを低くする必要がある。そこで、コンデンサマイクロホンには、高い入力インピーダンスと低い出力インピーダンスを持つインピーダンス変換器が内蔵されている。コンデンサマイクロホンに内蔵されているインピーダンス変換素子としては、電界効果トランジスタ(FET)が広く用いられている。
コンデンサマイクロホンの音質をより高めるために、また、最大出力レベルを高めるために、インピーダンス変換素子として真空管(電子管ともいわれる)を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、実施例の一つとして、プレート接地された増幅管と、この増幅管のグリッドに加えるバイアス電圧を発生するバイアス回路とを有するインピーダンス変換器において、上記バイアス回路が、上記増幅管のグリッドに向けて電流を流すようにバイアス電圧を上記グリッドに加える第1のダイオードと、第1のダイオードと逆向きにして並列に接続された第2のダイオードと、上記増幅管のカソードから負荷抵抗に向けて電流を流すように、カソードと負荷抵抗との間に接続された第3のダイオードとを備え、上記増幅管に流れるプレート電流によって第3のダイオードに発生する電圧を、第1、第2のダイオードを介して増幅管のグリッドにバイアス電圧として加えるようにしたインピーダンス変換器が記載されている。
ところで、マイクロホンの出力は、その伝送路に雑音となる電界や磁界が加わっても音声信号に雑音を発生させないように、一般的にホット側とコールド側に分けられた平衡信号で出力される。平衡信号で出力する場合、ホット側とコールド側のインピーダンスが同一であることが求められる。そこで、マイクロホンの出力回路部分に、センタータップ付きの2次コイルを有する出力トランスを用い、ホット側とコールド側の出力インピーダンスを同一にすることが広く行われている。
しかしながら、出力回路にトランスを用いると、トランスによって音色が変わり、これを好まないユーザーがいるため、出力トランスを省略することができる回路構成にしたものがある。例えば、二つのマイクロホンユニットとそれぞれのインピーダンス変換素子そしての真空管を備え、各真空管のバイアス回路は、それぞれの真空管のグリッドにバイアス電圧を加える第1のダイオードと、この第1のダイオードに並列かつ逆向きに接続した第2のダイオードを有する回路構成とする。各真空管のカソードから、位相が互いに逆向きのホット側信号とコールド側信号を平衡出力することができる。
しかし、上記のような、回路構成のマイクロホンユニットおよびそのインピーダンス変換器によれば、二つの真空管のバイアス電圧を同じにしても、双方の真空管の電流にばらつきが発生する。双方の真空管の電流がばらつくと、カソードフォロワ接続された出力回路のインピーダンスもばらつき、平衡出力のバランスが崩れ、出力回路やマイクロホンケーブルに電界や磁界が加わると、音声信号に雑音が混入する難点がある。
そこで、本発明者は、マイクロホンユニットの出力信号がグリッドに入力されカソードフォロワ出力される真空管と、上記真空管とカスケード接続され上記真空管に流れる電流を規定するFETと、上記真空管のグリッドにバイアス電圧を加えるバイアス回路と、を備え、上記真空管、FET、固定バイアス回路がそれぞれ対をなして対称形に接続されることにより二つのカソードフォロワ出力が平衡出力となっており、上記対をなす固定バイアス回路相互間に、上記対をなす真空管に流れる電流を調整して平衡出力の平衡性を調整する調整部材を備えているマイクロホン用インピーダンス変換器および上記インピーダンス変換器を用いたマイクロホンを発明して特許出願した(特許文献2参照)。
特許文献2記載の発明によれば、真空管、FET、固定バイアス回路を一対ずつ備え、二つの真空管のカソードフォロワ出力により平衡出力させ、対をなす真空管に流れる電流を調整して平衡出力の平衡性を調整する調整部材を、上記対をなす固定バイアス回路相互間に設けたため、平衡出力双方のインピーダンスを同一にすることができ、もって、出力信号伝送路に雑音が混入することを防止することができる。
米国特許第6,453,048号公報 特開2010−273195号公報
以上説明したように、マイクロホン用インピーダンス変換器として真空管を用い、それにまつわる技術的課題を解決しながら技術が進歩しつつある。真空管は、真空に保たれているガラス管などの容器内に金属部品からなる内蔵部品が組み込まれたものであって、トランジスタなどの半導体素子と比較すると機械的寸法が大きい。上記内蔵部品は、熱電子を発生させるためのヒータ、陰極を構成するカソード、陽極を構成するプレート、カソードとプレートの間にあって電子の動きを制御するグリッドなどである。真空管に外部から振動や衝撃が加わると、上記各金属部品が振動する。各金属部品はそれぞれの慣性力が異なるため、各金属部品は相互の位置関係を変位させながら振動し、真空管内の電子の移動条件が変動して振動雑音が発生する。この振動雑音は、あたかもマイクロホンの振動板が振動することによって生じる雑音と同じような音になるため、「マイクロホニックノイズ」と言われている。
インピーダンス変換器として真空管を用いたマイクロホンでは、マイクロホンユニット本体が発する振動雑音に、外部から振動や衝撃が加わることによって発生する上記マイクロホニックノイズが加わる。マイクロホンユニットは空気中にあるため、外部からの振動や衝撃を要因とする振動板の振動は空気の粘性抵抗により比較的短時間で減衰し、振動雑音は短時間で収束する。しかし、真空管の内部は真空に保たれているため、内蔵部品には空気の粘性抵抗による制動がかからず、真空管の構造を要因とするマイクロホニックノイズは、マイクロホンユニット本体が発する振動雑音よりも減衰するのに長い時間がかかる。
本発明は、インピーダンス変換器として真空管を用いたコンデンサマイクロホンの上記問題点を解消すること、すなわち、振動や衝撃によって真空管の内蔵部品が変位することによる振動雑音の出力を打ち消すことができるコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器およびコンデンサマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器は、
2個一対のコンデンサマイクロホンユニットの出力インピーダンスを低インピーダンスに変換する2個一対の真空管を備え、上記2個一対の真空管が上記2個一対のコンデンサマイクロホンユニットによる電気音響変換信号を平衡出力するように接続されたコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器であって、
上記2個一対の真空管は、同一仕様の真空管であり、同じ向きに並列に並べられて一体に結合されていることを最も主要な特徴とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホンは、インピーダンス変換器として上記本発明に係るコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器を備えていることを特徴とする。
外部から振動や衝撃が加わると、2個一対の真空管は同一条件のもとに振動して同一の振動雑音を発生する。上記各真空管は2個一対のコンデンサマイクロホンユニットによる電気音響変換信号を平衡出力するように接続されているため、2個一対の真空管で生じる上記振動雑音は互いに逆位相となって加算され、相殺される。
本発明に係るコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器およびコンデンサマイクロホンの回路構成例を示す回路図である。 本発明に適用可能な2個一対の真空管の一体結合構造の例を示す横断面図である。 本発明に適用可能な結合前の単独の真空管の例を示す横断面図である。
以下、本発明に係るコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器およびコンデンサマイクロホンの実施例を、図面を参照しながら説明する。まず、図3に示す回路構成例について説明する。
図3において、符号11,12はコンデンサマイクロホンユニットを示している。コンデンサマイクロホンユニット11および12は、それぞれ音圧を受けて振動する振動板とこの振動板に所定の間隔をおいて対向する固定電極を有してなる。各マイクロホンユニット11,12は同一の設計仕様になっていて、双方の振動板は同一平面上にあって同一の向きになっている。マイクロホンユニット11の固定電極とマイクロホンユニット12の振動板はアースされている。マイクロホンユニット11の振動板は結合コンデンサ15を介して第1の真空管21のグリッドに、マイクロホンユニット12の固定電極は結合コンデンサ25を介して第2の真空管22のグリッドに接続されている。したがって、マイクロホンユニット11の出力信号とマイクロホンユニット12の出力信号は互いに逆位相である。マイクロホンユニット11の出力信号は、結合コンデンサ15を経て真空管21のグリッドに入力され、マイクロホンユニット12の出力信号は、結合コンデンサ25を経て真空管22のグリッドに入力される。
二つの真空管21,22はいずれもインピーダンス変換素子として用いられている。真空管21のプレートには、高電圧電源入力端子5から、例えば、120Vの高圧直流電圧が抵抗33を介して印加され、真空管22のプレートには、上記端子5から、高圧直流電圧が抵抗35を介して印加される。
真空管21はカソードフォロワ出力するように接続され、また、FET31とともにカスケード接続されている。より具体的には、真空管21のカソードはFET31のドレインに、FET31のソースは真空管21のプレート電流制御用の抵抗42を介してアースに接続されている。真空管21のプレートとFET31のベースとの間にはコンデンサ34が接続され、FET31のベースとアースとの間には抵抗41が接続されている。真空管21のカソードからインピーダンス変換出力信号が出力され、この出力信号は電解コンデンサ47を介してコールド側出力端子3から外部に向けて出力されるようになっている。
真空管21のグリッドには、以下に述べるようなバイアス回路によってバイアス電圧が加えられる。端子5からは直流高電圧が供給され、端子5とアースとの間に直列接続された分圧抵抗37,52によって上記高電圧が分圧され、この分圧点がバイアス抵抗38とダイオード17およびダイオード18を介して真空管21のグリッドに接続されている。ダイオード17およびダイオード18は、それぞれ直列接続された2個のダイオードからなり、ダイオード17およびダイオード18は互いに逆向きにして並列に接続されている。ダイオード17のカソード、ダイオード18のアノードが抵抗38に、ダイオード17のアノード、ダイオード18のカソードが真空管21のグリッドに接続されている。
抵抗38とダイオード17、18の接続点をA点とすると、このA点と真空管21のカソードとの間に電解コンデンサ45が接続されている。ダイオード17を第1のダイオードとし、ダイオード18を第2のダイオードとする。上記分圧抵抗37,52による分圧点の電圧は、バイアス抵抗38を経て、さらに第1のダイオード17または第2のダイオード18を経て真空管21のグリッドに加えられる。分圧抵抗52には電解コンデンサ53が並列に接続されている。
マイクロホンユニット11の振動板には、前記端子5から、抵抗20と、互いに逆向きに並列接続されたダイオード13,14を介して直流電圧が印加されるように接続されている。ダイオード13,14は、前記結合コンデンサ15,16の介在のもとに上記第1、第2のダイオード17,18と並列に接続されている。ダイオード13,14は上記直流電圧源からマイクロホンユニット11に成極電圧を供給するためのものである。結合コンデンサ15,16は、マイクロホンユニット11の出力信号から上記直流電圧を分離し、マイクロホンユニット11の出力信号のみを真空管21のグリッドに入力させる働きをしている。
上記第1、第2のダイオード17,18はともに直列接続された2個の素子からなり、これに合わせてダイオード13,14も直列接続された2個の素子からなる。これら各ダイオードを構成する素子の数は任意で、1個だけでもよい。各ダイオードを構成する素子の数を増やせば、真空管21のグリッドに印加されるバイアス電圧が深く(大きく)なる。
ここまで真空管21を中心とした回路構成について説明してきたが、もう一つの真空管22を中心とした回路構成も真空管21を中心とした回路構成と同じになっている。上記2個一対の真空管21,22は、図3に示す回路図上では対称形に描かれているが、実質的には並列的に接続されている。以下、真空管22を中心とした回路構成について説明する。
真空管22はカソードフォロワ出力するように接続され、また、FET32とともにカスケード接続されている。より具体的には、真空管22のカソードはFET32のドレインに、FET32のソースは真空管22のプレート電流制御用の抵抗44を介してアースに接続されている。真空管22のプレートとFET32のベースとの間にはコンデンサ36が接続され、FET32のベースとアースとの間には抵抗43が接続されている。真空管22のカソードからインピーダンス変換出力信号が出力される。この出力信号は電解コンデンサ48を介してホット側出力端子2から外部に向けて出力されるようになっている。
真空管22のグリッドには、以下に述べるようなバイアス回路によってバイアス電圧が加えられる。直列接続された前記分圧抵抗37,52による分圧点はバイアス抵抗39とダイオード27およびダイオード28を介して真空管22のグリッドに接続されている。ダイオード27およびダイオード28は、それぞれ直列接続された2個のダイオードからなり、互いに逆向きにして並列に接続されている。ダイオード27のカソード、ダイオード28のアノードが抵抗39に、ダイオード27のアノード、ダイオード28のカソードが真空管22のグリッドに接続されている。
抵抗39とダイオード27、28の接続点をB点とすると、このB点と真空管22のカソードとの間に電解コンデンサ46が接続されている。ダイオード27を第1のダイオードとし、ダイオード28を第2のダイオードとする。上記分圧点の電圧は、バイアス抵抗39を経て、さらに第1のダイオード27または第2のダイオード28を経て真空管22のグリッドに加えられる。
マイクロホンユニット12の固定電極には、抵抗30と、互いに逆向きに並列接続されたダイオード23,24を介して前記端子5から直流電圧が印加されるように接続されている。ダイオード23,24は、前記結合コンデンサ25,26の介在のもとに上記第1、第2のダイオード27,28と並列に接続されている。ダイオード23,24は上記直流電圧源からマイクロホンユニット12の固定電極に成極電圧を供給するためのものである。結合コンデンサ25,26は、マイクロホンユニット12の出力信号から上記直流電圧を分離し、マイクロホンユニット12の出力信号のみを真空管22のグリッドに入力させる働きをしている。
上記第1、第2のダイオード27,28はともに直列接続された2個の素子からなり、これに合わせてダイオード23,24も直列接続された2個の素子からなる。これら各ダイオードを構成する素子の数は任意で、1個だけでもよい。各ダイオードを構成する素子の数を増やせば、真空管22のグリッドに印加されるバイアス電圧が深く(大きく)なる。
ここまで説明してきたように、図3に示す回路例は、真空管、FET、固定バイアス回路がそれぞれ対をなして並列的に(回路図上対称形に)接続されることにより二つのカソードフォロワ出力によって平衡出力となるように構成されている。そして、上記対をなす固定バイアス回路相互間に、上記対をなす真空管21,22に流れる電流を調整して平衡出力の平衡性を調整する調整部材として可変抵抗40を備えていることが、この回路例の特徴となっている。より具体的に説明すると、FET31のソースとFET32のソースとの間に可変抵抗40の両端の固定端子が接続され、可変抵抗40の可変端子がアースに接続されている。
真空管21を流れる電流はFET31を流れる電流と同じであり、同様に、真空管22を流れる電流はFET32を流れる電流と同じである。これらの電流は、プレート電流制御用抵抗42,44で規制され、さらに可変抵抗40の調整位置によって規制される。可変抵抗40を調整して、真空管21の電流を増加させると真空管22の電流が減少し、真空管21の電流を減少させると真空管22の電流が増加する関係になる。そこで、真空管21,22の電流が等しくなるように可変抵抗40を調整する。このように調整することによって、カソードフォロワにより平衡出力されるホット側とコールド側のインピーダンスが等しくなって良好な平衡性が保たれ、出力信号伝送路に外部から電解や磁界が加わっても、出力信号に雑音が混入することを防止することができる。可変抵抗40は、一度調整すると半固定的に調整位置を保持する半固定抵抗を用いるとよい。
インピーダンス変換器は、すでに説明した直流高圧電源入力端子5、コールド側出力端子3、ホット側出力端子2、アース端子1のほかに、ヒータ電源端子4を備えている。ヒータ電源端子4とアース端子1との間に真空管21,22のヒータ51が接続されている。
アース端子1と、ホット側出力端子2と、コールド側出力端子3を、コネクタなどを介して平衡ケーブルに接続し、この平衡ケーブルを介して外部機器に接続することができる。あるいは、例えばマイクロホンケースなどにトランスを配置し、トランスの一次巻線の両端にそれぞれ上記出力端子2、3を接続し、上記トランスの二次巻線の両端をそれぞれマイクロホンコネクタのコールド側端子、ホット側端子に接続し、アース端子1を上記マイクロホンコネクタのアース端子に接続し、マイクロホンコネクタの上記ホット側端子、コールド側端子およびグランド端子によって平衡出力するようにしてもよい。
以上説明した回路例によれば、高出力インピーダンスのコンデンサマイクロホンユニット11,12の出力信号が、カソードフォロワ接続された高入力インピーダンスの真空管21,22のグリッドに入力される。真空管21,22はカソードフォロワ出力されることにより、出力インピーダンスは低インピーダンスとなる。
ダイオード17,18および27,28は以下のようにして真空管21,22にバイアス電圧を与える。すなわち、前記結合点A、Bに発生するバイアス電圧をVc、そのときの真空管21,22のグリッド電圧をVdとする。グリッド電圧Vdがバイアス電圧Vcよりも低くなるように変動したとすると、ダイオードの静特性の中で、順方向の電圧・電流特性によって第1のダイオード17,27に電流が流れ、ダイオード17,27によって電圧降下Vfが発生する。グリッド電圧Vdはバイアス電圧VcよりもVf分だけ低くなるため、バイアス電圧Vcが浅くなり、真空管21,22のプレート電流が増加し、バイアス電圧Vcが大きくなる。これにより、グリッド電圧Vdの変動分が抑えられ、ダイオード17,27の電流が減少する。この動作はダイオード17,27に電流が流れなくなるまで続く。その結果、ダイオード17,27の電流がゼロ、したがってダイオード17,27の電圧降下Vfがゼロになるようにグリッド電圧Vdの変動が収束し、グリッド電圧Vdがバイアス電圧Vcに等しくなる。
逆に、グリッド電圧Vdがバイアス電圧Vcよりも高くなるように変動したとすると、第2のダイオード18,28が上記の場合の第1のダイオード17,27と同様に動作して、グリッド電圧Vdの変動が収束し、グリッド電圧Vdがバイアス電圧Vcに等しくなる。すなわち、真空管21,22のグリッド電圧とカソード電圧はほぼ等しくなる。
結果的に、第1、第2のダイオード17,18および27,28は、交流に対して端子間の電位差がゼロ付近で動作して端子間の電圧降下はゼロであり、実質的にダイオード17,18および27,28の代わりに高抵抗を接続したのと等価になる。
換言すれば、真空管21,22のバイアス回路は、互いに逆向きにして並列に接続された第1、第2のダイオード17,18および27,28と、バイアス抵抗38,39によって構成され、真空管21,22のグリッドに一定のバイアス電圧を加える固定バイアス回路を構成している。
また、FET31,32のソースとグランドとの間に接続されているプレート電流制御用の抵抗42,44と可変抵抗40が、真空管21,22のプレート電流を規定していて、可変抵抗40を調整することによって双方の真空管21,22のプレート電流が等しくなるように制御することができるため、平衡出力のホット側とコールド側のインピーダンスを等しくして、良好な平衡性を維持することができる。
マイクロホンユニット11,12からの音声信号は真空管21,22を通るので音質の劣化がない。この真空管21,22とともにカスケード接続されて真空管21,22に流れる電流を規定する回路素子として真空管の代わりにFET31,32を採用したことにより、高い音質を維持しながら、真空管のヒータによって消費される電力量を軽減することができる。
図3に示す回路例では、各コンデンサマイクロホンユニット11、12に成極電圧を印加するために、端子5から抵抗20,30、ダイオード13,14およびド23,24を備えているが、エレクトレット型のコンデンサマイクロホンユニットの場合、上記電圧印加回路は不要である。
ところで、初めに述べたとおり、真空管に外部から振動や衝撃が加わると、「マイクロホニックノイズ」といわれる雑音が発生する。この「マイクロホニックノイズ」といわれる雑音を解消するために、本発明に係る実施例では、上記2個一対の真空管21,22を同じ向きに並列に並べて一体に結合している。
図2は真空管の構造の例を示す。真空管21は、内部が真空に保たれたガラス管などの容器210内に、カソード211、グリッド212、プレート214、図示されないヒータなどが内蔵されたものである。グリッド212は、平行に立てられた一対のグリッドフレーム213にまたがってワイヤが所定の間隔で巻かれた構造になっていて、グリッド212内にカソード214が位置している。プレート214はグリッド212の周りを取り囲んでいる。
図1に示すように、前記もう一つの真空管22も、真空管21と同一構造で同一仕様の真空管であって、内部が真空の容器220内に、カソード221、グリッドフレーム223、グリッド222、プレート224、ヒータなどが内蔵されている。
2個一対の真空管21,22は、図1に示すように、同じ向きに並列に並べられて接着剤23により一体に結合されている。したがって、外部から振動や衝撃が加わると、2個一対の真空管21,22の内蔵部品は同一条件のもとに同じ方向に同じストロークで振動し同一の振動雑音を発生する。各真空管21,22は、図1について説明したように、2個一対のコンデンサマイクロホンユニット11,12による電気音響変換信号を平衡出力するように接続されているため、2個一対の真空管21,22で生じる上記振動雑音は互いに逆位相となって加算されて相殺され、平衡伝送されるマイクロホンの出力に混入する上記振動雑音を低減することができる。
真空管21,22は、マイクロホン内に組み込まれるため、「電池管」と称して電池で駆動される超小型の真空管を使用するとよい。「電池管」は超小型のため、接着剤23で接着することは容易である。2個一対の真空管21,22を直接接着剤23で接着することが強度などの点で難しいようであれば、互いに接着すべき対向面の空間を埋める形の保持体を介在させ、この保持体の介在のもとに接着剤によって一体に結合するとよい。
図1、図2では、真空管21,22の構造が3極管の構造になっているが、真空管の構造ないしは形式は任意で、インピーダンス変換機能があれば、3極管でも、4極管でも、5極管でも、それ以上の電極があってもよい。
ここまでの説明は、コンデンサマイクロホンユニットとコンデンサマイクロホン用のインピーダンス変換器を含む構成部分に関するものである。
本発明に係るコンデンサマイクロホンは、これまで説明してきたようなインピーダンス変換器を備えていることを特徴としている。すなわち、本発明に係るコンデンサマイクロホンは、互いに逆位相の二つの信号を出力するコンデンサマイクロホンユニットと、高い入力インピーダンスと低い出力インピーダンスを持ち上記コンデンサマイクロホンユニットの各出力信号を入力とするインピーダンス変換器を備えたコンデンサマイクロホンであって、上記インピーダンス変換器は、上に述べたようなインピーダンス変換器であることを特徴とする。本出願に係るコンデンサマイクロホンによれば、前述のインピーダンス変換器によって得られるような効果を得ることができる。
11 コンデンサマイクロホンユニット
12 コンデンサマイクロホンユニット
21 真空管
22 真空管
23 接着剤
31 FET
32 FET

Claims (8)

  1. 2個一対のコンデンサマイクロホンユニットの出力インピーダンスを低インピーダンスに変換する2個一対の真空管を備え、上記2個一対の真空管が上記2個一対のコンデンサマイクロホンユニットによる電気音響変換信号を平衡出力するように接続されたコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器であって、
    上記2個一対の真空管は、同一仕様の真空管であり、同じ向きに並列に並べられて一体に結合されているコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  2. 2個一対の真空管は、ともに電池で駆動可能な超小型の真空管である請求項1記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  3. 2個一対の真空管は、接着剤によって一体に結合されている請求項1または2記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  4. 2個一対の真空管は、保持体の介在のもとに接着剤によって一体に結合されている請求項1、2または3記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  5. 2個一対の真空管は、各グリッドにコンデンサマイクロホンユニットの出力信号が入力されるとともにカソードフォロワ出力されるように接続され、
    上記各真空管とともにカスケード接続されて上記各真空管に流れる電流を規定する2個一対のFETと、上記各真空管のグリッドにバイアス電圧を加えるバイアス回路と、を備え、
    上記各真空管、FET、固定バイアス回路がそれぞれ対をなして並列的に接続されることにより上記各真空管のカソードフォロワ出力が平衡出力となるように接続されている請求項1乃至4のいずれかに記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  6. 対をなす固定バイアス回路相互間に、上記対をなす真空管に流れる電流を調整して平衡出力の平衡性を調整する調整部材を備えている請求項5記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  7. 真空管は三極管である請求項1乃至6のいずれかに記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器。
  8. 互いに逆位相の二つの信号を出力するコンデンサマイクロホンユニットと、高い入力インピーダンスと低い出力インピーダンスを持ち上記コンデンサマイクロホンユニットの各出力信号を入力とするインピーダンス変換器を備えたコンデンサマイクロホンであって、
    上記インピーダンス変換器は、請求項1乃至7のいずれかに記載のコンデンサマイクロホン用インピーダンス変換器であるマイクロホン。
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