JP2013121017A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体アンテナを利用可能なアンテナ装置において、簡易な構成によって、人体アンテナを利用しないときでも無線信号を好適に受信するための技術を提供する。
【解決手段】アンテナ装置100は、アンテナ素子10と、接触パッド20と、アンテナ素子10および接触パッド20を同時に給電する送受信部40と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ装置に関するものであり、特に、人体をアンテナとして利用するアンテナ装置に関するものである。
近年、人体を介して無線信号を送受信する技術(以降、「人体アンテナ」とも称する)を利用したアンテナ装置が開発されている。
例えば、特許文献1には、誘電体筐体と、前記誘電体筐体内部に設置され放射素子として動作する導体板と、前記誘電体筐体の側面に沿って設けられた導体片と、前記導体板と前記導体片との間に高周波電圧を印加する高周波電源とを備えた無線端末用アンテナ装置が記載されている。
上記構成の無線端末用アンテナ装置を使用するときに、使用者は、誘電体筐体の側面を手で把持することとなる。使用者の手によって誘電体筐体が把持された際に、誘電体筐体の側面に貼付された導体片と使用者の手(すなわち人体)とが接触することで、無線端末用アンテナ装置は、アンテナとして動作する。つまり、導体片と人体とが接触することにより、人体が地導体、導体板が放射素子として動作するモノポールアンテナが形成され、導体板上の電流から電波が放射される。
但し、特許文献1に記載の無線端末用アンテナ装置では、使用者が誘電体筐体の側面を手で把持していないときは、上記モノポールアンテナは形成されず、アンテナ装置は無線通信を首尾よく行うことができない。
これに対し、特許文献2に、図8に示すような携帯用無線通信装置2が記載されている。携帯用無線通信装置2は、アンテナ4、人体3に接触する導電性端子5、アンテナ4に給電する給電部6a、導電性端子5に給電する給電部6b、切り替え手段7および送受信機8を備えている。送受信機8は、切り替え手段7によって、アンテナ4または導電性端子5の何れかに接続し、給電するようになっている。
携帯用無線通信装置2は、アンテナ4と、人体アンテナを構成する導電性端子5との両方を備え、受信状態に応じて何れかに送受信機8が接続するように切り替えることにより、人体アンテナを利用できないときでも、アンテナ4による無線通信を行うことができる。
特開2005−175920号公報(2005年6月30日公開) 特開平10−271060号公報(1998年10月9日公開)
しかし、特許文献2に記載の携帯用無線通信装置2では、送受信機8の給電先を切り替える機構および制御が必要となり、装置の構成が複雑となる。人体アンテナを利用したアンテナ装置において、人体が接触または近接していないときでも無線信号を好適に受信することを簡易な構成で実現することができれば非常に有用である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、人体アンテナを利用可能なアンテナ装置において、簡易な構成によって、人体アンテナを利用しないときでも無線信号を好適に受信するための技術を提供することを主たる目的とする。
本発明に係るアンテナ装置は、上記課題を解決するために、無線信号を受信するアンテナ素子と、人体と電気的に接続または容量性結合したときに、該人体を介して無線信号を受信するための人体アンテナ素子と、該アンテナ素子および該人体アンテナ素子を同時に給電する無線手段と、を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、アンテナ装置は、アンテナ素子と人体アンテナ素子との両方に給電するようになっている。そのため、人体が接触または近接したときは、人体アンテナを首尾よく利用することができる。また、人体が接触または近接していないときでもアンテナ素子を介して無線信号を好適に受信することができる。その上、特許文献2の技術のような切り替え機構および制御が必要なく、簡易な構成で発明を実現することができる。
以上のように、上記の構成によれば、人体アンテナを利用可能なアンテナ装置において、簡易な構成によって、人体アンテナを利用しないときでも無線信号を好適に受信することができる。
本発明に係るアンテナ装置では、上記アンテナ素子の電気長よりも、上記人体アンテナ素子の電気長の方が短いことが好ましい。
上記の構成によれば、人体が接触または近接していないときにおける、人体アンテナ素子とアンテナ素子との間の相互干渉を低減することができる。これにより、アンテナ素子と人体アンテナ素子との両方に給電することに起因して素子同士が互いに悪影響を及ぼすことを好適に抑制することができる。
また、人体アンテナ素子に人体が接触または近接すると、人体アンテナの電気的な長さは、人体アンテナ素子の電気長よりも長くなる。そのため、人体アンテナ素子そのものの電気長は、使用周波数帯に対応するアンテナ素子の電気長よりも短くしておくことが好ましい。これにより、人体が接触または近接したときに使用周波数帯域における人体アンテナの動作を良好にすることができる。
また、人体アンテナ素子を短く構成することにより、実装面積を低減することができ、よりコンパクトなアンテナ装置を提供することが可能となる。
本発明に係るアンテナ装置では、上記アンテナ素子の電気長が、当該アンテナ素子の使用周波数帯の1/4波長または略1/4波長(具体的には1/8波長以上3/8波長以下)であり、上記人体アンテナ素子の電気長が、上記アンテナ素子の使用周波数帯の1/8波長または略1/8波長(具体的には1/16波長以上3/16波長以下)以下であることが好ましい。
一般に、使用周波数帯の1/4波長または略1/4波長(具体的には1/8波長以上3/8波長以下)の電気長のアンテナに対して、1/8波長または略1/8波長(具体的には1/16波長以上3/16波長以下)以下の電気長のアンテナは影響を殆ど及ぼさない。したがって、上記の構成によれば、人体が接触または近接していないときにおける、人体アンテナ素子とアンテナ素子との間の相互干渉をより低減することができる。よって、アンテナ素子と人体アンテナ素子との両方に給電することに起因して素子同士が互いに悪影響を及ぼすことをより好適に抑制することができる。
本発明に係るアンテナ装置は、上記アンテナ素子と上記人体アンテナ素子とが、容量性結合しているものであってもよい。
上記の構成によれば、人体アンテナ素子に人体が接触または近接したときに、アンテナ素子が人体アンテナ素子を介して人体に接続されるため、アンテナ素子も人体アンテナの一部として利用することができる。これにより、人体アンテナ素子に人体が接触または近接しないときだけではなく、人体アンテナ素子に人体が接触または近接したときにも、アンテナ素子を有効利用することができる。
また、人体アンテナ素子に人体が接触または近接したときに、人体アンテナ素子およびアンテナ素子が一つに見えるため、アンテナ素子が、人体アンテナに悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
本発明に係るアンテナ装置は、上記アンテナ素子の先端部と、上記人体アンテナ素子の先端部とが容量性結合しているものであってもよい。
上記の構成によれば、人体アンテナ素子に人体が接触または近接したときに、アンテナ素子の全体を人体アンテナの一部として利用することができる。また、人体アンテナ素子に人体が接触または近接したときに、人体アンテナ素子およびアンテナ素子のうち電気長が短い方の素子が一つ存在しているのと同等に見えるため、アンテナ素子が人体アンテナに悪影響を及ぼすことをより好適に抑制することができる。
本発明に係るアンテナ装置は、上記アンテナ素子を複数備えているものであってもよい。
一般に、人体アンテナは幅広い周波数帯域に対応可能である。また、アンテナ装置が複数のアンテナ素子を備えることにより、複数の周波数帯域(マルチバンド)に対応することができる。従って、上記の構成によれば、アンテナ装置は複数の周波数帯域に首尾よく対応することができる。
本発明によれば、人体アンテナを利用可能なアンテナ装置において、簡易な構成によって、人体アンテナを利用しないときでも無線信号を好適に受信することができる。
本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るアンテナ装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るアンテナ装置の概略構成を示す側方断面図であり、(a)はアンテナ装置上の所定位置に指が触れていない状態を示し、(a)はアンテナ装置上の所定位置に指が触れている状態を示す。 本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るアンテナ装置におけるアンテナ素子の配置のバリエーションを示す側方断面図である。 本発明の一実施形態(第2実施形態)に係るアンテナ装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態(第2実施形態)に係るアンテナ装置の概略構成を示す側方断面図である。 本発明の一実施形態(第3実施形態)に係るアンテナ装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態(第3実施形態)に係るアンテナ装置の概略構成を示す側方断面図である。 従来技術に係る携帯用無線通信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るアンテナ装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。また、図2は、アンテナ装置100の概略構成を示す側方断面図であり、(a)はアンテナ装置100上の所定位置に指1が触れていない状態を示し、(b)はアンテナ装置100上の所定位置に指1が触れている状態を示す。
図1および図2に示すように、アンテナ装置100は、アンテナ素子10、接触パッド(人体アンテナ素子)20、給電部30、送受信部(無線手段)40、および、これらの部材を格納するための筐体60を備えている。
アンテナ素子10は、無線通信を送受信するためのアンテナ素子であればよく、特に構造は限定されない。本実施形態において、アンテナ素子10は、使用周波数帯に応じた電気長Dを有している。なお、アンテナ素子10は、給電部30との間に、アンテナ素子10のインピーダンスを整合させるための整合回路を備えていてもよい。
接触パッド20は、人体と電気的に接続または容量性結合し、当該人体を介して無線信号を受信する導電片である。本実施形態では、図2(b)に示すように、接触パッド20が筐体60の外縁に配置され、指1と接触パッド20とが容量性結合するように構成されているが、本発明はこれに限定されず、接触パッド20が筐体60の表面に露出し、指1と接触パッド20とが電気的に接続するように構成されていてもよい。また、接触パッド20に接触または近接するのは、人体の一部であればよく、指1に限定されない。本実施形態において、接触パッド20は、電気長Lを有している。
なお、人体は、ある程度の損失を伴って電流が流れるとともに、アンテナ装置100のGND(アース)に対して浮遊している。人体のこのような特性により、人体アンテナは、無線信号を受信するために好適に用いることができる。人体アンテナは、特に、幅広い周波数帯域に特性を有しているという有利な効果を有している。アンテナ装置100は、接触パッド20に指1が近接したときに、このような人体アンテナを構成することができる。
なお、典型的には、アンテナ素子10と接触パッド20とが同一の通信システムで使用されるように構成することができる。
送受信部40は、アンテナ素子10および接触パッド20の両方に同時に給電して無線通信を実現する無線回路を備えた回路基板である。送受信部40は給電部30に接続しており、アンテナ素子10および接触パッド20は何れも、給電部30から給電されている。
ここで、図2(a)に示すように、指1がアンテナ装置100上の所定位置(接触パッド20に近接し、容量性結合する位置)に触れていないとき、送受信部40は、主に、アンテナ素子10からの信号を利用して無線信号を受信することができる。
一方、図2(b)に示すように、指1が上記所定位置に触れているとき、送受信部40は、主に、接触パッド20を含んで構成される人体アンテナの信号を利用して無線信号を受信することができる。
なお、筐体60上には、上記所定位置をユーザが容易に把握し得るように、印刷または装飾を施しておくことが好ましい。また、上記所定位置は、一点に限定されるものではなく、一定の範囲内とすることができる。例えば、接触パッド20を板状に形成した場合に、当該板面に対応する位置を上記所定位置とすることができる。
このように、本実施形態によれば、アンテナ装置100は、アンテナ素子10と接触パッド20との両方に同時に給電するようになっている。ここで、アンテナ素子10と接触パッド20とは同一の通信システムで利用され得るため、人体(例えば、指1)がアンテナ装置100に接触または近接したときは、人体アンテナを首尾よく利用することができる。また、人体がアンテナ装置100に接触または近接していないときでもアンテナ素子10を介して無線信号を好適に受信することができる。そして、本実施形態によれば、特許文献2の技術のような切り替え機構および制御が必要なく、簡易な構成で無線信号の好適な受信を実現することができる。
また、本実施形態に係るアンテナ装置100では、アンテナ10および接触パッド20が同一の通信システムにおいて利用される。そのため、送受信部40には、2つアンテナ信号、すなわち、アンテナ素子10で送受信した信号、および接触パッド20で送受信した信号が入出力される。そのため、一つの局面において、送受信部40は、上記2つのアンテナ信号に基づいて、ダイバーシチ受信および/または送信を行うことも可能である。また、他の局面において、送受信部40は、上記2つのアンテナ信号に基づいて、MIMO(Multi Input Multi Output)等の受信および/または送信を行うことも可能である。
なお、本実施形態では、図2(a)に示す状態(人体アンテナを利用しない状態)において、接触パッド20は特に利用されないにもかかわらず、給電部30から給電されている。このとき、接触パッド20とアンテナ素子10とが相互干渉して、アンテナ素子10の特性が劣化するおそれがある。それゆえ、図2(a)に示す状態において、接触パッド20とアンテナ素子10との間の不要な相互干渉を抑制するようになっていることが好ましい。
そのため、アンテナ素子10の電気長Dよりも、接触パッド20の電気長Lの方が短いことが好ましい。なお、アンテナ素子10の電気長Dとは、給電部30からアンテナ素子10の先端までの電気長を指し、接触パッド20の電気長Lとは、給電部30から接触パッド20の先端までの電気長を指す。
これにより、接触パッド20とアンテナ素子10との間の不要な相互干渉を低減することができる。特に、アンテナ素子10を1/4λ系のアンテナ(例えば、モノポールアンテナ)として構成している場合(アンテナ素子10の使用周波数帯の波長をλとしたとき、電気長Dが1/4λまたは略1/4λ(具体的には1/8λ以上3/8λ以下)である場合)、一般に、このようなアンテナ素子10に対して、1/8λまたは略1/8λ(具体的には1/16λ以上3/16λ以下)以下の電気長のアンテナは影響を殆ど及ぼさない。それゆえ、電気長Lを使用周波数帯の1/8波長または略1/8波長(具体的には1/16波長以上3/16波長以下)以下とすることにより、接触パッド20とアンテナ素子10との間の不要な相互干渉をより好適に低減することができる。
なお、本明細書において「略1/4波長」「略1/4λ」とは、一波長の1/8以上3/8以下の範囲を指し、一波長の丁度1/4となる場合が特に好ましい。また、「略1/8波長」「略1/8λ」とは、一波長の1/16以上3/16以下の範囲を指し、一波長の丁度1/8となる場合が特に好ましい。
また、接触パッド20を含んで構成される人体アンテナの電気的な長さは、接触パッド20の電気長Lよりも長くなる。そのため、使用周波数帯に対応する電気長(アンテナ素子10の電気長D)よりも、接触パッド20の電気長Lを短くしておくことが好ましい。これにより、使用周波数帯域における人体アンテナの動作を良好にすることができる。
また、接触パッド20を短く構成することにより、アンテナ装置100内における実装面積を低減することができ、アンテナ装置100をコンパクト化することができる。
また、アンテナ素子10および接触パッド20の形状、配置等は特に限定されないが、一実施形態において、図3に示すように、アンテナ素子10と接触パッド20とが、容量性結合するように構成されていることが好ましい。
例えば、図3(a)に示すように、アンテナ素子10の先端部と、接触パッド20の先端部とが、図中Cに示す位置において容量性結合していてもよい。これにより、接触パッド20にアンテナ素子10が結合され、アンテナ素子10の全体を人体アンテナの一部として利用することができる。また、このとき、送受信部40から見ると、アンテナ素子10および接触パッド20のうち電気長が短い方の素子が一つ存在しているのと同等に見えるため、アンテナ素子10が人体アンテナに悪影響を及ぼすことを好適に抑制することができる。
また、図3(b)に示すように、アンテナ素子10の一部と接触パッド20の一部とが、容量性結合していてもよい。この構成においても、接触パッド20にアンテナ素子10が結合され、アンテナ素子10を人体アンテナの一部として利用することができる。また、図3(a)と同様に、送受信部40から見ると、アンテナ素子10および接触パッド20のうち電気長が短い方の素子が一つ存在しているのと同等に見えるため、アンテナ素子10が人体アンテナに悪影響を及ぼすことを好適に抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の一実施形態(第2実施形態)に係るアンテナ装置103の概略構成を示す機能ブロック図である。また、図5は、アンテナ装置103の概略構成を示す側方断面図である。なお、第1実施形態と同様の部材には同一の部材番号を付し、説明を省略する。
図4および図5に示すように、アンテナ装置103は、アンテナ素子10、接触パッド(人体アンテナ素子)20、給電部33a、給電部33b、送受信部(無線手段)43および筐体60を備えている。そして、本実施形態において、送受信部43は、アンテナ素子10および接触パッド20に対して、それぞれ異なる給電部(33aおよび33b)から給電している。この点において、第1実施形態と異なっている。
このように、本発明では、アンテナ素子10および接触パッド20に対して、異なる給電部から給電するようになっていてもよい。このような形態においても、アンテナ装置103が、アンテナ素子10と接触パッド20との両方に同時に給電するようになっていることにより、人体(例えば、指1)がアンテナ装置103に接触または近接したときは、人体アンテナを首尾よく利用することができ、人体がアンテナ装置103に接触または近接していないときでもアンテナ素子10を介して無線信号を好適に受信することができる。
また、図5に示すように、給電部33aと給電部33bとは離れた位置に配置されていてもよい。
〔第3実施形態〕
図6は、本発明の一実施形態(第3実施形態)に係るアンテナ装置104の概略構成を示す機能ブロック図である。また、図7は、アンテナ装置104の概略構成を示す側方断面図である。なお、第1実施形態と同様の部材には同一の部材番号を付し、説明を省略する。
図6および図7に示すように、アンテナ装置104は、アンテナ素子10、アンテナ素子14、接触パッド20、給電部34、送受信部(無線手段)44および筐体60を備えている。そして、本実施形態において、送受信部44は、複数のアンテナ素子(10および14)および接触パッド20に対して、給電部34から給電している。この点において、第1実施形態と異なっている。なお、アンテナ素子14は、実施形態1のアンテナ素子10とほぼ同様の部材とすることができる。
このように、アンテナ装置104は、アンテナ素子を複数備えており、それぞれのアンテナ素子に対して異なる周波数帯域を割り当てることができる。また、一般に、人体アンテナは、幅広い周波数帯域に対応可能である。これにより、アンテナ装置104は、複数の周波数帯域(マルチバンド)に首尾よく対応することができる。
このような形態においても、アンテナ装置104が、アンテナ素子10、アンテナ素子14および接触パッド20に同時に給電するようになっていることにより、人体(例えば、指1)がアンテナ装置104に接触または近接したときは、人体アンテナを首尾よく利用することができ、人体がアンテナ装置104に接触または近接していないときでもアンテナ素子10およびアンテナ素子14を介して無線信号を好適に受信することができる。
なお、本実施形態において、第1実施形態と同様に、接触パッド20の電気長Lを、アンテナ素子の電気長よりも短くすることが好ましい。
すなわち、図7に示すように、アンテナ素子10の電気長をD1とし、アンテナ素子14の電気長をD2としたとき、電気長Lは、電気長D1よりも短く、かつ、電気長D2よりも短いことが好ましい。これにより、アンテナ素子10およびアンテナ素子14を1/4λ系のアンテナ(例えば、モノポールアンテナ)として構成している場合(アンテナ素子10の使用周波数帯の波長をλ1とし、アンテナ素子14の使用周波数帯の波長をλ2としたとき、電気長D1が1/4λ1または略1/4λ1(具体的には1/8λ1以上3/8λ1以下)であり、電気長D2が1/4λ2または略1/4λ2(具体的には1/8λ2以上3/8λ2以下)である場合)、一般に、このようなアンテナ素子10およびアンテナ素子14に対して、それぞれの使用周波数帯の1/8波長または略1/8波長(具体的には1/16波長以上3/16波長以下)以下の電気長のアンテナは影響を殆ど及ぼさない。それゆえ、電気長Lを使用周波数帯の1/8波長または略1/8波長(具体的には1/16波長以上3/16波長以下)以下(1/8λ1または略1/8λ1(具体的には1/16λ1以上3/16λ1以下)以下、かつ、1/8λ2または略1/8λ2(具体的には1/16λ2以上3/16λ2以下)以下)とすることにより、接触パッド20とアンテナ素子10およびアンテナ素子14との間の不要な相互干渉をより好適に低減することができる。
また、第1実施形態と同様に、接触パッド20を含んで構成される人体アンテナの電気的な長さは、接触パッド20の電気長Lよりも長くなる。そのため、使用周波数帯に対応する電気長(アンテナ素子10の電気長D1およびアンテナ素子14の電気長D2)よりも、接触パッド20の電気長Lを短くしておくことが好ましい。これにより、使用周波数帯域における人体アンテナの動作を良好にすることができる。
また、接触パッド20を短く構成することにより、アンテナ装置104内における実装面積を低減することができる。
なお、アンテナ装置104は、3本以上のアンテナ素子を備えていてもよい。このように構成した場合であっても、同様の効果を奏することができる。
本発明は、無線通信機器の製造分野において好適に利用可能である。
1 指
10、11、12、14 アンテナ素子
20 接触パッド(人体アンテナ素子)
30、33a、33b、34 給電部
40、43、44 送受信部(無線手段)
60 筐体
100、101、102、103、104 アンテナ装置

Claims (6)

  1. 無線信号を受信するアンテナ素子と、
    人体と電気的に接続または容量性結合したときに、該人体を介して無線信号を受信するための人体アンテナ素子と、
    該アンテナ素子および該人体アンテナ素子を同時に給電する無線手段と、を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 上記アンテナ素子の電気長よりも、上記人体アンテナ素子の電気長の方が短いことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 上記アンテナ素子の電気長が、当該アンテナ素子の使用周波数帯の1/8波長以上3/8波長以下であり、
    上記人体アンテナ素子の電気長が、上記アンテナ素子の使用周波数帯の3/16波長以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 上記アンテナ素子と上記人体アンテナ素子とが、容量性結合していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 上記アンテナ素子の先端部と、上記人体アンテナ素子の先端部とが容量性結合していることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 上記アンテナ素子を複数備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のアンテナ装置。
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JPH10271060A (ja) * 1997-03-24 1998-10-09 Brother Ind Ltd 携帯用無線通信装置
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