JP2013121011A - 無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットを低下させることなく、経路を変更することである。
【解決手段】無線通信端末10は、受信電力強度測定部13と受信電力強度変動算出部14と経路変更基準制御部15とを有する。受信電力強度測定部13は、他の無線通信端末との間でデータ通信が行われるデータ通信経路を決定する際に使用される特性を示す特性情報を取得する。受信電力強度変動算出部14は、取得された上記特性情報を用いて、上記特性の変動を算出する。経路変更基準制御部15は、算出された上記特性の変動に応じて、上記データ通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法に関する。
従来、基地局と無線通信端末、あるいは、無線通信端末同士が接続されたネットワークの形態として、1つの無線回線(リンク)で接続される形態と、複数の無線回線を経由して接続される形態とが存在する。前者による通信は、データが宛先に到達する迄に経由する無線回線(ホップ数)が単数であることから、シングルホップ通信やワンホップ通信と呼ばれる。これに対して、後者による通信は、端末間のホップ数が複数であることから、マルチホップ通信と呼ばれる。これらの通信の内、基地局やアクセスポイントを介することなく無線通信端末間で直接的な通信を可能とするアドホックネットワークでは、マルチホップ通信が採用されている。アドホックネットワークは、データ送信元の端末と、データ送信先の端末との間に、中継機能を有する別の無線通信端末を介在させ、複数の無線回線上でデータを中継させながら、通信エリアを拡張していく。これにより、広範囲な無線ネットワークの構築を可能とする。
特開2008−278148号公報 国際公開第2008/035600号 特開2006−157117号公報
上述のアドホックネットワークを始めとするマルチホップ通信では、パケット等のデータの送受信に際して、複数の経路が併存することとなる。したがって、何らかの要因により、経路の通信状態が悪化した場合には、従前の経路よりも通信状態の良好な新たな経路への変更が可能である。しかしながら、パケットの送信元となる無線通信端末は、自端末にとって最適な経路を選択するために、同一ネットワーク内の他の端末との間で、詳細なリンク情報を含む複数のパケットを定期的に送受信する必要がある。このパケット通信に伴い、ネットワークにおけるスループットが低下するという問題があった。かかる問題は、端末の移動や通信環境の変化により経路変更が頻繁に行われた結果、経路変更手続きのためのパケットの通信量が増加した場合に、特に顕著となる。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、スループットを低下させることなく、経路を変更することのできる無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本願の開示する無線通信端末は、一つの態様において、取得部と算出部と制御部とを有する。前記取得部は、他の無線通信端末との間でデータ通信が行われるデータ通信経路を決定する際に使用される特性を示す特性情報を取得する。前記算出部は、取得された前記特性情報を用いて、前記特性の変動を算出する。前記制御部は、算出された前記特性の変動に応じて、前記データ通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する。
本願の開示する無線通信端末の一つの態様によれば、スループットを低下させることなく、経路を変更することができる。
図1は、実施例に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図2は、実施例に係る無線通信端末の機能構成を示す図である。 図3は、実施例に係る無線通信端末のハードウェア構成を示す図である。 図4は、実施例において、無線通信端末の実行するメトリック増減制御処理を説明するためのフローチャートである。 図5は、変形例1において、無線通信端末の実行するメトリック増減制御処理を説明するためのフローチャートである。 図6は、実施例及び変形例1において、他の無線通信端末の実行するメトリック増減制御処理を説明するためのフローチャートである。 図7は、睡眠中の人体に装着された3つの端末間における受信電力強度の時間変化を示す図である。 図8は、歩行中の人体に装着された3つの端末間における受信電力強度の時間変化を示す図である。
以下に、本願の開示する無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する無線通信端末、無線通信システム、及び無線通信方法が限定されるものではない。
まず、本実施例に係る無線通信システム1の構成を示す図である。図1に示すように、無線通信システム1は、3つの無線通信端末10、20、30を有する。各無線通信端末10、20、30は、無線チャネルを介して、双方向かつ直接的に各種信号やデータの送受信が可能な様に接続されることで、アドホックネットワークを形成している。無線チャネルは、例えば、BAN(Body Area Network)の規格に則っているが、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等、他の通信規格であってもよい。各無線通信端末10、20、30は、数十cm〜数m(例えば50cm程度)の間隔で、被験者の人体に配置されている。
無線通信端末10は、無線通信端末30宛にパケットを送信する際、伝送距離を短くする観点からは、通信経路P1をとることが最適である。しかしながら、受信電力強度や移動速度を含めて考慮すると、無線通信端末10、30間のリンク品質が低い場合等には、通信経路P1が、必ずしも最適な経路であるとは限らない。このため、無線通信端末10は、無線通信端末30宛のパケットの中継(リレー)を無線通信端末20に指示すると共に、無線通信端末20は、無線通信端末10から受信されたパケットを無線通信端末30に転送する。これにより、パケットの伝送経路は、図1の経路P1から経路P2に変更されることとなる。そして、パケットは、通信状態の悪いリンクを回避し、良好な無線チャネルにより送信先に到達する。その結果、パケット通信のスループットが向上する。また、消費電力が減少する。
図2は、本実施例に係る無線通信端末10の機能構成を示す図である。図2に示すように、無線通信端末10は、通信部11と、データ処理部12と、受信電力強度測定部13と、受信電力強度変動算出部14と、経路変更基準制御部15と、内部センサ16とを有する。通信部11は、アンテナA1を有する。これら各構成部分は、一方向又は双方向に、信号やデータの入出力が可能なように接続されている。
通信部11は、無線通信端末20、30との間で、無線チャネルを介して、パケットの送受信を行う。通信部11は、パケットの通信経路の変更を行うか否かの判定基準の変更に伴い、当該変更後の判定基準を他の無線通信端末20、30に通知する。データ処理部12は、所定のアプリケーションプログラムに従い、通信部11により受信されたパケットを処理すると共に、処理結果をパケット形式で通信部11に出力する。
受信電力強度測定部13は、パケット受信時の受信電力強度を測定する。すなわち、受信電力強度測定部13は、通信部11から入力されたパケットを用いて、リンク品質を表す指標の1つである受信電力強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を測定する。また、受信電力強度測定部13は、測定された受信電力強度を、後述する受信電力強度変動算出部14に出力する。受信電力強度変動算出部14は、受信電力強度測定部13から入力された受信電力強度の時間変化を監視し、受信電力強度の変動値(例えば、30dB/s)を算出する。
経路変更基準制御部15は、受信電力強度変動算出部14から入力された上記変動値を基に、経路変更基準を増減させる。すなわち、経路変更基準制御部15は、受信電力強度の時間変動に応じて、パケット通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する制御を行う。その際、経路変更基準制御部15は、自無線通信端末10から観測可能なリンクのみ、または自無線通信端末10の移動速度のみを観測することで、経路変更の判定基準を増減制御する。具体的には、経路変更基準制御部15は、受信電力強度の変動が上限閾値を上回る場合には、パケット通信経路の変更が起き難くなるように上記判定基準を変更(受信電力強度であれば増加)する。一方、経路変更基準制御部15は、受信電力強度の変動が下限閾値を下回る場合には、パケット通信経路の変更が起き易くなるように上記判定基準を変更(受信電力強度であれば減少)する。内部センサ16は、加速度センサやGPS(Global Positioning System)センサであり、リンク品質を表す指標の1つである、自端末10の移動速度を観測し、観測結果を経路変更基準制御部15に出力する。
次に、無線通信端末10のハードウェア構成を説明する。図3は、実施例に係る無線通信端末10のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、無線通信端末10は、RF(Radio Frequency)回路10aと、変調回路10bと、復調回路10cと、MAC(Media Access Control)処理回路10dと、プロセッサ10eと、センサ10fと、メモリ10gと、ROM(Read Only Memory)10hと、HD(Hard Disk)10iとが、各種信号やデータの入出力が可能なように接続されている。RF回路10aは、アンテナA1を有する。復調回路10cは、SIR(Signal to Interference Ratio)/RSSI測定回路10jを内蔵する。
プロセッサ10eは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)であり、無線通信端末10を統括的に制御する。メモリ10gは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置の他、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAMである。メモリ10gは、例えば、リンク品質の指標となる受信電力強度、移動速度の各値の他、変更前後のパケット経路の中継点となる端末の識別子を格納する。ROM10hには、例えば、受信電力強度の変動値の算出アルゴリズム、経路変更基準の制御アルゴリズムが格納されている。HD10iは、例えば、上述の上限及び下限の閾値を事前に格納する。
図2に示した通信部11は、ハードウェアとしてのRF回路10aと変調回路10bと復調回路10cとにより実現される。データ処理部12は、ハードウェアとしてのプロセッサ10eにより実現される。受信電力強度測定部13は、ハードウェアとしての復調回路10cの一部であるSIR/RSSI測定回路10jにより実現される。受信電力強度変動算出部14と経路変更基準制御部15とは、ハードウェアとしてのプロセッサ10e、メモリ10g、及びROM10hによりそれぞれ実現される。内部センサ16は、ハードウェアとしてのセンサ10fにより実現される。
以上、無線通信端末10の構成を説明したが、同一アドホックネットワーク内の他の無線通信端末20、30の構成は、無線通信端末10の構成と同様である。したがって、共通する構成部分には、必要に応じて、末尾が同一の参照符号を用いると共に、その図示及び詳細な説明は省略する。
次に、動作を説明する。動作説明の前提として、無線通信端末10は、経路選択の主体となる親機として機能し、他の無線通信端末20、30は、親機としての無線通信端末10が選択した経路に従ってパケットを受信及び転送する子機a、bとして機能する。
図4は、本実施例において、無線通信端末10の実行するメトリック増減制御処理を説明するためのフローチャートである。図4に示すように、S1では、無線通信端末10のRF回路10aは、パケットの受信を待機している。受信待機の対象となるパケットは、経路の設定や変更に関するパケットである必要はなく、例えば、端末間で時刻同期を図るためのパケット、ハローパケット、ネットワークリソースの割当て変更を通知するためのパケット等、任意である。
無線通信端末10のプロセッサ10eは、同一ネットワーク内の他の無線通信端末20、30からパケットを受信すると、そのパケットを用いて、各端末の受信電力強度を測定する(S2)。S3では、プロセッサ10eは、過去N回またはT秒の通信において、各端末の受信電力強度の変動が上限閾値Tを超えたか否かの判定を行う。かかる判定は、変動の大小を高精度に判定する観点から、一定の回数幅または時間幅をもって行うのが好ましい。回数幅は、例えば3回〜30回程度であり、時間幅は、例えば3秒〜10秒程度である。また、変動の上限閾値Tは、例えば、1秒当たり25〜35dB程度である。
S3における判定の結果、過去N回またはT秒の通信において、受信電力強度に上記上限閾値Tを超える変動が認められた場合(S3;Yes)、無線通信端末10のプロセッサ10eは、ネットワークのリンク品質が激しく変動しているものと判断する。そこで、プロセッサ10eは、経路変更を行うか否かの基準となるメトリック(以下、「基準メトリック」と記す。)を増大させる(S4)。例えば、リンク先変更の基準メトリックが5であるとすると、プロセッサ10eは、基準メトリックを5から10に増大させることで、従前のメトリックが10以上まで上昇する見込みがない限り、換言すれば、コスト的に極めてメリットが高くならない限り、経路変更を行わない状態となる。これにより、経路変更の契機となる基準が厳格となり、経路変更が起こり難くなる。S4の処理終了後は、再びS1に戻り、以降の処理が実行される。
なお、上述したように、本実施例では、プロセッサ10eは、経路変更の基準となるメトリックを増大させるものとした。このため、受信電力強度の変動が激しい場合でも、経路変更により極めて低いメトリックを見込める場合、すなわち、経路変更するメリットが極めて高い場合には、経路変更は実行されることになる。しかしながら、プロセッサ10eは、受信電力強度に上限閾値Tを超える変動が認められた場合(S3;Yes)には、一切の経路変更を許可しないものとしてもよい。これにより、経路変更手続きのためのパケットの送受信は抑止される。その結果、パケットの送受信に伴うスループットの低下や消費電力の増加は未然に防止される。
また、S4では、プロセッサ10eは、経路変更を行うか否かの基準となるメトリックを増大させるものとしたが、これと併せて、又は、これに代替して、経路変更の手法を変更するものとしてもよい。ここで、経路変更手法の変更は、経路変更に伴う手続きのためのパケットを減少させることを含む。すなわち、プロセッサ10eは、より受信電力強度の高い低コストの経路への経路変更を行う際には、変更元経路のリンクを切断することなく接続を保持しておくものとしてもよい。これにより、経路変更後の受信電力強度の変動により、変更後の経路の受信電力強度が低下してコストが上昇した場合でも、パケットは、容易かつ迅速に変更前の経路に復帰することができる。
上記S3における判定の結果、受信電力強度の変動が上限閾値T以下である場合(S3;No)には、S5に移行し、上述のS3、S4とは反対の処理が実行される。すなわち、S5では、プロセッサ10eは、過去N回またはT秒の通信において、各端末の受信電力強度の変動が下限の閾値である閾値Tを下回ったか否かの判定を行う。かかる判定は、変動の大小を精度良く判定するために、一定の回数幅または時間幅をもって行うのが好ましい。回数幅は、例えば3回〜30回程度であり、時間幅は、例えば3秒〜10秒程度である。また、変動の下限閾値Tは、上限閾値T>Tを満たし、例えば、1秒当たり10〜20dB程度である。
S5における判定の結果、過去N回またはT秒の通信において、受信電力強度に上記下限閾値Tを下回る変動しか認められない場合(S5;Yes)、無線通信端末10のプロセッサ10eは、ネットワークのリンク品質が安定しているものと判断する。そこで、プロセッサ10eは、経路変更を行うか否かの基準となるメトリックを減少させる(S6)。例えば、経路変更の基準メトリックが5であるとすると、プロセッサ10eは、基準メトリックを5から2に減少させることで、従前のメトリックが2以上まで上昇する見込みがあれば直ちに、換言すれば、経路変更をしたことにより少しでもメリットが生じる場合には、経路変更を行う状態となる。これにより、経路変更の契機となる基準が緩和され、経路変更が起こり易くなる。S6の処理終了後は、再びS1に戻り、無線通信端末10は、新たなパケットの受信を待機する。
S4では、無線通信端末10のプロセッサ10eは、基準メトリックを増加させることで、経路変更を起こり難くし、パケット送信経路のバタつきを抑えるものとした。その一方で、S6では、無線通信端末10は、必要な経路変更を確実に実行する。すなわち、プロセッサ10eは、経路変更後のメトリックの上昇が高い可能性で推定される場合には、経路変更が必要と判断し、基準メトリックを減少させることで、経路変更を促す。
また、S6では、プロセッサ10eは、経路変更を行うか否かの基準となるメトリックを減少させるものとしたが、これと併せて、又は、これに代替して、経路変更の手法を変更するものとしてもよい。ここで、経路変更手法の変更は、経路変更に伴う手続きのためのパケットを増加させることを含む。すなわち、プロセッサ10eは、より受信電力強度の高い低コストの経路への経路変更を行う際、メトリックの観点から最適な経路が短時間の間に再び変更となる可能性が低いものと推定し、変更前の経路への復帰を想定しない。したがって、プロセッサ10eは、変更元経路の接続を維持することなく、リンクを切断した上で、従前の経路から新たな経路への切替えを行う。
一方、上記S5における判定の結果、受信電力強度に下限閾値Tを下回る変動が認められない場合(S5;No)、プロセッサ10eは、現在のメトリックの基準値が適度な値(下限閾値Tと上限閾値Tとの間)に保たれていると判断する。したがって、無線通信端末10は、基準メトリックの増減制御を行うことなく、再びS1に戻り、新たなパケットの受信を待機する。
(変形例1)
続いて、図5を参照しながら、本実施例の変形態様としての変形例1について説明する。図5は、変形例1において、無線通信端末10の実行するメトリック増減制御処理を説明するためのフローチャートである。上記実施例では、アドホックネットワークにおけるリンク品質の変動の大小を推定する指標として受信電力強度(RSSI)を用いるものとした。しかしながら、無線通信端末10は、移動速度の変動を基に、リンク品質の変動の大小を推定するものとしてもよい。変形例1では、無線通信端末10は、移動速度の測定結果を使用する点を除き、上述した実施例と略同様の構成及び動作を採る。したがって、その詳細な説明(例えば、上述のS1、S2)は省略する。
図5のS11では、プロセッサ10eは、センサ10fにより感知された移動速度に基づき、リンク品質の変動が上限閾値Tを超えたか否かの判定を行う。このS11の処理は、上述のS3に相当する処理である。S12では、プロセッサ10eは、経路変更の基準となるメトリックの増減制御を行う。このS12の処理は、上述したS4〜S6に相当する処理である。
ここで、センサ10fは、パケット送信元の無線通信端末10の移動速度を所定の精度で類推することのできるセンサであり、例えば、加速度センサ、GPSセンサ等が適用可能である。また、センサ10fは、必ずしも移動速度を直接的に算定可能なものである必要はなく、間接的に類推することのできるセンサであればよい。後者のセンサとしては、例えば、心拍センサや血圧センサを適用可能である。例えば、心拍センサであれば、センサ10fは、計測された心拍数の高低から、被験者の現在の状態(運動状態にあるか停止状態にあるか等)を類推することができ、また、計測された心拍数の増減値から、被験者の移動速度の変動を類推することができる。
なお、プロセッサ10eは、リンク品質の変動の大小を推定する際、受信電力強度と移動速度とを併用するものとしてもよい。
次に、上記実施例及び変形例1に係る他の無線通信端末20、30の動作を説明する。図6は、本実施例及び変形例1において、他の無線通信端末20、30の実行するメトリック増減制御処理を説明するためのフローチャートである。このメトリック増減制御処理は、親機が基準メトリックの変更を複数の子機a、bに反映させるため、上述した無線通信端末10によるメトリック増減制御処理の事後処理として実行される。まず、無線通信端末10は、上述のS4またはS6(図4参照)の各処理の実行後に、同一ネットワーク内の他の無線通信端末20、30に対して、メトリックが増大(S4)または減少(S6)された旨の通知を行う。この通知は、パケットの送受信により行われる(S21)。
S22では、各無線通信端末20、30は、パケットを受信すると、上記通知に従い、基準メトリックを、無線通信端末10と同様の値に設定する。例えば、受信電力強度の変動が上限閾値Tを上回ったことに起因して基準メトリックが10に増大された場合には、各無線通信端末20、30においても、基準メトリックは10に設定される一方、基準メトリックが2に減少された場合には、その値に設定される。これにより、アドホックネットワークを構成する全ての端末において、基準メトリックが統一されることとなる。但し、基準メトリックの増減に拘らず、例えば、無線通信端末間の受信電力強度や移動速度の逆転が起こらない限り、経路変更の必要性は生じない。このため、基準メトリックが変更されても、経路変更が許可されている状態(可能状態)に留まり、現時点で実際に経路変更が実行されるとは限らない。
なお、実際に経路変更が実行される契機は、例えば、リンク品質を表す指標となる受信電力強度や移動速度等の観点から、現在の経路よりも低いメトリックを発揮する経路(低コストの経路)が検出されたことである。つまり、メトリックの逆転が経路変更の契機となる。また、経路変更の実行は、現在の経路のメトリックの値が所定の値を満たさなくなった場合にも開始され得る。所定の値は、メトリックの種類によって異なるが、無線通信システム1が受信電力強度をメトリックとして用いる場合には、例えば、−105〜−95dBm程度である。
なお、基準メトリックは、必ずしも、各無線通信端末10、20、30毎に同一の値である必要はなく、端末間で異なる値を採るものとしてもよい。但し、アドホックネットワークの様に小規模なネットワークでは、一般的に、各端末の設置位置の通信環境(例えば、受信電力強度の変動)や動作状態(例えば、移動速度)は概ね等しいことが想定される。このため、各無線通信端末10、20、30毎に基準メトリックを同一の値としても、スループットや消費電力に支障を来さないことが予測される場合には、上述したように、各子機a、bは、親機からの指示に従い、親機と同一の基準メトリックを採ることが好ましい。これにより、子機としての無線通信端末20、30において、受信電力強度の変動や移動速度と閾値との比較を個別に行う処理(上記S3、S5の判定処理)が不要となる。したがって、各無線通信端末20、30は、上記判定処理あるいは判定結果に基づく増減制御処理を省略することができ、これに伴う処理負荷や処理時間を低減することができる。その結果、ネットワークの効率的な運用が可能となる。
また、S22では、各無線通信端末20、30は、基準メトリック(経路変更基準)を変更するものとしたが、無線通信端末10と同様に、経路変更手法を変更するものとしてもよい。ここで、経路変更手法とは、上述したように、各無線通信端末20、30が、経路を変更する際、変更元の経路を切断する手法を採るか、維持する手法を採るかを表すが、上記経路変更基準と上記経路変更手法との双方を変更するものとしてもよい。
以下、3つの無線通信端末10、20、30(親機、子機a、b)が人体上の各部位に配設された場合を例にとり、無線通信システム1の適用例について説明する。例えば、各無線通信端末10、20、30は、それぞれ頭部、胸部、腕部に装着される。図7は、睡眠中の人体に装着された3つの端末間における受信電力強度の時間変化を示す図である。図7において、x軸には時間(単位はs)が規定され、y軸には受信電力強度の実測値(dBm)が規定されている。
図7に示すように、親機、子機a間での受信電力強度X1、親機、子機b間での受信電力強度X2、及び子機a、子機b間での受信電力強度X3の何れの値も、約1.5秒が経過する迄は、−100〜−90dBmの範囲を安定的に推移している。しかしながら、受信電力強度X1〜X3は、約1.5秒を過ぎた辺りから変動し始め、約3.2秒で変動のレベルがピークを越え、その後、約4.8秒以降は再び安定している。すなわち、受信電力強度X1〜X3は、その絶対値や変動の方向は異なるものの、変動の仕方や程度は類似している。換言すれば、各無線通信端末10、20、30の受信電力強度は、連動して推移する。このことから、無線通信システム1は、1つの端末(例えば、親機)に関するリンク品質の変動(受信電力強度の変動や端末の移動速度)を観測しさえすれば、他の2つの端末(子機a、b)のリンク品質についても、略同様に変動しているとの推測が可能であることがわかる。したがって、パケット送信元の無線通信端末10のみが、自端末におけるリンク品質の変動を基に、基準メトリックを増減させる制御を行い、その結果を他の端末に通知することで、他の端末が同様の制御を行わなくとも、適切な経路変更が実現されることとなる。その結果、効率的な経路変更が可能となる。
更に、図7では、0〜1.5秒辺りまでは、受信電力強度X3が約−91dBmと最も高く、次いで、受信電力強度X2が約−94dBmであり、受信電力強度X1が約−96dBmと最も低い。したがって、初期状態では、親機は、子機aを経由させることなく子機b宛に直接、パケットを送信することが、スループット向上や消費電力節減の観点から望ましい。ここで、例えば、睡眠中の被験者が寝返りをうったことにより、一点鎖線に示す時間Tにおいて、受信電力強度X1が受信電力強度X2を逆転した場合を想定する。この場合、パケットの通信経路は、親機から直接子機bに到達する従前の経路をとるよりも、親機から子機aを介して子機bに到達する経路をとる方が、パケット通信を安定的に行う観点から望ましいことが推測される。したがって、パケットの通信経路は、受信電力強度X2の値に依存する経路P1(図1参照)から、受信電力強度X2の値に依存しない経路P2に変更される。
また、図7のように、各無線通信端末10、20、30の受信電力強度の変動が少ない状態(安定状態)であれば、無線通信端末10は、経路変更を行ったとしても、その後再び受信電力強度が逆転して、再度の経路変更が必要となるといった事態は生じ難い。すなわち、図7に示す様に受信電力強度の変動が穏やかな場合には、無線通信端末10は、経路変更を実行する意味がある。実際に、図7においては、受信電力強度X2とX1との間で逆転が起こった後、各端末の受信電力強度は、再び安定的に推移している。かつ、各端末の受信電力強度は、受信電力強度X3、X1が約−82dBmと高く、受信電力強度X2は、他の2つ(X3、X1)と比較して相対的に低い値(−98dBm)を示していることから、子機aを中継することが適当であることが判る。
上述したように、無線通信端末10は、受信電力強度の変動が小さい場合には、端末間における受信電力強度の逆転を契機として、新たな経路がより高い受信電力強度となる様に、経路を変更する。そのために、無線通信端末10は、経路変更が起き易くなる様に、基準メトリックを減少させる(図4のS6)。これにより、無線通信システム1は、経路変更のバタつきを抑えつつ、最適な経路を選択して経路変更することが可能となる。
なお、受信電力強度X2とX1との間に逆転が起こった後に、再度逆転が起こった場合には、パケットの通信経路は、従前の経路P2(図1参照)から、子機aを経由しない初期の経路P1に戻ることとなる。
一方、図8は、歩行中の人体に装着された3つの端末間における受信電力強度の時間変化を示す図である。図8では、図7と同様に、x軸には時間(単位はs)が規定され、y軸には受信電力強度の実測値(dBm)が規定されている。図8において、プロット点の付されている実線Y1は、時間の経過に伴う、歩行時における親機、子機a間での受信電力強度の推移を表す。同様に、プロット点の付されていない実線Y2は、歩行時における親機、子機b間での受信電力強度の推移を表す。また、破線Y3は、歩行時における子機a、子機b間での受信電力強度の推移を表す。
図8に示すように、被験者の歩行中には、被験者の動作に連動して、各端末の無線伝搬環境が大きく変動することから、各端末の受信電力強度の逆転は、常時頻繁に発生している。この様な状況の下で、睡眠中と同様の基準や手法で経路変更を行うと、経路変更の手続きのためのパケットの通信量が膨大となり、無線通信システム1のスループットの著しい低下や消費電力の増大を引き起こしかねない。そこで、各端末の受信電力強度の変動が閾値を超えた場合、換言すれば、受信電力強度のバタつきが大きい場合には、無線通信端末10は、基準メトリックを増大させて(図4のS4)、経路変更が起こり難くすることが望ましい。これにより、不要な経路変更、及びこれに伴うシステムパフォーマンスの低下は回避される。
実測結果においても、無線通信端末10が睡眠状態で経路変更を実行した場合には、スループットが92%から97%に上昇した。これに対して、歩行状態で経路変更を実行した場合には、スループットが94%から90%に逆に低下した。このことからも、経路変更の実行を、リンク品質の変動が少ない場合に限定することが、スループットを改善する上で有効であることが確認される。
無線通信システム1の適用例として、全ての無線通信端末が同一人体上に実装されている場合を例示した。上記適用例のように、あるリンク品質の変動の仕方と他のリンク品質の変動の仕方とに密接な相関関係があれば、無線通信システム1は、1つのリンク品質の変動から、他の経路のリンク品質の変動を類推することができる。その結果、適確な経路選択が可能となる。したがって、無線通信システム1の適用先としては、例えば2ホップ程度のアドホックネットワークの様に、小規模なネットワークが好ましい。あるいは、ネットワーク内の全ての端末が類似した環境に配置され、各端末が連動して動くネットワークが好適である。この様なネットワークとしては、例えば、医療機器や腕時計を利用したBANや、ITS(Intelligent Transport Systems)を利用した車両同士の通信ネットワーク(車車間通信)がある。
以上説明したように、無線通信システム1は、無線通信端末10が他の無線通信端末30との間でデータ通信を行う。無線通信端末10は、受信電力強度測定部13と受信電力強度変動算出部14と経路変更基準制御部15とを有する。受信電力強度測定部13は、他の無線通信端末30との間でデータ通信が行われるデータ通信経路を決定する際に使用される特性を示す特性情報(リンク品質を表す指標となる受信電力強度や移動速度)を取得する。受信電力強度変動算出部14は、取得された上記特性情報を用いて、上記特性の変動を算出する。経路変更基準制御部15は、算出された上記特性の変動に応じて、上記データ通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する。また、他の無線通信端末30は、通信部31を有する。通信部31は、無線通信端末10から上記データ通信経路を経由して送信されるデータを受信する。更に、経路変更基準制御部15は、上記特性の変動が第1の所定値(上限閾値T)を上回る場合には、上記データ通信経路の変更が起き難くなるように上記判定基準を変更する。これに対し、経路変更基準制御部15は、上記特性の変動が、上記第1の所定値よりも小さい第2の所定値(下限閾値T)を下回る場合には、上記データ通信経路の変更が起き易くなるように上記判定基準を変更する。
すなわち、無線通信端末10は、自端末から送信先端末へのパケット送信の経路を、よりメトリックの低い経路、換言すれば低コストの経路に変更することで、スループットの上昇を図ることができる。しかしながら、経路の変更により、データパケットの送信時間が短縮されたとしても、経路変更の処理手続き自体、すなわち、経路変更を完了するための他のパケット通信による負荷や時間が、システム全体としてのスループットの低下をもたらす恐れがある。したがって、経路変更に起因するスループットの低下分が、経路変更による効果としてのスループット上昇分を上回ることが予測される場合には、無線通信端末10は、経路変更を回避することが有効となる。そこで、本実施例に係る無線通信システム1は、経路変更を実行する契機を、経路変更の実効性が確実に見込まれる場合に限定する。これにより、本来不要であった経路変更は抑止され、経路変更のためのパケットの送信機会が減少する。したがって、経路のバタつきに伴う、通信負荷や通信時間の増大は抑制される。その結果、無線通信システム1は、全体としてスループットを向上することが可能となる。なお、同様の理由により、消費電力の低減も可能となる。
従来は、無線通信端末10は、僅かなリンク品質の変動を検知すると、直ちにこれに反応して、経路変更をしていた。このため、その都度、経路変更手続きを行うためのパケット(例えば、パケット寿命を全端末に通知するパケット)が、ネットワーク内に配置された全ての無線通信端末に配信されていた。これにより、ネットワーク内で、多量なパケットの一斉配信が頻繁に行われることとなり、パケット通信量が増大していた。このことが、無線通信システムのスループットを低下させたり、消費電力を増加させる要因となっていた。
そこで、本実施例に係る無線通信システム1では、経路変更により見込むことのできるメトリックの減少(コストダウン)が小さい場合には、経路変更に伴う通信量や電力消費の増大を考慮し、あえて経路変更を行わないものとする。換言すれば、経路変更によるコストダウンよりも、システム全体としてのコスト(トータルコスト)を優先させる。そして、パケット送信経路は、リンク品質が安定し(例えば、被検体の睡眠時)、かつ、低コスト(低メトリック)な経路が変わったこと(例えば、被検体の寝返り)を契機として、変更される。これにより、経路変更のためのパケット送信は、経路変更によりメリットが生じることが確実な場合に限定される。その結果、経路変更処理が効率化される。
更に、無線通信端末10は、他の無線通信端末20、30との間で、リンク情報を含んだパケットを定期的にやり取りすることなく、経路変更に伴うメトリックの減少値を自律的に類推し、経路変更の判定基準を自律的に変更する。したがって、無線通信端末10は、経路変更の要否の判定を、簡易かつ迅速に行うことができる。
より具体的には、リンク品質の変動が大きい時、経路変更に伴うパケットのオーバヘッドによりネットワークが逼迫してしまうという懸念があった。かかる懸念を解消するため、無線通信システム1においては、無線通信端末10は、リンク品質の変動が大きいことを検知すると、以下の2通りの方法により、ネットワークの逼迫の回避を試みる。
第1の方法は、経路変更自体を実行しないことであり、これが、図4のS4及びS6で定義した「経路変更基準」の変更の一態様である。第2の方法は、経路変更自体は実行するものの、経路変更に伴うパケットのオーバヘッドを減少させることであり、これが、上述した「経路変更手法」の変更の一態様である。第1の方法に関しては、動作説明において詳述したため説明を省略するが、第2の方法には、更に、経路変更手続きのためのパケットを増大させる手法と、経路変更手続きのためのパケットを減少させる手法とがある。
前者の手法では、無線通信端末10は、変更前の経路上の端末に対して通信切断要求パケットを送信すると共に、新たな経路上の端末に通信確立要求パケットを送信する。これに伴い、宛先の端末である無線通信端末30のリレーするデータの量にも変動が生じるため、無線通信端末30もまた、上記通信切断要求パケットや通信確立要求パケットを送信することもある。これにより、不要な帯域が削減されると共に、必要な帯域が確保される。一方、後者の経路変更手法として、無線通信端末10が、新たな経路とも既に通信を確立していることを前提とし、オーバヘッドとなる経路変更手続き用のパケットを送受信することなく、経路を変更する手法がある。かかる手法では、経路として実際に使用される帯域の他に、不要な帯域が常に存在することとなる。このため、帯域幅の有効活用という観点からは非効率的であるが、無線通信システム1が、経路変更に伴う手続き用のパケットを減少し、オーバヘッドを抑止するという目的は、達成される。
なお、経路変更手法の変更においても、上述した経路変更基準の変更と同様の増減制御方法を採ることができる。すなわち、経路変更基準の変更では、プロセッサ10eは、経路変更の基準となるメトリック(基準メトリック)の値を、増大または減少させる制御処理を実行した。同様に、経路変更手法の変更では、プロセッサ10eは、経路変更に伴う手続きのためのパケットの量を、減少または増大させる制御処理を実行する。すなわち、「経路変更手法」の変更では、リンク品質の変動が上限閾値を上回った場合(図4のS3;Yesに相当)には、プロセッサ10eは、経路変更に伴う手続きのためのパケットを減少させる。これに対して、リンク品質の変動が下限閾値を下回った場合(図4のS5;Yesに相当)には、プロセッサ10eは、経路変更に伴う手続きのためのパケットを増大させる。無線通信端末10は、上記一連の処理を、所定周期(例えば、1秒〜1分間程度)で繰り返し実行する。
更に、無線通信端末10は、上記判定基準の変更に伴い、変更後の判定基準(基準メトリック)を、同一ネットワーク内の他の無線通信端末20、30に通知する通信部11を更に有する。これにより、無線通信システム1を構成する全ての端末において、無線通信端末10と同様の経路変更基準制御を行う必要が無くなる。したがって、他の無線通信端末20、30は、上記判定基準の増減制御を自ら行わなくとも、無線通信端末10からの通知に倣い、必要に応じて、経路変更基準を変更(再設定)するだけで、上記同様の経路変更基準制御を行った場合と同様の効果が得られる。その結果、無線通信端末20、30における処理負荷や処理時間は節減され、ひいては、無線通信システム1の処理効率が向上する。
但し、本実施例では、小規模ネットワークまたは各端末の動作が類似するネットワークを想定したため、子機a、bは、親機から通知された変更後の基準メトリックを使用するものとした。しかしながら、各端末が独立して動作し、かつ、大規模なネットワークであれば、上記実施例とは異なる態様を採ることも可能である。すなわち、ネットワーク内に配置された全ての端末の各々が、データ送信元の端末(親機に相当)と同様の経路変更基準制御処理を個別に実行する態様を採ることもできる。更に、ネットワーク内に配置された一部の端末のみが、データ送信元の端末と同様の経路変更基準制御処理を独立して実行する一方、他の端末は、データ送信元の端末からの指示に従い、基準メトリックを再設定する態様を採ることも勿論可能である。
なお、上記実施例においては、無線通信システム1は、経路変更基準を変更するか否かの判断に用いる、各無線通信端末10、20、30の特性(メトリック)として、リンク品質を表す指標となる受信電力強度(RSSI)や移動速度を使用した。しかしながら、上記特性として用いるパラメータは、これに限らない。上記特性は、受信電力強度、移動速度以外にも、例えば、PER(Packet Error Rate)、BER(Bit Error Rate)、FER(Frame Error Rate)、SINR(Signal-to-Interference and Noise power Ratio)等のリンク状態を表すパラメータであってもよい。また、上記特性は、各端末のバッファメモリの空き容量、残り電力(バッテリ残量)、ホップ数、端末の移動性(移動速度や位置)に基づくリンク寿命(リンクの有効時間)、帯域幅、あるいは、経路数(経路選択の柔軟性)等のパラメータであってもよい。
また、上記実施例では、無線通信端末10は、品質変動の監視対象となるリンクを、自端末から観測可能なリンクとした。しかしながら、品質変動の監視対象となるリンクは、必ずしも、無線通信端末10から観測可能なリンクである必要はなく、無線通信端末10以外の他の無線通信端末からのみ観測可能なリンクであってもよい。これにより、無線通信端末10は、より広範囲のリンク品質を監視することができる。したがって、無線通信端末10からはリンクを直接観測することができない端末を含む比較的大規模なネットワークにおいても、無線通信端末10は、経路変更を行うか否かの判定基準(基準メトリック)を、より正確に決定することができる。その結果、無線通信システム1の汎用性、ひいては通信環境適応性が向上する。
更に、上記実施例に係る無線通信システム1のネットワーク形態としてアドホックネットワークを例示したが、これに限らず、本発明は、アクセスポイントを介して通信を行うネットワーク形態(インフラストラクチャモード)、あるいは、これらの複合型等、任意のネットワーク形態に適用可能である。品質測定の対象となるリンクの種類に関しても、本発明は、ツリー型リンクに限らず、メッシュ型リンク、スター型リンク等、何れのリンクにも適用することができる。また、ネットワークにおいてパケットを中継する無線通信端末の数についても1つに限らず、2つ以上であってもよい。更に、パケット送信側の無線通信端末10からパケット受信側の端末装置までの伝送距離、あるいは、中継する端末装置間の距離(装置間隔)についても、任意の値を採ることができる。
また、上記実施例においては、無線通信端末10の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的態様は、図示のものに限らず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することもできる。例えば、受信電力強度測定部13と受信電力強度変動算出部14、あるいは、経路変更基準制御部15と内部センサ16をそれぞれ1つの構成要素として統合してもよい。反対に、経路変更基準制御部15に関し、メトリックの変動が上限閾値を超えた場合に経路変更の基準メトリックを増加させる部分と、メトリックの変動が下限閾値未満となった場合に基準メトリックを減少させる部分とに分散してもよい。更に、受信電力強度やその閾値あるいは設定経路を格納するメモリを、無線通信端末10の外部装置としてネットワークやケーブル経由で接続するようにしてもよい。
1 無線通信システム
10、20、30 無線通信端末
10a RF回路
10b 変調回路
10c 復調回路
10d MAC処理回路
10e プロセッサ
10f センサ
10g メモリ
10h ROM
10i HD
10j SIR/RSSI測定回路
11、21、31 通信部
12、22、32 データ処理部
13、23、33 受信電力強度測定部
14、24、34 受信電力強度変動算出部
15、25、35 経路変更基準制御部
16、26、36 内部センサ
a、b 子機
A1 アンテナ
P1 変更前パケット経路
P2 変更後パケット経路
上限閾値
下限閾値
上限閾値
時間
X1 睡眠時における親機、子機a間での受信電力強度
X2 睡眠時における親機、子機b間での受信電力強度
X3 睡眠時における子機a、子機b間での受信電力強度
Y1 歩行時における親機、子機a間での受信電力強度
Y2 歩行時における親機、子機b間での受信電力強度
Y3 歩行時における子機a、子機b間での受信電力強度

Claims (5)

  1. 他の無線通信端末との間でデータ通信が行われるデータ通信経路を決定する際に使用される特性を示す特性情報を取得する取得部と、
    取得された前記特性情報を用いて、前記特性の変動を算出する算出部と、
    算出された前記特性の変動に応じて、前記データ通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する制御部と
    を有することを特徴とする無線通信端末。
  2. 前記制御部は、前記特性の変動が第1の所定値を上回る場合、前記データ通信経路の変更が起き難くなるように前記判定基準を変更すると共に、前記特性の変動が、前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値を下回る場合、前記データ通信経路の変更が起き易くなるように前記判定基準を変更することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 前記判定基準の変更に伴い、当該変更後の判定基準を前記他の無線通信端末に通知する通知部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  4. 無線通信端末が他の無線通信端末との間でデータ通信を行う無線通信システムであって、
    前記無線通信端末は、
    前記他の無線通信端末との間でデータ通信が行われるデータ通信経路を決定する際に使用される特性を示す特性情報を取得する取得部と、
    取得された前記特性情報を用いて、前記特性の変動を算出する算出部と、
    算出された前記特性の変動に応じて、前記データ通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する制御部とを有し、
    前記他の無線通信端末は、
    前記無線通信端末から前記データ通信経路を経由して送信されるデータを受信する受信部を有することを特徴とする無線通信システム。
  5. 無線通信端末が、
    他の無線通信端末との間でデータ通信が行われるデータ通信経路を決定する際に使用される特性を示す特性情報を取得し、
    取得された前記特性情報を用いて、前記特性の変動を算出し、
    算出された前記特性の変動に応じて、前記データ通信経路の変更を行うか否かの判定基準を変更する
    ことを特徴とする無線通信方法。
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