JP2013120038A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電食を防止することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】モールド電動機と、モールド電動機により駆動されるクロスフローファン9とを備えた空気調和機であって、モールド電動機は、シャフト11と、シャフト11を回転支持するシャフト側軸受12、反シャフト側軸受13とを備え、シャフト側軸受12、反シャフト側軸受13は、シャフト11に固定された軸受内輪と、軸受内輪と対の軸受外輪とで構成され、クロスフローファン9は、シャフト11の軸方向に対して所定の角度で傾斜を持たせた複数枚のブレード91が設けられており、モールド電動機19が回転すると、ブレード91によってモールド電動機19に向かった圧力を発生させ、軸受内輪を軸受外輪に押しつけるものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、空気調和機に関し、特に、電食の発生を防止する空気調和機に関する。
従来の空気調和機は、回転体部分である回転軸の端面中心部と、静止体部分である中央部蓋壁との間に導電性のコイルスプリングを設けることで電食を防止するものであった(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の空気調和機は、導電性テープを用いることにより、出力側のブラケットと反出力側のブラケットを短絡させ、両方のブラケットを同電位とすることで電食を防止するものであった(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−139066号公報(段落[0008]) 特開2007−20348号公報(段落[0021])
従来の空気調和機においては、シャフトの軸受け外輪と軸受け内輪との位置関係に着目すると、シャフトが回転していないとき、シャフトの軸受け外輪と軸受け内輪との位置関係がずれることはなかった。よって、このときには、軸受け内外輪間に電位差が生じなかった。そのため、シャフトが回転していないときには、軸受け内外輪間において、シャフトの軸受け外輪と軸受け内輪とは導通状態であった。よって、この場合においては、軸受け内外輪間の短絡状態を維持することができた。
しかしながら、従来の空気調和機のファンは、シャフトが回転すればするほど、シャフトに対してさまざまな荷重がかかり、シャフトの軸受け外輪と軸受け内輪との位置関係がずれてしまうことがあった。軸受け内外輪間の間隔が変動することにより、軸受け内外輪間に電位差が生じてしまうことがあった。このため、軸受け内外輪間の短絡状態を維持できず、電食が生じることがあった。
この結果、従来の空気調和機では電食の発生を防止することができないという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、電食の発生を防止することができる空気調和機を提供することを目的とするものである。
本発明の空気調和機は、電動機と、前記電動機により駆動されるクロスフローファンとを備えた空気調和機であって、前記電動機は、シャフトと、前記シャフトを回転支持する軸受とを備え、前記軸受は、前記シャフトに固定された軸受内輪と、前記軸受内輪と対の軸受外輪とで構成され、前記クロスフローファンは、前記シャフトの軸方向に対して所定の角度で傾斜を持たせた複数枚のブレードが設けられており、前記電動機が回転すると、前記ブレードによって前記電動機に向かった圧力を発生させ、前記軸受内輪を前記軸受外輪に押しつけるものである。
本発明は、電食の発生を防止することができることにより、長寿命で信頼性の高い空気調和機を提供することができるという効果を有する。
本発明の実施の形態1における空気調和機を示す概略図である。 本発明の実施の形態1における室内機52の分解斜視図である。 従来の空気調和機の電動機の電食の発生を防ぐ構造の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1における電動機ASSY18の構成図である。 本発明の実施の形態1における電動機ASSY18の断面図である。 従来の空気調和機のモールド電動機19を用いた電気的モデルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるモールド電動機19のシャフト側軸受12、反シャフト側軸受13に圧力を与える構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における電気的モデルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるモールド電動機19の回転数と軸受けにかかる圧力との相関関係を示す図である。 本発明の実施の形態2における電動機ASSY18の断面図である。 本発明の実施の形態2におけるモールド電動機19の軸受けに圧力を与える構成を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるモールド電動機19の回転数と軸受けにかかる圧力との相関関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和機を示す概略図である。図1に示すように、空気調和機は、室内機52及び室外機53を備え、冷媒配管を介して互いに接続されるものである。空気調和機は、室内機52及び室外機53を運転することにより、冷媒配管を流れる冷媒の熱交換がなされ、その結果として、室内に冷風や温風等を供給する。
図2は、本発明の実施の形態1における室内機52の分解斜視図である。図2に示すように、室内機52は、クロスフローファン9、電動機第1マウント16、電動機第2マウント17、電動機ASSY18、室内機ベース20、軸受けマウント55、及びすべり軸受け56等から形成されるものである。
クロスフローファン9は、ブレード91が設けられており、回転することで径内方向に室内の空気を流入させ、流入させた流入空気をブレード91の径外方向に流出させるものである。クロスフローファンのシャフト57は、クロスフローファン9に固定され、クロスフローファン9を支えるものである。すべり軸受け56は、クロスフローファン9の回転時、クロスフローファン9の振動を抑制すると共に、軸受けマウント55との摩擦を軽減させるものである。軸受けマウント55は、クロスフローファンのシャフト57を摺動支持するものである。
電動機第1マウント16及び電動機第2マウント17は、電動機ASSY18を支持固定するものである。電動機ASSY18は、クロスフローファン9をシャフト11を介して回転させるものである。室内機ベース20は、クロスフローファン9、電動機第1マウント16、電動機第2マウント17、電動機ASSY18、軸受けマウント55、及びすべり軸受け56等を支持固定するベースである。
クロスフローファン9には、クロスフローファンのシャフト57が取り付けられる。クロスフローファンのシャフト57は、すべり軸受け56に取り付けられる。すべり軸受け56は、軸受けマウント55に取り付けられる。軸受けマウント55は、室内機ベース20に取り付けられる。
また、クロスフローファン9は、シャフト11に固定される。シャフト11は、後に図4、5で詳述するように、モールド電動機19に設けられており、モールド電動機19は、電動機ASSY18の構成要素となっている。
電動機第1マウント16及び電動機第2マウント17は、電動機ASSY18を挟み込んで固定し、電動機ASSY18と一体となる。電動機ASSY18は、電動機第1マウント16及び電動機第2マウント17と一体となった状態で、室内機ベース20に取り付けられる。
また、室内機ベース20又は図示しない本体ケースには、図示しない熱交換器や基板等が取り付けられ、冷媒配管等が設けられ、前面パネルが取り付けられた室内機52が形成される。
そして、室内機52は、取り付けられた基板の制御信号に基づいてモールド電動機19が回転駆動する。この回転が、シャフト11を介してクロスフローファンのシャフト57に伝達され、クロスフローファン9が回転する。こうすることで、室内機52に搭載されている熱交換器に室内空気を循環すると共に、熱交換器で熱交換した冷気や暖気等の気体を室内に送風し、室内の冷房や室内の暖房等を行う。
次に、従来の空気調和機における電食の発生を防ぐ構造の一例について説明し、電動機の構造について説明した後、その電動機の構造に依存せずに電食の発生を防ぐ構造について説明する。
まず、図3は、従来の空気調和機の電動機の電食の発生を防ぐ構造の一例を示す図である。図3に示すように、従来の空気調和機は、クロスフローファン9、電動機ASSY18、軸受けマウント55、すべり軸受け56、クロスフローファンのシャフト57、及び電動機の電食の発生を防ぐためのアース65等を備えるものである。具体的には、電動機ASSY18のシャフト11と、クロスフローファン9と、すべり軸受け56と、対地とをアース65を介して導通状態にすることでアース経路が形成されている状態となっている。このようにすることで、従来は電動機の電食の発生を防止するようにしていた。
次に、電動機の構造について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における電動機ASSY18の構成図である。図5は、本発明の実施の形態1における電動機ASSY18の断面図である。
図4に示すように、電動機ASSY18は、モールド電動機19に対して、シャフト側にラバーマウント14が設けられ、反シャフト側にラバーマウント15が設けられたものである。ここで、シャフト側とは、シャフト11が電動機ASSY18から突出して設けられている側を意味し、反シャフト側とは、シャフト側とは反対側を意味するものとする。
ラバーマウント14及びラバーマウント15は、リング状のゴム等から形成される部品である。ラバーマウント14及びラバーマウント15は、モールド電動機19の振動を吸収するものである。よって、空気調和機は、モールド電動機19にラバーマウント14及びラバーマウント15が装着された電動機ASSY18を組み込むことで、モールド電動機19の振動を防止することができる。
図5に示すように、電動機ASSY18は、固定子モールド80、ロータ4、シャフト11、シャフト側軸受12、反シャフト側軸受13、第1ブラケット6、第2ブラケット7、及び第3ブラケット8等を備えているものである。
固定子モールド80は、外部から電圧が印加されることにより、ロータ4を回転させるものである。ロータ4は、自身が回転することにより、ロータ4に固定されたシャフト11を回転させるものである。シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13は、回転運動するシャフト11の荷重を受けると共に、シャフト11を支持するものである。
固定子モールド80は、固定子部10と第3ブラケット8とをモールド樹脂3で封入することで形成される。固定子部10は、絶縁部1、巻線2、コア30、基板5から形成される。
絶縁部1は、巻線2とコア30とを絶縁させるものである。巻線2は、銅で形成される導線であり、コア30に複数回巻き付けられ、導線中を電流が流れたときに誘導磁界を形成するものである。コア30は、鉄で形成され、巻線2からの誘導磁界により、ロータ4に回転磁界を生じさせるものである。基板5は、外部から電圧が印加されたとき、モールド電動機19の定格に基づいた電流を巻線2に流すように制御する回路基板である。
絶縁部1は、基板5に取り付けられる。巻線2は、絶縁部1を介在させて、鋼板を積層したコア30に巻かれる。これにより、コア30、絶縁部1、巻線2、基板5を備えた固定子部10が形成される。基板5は、モールド電動機19を駆動する駆動素子等の電子部品を実装している。固定子モールド80は、固定子部10と第3ブラケット8とをモールド樹脂3で封入することで形成される。ロータ4は、固定子モールド80に対して所定の空隙を介して固定子モールド80に挿入される。ロータ4と一体的に回転するシャフト11は、シャフト側にシャフト側軸受12が形成され、反シャフト側に反シャフト側軸受13が形成される。
シャフト側軸受12は、軸受外輪36と軸受内輪37とから形成され、軸受外輪36と軸受内輪37との間に鉄ボール82やグリス等の潤滑剤が設けられる。反シャフト側軸受13は、軸受外輪34と軸受内輪35とから形成され、軸受外輪34と軸受内輪35との間に鉄ボール81やグリス等の潤滑剤が設けられる。軸受内輪37と軸受内輪35とにはシャフト11が固定され、ロータ4の回転に応じてシャフト11が回転可能に形成されている。
第1ブラケット6は、固定子モールド80の一部を支持するものであり、シャフト側軸受12が固定子モールド80に対して摺動可能であるときには、シャフト側軸受12の摺動時の境界面を形成し、シャフト側軸受12の一部を支持することになる。第2ブラケット7は、固定子モールド80と反シャフト側軸受13との間に設けられ、固定子モールド80の一部と反シャフト側軸受13の一部とを支持するものである。第3ブラケット8は、シャフト側軸受12を支持するものである。
要するに、電動機ASSY18は、巻線2、モールド樹脂3、ロータ4、基板5、第1ブラケット6、第2ブラケット7、第3ブラケット8、絶縁部1、固定子部10、シャフト11、シャフト側軸受12、反シャフト側軸受13、ラバーマウント14、ラバーマウント15、コア30、軸受外輪34、軸受内輪35、軸受外輪36、及び軸受内輪37等から形成されるものである。
また、モールド電動機19は、電動機ASSY18の構成要素のうち、ラバーマウント14及びラバーマウント15以外の構成要素から形成されるものである。
なお、上記で説明した電動機ASSY18は一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
なお、上記で説明したモールド電動機19は一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
なお、「モールド電動機19」は、本発明における「電動機」に相当する。
なお、「シャフト側軸受12」は、本発明における「第1軸受」に相当する。
なお、「反シャフト側軸受13」は、本発明における「第2軸受」に相当する。
次に、図6で従来のモールド電動機19の電気的モデルを説明した後、上記で説明した電動機ASSY18の構造に依存せずに電食を防ぐ構造について図7〜9を用いて説明する。なお、図6で示す黒点は、モールド電動機19を構成している部材を表し、対応する符号を付記している。
図6は、従来の空気調和機のモールド電動機19を用いた電気的モデルの一例を示す図である。図6に示すように、電圧を印加したときにおいて、モールド電動機19は、各部品間でそれぞれ浮遊容量としての静電容量が存在することとなり、それぞれが電気的に接続されている状態となっている。
例えば、ロータ4とコア30との間には、コア−ロータ間容量23が存在する。また、回路やコイル等を含む部分をINV部(インバータ部)とすると、INV部24とコア30との間には、INV部−コア間容量22が存在する。
また、例えば、ロータ4とシャフト11は、一体的に形成されており、同電位である。ロータ4とINV部24との間、すなわち、シャフト11とINV部24との間には、その他の容量として、その他容量21が存在する。
また、例えば、コア30と第2ブラケット7との間には、コア−第2ブラケット間容量39が存在する。INV部24と第2ブラケット7との間には、INV部−第2ブラケット間容量26が存在する。
また、例えば、第2ブラケット7と軸受外輪34とは同電位であり、シャフト11と軸受内輪35とは同電位である。軸受外輪34と軸受内輪35との間には、軸受内外輪間浮遊容量27が存在する。つまり、第2ブラケット7とシャフト11との間には、軸受内外輪浮遊容量27が存在する。また、軸受内外輪間浮遊容量27は反シャフト側軸受13の静電容量である。
また、例えば、コア30と第3ブラケット8との間には、コア−第3ブラケット間容量43が存在する。第3ブラケット8とINV部24との間には、INV部−第3ブラケット間容量40が存在する。
また、例えば、第3ブラケット8と第2ブラケット7との間には、第3ブラケット−第2ブラケット間容量42が存在する。
また、例えば、第3ブラケット8と軸受外輪36とは同電位であり、シャフト11と軸受内輪37とは同電位である。軸受外輪36と軸受内輪37との間には、軸受内外輪間浮遊容量28が存在する。つまり、第3ブラケット8とシャフト11との間には、軸受内外輪間浮遊容量28が存在する。また、軸受内外輪間浮遊容量28はシャフト側軸受12の静電容量である。
このような電気的構成を前提として、駆動素子を実装した基板5から巻線2にINV部24の電圧を印加した場合について具体的に説明する。
INV部24の電圧が印加されると、シャフト11が回転し始める。そのとき、軸受外輪34と軸受内輪35との間にある鉄ボール81の回転が始まる。また、軸受外輪36と軸受内輪37との間にある鉄ボール82の回転が始まる。これにより、軸受外輪34、軸受内輪35、及び鉄ボール81との接触箇所がシャフト11の回転に応じて変化し、シャフト11の回転数が上がるにつれて、その接触箇所の変化する頻度が増加し、接触箇所も変動する。同様に、軸受外輪36、軸受内輪37、及び鉄ボール82との接触箇所がシャフト11の回転に応じて変化し、シャフト11の回転数が上がるにつれて、その接触箇所の変化する頻度が増加し、接触箇所も変動する。
また、シャフト11に負荷が接続された状態において、シャフト11が回転し始めると、シャフト11の軸方向に荷重がかかる。これにより、軸受外輪34と軸受内輪35の位置関係がシャフト11の軸方向で相対的に若干変動するバックラッシュが生じる。同様に、軸受外輪36と軸受内輪37との位置関係がシャフト11の軸方向で相対的に若干変動するバックラッシュが生じる。この場合においても、シャフト11の回転数が上がるにつれて、バックラッシュが大きくなっていく。
これらのことから、軸受外輪34と軸受内輪35との間に隙間が生じ、軸受外輪36と軸受内輪37との間に隙間が生じる。それにより、上記で説明した浮遊容量が合成され、軸受外輪34と軸受内輪35との間に軸受内外輪間浮遊容量27が発生し、軸受外輪36と軸受内輪37との間に軸受内外輪間浮遊容量28が発生する。
これにより、軸受外輪34と軸受内輪35との間で電位差が生じることで電圧が発生し、同様に、軸受外輪36と軸受内輪37との間で電位差が生じることで電圧が発生する。この状態で、ある所定の値以上の電位差となったとき、軸受外輪34と軸受内輪35との間のグリス間の絶縁破壊に至ることで放電が生じる。この放電のエネルギーは軸受の転送面に傷をつける。このようにして、電食の現象が生じることとなる。そして、このような放電が繰り返し生じることにより、転送面には波状磨耗が発生する。その結果、モールド電動機19に異常音が発生し、空気調和機そのものの不具合の原因となる。
また、近年、エアコン等に使用される電動機は省エネが要求され続けている。そのため、エアコン等で使用される電動機としては、効率の高いDCブラシレスモータが大半を占めるようになっている。DCブラシレスモータは、PWM方式(パルス幅変調)で駆動する。すなわち、DCブラシレスモータはインバータ制御により駆動される。よって、DCブラシレスモータにはインバータで高周波スイッチング電圧が印加される。このことからも、DCブラシレスモータの軸受内輪と軸受外輪との間に生じる電位差により、軸受内輪と軸受外輪との間で放電しやすい傾向があった。そのため、軸受の転送面にも波状磨耗が生じる可能性が高かった。
なお、上記で説明した浮遊容量はモールド電動機の構造によって異なる。すなわち、モールド電動機には、そのモールド電動機の仕様に基づいた構造に応じて異なった浮遊容量が存在することとなる。
図6においては、軸受外輪34と軸受内輪35との間の浮遊容量は、軸受の内外輪間の浮遊容量と軸受内外輪に接触する系の浮遊容量との総和となる。同様に、軸受外輪36と軸受内輪37との間の浮遊容量は、軸受の内外輪間の浮遊容量と軸受内外輪に接触する系の浮遊容量との総和となる。また、電動機の構造が異なる場合、軸受内外輪の各系の浮遊容量が変わってくる。そのため、これらの浮遊容量を減らすことにより、電食の発生を防止することが可能となる。あるいは、これらの浮遊容量をゼロ化することにより、電食の発生を防止することが可能となる。ここで、平行平板導体の静電容量の式を式(1)に示す。
Figure 2013120038
式(1)において、Cを少なくすることにより、電食を防止することができるようになる。また、式(1)において、軸受間のCのバランスをとることで、電位差をなくして電食の発生を防止することができるようになる。換言すれば、軸受間のCを同一容量とすることで、電位差をなくして電食の発生を防止することができるようになる。
また、式(1)において、軸受間のCをゼロ化することで、電食の発生を防止することができるようになる。換言すれば、軸受間を短絡することで、電食を防止することができるようになる。
要するに、軸受外輪34と軸受内輪35との電位差をなくして導通状態にすることにより、電食の発生を防止する。同様に、軸受外輪36と軸受内輪37との電位差をなくして導通状態にすることにより、電食の発生を防止する。それらによって、モールド電動機19の長期信頼性を向上させることができ、長寿命のモールド電動機19を提供できるようになる。そして、そのようなモールド電動機19を空気調和機が備えることにより、長寿命で信頼性の高い空気調和機を提供することができるようになる。また、電食を防止することにより、電食が原因の騒音発生についても防止することができるようになる。しかし、従来は、図3で説明したようにアース等の他の部材を介して電位差をなくすようにしていたが、軸受外輪36と軸受内輪37との間の電位差に着目したものはなかった。
なお、上記で説明した電気的モデルは従来の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
次に、上記で説明したように電食を防止する実施の形態の一例について具体的に図7〜図9を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態1におけるモールド電動機19のシャフト側軸受12、反シャフト側軸受13に圧力を与える構成を示す図である。図7に示すように、クロスフローファン9に対して、ブレード91を設け、ブレード91に所定の角度のスキューをつける。通常、スキューは、クロスフローファン9から生じる風きり音等の騒音を低減するために用いている。ここでは、そのスキューにより生じるシャフト11の軸方向の力を利用することで、電食の発生を防ぐようにしている。
具体的には、ブレード91は、空気流の発生方向が、クロスフローファン9の回転軸に直交する方向からモールド電動機19の側へ偏向するようにスキュー角をもって形成されている。つまり、ブレード91は、シャフト11に直交する仮想座標平面上に対して、スキュー角をもって傾斜させた別の仮想座標平面上に存在するように、クロスフローファン9に取り付けられている。そして、スキュー角を持たせたブレード91を、一定の間隔をおいてクロスフローファン9に複数取り付けることで、クロスフローファン9が形成されている。
より具体的には、クロスフローファン9にスキューをつけると、スキューによりシャフト11の軸方向に所定の力が生じる。スキューの角度はモールド電動機19のシャフトに向かう方向である第1矢印の方向101に力が向かうようにする。例えば、スキューの角度は、ブレード91を風が流れたとき、ブレード91のすべり軸受け56側を向く面の流体が高圧になるようにし、ブレード91のモールド電動機19側を向いている面の流体が低圧になるようにする。このようにすることで、ブレード91のすべり軸受け56側を向いている面を流れる風と、ブレード91のモールド電動機19側を向いている面を流れる風とを合成した風は、高圧側から低圧側へと第1矢印の方向101に力が向かうようになる。よって、クロスフローファン9が回転したとき、モールド電動機19には、シャフト側から反シャフト側への力が発生する。つまり、第2矢印の方向102から第3矢印の方向103へ力が発生することで、シャフト側軸受12と、反シャフト側軸受13とに力が圧力として伝わる。
換言すれば、クロスフローファン9に取り付けるブレード91が所定の角度を持つようにすることで、クロスフローファン9の回転時、シャフト11に対して、モールド電動機19が存在する方向に推進力を持たせるようにする。したがって、ブレード91を取り付ける角度は、モールド電動機19が存在する方向に推進力が生じるものであればよい。このため、クロスフローファン9は、所定の角度を持たせたブレード91を取り付けることにより、クロスフローファン9が回転時、効率良く室内に熱交換された空気を供給するとと共に、モールド電動機19が存在する方向に推進力を生じさせる。
よって、クロスフローファン9は、いわゆる船舶等で使用されるスクリューのような機能を有することになる。そのため、シャフト11の回転方向が、クロスフローファン9側からシャフト11の先端を見たとき、右回転するものである場合、ブレード91は、シャフト11の長手方向を含む仮想座標平面上で、反時計方向に偏向してクロスフローファン9に取り付けられることとする。また、シャフト11の回転方向が、クロスフローファン9側からシャフト11の先端を見たとき、左回転するものである場合、ブレード91は、シャフト11の長手方向を含む仮想座標平面上で、時計方向に偏向してクロスフローファン9に取り付けられることとする。
また、ブレード91は、シャフト11の長手方向と比較したときには、所定の傾斜を持たせた角度で、クロスフローファン9に複数形成されることとなる。
具体的には、ブレード91は、シャフト11の長手方向に対して5度以上の傾斜を持たせるようにクロスフローファン9に複数形成されている。ブレード91の傾斜を長手方向に対して5度以上とすることにより、シャフト11の軸方向に所定の力が生じることになる。また、例えば、ブレード91の傾斜を長手方向に対して10度としてもよい。なお、ここでは5度、10度についての一例について説明したが、これらに限定されないことは言うまでもないことである。つまり、シャフト11の軸方向に生じる力を変更させる場合、必要な力に応じてブレード91の傾斜角度を調整すればよい。
また、クロスフローファン9に形成されるブレード91の傾斜角度が可変なものとして形成されている場合には、状況に応じて、適宜変更されるようにしてもよい。例えば、ブレード91に埃塵が堆積したことでシャフト11の軸方向に生じる力が弱まった場合、ブレード91の傾斜角度を変更させるようにしてもよい。
このとき、図7に示すように、モールド電動機19にはバネワッシャを設けていない。通常、バネワッシャでモールド電動機19に一定の圧力をかけていなければ、クロスフローファン9が回転したとき、シャフト11の振動によりシャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13に損傷を与えることがある。したがって、バネワッシャでモールド電動機19に一定の圧力をかけていなければ、音が発生し、騒音の原因となることがあった。ここでは、クロスフローファン9により圧力を与える。そのため、バネワッシャでモールド電動機19に一定の圧力をかける必要も生じない。
図7に示すように、クロスフローファン9でモールド電動機19に圧力をかける方向である第1矢印の方向101と、シャフト側軸受12にかかる力の方向である第2矢印の方向102と、反シャフト側軸受13にかかる力の方向である第3矢印の方向103とは同一の方向である。
また、第1矢印の方向101にモールド電動機19がクロスフローファン9から力を受けたとき、シャフト側軸受12と反シャフト側軸受13とには同時に圧力がかかることになる。このようにして、圧力がかかると、クロスフローファン9が回転しているときであっても、図5に示す軸受外輪36と、軸受内輪37と、鉄ボール82との隙間が発生しなくなる。これにより、軸受外輪36、鉄ボール82、及び軸受内輪37において、導通状態が保たれる。そのため、シャフト11に軸電流が流れたとしても、軸受外輪36と軸受内輪37との間で、放電が発生しない。また、同様にして、圧力がかかると、クロスフローファン9が回転しているときであっても、図5に示す軸受外輪34と、軸受内輪35と、鉄ボール81との隙間が発生しなくなる。これにより、軸受外輪34、鉄ボール81、及び軸受内輪35において、導通状態が保たれる。そのため、シャフト11に軸電流が流れたとしても、軸受外輪34と軸受内輪35との間で、放電が発生しない。
次に、上記で説明した構成を前提として、モールド電動機19の各部品の電位について図8を用いて説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における電気的モデルの一例を示す図である。
なお、図8の電気的モデルにおいて、特に記述しない項目については図6の電気的モデルと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図8に示すように、軸受外輪36と軸受内輪37との間には、シャフト側軸受間の短絡スイッチ61が形成され、軸受外輪34と軸受内輪35との間には、反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62が形成される。シャフト側軸受間の短絡スイッチ61及び反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62は、図7で説明するクロスフローファン9が回転し始めたとき、ON状態となるものである。つまり、シャフト側軸受間の短絡スイッチ61は、シャフト11に加えられた圧力により、軸受外輪36と軸受内輪37との導通状態が維持されることを等価回路として表現したものである。同様に、反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62は、シャフト11に加えられた圧力により、軸受外輪34と軸受内輪35との導通状態が維持されることを等価回路としたものである。
具体的には、図7で説明するクロスフローファン9が回転し始めることにより、図8に示すシャフト側軸受間の短絡スイッチ61及び反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62はON状態となる。つまり、クロスフローファン9の回転と、シャフト側軸受間の短絡スイッチ61と、反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62とは連動していることとなる。具体的には、クロスフローファン9が回転していないとき、シャフト側軸受間の短絡スイッチ61及び反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62は、ノーマリーオフの状態である。そして、クロスフローファン9が回転し始めると、図7に示すように、クロスフローファン9からモールド電動機19に対して、第1矢印の方向101に圧力がかかる。すると、シャフト11のシャフト側には、第2矢印の方向102に圧力がかかり、シャフト11の反シャフト側には、第3矢印の方向103に圧力がかかる。このとき、図8に示すシャフト側軸受間の短絡スイッチ61及び反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62はON状態となり、図7、図8に示すシャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13の間は短絡状態となる。
次に、クロスフローファン9の回転に応じてシャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13が受ける力について図9を用いて説明する。
図9は、本発明の実施の形態1におけるモールド電動機19の回転数と軸受けにかかる圧力との相関関係を示す図である。図9において、横軸はクロスフローファン9の回転数を表し、縦軸は軸受けにかかる圧力の絶対値を表すものとし、線111は、クロスフローファン9の回転に対して、クロスフローファン9が与える圧力の変化を表すものとする。
図9に示すように、クロスフローファン9が回転するにつれ、軸受けにかかる圧力はリニアに大きくなる。つまり、クロスフローファン9の回転数が上がるにつれ、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13が受ける力は大きくなる。よって、クロスフローファン9が高回転のときは、シャフト11に軸電流がより流れやすくなるものの、クロスフローファン9の回転数に伴って、圧力も高くなるため、シャフト側軸受12と反シャフト側軸受13との間の短絡状態が効果的に維持される。つまり、クロスフローファン9の回転数を低回転から高回転まで変更することで、シャフト11に与える圧力の度合いを制御することができる。また、クロスフローファン9の1回転当たりの圧力に関しては、ブレード91のスキュー角度を変えることで変更が可能である。例えば、スキュー角度を大きくとるにつれ、ブレード91のすべり軸受け側を向く面の流体と、ブレード91のモールド電動機19側を向く面の流体との圧力比は大きくなる。すると、それに伴い圧力も大きくなる。
このようにして、図5に示す軸受外輪34と軸受内輪35との短絡状態は維持され、軸受外輪36と軸受内輪37との短絡状態は維持される。それにより、シャフト11に軸電流が流れたとしても、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13では放電が生じることがない。そのため、軸受の転送面に波状磨耗が発生することも起きない。よって、電食の発生を防止することができる。
換言すれば、クロスフローファン9の回転数に応じて圧力が変動するため、軸受外輪34と軸受内輪35との短絡状態を維持することができ、軸受外輪36と軸受内輪37との短絡状態を維持することができる。このため、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13には、シャフト11の軸電流による放電が発生しない。それにより、電食が発生しないため、電食による騒音の発生を防止できると共に、長寿命で高信頼性の空気調和機を提供することができる。また、モールド電動機19内部において、バネワッシャを必要としない。そのため、低コストでモールド電動機19を実現することができる。
また、仮に、電食を防止するために、モールド電動機19の構造を変更する場合、軸電流の発生レベルも変わる。本発明の実施の形態1においては、電食を防止する際、モールド電動機19の構造については何も変更していない。つまり、モールド電動機19の構造に依存しないで電食対策ができる。よって、空気調和機の構造設計の自由度を増大させることができる。
以上のように、本実施の形態1においては、モールド電動機19と、モールド電動機19により駆動されるクロスフローファン9とを備えた空気調和機であって、モールド電動機19は、シャフト11と、シャフト11を回転支持する軸受とを備え、軸受は、シャフト11に固定された軸受内輪35、37と、軸受内輪35、37と対の軸受外輪34、36とで構成され、クロスフローファン9は、シャフト11の軸方向に対して所定の角度で傾斜を持たせた複数枚のブレード91が設けられており、モールド電動機19が回転すると、ブレード91によってモールド電動機19に向かった圧力を発生させ、軸受内輪35、37を軸受外輪34、36に押しつけることにより、軸受外輪34と軸受内輪35との短絡状態を維持することができ、軸受外輪36と軸受内輪37との短絡状態を維持することができる。このため、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13には、シャフト11の軸電流による放電が発生しない。それにより、電食が発生しないため、電食による騒音の発生を防止できると共に、長寿命で高信頼性の空気調和機を提供することができる。
また、本実施の形態1においては、モールド電動機19がシャフト11を回転させることによってクロスフローファン9の回転数が大きくなるにつれ、圧力が大きくなることにより、軸受外輪34と軸受内輪35との短絡状態を維持することができ、軸受外輪36と軸受内輪37との短絡状態を維持することができる。このため、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13には、シャフト11の軸電流による放電が発生しない。それにより、電食が発生しないため、電食による騒音の発生を防止できると共に、長寿命で高信頼性の空気調和機を提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態1との相違点は、シャフト側軸受12を第3ブラケット8単体ではなく、第1ブラケット6と第3ブラケット8とで支持する点と、モールド電動機19の内部にバネワッシャを設けている点である。これにより、クロスフローファン9が極低回転のときにおいても、シャフト11に圧力を与えることができる。
なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図10は、本発明の実施の形態2における電動機ASSY18の断面図である。図10に示すように、シャフト側軸受12は、シャフト11がモールド電動機19から突出している側であり、軸受外輪36の一方の端部及び軸受内輪37の一方の端部で略面一となっている面に対して、第1ブラケット6で支持されている。また、シャフト側軸受12は、シャフト11が回転し、クロスフローファン9から圧力が与えられるにつれ、次第に第1ブラケット6から離れるようになっている。また、シャフト側軸受12は、軸受外輪36を形成する面のうち、鉄ボール82と接触していない側であり、固定子モールド80と対向する面の一部に対して、第3ブラケット8で支持され、摺動可能となっている。
また、シャフト11がモールド電動機19から突出していない側であり、軸受外輪36のもう一方の端部及び軸受内輪37のもう一方の端部で略面一となっている面と、第3ブラケット8とで空隙が形成されている。そして、この空隙には、シャフト側バネワッシャ71が設けられている。つまり、シャフト側バネワッシャ71は、シャフト側軸受12と第3ブラケット8との間に設けられている。
一方、反シャフト側軸受13は、軸受外輪34を形成する面のうち、鉄ボール81と接触していない側であり、固定子モールド80と対向する面の一部に対して、第2ブラケット7で支持され、摺動可能となっている。
また、シャフト11がモールド電動機19から突出していない側であり、軸受外輪34の一方の端部及び軸受内輪35の一方の端部で略面一なっている面と、第2ブラケット7とで空隙が形成されている。そして、この空隙には、反シャフト側バネワッシャ72が設けられている。つまり、反シャフト側バネワッシャ72は、反シャフト側軸受13と第2ブラケット7との間に設けられている。
このような配置状の構成で、シャフト側バネワッシャ71は、シャフト側軸受12に対して圧力を与え、反シャフト側バネワッシャ72は、反シャフト側軸受13に対して圧力を与えている。
なお、上記では、バネワッシャを用いる一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ウェーブワッシャ、皿バネ、または空気バネ等を用いてもよい。要するに、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13を一定の強度で押さえて支持しつつ、クロスフローファン9から圧力が与えられたときには、クロスフローファン9の回転に応じて、収縮するバネであればよい。
なお、「シャフト側バネワッシャ71」は、本発明における「第1弾性体」に相当する。
なお、「反シャフト側バネワッシャ72」は、本発明における「第2弾性体」に相当する。
図11は、本発明の実施の形態2におけるモールド電動機19の軸受けに圧力を与える構成を示す図である。図11に示すように、シャフト側バネワッシャ71は、シャフト側軸受12に対して、第4矢印の方向104に圧力を与える。また、反シャフト側バネワッシャ72は、反シャフト側軸受13に対して、第5矢印の方向105に圧力を与える。この状態において、クロスフローファン9が回転し始めると、第1矢印の方向101に圧力がかかる。つまり、クロスフローファン9による圧力の方向と、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72による圧力の方向とは逆向きであり、クロスフローファン9が回転する前からシャフト側軸受12と反シャフト側軸受13には圧力がかかっている。
次いで、クロスフローファン9の回転数が上がるにつれ、クロスフローファン9が与える圧力は大きくなる。クロスフローファン9が与える圧力が、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72が与える圧力と同じか、あるいは、小さいときは、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13は移動しない。つまり、そのような状態においては、シャフト側軸受12は、第1ブラケット6の端面から離されない。同様に、反シャフト側軸受13は、現在の位置から移動させられない。
次いで、クロスフローファン9の回転数がさらに上がると、クロスフローファン9が与える圧力はさらに大きくなる。このとき、クロスフローファン9が与える圧力が、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72が与える圧力を上回ったと想定する。このような状態においては、シャフト側軸受12は、第1ブラケット6の端面から離される。同様に、反シャフト側軸受13は、現在の位置から移動させられる。
次いで、クロスフローファン9の回転数がさらに上がると、クロスフローファン9が与える圧力はさらに大きくなる。このとき、クロスフローファン9が与える圧力が、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72が収縮する限界値まで上昇したと想定する。このような状態においては、クロスフローファン9による圧力と、シャフト側バネワッシャ71による圧力と、反シャフト側バネワッシャ72とによる圧力の足し合わせの圧力が、シャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13にかかることになる。
次に、クロスフローファン9の回転に応じてシャフト側軸受12及び反シャフト側軸受13が受ける力について図12を用いて説明する。
図12は、本発明の実施の形態2におけるモールド電動機19の回転数と軸受けにかかる圧力との相関関係を示す図である。図12において、横軸はクロスフローファン9の回転数を表し、縦軸は軸受けにかかる圧力の絶対値を表すものとする。線111は、クロスフローファン9の回転に対して、クロスフローファン9が与える圧力の変化を表すものとする。線112は、クロスフローファン9の回転に対して、シャフト側バネワッシャ71が与える圧力と反シャフト側バネワッシャ72が与える圧力との足し合わせの圧力の変化を表すものとする。線113は、クロスフローファン9の回転に対して、クロスフローファン9が与える圧力と、シャフト側バネワッシャ71が与える圧力と、反シャフト側バネワッシャ72が与える圧力との足し合わせの圧力の変換を表すものとする。点121は、線111と線112との交点であり、そのときの回転数を値122で表すものとする。ここで、点121は、クロスフローファン9が与える圧力が、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72が与える圧力と同じときを意味する。
図12に示すように、値122になるまでと、値122以降とでは、軸受けにかかる圧力は異なる。すなわち、クロスフローファン9が回転し始めた初期においては、主として、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72で圧力を与え、ある程度クロスフローファン9が回転してくると、主として、クロスフローファン9で圧力を与えるようにして、2段階で圧力の上昇率を設定している。
このようにすることで、例えば、クロスフローファン9の回転が極低回転時においても、軸電流による放電を抑制することができる。そして、クロスフローファン9が通常通り回転しているときにおいても、図10に示す軸受外輪34と軸受内輪35と鉄ボール81との隙間が発生しなくなる。また、同様の状態において、軸受外輪36と軸受内輪37と鉄ボール82との隙間が発生しなくなる。それにより、軸受外輪34と軸受内輪35との導通状態を維持することができ、軸受外輪36と軸受内輪37との導通状態を維持することができる。
また、ブレード91のスキュー角度を変更することで、線111の傾きを変更することも可能であり、クロスフローファン9の回転に対して、圧力のかけかたを大きくしたり、小さくしたりすることが可能となる。
このとき、電気的モデルの一例は、図8を用いて説明すると、クロスフローファン9が回転し始める前から、常に、シャフト側軸受間の短絡スイッチ61及び反シャフト側軸受間の短絡スイッチ62がON状態であることになる。これにより、クロスフローファン9の無回転時、低回転時、及び高回転時においても、軸受外輪34と軸受内輪35との短絡状態を維持し、軸受外輪36と軸受内輪37との短絡状態は維持される。つまり、無回転時と回転時との両方において、短絡状態は維持される。このため、常に軸受外輪34と軸受内輪35との短絡状態が維持され、常に軸受外輪36と軸受内輪37との短絡状態が維持される。それにより、シャフト11に軸電流が流れたとしても、軸受外輪34と軸受内輪35との間で放電が発生することにはならず、軸受外輪36と軸受内輪37との間で放電が発生することにはならない。よって、軸受の転送面に波状磨耗が発生することを防止することができる。
このようにすることで、空気調和機の温調時等のように、クロスフローファン9が極低速回転時であっても、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72から圧力が与えられるため、電食を防止することができる。よって、クロスフローファン9が極低速回転時から高速回転時まで、電食を防止することができる。
なお、所定の角度の傾斜を持たせたブレード91を設けたクロスフローファン9を使用せず、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72からの圧力により、電食を防止することもできる。
ただし、上記で説明したブレード91を設けたクロスフローファン9を使用することで、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72との協働を図ることができ、さらに、電食を効果的に防止することができる。
以上のように、本実施の形態2においては、モールド電動機19と、モールド電動機19により駆動されるクロスフローファン9とを備えた空気調和機であって、モールド電動機19は、シャフト11と、シャフト11を回転支持する軸受とを備え、軸受は、クロスフローファン9側に圧力を与えるシャフト側バネワッシャ71、反シャフト側バネワッシャ72で支持されていることにより、空気調和機の温調時等のように、クロスフローファン9が極低速回転時であっても、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72から圧力が与えられるため、電食を防止することができる。よって、クロスフローファン9が極低速回転時から高速回転時まで、電食を防止することができる。
また、本実施の形態2においては、弾性体であるシャフト側バネワッシャ71、反シャフト側バネワッシャ72は、第2ブラケット7、第3ブラケット8で支持されていることにより、クロスフローファン9が極低速回転時であっても、シャフト側バネワッシャ71及び反シャフト側バネワッシャ72から圧力が与えられるため、電食を防止することができる。
1 絶縁部、2 巻線、3 モールド樹脂、4 ロータ、5 基板、6 第1ブラケット、7 第2ブラケット、8 第3ブラケット、9 クロスフローファン、10 固定子部、11 シャフト、12 シャフト側軸受、13 反シャフト側軸受、14、15 ラバーマウント、16 電動機第1マウント、17 電動機第2マウント、18 電動機ASSY、19 モールド電動機、20 室内機ベース、21 その他容量、22 INV部−コア間容量、23 コア−ロータ間容量、24 INV部、26 INV部−第2ブラケット間容量、27 軸受内外輪間浮遊容量、28 軸受内外輪間浮遊容量、30 コア、34、36 軸受外輪、35、37 軸受内輪、39 コア−第2ブラケット間容量、40 INV部−第3ブラケット間容量、42 第3ブラケット−第2ブラケット間容量、43 コア−第3ブラケット間容量、52 室内機、53 室外機、55 軸受けマウント、56 すべり軸受け、57 クロスフローファンのシャフト、61 シャフト側軸受間の短絡スイッチ、62 反シャフト側軸受間の短絡スイッチ、65 アース、71 シャフト側バネワッシャ、72 反シャフト側バネワッシャ、80 固定子モールド、81、82 鉄ボール、91 ブレード、101 第1矢印の方向、102 第2矢印の方向、103 第3矢印の方向、104 第4矢印の方向、105 第5矢印の方向、111、112、113 線、121 点、122 値。

Claims (5)

  1. 電動機と、前記電動機により駆動されるクロスフローファンとを備えた空気調和機であって、
    前記電動機は、
    シャフトと、
    前記シャフトを回転支持する軸受とを備え、
    前記軸受は、
    前記シャフトに固定された軸受内輪と、
    前記軸受内輪と対の軸受外輪とで構成され、
    前記クロスフローファンは、
    前記シャフトの軸方向に対して所定の角度で傾斜を持たせた複数枚のブレードが設けられており、前記電動機が回転すると、前記ブレードによって前記電動機に向かった圧力を発生させ、前記軸受内輪を前記軸受外輪に押しつける
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記電動機が前記シャフトを回転させることによって前記クロスフローファンの回転数が大きくなるにつれ、前記圧力が大きくなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 電動機と、前記電動機により駆動されるクロスフローファンとを備えた空気調和機であって、
    前記電動機は、
    シャフトと、
    前記シャフトを回転支持する軸受とを備え、
    前記軸受は、
    前記クロスフローファン側に圧力を与える弾性体で支持されている
    ことを特徴とする空気調和機。
  4. 前記軸受は、少なくとも2つあり、
    その各々が、
    前記シャフトに固定された軸受内輪と、
    前記軸受内輪と対の軸受外輪とで構成され、
    前記電動機は、
    一方の前記軸受内輪と前記軸受外輪とから形成され、前記シャフトの一部に固定される第1軸受と、
    他方の前記軸受内輪と前記軸受外輪とから形成され、前記シャフトの端部に固定される第2軸受と、
    前記第1軸受の一部を支持する第1ブラケットと、
    前記第2軸受の一部を支持する第2ブラケットと、
    前記第1軸受を、前記第1ブラケットと共に支持する第3ブラケットとを備え、
    前記弾性体は、
    少なくとも、第1弾性体及び第2弾性体の2つであり、
    前記第1弾性体は、
    前記第1軸受と前記第3ブラケットとの間に配置され、前記圧力による前記シャフトの移動に伴う前記第1軸受の位置変化に応じて収縮可能であり、
    前記第2弾性体は、
    前記第2軸受と前記第2ブラケットとの間に配置され、前記圧力による前記シャフトの移動に伴う前記第2軸受の位置変化に応じて収縮可能である
    ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
  5. 前記クロスフローファンは、
    前記シャフトの軸方向に対して所定の角度で傾斜を持たせた複数枚のブレードが設けられており、前記電動機が回転すると、前記ブレードによって前記電動機に向かった圧力を発生し、当該圧力と、前記第1弾性体と前記第2弾性体とによる圧力とによって前記軸受内輪を前記軸受外輪に押しつける
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
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