JP2013119821A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

【課題】燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を内燃機関に供給する場合であっても、空燃比を適切に制御する。
【解決手段】制御装置(100)は、複数の気筒を備え且つ燃料タンク(61)内で蒸発した蒸発燃料が供給される内燃機関(10)の制御装置であって、内燃機関の空燃比に基づいて、複数の気筒間での空燃比のインバランスの程度を示すインバランス率を推定する推定手段と、インバランス率に基づいて、空燃比を制御する空燃比制御手段とを備え、空燃比制御手段は、蒸発燃料の濃度に基づいて、空燃比の制御量を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば複数の気筒を備える内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
複数の気筒を備える内燃機関の制御装置として、例えば、複数の気筒間で空燃比のインバランス(いわゆる、リーンインバランスや、リッチインバランス等)が発生しているか否かを判定する制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、内燃機関の排気通路に設置された空燃比センサのセンサ出力(つまり、空燃比)に基づいて、インバランスが発生しているか否かが判定されている。
一方で、燃料タンクで発生した蒸発燃料をキャニスタに吸着すると共に、当該キャニスタに吸着した蒸発燃料を内燃機関に対してパージする蒸発燃料処理装置が知られている。例えば、特許文献2には、蒸発燃料がパージされた時の各気筒の燃焼速度が所望の速度と一致するように、各気筒に対する燃料の供給量を調整する技術が記載されている。その他にも、蒸発燃料処理装置に関連する技術が、特許文献3及び4等に御記載されている。
特開2011−144785号公報 特開平11−303664号 特願2011−143416 国際公開第2010/089887号パンフレット 特願2011−138732
ところで、インバランスのうちのリッチインバランスが発生している場合には、水素(H)が空燃比センサに付着する可能性が高くなる。この場合、空燃比センサの精度が悪化してしまいかねない。その結果、例えば、リッチインバランスが本来よりも強いと誤判定されてしまうおそれがある。このような誤判定の結果、当該リッチインバランスを解消するための燃料の供給量の減少量(いわゆる、リーン方向への補正)が本来よりも大きくなってしまうおそれがある。しかしながら、実際に発生しているリッチインバランスがそれほど強くない状況下で燃料の供給量の減少量を本来よりも大きくしてしまうと、エミッションの悪化につながるおそれがある。
このため、リッチインバランスが発生している状況下で敢えて空燃比を目標空燃比からわずかにリッチ方向にシフトさせることで、空燃比センサへの水素の付着を解消する制御が行われることがある。この時の空燃比のリッチ方向へのシフト量は、例えば、空燃比センサのセンサ出力(つまり、空燃比)の変動量から推定されるインバランス率に応じて決定される。例えば、インバランス率が相対的に高い場合(つまり、不均衡の程度が相対的に大きなリッチインバランスが発生している場合)には、シフト量が相対的に大きくなるように、空燃比のリッチ方向へのシフト量が決定される。一方で、インバランス率が相対的に低い場合(つまり、不均衡の程度が相対的に大きなリッチインバランスが発生していない場合)又は0以下となる場合(つまり、リッチインバランスが発生していない場合)には、シフト量が相対的に小さくなる又は0となるように、空燃比のリッチ方向へのシフト量が決定される。
しかしながら、濃度が相対的に高い蒸発燃料(高濃度の蒸発燃料)がパージされた場合には、当該パージされた高濃度の蒸発燃料に起因して、空燃比センサのセンサ出力の変動量から推定されるインバランス率が影響を受ける可能性が高くなる。より具体的には、例えば、リッチインバランスが発生している気筒以外の他の気筒に対して高濃度の蒸発燃料が相対的に高い分配度でパージされた場合には、当該他の気筒が相対的にリッチになる。その結果、空燃比センサのセンサ出力(つまり、空燃比)の変動量が相対的に小さくなってしまい、結果として、当該空燃比センサのセンサ出力の変動量から推測されるインバランス率もまた小さくなってしまう。このため、空燃比センサへの水素の付着を解消するための空燃比のリッチ方向へのシフト量もまた、本来望まれている量よりも小さくなってしまう。従って、上述したようなエミッションの悪化につながるおそれがある。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を内燃機関に供給する場合であっても、空燃比を適切に制御することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関の制御装置は、複数の気筒を備える内燃機関であって、且つ当該内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料が供給される内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の空燃比に基づいて、前記複数の気筒間での空燃比のインバランスの程度を示すインバランス率を推定する推定手段と、前記インバランス率に基づいて、前記空燃比を制御する空燃比制御手段とを備え、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記空燃比の制御量を変更する。
本発明の制御装置によれば、推定手段は、複数の気筒間での空燃比のインバランスの程度を示すインバランス率を推定する。つまり、推定手段は、インバランス率を直接的に検出することに代えて、当該インバランス率を推定する。このとき、推定手段は、内燃機関の空燃比(例えば、排気通路に配置される空燃比センサのセンサ出力として得られる空燃比)に基づいて、インバランス率を推定する。尚、典型的には、空燃比センサのセンサ出力として得られる空燃比の変動量(具体的には、空燃比の単位時間当たりの変動量であって、実質的には空燃比の微分値)が大きくなるほど、インバランス率が大きくなるように、インバランス率が推定される。また、典型的には、インバランス率は、インバランスが発生していない場合にゼロとなると共に、数値がゼロよりも大きくなるほどリッチインバランスが強くなり且つ数値がゼロよりも小さくなるほどリーンインバランスが強くなることを示す。
空燃比制御手段は、空燃比を制御する。例えば、空燃比制御手段は、後に一例として詳述するように、空燃比を所定の目標比からリッチ方向にシフトさせるように、空燃比を制御してもよい。言い換えれば、空燃比制御手段は、空燃比が、本来の目標比からリッチ方向にシフトした新たな目標比と一致するように、空燃比を制御してもよい。尚、空燃比の制御方法として、インジェクタ等の燃料噴射装置から噴射される燃料の噴射量を調整する方法が一例としてあげられる。
このとき、空燃比制御手段は、インバランス率に基づいて空燃比を制御する。例えば、空燃比制御手段は、インバランス率に応じて定まる制御量だけ空燃比が変動するように、空燃比を制御してもよい。或いは、空燃比制御手段は、上述したように空燃比が所定の目標比からリッチ方向にシフトするように空燃比を制御する場合には、インバランス率に応じて定まる制御量だけ空燃比を目標比からリッチ方向にシフトさせるように、空燃比を制御してもよい。
空燃比制御手段は、更に、蒸発燃料の濃度に基づいて、空燃比の制御量(言い換えれば、空燃比制御手段による空燃比の制御に起因した空燃比の変動量)を変更する。例えば、空燃比制御手段は、同一のインバランス率が推定された場合であっても、蒸発燃料の濃度が異なる場合には、制御量が異なるものとなるように、制御量を変更する。つまり、空燃比の制御量は、インバランス率のみならず、蒸発燃料の濃度によってその値が変わり得ることになる。但し、空燃比制御手段は、蒸発燃料の濃度が異なる場合に制御量が異なるものとなるように、制御量を常に変更しなくともよい。言い換えれば、空燃比制御手段は、特定の条件が満たされた場合(例えば、後述の実施形態で一例として説明するように、推定されたインバランス率が特定の範囲に収まる場合)に選択的に、蒸発燃料の濃度が異なる場合に制御量が異なるものとなるように制御量を変更してもよい。言い換えれば、空燃比制御手段は、特定の条件が満たされていない場合(例えば、後述の実施形態で一例として説明するように、推定されたインバランス率が特定の範囲に収まらない場合)には、蒸発燃料の濃度が異なる場合に制御量が異なるものとなるように制御量を変更しなくともよい。
このように、本発明の制御装置は、内燃機関の空燃比から推定されるインバランス率に基づいて、空燃比が制御される。このため、例えば空燃比がリッチ方向にシフトするような制御等が行われれば、特にリッチインバランスが発生している場合において、空燃比を検出する空燃比センサへの水素等のガスの付着を解消することができる。このため、リッチインバランスに起因して水素等のガスが付着することで生ずる空燃比センサの精度の低下を好適に防止する又は解消することができる。
更に、本発明の制御装置は、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。このため、例えば濃度が相対的に高い蒸発燃料(高濃度の蒸発燃料)が内燃機関に供給されたことに起因してインバランス率の推定精度が悪化してしまった場合であっても、インバランス率の推定精度の悪化を引き起こす蒸発燃料の存在を考慮して制御量を変更することができる。このため、空燃比の制御量が、本来望ましい制御量とは異なるものとなってしまう事態を好適に防止することができる。その結果、本発明の制御装置は、燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を内燃機関に供給する場合であっても、空燃比を適切に制御することができる。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合の前記制御量と、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合の前記制御量とが異なるものとなるように、前記制御量を変更する。
この態様によれば、空燃比制御手段は、蒸発燃料の濃度の大小に応じて、制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。このため、例えば濃度が相対的に高い蒸発燃料(高濃度の蒸発燃料)が内燃機関に供給されたことに起因してインバランス率の推定精度が悪化してしまった場合であっても、インバランス率の推定精度の悪化を引き起こす蒸発燃料の存在を考慮して制御量を変更することができる。従って、この態様の制御装置は、上述した各種効果を好適に享受することができる。
上述の如く蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合の制御量と蒸発燃料の濃度が所定濃度以上とならない場合の制御量とが異なるものとなるように制御量を変更する内燃機関の制御装置の態様では、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定以上となる場合の前記制御量が前記蒸発燃料の濃度が前記所定以上とならない場合の前記制御量よりも大きくなるように、前記制御量を変更するように構成してもよい。
このように構成すれば、後に詳述するように、所定濃度以上の蒸発燃料の供給に起因したインバランス率の推定精度の低下を考慮した上で、制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。従って、この態様の制御装置は、上述した各種効果を好適に享受することができる。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記空燃比制御手段は、(i)夫々が前記インバランス率と前記制御量との関係を規定する複数のマッピング情報のうち前記蒸発燃料の濃度に基づいて一のマッピング情報を選択し、且つ(ii)当該選択された一のマッピング情報及び前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定することで、前記蒸発燃料の濃度に基づいて前記制御量を変更する。
この態様によれば、空燃比制御手段は、蒸発燃料の濃度に基づいて一のマッピング情報を選択することで、比較的容易に蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。
上述の如く蒸発燃料の濃度に基づいて選択された一のマッピング情報に基づいて制御量を決定する内燃機関の制御装置の態様では、前記複数のマッピング情報は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合に選択される第1のマッピング情報と、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以下となる場合に選択されると共に前記第1のマッピング情報とは異なる第2のマッピング情報とを含み、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上となる場合には、前記第1のマッピング情報を選択すると共に、当該選択された第1のマッピング情報及び前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、前記第2のマッピング情報を選択すると共に、当該選択された第2のマッピング情報及び前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定するように構成してもよい。
この態様によれば、空燃比制御手段は、蒸発燃料の濃度の大小に応じて第1のマッピング情報及び第2のマッピング情報のいずれかを選択することで、比較的容易に蒸発燃料の濃度の大小に応じて制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記空燃比制御手段は、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正することで、前記蒸発燃料の濃度に基づいて前記制御量を変更する。
この態様によれば、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量そのものを直接的に補正することで、比較的容易に蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。
上述の如く、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を補正する内燃機関の制御装置の態様では、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合には、(i)前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正し、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正しないように構成してもよい。
このように構成すれば、後に詳述するように、所定濃度以上の蒸発燃料の供給に起因したインバランス率の推定精度の低下を考慮した上で、制御量を補正することができる。従って、この態様の制御装置は、上述した各種効果を好適に享受することができる。
尚、この構成では、蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合に制御量を補正することで、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更している。しかしながら、逆に、蒸発燃料の濃度が所定濃度以上とならない場合に制御量を補正することで、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更してもよい。つまり、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正せず、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正してもよい。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記空燃比制御手段は、(i)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記推定手段が推定した前記インバランス率を補正し、且つ(ii)補正された前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定することで、前記蒸発燃料の濃度に基づいて前記制御量を変更する。
この態様によれば、蒸発燃料の濃度に基づいてインバランス率を補正すると共に当該補正されたインバランス率に基づいて制御量を決定することで、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を間接的に補正することができる。従って、比較的容易に蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更する(実質的には、決定する)ことができる。
上述の如く、蒸発燃料の濃度に基づいてインバランス率を補正する内燃機関の制御装置の態様では、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合には、(i)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記推定手段が推定した前記インバランス率を補正し、且つ(ii)補正された前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定し、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定するように構成してもよい。
このように構成すれば、後に詳述するように、所定濃度以上の蒸発燃料の供給に起因したインバランス率の推定精度の低下を考慮した上で、インバランス率を補正することができる。従って、この態様の制御装置は、上述した各種効果を好適に享受することができる。
尚、この構成では、蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合にインバランス率を補正することで、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更している。しかしながら、逆に、蒸発燃料の濃度が所定濃度以上とならない場合にインバランス率を補正することで、蒸発燃料の濃度に基づいて制御量を変更してもよい。つまり、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定し、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、(i)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記推定手段が推定した前記インバランス率を補正し、且つ(ii)補正された前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定してもよい。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記空燃比制御手段は、前記インバランス率に基づいて、前記空燃比を所定の目標空燃比からリッチ方向にシフトさせるように前記空燃比を制御し、前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記空燃比を前記目標比からリッチ方向へシフトさせるための前記制御量を変更する。
この態様によれば、空燃比制御手段は、空燃比を所定の目標比からリッチ方向にシフトさせるように、空燃比を制御する。その結果、空燃比が、目標比からシフトした値となるように、空燃比制御手段による制御が行われる。尚、空燃比制御手段による空燃比の制御は、典型的には、排気通路における空燃比が目標比に追従するように行われる。従って、空燃比を目標比からリッチ方向にシフトさせる制御は、実質的には、目標比をリッチ方向にシフトさせる制御と同義である。
このとき、空燃比制御手段は、インバランス率に応じて、空燃比を目標比からリッチ方向にシフトさせる。例えば、空燃比制御手段は、インバランス率に応じて定まる制御量だけ、空燃比を目標比からリッチ方向にシフトさせてもよい。
尚、ここでの「目標比」とは、空燃比の目標値となり得る値であればどのような値であってもよい。例えば、目標比として、ストイキに対応する空燃比(例えば、14.7)が設定されてもよいし、その他内燃機関の燃焼状態に応じて適宜設定される固定的な値が設定されてもよい。或いは、例えば、目標比として、現在の空燃比が設定されてもよい。現在の空燃比が目標比に設定されると、空燃比ができるだけ変動しないような制御が行われる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から更に明らかにされる。
本実施形態のエンジンの構成の一例を示すブロック図である。 主としてECUによって行われる、推定インバランス率に基づく空燃比A/Fのリッチ寄せ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。 係数MAPの一例を示すグラフ(マップ情報)である。 係数MAPの切替処理の流れの一例を示すフローチャートである。 パージ高濃度時用の係数MAP及び通常時用の係数MAPを示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(1)エンジンの構成
はじめに、図1を参照して、本実施形態のエンジン10の構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態のエンジン10の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、エンジン10は、シリンダブロック12を含むエンジン10内に形成された燃焼室14で燃料及び空気の混合気を燃焼させ、燃焼室14内でピストンを往復移動させることにより動力を発生する。エンジン10は、例えば1サイクル4ストロークエンジンである。エンジン10は、例えば自動車用の多気筒エンジンである。図1は、エンジン10が直列4気筒の火花点火式エンジン(即ち、ガソリンエンジン)となる例を示している。但し、エンジン10は、直列4気筒の火花点火式エンジン(即ち、ガソリンエンジン)に限定されることはない。エンジン10は、2気筒以上を有する多気筒エンジンであれば、その気筒数やその形式等が限定されることはない。
尚、図面の簡略化のために図1上では図示されていないが、エンジン10のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁と排気ポートを開閉する排気弁とが気筒毎に配設されている。シリンダヘッドの頂部には、燃焼室14内の混合気又は燃料に点火するための点火プラグ16が、気筒毎に取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは、気筒毎の枝管18を介して、吸気集合室であるサージタンク20に接続されている。サージタンク20の上流側には、吸気管22が接続されている。吸気管22の上流端には、エアクリーナ24が設けられている。更に、吸気管22には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ26と、電子制御式のスロットルバルブ28とが組み込まれている。吸気ポート、枝管18、サージタンク20及び吸気管22により、吸気通路30が実質的に形成される。
吸気通路30(特に、吸気ポート)内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)32が気筒毎に配設される。インジェクタ32には、燃料を内部に貯留する燃料タンク61から、フィードパイプ39を介して燃料が圧送される。具体的には、燃料タンク61内に貯留されている燃料は、不図示の燃料ポンプ等によって吸い上げられる。燃料ポンプによって吸い上げられた燃料は、フィードパイプ39を介してインジェクタ32に向けて圧送される。インジェクタ32は、フィードパイプ39を介して圧送された燃料を吸気通路30内に噴射する。インジェクタ32から噴射された燃料は、吸入空気と混合されて混合気となる。この混合気が吸気弁の開弁時に燃焼室14に吸入され、ピストンで圧縮され、点火プラグ16で点火燃焼される。
燃料タンク61には、更に、ブリーザ配管63を介してキャニスタ62が接続されている。尚、燃料タンク61とブリーザ配管63との接合部には、燃料タンク61に貯留された燃料の液面上部の空間とブリーザ配管63とを適宜連通させるベントバルブ64が設けられている。ベントバルブ64は、燃料タンク61の内圧とブリーザ配管63の内圧との差圧が所定値に達すると開弁するバルブ装置である。ベントバルブ64は、その開弁時において、蒸発燃料(エバポ)を含む空気を、ブリーザ配管63を介してキャニスタ62に供給する。
キャニスタ62は、タンクポートを介してその内部がブリーザ配管63と連通し、ブリーザ配管63を介して供給される蒸発燃料を吸着する。キャニスタ62は、その内部空間に、吸着材を収容している。吸着材は、例えば、蒸発燃料を吸着保持可能な活性炭である。キャニスタ62内には、キャニスタ62内の蒸発燃料の濃度(例えば、吸着材に吸着保持されている蒸発燃料の濃度であり、以下“パージ濃度”と称する)を検出するための濃度センサ65が組み込まれている。
キャニスタ62は、電磁制御弁であるパージコントロールバルブ66を介して、パージ配管67と連通されている。パージコントロールバルブ66の弁体は、図示せぬ電磁アクチュエータにより、パージコントロールバルブ66の上流側(つまり、キャニスタ62側)と下流側(つまり、吸気通路30側)との連通を遮断する遮断位置と、当該上流側と下流側とを連通せしめる連通位置との間で二値的に位置制御がなされる。このアクチュエータを駆動する不図示の駆動系は、ECU100と電気的に接続された状態にあり、ECU100による制御に従って駆動される。パージコントロールバルブ66の上流側と下流側とが連通されている場合には、不図示の大気連通官を介してキャニスタ62の外部から流入する外気と吸着材に吸着された蒸発燃料との混合気が、パージガスとして吸気通路30にパージされる。
一方、各気筒の排気ポートは、排気マニホールド34に接続される。排気マニホールド34は、その上流部を構成する気筒毎の枝管34aと、その下流部を構成する排気集合部34bとを備えている。排気集合部34bの下流側には、排気管36が接続されている。排気ポート、排気マニホールド34及び排気管36により、排気通路38が実質的に形成される。排気管36には、三元触媒を含む触媒コンバータ40が取り付けられている。この触媒コンバータ40が、排気浄化装置となる。尚、触媒コンバータ40は、流入してくる排気の空燃比(排気空燃比)A/Fが理論空燃比(ストイキ、例えば、A/F=14.6)近傍のときに、排気中の有害成分であるNOx、HC及びCOを同時に浄化する。
触媒コンバータ40の上流側及び下流側には、夫々空燃比A/Fを検出するための触媒前センサ42及び触媒後センサ44が取り付けられている。より具体的には、触媒前センサ42は、触媒コンバータ40の直前の排気通路38に設置される。触媒後センサ44は、触媒コンバータ40の直後の排気通路38に設置される。典型的には、触媒前センサ42は、いわゆる高域空燃比センサであり、触媒後センサ44は、Oセンサである。尚、後述するように、本実施形態では、主として触媒前センサ42が検出した空燃比(以降、適宜“触媒前空燃比”と称する)A/Fが用いられる。従って、触媒後センサ44は取り付けられていなくともよい。
上述の点火プラグ16、スロットルバルブ28及びインジェクタ32等は、本発明の「制御装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)100に電気的に接続されている。ECU100は、図面の簡略化のために図示していないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む記憶装置と、入出力ポート等とを備える。ECU100には、上述のエアフローメータ26、触媒前センサ42及び触媒センサ44が、図面の簡略化のために図示していないA/Dコンバータを介して電気的に接続されている。更に、ECU100には、エンジン10のクランク角を検出するためのクランク角センサ52や、エンジン10の冷却水温度を検出するための水温センサ56や、キャニスタ62内の蒸発燃料の燃料濃度(パージ濃度)を検出するための濃度センサ65や、その他の各種センサ(例えば、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサや、スロットルバルブ28のスロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ)等が、図面の簡略化のために図示していないA/Dコンバータを介して電気的に接続されている。
(2)エンジンの制御処理
続いて、主としてECU100によって行われるエンジン10の制御処理の流れについて説明する。但し、以下では、本実施形態のECU100が行う空燃比のFB(Feed Back:フィードバック)制御処理に着目して説明を進める。特に、以下では、本実施形態のECU100が行う空燃比のFB制御処理であって且つ後述する推定インバランス率に基づく空燃比A/Fのリッチ寄せ制御処理に着目して説明を進める。従って、以下の説明は、ECU100がその他の任意の制御処理を行うことを排除する意図はない。
尚、「空燃比A/Fのリッチ寄せ制御」とは、空燃比A/FのFB制御処理の際に、目標空燃比をわずかにリッチ方向にシフトさせる制御処理(或いは、目標空燃比と現在の空燃比とが一致する場合には、実質的には、空燃比A/Fを現在の空燃比からわずかにリッチ方向にシフトさせる制御処理)である。このような制御が行われるのは、触媒前センサ42の検出精度を維持するためである。具体的には、例えばリッチインバランスが発生している場合には、水素(H)等のガスが触媒前センサ42に付着する可能性が高くなる。このような水素等のガスの付着は、触媒前センサ42の検出精度の悪化につながるため、必ずしも好ましいものではない。そこで、リッチインバランスが発生している状況下で敢えて空燃比A/Fを目標空燃比(或いは、現在の空燃比)からわずかにリッチ方向にシフトさせることで、触媒前センサ42への水素等のガスの付着を解消する(例えば、触媒前センサ42に付着した水素等のガスを吹き飛ばす)制御処理が行われる。これにより、触媒前センサ42の検出精度が維持される。その結果、推定インバランス率の精度も維持されるがゆえに、推定インバランス率に応じた適切な空燃比A/FのFB制御が行われる。つまり、触媒前センサ42の検出精度の悪化に起因してリッチ方向に又はリーン方向に過度に偏ってしまう態様で空燃比A/FのFB制御が行われることがなくなるため、エミッションの悪化を好適に防止することができる。
以下、このような前提の下で、図2を参照しながら、主としてECU100によって行われる、推定インバランス率に基づく空燃比A/Fのリッチ寄せ制御処理について説明を進める。ここに、図2は、主としてECU100によって行われる、推定インバランス率に基づく空燃比A/Fのリッチ寄せ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。尚、図2に示す制御処理は、エンジン10の駆動中に、周期的に又は非周期的に繰り返し行われることが好ましい。
図2に示すように、まず、ECU100は、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fに基づいて、推定インバランス率を算出(言い換えれば、推定)する(ステップS101)。
ここで、「推定インバランス率」とは、複数の気筒間での空燃比のインバランスの状態を示す値であって、且つ触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fの微分値(つまり、時間軸上で表現される空燃比A/Fのグラフの傾き)に基づいて算出される値を示す趣旨である。推定インバランス率は、複数の気筒間で空燃比のインバランスが生じていない場合には、「0%」となることが好ましい。一方で、推定インバランス率は、複数の気筒間で空燃比のリッチインバランスが生じている場合には、「0%より大きい値」となることが好ましい。一方で、推定インバランス率は、複数の気筒間で空燃比のリーンインバランスが生じている場合には、「0%より小さい値」となることが好ましい。具体的には、インバランスが生じていない場合の空燃比A/Fの微分値を基準として、空燃比A/Fの微分値が大きくなるほど推定インバランス率が大きくなり且つ空燃比A/Fの微分値が小さくなるほど推定インバランス率が小さくなる。このような条件を考慮した上で、ECU100は、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fの微分値に基づいて、推定インバランス率を算出する。
その後、ECU100は、ステップS101で算出した推定インバランス率に基づいて、空燃比A/Fのリッチ寄せの程度(強弱の度合)を示すスライトリッチ反映係数を算出する(ステップS102)。
ここで、「スライトリッチ反映係数」とは、空燃比A/Fのリッチ寄せの程度(強弱の度合)を示す任意の値である。本実施形態では、スライトリッチ反映係数の一例として、「0」から「1」の間の任意の値を取り得る係数を採用する。スライトリッチ反映係数が「0」となる場合は、空燃比A/Fのリッチ寄せ制御は全く行われない。従って、この場合は、空燃比A/Fは、目標空燃比(例えば、推定インバランス率等のパラメータから算出される又は適宜設定されている目標空燃比)と一致するようにFB制御される。一方で、スライトリッチ反映係数が「1」となる場合は、空燃比A/Fのリッチ寄せ制御は最大限行われる。従って、この場合は、空燃比A/Fは、所定の最大シフト量RSだけ目標空燃比がリッチ方向にシフトされた上で、当該リッチ方向にシフトされた新たな目標空燃比と一致するようにFB制御される。他方で、スライトリッチ反映係数が「a(但し、aは、0<a<1を満たす実数)」となる場合は、空燃比A/Fのリッチ寄せ制御はスライトリッチ反映係数に応じた量だけ行われる。従って、この場合は、空燃比A/Fは、所定の最大シフト量RSに対してスライトリッチ反映係数を掛け合わせた量RS×aだけ目標空燃比がリッチ方向にシフトされた上で、当該リッチ方向にシフトされた目標空燃比と一致するようにFB制御される。
本実施形態では、ECU100は、図3に示す「推定インバランス率−スライトリッチ反映係数MAP(以降、適宜“係数MAP”と称する)」を用いることで、スライトリッチ反映係数を算出してもよい。尚、このような係数MAPは、例えば、ECU100内のROM又はRAMに予め格納されていることが好ましい。以下、図3を参照して、本実施形態の係数MAPについて説明する。図3は、係数MAPの一例を示すグラフ(マップ情報)である。
図3に示すように、係数MAPは、推定インバランス率とスライトリッチ反映係数との間の関係を規定する。従って、ECU100は、ステップS101で算出した推定インバランス率に対応するスライトリッチ反映係数を係数MAPから特定することで、スライトリッチ反映係数を算出する。
尚、図3に示す係数MAPは一例である。従って、ECU100は、図3に示す係数MAPに代えて、その他の態様の係数MAP(例えば、推定インバランス率とスライトリッチ反映係数との間の関係を規定する任意の関数や任意のテーブル等)を用いて、スライトリッチ反映係数を算出してもよい。
再び図2において、その後、ECU100は、ステップS102で算出したスライトリッチ反映係数に応じた空燃比A/FのFB制御処理(つまり、空燃比A/Fのリッチ寄せ制御処理)を行う(ステップS103)。具体的には、ECU100は、まず、目標空燃比を、所定の最大シフト量RSに対してスライトリッチ反映係数aを掛け合わせた量RS×aだけリッチ方向にシフトする。その後、ECU100は、当該リッチ方向にシフトされた目標空燃比と触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fとが一致するように、空燃比A/FをFB制御する。尚、空燃比A/FをFB制御するために、ECU100は、例えばインジェクタ32から噴射される燃料の噴射量を調整してもよい。
本実施形態では、特に、図2のステップS102で係数MAPは、濃度センサ65が検出するパージ濃度に応じて適宜切り替えられる。つまり、本実施形態では、複数の係数MAPが用意されており、濃度センサ65が検出するパージ濃度に応じた一の係数MAPが、図2のステップS102で用いられる。以下、係数MAPの切替処理について、図4を参照して説明する。図4は、係数MAPの切替処理の流れの一例を示すフローチャートである。尚、図4に示す係数MAPの切替処理は、図2に示す空燃比A/Fのリッチ寄せ制御処理と並行して又は相前後して、周期的に又は非周期的に行われることが好ましい。
図4に示すように、ECU100は、濃度センサ65が検出するパージ濃度が、所定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS201)。ここでの所定の閾値としては、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fから算出される推定インバランス率の精度に対してパージガスのパージが与える影響を考慮した上で、適宜適切な値が設定されることが好ましい。例えば、所定の閾値としては、推定インバランス率の精度に対してパージガスのパージが与える影響が、許容し得るレベルを超え始めるときのパージガスの濃度の値が設定されてもよい。
ここで、推定インバランス率の精度に対してパージガスのパージが与える影響について簡単に説明する。濃度が相対的に高い蒸発燃料を含むパージガスが燃焼室14にパージされた場合には、以下の理由から、当該パージされたパージガスに起因して、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fから算出される推定インバランス率が影響を受ける可能性が高くなる。より具体的には、例えば、リッチインバランスが発生している気筒以外の他の気筒に対して高濃度の蒸発燃料を含むパージガスが相対的に高い分配度でパージされた場合には、当該他の気筒が相対的にリッチになる。その結果、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fの微分値が相対的に小さくなってしまい、結果として、当該空燃比A/Fの微分値から算出される推定インバランス率もまた小さくなってしまう。このため、当該推定インバランス率から算出されるスライトリッチ反映係数もまた小さくなってしまう。このように、パージガスのパージに起因した推定インバランス率の精度の低下は、空燃比A/Fの好適なリッチ寄せ制御に影響を及ぼしかねない。従って、本実施形態では、このような影響を考慮した上で、適切な値が上述した所定の閾値に設定されることが好ましい。
ステップS201の判定の結果、濃度センサ65が検出するパージ濃度が所定閾値以上であると判定される場合には(ステップS201:Yes)、ECU100は、パージ高濃度時用の係数MAPを選択する(ステップS202)。
他方で、ステップS201の判定の結果、濃度センサ65が検出するパージ濃度が所定閾値以上でないと判定される場合には(ステップS201:No)、ECU100は、通常時用の係数MAPを選択する(ステップS203)。
ここで、パージ高濃度時用の係数MAP及び通常時用の係数MAPについて、図5を参照して説明する。図5は、パージ高濃度時用の係数MAP及び通常時用の係数MAPを示すグラフである。
図5に示すように、推定インバランス率が約8%から約17%となる領域では、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数は、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなっている。つまり、同一の推定インバランス率に着目すれば、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数は、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなっている。これは、以下の理由からである。まず、上述したように、リッチインバランスが発生している気筒以外の他の気筒に対して高濃度の蒸発燃料を含むパージガスが相対的に高い分配度でパージされた場合には、当該他の気筒が相対的にリッチになる。その結果、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fの微分値が相対的に小さくなってしまい、結果として、当該空燃比A/Fの微分値から算出される推定インバランス率もまた小さくなってしまう。このため、当該推定インバランス率から算出されるスライトリッチ反映係数もまた小さくなってしまう。従って、高濃度の蒸発燃料を含むパージガスのパージに影響を受けて本来の望ましい値よりも小さくなってしまうスライトリッチ反映係数を補償するべく、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数は、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなっている。
また、図5は、推定インバランス率が約8%から約17%となる領域で、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数が、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなる例を示している。しかしながら、図5に示す例はあくまで一例であり、推定インバランス率が約8%から約17%となる領域とは異なる任意の領域で、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数が、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなってもよい。要は、パージガスのパージに影響を受けて本来の望ましい値よりも小さくなってしまうスライトリッチ反映係数を補償することができるように、適切な領域で、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数が、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなることが好ましい。例えば、パージガスのパージに影響を受けて本来の望ましい値よりも小さくなってしまった推定インバランス率から算出されるスライトリッチ反映係数が、本来の望ましい値(本来の望ましい推定インバランス率)から算出されるスライトリッチ反映係数とは異なる値となる領域で、パージ高濃度時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数が、通常時用の係数MAPによって特定されるスライトリッチ係数よりも大きくなることが好ましい。このような条件を考慮しながら、適切な係数MAPが設定されることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態のECU100は、キャニスタ62内の蒸発燃料の濃度(パージ濃度)に基づいて、スライトリッチ反映係数を変更する(言い換えれば、調整ないしは決定する)ことができる。つまり、ECU100は、キャニスタ62内の蒸発燃料の濃度(パージ濃度)に基づいて、空燃比A/FのFB制御に関する制御量を変更することができる。このため、例えば濃度が相対的に高い蒸発燃料を含むパージガスのパージに起因して推定インバランス率の精度が悪化してしまった場合であっても、インバランス率の精度の悪化を引き起こす蒸発燃料の存在を考慮して、スライトリッチ反映係数を変更することができる。このため、空燃比A/Fの制御量(例えば、リッチ寄せの強弱)が、本来望ましい制御量とは異なるものとなってしまう事態を好適に防止することができる。その結果、本実施形態のECU100は、燃料タンク61内で蒸発した蒸発燃料を含むパージガスをパージする場合であっても、空燃比A/Fを適切に制御することができる。
尚、上述の説明では、ECU100は、係数MAPをパージ濃度に応じて切り替えることで、パージ濃度に応じたスライトリッチ反映係数を算出している。しかしながら、ECU100は、係数MAPを切り替えることに加えて又は代えて、スライトリッチ反映係数をパージ濃度に応じて直接的に補正することで、パージ濃度に応じたスライトリッチ反映係数を算出してもよい。例えば、ECU100は、ある係数MAPから算出されるスライトリッチ反映係数に対して、パージ濃度に応じた補正係数を掛け合わせることで、パージ濃度に応じてスライトリッチ反映係数を直接的に補正してもよい。より具体的には、例えばデフォルトの係数MAPとして通常時係数MAPが用いられるとすると、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上である場合には、係数MAPから算出されるスライトリッチ反映係数に対してパージ濃度に応じた補正係数を掛け合わせることで、スライトリッチ反映係数を算出してもよい。一方で、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上でない場合には、係数MAPからスライトリッチ反映係数を算出してもよい。或いは、例えばデフォルトの係数MAPとしてパージ高濃度時係数MAPが用いられるとすると、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上でない場合には、係数MAPから算出されるスライトリッチ反映係数に対してパージ濃度に応じた補正係数を掛け合わせることで、スライトリッチ反映係数を算出してもよい。一方で、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上である場合には、係数MAPからスライトリッチ反映係数を算出してもよい。このようにスライトリッチ反映係数をパージ濃度に応じて補正する場合であっても、パージ濃度に応じて係数MAPを切り替える場合と同様の動作が実現される。
或いは、ECU100は、触媒前センサ42が検出する空燃比A/Fから算出される推定インバランス率をパージ濃度に応じて補正することで、パージ濃度に応じたスライトリッチ反映係数を算出してもよい。例えば、ECU100は、推定インバランス率に対してパージ濃度に応じた補正係数を掛け合わせると共に、当該補正係数が掛け合わせられた推定インバランス率から係数MAP等を用いてスライトリッチ反映係数を算出してもよい。より具体的には、例えば、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上である場合には、推定インバランス率に対してパージ濃度に応じた補正係数を掛け合わせると共に、当該補正係数が掛け合わせられた推定インバランス率から係数MAP等を用いてスライトリッチ反映係数を算出してもよい。一方で、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上でない場合には、補正係数が掛け合わせられていない推定インバランス率から係数MAP等を用いてスライトリッチ反映係数を算出してもよい。或いは、例えば、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上でない場合には、推定インバランス率に対してパージ濃度に応じた補正係数を掛け合わせると共に、当該補正係数が掛け合わせられた推定インバランス率から係数MAP等を用いてスライトリッチ反映係数を算出してもよい。一方で、ECU100は、パージ濃度が所定閾値以上である場合には、補正係数が掛け合わせられていない推定インバランス率から係数MAP等を用いてスライトリッチ反映係数を算出してもよい。このように推定インバランス率をパージ濃度に応じて補正する場合であっても、パージ濃度に応じて係数MAPを切り替える場合と同様の動作が実現される。
また、上述の説明では、ECU100は、濃度センサ65が検出するキャニスタ62内の蒸発燃料の濃度(パージ濃度)に基づいて、係数MAPを切り替えている。しかしながら、ECU100は、キャニスタ62内の蒸発燃料の濃度を間接的に示し得るその他のパラメータに基づいて、係数MAPを切り替えてもよい。或いは、ECU100は、キャニスタ62内の蒸発燃料の濃度に代えて、キャニスタ62内の蒸発燃料の濃度と関連するその他のパラメータ(例えば、蒸発燃料と外気との混合気であるパージガスの濃度等)に基づいて、係数MAPを切り替えてもよい。
尚、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
10 エンジン
32 インジェクタ
42 触媒前センサ
61 燃料タンク
62 キャニスタ
65 濃度センサ
100 ECU

Claims (10)

  1. 複数の気筒を備える内燃機関であって、且つ当該内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料が供給される内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の空燃比に基づいて、前記複数の気筒間での空燃比のインバランスの程度を示すインバランス率を推定する推定手段と、
    前記インバランス率に基づいて、前記空燃比を制御する空燃比制御手段と
    を備え、
    前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記空燃比の制御量を変更することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合の前記制御量と、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合の前記制御量とが異なるものとなるように、前記制御量を変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定以上となる場合の前記制御量が、前記蒸発燃料の濃度が前記所定以上とならない場合の前記制御量よりも大きくなるように、前記制御量を変更することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記空燃比制御手段は、(i)夫々が前記インバランス率と前記制御量との関係を規定する複数のマッピング情報のうち前記蒸発燃料の濃度に基づいて一のマッピング情報を選択し、且つ(ii)当該選択された一のマッピング情報及び前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定することで、前記蒸発燃料の濃度に基づいて前記制御量を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記複数のマッピング情報は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合に選択される第1のマッピング情報と、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以下となる場合に選択されると共に前記第1のマッピング情報とは異なる第2のマッピング情報とを含み、
    前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上となる場合には、前記第1のマッピング情報を選択し、且つ当該選択された第1のマッピング情報及び前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、
    前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、前記第2のマッピング情報を選択し、且つ当該選択された第2のマッピング情報及び前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記空燃比制御手段は、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正することで、前記蒸発燃料の濃度に基づいて前記制御量を変更することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正し、
    前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて前記制御量を決定し、且つ(ii)前記インバランス率に基づいて決定された前記制御量を補正しないことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記空燃比制御手段は、(i)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記推定手段が推定した前記インバランス率を補正し、且つ(ii)補正された前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定することで、前記蒸発燃料の濃度に基づいて前記制御量を変更することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が所定濃度以上となる場合には、(i)前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記推定手段が推定した前記インバランス率を補正し、且つ(ii)補正された前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定し、
    前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度が前記所定濃度以上とならない場合には、(i)前記推定手段が推定した前記インバランス率に基づいて、前記制御量を決定することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記空燃比制御手段は、前記インバランス率に基づいて、前記空燃比を所定の目標空燃比からリッチ方向にシフトさせるように前記空燃比を制御し、
    前記空燃比制御手段は、前記蒸発燃料の濃度に基づいて、前記空燃比を前記目標比からリッチ方向へシフトさせるための前記制御量を変更することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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