JP2013119543A - 光学活性α−メチリデン−β−アミノニトリル誘導体の不斉触媒的製造法 - Google Patents

光学活性α−メチリデン−β−アミノニトリル誘導体の不斉触媒的製造法 Download PDF

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修一 中村
Tetsuo Shibata
哲男 柴田
Kengo Hyodo
憲吾 兵藤
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Abstract

【課題】本発明は、現状の技術では、光学活性なα-メチリデン-β-アミノニトリル誘導体の簡便かつ高エナンチオ選択的合成法がない点を問題解決の課題とする。
【解決手段】次式(1)で表わされ、種々のイミン類に触媒(Catalyst)と銀塩(AgX)存在下でアクリルニトリルを反応させてなる光学活性α-メチリデン-β-アミノニトリルの製造方法を提供する。
【化7】

【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性なα-メチリデン-β-アミノニトリル誘導体の不斉触媒的製造方法に関するものである。
光学活性なα-メチリデン-β-アミノニトリル誘導体は、医農薬品合成の中間体に広く用いることができるため、その不斉合成手法の開発が行われてきた。これらの化合物を合成するための最も有効な合成法としては、アクリロニトリルとイミン類の不斉aza-Morita-Baylis-Hillman反応があげられ、近年、いくつか研究が行われているものの、これまでに高度のエナンチオ選択性が得られた例はない。通常、aza-Morita-Baylis-Hillman反応には、反応開始剤としてアミン、ホスフィン類が必要となるため、その不斉反応化にはアミン、ホスフィン類に不斉源を導入する方法がとられ、α,β−不飽和ケトン、アルデヒド類には良好な成績を与えることが知られている。その一方で、アクリルニトリルとの反応においては、同種の手法では立体制御ができないことも明らかになっている(非特許文献1−4)。また、不斉金属錯体触媒を用いるアクリロニトリルとイミン類の不斉aza-Morita-Baylis-Hillman反応は報告されていない。
M. Shi, Y.-M. Xu, Angew. Chem., Int. Ed. 2002, 37, 4507-4510 M. Shi, Y.-M. Xu, Adv. Synth. Catal. 2004, 346, 1205-1219 M. Shi, Y.-M. Xu, Y.-L. Shi, Chem. Eur. J. 2005, 11, 1794-1802. D. Balan, H. Adolfsson, Tetrahedron Lett. 2003, 44, 2521-2524.
解決しようとする問題点は,現状の技術では、光学活性なα-メチリデン-β-アミノニトリル誘導体の簡便かつ高エナンチオ選択的合成法がない点である。
アクリロニトリルとイミン類のaza-Morita-Baylis-Hillman反応において、不斉金属錯体触媒を用いると、反応開始剤として加えるアミン、ホスフィン類が配位子交換等を起こるなどの問題のため、アクリロニトリルとイミン類の不斉aza-Morita-Baylis-Hillman反応において不斉金属錯体触媒を用いる例は報告されていない。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、光学活性なα-メチリデン-β-アミノニトリル誘導体の簡便かつ高エナンチオ選択的合成方法を提供することを目的とする。
発明者らは,発明者らが以前に開発したフェニレンビスイミダゾリン−パラジウム錯体が、強固かつ嵩高い配位構造を取ることに着目し、その配位子交換を防ぎながら、高度の不斉空間の設計ができると考え、アクリロニトリルとイミン類の不斉aza-Morita-Baylis-Hillman反応の開発を行いこの出願の発明に至った。
この出願の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、次式(1)で表わされ、種々のイミン類に触媒(Catalyst)と銀塩(AgX)存在下でアクリルニトリルを反応させてなる光学活性α-メチリデン-β-アミノニトリルの製造方法を提供する。
(式中、R1は、トシル基が最もよく、2-ピリジルスルホニル基、ノシル基、ベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、アレーンスルホニル基、アルキルスルホニル基、ジアルキルホスホニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アルキル基、または、シリル基を示す。Rは、環状アルキル基、鎖状アルキル基またはアリール基を示す。触媒としては、フェニレンビスイミダゾリン−パラジウム錯体、または、他の置換フェニレンビスオキサゾリン−パラジウム錯体を用いる。銀塩(AgX)としては酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀,安息香酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン(V)酸銀,ヘキサフルオロリン酸銀,過塩素酸銀,ビストリフルオロメタンスルホン酸銀,または、ジフェニルホスホン酸銀を用いることができるが、これらを用いなくてもよい。塩基としては1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、3-ヒドロキシキヌクリジン、トリフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリtert-ブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、または、ヘキサメチレンテトラミンを用いる。)
(参考例1)
下記化学式(2)で与えられるN-(ベンジリデン)-4-トルエンスルホンアミドの合成
ベンズアルデヒド(0.65 ml, 6.42 mmol)、トルエンスルホンアミド(1 g, 5.84 mmol)、トリエチルアミン(2.44 ml, 17.5 mmol)をTHF 100 mlに溶かし、氷浴下1.0 M四塩化チタン塩化メチレン溶液(5.84 ml, 5.84 mmol)を加えた。18時間攪拌後,水を加え,塩化メチレンで抽出,飽和食塩水で洗浄をし,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。精製は再結晶 (Hexane/AcOEt)で行い,N-(ベンジリデン)-4-トルエンスルホンアミドを1.30 g (86%)で得た。
N-(ベンジリデン)-4-トルエンスルホンアミドのスペクトル等
1H NMR (CDCl3) δ 9.03 (s, 1H), 7.94-7.88 (m, 4H), 7.64-7.60 (m, 1H), 7.51-7.46 (m, 2H), 7.35 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 2.44 (s, 3H).
(第1実施形態)
この出願の発明により下記化学式(3)で与えられるN-(2-シアノ-1-フェニルアリル)-4-メチルベンゼンスルホンアミドを製造する方法を以下に示す。
アルゴン雰囲気下,酢酸銀(0.6 mg, 3.89 mmol),触媒3 (3.8 mg, 3.89 mmol),モレキュラーシーブズ4Å (30.8 mg)を試験管に加え,イソブチロニトリル 0.25 mlに溶解させ,2時間撹拌した。その後,アクリロニトリル(15.5 ml, 0.168 mmol),1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.4 mg, 3.89 mmol),参考例1に示したN-(ベンジリデン)-4-トルエンスルホンアミド(20.5 mg, 0.0789 mmol)を加えて室温にて反応させた。反応はTLCにて原料の消失を確認後、塩化メチレンを加え、シリカゲル/セライトで濾過し,減圧下で溶媒を留去した。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Benzene:CH3CN = 95:5)で行い,生成物を 99 %の単離収率,92% eeの不斉収率で得た。
N-(2-シアノ-1-フェニルアリル)-4-メチルベンゼンスルホンアミドのスペクトル等
1H NMR (CDCl3) δ 7.70 (d, J= 8.1 Hz, 2H), 7.31-7.10 (m, 5H), 7.11 (d, J= 3.6 Hz, 2H), 6.07 (s, 1H), 6.00 (s, 1H), 5.23 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 5.05 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 2.43 (s, 3H),
ESIMS m/z 335.15 [M+Na, 100]
HPLC (CHIRALPAK(R) IC, hexane/i-PrOH=80:20, 1.0 ml/min) tmajor36.2 min., tminor 31.4 min.
[a]D 20 = +49.1 (c = 0.50, CHCl3).
(第2〜14実施形態)
N-(ベンジリデン)-4-トルエンスルホンアミドの代わりに、窒素上の置換基Rを種々変更したイミンと、下表1の触媒のリストに示したさまざまな触媒を用い、下式(4)による第2〜14実施形態の結果を表2に示す。下表1の左側のCatalyst2a−dについては、2aのときは、RがA(アセチル基)であることを示し、2bのときは、RがB(ベンゾイル基)であることを示し、2cのときは、RがMs(メシル基)であることを示し、2dのときは、RがTs(トシル基)であることを示す。


この式で、AgOAcは、酢酸銀を、DABCOは、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを、MS4Aは、モレキュラーシーブズ4Åを示す。また、Phは、フェニル基を、Tsは、トシル基を、2−Pysは、2-ピリジルスルホニル基を、Mesは、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル基を、Bocは、tert-ブトキシカルボニル基を示す。
この表及び下表3でYieldは収率を示し、Eeは、エナンチオ過剰率を示す。
1としては、4-トルエンスルホニル基が最もよく、触媒はCatalyst 3が最も良い。
(第15〜30実施形態)
N-(ベンジリデン)-4-トルエンスルホンアミドの代わりに、他のアルジミン類に対するアクリロニトリルによる下式(5)による付加反応の第15〜30実施形態の結果を表3に示す。ここで用いるアルジミン類は、参考例1の合成法に従い、他の置換アルデヒドと4-トルエンスルホンアミドを反応させ合成した。
この式で、AgOAc、DABCO、MS4A、Catalyst 3及びCatalyst 4は、上記第2〜14実施形態のものと同じものを示す。また、PrCNは、イソブチロニトリルを示す。
この表中、C6H5はフェニル基を示し、p-FC6H4はパラフルオロフェニル基を、m-FC6H4はメタフルオロフェニル基を、o-FC6H4は、オルトフルオロフェニル基を、3,5-F2C6H3は、3,5-ビスフルオロフェニル基を、p-ClC6H4はパラクロロフェニル基を、m-ClC6H4は、メタクロロフェニル基を、o-ClC6H4オルクロロフェニル基を、p-MeOC6H4はパラメトキシフェニル基を、m-MeOC6H4は、メタメトキシフェニル基を、1-C10H7は1-ナフチル基を、2-C10H7は2-ナフチル基を、2-C4H3Oは2-フリル基を、3-C4H3Oは3-フリル基を、2-C4H3Sは2-チエニル基を、3-C4H3Sは3-チエニル基を示す。

Claims (1)

  1. 次式(1)で表わされ、種々のイミン類に触媒(catalyst)と銀塩(AgX)存在下でアクリルニトリルを反応させてなる光学活性α-メチリデン-β-アミノニトリルの製造方法。

    (式中、R1は、トシル基が最もよく、2-ピリジルスルホニル基、ノシル基、ベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、アレーンスルホニル基、アルキルスルホニル基、ジアルキルホスホニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アルキル基、または、シリル基を示す。Rは、環状アルキル基、鎖状アルキル基またはアリール基を示す。触媒としては、フェニレンビスイミダゾリン−パラジウム錯体、または、他の置換フェニレンビスオキサゾリン−パラジウム錯体を用いる。銀塩(AgX)としては酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀,安息香酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン(V)酸銀,ヘキサフルオロリン酸銀,過塩素酸銀,ビストリフルオロメタンスルホン酸銀,または、ジフェニルホスホン酸銀を用いることができるが、これらを用いなくてもよい。塩基としては1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、3-ヒドロキシキヌクリジン、トリフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリtert-ブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、または、ヘキサメチレンテトラミンを用いる。)
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