JP2013118444A - 弾性波デバイスの製造方法及び弾性波デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】好適に弾性波素子を実装基板に表面実装できる弾性波デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】SAWデバイス51の製造方法は、SAW素子1を準備する素子準備工程(図4(a)〜図5(a))と、実装面53aに接続電極55が形成された実装基板53を準備する基板準備工程とを備えている。SAW素子1は、圧電基板3と、該圧電基板3の一面上に位置する励振電極5と、該励振電極5を覆うカバー9と、励振電極5と電気的に接続され、カバー9の天面9aが面する側へ露出する外部電極7とを有している。更に、SAWデバイス51の製造方法は、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極7をバンプ57を介して接続電極55に接合する接合工程(図5(c))を備えている。
【選択図】図3
【解決手段】SAWデバイス51の製造方法は、SAW素子1を準備する素子準備工程(図4(a)〜図5(a))と、実装面53aに接続電極55が形成された実装基板53を準備する基板準備工程とを備えている。SAW素子1は、圧電基板3と、該圧電基板3の一面上に位置する励振電極5と、該励振電極5を覆うカバー9と、励振電極5と電気的に接続され、カバー9の天面9aが面する側へ露出する外部電極7とを有している。更に、SAWデバイス51の製造方法は、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極7をバンプ57を介して接続電極55に接合する接合工程(図5(c))を備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子、圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)等の弾性波素子を含む弾性波デバイス及びその製造方法に関する。
励振電極を覆うカバーが設けられた弾性波素子が知られている。例えば、特許文献1のSAW素子は、圧電基板と、圧電基板の主面に形成されたIDT(InterDigital Transducer)と、IDT上の空間を封止するカバーと、カバー天面にて露出する外部電極とを有している。このSAW素子は、カバー天面を実装基板に対向させて、外部電極と実装基板の接続電極との間に介在する半田により表面実装される。その後、SAW素子は、他の電子部品と共に封止樹脂に覆われる。カバー天面と実装基板との間には、外部電極、半田及び接続電極の厚みに相当する隙間があり、当該隙間にも封止樹脂が充填される。
特許文献1の技術では種々の不都合が生じる。例えば、上記の製造方法では、封止樹脂を充填したときに、その圧力がカバー天面に加えられ、IDT上の空間が潰れるおそれがある。また、例えば、カバー天面と実装基板との間に封止樹脂が流れ込むときに予期していないボイドが形成され、当該ボイド内の気体がカバーの変形等の要因となる熱膨張を生じるおそれがある。
本発明の目的は、カバーを有する弾性波素子が実装基板に好適に表面実装される弾性波デバイスの製造方法及び弾性波デバイスを提供することにある。
本発明の一態様に係る弾性波デバイスの製造方法は、圧電基板と、該圧電基板の一面上に位置する励振電極と、該励振電極を覆うカバーと、前記励振電極と電気的に接続され、前記カバーの天面が面する側へ露出する外部電極とを有する弾性波素子を準備する素子準備工程と、実装面に接続電極が形成された実装基板を準備する基板準備工程と、前記カバーの天面を前記実装面に直接に又は所定の材料を介して間接に重ねた状態で前記外部電極をバンプを介して前記接続電極に接合する接合工程と、を備える。
好適には、前記素子準備工程では、前記圧電基板の前記一面上に層状に前記外部電極を形成する。
好適には、前記接合工程では、前記カバーの天面を前記実装面に接着させる。
好適には、前記製造方法は、前記素子準備工程後、前記接合工程前に、前記カバーの天面に接着剤を配置する接合準備工程を更に有し、前記接合工程では、前記接着剤を硬化させて前記カバーの天面を前記実装面に接着させる。
好適には、前記製造方法は、前記基板準備工程後、前記接合工程前に、前記実装面に接着剤を配置する接合準備工程を更に有し、前記接合工程では、前記接着剤を硬化させて前記カバーの天面を前記実装面に接着させる。
好適には、前記素子準備工程では、少なくとも天面側部分が未硬化の樹脂からなる前記カバーを形成し、前記接合工程では、前記未硬化の樹脂を硬化させて前記カバーの天面を前記実装面に接着させる。
本発明の一態様に係る弾性波デバイスは、圧電基板と、該圧電基板の一面上に位置する励振電極と、該励振電極を覆うカバーと、前記励振電極と電気的に接続され、前記カバーの天面が面する側へ露出する外部電極とを有する弾性波素子と、接続電極が実装面に形成された実装基板と、前記外部電極と前記接続電極とを接合するバンプと、を有し、前記カバーの天面は前記実装面に直接に又は所定の材料を介して間接に重ねられており、前記弾性波素子の前記実装面とは反対側の面及び側面は雰囲気に晒されている。
本発明の一態様に係る弾性波デバイスは、圧電基板と、該圧電基板の一面上に位置する励振電極と、該励振電極を覆うカバーと、前記励振電極と電気的に接続され、前記カバーの天面が面する側へ露出する外部電極とを有する弾性波素子と、接続電極が実装面に形成された実装基板と、前記外部電極と前記接続電極とを接合するバンプと、前記弾性波素子を覆う封止材と、を有し、前記カバーの天面は前記実装面に直接に若しくは前記封止材とは異なる材料を介して間接に重ねられている。
上記の構成によれば、カバーを有する弾性波素子が実装基板に好適に表面実装される。
以下、本発明の実施形態に係る弾性波デバイスについて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
また、各実施形態等の説明において、既に説明した構成と同一若しくは類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
(SAWデバイスの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るSAWデバイス51(図3参照)に含まれるSAW素子1の外観を示す斜視図である。また、図2は、SAW素子1の一部を破断して示す斜視図である。
(SAWデバイスの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るSAWデバイス51(図3参照)に含まれるSAW素子1の外観を示す斜視図である。また、図2は、SAW素子1の一部を破断して示す斜視図である。
なお、SAW素子1(SAWデバイス51)は、いずれの方向が上方若しくは下方とされてもよいものであるが、便宜的に、SAW素子1に対して直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面(天面)若しくは下面の語を用いることがあるものとする。
SAW素子1は、いわゆるウェハレベルパッケージ(WLP)形のSAW素子により構成されており、圧電基板3と、圧電基板3の第1主面3a上に設けられた励振電極5(図2)と、第1主面3a上に設けられ、励振電極5と接続された外部電極7と、励振電極5を覆うとともに外部電極7を露出させるカバー9(図1)と、圧電基板3の第2主面3bに設けられた裏面部11とを有している。
SAW素子1は、複数の外部電極7のいずれかを介して信号の入力がなされる。入力された信号は、励振電極5等によってフィルタリングされる。そして、SAW素子1は、フィルタリングした信号を複数の外部電極7のいずれかを介して出力する。各部材の具体的構成は以下のとおりである。
圧電基板3は、例えば、タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板により構成されている。圧電基板3は、例えば、直方体状に形成されており、互いに平行かつ平坦な第1主面3a及び第2主面3bを有している。圧電基板3の大きさは適宜に設定されてよいが、例えば、厚さ(z方向)は0.2mm〜0.5mmであり、1辺の長さ(x方向又はy方向)は0.5mm〜2mmである。
励振電極5(図2)は、第1主面3a上に層状(平板状)に形成されている。励振電極5は、いわゆるIDT(Interdigital Transducer)であり、一対の櫛歯状電極13を有している。各櫛歯状電極13は、圧電基板3における弾性表面波の伝搬方向(本実施形態ではx方向)に延びるバスバー13aと、バスバー13aから上記伝搬方向に直交する方向(本実施形態ではy方向)に伸びる複数の電極指13bとを有している。2つの櫛歯状電極13同士は、それぞれの電極指13bが互いに噛み合う(交差する)ように設けられている。
なお、図2は模式図であることから、数本の電極指13bを有する2対の櫛歯状電極13を示している。実際には、これよりも多数の電極指を有する複数対の櫛歯状電極13が設けられてよい。また、複数の励振電極5が直列接続や並列接続等の方式で接続されたラダー型SAWフィルタが構成されてもよいし、複数の励振電極5がx方向に配列された2重モードSAW共振器フィルタが構成されてもよい。
外部電極7は、第1主面3a上に層状に形成されている。外部電極7の平面形状は適宜に設定されてよいが、例えば、円形である。外部電極7の数及び配置位置は、励振電極5によって構成されるフィルタの構成等に応じて適宜に設定される。本実施形態では、6つの外部電極7が第1主面3aの外周に沿って配列されている場合を例示している。
第1主面3a上には、励振電極5及び外部電極7の他に、励振電極5同士の接続、励振電極5と外部電極7との接続若しくは外部電極7同士の接続のための配線15(図2)が設けられている。配線15は、第1主面3a上に層状に形成されている。なお、配線15は、第1主面3a上に形成された部分だけでなく、当該部分に対して絶縁体を介在させた状態で立体交差する部分を有していてもよい。
励振電極5、外部電極7及び配線15(の第1主面3a上に形成された部分)は、例えば、互いに同一の導電材料によって構成されている。導電材料は、例えばAl−Cu合金等のAl合金である。また、励振電極5、外部電極7及び配線15は、例えば、互いに同一の厚さで形成されており、これらの厚さは、例えば、100〜300nmである。
なお、外部電極7は、励振電極5と同一の材料及び厚さの層に加えて、バンプ57(図3参照)との接続性を高める等の目的で接続強化層を有していてもよい。例えば、外部電極7は、Al−Cu合金の層に重ねられたニッケルの層と、ニッケルの層に重ねられた金の層とを有していてもよい。
カバー9は、第1主面3a上に設けられ、第1主面3aの平面視において励振電極5を囲む枠部17(図1及び図2)と、枠部17に重ねられ、枠部17の開口を塞ぐ蓋部19(図1)とを有している。そして、第1主面3a(厳密には後述する保護層25)、枠部17及び蓋部19により囲まれた空間により、励振電極5の振動を容易化する振動空間21(図2)が形成されている。
枠部17は、概ね一定の厚さの層に振動空間21となる開口が1以上(本実施形態では2つ)形成されることにより構成されている。枠部17の厚さ(振動空間21の高さ)は、例えば、数μm〜30μmである。蓋部19は、概ね一定の厚さの層により構成されている。蓋部19の厚さは、例えば、数μm〜30μmである。なお、枠部17及び蓋部19が概ね一定の厚さの層により構成されていることから、カバー9(蓋部19)の天面9aは、概ね第1主面3aに対して平行な平面に形成されている。
枠部17の内縁及び外縁の平面形状及び蓋部19の平面形状は適宜に設定されてよい。本実施形態では、振動空間21の4隅側に位置する外部電極7を避けつつ振動空間21の面積を広く確保できるように、枠部17(の外縁)及び蓋部19は、概ね矩形において、外部電極7の位置に切り欠きが形成された形状とされている。なお、本実施形態では、枠部17の外縁と蓋部19とは互いに同一の形状及び大きさとされているが、これらは互いに異なっていてもよい。
枠部17及び蓋部19は、同一の材料により形成されていてもよいし、互いに異なる材料により形成されていてもよい。本願では、説明の便宜上、枠部17と蓋部19との境界線を明示するが、現実の製品においては、枠部17と蓋部19とは、同一材料により一体的に形成されていてもよい。
カバー9(枠部17及び蓋部19)は、例えば、感光性の樹脂によって形成されている。感光性の樹脂は、例えば、アクリル基やメタクリル基などのラジカル重合により硬化する、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系の樹脂である。
裏面部11は、特に図示しないが、例えば、圧電基板3の第2主面3bの概ね全面を覆う裏面電極と、裏面電極を覆う絶縁性の保護層とを有している。裏面電極により、温度変化等により圧電基板3表面にチャージされた電荷が放電される。保護層により、圧電基板3の損傷が抑制される。なお、以下では、裏面部11は、図示や説明が省略されることがある。
図3は、SAW素子1を含むSAWデバイス51の一部を示す、図1のIII−III線に対応する断面図である。なお、図3の紙面上方側は、図1の紙面下方側に対応している。
図1及び図2では図示を省略したが、SAW素子1において、圧電基板3の第1主面3a上には、励振電極5等を覆う保護層25が設けられている。保護層25は、励振電極5の酸化防止等に寄与するものである。保護層25は、例えば、酸化珪素(SiO2など)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素、又は、シリコンによって形成されている。保護層25の厚さは、例えば、励振電極5の厚さの1/10程度(10〜30nm)、又は励振電極5よりも厚く、200nm〜700nmである。
SAWデバイス51は、実装基板53と、実装基板53の実装面53a上に設けられた接続電極55と、接続電極55上に配置されたバンプ57と、バンプ57を介して実装面53aに実装されたSAW素子1と、実装面53aとカバー9との間に介在する接着剤59とを有している。SAWデバイス51は、この他に、実装面53aに実装されて実装基板53を介してSAW素子1と接続された不図示のIC等を有し、モジュールを構成していてもよい。
なお、SAWデバイス51は、SAW素子1の側面及び裏面(実装面53aとは反対側の面)を覆う封止樹脂を有していない。換言すれば、SAW素子1(その側面及び裏面)は雰囲気に晒されている。
実装基板53は、例えば、接続電極55とともに、若しくは接続電極55及びバンプ57とともに、プリント配線板により構成されている。プリント配線板は、リジッド基板であってもよいし、フレキシブル基板であってもよい。また、プリント配線板は、1層板であってもよいし、2層板であってもよいし、多層板であってもよい。また、プリント配線板の基材、絶縁材料、及び導電材料は適宜な材料から選択されてよい。
バンプ57は、例えば、加熱によって溶融し、その後、加熱が停止(冷却)されることにより硬化(接着)する金属によって形成されている。バンプ57は、例えば、はんだにより構成されている。はんだは、Pb−Sn合金はんだ等の鉛を用いたはんだであってもよいし、Au−Sn合金はんだ、Au−Ge合金はんだ、Sn−Ag合金はんだ、Sn−Cu合金はんだ等の鉛フリーはんだであってもよい。
SAW素子1は、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに対向させて配置されている。そして、SAW素子1の外部電極7は、バンプ57によって接続電極55に接着されることにより、電気的に接続電極55に接続されている。なお、接続電極55、バンプ57及び外部電極7の合計の厚みは、カバー9の厚みよりも大きい。
接着剤59は、カバー9の天面9aと実装基板53の実装面53aとの間に介在して、天面9aと実装面53aとを接着している。接着剤59は、例えば、カバー9の天面9aの全面に亘って天面9aと実装面53aとを接着している。接着剤59の厚みは、例えば、カバー9の天面9aに亘って概ね一定である。また、当該厚みは、SAWデバイス51の薄型化の観点から、好適には、カバー9の厚みよりも薄く、より好適には蓋部19の厚みよりも薄く、例えば、10〜20μmである。
接着剤59は、例えば、熱硬化性樹脂を含んで構成されている。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂である。なお、接着剤59は、これらの樹脂に比較して熱膨張率が低いフィラーを含んでいてもよい。フィラーは、例えば、無機材料(例えばシリカ)により構成される。また、接着剤59の材料は、カバー9の材料と異なっていてもよいし同一であってもよい。
(SAWデバイスの製造方法)
図4(a)〜図5(c)は、SAWデバイス51の製造方法を説明する断面図(図1のIII−III線に対応)である。製造工程は、図4(a)から図5(c)まで順に進んでいく。
図4(a)〜図5(c)は、SAWデバイス51の製造方法を説明する断面図(図1のIII−III線に対応)である。製造工程は、図4(a)から図5(c)まで順に進んでいく。
SAWデバイス51の製造方法のうち、SAW素子1の製造方法に対応する図4(a)〜図5(a)(若しくは図5(b))の工程は、いわゆるウエハプロセスにおいて実現される。すなわち、分割されることによって圧電基板3となる母基板を対象に、薄膜形成やフォトリソグラフィーなどが行われ、その後、ダイシングされることにより、多数個分のSAW素子1が並行して形成される。ただし、図4(a)〜図5(a)では、1つのSAW素子1に対応する部分のみを図示する。また、導電層や絶縁層は、プロセスの進行に伴って形状が変化するが、変化の前後で共通の符号を用いることがあるものとする。
図4(a)に示すように、まず、圧電基板3の第1主面3a上には、励振電極5、外部電極7及び配線15(図4(a)では不図示)が形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法又はCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法により、第1主面3a上に金属層が形成される。次に、金属層に対して、縮小投影露光機(ステッパー)とRIE(Reactive Ion Etching)装置とを用いたフォトリソグラフィー法等によりパターニングが行われる。パターニングにより、励振電極5、配線15及び外部電極7が形成される。
励振電極5等が形成されると、図4(b)に示すように、保護層25が形成される。具体的には、まず、適宜な薄膜形成法により保護層25となる薄膜が形成される。薄膜形成法は、例えば、スパッタリング法若しくはCVDである。次に、外部電極7が露出するように、フォトリソグラフィー法等によって薄膜の一部が除去される。これにより、保護層25が形成される。
保護層25が形成されると、図4(c)に示すように、枠部17となる、感光性樹脂からなる薄膜が形成される。薄膜は、例えば、フィルムが貼り付けられることによって形成される。フィルムは、例えば、ベースフィルム31と、ベースフィルム31に重ねられ、枠部17となる樹脂層とを有しており、樹脂層を保護層25に密着させた後、矢印y1によって示すように、ベースフィルム31が剥がされる。なお、枠部17となる薄膜は、保護層25と同様の薄膜形成法によって形成されてもよい。
枠部17となる薄膜が形成されると、図4(d)に示すように、フォトリソグラフィー法等により、薄膜の一部が除去され、振動空間21を構成する開口、及び、外部電極7を露出させる切り欠きが形成される。また、薄膜は、ダイシングライン上においても、一定の幅で除去される。このようにして枠部17が形成される。なお、枠部17となる薄膜がフィルムの貼り付けによって形成される場合において、ベースフィルム31を剥がす工程は、フォトリソグラフィーの後に行われてもよい。
枠部17が形成されると、図5(a)に示すように、蓋部19が形成される。蓋部19の形成方法は、概ね枠部17の形成方法と同様である。具体的には、まず、蓋部19となる、感光性樹脂からなる薄膜が形成される。薄膜は、例えば、枠部17と同様にフィルムの貼り付けによって形成される。薄膜は、フォトリソグラフィー法等により、外周部分が除去されてパターニングされる。
なお、枠部17及び蓋部19は、現像終了時に既に十分に硬化していてもよいし、現像後、次の図5(b)に示す工程に進む前までにポストベークが行われて十分に硬化されてもよいし、次の図5(b)に示す工程に進む時点において未硬化(半硬化)の状態のままとされ、その後の適宜な時期(例えば後述するリフロー工程)において加熱されて十分に硬化されてもよい。
蓋部19が形成されると、図5(b)に示すように、カバー9の天面9aに未硬化の接着剤59を配置する。接着剤59は、例えば、スクリーン印刷等の印刷によって配置されてもよいし、ディスペンサーによって配置されてもよい。また、接着剤59は、枠部17等と同様に薄膜形成法及びフォトリソグラフィーによって配置され、半硬化の状態とされていてもよい。
接着剤59が配置されると、SAW素子1は、ウェハから切り出される。なお、接着剤59は、SAW素子1がウェハから切り出された後にカバー9の天面9aに配置されてもよい。
上記のSAW素子1の準備工程とは別に、接続電極55が設けられた実装基板53を準備する工程が進められる。当該工程は、公知のプリント配線板の製造工程と同様でよく、図示は省略する。
その後、図5(c)に示すように、接続電極55上には、バンプ57が設けられる。バンプ57は、例えば、蒸着法、めっき法若しくは印刷法によって形成される。そして、SAW素子1がカバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに対向させるようにして、実装面53a上に配置される。
この時点において、実装面53aからバンプ57の頂部(z方向の負側の部分)までの高さは、SAW素子1における外部電極7から接着剤59の表面(z方向の正側の面)までの高さよりも大きい。従って、SAW素子1は、外部電極7がバンプ57に当接することにより実装基板53に支持され、接着剤59は実装面53aに対して微小隙間で対向する。
次に、実装基板53及びSAW素子1は、リフロー炉等により加熱される。加熱によりバンプ57は溶融し、その結果、SAW素子1は重力により下降し、接着剤59は実装面53aに当接する。換言すれば、カバー9の天面9aは、接着剤59を介して実装面53aに重ねられる。そして、接着剤59は、加熱によって硬化して天面9aと実装面53aとを接着する。その後、バンプ57は冷却されて硬化し、外部電極7と接続電極55とを接着する。なお、バンプ57は、セルフアライメント効果が適切に得られるようにカバー9に当接していないことが好ましいが、カバー9に当接してしまってもよい。
以上のとおり、本実施形態のSAWデバイス51の製造方法は、SAW素子1を準備する素子準備工程(図4(a)〜図5(a))と、実装面53aに接続電極55が形成された実装基板53を準備する基板準備工程とを備えている。SAW素子1は、圧電基板3と、該圧電基板3の一面上に位置する励振電極5と、該励振電極5を覆うカバー9と、励振電極5と電気的に接続され、カバー9の天面9aが面する側へ露出する外部電極7とを有している。
更に、本実施形態の製造方法は、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極7をバンプ57を介して接続電極55に接合する接合工程(図5(c))を備えている。換言すれば、天面9aの少なくとも一部の範囲において、天面9aと実装面53aとの間の隙間が無い状態で、バンプ57による接合が行われる。
従って、例えば、仮にSAW素子1を覆う封止樹脂が供給されても、カバー9の天面9aと実装基板53の実装面53aとの間に封止樹脂は充填されず、充填時の圧力によって振動空間21が潰れるようなカバー9の変形が抑制されることが期待される。また、例えば、封止樹脂が天面9aと実装面53aとの隙間に充填される際に予期していないボイドが形成されることが抑制されることも期待される。また、例えば、従来においては、天面9aと実装面53aとの隙間に封止樹脂が流れ込むことが可能に、当該隙間の大きさをある程度確保することが必要であったが、本実施形態においては、そのような観点からの設計の制約は生じない。その結果、例えば、接着剤59を薄くし、SAWデバイス全体の薄型化を図ったり、天面9aと実装面53aとの間の材料(本実施形態では接着剤59、従来においては封止樹脂)による熱膨張の抑制を図ったりすることができる。
また、素子準備工程(図4(a)〜図5(a))では、圧電基板3の一面上に層状に外部電極7を形成する(図4(a))。
従って、外部電極がカバー9の天面9aにおいて露出している場合(後述する第4の実施形態(図8及び図9)参照)に比較して、バンプ57の厚みとカバー9の厚みとが重複し、天面9aと実装基板53の実装面53aとの距離を短くすることが可能となる。その結果、SAWデバイス51の薄型化が図られる。また、接着剤59が薄くなり、接着剤59の熱膨張の影響が抑制される。
また、接合工程(図5(c))では、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに接着させる。すなわち、SAW素子1の実装基板53に対する固定が、外部電極7においてだけでなく、カバー9においても行われる。
従って、外部電極7、バンプ57及び接続電極55の固定に関する負担が軽減され、これらの剥離が抑制され、ひいては、接続不良又はSAW素子1の脱落が抑制される。また、従来の封止樹脂は、SAW素子1と実装基板53との固定の役割も担っているところ、カバー9が接着されることにより、封止樹脂の必要性を低下させることができる。
また、本実施形態の製造方法は、素子準備工程後、接合工程前に、カバー9の天面9aに接着剤59を配置する接合準備工程(図5(b))を更に備える。そして、接合工程では、接着剤59を硬化させてカバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに接着させる。
従って、例えば、接着剤59を実装面53aに配置する場合(後述する第2の実施形態(図6)参照)に比較して、個片化される前の複数のSAW素子1に関して接着剤59の配置が可能となり、製造工程の効率化が期待される。また、例えば、カバー9を直接に実装面53aに接着させる場合(後述する第3の実施形態(図7)参照)に比較して、半硬化のカバー9よりも粘性が低い(流動性が高い)接着剤59を用いることが可能であり、その結果、天面9aと実装面53aとの間の圧縮力によって接着剤59を天面9aと実装面53aとの間に隙間なく且つ均等に行き渡らせ、確実且つ均等に接着を行うことができると期待される。
また、本実施形態のSAWデバイス51は、SAW素子1と、接続電極55が実装面53aに設けられた実装基板53と、SAW素子1の外部電極7と実装基板53の接続電極55とを接合するバンプ57とを有する。SAW素子1は、圧電基板3と、該圧電基板3の一面上に位置する励振電極5と、該励振電極5を覆うカバー9とを有している。外部電極7は、励振電極5と電気的に接続され、カバー9の天面9aが面する側へ露出している。カバー9の天面9aは実装基板53の実装面53aに重ねられている。そして、SAW素子1は雰囲気に晒されている(SAWデバイス51は、封止材を有していない。)。
従って、SAWデバイス51は、封止樹脂が設けられていない分、小型化が図られる。その一方で、外部電極7においてだけでなく、カバー9においても実装基板53に支持されていることから、封止樹脂が無くても、荷重の分散が図られている。その結果、例えば、外部電極7の位置に荷重が集中して圧電基板3の第1主面3aが撓み変形を生じ、第1主面3aを伝搬するSAWの特性が劣化することが抑制される。
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態に係るSAWデバイス51の製造方法を説明する断面図(第1の実施形態の図5(c)に相当)である。
図6は、第2の実施形態に係るSAWデバイス51の製造方法を説明する断面図(第1の実施形態の図5(c)に相当)である。
第2の実施形態は、完成後のSAWデバイス自体に関しては、第1の実施形態と同様であり、製造方法のみが第1の実施形態と相違する。具体的には、第1の実施形態においては、接合準備工程(図5(b))において、接着剤59がカバー9の天面9aに配置されたのに対し、第2の実施形態においては、図6に示すように、接合準備工程において、接着剤59が実装基板53の実装面53aに配置される。それ以外(素子準備工程(図4(a)〜図5(a)等)については、第2の実施形態の製造方法は、第1の実施形態の製造方法と同様である。
接着剤59の実装面53aへの配置は、第1の実施形態におけるカバー9への配置と同様に、印刷法、ディスペンサー法若しくはフォトリソグラフィー法等の適宜な方法により行われてよい。
接合工程は、例えば、第1の実施形態と同様に、SAW素子1を実装基板53の実装面53aに載置してこれらをリフロー炉等により加熱することにより行われる。なお、このときの接着に係る作用は第1の実施形態と若干相違する。具体的には、加熱前の時点において、バンプ57がSAW素子1を支持し、カバー9の天面9aは、接着剤59に当接しない。加熱が開始されると、バンプ57は溶融し、SAW素子1が重力により下降して天面9aが接着剤59に当接する。換言すれば、天面9aは接着剤59を介して実装面53aに重ねられる。そして、加熱により接着剤59が硬化して天面9aと実装面53aとが接着され、その後、冷却によりバンプ57が硬化して外部電極7と接続電極55とが接着される。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極7をバンプ57を介して接続電極55に接合することから、第1の実施形態と同様の効果が奏される。例えば、カバー9の変形抑制、ボイドの発生抑制、SAWデバイス51の薄型化等の効果が奏される。
また、第2の実施形態のSAWデバイス51の製造方法では、接合準備工程において、実装基板53の実装面53aに接着剤59を配置する。
従って、例えば、第1の実施形態と同様に、カバー9を直接に実装面53aに接着させる場合(後述する第3の実施形態(図7)参照)に比較して、半硬化のカバー9よりも粘性が低い(流動性が高い)接着剤59を用いることができ、それによる種々の効果が得られる。また、例えば、第1の実施形態に比較して、接着剤59を配置するときにカバー9に荷重が付与されてカバー9の変形が生じるおそれがないことから、接着剤59の配置方法等の自由度が向上する。例えば、第1の実施形態に比較して、スクリーン印刷のスキージを高速に移動させることができる。
なお、上述のように、接着剤59は、加熱中にバンプ57が溶融してSAW素子1が下降することにより、カバー9の天面9a(第2の実施形態)若しくは実装基板53の実装面53a(第1の実施形態)に当接する。逆に言えば、接着剤59は、加熱の初期(硬化の初期)から実装面53a(第2の実施形態)若しくは天面9a(第1の実施形態)に当接している。従って、第1の実施形態は、天面9aと接着剤59との接着強度確保に相対的に有利であり、第2の実施形態は、実装面53aと接着剤59との接着強度確保に相対的に有利である。実施にあたっては、これらの事情を踏まえて、第1若しくは第2の実施形態のいずれかを選択してもよい。例えば、天面9aと接着剤59とは、カバー9の硬化によっても接着強度が向上することが期待されるから、第2の実施形態を選択して接着剤59と実装面53aとの接着強度を確保し、全体としての接着強度を向上させてもよい。
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態に係るSAWデバイス151の一部を示す断面図(第1の実施形態の図3に相当)である。
図7は、第3の実施形態に係るSAWデバイス151の一部を示す断面図(第1の実施形態の図3に相当)である。
SAWデバイス151は、接着剤59が設けられておらず、カバー9が直接に実装基板53の実装面53aに重ねられてる点のみが第1の実施形態のSAWデバイス51と相違する。なお、接着剤59が設けられていない分、本実施形態においては、第1の実施形態に比較して、バンプ57の厚みが薄くなっているが、便宜的に第1の実施形態と同一符号(57)を付すものとする。
SAWデバイス151の製造方法は、接着剤59を配置する接合準備工程(図5(b))を備えていない点以外は、概ね、第1の実施形態と同様である。
ただし、素子準備工程(図4(a)〜図5(a))終了後、接合工程の前において、第1の実施形態では、蓋部19(若しくはカバー9全体)は、未硬化(半硬化)の状態であっても完全に硬化した状態であってもよかったが、第2の実施形態では、蓋部19(若しくはカバー9全体)は、未硬化(半硬化)の状態とされている。
例えば、素子準備工程では、半硬化の樹脂シートを貼り付けたり、若しくは、液状の樹脂が完全に硬化しない温度及び時間でプリベークを行ったりして、未硬化の樹脂の薄膜を形成する。そして、露光及び現像を行って未硬化の蓋部19を形成する。その後、ポストベークを行わずに、接合工程を開始する。
接合工程は、例えば、第1の実施形態と同様に、SAW素子1を実装基板53の実装面53aに載置してこれらをリフロー炉等により加熱することにより行われる。なお、このときの接着に係る作用は第1の実施形態と若干相違する。具体的には、加熱前の時点において、バンプ57がSAW素子1を支持し、カバー9の天面9aは、実装面53aに当接しない。加熱が開始されると、バンプ57は溶融し、SAW素子1が重力により下降して天面9aが実装面53aに当接する。換言すれば、天面9aは直接に実装面53aに重ねられる。そして、加熱により蓋部19(若しくはカバー9全体)が硬化して天面9aと実装面53aとが接着され、その後、冷却によりバンプ57が硬化して外部電極7と接続電極55とが接着される。
第3の実施形態のSAWデバイス151の製造方法によれば、第1の実施形態と同様に、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極7をバンプ57を介して接続電極55に接合することから、第1の実施形態の製造方法と同様の効果が奏される。例えば、カバー9の変形抑制、ボイドの発生抑制、SAWデバイス51の薄型化等の効果が奏される。また、第3の実施形態のSAWデバイス151によれば、第1の実施形態と同様に、カバー9の天面9aは実装基板53の実装面53aに重ねられ、封止樹脂は設けられていないことから、第1の実施形態のSAWデバイス51と同様の効果が奏される。例えば、封止樹脂が設けられていない分、小型化が図られ、その一方で、カバー9に荷重が分散される。
また、第3の実施形態では、素子準備工程(図4(a)〜図5(a))では、少なくとも天面側部分(蓋部19)が未硬化の樹脂からなるカバー9を形成し、接合工程では、その未硬化の樹脂を硬化させてカバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに接着させる。
従って、接着剤59を設ける必要が無く、工程数の削減、材料の削減及びSAWデバイス151の薄型化が図られる。さらに、カバー9の天面9aと実装基板53の実装面53aとの間に、熱膨張を生じて圧電基板3に撓みを生じさせるおそれのある材料(接着剤59若しくは従来の封止樹脂)が配置されなくなることから、圧電基板3に撓みが発生することが抑制され、ひいては、SAW素子1の特性が安定することが期待される。
<第4の実施形態>
図8は、第4の実施形態に係るSAWデバイス251(図9)に含まれるSAW素子201の外観を示す斜視図である。また、図9は、SAWデバイス251の一部を示す、図8のIX−IX線に対応する断面図である。
図8は、第4の実施形態に係るSAWデバイス251(図9)に含まれるSAW素子201の外観を示す斜視図である。また、図9は、SAWデバイス251の一部を示す、図8のIX−IX線に対応する断面図である。
本実施形態のSAW素子201は、カバーの形状及び外部電極の形状のみが第1の実施形態のSAW素子1と相違する。具体的には、SAW素子201の外部電極207は、第1の実施形態の外部電極7と概ね同様の構成のパッド208(図9)上において柱状に形成され、カバー209を貫通している。そして、外部電極207の上方側端面は、カバー209の天面209aにおいて天面209aの面する側へ露出している。
外部電極207は、例えば、銅等の金属により形成されている。その上方側端面には、第1の実施形態の外部電極7の表面と同様に、ニッケルの層及び金の層が設けられていてもよい。また、外部電極207は、バンプ57の接着面積を大きくするように、天面209a上に位置するフランジ207b(図9)を有していることが好ましい。
カバー209は、第1の実施形態のカバー9と同様に、概ね一定の厚さの樹脂層により形成された枠部217及び蓋部219により構成されている。枠部217の内縁の平面形状は第1の実施形態の枠部17の内縁の平面形状と同様でよい。また、枠部217の外縁及び蓋部219の平面形状は、外部電極207の配置位置を含む形状であれば、適宜な形状とされてよい。本実施形態では、圧電基板3の平面形状よりも一回り小さい相似形(矩形)とされている場合を例示している。
図9において示すように、SAW素子201は、第1の実施形態と同様に、カバー209の天面209aを実装基板53の実装面53aに対向させて配置される。そして、バンプ57によって外部電極207と接続電極55とが接着され、接着剤59によって天面209aと実装面53aとが接着される。
なお、接着剤59は、その厚み等が第1の実施形態と相違するが、便宜的に同一符号を付すものとする。バンプ57についても同様である。接着剤59の平面形状は、適宜に設定されてよく、例えば、第1の実施形態と同様であってもよいし、外部電極207の配置位置を除く、カバー209の全面に亘る形状(外部電極207に対応する位置に孔部が形成された矩形)であってもよい。
SAWデバイス251の製造方法は、外部電極207の形成に係る部分を除いて、概ね第1の実施形態のSAWデバイス51の製造方法と同様である。外部電極207は、例えば、以下のように形成される。
まず、第1の実施形態と同様に、圧電基板3に対する導電層(励振電極5、パッド208等)の形成からカバー209の形成(図4(a)〜図5(a)参照)までの工程が行われる。ただし、枠部217及び蓋部219のパターニングにおいては、外部電極207が貫通する孔部209hも形成される。
そして、カバー209の形成後、接着剤59の配置前において、めっき法等により外部電極207を形成する。例えば、まず、無電解めっきによってカバー209の孔部209h内及び天面209aに下地層を形成する。次に、その上に外部電極207が形成されるべき位置を除いてレジスト層を形成する。次に、電解めっきによってレジスト層の非配置位置において金属を析出させ、外部電極207を完成させる。その後、レジスト層を除去する。
なお、SAWデバイス251の製造方法(接合準備工程)において、接着剤59は、第1の実施形態と同様にカバー209の天面209aに配置されてもよいし、第2の実施形態と同様に実装基板53の実装面53aに配置されてもよい。接着剤59の配置後の接合工程は、第1若しくは第2の実施形態と同様である。
第4の実施形態のSAWデバイス251の製造方法によれば、第1の実施形態と同様に、カバー209の天面209aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極207をバンプ57を介して接続電極55に接合することから、第1の実施形態の製造方法と同様の効果が奏される。例えば、カバー209の変形抑制、ボイドの発生抑制、SAWデバイス251の薄型化等の効果が奏される。また、第4の実施形態のSAWデバイス251によれば、第1の実施形態と同様に、カバー209の天面209aは実装基板53の実装面53aに重ねられ、封止樹脂は設けられていないことから、第1の実施形態のSAWデバイス51と同様の効果が奏される。例えば、封止樹脂が設けられていない分、小型化が図られ、その一方で、カバー209に荷重が分散される。
<第5の実施形態>
図10は、第5の実施形態に係るSAWデバイス351の一部を示す(第1の実施形態の図3に相当)断面図である。
図10は、第5の実施形態に係るSAWデバイス351の一部を示す(第1の実施形態の図3に相当)断面図である。
第5の実施形態に係るSAWデバイス351は、第1(若しくは第2)の実施形態のSAWデバイス51において、封止樹脂361を設けた構成である。封止樹脂361は、SAW素子1の裏面(第2主面3b側の面)及び側面を覆うとともに、カバー9の外周において、圧電基板3と実装面53aとの間に充填されている。
封止樹脂361は、例えば、熱硬化性樹脂を含んで構成されている。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂である。なお、封止樹脂361は、これらの樹脂に比較して熱膨張率が低いフィラーを含んでいてもよい。フィラーは、例えば、無機材料(例えばシリカ)により構成される。また、封止樹脂361の材料は、カバー9及び/又は接着剤59の材料と異なっていてもよいし同一であってもよい。
なお、本実施形態のSAWデバイス351の製造方法は、第1(若しくは第2)の実施形態のSAWデバイス51の製造方法の後に、封止樹脂361を配置する工程が加えられる点のみが第1の実施形態の製造方法と相違する。封止樹脂361は、例えば、スクリーン印刷等の印刷法若しくはディスペンサー法によって配置される。
第4の実施形態のSAWデバイス351の製造方法によれば、第1の実施形態と同様に、カバー9の天面9aを実装基板53の実装面53aに重ねた状態で外部電極7をバンプ57を介して接続電極55に接合することから、第1の実施形態の製造方法と同様の効果が奏される。例えば、カバー9の変形抑制、ボイドの発生抑制、SAWデバイス351の薄型化等の効果が奏される。
また、第4の実施形態では、SAWデバイス351は、SAW素子1と、接続電極55が実装面53aに形成された実装基板53と、SAW素子1の外部電極7と接続電極55とを接合するバンプ57と、SAW素子1を覆う封止樹脂361とを有している。カバー9の天面9aは実装基板53の実装面53aに封止樹脂361とは異なる材料(接着剤59)を介して間接に重ねられている。
従って、例えば、封止樹脂361と接着剤59とで、それぞれの役割に適した材料を用いてSAWデバイス351を好適なものとすることができる。例えば、封止樹脂361の材料としては、水分の透過性が低いものを用い、接着剤59の材料としては、接着力が強固なものを用いることができる。
<第6の実施形態>
図11は、第6の実施形態に係るSAWデバイス451の一部を示す断面図である。
図11は、第6の実施形態に係るSAWデバイス451の一部を示す断面図である。
SAWデバイス451において、実装基板53及びSAW素子1に係る部分は、第1の実施形態と同様である。さらに、SAWデバイス451は、SAW素子1を覆うシールド91を有している。
シールド91は、例えば、その全体が金属により構成され、若しくは、絶縁基体に金属層が設けられて構成されている。そして、シールド91は、例えば、実装基板53の実装面53aに実装されたSAW素子1及び他の電子部品81、83を覆い、半田若しくはねじ等の適宜な固定手段により実装基板53に対して固定されている。なお、シールド91は、実装基板53の不図示の基準電位部に電気的に接続されていることが好ましい。
SAWデバイス451では、第1の実施形態と同様に、封止樹脂が設けられておらず、SAW素子1及び実装基板53を含む構造は薄型化されている。従って、SAWデバイス451は、大型化が抑制されつつ、シールド効果によって電気特性が向上する。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
上述した実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第3の実施形態のカバーの天面を直接に実装基板の実装面に重ねる構成は、第5の実施形態(図10)の封止樹脂が設けられる構成と組み合わされてもよいし、第6の実施形態(図11)のシールドが設けられる構成と組み合わされてもよい。また、例えば、第4の実施形態のカバーを貫通する柱状の外部電極が設けられる構成は、第5の実施形態(図10)の封止樹脂が設けられる構成と組み合わされてもよいし、第6の実施形態(図11)のシールドが設けられる構成と組み合わされてもよい。
弾性波デバイスは、弾性波素子及び他の電子部品が実装基板に実装されてモジュール化されるものに限定されない。例えば、実装基板は、弾性波素子のみが実装され、単に弾性波素子と他の回路基板とを仲介するための基板であってもよい。
弾性波素子は、SAW素子に限定されない。例えば、弾性波素子は、圧電薄膜共振器であってもよいし、弾性境界波素子(ただし、広義のSAW素子に含まれる)であってもよい。なお、弾性境界波素子においては、励振電極上に空隙(振動空間)は不要である。換言すれば、カバーは、枠部と蓋部とを有する必要はなく、1層からのみ形成されてよい。また、弾性境界波素子において、保護層とカバーとは兼用されてよい。
また、弾性波素子において、保護層及び裏面部は必須の要件ではなく、省略されてもよい。逆に、弾性波素子は、枠部と蓋部との間に位置する導電層、カバーの天面に重ねられた金属性の補強層(ただし、カバーの一部と捉えられてもよい)など、適宜な層が追加されてもよい。
弾性波デバイスにおいて、カバーの天面と実装基板の実装面とは接着されていなくてもよい。すなわち、カバーの天面は、直接若しくは間接に実装面に当接しているだけであってもよい。この場合であっても、例えば、カバーの天面と実装面との間に封止樹脂が配置されないことによる薄型化の効果、若しくは、封止樹脂を配置したときに封止樹脂がカバーの天面と実装面との間に入り込んでカバーを変形させることが抑制される効果等が期待される。
カバーの天面と実装基板の実装面との接着は、接着剤の介在若しくは樹脂からなるカバーの硬化によるものに限定されない。例えば、実装基板のソルダレジスト(ただし、接着剤と捉えられてもよい)が硬化してカバーに対する接着力を発揮してもよい。
接着剤は、樹脂からなるものに限定されない。例えば、接着剤として、バンプと同様の金属(はんだ等)が用いられてもよい。なお、この場合、接着剤は、バンプの溶融・硬化と概ね同時に、溶融・硬化してカバーと実装基板とを接着する。また、この場合、弾性波素子の実装基板への載置後且つ加熱前において、バンプに代えて接着剤によって弾性波素子が支持されていてもよい。また、接着剤として、金属及び樹脂以外の無機接着剤若しくは有機接着剤が用いられてもよい。また、樹脂からなる接着剤は、熱硬化性樹脂に限定されず、常温での乾燥(風乾)によって硬化するものであってもよい。
カバーの天面は、その全面若しくは広い範囲に亘って実装基板の実装面に重なっていなくてもよい。例えば、枠部の直上領域のみにおいて接着剤が設けられ、当該直上領域のみにおいてカバーの天面が実装面に間接に重なっていてもよい。この場合、蓋部の振動空間の直上領域に荷重が加わることが抑制され、ひいては、蓋部の変形が抑制されることが期待される。
カバーの形成方法は、実施形態において例示したものに限定されない。例えば、振動空間が不要なカバーは、枠部と蓋部とを別個に形成する必要はなく、カバー全体が一回のフォトリソグラフィー等により一体的に形成されてよい。また、例えば、振動空間を要するカバーは、振動空間となる領域に犠牲層を形成して、その後、犠牲層上にカバーとなる樹脂層を形成し、樹脂層内から犠牲層を溶解、流出させることにより形成されてもよい。また、カバーは、樹脂からなるものに限定されず、例えば、無機材料から構成されてもよい。
圧電基板上に層状に形成される外部電極(第1の実施形態等)は、カバーの外側に配置されるものに限定されない。例えば、第4の実施形態(図9)において、柱状の外部電極207を設けずに、パッド208を外部電極として用い、バンプ57を孔部209hに収容するようにしてもよい。
バンプは、実装基板ではなく、弾性波素子の外部電極に配置され、その後、実装基板の接続電極に対して接着されてもよい。なお、この場合、実施形態と同様に、バンプによって弾性波素子が支持されてもよいし、カバーが実装基板の実装面に支持され、溶融したバンプが外部電極との接続を維持しつつ接続電極に垂れて到達するようにしてもよい。
バンプは、金属により構成されるものに限定されない。例えば、加熱若しくは常温での乾燥によって硬化する導電性樹脂により構成されていてもよい。なお、この場合、接着剤が熱硬化性樹脂からなるときは、弾性波素子は、実装基板に載置されたときに、バンプ及び接着剤の双方に支持されるとともに、バンプと接着剤とが同時に硬化されることが好ましい。未硬化の樹脂からなるカバーが硬化して接着する場合も同様である。
外部電極は、圧電基板上に層状に設けられるもの及びカバーを貫通するものに限定されず、例えば、カバーの上面に層状に設けられ、カバーに形成された配線を介して弾性波素子と接続されるものであってもよい。
封止材は、樹脂に限定されず、樹脂以外の有機材料若しくは無機材料からなるものであってもよい。
1…SAW素子(弾性波素子)、3…圧電基板、5…励振電極、7…外部電極、9…カバー、9a…天面、51…SAWデバイス(弾性波デバイス)、53…実装基板、53a…実装面、55…接続電極、57…バンプ。
Claims (8)
- 圧電基板と、該圧電基板の一面上に位置する励振電極と、該励振電極を覆うカバーと、前記励振電極と電気的に接続され、前記カバーの天面が面する側へ露出する外部電極とを有する弾性波素子を準備する素子準備工程と、
実装面に接続電極が形成された実装基板を準備する基板準備工程と、
前記カバーの天面を前記実装面に直接に又は所定の材料を介して間接に重ねた状態で前記外部電極をバンプを介して前記接続電極に接合する接合工程と、
を備えた弾性波デバイスの製造方法。 - 前記素子準備工程では、前記圧電基板の前記一面上に層状に前記外部電極を形成する
請求項1に記載の弾性波デバイスの製造方法。 - 前記接合工程では、前記カバーの天面を前記実装面に接着させる
請求項1又は2に記載の弾性波デバイスの製造方法。 - 前記素子準備工程後、前記接合工程前に、前記カバーの天面に接着剤を配置する接合準備工程を更に有し、
前記接合工程では、前記接着剤を硬化させて前記カバーの天面を前記実装面に接着させる
請求項3に記載の弾性波デバイスの製造方法。 - 前記基板準備工程後、前記接合工程前に、前記実装面に接着剤を配置する接合準備工程を更に有し、
前記接合工程では、前記接着剤を硬化させて前記カバーの天面を前記実装面に接着させる
請求項3に記載の弾性波デバイスの製造方法。 - 前記素子準備工程では、少なくとも天面側部分が未硬化の樹脂からなる前記カバーを形成し、
前記接合工程では、前記未硬化の樹脂を硬化させて前記カバーの天面を前記実装面に接着させる
請求項2に記載の弾性波デバイスの製造方法。 - 圧電基板と、該圧電基板の一面上に位置する励振電極と、該励振電極を覆うカバーと、前記励振電極と電気的に接続され、前記カバーの天面が面する側へ露出する外部電極とを有する弾性波素子と、
接続電極が実装面に形成された実装基板と、
前記外部電極と前記接続電極とを接合するバンプと、
を有し、
前記カバーの天面は前記実装面に直接に又は所定の材料を介して間接に重ねられており、
前記弾性波素子の前記実装面とは反対側の面及び側面は雰囲気に晒されている
弾性波デバイス。 - 圧電基板と、該圧電基板の一面上に位置する励振電極と、該励振電極を覆うカバーと、前記励振電極と電気的に接続され、前記カバーの天面が面する側へ露出する外部電極とを有する弾性波素子と、
接続電極が実装面に形成された実装基板と、
前記外部電極と前記接続電極とを接合するバンプと、
前記弾性波素子を覆う封止材と、
を有し、
前記カバーの天面は前記実装面に直接に若しくは前記封止材とは異なる材料を介して間接に重ねられている
弾性波デバイス。
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