JP2013114878A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】管体に挿通された絶縁電線に交流電流を通電することで、管体に誘導電流を生起させ、管体を発熱させる誘導加熱装置において、管体の発熱量を必要に応じて部分的に異ならせる或いは零にして消費電力を低減する。
【解決手段】交流電流が通電される絶縁電線3が挿通された管体22を、透磁率の異なる複数の部材22a、22b、22cから構成した。絶縁電線3に交流電流を通電すると、交流電流の交番磁束による電磁誘導によって、管体22にその透磁率に応じた誘導電流が生起される。管体22が透磁率の異なる複数の部材から構成されているので、管体22の各部材にはその透磁率の大小に応じて異なった大きさの誘導電流が生起される。この結果、管体22を構成する各部材毎に発熱量が異なることになる。
【選択図】図4

Description

本発明は、誘導加熱(Induction Hearting)を利用した誘導加熱装置に係り、特に、消費電力の低減を図った誘導加熱装置に関する。
誘導加熱を利用した誘導加熱装置として、発熱体となる管体と、管体に挿通された絶縁電線と、絶縁電線に接続された交流電源とを備えたものが知られている(特許文献1〜3参照)。この誘導加熱装置は、交流電源から絶縁電線に通電された交流電流の交番磁束によって管体に電磁誘導による誘導電流(渦電流)を生起させ、誘導電流が流れる管体の電気抵抗に基づくジュール熱によって管体を発熱させるものである。
かかる誘導加熱装置は、発熱体となる管体を加熱が要求される被加熱部材に敷設することで、管体によって被加熱部材を加熱し、被加熱部材が凍結等することを防止する。被加熱部材としては、例えば、水門設備の扉体が突き当てられる戸当たり金物、道路の車道面や歩道面、鉄塔や橋梁の雪が積もる部分等が挙げられる。これらの被加熱部材に発熱体となる管体を敷設することで、冬季や厳冬期において、水門設備の扉体が戸当たり金物に氷着することを防止でき、道路の車道面や歩道面を融雪して凍結を防止でき、鉄塔や橋梁の冠雪や着雪を防止できる。
特公昭57−40293号公報 特開2009−256942号公報 特開2009−287389号公報
ところで、従来の誘導加熱装置の管体は、その全長に亘って同一の材質が用いられており、管体の全長に亘って略均一に発熱していた。このため、管体が敷設される被加熱部材の或るエリアのみを部分的に加熱したい場合でも、全エリアを加熱することになってしまい、無駄なエネルギーが使用され、無駄に電力を消費することになっていた。
また、管体が敷設される被加熱部材は、その性状によっては、高い温度での加熱が要求される高温加熱部分の他、加熱がそれ程要求されない低温加熱部分や、加熱しなくてもよい非加熱部分が存在する場合もある。しかし、従来の管体は、その全長に亘って同一の材質が用いられていて略均一に発熱するため、部分的に発熱量を異ならせたり、部分的に発熱量を零にすることはできなかった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、誘導電流によって発熱する管体の発熱量を必要に応じて部分的に異ならせる或いは零にすることができ、消費電力を低減できる誘導加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために創案された本発明に係る誘導加熱装置は、管体と管体に挿通された絶縁電線とを備え、絶縁電線に交流電流を通電することで管体に管体の透磁率に応じた誘導電流を生起させ、管体を発熱させるようにした誘導加熱装置であって、管体が、透磁率の異なる複数の部材から構成されたことを特徴とする誘導加熱装置である。
前記部材が、管状に形成された管体片からなり、それら管体片が、直列に接続されていてもよい。
前記部材同士の接続部に、接続部を覆うコーティングを設けてもよい。
前記部材が、不導体を介して接続されていてもよい。
前記部材の材質が、鉄、ステンレス、ニッケル、コバルト、銅、アルミ、これらの合金、樹脂の何れかであってもよい。
本発明に係る誘導加熱装置によれば、管体に挿通された絶縁電線に交流電流を通電すると、交流電流の交番磁束による電磁誘導によって管体にその透磁率に応じた誘導電流が生起される。ここで、管体が透磁率の異なる複数の部材から構成されているので、管体の各部材にはその透磁率の大小に応じて異なった大きさの誘導電流が生起される。この結果、管体を構成する部材毎に発熱量を異ならせることができ、管体の発熱量を必要に応じて部分的に異ならせる或いは零にすることができる。よって、管体の全長に亘って略均一に発熱する従来例よりも消費電力を低減できる。
本発明の前提となる、誘導加熱を利用した鋼管発熱式ヒーターの概略を表す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置が組み込まれた水門設備の概略を表す斜視図である。 図2に示す水門設備及び誘導加熱装置の側断面図である。 図2及び図3に示す誘導加熱装置の正面図である。 (a)は図2〜図4に示す誘導加熱装置の管体片同士の接続部を表す部分断面図、(b)はその接続部の変形例を表す部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る誘導加熱装置の正面図である。 本発明の第3実施形態に係る誘導加熱装置の正面図である。 本発明の第4実施形態に係る誘導加熱装置の概略説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(本発明の前提となる鋼管発熱式ヒーター)
図1に、本発明の前提となる誘導加熱を利用した鋼管発熱式ヒーター1xを示す。鋼管発熱式ヒーター1xは、発熱体となる鋼管(管体)2xと、管体2xに挿通された絶縁電線3と、絶縁電線3に接続された交流電源4とを備えており、絶縁電線3に通電した交流電流の交番磁束による電磁誘導によって、管体2xに誘導電流(渦電流)を生起させ、誘導電流が流れる管体2xの電気抵抗に応じたジュール熱により管体2xを発熱(誘導加熱)させるものである。
従来の鋼管発熱式ヒーター1xは、既述のように、管体2xの材質がその全長に亘って同一であったため、管体2xの全長に亘って略均一に発熱していた。このため、管体2xの長手方向のある部分のみを発熱させたい場合や、管体2xの長手方向の部分毎に発熱量を異ならせたい場合でも、管体2xの全エリアを均一に発熱させる他なく、無駄なエネルギーが使用され、無駄に電力を消費していた。これを解消するようにしたものが、以下に説明する本発明に係る誘導加熱装置である。
なお、図1において、並設された管体2xの両端同士を短絡片2yで電気的に接続するようにしてもよい。短絡片2yは、管体2xの外表面に発生する誘導電流(渦電流)を相殺する機能を発揮する。これにより、誘導電流が管体2xの外表面から漏電することを回避できる。
(水門設備)
図2及び図3に、本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置1が組み込まれた水門設備5の概略を示す。図2は水門設備5及び誘導加熱装置1の斜視図、図3は水門設備5及び誘導加熱装置1の側断面図である。この水門設備5は、水の放流管6がコンクリート7に埋設されており、その放流管6に、扉体8を上下スライド可能に収容するケーシング(以下ボンネットという)9が接続されている。ボンネット9は、略直方体状に形成された中空体からなり、放流管6が接続されるボンネット9の正面9aには、放流管6の形状に合わせて入口91が開口されており、その反対側であるボンネット9の背面9bには、下流側の水路10に接続される出口92が開口されている。
ボンネット9に収容された扉体8は、昇降装置11によって昇降される。昇降装置11は、油圧ジャッキ12からなり、ボンネット9の頂部のボンネットカバー9cに装着されたシリンダ12aと、シリンダ12a内に収容されたピストン(図示せず)と、上端がピストンに下端が扉体8に接続されたロッド12bとを有する。ピストンを図示しない油圧装置によって上昇させることで扉体8を引き上げて入口91を開放し、油圧装置によってピストンを下降させることで扉体8を押し下げて入口91を閉じる。なお、昇降装置11は、油圧ジャッキ12に限られず、扉体8をワイヤで吊り上げ又は吊り下ろすウィンチでもよい。
扉体8によって開閉されるボンネット9の入口91には、扉体8の正面8aが接触するシールリング13が設けられている。シールリング13は、黄銅等の比較的軟らかい金属により入口91の周方向に沿って形成された断面三角形状のリング体からなり、扉体8が下げられたときに扉体8の正面8aと接触して止水する。冬季や厳冬期には、下降した扉体8の正面8aとシールリング13との接触部近傍の水が凍結し、扉体8がシールリング13に氷着して開放できなくなる事態が生じ得る。よって、シールリング13の近傍のボンネット9を加熱して、上述の氷着を防止する必要がある。この水門設備5においては、ボンネット9が被加熱部材に相当する。
(第1実施形態:誘導加熱装置)
次に、ボンネット9を加熱することで、シールリング13の近傍の水の凍結を防止する誘導加熱装置1について説明する。図2、図3に示すように、誘導加熱装置1は、被加熱部材としてのボンネット9に沿って敷設され、ボンネット9を加熱するための管体2を有する。
管体2は、ボンネット9の正面9aに配設された正面管体21と、ボンネット9の側面9dに配設された側面管体22とを備えている。これら正面管体21及び側面管体22は、図2、図3では1本ずつしか表されていないが、夫々複数本ずつ配設されていてもよい。
正面管体21は、地上に露出したボンネット9の正面9aの幅方向一端からコンクリート7に埋設されたボンネット9の下部に向かって下方に延出され、放流管6の下方を通過するようにボンネット9の幅方向に延伸された後、ボンネット9の正面9aの幅方向他端から地上に突き出るように上方に延出されている。正面管体21は、全体として略U字状に構成され、ボンネット9の正面9aに敷設されている。
側面管体22は、地上に露出したボンネット9の一方の側面9dからコンクリート7に埋設されたボンネット9の下部に向かって下方に延出され、ボンネット9の底面9eの下方を通過するようにボンネット9の幅方向に延伸された後、ボンネット9の他方の側面9dに沿って地上に突き出るように上方に延出されている。側面管体22も、全体として略U字状に構成され、ボンネット9の側面9dに敷設されている。
正面管体21及び側面管体22には、夫々、絶縁電線3が引き抜き可能に挿通されており、絶縁電線3には、地上において交流電源4が接続され、交流電流が通電されるようになっている。交流電源4には、50Hz又は60Hzの商用周波数の交流電源を用いてもよいが、これに限られるものではない。絶縁電線3には耐熱絶縁電線が用いられている。よって、絶縁電線3に交流電流を通電した際、管体2が部分的に発熱しても、その熱によって絶縁電線3が熱損傷することを回避できる。
絶縁電線3は、コンクリート7に直接埋設されるのではなく、管体2に挿通されているため、水分や鋭利な突起等から防護される。加えて、絶縁電線3は、管体2に引き抜き可能に挿通されているため、数年から数十年毎に行われるメンテナンス時に、絶縁電線3の地上に露出した端部を把持して引き上げる等することで、管体2から引き抜かれる。
(管体片)
正面管体21は、透磁率の異なる複数の部材21a、21bから構成されている。各部材21a、21bは、管状に形成されており(以下管体片とも言う)、それら管体片21a、21bが直列に接続されて正面管体21を構成している。また、側面管体22も、透磁率の異なる複数の部材22a、22b、22cから構成されている。各部材22a、22b、22cは、管状に形成されており(以下管体片とも言う)、それら管体片22a、22b、22cが直列に接続されて側面管体22を構成している。
正面管体21は、地上からシールリング13の上端までの部分(地上から下降された扉体8の上端までの部分)が、誘導電流が殆ど生起されない透磁率の低い材料から形成された管体片(低透磁率管体片)21aで構成され、シールリング13を略U字状に囲む部分(下降された扉体8の部分)が、低透磁率管体片21aよりも透磁率が高い材料から形成されて誘導電流が生起され易い管体片(高透磁率管体片)21bで構成されている。すなわち、正面管体21は、低透磁率管体片21aから成る一対の上部正面管体と、高透磁率管体片21bから成る略U字状に形成された下部正面管体とから構成されている。
高透磁率管体片21bの材質には、SS材(一般構造用圧延鋼材)、SM材(溶接構造用圧延鋼材)、SN材(建築構造用圧延鋼材)等の炭素鋼の他、硅素鋼、コバルト、ニッケル等、又はこれらの合金からなる磁性体が用いられる。低透磁率管体片21aの材質には、オーステナイト系ステンレス、アルミ、銅等、又はこれらの合金の他、塩化ビニル等の樹脂からなる非磁性体が用いられる。なお、ステンレスについては、オーステナイト系ステンレス材(SUS304等)は透磁率が低いが、フェライト系ステンレス材(SUS430等)及びマルテンサイト系ステンレス材(SUS410等)は透磁率が高いため、これらを低透磁率管体片21aの材質と高透磁率管体片21bの材質とに使い分けてもよい。
高透磁率管体片21b(下部正面管体)は、溶接等によってボンネット9の正面9aに取り付けられ、その取付部には、伝熱セメントが打設されている。伝熱セメントは、粉末状の炭素、セラミック、珪酸ソーダ、カルシウムシリケイト等から構成されており、誘導電流によって発熱した高透磁率管体片21bの熱を的確にボンネットの正面に伝導する。
他方、側面管体22は、図4にも示すように、地上から下降された扉体8の上端までの部分が、誘導電流が殆ど生起されない透磁率の低い材料から形成された管体片(低透磁率管体片)22aで構成され、下降された扉体8の側方部分が、低透磁率管体片22aよりも透磁率が高い材料から形成されて誘導電流が生起され易い管体片(高透磁率管体片)22bで構成され、ボンネット9の底面9eの下方を通過する部分が、低透磁率管体片22aの透磁率と高透磁率管体片22bの透磁率との間の透磁率の材料から形成された管体片(中透磁率管体片)22cで構成されている。すなわち、側面管体22は、低透磁率管体片22aから成る一対の上部側面管体と、高透磁率管体片22bから成る一対の中部側面管体と、中透磁率管体片22cから成る略U字状に形成された下部側面管体とから構成されている。
高透磁率管体片22bの材質には、上述したように、SS材、SM材、SN材等の炭素鋼の他、硅素鋼、コバルト、ニッケル等、又はこれらの合金からなる磁性体が用いられ、低透磁率管体片22aの材質には、オーステナイト系ステンレス、アルミ、銅等、又はこれらの合金の他、塩化ビニル等の樹脂からなる非磁性体が用いられる。また、中透磁率管体片22cの材質には、例えば、高透磁率管体片22bに炭素鋼を用い低透磁率管体片22aにオーステナイト系ステンレスを用いた場合には、透磁率が炭素鋼より低くオーステナイト系ステンレスより高いコバルトやニッケル等、又はこれらの合金が用いられる。なお、上述したように、透磁率が低いオーステナイト系ステンレス材(SUS304等)を低透磁率管体片22aの材質に用い、透磁率が高いフェライト系ステンレス材(SUS430等)及びマルテンサイト系ステンレス材(SUS410等)を高透磁率管体片22bの材質に用いてもよい。
側面管体22の高透磁率管体片22bの部分(中部側面管体)は、溶接等によってボンネット9の側面9dに取り付けられ、その取付部には、伝熱セメントが打設されている。
(作用・効果)
本実施形態に係る誘導加熱装置1によれば、正面管体21及び側面管体22に挿通された絶縁電線3に交流電流を通電すると、交流電流の交番磁束による電磁誘導によって正面管体21及び側面管体22にその透磁率に応じた誘導電流が生起される。ここで、正面管体21及び側面管体22が透磁率の異なる複数の部材(21a、21b、22a、22b、22c)から構成されているので、正面管体21及び側面管体22には、各部材(21a、21b、22a、22b、22c)の透磁率の大小に応じて、部材(21a、21b、22a、22b、22c)毎に異なった大きさの誘導電流が生起される。
すなわち、正面管体21においては、低透磁率管体片21aから成る上部正面管体には殆ど又は全く誘導電流が生起されず、高透磁率管体片21bから成る下部正面管体には大きな誘導電流が生起される。側面管体22においては、低透磁率管体片22aから成る上部側面管体には殆ど又は全く誘導電流が生起されず、高透磁率管体片22bから成る中部側面管体には大きな誘導電流が生起され、中透磁率管体片22cから成る下部側面管体には多少の誘導電流が生起される。
この結果、正面管体21は、低透磁率管体片21aから成る上部正面管体が殆ど又は全く発熱せず、高透磁率管体片21bから成る下部正面管体が高温に発熱する。また、側面管体22は、低透磁率管体片22aから成る上部側面管体が殆ど又は全く発熱せず、高透磁率管体片22bから成る中部側面管体が高温に発熱し、中透磁率管体片22cから成る下部側面管体が多少発熱する。なお、側面管体22の中透磁率管体片22cから成る下部側面管体を多少発熱させている理由は、シールリング13と扉体8との間から水が浸み出してボンネット9の底部に貯留して凍結する可能性があるからである。
この誘導加熱装置1によれば、冬季や厳冬期に加熱が必要となるシールリング13の近傍のボンネット9の下部のみを重点的に加熱することができ、コンクリート7に埋設されるか地上に露出していて加熱の必要がないボンネット9の上部を加熱することはない。すなわち、シールリング13の上端よりも上方(下降された扉体8の上端よりも上方)のボンネット9に敷設された低透磁率管体片21a、22aは殆ど又は全く発熱しないので、管体2の全体が満遍なく発熱していた従来の鋼管発熱式ヒーター(図1参照)1xと比べ、消費電力を低減することができる。
また、被加熱部材(ボンネット9)の場所によって異なる要求加熱の程度に合わせて、各管体片(21a、21b、22a、22b、22c)の透磁率を選択することで、各管体片の発熱量を場所に見合った発熱量とすることができる。すなわち、各管体片(21a、21b、22a、22b、22c)の透磁率を適宜選択することで、所望の発熱分布の管体2(正面管体21、側面管体22)を得ることができ、管体2の発熱量をその長手方向に沿って異ならせることができる。なお、各管体片(21a、21b、22a、22b、22c)の透磁率は、鋼の組成を変更することで異ならせてもよい。
(コーティング)
ところで、各管体片(21a、21b、22a、22b、22c)に透磁率の異なった異種金属を用いると、管体片同士の接続部において、異種金属間腐食(異種金属接触腐食)が生じる可能性がある。例えば、管体片22aにSUS304等のオーステナイト系ステンレス材からなるSUS管(低透磁率)を用い、管体片22bに鋼管(高透磁率)を用いた場合、これら管体片(SUS管、鋼管)同士の接続部に水分が存在すると、イオン化傾向の大きな鋼管が陽極となり、イオン化傾向の小さなSUS管が陰極となって、陽極となる鋼管に腐食が生じる。
これを回避するために、図5(a)に示すように、透磁率の異なる異種金属から成る管体片22a、22b同士の接続部に、接続部を覆うようにしてコーティング22dを設けている。図5(a)は、側面管体22を構成する管体片22a、22b同士の接続部を表す部分断面図である。なお、図5(a)は側面管体22を示したが、正面管体21についても同様であるので図示及び説明を省略する。
一方の管体片22aの端部と他方の管体片22bの端部とは、接続管22eによって接続されている。詳しくは、一方の管体片22aの端部外周面と他方の管体片22bの端部外周面とには雄ネジ23、24が形成され、接続管22eの内周面には雌ネジ25が形成されており、これら雄ネジ23、24と雌ネジ25とを螺合することで、管体片22a、22bを機械的に接続している。接続管22eと各管体片22a、22bとは螺合後に溶接される。26は溶接部である。
接続管22eの材質に導体(炭素鋼、ステンレス等)を用いることで、管体片22a、22b同士が電気的に接続されるので、一方の管体片22aに生起された誘導電流が他方の管体片22bへ、他方の管体片22bに生起された誘導電流が一方の管体片21aへ流れる。また、接続管22eの材質に導体且つ磁性体(炭素鋼等)を用いれば、上述した誘導電流の通電に加えて、接続管22e自体に誘導電流を生起させて接続管22eを発熱させることもできる。
接続管22eと管体片22aの端部の外周面、接続管22eと管体片22bの端部の外周面には、接続管22eと管体片22a、22bとの接続部を覆うようにして、防水用のコーティング22dが設けられている。コーティング22dは、樹脂等の防水性の材料を、上述した部分を覆うように吹き付ける或いは塗布することで設けられる。このコーティング22dにより、水が異種金属の接続部に浸入することを防止できるので、上述した異種金属接触腐食を回避できる。
(不導体)
上述した異種金属接触腐食は、図5(b)に示すように、透磁率の異なる異種金属から成る管体片22a、22b同士を不導体を介して接続することによっても回避できる。すなわち、一方の管体片22a(例えば上述のSUS管)と他方の管体片22b(例えば鋼管)とを、電気的不導体である樹脂(例えば塩化ビニル管)製の接続管22fを介して接続する。
一方の管体片(SUS管)22aの端部外周面と他方の管体片(鋼管)22bの端部外周面とには雄ネジ23、24が形成され、接続管(塩化ビニル管)22fの内周面には雌ネジ25が形成されており、これら雄ネジ23、24と雌ネジ25とを螺合することで、管体片22a、22b同士を機械的に接続している。接続管22fと各管体片22a、22bとは螺合後に接着される。27は接着部である。
このように、管体片(SUS管)22aと管体片(鋼管)22bとを、不導体からなる接続管(塩化ビニル管)22fを介して接続することで、管体片(SUS管)22aと管体片(鋼管)22bとが電気的に絶縁(切断)されるため、異種金属接触腐食を回避できる。
(第2実施形態)
図6に本発明の第2実施形態に係る誘導加熱装置1aを示す。図6は、第2実施形態に係る誘導加熱装置1aの正面図である。第2実施形態に係る誘導加熱装置1aは、上述した第1実施形態に係る誘導加熱装置1の側面管体(図4参照)22と基本的な構成要素は同一であり、各管体片(22a、22b、22c)の材質に導体(炭素鋼、オーステナイト系ステンレス材、ニッケル等)を用い、各管体片同士を図5(a)に示すように導体から成る接続管22eで電気的に接続し、端部の管体片22aの上端同士を短絡板30で電気的に接続した点が、第1実施形態と相違する。よって、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態においては、各管体片(22a、22b、22c)の材質に導体を用い、各管体片(22a、22b、22c)同士を接続管(導体)22eで電気的に接続することで、全体として略U字状に配設された各管体片(22a、22b、22c)が電気的に接続される。従って、端部の管体片22aの上端同士を短絡板30で電気的に接続することで、各管体片(22a、22b、22c)の外周面を流れる誘導電流(渦電流)が相殺され、誘導電流が各管体片(22a、22b、22c)の外周面から漏電することを防止できる。なお、第2実施形態の基本的な作用効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
(第3実施形態)
図7に本発明の第3実施形態に係る誘導加熱装置1bを示す。図7は、第3実施形態に係る誘導加熱装置1bの正面図である。第3実施形態に係る誘導加熱装置1bは、上述した第1実施形態に係る誘導加熱装置1の側面管体(図4参照)22と基本的な構成要素は同一であり、各管体片(22a、22b、22c)の材質に導体(炭素鋼、オーステナイト系ステンレス材、ニッケル等)を用い、各管体片(22a、22b、22c)同士を図5(b)に示すように不導体から成る接続管22fで電気的に絶縁(切断)しつつ機械的に接続して全体として略U字状に配設し、U字の左右で対となる管体片22a、22bの端部同士及びU字の下部の管体片22cの端部同士を短絡板(30〜34)で電気的に接続した点が、第1実施形態と相違する。よって、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態においては、各管体片(22a、22b、22c)同士が不導体の接続管22fによって電気的に切断されているが、U字の左右で対となる管体片22a、22bの端部同士、U字の下部の管体片22cの端部同士が、短絡板(30〜34)によって電気的に接続されている。従って、U字の上部で対となる管体片22aの外周面を流れる誘導電流(渦電流)、U字の中部で対となる管体片22bの外周面を流れる誘導電流、U字の下部の管体片22cの外周面を流れる誘導電流が夫々相殺され、誘導電流が各管体片(22a、22b、22c)の外周面から漏電することを防止できる。なお、第3実施形態の基本的な作用効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
(第4実施形態)
図8に本発明の第4実施形態に係る誘導加熱装置1cの一部を示す。図8は、第4実施形態に係る誘導加熱装置1cの管体2を示す斜視図である。第4実施形態に係る誘導加熱装置1cは、上述した第1実施形態に係る誘導加熱装置1と基本的な構成要素は同一であり、管体2を周方向に分割し、分割された夫々の部材2a、2bの透磁率を異ならせたものである。これにより、透磁率が高い部材(例えば2a)が透磁率が低い部材(例えば2b)よりも高温で発熱し、管体2の周方向に発熱量を異ならせることができる。なお、管体2の周方向の分割は三分割以上でもよい。部材2a、2bは、接着、ボルト止め、バンド締め等によって接続され、内部に絶縁電線3が挿通される。第4実施形態の基本的な作用効果は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
本発明は、管体に挿通された絶縁電線に交流電流を通電することで、管体に誘導電流を生起させ、管体を発熱させるようにした誘導加熱装置に利用できる。
1 誘導加熱装置
2 管体
3 絶縁電線
4 交流電源
21 正面管体
21a 部材(管体片)
21b 部材(管体片)
22 側面管体
22a 部材(管体片)
22b 部材(管体片)
22c 部材(管体片)
22d コーティング
22f 不導体としての接続管

Claims (5)

  1. 管体と該管体に挿通された絶縁電線とを備え、該絶縁電線に交流電流を通電することで前記管体に前記管体の透磁率に応じた誘導電流を生起させ、前記管体を発熱させるようにした誘導加熱装置であって、
    前記管体が、透磁率の異なる複数の部材から構成されたことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記部材が、管状に形成された管体片からなり、それら管体片が、直列に接続された請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記部材同士の接続部に、該接続部を覆うコーティングを設けた請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記部材が、不導体を介して接続された請求項1から3の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記部材の材質が、鉄、ステンレス、ニッケル、コバルト、銅、アルミ、これらの合金、樹脂の何れかである請求項1から4の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
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