JP2013113289A - 電動ポンプの吐出流量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】t1にクラッチの締結開始でクラッチ入力トルクTcinが立ち上がり、クラッチの発熱でt2に、その冷却が必要になって、ポンプ作動要否信号SopがOFFからONになり、t3に、クラッチの冷却が完了し、信号SopがONからOFFになった場合において、Sop=ONによるポンプの作動中、エアの吸い込みでポンプ回転速度Nopが実線で示すように高くなる場合、この時のNopと、目標ポンプ吐出流量補償用目標ポンプ回転速度tNopとの偏差に応じた電圧補正量ΔVe_0を求め、初期要求電圧Ve_0よりもΔVe_0だけ高い実線図示の電圧Ve(ΔVe_0相当分だけ大きな電力)でポンプを駆動する。これによりポンプ吐出流量Qを実線図示の通り目標ポンプ吐出流量Q1る。
【選択図】図8
Description
また当該対策では更に、電動ポンプの強度要求が高くなると共に、これによるポンプ摺動抵抗の増大でポンプ駆動電力が多くなり、コスト上の不利益も避けられない。
更に付言すると本発明は、上記した諸問題の原因であるエアの吸い込み等によるポンプ容積効率の低下が、ポンプ駆動負荷の低下によりポンプ回転速度の変化となって現れることから、このポンプ回転速度変化に基づき上記一定電力を補正して、目標吐出流量を補償可能にすることにより、上記の諸問題が発生することのないようにした電動ポンプの吐出流量制御装置を提供することを目的とする。
先ず、本発明の前提となる電動ポンプを説明するに、これは上記した通り、一定電力に応動する直流モータにより駆動されて、目標吐出流量を実現するものである。
ポンプ回転速度情報検出手段は、電動ポンプの実ポンプ回転速度に係わるポンプ回転速度情報を検出するものである。
ポンプ駆動電力補正手段は、この演算したポンプ回転速度偏差を基に上記一定電力を、実ポンプ回転速度が目標ポンプ回転速度に向かうよう補正するものである。
電動ポンプの目標ポンプ回転速度に対する実ポンプ回転速度のポンプ回転速度偏差を基に実ポンプ回転速度が目標ポンプ回転速度に向かうよう、電動ポンプの駆動に供する一定電力を補正するため、
エアの吸い込み等によるポンプ容積効率の低下で目標吐出流量を実現し得なくなると、当該ポンプ容積効率の低下に伴うポンプ駆動力の低下に応じ変化した実ポンプ回転速度を、目標吐出流量が補償される目標ポンプ回転速度に向かわせるよう上記一定のポンプ駆動電力が補正されることとなる。
目標吐出流量の急増などでポンプがエアを吸い込んだ場合のように、ポンプが容積効率を低下された場合においても、目標吐出流量による冷却などの所定機能が得られなくなるということがない。
ポンプ容積効率の低下を生じない場合に、ポンプ吐出流量が多すぎて、電動ポンプが無駄に電力を消費するようなことがなく、電費の悪化を招くという問題を生ずることもない。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる電動ポンプの吐出流量制御装置を示す機能別ブロック線図で、この吐出流量制御装置は、トランスミッション1内における図示せざる発進クラッチに対し、潤滑を含む冷却用のオイルを必要に応じて適宜供給するための電動オイルポンプ2(本発明における電動ポンプに相当)を吐出流量制御するものとする。
なお電動オイルポンプ2は、一定電力に応動する直流モータにより駆動されて、目標吐出流量を実現する、所謂インバータレスモータ駆動式のポンプである。
この場合、電動オイルポンプ2を作動させて、これからの吐出オイルを発進クラッチに供給し、同時に電動オイルポンプ2を、その吐出流量が発進クラッチの冷却必要油量に対応したものとなるよう、一定の直流電力により駆動制御する。
クラッチ温度TEMPclや油温TEMPoilが、発進クラッチの冷却を必要としない低温であれば、発進クラッチを冷却する必要がないから、電動オイルポンプ2の非作動を指令すべく、オイルポンプ作動要否判定部10はオイルポンプ作動要否信号SopをSop=OFFとなす。
発進クラッチが近々冷却の必要な高温になると予測される条件下であれば、発進クラッチを冷却すべきであるから、電動オイルポンプ2の作動を指令すべく、オイルポンプ作動要否信号SopをSop=ONとなし、
発進クラッチが近々冷却の必要な高温になることはないと予測される条件下であれば、 発進クラッチを冷却する必要がないから、電動オイルポンプ2の非作動を指令すべく、オイルポンプ作動要否信号SopをSop=OFFとなす。
電動オイルポンプ2を前記した通り一定の直流電力(電圧が決まれば電流が決まる)により駆動する場合、電動オイルポンプ2の動作点(ポンプ回転速度Nopおよびポンプ駆動トルクTopの組み合わせ)は油温TEMPoilごとに、図3の例示に基づき以下に説明するように決まる。
従って図3のような特性図が油温TEMPoilごとに存在し、電動オイルポンプ2の動作点(ポンプ回転速度Nopおよびポンプ駆動トルクTopの組み合わせ)は、油温TEMPoilごとに異なる。
ポンプ容積の効率低下分だけポンプ吐出流量が低下して、ポンプ吐出回路負荷(ポンプ駆動負荷)が小さくなるため、ポンプ駆動トルクTopの低下によりポンプ動作点がA1から等ポンプ駆動電力線上を例えばA2(低負荷、高回転側)へ移動する。
本実施例においては、当該ポンプ駆動電力の増大ΔPwを、図1のポンプ駆動電力補正部40につき前述したポンプ駆動電力Pw_1の電圧補正ΔVeによって実現することとし、そのための電圧補正量ΔVeを以下のように演算する。
従って目標動作点算出部21は、本発明における目標ポンプ回転速度演算手段に相当する。
従って減算器22は、本発明におけるポンプ回転速度偏差演算手段に相当する。
従って電圧補正量算出部23は、本発明におけるポンプ駆動電力補正手段に相当する。
その理由は、ポンプ回転速度偏差ΔNopが大きいほどポンプ容積効率の低下が大きくて、ポンプ回転速度が高くなっているため、ポンプ回転速度を一層高くなるよう補正する必要があるためである。
その理由は、油温TEMPoilが低いほど、図4につき前述した通り吐出回路負荷が高くなって、ポンプ駆動トルクが大きくなるためである。
Sop=OFFであれば、電圧補正禁止指令ΔVe=0を最終的な電圧補正量ΔVeとして図1のポンプ駆動電力補正部40に向かわせる。
エアの吸い込みなどでポンプ容積効率が低下した場合も、電動オイルポンプ2は目標吐出流量を補償し得て、トランスミッション1内における発進クラッチの冷却不足を回避することができる。
上記した実施例による一定直流電力駆動式オイルポンプ2の吐出流量制御を、図6のフローチャートに基づき以下に説明する。
ステップS11においては、入力情報であるトランスミッション1の油温TEMPoil、発進クラッチの入力トルクTcin、発進クラッチのスリップ量ΔNcl、路面勾配θ、および発進クラッチの温度TEMPclを読み込む。
ステップS12においては更に、この判定結果であるオイルポンプ作動要否信号SopのON, OFFをチェックする。
次に、当該ポンプ回転速度偏差ΔNopおよび油温TEMPoilから、現在の油温用の図5に例示したマップを基に、目標ポンプ吐出流量を実現する目標動作点(図3ではA3)への移行を可能にするための電力補正量である電圧補正量ΔVe_0を求める。
初期要求電圧Ve_0は、電動オイルポンプ2の初期要求電力として前記した通り、燃費要求や補機類作動状態などのシステム要求によって決まるものであり、電動オイルポンプ2からの要求によって決まるものではない。
上記した実施例の吐出流量制御による効果を以下に説明する。
この説明に先立って、図2の算出部23で求めた電圧補正量ΔVe_0だけポンプ駆動電力の電圧Veを補正しないまま(一定のポンプ駆動電力を補正しないまま)、つまりこの電圧Veを初期要求電圧Ve_0に保って電動オイルポンプ2を駆動した場合(従来)の動作および問題点を、図7のタイムチャートに基づき説明する。
発進クラッチの発熱で瞬時t2に、発進クラッチの冷却(電動オイルポンプ2の作動)が必要になって、オイルポンプ作動要否信号SopがOFFからONに切り替わり、
電動オイルポンプ2からの吐出オイルによる発進クラッチの冷却で瞬時t3に、発進クラッチの冷却(電動オイルポンプ2の作動)が不要になって、オイルポンプ作動要否信号SopがONからOFFに切り替わった場合の動作タイムチャートである。
電動オイルポンプ2が、エアを吸い込まない(容積効率を低下されない)作動条件下であれば、ポンプ回転速度Nopは図7に破線で示す規定通りの速度となり、ポンプ吐出流量Qも図7に破線で示すごとく、発進クラッチの冷却を行うのに過不足のない狙い通りの目標流量Q1となる。
発進クラッチ温度TEMPclを図7に破線で示すごとく保証温度TEMPcl_s以下にすることができる。
なおこの時、ポンプ回転速度Nopが実線で示すごとくに上昇されるが、かかるポンプ回転速度Nopの上昇は、エアの吸い込みによる容積効率の低下に起因するもので、ポンプ吐出流量Qの増量をもたらすものでない。
このため、発進クラッチが冷却不足に陥って、発進クラッチ温度TEMPclが図7に実線で示すように保証温度TEMPcl_sを超えるという問題を生ずる。
図8に基づき説明するに、この図8は、図7と同じ条件で、電動オイルポンプ2がエアを吸い込むときの動作タイムチャートを示す。
本実施例においては、エアの吸い込み(ポンプ容積効率の低下)に起因して図3につき前述したごとくポンプ動作点がA1からA2移動したことで図2の算出部23が求めた目標ポンプ吐出流量補償用の目標ポンプ動作点A3を実現するための電圧補正量ΔVe_0だけ初期要求電圧Ve_0よりも高い電圧Ve(=Ve_0+ΔVe_0)をポンプ駆動電圧とする。
これにより電圧上昇分ΔVe_0(電力増大分)だけポンプ回転速度Nopが、図8の破線で示す従来レベルから実線図示の目標ポンプ回転速度tNop(図3参照)へと上昇され、ポンプ吐出流量Qを、従来はエアの吸い込みにより破線レベル(図7の実線レベルと同じ)まで低下していたところ、本実施例では実線レベル(図7の破線レベルと同じ)Q1に保つことができる。
エアの吸い込みなどによるポンプ容積効率の低下が発生しない場合に、ポンプ吐出流量が多すぎて、電動オイルポンプ2が無駄に電力を消費することがなく、電費の悪化を招くという問題を生ずることもない。
油温TEMPoilおよび補正前供給電力Pw_0から、目標ポンプ吐出流量を実現する電動オイルポンプ2の目標動作点(図3の場合A3)を演算し、このポンプ目標動作点から図3につき前述したように目標ポンプ回転速度tNopを求めるため、
エアの吸い込みなどによる容積効率の低下に係わるパラメータに応じて電圧補正量ΔVe_0を決定することとなり、この電圧補正量ΔVe_0が、容積効率の低下によるポンプ吐出流量の低下を過不足なく正確に補い得て、上記の効果を更に顕著なものにすることができる。
電圧補正量ΔVe_0が、容積効率の低下によるポンプ吐出流量の低下を過不足なく正確に補うものとなり、上記の効果を顕著なものにすることができる。
上記した実施例では、電動オイルポンプ2がトランスミッション1内の発進クラッチを冷却するためのものであることとして説明したが、電動オイルポンプ2は、トランスミッション1内の他のクラッチを冷却するためのものであってもよいし、トランスミッションに限らず、任意の対象物を冷却するためのものであってもよい。
また、吐出流量制御の対象である電動ポンプは、電動オイルポンプに限られず、オイル以外の液体を吐出するものであってもよい。
2 電動オイルポンプ(電動ポンプ)
10 オイルポンプ作動要否判定部
20 電圧補正量決定
21 目標動作点算出部(目標ポンプ回転速度演算手段)
22 減算器(ポンプ回転速度偏差演算手段)
23 電圧補正量算出部(ポンプ駆動電力補正手段)
24 電圧補正量選択部
30 ポンプ回転速度センサ(ポンプ回転速度情報検出手段)
40 ポンプ駆動電力補正部
Claims (4)
- 一定電力に応動する直流モータにより駆動され、目標吐出流量を実現するようにした電動ポンプにおいて、
前記一定電力での駆動時に前記目標吐出流量を実現するための前記電動ポンプの目標ポンプ回転速度を演算する目標ポンプ回転速度演算手段と、
前記電動ポンプの実ポンプ回転速度に係わるポンプ回転速度情報を検出するポンプ回転速度情報検出手段と、
これら手段からの信号を基に、前記目標ポンプ回転速度に対する実ポンプ回転速度のポンプ回転速度偏差を演算するポンプ回転速度偏差演算手段と、
該手段で演算したポンプ回転速度偏差を基に前記一定電力を、実ポンプ回転速度が目標ポンプ回転速度に向かうよう補正するポンプ駆動電力補正手段と
を具備してなることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。 - 前記電動ポンプの吐出液が冷却に用いられるものである、請求項1に記載された、電動ポンプの吐出流量制御装置において、
前記ポンプ駆動電力補正手段は、前記冷却すべき対象物の実温度および/または温度変化要件から前記電動ポンプの作動要否判定を行って、電動ポンプの作動不要判定時は前記一定電力の補正を禁止するものであることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。 - 請求項1または2に記載された、電動ポンプの吐出流量制御装置において、
前記目標ポンプ回転速度演算手段は、前記補正が行われる前のポンプ駆動電力と、電動ポンプが送給する液体の温度とから、目標ポンプ吐出流量を実現するための電動ポンプ目標動作点を求め、この電動ポンプ目標動作点から前記目標ポンプ回転速度を求めるものであることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。 - 請求項3に記載された、電動ポンプの吐出流量制御装置において、
前記ポンプ駆動電力補正手段は、前記電動ポンプ目標動作点から求めた、目標ポンプ吐出流量に対応する目標ポンプ駆動トルクが実現されるまで、前記一定電力を補正するものであることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。
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