JP2013113155A - ガスエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】必要最小限の強制着火手段使用で安定した運転継続が可能となる高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関のガスエンジンを提供する。
【解決手段】水を水素と酸素とに分解する水電解装置20と、水電解装置20で得られた水素とガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサー13と、水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧する圧縮機14と、圧縮機14で圧縮された水素混合ガス燃料を上死点近傍で筒内噴射する噴射弁12と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば船舶の主機関や発電機駆動機関等に適用され、天然ガス等のガス燃料を燃料として運転されるガスエンジンに関する。
従来、液化天然ガスが気化した天然ガスを燃料として運転するディーゼル機関は多数存在するが、近年、現存する油焚低速ディーゼル主機関の環境排出性能を改善する対策として、高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関のようなガスエンジンが注目されている。このようなガスエンジンは、たとえば蒸気タービンのような従来の液化天然ガス利用熱機関と比較して、高熱効率及び高応答性の機関である。また、上述したガスエンジンは、低速での出力が可能なため、舶用主機関として使用すればプロペラに直結して駆動することができる。
ところで、天然ガスの主成分であるメタンは、着火温度が高いため現実的なガスエンジンの圧縮比及び掃気温度の条件で自着火できず、従って、グロー着火等の強制着火装置が必要である。
下記の特許文献1には、天然ガスを改質して着火性を向上させるガスエンジンが開示されている。このガスエンジンでは、エンジン負荷が小さい時に、天然ガスの成分であるメタンを熱分解させるヒータを用いて水素(H)と一酸化炭素(CO)の着火用燃料に改質する燃料改質装置を備え、この着火用燃料は副燃焼室に供給される。
特開2007−113461号公報
上述したように、従来のガスエンジンは、天然ガスの主成分であるメタンの着火温度が高いため、高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関で安定した運転を継続するには強制着火装置が必要となる。この結果、ガスエンジンの運転時には強制着火装置を常時使用することになるので、強制着火装置の寿命が問題となる。
このような背景から、天然ガス等のガス燃料、特にメタンを主成分とするようなガス燃料を用いる高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関のガスエンジンにおいては、強制着火手段の使用を必要最小限にして安定した運転継続を可能にすることが求められている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、必要最小限の強制着火手段使用で安定した運転継続が可能となる高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関のガスエンジンを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る第1態様のガスエンジンは、水を水素と酸素とに分解する水電解装置と、該水電解装置で得られた水素とガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサーと、前記水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された前記水素混合ガス燃料を上死点近傍で筒内噴射する噴射弁と、を備えていることを特徴とするものである。
このような本発明のガスエンジンによれば、水電解装置で水を分解して得られた水素をガス燃料と混合して水素混合ガス燃料とし、この水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧してからピストンの上死点近傍で噴射弁から筒内噴射するので、着火温度の低下により水素混合ガス燃料は自着火が容易になる。このような水素混合ガス燃料の着火温度低下は、着火温度の高いメタンを主成分とする一般的なガス燃料に、メタンより着火温度の低い水素が混合されたためである。
上記のガスエンジンは、前記水電解装置で得られた酸素を外気と混合して酸素混合外気とする空気ミキサーと、前記酸素混合外気を圧縮して掃気室に供給する過給機とを備えていることが好ましく、これにより、水電解装置で水を分解して得られた酸素を有効利用して酸素濃度の高い酸素混合外気を掃気室に供給できる。
本発明に係る第2態様のガスエンジンは、ガス燃料を所望の圧力に昇圧する第1圧縮機と、水を掃気圧レベルまで加圧する昇圧ポンプと、加圧後の水を水素と酸素とに分解する水電解装置と、該水電解装置で得られた水素と前記第1圧縮機で昇圧されたガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサーと、前記水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧する第2圧縮機と、該第2圧縮機で圧縮された前記水素混合ガス燃料を上死点近傍で筒内噴射する噴射弁と、外気を導入して圧縮する過給機と、前記水電解装置で得られた酸素を前記過給機で圧縮後の外気と混合した酸素混合外気を掃気室へ供給する空気ミキサーと、を備えていることを特徴とするものである。
このようなガスエンジンによれば、掃気圧レベルまで加圧された水を水電解装置に供給し、この水が分解されて得られた水素を第1圧縮機で所望の圧力(数気圧)まで昇圧されたガス燃料と混合して水素混合ガス燃料とする。この水素混合ガス燃料は、第2圧縮機でさらに燃焼室内圧力以上に昇圧された後、ピストンの上死点近傍で噴射弁から筒内噴射される。このため、燃焼室内圧力以上の圧力で筒内噴射された水素混合ガス燃料は、着火温度の低下により自着火が容易になる。これは、水素混合ガス燃料が、着火温度の低いメタンを主成分とする一般的なガス燃料に、メタンより着火温度の低い水素を混合したためである。
この場合、所要動力が少なくてすむ昇圧ポンプで掃気圧レベルまで加圧した水を水電解装置で分解して水素を得るため、水素の昇圧は掃気圧レベルからとなり、従って、常圧からの圧縮と比較して圧縮所要動力の低減が可能になる。
また、水電解装置で水を分解して得られた酸素は、過給機で圧縮後の外気と混合した酸素混合外気として掃気室へ供給するので、分解後の酸素を有効利用して酸素濃度の高い酸素混合外気を掃気室に供給できる。この場合の酸素は、掃気圧レベルまで加圧した水を水電解装置で分解して得られたものであり、従って、過給機では外気のみを圧縮するので、過給機の負荷を低減できる。
上記のガスエンジンにおいては、前記水電解装置と前記燃料ミキサーとの間を接続する水素供給配管に、前記水電解装置で得られた水素を貯蔵する水素貯蔵タンクと、該水素貯蔵タンクの下流で水素流量を調整する水素流量調整弁とを設けることが好ましく、これにより、エンジン負荷や燃焼状況等に応じて水素混合ガス燃料の水素量をきめ細かく制御することが可能になる。
上記のガスエンジンにおいては、前記水電解装置と前記空気ミキサーとの間を接続する酸素供給配管に、前記水電解装置で得られた酸素を貯蔵する酸素貯蔵タンクと、該酸素貯蔵タンクの下流で酸素流量を調整する酸素流量調整弁とを設けることが好ましく、これにより、エンジン負荷や燃焼状況等に応じて酸素混合外気の酸素量をきめ細かく制御することが可能になる。
また、導入した海水を純水にして前記水電解装置に供給する純水製造部を備えているガスエンジンは、特に、海水の導入が容易な舶用ガスエンジンに好適である。
上述した本発明によれば、たとえば天然ガスのように、メタンを主成分とするガス燃料を用いる高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関のガスエンジンにおいては、水素混合ガス燃料を使用することで自着火温度を低下させ、強制着火手段の使用を必要最小限にして安定した運転継続を可能にすることが可能になる。すなわち、現実的な従来のガスエンジンと略同じ圧縮比または掃気温度で、厳密には圧縮比または掃気温度を少し高めるだけで、少なくとも高負荷領域での自着火が可能となる。このため、運転中に強制着火手段を常時使用する必要がなく、従って、強制着火装置の寿命が長くなるので、ガスエンジンの信頼性や耐久性の向上に有効である。
また、酸素混合外気の使用により掃気中の酸素濃度が高くなるので、燃焼速度の向上により高効率化を実現できる。
本発明に係るガスエンジンの第1実施態様を示す構成図である。 本発明に係るガスエンジンの第2実施態様を示す構成図である。 圧縮機のガス圧縮動力について、圧縮初め圧力(絶対圧力;MPa)と、圧縮動力比(費圧縮動力/大気圧からの圧縮動力)との関係を示す図である。 本発明に係るガスエンジンの第3実施態様を示す構成図である。
以下、本発明に係るガスエンジンの一実施態様を図面に基づいて説明する。
図1に示す第1実施態様のガスエンジン10は、たとえば舶用主機関として使用される高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関である。このガスエンジン10は、エンジン本体11の燃焼室内に燃料となる天然ガス(ガス燃料)を供給して燃焼させる内燃機関であり、ガス燃料の熱エネルギが筒内を往復動するピストンの運動エネルギに変換されるようになっている。
この場合、ピストンに圧縮されて高圧状態にある筒(燃焼室)内にガス燃料を供給して燃焼させるため、噴射弁12によるガス燃料の筒内噴射圧力は、燃焼室内圧力より高圧にすることが必要である。
図示のガスエンジン10は、燃料供給源(不図示)からガス燃料の供給を受ける。このガス燃料は、燃料ミキサー13で後述する水電解装置20から供給される水素(気体)と混合されて水素混合ガス燃料となる。
水素混合ガス燃料は、圧縮機14で燃焼室内圧力以上に昇圧された後、ピストンが上死点近傍位置にあるタイミングで噴射弁12から筒内噴射される。すなわち、圧縮機14で燃焼室内圧力以上に昇圧された水素混合ガス燃料は、燃焼室内を圧縮してきたピストンが上死点に到達する直前のタイミングで、燃焼室内圧力より高圧で噴射投入される。
このとき、水素混合ガス燃料の燃焼に必要な酸素は、掃気室15から燃焼室内に供給された外気等がピストンにより圧縮された状態にある。この場合、掃気室15に供給される掃気は、後述する水電解装置20から導入した酸素(気体)と外気とを空気ミキサー16に導入して混合した酸素混合外気である。この酸素混合気は、過給機30により圧縮して掃気室15に供給される。
過給機30は、エンジン本体11から排出される燃焼排気ガスを導入して駆動される排気タービン31と、この排気タービン31と同軸に連結され、排気タービン31の出力により駆動される圧縮機32とを備えている。なお、図中の符号17は、エンジン本体11と排気タービン31との間に設けられた静圧排気管である。
水電解装置20は、水を導入して水素と酸素とに分解する装置である。図示の構成例では、ガスエンジン10が船舶の主機関であることから、容易に入手できる海水を導入して純水を製造する純水製造部21を備えている。従って、純水製造部21で製造した純水が水電解装置20に供給されている。しかし、水電解装置20で分解する水は、純水製造部21で製造された純水に限定されることはなく、たとえば図4に示す実施態様のように、他の水源から導入可能な水を使用してもよい。
このように、本実施態様のガスエンジン10は、水を水素と酸素とに分解する水電解装置20と、水電解装置20で得られた水素とガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサー13と、水素混合ガス燃料をガスエンジン本体11の燃焼室内圧力以上に昇圧する圧縮機14と、この圧縮機14で圧縮された水素混合ガス燃料をピストンの上死点近傍で筒内噴射する噴射弁12とを具備して構成される。
このような構成のガスエンジン10は、水電解装置20で水を分解して得られた水素を燃料ミキサー13でガス燃料と混合して水素混合ガス燃料とする。この水素混合ガス燃料は、着火温度の高いメタンを主成分とするガス燃料に、メタンより着火温度の低い水素ガスが混合されたことにより、着火温度の低下により自着火しやすい燃料となる。
この水素混合ガス燃料は、圧縮機14によって燃焼室内圧力以上に昇圧された後、ピストンの上死点近傍で噴射弁12から筒内噴射される。
この結果、着火温度の低い水素が自着火することでメタンを含むガス燃料の着火源となり、強制着火装置を用いなくても水素混合ガス燃料が燃焼室内でスムーズに燃焼することとなる。なお、着火温度の低い水素を確実に自着火させるためには、従来の高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関より圧縮比または掃気温度を若干高く設定するだけでよく、従って、理論上メタンが自着火できる非現実的な圧縮比及び掃気温度の条件とは大きく異なっている。
一方、水素電解装置20で水を分解して得られた酸素は、空気ミキサー16で外気と混合されて酸素濃度の高い酸素混合空気となり、過給機30の圧縮機32により大気圧から圧縮した高密度の状態で掃気室15に供給される。
このため、掃気室15から燃焼室に供給される燃焼用空気は、大気圧より高圧の酸素混合空気が掃気されることとなり、掃気中の酸素濃度が高くなる。この結果、ガスエンジン10の燃焼速度が向上するので、高効率化することができる。すなわち、水電解装置20で水を分解して得られた酸素を有効利用し、酸素濃度の高い酸素混合外気を掃気室15に供給して掃気に使用できるので、ガスエンジン10の効率を向上させることができる。
次に、本発明に係るガスエンジンについて、図2及び図3に基づいて第2実施態様のガスエンジン10Aを説明する。なお、上述した実施態様と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施態様では、ガス燃料を所望の圧力に昇圧する第1圧縮機18を燃料ミキサー13の上流側に備えていること、純水製造部21に供給する海水を掃気圧レベルまで昇圧する昇圧ポンプ19を備えていること、そして、酸素混合外気を掃気室15へ供給する空気ミキサー16Aが、水電解装置20で得られた酸素と過給機30の圧縮機32で昇圧された外気とを混合することである。なお、図示の構成例では、海水から純水を製造して水電解装置20に供給する純水製造装置21を備えているが、昇圧ポンプ19は、他の水源から供給される水を直接昇圧するものでもよい。
すなわち、本実施態様のガスエンジン10Aは、ガス燃料を所望の圧力に昇圧する第1圧縮機18と、水を掃気圧レベルまで加圧する昇圧ポンプ19と、加圧後の水を水素と酸素とに分解する水電解装置20と、この水電解装置20で得られた水素と第1圧縮機18で昇圧されたガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサー13Aと、水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧する第2圧縮機14Aと、この第2圧縮機14Aで圧縮された水素混合ガス燃料をピストンの上死点近傍で筒内噴射する噴射弁12と、外気を導入して圧縮する過給機30と、水電解装置30で得られた酸素を過給機30の圧縮機32で圧縮後の外気と混合した酸素混合外気を掃気室へ供給する空気ミキサー16Aとを具備して構成される。
昇圧ポンプ19の運転は、液体の水を昇圧するものであるため、所要動力が少なくてすむ。この昇圧ポンプ19は、水電解装置20に供給する前の水圧を掃気室15内の掃気圧レベルまで加圧するので、分解された水素や酸素も掃気圧レベルの圧力を有している。
この結果、燃料ミキサー13Aにおける水素との混合を容易にするため、燃料ガスについても第1圧縮機18を用いて混合前に同レベル(数気圧)まで昇圧しておく。従って、第2圧縮機14Aにおける水素及び燃料ガスの昇圧、すなわち、水素混合ガス燃料の昇圧は掃気圧レベルからとなるので、常圧からの圧縮と比較して圧縮所要動力の低減が可能になる。なお、噴射弁12から水素混合ガス燃料を噴射することについては、上述した第1実施態様と同様に、着火温度の低下により自着火が容易になるので、強制着火装置を用いなくても水素混合ガス燃料が燃焼室内でスムーズに燃焼することとなる。
図3は、圧縮機によるガス圧縮動力について、圧縮初め圧力(絶対圧力;MPa)と、圧縮動力比(費圧縮動力/大気圧からの圧縮動力)との関係を示す図である。図3によれば、圧縮初め圧力が高いほど圧縮動力比は小さくなるので、第2圧縮機14Aの圧縮所要動力についても、常圧からの圧縮と比較した場合には、常圧よりも高い圧力にある掃気圧レベルから圧縮した方が小さくなる。ちなみに、第2圧縮機14Aにおける圧縮初め圧力(掃気圧力レベル)が0.3MPa(絶対圧力)の場合には、圧縮動力比が0.7弱となるため、圧縮動力は2/3程度に低減される。
また、水電解装置20で水を分解して得られた酸素についても、掃気圧レベルの圧力を有している。このため、空気ミキサー16Aで酸素と混合する外気についても、空気ミキサー16Aでの混合が容易になるように、過給機30の圧縮機32により予め掃気圧レベルまで圧縮される。
このようにして、空気ミキサー16Aで酸素及び外気が混合された酸素混合外気は、掃気レベルの圧力をもった酸素混合外気として掃気室15に供給される。従って、分解後の酸素を有効利用して酸素濃度の高い酸素混合外気を掃気室15に供給でき、しかも、過給機30の負荷を低減できる。すなわち、この場合の酸素混合外気は、掃気圧レベルの酸素に掃気圧レベルの外気を混合すればよいので、同量の酸素混合外気を供給する場合、過給機30の圧縮機32における負荷が酸素量分だけ低減する。
次に、本発明に係るガスエンジンについて、図4に基づいて第3態様のガスエンジン10Bを説明する。なお、上述した実施態様と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施態様では、純水製造部21のない第1実施態様に、水電解装置20と燃料ミキサー13との間を接続する水素供給配管40に、水電解装置20で得られた水素を貯蔵する水素貯蔵タンク41と、水素貯蔵タンク41の下流で水素流量を調整する水素流量調整弁42とを設けてある。
また、水電解装置20と空気ミキサー16との間を接続する酸素供給配管50には、水電解装置20で得られた酸素を貯蔵する酸素貯蔵タンク51と、酸素貯蔵タンク51の下流で酸素流量を調整する酸素流量調整弁52とが設けられている。
そして、上述した水素流量調整弁42及び酸素流量調整弁52は、ガスエンジン10Bの各種運転制御を実施し、ガスエンジン10Bの運転状況等により開度信号を出力する制御部60と接続されている。
このような構成を採用すれば、水電解装置20で分解して得られる水素及び酸素は、水素流量調整弁42や酸素流量調整弁52の開度制御を行うことにより、ガスエンジン10Bの運転状況に応じた適量を燃料ミキサー13や空気ミキサー16に供給し、余剰分については水素貯蔵タンク41や酸素貯蔵タンク51に貯蔵可能となる。
特に、水素流量調整弁42を用いて水素貯蔵タンク41の下流で水素流量を調整する運転を実施すると、たとえば水素混合ガス燃料が自着火しやすい高負荷運転時に水素量を低減するなど、エンジン負荷や燃焼状況等に応じて水素混合ガス燃料の水素量をきめ細かく最適化した運転制御が可能になる。
一方、酸素流量調整弁52を用いて酸素貯蔵タンク51の下流で酸素流量を調整する運転を実施すると、たとえば高負荷運転時に酸素量を増加して高効率化するなど、酸素混合外気の酸素量をエンジン負荷等の運転状況に応じてきめ細かく最適化した運転制御が可能になる。
また、水素貯蔵タンク41や酸素貯蔵タンク51に十分な量の水素や酸素が貯蔵された運転状況では、貯蔵量が所定値以下に減少するまでの間は一時的に水電解装置20の運転を停止することができ、従って、ガスエンジン10B全体としての省エネルギ運転を実施できる。なお、本実施態様は、水電解装置20に供給する水を純水製造部21から供給する場合にも適用可能であり、この場合、水電解装置20及び純水製造部21の両方を一時的に運転停止できるので、同様の省エネルギ運転が可能になる。
上述した各実施態様によれば、たとえば天然ガスのように、メタンを主成分とするガス燃料を用いて運転する高圧ガス噴射型低速2ストロークディーゼル機関のガスエンジン10,10A,10Bにおいては、水を分解して得られる水素を燃料ガスに混合した水素混合ガス燃料を使用して自着火温度を低下させ、この結果、強制着火手段の使用を必要最小限にして安定した運転継続を可能にすることが可能になる。
すなわち、現実的な従来のガスエンジンと略同じ圧縮比または掃気温度でも、厳密には従来の圧縮比または掃気温度を少し高めるだけの容易な運転変更を行うことにより、少なくとも高負荷領域での自着火が可能となる。このため、運転中に強制着火手段を常時使用する必要がなく、従って、強制着火装置の使用時間が短くなって寿命を延長できるので、ガスエンジン10,10A,10Bの信頼性や耐久性が向上するという顕著な効果が得られる。
また、上述した各実施態様のガスエンジン10,10A,10Bにおいては、水を分解して得られる酸素を外気に混合した酸素混合外気を使用することにより、掃気中の酸素濃度が高くなり、水素混合ガス燃料の燃焼速度向上により高効率化を実現できる。
また、導入した海水を純水にして水電解装置20に供給する純水製造部21を備えた構成のガスエンジンは、特に、海水の導入が容易な状況にある舶用ガスエンジンへの適用に好適である。
なお、本発明は上述した実施態様に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10,10A,10B ガスエンジン
11 エンジン本体
12 噴射弁
13,13A 燃料ミキサー
14 圧縮機
14A 第1圧縮機
15 掃気室
16,16A 空気ミキサー
17 静圧排気管
18 第1圧縮機
19 昇圧ポンプ
20 水電解装置
21 純水製造部
30 過給機
40 水素供給配管
41 水素貯蔵タンク
42 水素流量調整弁
50 酸素供給配管
51 酸素流量調整弁
52 酸素流量調整弁
60 制御部

Claims (6)

  1. 水を水素と酸素とに分解する水電解装置と、該水電解装置で得られた水素とガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサーと、前記水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された前記水素混合ガス燃料を上死点近傍で筒内噴射する噴射弁と、を備えていることを特徴とするガスエンジン。
  2. 前記水電解装置で得られた酸素を外気と混合して酸素混合外気とする空気ミキサーと、前記酸素混合外気を圧縮して掃気室に供給する過給機と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガスエンジン。
  3. ガス燃料を所望の圧力に昇圧する第1圧縮機と、水を掃気圧レベルまで加圧する昇圧ポンプと、加圧後の水を水素と酸素とに分解する水電解装置と、該水電解装置で得られた水素と前記第1圧縮機で昇圧されたガス燃料とを混合して水素混合ガス燃料とする燃料ミキサーと、前記水素混合ガス燃料を燃焼室内圧力以上に昇圧する第2圧縮機と、該第2圧縮機で圧縮された前記水素混合ガス燃料を上死点近傍で筒内噴射する噴射弁と、外気を導入して圧縮する過給機と、前記水電解装置で得られた酸素を前記過給機で圧縮後の外気と混合した酸素混合外気を掃気室へ供給する空気ミキサーと、を備えていることを特徴とするガスエンジン。
  4. 前記水電解装置と前記燃料ミキサーとの間を接続する水素供給配管に、前記水電解装置で得られた水素を貯蔵する水素貯蔵タンクと、該水素貯蔵タンクの下流で水素流量を調整する水素流量調整弁と、を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスエンジン。
  5. 前記水電解装置と前記空気ミキサーとの間を接続する酸素供給配管に、前記水電解装置で得られた酸素を貯蔵する酸素貯蔵タンクと、該酸素貯蔵タンクの下流で酸素流量を調整する酸素流量調整弁と、を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガスエンジン。
  6. 導入した海水を純水にして前記水電解装置に供給する純水製造部を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のガスエンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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RU2645847C1 (ru) * 2016-09-05 2018-02-28 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Алтайский государственный технический университет им. И.И. Ползунова" (АлтГТУ) Способ воспламенения рабочей смеси в цилиндрах газодизельного двигателя внутреннего сгорания
JP2021518504A (ja) * 2018-03-20 2021-08-02 フューエルセーブ ゲーエムベーハーFuelsave Gmbh 船舶推進システムおよび船舶推進システムの改造方法
CN113309644A (zh) * 2021-06-24 2021-08-27 合肥工业大学 一种耦合热电-氢转换的缸内直喷天然气发动机进气系统
WO2023228569A1 (ja) * 2022-05-24 2023-11-30 ヤマハ発動機株式会社 水素2ストロークエンジン

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