JP2013110847A - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP2013110847A
JP2013110847A JP2011253817A JP2011253817A JP2013110847A JP 2013110847 A JP2013110847 A JP 2013110847A JP 2011253817 A JP2011253817 A JP 2011253817A JP 2011253817 A JP2011253817 A JP 2011253817A JP 2013110847 A JP2013110847 A JP 2013110847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
pole
coil
stator
coils
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011253817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5724843B2 (ja
Inventor
Eiji Yamada
英治 山田
Ryoji Mizutani
良治 水谷
Shintaro Chinen
真太郎 知念
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011253817A priority Critical patent/JP5724843B2/ja
Publication of JP2013110847A publication Critical patent/JP2013110847A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5724843B2 publication Critical patent/JP5724843B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/14Combined heat and power generation [CHP]

Abstract

【課題】回転子に設けられたコイルから電子機器への伝熱を効果的に抑制することである。
【解決手段】 回転電機は、回転磁界を発生させるステータと、ステータに対向配置される回転可能なロータ14と、ロータ14に巻き回しされたコイル28n、28s、30n、30sに接続され、ロータ14と共に回転するよう設けられた設置板60に固定されているダイオード素子41とを備える。そして、ロータ14のコイル28n、28s、30n、30sと設置板60との間に断熱層58が設けられている。
【選択図】図12

Description

本発明は、回転磁界を発生させるステータと、コイルが巻装されたロータとを備える回転電機に関する。
従来、実開平5−29275号公報(特許文献1)には、主励磁機の電機子と副励磁機の回転子と整流器とを筒状のホルダに取り付け、このホルダを回転軸に取り付けることにより、電機子と回転子と整流器とを一括して回転軸に取り付けられるようにした励磁機内蔵形のブラシレス発電機が開示されている。
また、特開2011−41433号公報(特許文献2)には、ステータ巻線に交流電流が流れることにより回転磁界を発生させるステータと、周方向複数個所に配置されたロータ巻線と、各ロータ巻線に流れる電流を整流するダイオードとを有するロータとを備えた回転電機が記載されている。
実開平5−29275号公報 特開2011−41433号公報
特許文献1および2に記載される発電機やモータのような回転電機では、回転子またはロータに巻かれたコイルと、このコイルに電気的に接続されているダイオード等の電子機器とはいずれも通電によって発熱するが、密集して巻かれているコイルの発熱量が比較的大きいことから、コイルから電子機器への伝熱を抑制しないと電子機器が過熱により損傷するおそれがある。
本発明の目的は、回転子に設けられたコイルから電子機器への伝熱を効果的に抑制することができる回転電機を提供することである。
本発明に係る回転電機は、回転磁界を発生させるステータと、前記ステータに対向配置される回転可能なロータと、前記ロータに巻き回しされたコイルに接続され、前記ロータと共に回転するよう設けられた設置板に固定されているダイオードと、を備え、前記ロータのコイルと前記設置板との間に断熱層が設けられているものである。
本発明に係る回転電機において、前記コイルは前記ロータの軸方向端部に設けられたエンドプレートによって覆われており、前記断熱層は前記設置板と前記エンドプレートとの間に形成されていてもよい。
また、本発明に係る回転電機において、前記ロータは、回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに固定されて前記コイルが巻装されたロータコアとを含み、前記シャフト内には液体冷媒を通す冷媒流路が形成されており、前記冷媒流路から供給される液体冷媒が流れる冷媒通路が前記ダイオードと前記コイルとの間に設けられていてもよい。
この場合、前記冷媒通路は、前記ロータの軸方向端部に設けられたエンドプレート内を通ってコイルを冷却した後にロータ外に排出される第1通路を含んでもよい。
またこの場合、前記冷媒通路は、さらに、前記設置板内に貫通して形成された第2通路をさらに含んでもよい。
さらに、本発明に係る回転電機において、前記断熱層が空間からなり、前記シャフトから供給される液体冷媒が前記断熱層を通って流れてもよい。
本発明に係る回転電機によれば、ダイオードが固定された設置板とコイルとの断熱層を設けたので、通電により発熱するコイルからダイオードへの熱伝導が上記断熱層によって遮断され、その結果、ダイオードの過熱を抑制することができる。
本発明の一実施形態である回転電機を示す断面図である。 本実施形態の回転電機において、ロータ及びステータの周方向一部を概略的に示す断面図である。 本実施形態の回転電機において、ロータコイルに流れる誘導電流により生成される磁束がロータ中に流れる様子を示す模式図である。 ロータコイルにダイオードを接続して示す、図3に対応する図である。 本実施形態において、ロータの周方向に隣り合う2つの突極に巻装した複数のコイルの接続回路の等価回路を示す図である。 ロータコイルに接続するダイオードの数を少なくした例を示す、図5に対応する図である。 図1に示すロータのA−A断面図である。 図7のB部拡大図である。 ロータの突極に巻装される各ロータコイルにダイオードをそれぞれ接続した変形例を示す図である。 ロータコイルに接続するダイオードの数を少なくした例を示す、図9に対応する図である。 ロータの軸方向端面を示す図である。 図10におけるC−C断面図である。 シャフトから設置板内の冷媒通路にも冷却油を供給する別の例を示す、図12に対応する図である。 エンドプレートおよび設置板間の断熱層をシャフトから冷却油を供給する更に別の例を示す、図12に対応する図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1〜5、7、8は、本発明の実施形態を示す図である。図1は、本実施形態の回転電機の一部を示す概略断面図である。図1に示すように、回転電機10は、電動機または発電機として機能するものであり、図示しないケーシングにボルト等によって固定された筒状のステータ12と、ステータ12と所定の空隙をあけて径方向内側に対向配置され、ステータ12に対し回転可能なロータ14とを備える。なお、「径方向」とは、ロータ14の回転中心軸に対し直交する放射方向をいう(本明細書全体及び特許請求の範囲で、特に断らない限り「径方向」の意味は同じである。)。
ステータ12は、磁性材製のステータコア16と、ステータコア16に配設された複数相(例えばU相、V相、W相の3相)のステータコイル20u,20v,20wとを備える。ロータ14は、磁性材製のロータコア24と、ロータコア24の中心部に挿入して嵌合固定されたシャフト25と、ロータコア24の軸方向両側に配置された2つのエンドプレート26a,26bと、一方のエンドプレート26aに断熱層58を介して対向するようにシャフト25に嵌合固定された設置板60とを含む。
また、ロータ14は、ロータコア24に配設された複数のロータコイルである、N極誘導コイル28n、S極誘導コイル28s、N極コモンコイル30n、及びS極コモンコイル30sと、N極誘導コイル28nに接続された第1ダイオード38と、S極誘導コイル28sに接続された第2ダイオード40とを含む。
まず、図2〜5を用いて回転電機10の基本構成を説明し、その後、ロータ14の詳細構造を説明する。図2は、本実施形態の回転電機において、ロータ及びステータの周方向一部を示す概略断面図である。図3は、本実施形態の回転電機において、ロータコイルに流れる誘導電流により生成される磁束がロータ中に流れる様子を示す模式図である。図4は、ロータコイルにダイオードを接続して示す、図3に対応する図である。
図2に示すように、ステータ12は、ステータコア16を含む。ステータコア16の内周面の周方向複数個所には、径方向内側へ(すなわちロータ14へ向けて)突出する複数のティース18が配置されており、各ティース18間にスロット22が形成されている。ステータコア16は、けい素鋼板等の磁性を有する電磁鋼板のような金属板の積層体等の磁性材料により形成される。複数のティース18は、ロータ14の回転軸である回転中心軸周りの周方向に沿って互いに間隔をおいて配列されている。なお、「周方向」とは、ロータ14の回転中心軸を中心として描かれる円形に沿う方向をいう(本明細書全体及び特許請求の範囲で、特に断らない限り「周方向」の意味は同じである。)。
各相のステータコイル20u,20v,20wは、スロット22を通ってステータコア16のティース18に短節集中巻で巻装されている。このように、ティース18にステータコイル20u,20v,20wが巻装されることで磁極が構成される。そして、複数相のステータコイル20u,20v,20wに複数相の交流電流を流すことで、周方向に並べられたティース18が磁化し、周方向に回転する回転磁界をステータ12に生成することができる。
なお、ステータコイル20u,20v,20wは、このようにステータ12のティース18に巻き回しする構成に限定するものではなく、例えばティース18から外れたステータコア16の環状部分の周方向複数個所に複数相のステータコイルを巻き回しするトロイダル巻きとし、ステータ12に回転磁界を生じさせることもできる。
ティース18に形成された回転磁界は、その先端面からロータ14に作用する。図2に示す例では、3相(U相、V相、W相)のステータコイル20u,20v,20wがそれぞれ巻装された3つのティース18により1つの極対が構成されている。
一方、ロータ14は、磁性材料製のロータコア24と、複数のロータコイルである、N極誘導コイル28n、N極コモンコイル30n、S極誘導コイル28s、及びS極コモンコイル30sとを含む。ロータコア24は、外周面の周方向複数個所に径方向外側に向けて(すなわちステータ12に向けて)突出して設けられた複数の磁極部であって主突極であるN極形成突極32nおよびS極形成突極32sを有する。
N極形成突極32nとS極形成突極32sとは、ロータコア24の周方向に沿って交互に、かつ、互いに間隔をおいて配置されており、各突極32n、32sがステータ12と対向している。ロータコア24の環状部分であるロータヨーク33と複数の突極32n、32sとは、磁性材製の金属板を複数積層した積層体である複数のロータコア要素を環状に連結することにより、一体に構成されている。これについては、後で詳しく説明する。N極形成突極32nとS極形成突極32sとは、互いに同一の形状及び大きさを有する。
より詳しくは、ロータ14の周方向に関して1つおきのN極形成突極32nのそれぞれに、2つのN極ロータコイルである、N極コモンコイル30nおよびN極誘導コイル28nがそれぞれ集中巻きで巻き回しされている。また、ロータ14において、N極形成突極32nと隣り合う別の突極であり、周方向1つおきのS極形成突極32sのそれぞれに、2つのS極ロータコイルであるS極コモンコイル30sおよびS極誘導コイル28sとが集中巻きで巻き回しされている。ロータ14の径方向に関して、各コモンコイル30n、30sは内側コイルであり、各誘導コイル28n、28sは外側コイルである。
ロータ14は、図3に示すように、周方向に隣り合う突極32n、32sの間に形成されたスロット34を有する。すなわち、ロータコア24には、複数のスロット34が、ロータ14の回転軸まわりの周方向に互いに間隔をおいて形成されている。また、ロータコア24は、回転軸であるシャフト25(図1参照)の径方向外側に嵌合固定されている。
各N極誘導コイル28nは、各N極形成突極32nにおいて、N極コモンコイル30nよりも先端側、すなわち、ステータ12に近い側に巻かれている。各S極誘導コイル28sは、各S極形成突極32sにおいて、S極コモンコイル30sよりも先端側、すなわち、ステータ12に近い側に巻かれている。
なお、図3に示すように、各突極32n、32sの周囲に巻かれる誘導コイル28n、28s及び各コモンコイル30n、30sは、それぞれ突極32n(または32s)の周囲の長さ方向(図3の上下方向)に沿って設けられたソレノイドが、突極32n(または32s)の周方向(図3の左右方向)に複数層整列した整列巻きで配置されることもできる。また、各突極32n、32sの先端側に巻かれる誘導コイル28n、28sは、突極32n、32sの周囲に複数回、すなわち複数ターン分、渦巻状に巻いた構成とすることもできる。
図4、図5に示すように、ロータ14の周方向に隣り合う2個の突極32n、32sを1組として、各組で1個のN極形成突極32nに巻かれたN極誘導コイル28nの一端と、別のS極形成突極32sに巻かれたS極誘導コイル28sの一端とを、2個の電子機器であって整流素子である第1ダイオード38及び第2ダイオード40を介して接続している。図5は、本実施形態において、ロータ14の周方向に隣り合う2つの突極32n、32sに巻装した複数のコイル28n、28s、30n、30sの接続回路の等価回路を示している。図5に示すように、N極誘導コイル28n及びS極誘導コイル28sの一端は、互いに順方向が逆になる第1ダイオード38及び第2ダイオード40を介して、接続点Rで接続されている。なお、本実施形態では、後述するように第1および第2ダイオード38,40が1つの樹脂モールドパッケージにより一体化されたダイオード素子41とされたものが用いられている。
なお、本実施形態では、ロータコア24に巻装されたコイル28n,28s,30n,30sに接続される電子機器がダイオードである場合について説明するが、これに限定されるものではない。上記電子機器は、コイルに流れる電流を整流する機能を有する他の整流器(例えば、サイリスタ、トランジスタ等)が用いられてもよいし、抵抗器、コンデンサ等の電子機器がダイオード等の整流器と併せて用いられてもよい。
図4、図5に示すように、各組でN極形成突極32nに巻かれたN極コモンコイル30nの一端は、S極形成突極32sに巻かれたS極コモンコイル30sの一端に接続されている。N極コモンコイル30n及びS極コモンコイル30sは互いに直列に接続されることで、コモンコイル組36を形成している。さらに、N極コモンコイル30nの他端は接続点Rに接続され、S極コモンコイル30sの他端は、N極誘導コイル28n及びS極誘導コイル28sの接続点Rとは反対側の他端に接続されている。また、各誘導コイル28n、28s及び各コモンコイル30n,30sの巻回中心軸は、ロータ14(図2参照)の径方向と一致している。なお、各誘導コイル28n、28s及び各コモンコイル30n、30sは、対応する突極32n(または32s)に、樹脂等により造られる電気絶縁性を有するインシュレータ(図示せず)等を介して巻装されることもできる。
このような構成では、後述するように、N極誘導コイル28n、S極誘導コイル28s、N極コモンコイル30n及びS極コモンコイル30sに整流された電流が流れることで各突極32n、32sが磁化し、磁極部として機能する。図3に戻って、ステータコイル20u、20v、20wに交流電流を流すことで、ステータ12が回転磁界を生成するが、この回転磁界は、基本波成分の磁界だけでなく、基本波よりも高い次数の高調波成分の磁界を含んでいる。
より詳しくは、ステータ12に回転磁界を発生させる起磁力の分布は、各相のステータコイル20u、20v、20wの配置や、ティース18及びスロット22(図2参照)によるステータコア16の形状に起因して、(基本波のみの)正弦波分布にはならず、高調波成分を含むものとなる。特に、集中巻においては、各相のステータコイル20u、20v、20wが互いに重なり合わないため、ステータ12の起磁力分布に生じる高調波成分の振幅レベルが増大する。例えばステータコイル20u、20v、20wが3相集中巻の場合は、高調波成分として、入力電気周波数の時間的3次成分であり、空間的な2次成分の振幅レベルが増大する。このようにステータコイル20u、20v、20wの配置やステータコア16の形状に起因して起磁力に生じる高調波成分は空間高調波と呼ばれている。
ステータ12からロータ14に、この空間強調波成分を含む回転磁界が作用すると、空間高調波の磁束変動により、ロータ14の突極32n、32s間の空間に漏れ出す漏れ磁束の変動が発生し、これにより図3に示す各誘導コイル28n、28sの少なくともいずれかの誘導コイル28n、28sに誘導起電力が発生する。
ステータ12から近い、突極32n、32sの先端側の誘導コイル28n、28sは、主に誘導電流を発生させる機能を有する。これに対し、ステータ12から遠い、コモンコイル30n、30sは、主に突極32n、32sを磁化する機能を有する。また、図5の等価回路から理解されるように、隣り合う突極32n、32s(図2〜図4参照)に巻装された誘導コイル28n、28sを流れる電流の合計がコモンコイル30n、30sにそれぞれ流れる電流となる。隣り合うコモンコイル30n、30s同士を直列に接続しているので、両方で巻き数を増加させたのと同じ効果を得られ、各突極32n、32sに流れる磁束(つまり電磁力)を同じとしたままで各コモンコイル30n、30sに流す電流を低減できる。
各誘導コイル28n、28sに誘導起電力が発生すると、N極誘導コイル28n、S極誘導コイル28s、N極コモンコイル30n及びS極コモンコイル30sにダイオード38,40の整流方向に応じた直流電流が流れ、コモンコイル30n、30sが巻装された突極32n、32sが磁化することで、この突極32n、32sが磁極の固定された電磁石である磁極部として機能する。
図4に示す、周方向に隣り合うN極誘導コイル28n及びN極コモンコイル30nと、S極誘導コイル28s及びS極コモンコイル30sとで巻き方向が逆になっており、周方向に隣り合う突極32n、32s同士で磁化方向が逆になる。図示の例では、N極誘導コイル28n及びN極コモンコイル30nが巻装された突極32nの先端にN極が生成され、S極誘導コイル28s及びS極コモンコイル30sが巻装された突極32sの先端にS極が生成されるようにしている。このため、ロータ14の周方向においてN極とS極とが交互に配置される。すなわち、ロータ14は、ステータ12で生成される磁界に含まれる高調波成分が鎖交することにより、周方向にN極及びS極が交互に形成されるように構成される。
また、本実施形態では、ロータ14は、周方向の複数個所に配置された突極32n、32sの周方向両側面から突出する補助突極42を含んでいる。補助突極42は、各突極32n、32sの周方向(図3、図4の左右方向)両側面において、軸方向(図3、図4の表裏方向)の複数個所から、周方向に対し傾斜した方向にそれぞれ突出する板状の磁性体である。例えば、図示の例では、補助突極42は、各突極32n、32sの周方向両側面の径方向中間部に、先端に向かうほどロータ14の径方向外側になるように周方向に対し傾斜している。複数の補助突極42は、突極32n、32sの周方向の両側面において、N極誘導コイル28nとN極コモンコイル30nとの間、及び、S極誘導コイル28sとS極コモンコイル30sとの間のそれぞれから突出している。すなわち補助突極42は、根元部において、対応する突極32n、32sに磁気的に接続されている。
また、同じスロット34内に配置され、互いに対向する別の突極32n、32sから突出する複数の補助突極42同士は、機械的に連結されていてもよいし、または、機械的に連結されていなくてもよい。図3、図4では、互いに同じスロット34内に配置されるN極形成突極32nの補助突極42と、S極形成突極32sの補助突極42とが、機械的に連結しておらず、そのために互いに磁気的に分断されていることを模式的に示している。このような補助突極42は、突極32n、32sを含む補助突極42と同じ磁性材料により形成されている。
また、各突極32n(または32s)に巻かれた誘導コイル28n(または28s)とコモンコイル30n(または30s)とは、対応するスロット34内で補助突極42により仕切られて分離されている。同じ突極32n、32sに巻かれる誘導コイル28n、28sとコモンコイル30n、30sとは、ロータコア24の軸方向端面よりも外側に設けられる図示しない片側または両側のコイルエンド側等の、補助突極42から外れた部分で互いに接続されている。
なお、後述する図7に示すように、各突極32n(32sも同様である)の先端部に周方向両側に突出し、誘導コイル28n、28sの抜け止めを図るための鍔部44を形成することもできる。ただし、この鍔部44は省略することもできる。
このようなロータ14を含む回転電機10(図2)では、3相のステータコイル20u、20v、20wに3相の交流電流を流すことでティース18(図2)に形成された回転磁界(基本波成分)がロータ14に作用し、これに応じて、ロータ14の磁気抵抗が小さくなるように、突極32n、32sがティース18の回転磁界に吸引される。これによって、ロータ14にトルク(リラクタンストルク)が作用する。
また、ティース18に形成された空間高調波成分を含む回転磁界がロータ14の各誘導コイル28n、28sに鎖交すると、各誘導コイル28n、28sには、空間高調波成分に起因するロータ14の回転周波数(回転磁界の基本波成分)と異なる周波数の磁束変動によって、各誘導コイル28n、28sに誘導起電力が発生する。この誘導起電力の発生に伴って各誘導コイル28n、28sに流れる電流は、各ダイオード38,40により整流されることで一方向(直流)となる。
そして、各ダイオード38,40で整流された直流電流が各誘導コイル28n、28s及び各コモンコイル30n、30sに流れるのに応じて各突極32n、32sが磁化することで、各突極32n、32sは磁極が(N極かS極のいずれか一方に)固定された磁石として機能する。前述のように、ダイオード38,40による誘導コイル28n、28sの電流の整流方向が互いに逆方向であるため、各突極32n、32sに生じる磁石は、周方向においてN極とS極が交互に配置されたものとなる。
しかも、図3に示すように、各突極32n、32sの周方向両側面に補助突極42が、先端に向かうほど径方向外側になるように周方向に対し傾斜する方向に形成されている。このため、例えば図3の破線矢印α、βで示す方向に、ステータ12からロータ14に、ステータ12の起磁力として、空間的2次の空間高調波の磁束であるq軸磁束が流れる場合を考えると、補助突極42により誘導コイル28n、28sに多くの磁束を鎖交させることができる。すなわち、ステータ12とロータ14との或る位相関係で、空間高調波のq軸磁束が、ステータ12の一部のティース18から一部の補助突極42を介して、突極32n、32sの一部へ多く誘導され、突極32n、32sの一部から別のティース18へ誘導される場合があり、誘導コイル28n、28sに多くの磁束を鎖交させることができる。
また、q軸磁束の向き及び大きさは電気的1周期の中で変化するが、誘導コイル28n、28sに流れる磁束の最大量が多くなることで、誘導コイル28n、28sの鎖交磁束の変化を大きくできる。例えば、図3の破線矢印βで示すように、ステータ12のティース18からS極の補助突極42を介してS極形成突極32sにq軸磁束が流れようとする場合があり、S極形成突極32sをN極とする方向に磁束が流れようとする。この場合、これを妨げる方向にS極誘導コイル28sに誘導電流が流れようとし、その流れは第2ダイオード40(図4参照)で妨げられない。このため、図3に実線矢印で示すように、S極形成突極32sからロータコア24のロータヨーク33を介してN極形成突極32nに抜ける方向の磁束である、誘導電流による磁束が流れる。
また、これとは逆、すなわち、図3の破線矢印αと逆方向に、ステータ12のティース18からN極形成突極32nを介して補助突極42にq軸磁束が流れようとする場合があり、N極形成突極32nをS極とする方向に磁束が流れようとする。この場合、これを妨げる方向にN極誘導コイル28nに誘導電流が流れようとし、その流れは第1ダイオード38(図4参照)で妨げられることなく、N極形成突極32nをN極とする方向に電流を流す。この場合も、S極形成突極32sからロータヨーク33を介してN極形成突極32nに抜ける方向の、誘導電流による磁束が流れる。この結果、各突極32n、32sがN極またはS極に磁化する。
上記のように各突極32n、32sの両側面から補助突極42が突出しているので、補助突極42がない場合、すなわち各スロット34内で周方向に隣り合う突極32n、32s同士の間に空間しかない場合に比べて、各誘導コイル28n、28sに鎖交する磁束の振幅の最大値を大きくできるので、鎖交磁束の変化を大きくできる。
そして、各突極32n、32s(磁極が固定された磁石)の磁界がステータ12により生成される回転磁界(基本波成分)と相互作用して、吸引及び反発作用が生じる。このステータ12により生成される回転磁界(基本波成分)と突極32n、32s(磁石)の磁界との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)によっても、ロータ14にトルク(磁石トルクに相当するトルク)を作用させることができ、ロータ14がステータ12で生成される回転磁界(基本波成分)に同期して回転駆動する。このようにして回転電機10は、ステータコイル20u、20v、20wへの供給電力を利用してロータ14に動力(機械的動力)を発生させるモータとして機能させることができる。
なお、本実施形態では、隣り合う2つの突極32n、32sを1組として、各組において、2つの突極32n、32sに巻かれた誘導コイル28n、28s同士を2つのダイオード38,40を介して接続する場合を説明した。このため、2つの突極32n、32sに対して2つのダイオード38,40が必要になる。これに対して、ロータ14の全部の突極32n、32sに巻かれた全部のコイル28n、28s、30n、30s同士を接続するとともに、ダイオード38,40として2つのみを使用することもできる。図6は、ロータコイルに接続するダイオードの数を少なくした変形例を示す、図5に対応する図である。
図6に示す変形例では、上記の図3、図4等に示した構成において、ロータの周方向1つ置きの突極である全部のN極形成突極32n(図3参照)の先端側に巻装した複数のN極誘導コイル28n同士を直列に接続することでN極誘導コイル組Knを形成し、ロータのN極形成突極32nと隣り合う全部のS極形成突極32s(図3参照)の先端側に巻装した複数のS極誘導コイル28s同士を直列に接続することでS極誘導コイル組Ksを形成している。N極誘導コイル組Kn及びS極誘導コイル組Ksの一端は、互いに順方向が逆になる第1ダイオード38及び第2ダイオード40を介して、接続点Rで接続されている。
また、ロータの周方向に隣り合う2つのN極形成突極32n及びS極形成突極32s(図3参照)を1組とした場合に、各組においてN極コモンコイル30n及びS極コモンコイル30s同士を直列に接続することでコモンコイル組C1を形成するとともに、全部の突極32n、32sに関する全部のコモンコイル組C1同士を直列接続している。さらに、直列接続した複数のコモンコイル組C1のうち、一端となる1つのコモンコイル組C1のN極コモンコイル30nの一端を接続点Rに接続し、他端となる別のコモンコイル組C1のS極コモンコイル30sの一端を、N極誘導コイル組Kn及びS極誘導コイル組Ksの接続点Rとは反対側の他端に接続している。このような構成では、上記の図4、図5に示した構成と異なり、ロータに設けるダイオードの総数を第1ダイオード38及び第2ダイオード40の2つに減らすことができ、コスト低減と組付け工数の削減を図れる。
以上が、本実施形態のロータ14を含む回転電機10の基本的構成とその作用であるが、本実施形態では、ロータ14として、周方向複数個所に配置された複数のロータコア要素を含む構成を採用し、さらにステータ12で発生した磁束の多くが通過する磁気経路での磁気抵抗を減少させ、回転電機10の性能向上を図るために、次の具体的構成を採用している。図7および図8を用いてロータ14の具体的構造を説明する。なお、図7および図8において、上記の図1〜6で示した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付している。
図7は、図1のロータ14におけるA−A断面図である。図8は、図7のB部拡大図である。図7に示すように、本実施形態のロータ14は、ロータコア24と、ロータコア24の中心部に嵌合固定されたシャフト25とを備える。
シャフト25は、外周面の周方向複数個所に設けられ、径方向に突出する複数の外側凸部46を含んでいる。図8に示すように、各外側凸部46は、全体的に軸方向に対し直交する平面に関する断面形状が同一である軸方向に長い形状である。各外側凸部46は、周方向幅が小さいシャフト側根元部48と、シャフト側根元部48に接続され、シャフト側根元部48の周方向幅よりも大きくなった周方向幅を有するシャフト側先端部50とを含む。シャフト側先端部50は略楕円の断面形状を有する。シャフト側先端部50は、周方向の幅が最大となる最大幅部分52を有し、最大幅部分52の周方向の幅D1は、シャフト側根元部48の周方向の最大幅D2よりも大きくなっている。シャフト25は、けい素を含まない鉄鋼材料である無垢材等の剛性の高い材料により造られている。
図7に戻って、ロータコア24は、それぞれ複数ずつのロータコア要素である、第1コア要素54と第2コア要素56とを含む。ロータコア24は、第1コア要素54と第2コア要素56とを周方向に1つずつ交互に配置し、環状に連結することにより形成されている。
各コア要素54,56は、けい素鋼板のような電磁鋼板等の磁性を有する金属板を積層して構成されている。また、各コア要素54,56は、シャフト25に対する結合側に設けられるロータ側根元部62と、ロータ側根元部62の径方向外側に接続されるロータ側先端部64とを含む。ロータ側根元部62はロータヨーク33を形成し、ロータ側先端部64はN極形成突極32nまたはS極形成突極32sを形成する。
ロータ側根元部62には、径方向外側へ向かって凹む内側凹部70が形成されている。内側凹部70の内側には、シャフト25に設けられた外側凸部46が軸方向に嵌合される。各内側凹部70は、各コア要素54,56の径方向内端に開口するように形成され、奥部に周方向幅が大きくなった幅広部72を有する。ロータ側根元部62の周方向両側面は、ロータ14の放射方向と一致する。
ロータ側根元部62の周方向両側面において、内側凹部70の周方向幅が最大となる部分よりも径方向内側部分に半円部74が切り欠き形成されている。
ロータ側先端部64は周方向両側面から周方向に対し傾斜した方向に突出する傾斜突出部78を有する。各傾斜突出部78は、上記の補助突極42(図2等)を形成する。各傾斜突出部78の先端部にピン孔85が軸方向に貫通して形成されている。ロータ側先端部64の先端部の周方向両側面に、それぞれ鍔部44(図8参照)を形成するための周方向突出部80が形成されている。
各コア要素54,56において、傾斜突極部78の外径側に誘導コイル28n(または28s)が巻回されており、傾斜突極部78の内径側にコモンコイル30n(または30s)が巻回されている。各コイル28n,28s,30n,30sは、コア要素54,56同士が連結ピン86で連結する前にコア要素54,56に巻回されてもよいし、あるいは、連結ピン86で連結された後であってシャフト25の組み付け前に巻回されてもよい。
図7,8に示す例では、周方向に隣り合う第1および第2コア要素54,56の傾斜突出部78同士が、連結ピン86によって連結されている。具体的には、第1コア要素54の傾斜突出部78と第2コア要素56の傾斜突出部78とは軸方向にずれているために各コア要素54,56を環状に配列した場合に傾斜突出部78同士が互いに干渉することなく環状に整列することができる。
したがって、第1コア要素54の傾斜突出部78のピン孔85と、第2コア要素56の傾斜突出部78のピン孔85とを軸方向に沿って一直線状に位置合わせした状態で、連結ピン86をピン孔85に挿通または圧入することによって、環状に配列した第1および第2コア要素54,56を互いに連結した状態とすることができる。
この場合、傾斜突出部78によって構成される補助突極42と連結ピン86とを介して軸方向経路を含む磁束経路が形成されると磁束漏れによるトルク出力低下を招くことから、第1コア要素54の補助突極42(すなわち傾斜突出部78)と第2コア要素56の補助突極42(すなわち傾斜突出部78)との間に軸方向の隙間を形成すること、および/または、例えばステンレス等の非磁性材料からなる連結ピン86を用いることが好ましい。
上記のようにして環状に連結された第1および第2コア要素54,56の内側凹部70にシャフト25の外側凸部46がそれぞれ嵌合されるようにして、シャフト25が軸方向に挿入または圧入されて組み付けられる。そして、図8に示すように、隣り合うコア要素54,56のロータ側根元部62同士を押し広げるように、2つの半円部74が対向してそれぞれ形成される複数のピン係合部87に複数のガタ減少ピン88が軸方向に挿入または圧入される。これにより、周方向に隣り合うコア要素54,56同士について、シャフト25に対する結合側に設けられるロータ側根元部62で周方向にしっかりと接した状態で隣り合うコア要素54,56間の組付けガタを減少できる。
このような本実施形態におけるロータ14では、周方向複数個所に配置された複数のコア要素54,56がロータ側根元部62において互いに接触して設けられているので、ステータ12で発生した磁束の多くが通過する磁気経路がシャフト25を通過しないことにより磁気抵抗の増加を招くことがなく、回転電機10の性能向上を図れる。
なお、上記においては、N極形成突極32nおよびS極形成突極32sに誘導コイル28n,28sおよびコモンコイル30n,30sを巻装し、2つのダイオード38,40を介して周方向に隣り合う突極32n,32sの誘導コイル28n,28sとコモンコイル30n,30sとを接続したロータ構成について説明した。しかし、本発明の回転電機は、このような構成に限定されるものではない。例えば、図9に示すロータ14aのように、各突極32n,32sにコイル30をそれぞれ独立して巻装し、そして、各コイル30にダイオード38または40をそれぞれ直列接続した構成であってもよい。この場合、各突極32n,32sには、上記のような補助突極42が設けられていなくてもよい。
また、図10に示すロータ14bのように、図9に示すロータ構成に比べて、使用するダイオードの数を少なくしてもよい。詳しくは、ロータ14bは、N極形成突極32nおよびS極形成突極32sにコイル30がそれぞれ独立して巻装されている点で同じであるが、周方向に1つおきのコイル30を直列接続して1つのダイオード38に接続する一方、残りのコイル30を直列接続して上記ダイオード38とは順方向が逆向きの1つのダイオード40に接続してもよい。これによりダイオードの使用数を突極32n,32sに対応した数から2つに減らすことができる。
さらに、図9および図10に示すロータ14a,14bでは、分割された複数のコア要素54,56を周方向に連結するのではなく、環状に打ち抜き加工された電磁鋼板を軸方向に積層してかしめ、溶接等により一体に連結して形成されてもよい。この場合、シャフトに固定されるロータコアは、キー嵌合、圧入、締り嵌め等によって周方向位置が決められることができる。
次に、図1に加えて図11から図14を参照して、ダイオードの取付構造と冷却構造について説明する。
図11は、ロータ14に設けられるエンドプレート26aを軸方向外側から見て示した図である。図12は図11におけるC−C断面図である。なお、以下の説明においてロータコア24に近い側を「軸方向内側」といい、ロータコア24から遠い側を「軸方向外側」ということとし、これは本願の明細書および特許請求の範囲の全体についても同様である。
図1に示すように、ロータ14は、両端側において回転可能に支持されたシャフト25と、シャフト25の周囲にかしめ、焼嵌め、圧入等の方法で嵌合固定されたロータコア24と、ロータコア24の軸方向両側に配置されたエンドプレート26a,26bとを備える。ロータコア24には、上述したように誘導コイル28n,28sおよびコモンコイル30n,30sが巻装されている。エンドプレート26a,26bは、ロータコア24の軸方向両端に突き当て設けられており、シャフト25を除く円筒状をなすロータ14において軸方向端部を構成している。
また、シャフト25の内部には冷媒流路89が軸方向に延伸して形成されている。冷媒流路89には、液体冷媒の一例である冷却油がオイルポンプおよびオイルクーラ等を介して循環供給されるようになっている。
各エンドプレート26a,26bの軸方向内側には、各コイル28n、28s、30n、30sにおいてロータコア24の軸方向両端よりも外側に突出して配置されるコイルエンドを覆う内側凹部90が形成されている。各エンドプレート26a、26bは、例えばアルミ合金等の非磁性材料で形成され、外周端部と内周端部との軸方向内側端部でロータコア24に突き当てられている。
例えば、各エンドプレート26a、26bの外周部の軸方向端部は、各補助突極42の連結部の軸方向端部に突き当てられることもできる。この場合、各エンドプレート26a、26bの外周部の軸方向端部に、各連結ピン86の端部でロータコア24よりも軸方向に突出した部分を挿入保持する凹部が形成されてもよい。
また、2つのエンドプレート26a,26bのうち一方のエンドプレート26aには、開口部91が軸方向に貫通して形成されている。この開口部91を介して、1組の誘導コイル28n,28sの各一端部と、コモンコイル30nの一端部とが軸方向外側に引き出されている(図5参照)。なお、図1では1本の引き出し端部のみが示されている。
さらに、上記一方のエンドプレート26aに対向して設置板60が設けられている。設置板60は、ロータ14にダイオードを取り付けるための取付部材である。設置板60は、略円環状をなす板部材であり、シャフト25にかしめ、圧入、締り嵌め、ボルト締め等の方法によって嵌合固定されている。
そして、設置板60とエンドプレート26aとの間には、断熱層58が設けられている。この断熱層58は、ロータコア24に巻装された各コイル28n,28s,30n,30sから、設置板60を熱的に分離する機能を有する。
図11に示すように、本実施形態のロータ14では、設置板60上に1組の第1および第2ダイオード38,40を一体に含むダイオード素子41(電子機器)が複数取り付けられている。より詳しくは、設置板60には、ロータ14の磁極対の数に対応する6つのダイオード素子41が周方向に間隔をおいて取り付けられている。ダイオード素子41は、例えばねじ留め等によって設置板60に固定されている。
また、設置板60の外周部には、軸方向外側に突出する円環状の当接壁部92が形成されている。ダイオード素子41は、径方向外側で当接壁部92に接した状態で固定されている。このようにダイオード素子41が取り付けられていることで、ロータ14の回転時に作用する遠心力に対抗してダイオード素子41をしっかりと保持または支持することができる。
さらに、設置板60においてダイオード素子41の取付位置の内径側部分には、略矩形状の開口部93が軸方向に貫通して形成されている。設置板60の開口部93は、エンドプレート26aに形成された開口部91に対して軸方向に整列している。そのため、エンドプレート26aから引き出された1組の誘導コイル28n,28sの各一端部とコモンコイル30nの一端部とが、そのまま設置板60の開口部93を介して軸方向外側に引き出すことができるようにしてある。
ダイオード素子41は、3つの端子を有している。そして、設置板60の開口部93から引き出された1組の誘導コイル28n,28sの各一端部およびコモンコイル30nの一端部が上記3つの端子に溶着、かしめ等の方法によって接続されている。
設置板60は、熱伝導性が良好な材料、例えば金属材料等によって形成されるのが好ましい。これにより、通電によりダイオード素子41に生じた熱を設置板60を介して放散することができ、ダイオード素子41の温度上昇を抑制することができる。ただし、設置板60は、金属材料以外の例えば樹脂材料等によって構成されてもよい。
なお、本実施形態では全てのダイオード素子41を一方のエンドプレート26aに対向配置した設置板60に取り付けるものとしたが、これに限定されるものではなく、他方のエンドプレート26b側にも設置板60を対向配置してダイオード素子41を軸方向両側に分担して設けるようにしてもよい。具体的には、図11に示される6つのダイオード素子41のうち3つを他方のエンドプレート26b側の設置板に取り付けてもよい。また、第1および第2ダイオード38,40が個別にパッケージされたものが用いられてもよい。この場合、例えば、第1ダイオード38を一方のエンドプレート26a側の設置板60に取り付け、第2ダイオード40を他方のエンドプレート26b側に設けた設置板に取り付けるようにしてもよい。このようにダイオード素子41をロータ14の軸方向両側に分散して設けることで、ダイオード素子41からの放熱を効率よく行えてダイオード素子41の昇温を抑制できる利点がある。
図12に示すように、シャフト25には、第1冷媒供給路94が径方向に延びて貫通形成されている。第1冷媒供給路94は、シャフト25内の冷媒流路89から冷却油をシャフト外に供給するための通路である。第1冷供給路94は、周方向に間隔をおいて放射状に複数設けられている。複数第1冷媒供給路94の径方向外側の端部はシャフト表面において座ぐりされて広げられている。
エンドプレート26aには、上記第1冷媒供給路94に連通する第2冷媒供給路95が軸方向に延びて形成されている。第2冷媒供給路95は、第1冷媒供給路94に対応して設けられている。第2冷媒供給路95は、第1冷媒供給路94の端部が座ぐりされて広げられていることにより、第1冷媒供給路94との軸方向の位置合わせが容易になっている。また、エンドプレート26aの外周壁部には、複数の冷媒排出口96が周方向に間隔をおいて複数設けられている。
上記のような構成を有する本実施形態におけるロータ14は、回転するロータ14の遠心力と、場合によっては冷媒流路89に圧送される冷却油の油圧とによって、第1および第2冷媒供給路94,95を介してエンドプレート26aの内側凹部90へと流れ込む。そして、ロータコア24において内径側に位置するコモンコイル30n、30sのコイルエンド、および、外径側に位置する誘導コイル28n、28sのコイルエンドに接触しながら径方向外側へと流れる。このように冷却油がエンドプレート26a内に形成される第1通路に沿って流れ様子が図12中の破線により示されている。これにより、通電により発熱する各コイル30n、30s、28n、28sが冷却油によって効果的に冷却される。
それから、エンドプレート26aの外周に形成された冷媒排出口96からロータ外に排出された冷却油は、さらに、径方向外側に位置するステータ12のステータコイル20u,20v,20wのコイルエンドに掛かってステータコイル20u,20v,20wを冷却することができる。ここで、ロータコア24に巻装されたコイル30n、30s、28n、28sに流れる誘導電流よりもステータコイル20u,20v,20wに流れる駆動電流の方が大電流であって発熱量がより大きいため、ロータ14のコイルを冷却した後の冷却油によっても十分な冷却性能を発揮できる。
その後、冷却油は、回転電機10を収容するケースの底部に流れ落ちて溜まり、そこからオイルポンプ等の作用によって抜き出された冷却油はオイルクーラを通過して放熱および降温した後にシャフト25内の冷媒流路89に循環供給されることになる。
一方、ロータ14に設けられたダイオード素子41が取り付けられている設置板60とエンドプレート26aとの間には、たとえば空気層を含む断熱層58が設けられているため、ダイオード素子41は比較的発熱量が大きいコイル30n、30s、28n、28sから熱的に分離されている。このため、ダイオード素子41がコイル30n、30s、28n、28sからの熱を受け取ることが遮断されており、その結果、ダイオード素子41が過熱によって性能不良を来たすのを有効に防止することができる。このことは、いわゆる軸心油冷構造によってシャフト25から供給される冷却油によりコイル30n、30s、28n、28sが冷却されることで、より確実なものとなる。
なお、本発明に係る回転電機のロータは、上述した実施形態のものに限定されるものではなく、種々の変更や改良が可能である。
例えば、図13に示すように、ダイオード素子41が取り付けられた設置板60の内部に冷媒通路(第2通路)98を径方向に延伸して形成し、シャフト25に設けた更に別の冷媒供給路97から設置板60の冷媒通路98に冷却油を供給してもよい。このようにすれば、設置板60を介してダイオード素子41をより積極的に冷却することができる。
また、図14に示すように、シャフト25に形成される冷媒供給路94を設置板60とエンドプレート26aとの間の空間からなる断熱層58に対応する位置に設けてもよい。このようにすれば、断熱層58を冷媒通路として用いることで、エンドプレート26aおよび設置板60に冷媒通路を設けなくても、エンドプレート26aを介してコイル30n、30s、28n、28sを冷却できるとともに、設置板60を介してダイオード素子41も冷却できる。したがって、簡易な構成でコイル30n、30s、28n、28sおよびダイオード素子41の両方を効率よく冷却することが可能になる。
さらに、上記実施形態では、設置板60とエンドプレート26aとの間に設けた断熱層58が空間からなるものとして説明したが、これに限定されるのもではなく、熱伝導率が空気よりも高いが金属よりも低い材料、例えば、樹脂材料によって形成されてもよい。例えば、設置板60とエンドプレート26aとの間の断熱層58に樹脂材料からなる接着剤が充填されてもよい。このようにすれば、ダイオード素子41を取り付けた設置板60のロータ14における固定状態がより安定したものになる利点がある。
10 回転電機、12 ステータ、14,14a,14b ロータ、16 ステータコア、18 ティース、20u、20v、20w ステータコイル、22 スロット、24 ロータコア、25 シャフト、26a、26b エンドプレート、28n N極誘導コイル、28s S極誘導コイル、30n N極コモンコイル、30s S極コモンコイル、32n N極形成突極、32s S極形成突極、33 ロータヨーク、34 スロット、36 コモンコイル組、38 第1ダイオード、40 第2ダイオード、41 ダイオード素子、42 補助突極、44 鍔部、46 外側凸部、48 シャフト側根元部、50 シャフト側先端部、52 最大幅部分、54 第1コア要素、56 第2コア要素、58 断熱層、60 設置板、62 ロータ側根元部、64 ロータ側先端部、70 内側凹部、72 幅広部、74 半円部、78 傾斜突出部、80 周方向突出部、85 ピン孔、86 連結ピン、87 ピン係合部、88 ガタ減少ピン、89 冷媒流路、90 内側凹部、91,93 開口部、92 当接壁部、94 第1冷媒供給路、95 第2冷媒供給路、96 冷媒排出口、97 冷媒供給路、98 冷媒通路。

Claims (6)

  1. 回転磁界を発生させるステータと、
    前記ステータに対向配置される回転可能なロータと、
    前記ロータに巻き回しされたコイルに接続され、前記ロータと共に回転するよう設けられた設置板に固定されているダイオードと、を備え、
    前記ロータのコイルと前記設置板との間に断熱層が設けられている、回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記コイルは前記ロータの軸方向端部に設けられたエンドプレートによって覆われており、前記断熱層は前記設置板と前記エンドプレートとの間に形成されている、回転電機。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記ロータは、回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに固定されて前記コイルが巻装されたロータコアとを含み、前記シャフト内には液体冷媒を通す冷媒流路が形成されており、前記冷媒流路から供給される液体冷媒が流れる冷媒通路が前記ダイオードと前記コイルとの間に設けられている、回転電機。
  4. 請求項3に記載の回転電機において、
    前記冷媒通路は、前記ロータの軸方向端部に設けられたエンドプレート内を通ってコイルを冷却した後にロータ外に排出される第1通路を含む、回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機において、
    前記冷媒通路は、さらに、前記設置板内に貫通して形成された第2通路をさらに含む、回転電機。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか1に記載の回転電機において、
    前記断熱層が空間からなり、前記シャフトから供給される液体冷媒が前記断熱層を通って流れる、回転電機。
JP2011253817A 2011-11-21 2011-11-21 回転電機 Expired - Fee Related JP5724843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011253817A JP5724843B2 (ja) 2011-11-21 2011-11-21 回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011253817A JP5724843B2 (ja) 2011-11-21 2011-11-21 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013110847A true JP2013110847A (ja) 2013-06-06
JP5724843B2 JP5724843B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=48707102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011253817A Expired - Fee Related JP5724843B2 (ja) 2011-11-21 2011-11-21 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5724843B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016154406A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 スズキ株式会社 回転電機
JP2016178829A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 スズキ株式会社 アキシャルギャップ型の回転電機
JP2016178831A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 スズキ株式会社 アキシャルギャップ型の回転電機

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58148649A (ja) * 1982-02-24 1983-09-03 Hitachi Ltd ブラシレス形交流発電機
JPH0946990A (ja) * 1995-08-02 1997-02-14 Meidensha Corp ブラシレス発電機の励磁構造
JP2003134766A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Denso Corp ブラシレス回転電機
JP2003339102A (ja) * 2002-05-17 2003-11-28 Toyota Motor Corp 車輌用駆動装置および電力変換ユニット
JP2010220340A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Toyota Motor Corp 回転電機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58148649A (ja) * 1982-02-24 1983-09-03 Hitachi Ltd ブラシレス形交流発電機
JPH0946990A (ja) * 1995-08-02 1997-02-14 Meidensha Corp ブラシレス発電機の励磁構造
JP2003134766A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Denso Corp ブラシレス回転電機
JP2003339102A (ja) * 2002-05-17 2003-11-28 Toyota Motor Corp 車輌用駆動装置および電力変換ユニット
JP2010220340A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Toyota Motor Corp 回転電機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016154406A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 スズキ株式会社 回転電機
US10320271B2 (en) 2015-02-20 2019-06-11 Suzuki Motor Corporation Electric machine
JP2016178829A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 スズキ株式会社 アキシャルギャップ型の回転電機
JP2016178831A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 スズキ株式会社 アキシャルギャップ型の回転電機

Also Published As

Publication number Publication date
JP5724843B2 (ja) 2015-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5641154B2 (ja) 回転電機
JP5641156B2 (ja) 回転電機用ロータ、およびこれを備えた回転電機
JP6638202B2 (ja) アキシャルギャップ型の回転電機
JP5641155B2 (ja) 回転電機用ロータ、及びこれを備えた回転電機
US20180323663A1 (en) Axial gap rotating electrical machine and manufacturing method for the same
JP6561692B2 (ja) 回転電機
JP5741410B2 (ja) 回転電機用ロータ
JP2016220298A (ja) アキシャルギャップ型回転電機
JPWO2022019074A5 (ja)
WO2018051938A1 (ja) 回転電機
JP5724843B2 (ja) 回転電機
JP2013038918A (ja) 回転電機
JP2018046690A (ja) 回転電機
JP2017050941A (ja) 回転電機
JP6544151B2 (ja) 回転電機
CN114424429A (zh) 电动机
WO2014024288A1 (ja) 電動機
US11444522B2 (en) Synchronous electrical machine with rotor having angularly shifted portions
JP2018011426A (ja) 回転電機
WO2014188505A1 (ja) 回転電機
JP2016178829A (ja) アキシャルギャップ型の回転電機
JP2017077135A (ja) 回転電機
JP2018061378A (ja) 回転電機
JP2017184532A (ja) 回転電機
JP2012175835A (ja) 回転電機用ロータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150316

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5724843

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees