JP2013098353A - 薄膜太陽電池モジュールの製造方法および検査方法 - Google Patents

薄膜太陽電池モジュールの製造方法および検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜太陽電池モジュールにおける集積セルストリング間の分離不良の有無を簡便にかつ高い精度でより確実に判別できるようにする。
【解決手段】封止材160による封止後であって第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とを直列接続する前に、第1集積セルストリング110に接続された引き出し用端子113,114のうちから選択された一方の極性の端子と、第2集積セルストリング120に接続された引き出し用端子123,124のうちから選択された上記一方の極性とは異なる他方の極性の端子との間に電圧を印加することにより、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間の絶縁抵抗値を測定し、これに基づいて良品であるか不良品であるかの判別を行なう。
【選択図】図19

Description

本発明は、薄膜太陽電池モジュールの製造方法および検査方法に関し、特に、分離ラインを挟んで並行配置された複数の集積セルストリングを直列に接続することで高電圧の出力が可能とされた薄膜太陽電池モジュールの製造方法および検査方法に関する。
高電圧を出力することができる薄膜太陽電池モジュールとして、特開2002−289885号公報(特許文献1)に開示の薄膜太陽電池モジュールが知られている。当該特許文献1に開示の薄膜太陽電池モジュールにあっては、透明基板上に複数のセルが行列状に配置されて設けられており、各列に含まれるセルが封止材の内部において直列に接続されることで列数に応じた数の集積セルストリングが形成され、さらにこれら集積セルストリングが封止材の外部において直列に接続されることですべてのセルが直列に接続された構成が採用されている。
上記構成の薄膜太陽電池モジュールにあっては、複数の集積セルストリングが、各列が延びる方向(以下、単に列方向とも称する)に沿って形成された分離ラインを挟んで各行が延びる方向(以下、単に行方向とも称する)において隣り合うように並行して配置されることになる。当該分離ラインは、透明基板上に積層形成された一対の電極層および光電変換層を一括して分断するようにスクライブ加工が施されることで形成される。
特開2002−289885号公報
上述した構成の薄膜太陽電池モジュールにおいては、上記分離ラインにより、隣り合う集積セルストリング間が確実に電気的に絶縁されていることが重要になる。仮に、当該分離ラインによる絶縁が不十分である場合には、不良箇所を介して集積セルストリング間に短絡が生じることになり、出力電圧の大幅な低下が生じる不具合が生じるばかりでなく、当該不良箇所において異常発熱が発生し、場合によっては薄膜太陽電池モジュールに破損が生じる不具合の原因となってしまう。
ここで、上記不良が発生するケースとしては、スクライブ加工における分断が不十分である場合や、スクライブ加工およびその後に実施される工程において当該分離ライン近傍に異物が付着してしまう場合、あるいは封止工程において当該分離ライン近傍にボイドが生じてしまう場合等が主として考えられる。
そのため、当該問題を解決するためには、封止工程後において上述した不良箇所の有無を判別し、不良箇所が含まれているものについては、これを不良品として取り扱うことが必要になる。これにより、上述した如くの分離不良を含まない良品である仕掛品のみを峻別して薄膜太陽電池モジュールを製作することができるため、高い信頼性を有する薄膜太陽電池モジュールの提供が可能になる。
上記不良箇所の有無を判別する一つの方法として、外観検査(たとえば目視検査や画像解析を利用した検査等)によってこれを行なうことが考えられる。しかしながら、当該外観検査を採用した場合には、作業が極めて煩雑になるばかりでなく、高い精度で不良箇所の有無の判別を行なうことが困難になるため、製品の信頼性の向上には必ずしもつながらない問題が生じてしまう。
一方、従来、封止工程後であって製品出荷前にソーラシミュレータ等を用いて薄膜太陽電池モジュールの性能を評価する電気検査が実施されている。当該電気検査を実施することとすれば、検査段階において出力電圧が低いことが確認されることにより、上述した分離不良が生じている可能性の有無が判別可能となるため、当該事象が確認された仕掛品(または製品)を不良品として取り扱うことが可能になる。
しかしながら、上述した不良には、製造段階において既に短絡が顕在化している不良モードのみならず、製造段階において短絡が未だ顕在化しておらず、製品出荷後の使用段階において短絡が顕在化する不良モードも含まれる。そのため、上記電気検査のみを実施した場合には、後者の不良モードが発生しているものについてはこれを当該検査段階において判別することができないこととなってしまう。したがって、上記電気検査を実施したのみでは、製品の信頼性の向上には必ずしもつながらない問題があった。
したがって、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、集積セルストリング間の分離不良の有無を簡便にかつ高い精度でより確実に判別することができ、これにより高い信頼性の薄膜太陽電池モジュールを製造することができる薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、集積セルストリング間の分離不良の有無を簡便にかつ高い精度でより確実に判別することができる薄膜太陽電池モジュールの検査方法を提供することを目的とする。
本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、透明基板上において封止材によって封止されるとともに、分離ラインを挟んで隣り合うように配設されかつ直列に接続されてなる第1集積セルストリングおよび第2集積セルストリングを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、以下の工程(A)ないし(E)を備えている。
(A)直列接続された複数のセルを含む上記第1集積セルストリングおよび直列接続された複数のセルを含む上記第2集積セルストリングのそれぞれに正端子および負端子からなる一対の引き出し用端子を接続する工程。
(B)上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングに接続された上記引き出し用端子の各々の端部が上記封止材から露出した状態となるように、上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングを上記封止材によって封止する工程。
(C)上記第1集積セルストリングに接続された上記一対の引き出し用端子のうちから選択された一方の極性の端子の露出した端部と、上記第2集積セルストリングに接続された上記一対の引き出し用端子のうちから選択された上記一方の極性とは異なる他方の極性の端子の露出した端部との間に電圧を印加することにより、上記第1集積セルストリングと上記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する工程。
(D)測定された絶縁抵抗値と予め定めた閾値とを比較することにより、良品であるか不良品であるかを判別する工程。
(E)良品であると判別された場合に、上記第1集積セルストリングに接続された負端子の露出した端部と、上記第2集積セルストリングに接続された正端子の露出した端部とを結線することにより、上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングを直列に接続する工程。
また、上記本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの製造方法にあっては、上記第1集積セルストリングと上記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する際に印加される電圧の大きさが、上記セルの1つ当たりのダイオード特性としての順方向オン電圧値に1つ分の集積セルストリングに含まれるセルの数を乗じた値以上の大きさであることが好ましい。
また、上記本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、上述した工程(A)ないし(E)に加え、さらに以下の工程(F)を備えていてもよい。
(F)上記第1集積セルストリングと上記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する工程(すなわち、上記工程(C))に先立って、上記第1集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、上記第1集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別するとともに、上記第2集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、上記第2集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別する工程。
本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの検査方法は、直列接続された複数のセルを含む第1集積セルストリングおよび直列接続された複数のセルを含む第2集積セルストリングが透明基板上において封止材によって封止されるとともに、上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングのそれぞれに設けられた一対の正端子および負端子からなる引き出し用端子が上記封止材から外部に引き出された状態において、上記第1集積セルストリングに接続された上記一対の引き出し用端子のうちから選択された一方の極性の端子の露出した端部と、上記第2集積セルストリングに接続された上記一対の引き出し用端子のうちから選択された上記一方の極性とは異なる他方の極性の端子の露出した端部との間に電圧を印加することにより、上記第1集積セルストリングと上記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定し、測定された絶縁抵抗値と予め定めた閾値とを比較することにより、良品であるか不良品であるかを判別するものである。
また、上記本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの検査方法にあっては、上記第1集積セルストリングと上記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する際に印加される電圧の大きさが、上記セルの1つ当たりのダイオード特性としての順方向オン電圧値に1つ分の集積セルストリングに含まれるセルの数を乗じた値以上の大きさであることが好ましい。
また、上記本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの検査方法にあっては、上記第1集積セルストリングと上記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定するに先立って、上記第1集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、上記第1集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別するとともに、上記第2集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、上記第2集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別することが好ましい。
本発明によれば、集積セルストリング間の分離不良の有無を簡便にかつ高い精度でより確実に判別することができ、これにより高い信頼性の薄膜太陽電池モジュールを製造することができる薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供することが可能になる。
また、本発明によれば、集積セルストリング間の分離不良の有無を簡便にかつ高い精度でより確実に判別することができる薄膜太陽電池モジュールの検査方法を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法が適用される薄膜太陽電池モジュールの模式背面図である。 図1中に示すII−II線に沿った模式断面図である。 図1中に示すIII−III線に沿った模式断面図である。 本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。 図4に示すセル工程における第1工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第2工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第3工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第4工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第5工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第6工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第7工程を示す模式断面図である。 図4に示すセル工程における第8工程を示す模式平面図である。 図4に示すセル工程における第9工程を示す模式平面図である。 図4に示すモジュール工程における第1工程を示す模式背面平面図である。 図4に示すモジュール工程における第2工程を示す模式背面図である。 図4に示すモジュール工程における第3工程を示す模式背面図である。 図4に示すモジュール工程における第4工程を示す模式背面図である。 図4に示すモジュール工程における第5工程を示す模式背面図である。 図4に示すモジュール工程における第6工程を示す模式背面図である。 図4に示すモジュール工程における第7工程を示す模式背面図である。 図4に示すモジュール工程における第8工程を示す模式背面図である。 本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法が適用される他の薄膜太陽電池モジュールの模式背面図である。 単位太陽電池セルのダイオード特性としての順方向オン電圧値の決定方法を説明するためのグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。また、以下において説明する各部の個数や量等は、特に記載がある場合を除き、これらの具体的な個数や量等に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法が適用される薄膜太陽電池モジュールの模式背面図である。また、図2は、図1中に示すII−II線に沿った模式断面図であり、図3は、図1中に示すIII−III線に沿った模式断面図である。まず、これら図1ないし図3を参照して、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法が適用される薄膜太陽電池モジュール1Aについて説明する。なお、図2および図3においては、図1において示すフレーム180およびリード線113,123等の図示は省略している。
図1に示す薄膜太陽電池モジュール1Aは、平面視略矩形状の単位太陽電池セル107A,107B(以下、単にセルとも称する)が12行2列となるように透明基板としてのガラス基板100上に設けられてなるものである。ここで、図中に示す左側の列に含まれるように配置された12個のセル107Aによって第1集積セルストリング110が構成されており、図中に示す右側の列に含まれるように配置された残る12個のセル107Bによって第2集積セルストリング120が構成されている。
なお、符号107a1,107b1にて示す部位は、これら部位に隣接するセル107A,107Bに含まれる後述する透明電極層101から外部に向けての電気的な取り出しを行なうための電極取り出し部であり、当該電極取り出し部107a1,107b1は、厳密な意味においてはセルには相当しない。しかしながら、以下においては、当該電極取り出し部107a1,107b1についても隣接するセル107A,107Bの一部と見なすことにより、これらが第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に含まれるものとして説明を行なうこととする。
図2および図3に示すように、薄膜太陽電池モジュール1Aは、前面(受光面)側に位置するガラス基板100と、ガラス基板100の背面側に設けられた透明電極層(表面側電極層)101と、透明電極層101の背面側に設けられた光電変換層103と、光電変換層103の背面側に設けられた裏面電極層105とを含んでいる。裏面電極層105は、その背面側に設けられた封止材160によって覆われている。
図2に示すように、透明電極層101、光電変換層103および裏面電極層105には、一括して列方向(図1中における縦方向)に沿って延びる第5分離ライン150が設けられている。当該第5分離ライン150は、上述した第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とを分断するものであり、当該第5分離ライン150を挟んで第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120が並行して配置されている。
また、図1に示すように、透明電極層101、光電変換層103および裏面電極層105には、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120を取り囲むようにガラス基板100の周縁に沿って第4分離ライン108が設けられている。当該第4分離ライン108は、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120と、その外側に位置する周囲領域とを分断するものである。
図3に示すように、第1集積セルストリング110に含まれる透明電極層101、光電変換層103および裏面電極層105は、それぞれ所定の形状にパターニングされており、これによりこれら透明電極層101、光電変換層103および裏面電極層105のそれぞれには、行方向(図1中における横方向)に沿って延びる第1分離ライン102、第2分離ライン104および第3分離ライン106が設けられている。
透明電極層101に設けられた第1分離ライン102は、光電変換層103によって埋め込まれている。光電変換層103に設けられた第2分離ライン104は、裏面電極層105によって埋め込まれている。また、裏面電極層105に設けられた第3分離ライン106は、封止材160によって埋め込まれている。
第2分離ライン104によって分断された個々の光電変換層103は、第1分離ライン102によって分断された個々の透明電極層101と、第3分離ライン106によって分断された個々の裏面電極層105とによって挟まれた状態にあり、透明電極層101とこれに隣り合う裏面電極層105とは、光電変換層103を分断する第2分離ライン104を埋め込むように構成された部分の裏面電極層105(当該部分の裏面電極層105は、特にコンタクトラインと称される)を介して接続されている。
これにより、個々の光電変換層103が、裏面電極層105および透明電極層101を介して相互に接続された状態となり、第1集積セルストリング110に含まれる12個のセル107Aが、直列に接続されることになる。なお、その詳細な説明は省略するが、第2集積セルストリング120に含まれる12個のセル107Bについても、同様の態様により、直列に接続されている。
図1に示すように、第1集積セルストリング110に含まれるセル107Aのうち、列方向の一方の端部に位置するセルに含まれる電極取り出し部107a1には、バスバー111が半田付け等によって接続されており、列方向の他方の端部に位置するセル107a2には、バスバー112が半田付け等によって接続されている。また、バスバー111の所定位置には、半田付け等によってリード線113が接続されており、バスバー112の所定位置には、半田付け等によってリード線114が接続されている。
一方、第2集積セルストリング120に含まれるセル107Bのうち、列方向の一方の端部に位置するセルに含まれる電極取り出し部107b1には、バスバー121が半田付け等によって接続されており、列方向の他方の端部に位置するセル107b2には、バスバー122が半田付け等によって接続されている。また、バスバー121の所定位置には、半田付け等によってリード線123が接続されており、バスバー122の所定位置には、半田付け等によってリード線124が接続されている。
上述したバスバー111,112,121,122と、上述したリード線113,114,123,124の上記バスバー111,112,121,122に取付けられた方の端部とは、いずれも封止材160によって封止されており、上述したリード線113,114,123,124の上記バスバー111,112,121,122に取付けられていない方の端部は、封止材160の外部に引き出されることで露出している。なお、リード線113,114,123,124の各々は、耐熱性を有する絶縁フィルムによって覆われている。
ここで、上述したバスバー111およびこれに接続されたリード線113が、第1集積セルストリング110に接続された一対の引き出し用端子のうちの正端子に相当し、上述したバスバー112およびこれに接続されたリード線114が、第1集積セルストリング110に接続された一対の引き出し用端子のうちの負端子に相当する。また、上述したバスバー121およびこれに接続されたリード線123が、第2集積セルストリング120に接続された一対の引き出し用端子のうちの正端子に相当し、上述したバスバー122およびこれに接続されたリード線124が、第2集積セルストリング120に接続された一対の引き出し用端子のうちの負端子に相当する。
封止材160から引き出されたリード線113,114,123,124の端部は、封止材160の背面側において集められ、これら端部に端子ボックス170Aが取付けられている。端子ボックス170Aの内部においては、第1集積セルストリング110の負端子に相当するリード線114の端部と、第2集積セルストリング120の正端子に相当するリード線123の端部とが接続線171によって結線されており、第1集積セルストリング110の正端子に相当するリード線113の端部および第2集積セルストリング120の負端子に相当するリード線124の端部が、それぞれ外部接続用の一対の出力端子(不図示)に接続されている。
また、フレーム180は、ガラス基板100を支持するとともに封止材160の背面側の部分を覆うように設けられている。なお、上述した端子ボックス170Aは、フレーム180の背面において外部に露出するように当該フレーム180に取付けられている。
図4は、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。また、図5ないし図13は、図4に示すセル工程における第1ないし第9工程をそれぞれ示す模式断面図であり、図14ないし図21は、図4に示すモジュール工程における第1ないし第8工程を示す模式背面図である。次に、これら図4ないし図21を参照して、本実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法について説明する。
図4に示すように、本実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、セル工程ST100と、モジュール工程ST200とを備える。モジュール工程ST200は、セル工程ST100が終了した後に実施される。
図4に示すように、セル工程ST100は、第1工程ST101〜第10工程ST110を主として含んでいる。以下、セル工程ST100に含まれる第1工程ST101〜第10工程ST110について順に詳説する。なお、上述した電極取り出し部107a1,107b1は、セル107A,107Bを製作するための以下において説明するセル工程ST100とは一部異なる処理が施されることで製作されることになるが、ここでは理解を容易とするために、当該異なる処理についてはその説明は省略する。
図4および図5に示すように、第1工程ST101においては、ガラス基板100が準備される。ガラス基板100としては、透明性および絶縁性を有する板状のガラスが好適に使用できる。
図4および図6に示すように、第2工程ST102においては、たとえば熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いてガラス基板100上に透明電極層101が成膜される。透明電極層101としては、たとえばSnO2(酸化錫)膜やITO(インジウム錫酸化)膜等が好適に使用できる。
図4および図7に示すように、第3工程ST103においては、たとえばレーザスクライブ法等を用いて透明電極層101の一部が除去されることで複数の第1分離ライン102が形成され、これにより透明電極層101が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザの基本波(波長1064nm)等が好適に利用できる。
図4および図8に示すように、第4工程ST104においては、たとえばプラズマCVD法等を用いて透明電極層101上に光電変換層103が成膜される。光電変換層103としては、半導体薄膜が使用でき、たとえば非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された積層膜等が好適に使用できる。また、その際、第1分離ライン102は、光電変換層103によって埋め込まれることになる。
図4および図9に示すように、第5工程ST105においては、たとえばレーザスクライブ法等を用いて光電変換層103の一部が除去されることで複数の第2分離ライン104が形成され、これにより光電変換層103が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAGレーザの第2高調波(532nm)等が好適に利用できる。
図4および図10に示すように、第6工程ST106においては、たとえばマグネトロンスパッタ法あるいは電子ビーム蒸着法等を用いて光電変換層103上に裏面電極層105が成膜される。裏面電極層105としては、たとえばZnO(酸化亜鉛)膜/Ag(銀)膜やZnO膜/Al(アルミニウム)膜、ITO膜/Ag膜、SnO2膜/Ag膜等が好適に利用できる。また、その際、第2分離ライン104は、裏面電極層105によって埋め込まれることになり、これにより上述したコンタクトラインが形成される。
図4および図11に示すように、第7工程ST107においては、たとえばレーザスクライブ法等を用いて裏面電極層105の一部が除去されることで複数の第3分離ライン106が形成され、これにより裏面電極層105が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAGレーザの第2高調波(532nm)等が好適に利用できる。
図4および図12に示すように、第8工程ST108においては、たとえばレーザスクライブ法あるいはブラスト加工法等を用いてガラス基板100の周縁に沿って透明電極層101、光電変換層103および裏面電極層105の一部が除去されることで第4分離ライン108が形成される。なお、レーザスクライブ法を使用する場合のレーザ光としては、たとえばYAGレーザの基本波(1064nm)等が好適に利用できる。
これにより、図12に示すように、ガラス基板100上には、複数のセルセグメント107と、電極取り出し部107a1,107b1となる部位とが形成されることになるとともに、当該第4分離ライン108によってこれら部位が、その外側に位置する周囲領域との間で絶縁されることになる。
図4および図13に示すように、第9工程ST109においては、たとえばレーザスクライブ法あるいはブラスト加工法等を用いて複数のセルセグメント107および電極取り出し部107a1,107b1となる部位が行方向(図13中における横方向)において2分割されるように、列方向(図13中における縦方向)に沿って第5分離ライン150が形成される。なお、レーザスクライブ法を使用する場合のレーザ光としては、たとえばYAGレーザの基本波(1064nm)等が好適に利用できる。
これにより、図13に示すように、ガラス基板100上には、直列に接続された複数のセル107Aを含む第1集積セルストリング110と、直列に接続された複数のセル107Bを含む第2集積セルストリング120とが形成されることになるとともに、当該第5分離ライン150によってこれら第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とが分断されることになる。
図4に示すように、第10工程ST110においては、電気検査が実施される。当該電気検査には、第1集積セルストリング110内において隣り合うセル107A間に分離不良および導通不良が発生していないかという検査や、第2集積セルストリング120内において隣り合うセル107B間に分離不良および導通不良が発生していないかといった検査、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間に分離不良が発生していないかといった検査、ソーラシミュレータ等を用いた第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120の交流微弱白色電流−直流電圧特性(いわゆるIV特性)が所望のものとなっているかといった検査等が含まれる。
当該電気検査を実施することにより、後述するモジュール工程ST200において仕掛品に不良品が混入することが防止可能になる。なお、不良品については、場合によってはリペア等を行なってその修復を行なうことも可能である。
一方、図4に示すように、モジュール工程ST200は、第1工程ST201〜第9工程ST209を主として含んでいる。以下、モジュール工程200に含まれる第1工程ST201〜第9工程ST209について順に詳説する。
図4および図14に示すように、第1工程ST201においては、電極取り出し部107a1と、第1集積セルストリング110に含まれるセル107a2と、電極取り出し部107b1と、第2集積セルストリング120に含まれるセル107b2とのそれぞれに、たとえば半田付け等によってバスバー111,112,121,122が接続されることで取付けられる。
図4および図15に示すように、第2工程ST202においては、バスバー111,112,121,122のそれぞれに、たとえば半田付け等によってリード線113,114,123,124が接続されることで取付けられる。
なお、上述したモジュール工程ST200の第1工程ST201および第2工程ST202が、前述の工程(A)に相当する。
図4および図16に示すように、第3工程ST203においては、ラミネート処理が施されることにより、ガラス基板100の背面側に位置する第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120が封止材160(裏面保護フィルム)によって封止される。このとき、リード線113,114,123,124のバスバー111,112,121,122に取付けられていない方の端部は、いずれも封止材160から露出した状態となるようにされる。封止材160としては、たとえばPET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂が好適に使用できる。
なお、上述したモジュール工程ST200の第3工程ST203が、前述の工程(B)に相当する。
図4および図17に示すように、第4工程ST204においては、第1集積セルストリング110と、これに接続されたバスバー111,112と、さらにこれに接続されたリード線113,114との導通検査(第1導通検査)が実施される。
具体的には、図17に示すように、第4工程ST204においては、一対のプローブ201,202間に接続された検査対象物に対して所定の大きさの定電流を印加しつつ、これにより当該一対のプローブ201,202間に生じる電位差を測定可能な接続不良検査装置200を準備し、当該接続不良検査装置200の一対のプローブ201,202をリード線113,114の露出した端部にそれぞれ接続し、所定の定電流を印加することでその際の第1集積セルストリング110の出力電圧値を測定する。
当該導通検査において、測定された出力電圧値が所望の大きさである場合には、第1集積セルストリング110、バスバー111,112およびリード線113,114が導通不良なく正しく接続されていると判別することができ、測定された出力電圧値が所望の大きさに達していない場合には、第1集積セルストリング110、バスバー111,112およびリード線113,114の接続に導通不良が生じていると判別することが可能になる。ここで、当該導通不良が生じていると判別された場合には、当該仕掛品を不良品として取り扱うこともできるし、場合によってはリペア等を行なってその修復を行なうことも可能である。
図4および図18に示すように、第5工程ST205においては、第2集積セルストリング120と、これに接続されたバスバー121,122と、さらにこれに接続されたリード線123,124との導通検査(第2導通検査)が実施される。
具体的には、図18に示すように、第5工程ST205においては、上述した接続不良検査装置200の一対のプローブ201,202をリード線123,124の露出した端部にそれぞれ接続し、所定の定電流を印加してその際の第2集積セルストリング120の出力電圧値を測定する。
当該導通検査において、測定された出力電圧値が所望の大きさである場合には、第2集積セルストリング120、バスバー121,122およびリード線123,124が導通不良なく正しく接続されていると判別することができ、測定された出力電圧値が所望の大きさに達していない場合には、第2集積セルストリング120、バスバー121,122およびリード線123,124の接続に導通不良が生じていると判別することが可能になる。ここで、当該導通不良が生じていると判別された場合には、当該仕掛品を不良品として取り扱うこともできるし、場合によってはリペア等を行なってその修復を行なうことも可能である。
なお、上述したモジュール工程ST200の第4工程ST204および第5工程ST205が、前述の工程(F)に相当する。
図4および図19に示すように、第6工程ST206においては、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とが、これらの間に位置する第5分離ライン150によって電気的に十分に絶縁されているか否かの分離不良検査が実施される。当該分離不良検査は、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間の絶縁抵抗値を測定することで行なわれる。
具体的には、図19に示すように、第6工程ST206においては、一対のプローブ301,302間に接続された検査対象物に対して所定の大きさの電圧を印加しつつ、その際に検査対象物に流れる電流値を測定可能な分離不良検査装置300を準備し、当該分離不良検査装置300の一対のプローブ301,302をリード線113,124の露出した端部にそれぞれ接続し、所定の電圧を印加することでその際に発生する電流値を計測し、これに基づいて絶縁抵抗値を測定する。
当該分離不良検査においては、測定された絶縁抵抗値と予め定めた閾値とを比較することにより、第5分離ライン150によって第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とが電気的に十分に絶縁されているか否かの判別が行なわれる。より具体的には、たとえば測定された絶縁抵抗値が予め定めた閾値以上である場合に、当該仕掛品が良品であると判別し、測定された絶縁抵抗値が予め定めた閾値未満である場合に、当該仕掛品が不良品であると判別する。
上記分離不良検査を実施することにより、第5分離ライン150の分離不良に起因する不良モードのうち、製造段階において既に短絡が顕在化している不良モードのみならず、製造段階において短絡が未だ顕在化しておらず、製品出荷後の使用段階において短絡が顕在化する不良モードについても、これをより確実に判別することが可能になるため、製品としての薄膜太陽電池モジュールに当該分離不良を含むものが混入することをより確実に防止できることになる。なお、不良品については、場合によってはリペア等を行なってその修復を行なうことも可能である。
ここで、上記分離不良検査において、リード線113,124間に印加される電圧の大きさは、好ましくは、単位太陽電池セル107A,107Bの1つ当たりのダイオード特性としての順方向オン電圧値に1つ分の集積セルストリングに含まれるセルの数を乗じた値以上の所定の大きさとする。その場合に、集積セルストリングに含まれる単位太陽電池セル107A,107Bの中に他のセルと比較した場合に著しく異なる特性を示すものが存在する場合には、当該異なる特性を示すセルを除外して残るセルのうちから代表的な特性を示すセルを選定し、その選定後のセルのダイオード特定としての順方向オン電圧値に1つ分の集積セルストリングに含まれるセルの数を乗じることで算出される電圧値以上の電圧値を、上述した印加すべき電圧の大きさに決定する。なお、順方向オン電圧値とは、順方向バイアス時において電流が急激に流れ易くなる電圧値のことである。
より詳細には、順方向オン電圧値は、図23を参照して以下のように決定される。ここで、図23は、単位太陽電池セルのダイオード特性としての順方向オン電圧値の決定方法を説明するためのグラフである。
単位太陽電池セルのIV特性は、横軸に電流V[V]を取り、縦軸に電流I[A]をとった場合に、典型的には図23(A)に示される如くに表わされる。当該IV特性に基づき、図23(B)に示されるように、縦軸に電流I[A]を電圧V[V]で2回微分したd2I/dV2を取ると、順方向バイアス下において当該d2I/dV2にピークが現れる。このピークが現れる際の電圧値が、単位太陽電池セルのダイオード特性としての順方向オン電圧値に決定される。
上記のように、印加する電圧の大きさを所定の大きさに調節することにより、測定される絶縁抵抗値に、単位太陽電池セル107A,107Bが有する短絡抵抗値が印加電圧が相違することによって変化してしまうことによる影響が加わることが排除できることになり、また分離不良に起因する異常発熱が生じてガラス基板100が破損したり、セル107A,107Bが発熱して破壊が生じたりすることが防止できる。また、異常発熱を抑制する観点からは、印加する電圧の大きさを必要以上に大きくしないことが重要である。
また、予め定める閾値の大きさとしては、製造する薄膜太陽電池モジュールの仕様や、分離不良検査の際に印加する電圧の大きさ、実機での不具合の状態と絶縁抵抗値との関係等を考慮して適宜設定すればよい。一例として、印加する電圧の大きさを250Vとした場合に、上記を考慮して絶縁抵抗値の閾値を100MΩ(すなわち、電流値が0A以上2.5μA以下)とすれば、分離不良の判別が高い精度で行なえることが確認されている。
また、上記分離不良検査においては、第1集積セルストリング110に接続された一対の引き出し用端子のうちから選択された一方の極性の端子と、第2集積セルストリング120に接続された一対の引き出し用端子のうちから選択された上記一方の極性とは異なる極性の端子との間に電圧が印加されればよく、したがって、上述したリード線113,124の組み合わせに代えて、リード線114,123の組み合わせを選択してこれらリード線114,123に電圧を印加することで第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間の絶縁抵抗値が測定されてもよい。
なお、上述したモジュール工程ST200の第6工程ST206が、前述の工程(C)および(D)に相当する。
図4および図20に示すように、第7工程ST207においては、リード線113,114,123,124の露出した端部に端子ボックス170Aが取付けられる。これにより、接続線171によってリード線114およびリード線123が結線されるとともに、リード線113,124がそれぞれ外部接続用の一対の出力端子(不図示)に接続される。
なお、上述したモジュール工程ST200の第7工程ST207が、前述の工程(E)に相当する。
図4および図21に示すように、第8工程ST208においては、ガラス基板100の前面(受光面)が露出するとともに、ガラス基板100の周縁およびガラス基板100の背面側に位置する封止材160が覆われるように、仕掛品にフレーム180が取付けられる。その際、端子ボックス170Aは、フレーム180の背面において露出するように当該フレーム180に取付けられる。
図4に示すように、第9工程ST209においては、電気検査が実施される。当該電気検査は、製品としての特性評価を行なうために主としてソーラシミュレータ等が用いられ、直列接続された第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120の交流微弱白色電流−直流電圧特性(いわゆるIV特性)が所望のものとなっているかといった検査等が実施される。
上述した各工程を経ることにより、図1ないし図3に示した薄膜太陽電池モジュール1Aの製造が完了する。
以上において説明したように、本実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法にあっては、端子ボックス170Aを取付ける前であって封止材160による封止を行なった後に、未だ直列接続されていない第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間の絶縁抵抗値を測定することにより、第5分離ライン150の分離不良の有無を判別可能にしている。特に、当該製造方法を採用すれば、第5分離ライン150の分離不良に起因する不良モードのうち、製造段階において既に短絡が顕在化している不良モードのみならず、製造段階において短絡が未だ顕在化しておらず、製品出荷後の使用段階において短絡が顕在化する不良モードについても、これをより確実に判別することが可能になる。
したがって、本実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法を採用することにより、非常に簡便にかつ高い精度でより確実に上記分離不良の有無を判別することが可能になり、製品としての薄膜太陽電池モジュールに当該分離不良を含むものが混入することをより確実に防止できるようになるため、高い信頼性の薄膜太陽電池モジュールを提供することが可能になる。
図22は、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法が適用される他の薄膜太陽電池モジュールの模式背面図である。次に、この図22を参照して、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法が適用される他の薄膜太陽電池モジュール1Bについて説明する。
図22に示すように、薄膜太陽電池モジュール1Bは、上述した薄膜太陽電池モジュール1Aに比べ、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に加え、さらにガラス基板100上に複数のセル107Cが直列に接続されてなる第3集積セルストリング130を備えている。第1集積セルストリング110、第2集積セルストリング120および第3集積セルストリング130は、いずれも封止材160によって封止されている。なお、その詳細な説明は省略するが、第3集積セルストリング130に含まれるセル107Cが直列に接続される態様については、既に説明した第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120におけるそれと同様の態様である。
第2集積セルストリング120と第3集積セルストリング130との間には、第5分離ライン151が設けられている。第3集積セルストリング130に含まれるセル107Cのうち、列方向の一方の端部に位置するセルに含まれる電極取り出し部107c1には、バスバー131が半田付け等によって接続されており、列方向の他方の端部に位置するセル107c2には、バスバー132が半田付け等によって接続されている。また、バスバー131の所定位置には、半田付け等によってリード線133が接続されており、バスバー132の所定位置には、半田付け等によってリード線134が接続されている。
上述したバスバー131,132と、上述したリード線133,134の上記バスバー131,132に取付けられた方の端部とは、いずれも封止材160によって封止されており、上述したリード線133,134の上記バスバー131,132に取付けられていない方の端部は、封止材160の外部に引き出されることで露出している。なお、リード線133,134の各々は、耐熱性を有する絶縁フィルムによって覆われている。
封止材160から引き出されたリード線113,114,123,124,133,134の端部は、封止材160の背面側において集められ、これら端部に端子ボックス170Bが取付けられている。端子ボックス170Bの内部においては、第1集積セルストリング110の負端子に相当するリード線114の端部と、第2集積セルストリング120の正端子に相当するリード線123の端部とが接続線171によって結線されており、第2集積セルストリング120の負端子に相当するリード線124の端部と、第3集積セルストリング130の正端子に相当するリード線133の端部とが接続線172によって結線されており、さらに第1集積セルストリング110の正端子に相当するリード線113の端部および第3集積セルストリング130の負端子に相当するリード線134の端部が、それぞれ外部接続用の一対の出力端子(不図示)に接続されている。
上記構成の薄膜太陽電池モジュール1Bの製造の際にも、上述した本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法に準じた製造方法を採用することにより、非常に簡便にかつ高い精度でより確実に上記分離不良の有無を判別することが可能になる。
すなわち、端子ボックス170Bを取付ける前であって封止材160による封止を行なった後に、リード線113とリード線124とに分離不良検査装置300(図19参照)の一対のプローブ301,302を接続することによって、未だ直列接続されていない第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間の絶縁抵抗値を測定することにより、第5分離ライン150の分離不良の有無を判別し、加えて、リード線123とリード線134とに分離不良検査装置300の一対のプローブ301,302を接続することによって、未だ直列接続されていない第2集積セルストリング120と第3集積セルストリング130との間の絶縁抵抗値を測定することにより、第5分離ライン151の分離不良の有無を判別することとすれば、非常に簡便にかつ高い精度でより確実に上記分離不良の有無を判別することができる。
以上のように、薄膜太陽電池モジュールに設けられる集積セルストリングが複数であれば、本発明に基づいた薄膜太陽電池モジュールの製造方法の適用が可能であり、集積セルストリングの数は、特に限定されるものではない。
また、上述した本発明の実施の形態においては、分離不良検査に先立って接続不良検査についても行なうように構成した場合を例示したが、接続不良検査の実施は必須ではなく、場合によってはこれを省略することとしてもよい。ただし、接続不良が発生していた場合には、これを分離不良と峻別することが困難であるため、不良原因の特定の観点からは、これを実施することが好ましい。また、接続不良検査に先立って分離不良検査を行ない、分離不良検査において不良と判別された仕掛品のみについてさらに接続不良検査を行なうこととしてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態においては、フレームを具備してなる薄膜太陽電池モジュールに本発明に係る製造方法を適用した場合を例示して説明を行なったが、当該フレームは必須の構成ではなく、フレームを具備しない薄膜太陽電池モジュールに本発明に係る製造方法を適用することも可能である。ここで、フレームを具備しない薄膜太陽電池モジュールとしては、たとえばガラス基板/透明電極層/光電変換層/裏面電極層/封止材/ガラス基板の積層体にて構成される、いわゆる合わせガラスタイプの薄膜太陽電池モジュール等が挙げられる。
なお、上述した本発明の実施の形態においては、薄膜太陽電池モジュールの具体的な製造方法を開示しつつ、当該製造方法に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明は、薄膜太陽電池モジュールの製造方法にその適用が限定されるものではなく、製造を伴わない単なる薄膜太陽電池モジュールの検査方法にも、当然にその適用が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A,1B 薄膜太陽電池モジュール、100 ガラス基板、101 透明電極層、102 第1分離ライン、103 光電変換層、104 第2分離ライン、105 裏面電極層、106 第3分離ライン、107 セルセグメント、107A,107B,107C,107a2,107b2,107c2 セル、107a1,107b1,107c1 電極取り出し部、108 第4分離ライン、110 第1集積セルストリング、111,112 バスバー、113,123 リード線、120 第2集積セルストリング、121,122 バスバー、123,124 リード線、130 第3集積セルストリング、131,132 バスバー、133,134 リード線、150,151 第5分離ライン、160 封止材、170A,170B 端子ボックス、171,172 接続線、180 フレーム、200 接続不良検査装置、201,202 プローブ、300 分離不良検査装置、301,302 プローブ。

Claims (6)

  1. 透明基板上において封止材によって封止されるとともに、分離ラインを挟んで隣り合うように配設されかつ直列に接続されてなる第1集積セルストリングおよび第2集積セルストリングを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、
    直列接続された複数のセルを含む前記第1集積セルストリングおよび直列接続された複数のセルを含む前記第2集積セルストリングのそれぞれに正端子および負端子からなる一対の引き出し用端子を接続する工程と、
    前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングに接続された前記引き出し用端子の各々の端部が前記封止材から露出した状態となるように、前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングを前記封止材によって封止する工程と、
    前記第1集積セルストリングに接続された前記一対の引き出し用端子のうちから選択された一方の極性の端子の露出した端部と、前記第2集積セルストリングに接続された前記一対の引き出し用端子のうちから選択された前記一方の極性とは異なる他方の極性の端子の露出した端部との間に電圧を印加することにより、前記第1集積セルストリングと前記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する工程と、
    測定された絶縁抵抗値と予め定めた閾値とを比較することにより、良品であるか不良品であるかを判別する工程と、
    良品であると判別された場合に、前記第1集積セルストリングに接続された負端子の露出した端部と、前記第2集積セルストリングに接続された正端子の露出した端部とを結線することにより、前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングを直列に接続する工程とを備えた、薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記第1集積セルストリングと前記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する際に印加される電圧の大きさが、前記セルの1つ当たりのダイオード特性としての順方向オン電圧値に1つ分の集積セルストリングに含まれるセルの数を乗じた値以上の大きさである、請求項1に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記第1集積セルストリングと前記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する工程に先立って、前記第1集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、前記第1集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別するとともに、前記第2集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、前記第2集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別する工程をさらに備えた、請求項1または2に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 直列接続された複数のセルを含む第1集積セルストリングおよび直列接続された複数のセルを含む第2集積セルストリングが透明基板上において封止材によって封止されるとともに、前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングのそれぞれに設けられた一対の正端子および負端子からなる引き出し用端子が前記封止材から外部に引き出された状態において、前記第1集積セルストリングに接続された前記一対の引き出し用端子のうちから選択された一方の極性の端子の露出した端部と、前記第2集積セルストリングに接続された前記一対の引き出し用端子のうちから選択された前記一方の極性とは異なる他方の極性の端子の露出した端部との間に電圧を印加することにより、前記第1集積セルストリングと前記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定し、測定された絶縁抵抗値と予め定めた閾値とを比較することにより、良品であるか不良品であるかを判別する、太陽電池モジュールの検査方法。
  5. 前記第1集積セルストリングと前記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定する際に印加される電圧の大きさが、前記セルの1つ当たりのダイオード特性としての順方向オン電圧値に1つ分の集積セルストリングに含まれるセルの数を乗じた値以上の大きさである、請求項4に記載の薄膜太陽電池モジュールの検査方法。
  6. 前記第1集積セルストリングと前記第2集積セルストリングとの間の絶縁抵抗値を測定するに先立って、前記第1集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、前記第1集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別するとともに、前記第2集積セルストリングに接続された一対の引き出し用端子の露出した端部間に定電流を印加してその際に生じる出力電圧値を取得することにより、前記第2集積セルストリングとこれに接続された一対の引き出し用端子との間に接続不良があるか否かを判別する、請求項4または5に記載の薄膜太陽電池モジュールの検査方法。
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