JP2013089792A - 薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Hiroyoshi Mizukami
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Shinya Kamimura
親也 上村
Hidenori Morimoto
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Abstract

【課題】より高い精度で不良品である薄膜太陽電池モジュールを判別する。
【解決手段】透明基板100上において封止されるとともに分離ライン150を挟んで隣り合うように形成され、正端子113および負端子124の間において直列接続された第1および第2集積セルストリング110,120を含む薄膜太陽電池モジュール1000の分離不良検査方法であって、正端子113側が正となるように試験電圧を印加し薄膜太陽電池モジュール1000の定格短絡電流値以上の電流を注入することによって、第1および第2集積セルストリング110,120の間に電位差を形成する工程と、破壊された短絡部が分離ライン150上に観察されたときには薄膜太陽電池モジュール1000が不良品であると判定し上記短絡部の位置を不良箇所として特定する工程とを備える。
【選択図】図15

Description

本発明は、薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に、高電圧を出力するシリコン系の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法に関する。
特開2002−289885号公報(特許文献1)に開示されるように、高電圧を出力するシリコン系の薄膜太陽電池モジュールが知られる。このような薄膜太陽電池モジュールは、複数の集積セルストリングを備える。複数の集積セルストリングは、分離ラインを挟んで隣り合うように形成される。複数の集積セルストリングは、直列接続された状態で、共通の透明基板上において封止される。
1つ1つの集積セルストリングは、複数の単位太陽電池セルを含む。複数の単位太陽電池セルは、直列接続されており、分離ラインが延びる方向に沿って集積される。分離ラインを挟んで互いに隣り合って形成された集積セルストリングのうち、一方の集積セルストリングにおける複数の単位太陽電池セルと、他方の集積セルストリングにおける複数の単位太陽電池セルとは、分離ラインによって互いに電気的に分離される。一方の集積セルストリングにおける単位太陽電池セルと他方の集積セルストリングにおける単位太陽電池セルとは、バスバーおよびリード線によって互いに直列接続される。
特開2004−047838号公報(特許文献2)には、薄膜太陽電池モジュールの検査方法が開示される。当該検査方法においては、薄膜太陽電池モジュールの分離ライン上に分離不良が発生しているかどうかが検査される。薄膜太陽電池モジュールの分離ライン上に分離不良が発生している場合、その薄膜太陽電池モジュールは高電圧を出力することができなくなる。
薄膜太陽電池モジュールの製造方法において薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法が実施されることによって、不良品である薄膜太陽電池モジュールが判別される。不良品である薄膜太陽電池モジュールが判別されることによって、良品である信頼性の高い薄膜太陽電池モジュールを得ることが可能となる。
特開2002−289885号公報 特開2004−047838号公報
特開2002−289885号公報(特許文献1)に開示されるように、高電圧を出力するシリコン系の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査においては、特開2004−047838号公報(特許文献2)のような薄膜太陽電池モジュールの検査方法では、当該不良箇所があっても、検出されないことがあった。また、従来の製造方法では、出力検査によるIV特性が正常と判断されたものであっても、その中には、屋外設置における検査において、分離不良による異常発熱、特性不良、または、外観不良になるような不良品と認定される薄膜太陽電池モジュールがあった。
本発明は、より高い精度で不良品である薄膜太陽電池モジュールを判別することが可能な薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法は、共通の透明基板上において封止されるとともに分離ラインを挟んで互いに隣り合うように形成され、正端子および負端子の間において直列接続された第1集積セルストリングおよび第2集積セルストリングを含む薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法であって、上記正端子および上記負端子に対して上記正端子側が正となるように試験電圧を所定の印加ランプ時間で印加し、上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングに対して上記薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流値以上の電流を注入することによって、上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングの間に電位差を形成する工程と、上記電位差によって上記分離ライン上に破壊が観察されなかったときには上記薄膜太陽電池モジュールが良品であると判定するとともに、上記電位差によって破壊された短絡部が上記分離ライン上に観察されたときには上記薄膜太陽電池モジュールが不良品であると判定し上記短絡部の位置を不良箇所として特定する工程と、を備える。
好ましくは、上記不良箇所の位置は、破壊された上記短絡部の存在が目視によって観察されることにより特定される。好ましくは、上記不良箇所の位置は、破壊された上記短絡部の発熱が観察されることにより特定される。
好ましくは、上記不良箇所の位置は、破壊された上記短絡部の発光が観察されることにより特定される。好ましくは、上記試験電圧は、20秒以上印加される。好ましくは、上記印加ランプ時間は、1秒以下である。
好ましくは、本発明に基づく上記の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法は、上記印加ランプ時間の経過後においても上記正端子および上記負端子の間の電圧が上記薄膜太陽電池モジュールにおける開放電圧相当以上の電圧値に到達しない場合、上記第1集積セルストリングおよび上記第2集積セルストリングの間の上記分離ライン上において短絡が発生していると判断するとともに、上記試験電圧の印加を停止する工程をさらに備える。
本発明に基づく薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、本発明に基づく上記の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法を含む。
本発明によれば、より高い精度で不良品である薄膜太陽電池モジュールを判別することが可能な薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供することを得ることができる。
実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法の各工程を示す図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第1工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第2工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第3工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第4工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第5工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第6工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第7工程を示す断面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第8工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のセル工程における第9工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のモジュール工程における第1工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のモジュール工程における第2工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のモジュール工程における第3工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のモジュール工程における第4工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法のモジュール工程における第5工程を示す平面図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法の各工程を示す図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法の第1工程を模式的に示す斜視図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法の第3工程を模式的に示す斜視図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法において観察された破壊後の短絡部を示す第1図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法において観察された破壊後の短絡部を示す第2図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法において観察された短絡部に対応する部分を示す図(図20に対応)である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法において観察された破壊後の短絡部を示す第3図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法において観察された短絡部に対応する部分を示す図(図22に対応)である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法の変形例を説明するための図である。 実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法が使用される他の薄膜太陽電池モジュールを示す図である。
本発明に基づいた実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
図1は、実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法ST1000の各工程を示す図である。薄膜太陽電池モジュールの製造方法ST1000は、セル工程ST100およびモジュール工程ST200を備える。
(セル工程ST100)
図1に示すように、セル工程ST100は、第1工程ST101〜第12工程ST112を含む。以下、第1工程ST101〜第12工程ST112について順に説明する。
図1および図2を参照して、第1工程ST101においては、ガラス基板100(透明基板)が準備される。ガラス基板100としては、透明性および絶縁性を有する板状のガラスが準備される。
図1および図3を参照して、第2工程ST102においては、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を使用することによって、ガラス基板100上に透明電極層101が成膜される。
図1および図4を参照して、第3工程ST103においては、たとえばレーザスクライブ法を使用することによって、透明電極層101の一部が除去される。ガラス基板100上に、複数の第1スクライブライン102が形成される。透明電極層101は、複数個に分割される。
図1および図5を参照して、第4工程ST104においては、複数個に分離された透明電極層101の上に、光電変換半導体層103が成膜される。光電変換半導体層103は、たとえばCVD法を使用することによって、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層、およびn層が順次積層されることによって形成される。
図1および図6を参照して、第5工程ST105においては、たとえばレーザスクライブ法を使用することによって、光電変換半導体層103の一部が除去される。透明電極層101上に、複数の第2スクライブライン104(コンタクトラインとも称される)が形成される。光電変換半導体層103は、複数個に分割される。
図1および図7を参照して、第6工程ST106においては、複数個に分離された光電変換半導体層103を覆うとともに第2スクライブライン104を埋めるようにして、裏面電極層105が成膜される。裏面電極層105は、たとえばCVD法を使用することによって成膜される。第2スクライブライン104が形成されていた位置に、コンタクトラインが形成される。
図1および図8を参照して、第7工程ST107においては、たとえばレーザスクライブ法を使用することによって、光電変換半導体層103および裏面電極層105の一部が除去される。透明電極層101上に、複数の第3スクライブライン106が形成される。光電変換半導体層103および裏面電極層105は、複数個に分割される。ガラス基板100上には、複数の単位太陽電池セル107が形成される。
図1および図9を参照して、第8工程ST108においては、たとえばレーザスクライブ法を使用することによって、複数の単位太陽電池セル107を囲うように第4スクライブライン108が形成される。第4スクライブライン108の形成によって、複数の単位太陽電池セル107の周囲は絶縁される。
図1および図10を参照して、第9工程ST109においては、たとえばレーザスクライブ法またはブラスト加工法を使用することによって、複数の単位太陽電池セル107(図9参照)の各々が2つに分離されるように分離ライン150が形成される。分離ライン150の形成によって、単位太陽電池セル107(図9参照)は、単位太陽電池セル107Aおよび単位太陽電池セル107Bに分離される。
ガラス基板100上には、複数の単位太陽電池セル107Aを含む第1集積セルストリング110と、複数の単位太陽電池セル107Bを含む第2集積セルストリング120とが形成される。第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120は、共通のガラス基板100上において、分離ライン150を挟んで互いに隣り合っている。
図1(および図10)を参照して、第10工程ST110においては、第1集積セルストリング110における複数の単位太陽電池セル107Aに対して、隣り合う単位太陽電池セル107A同士の間に分離不良(導通不良)が発生していないかどうかが検査される。同様に、第2集積セルストリング120における複数の単位太陽電池セル107Bに対して、隣り合う単位太陽電池セル107B同士の間に分離不良(導通不良)が発生していないかどうかが検査される。
第11工程ST111においては、分離ライン150を挟んで互いに隣り合う単位太陽電池セル107Aおよび単位太陽電池セル107Bに対して、個別に(または一括して)、絶縁抵抗が測定される。
第12工程ST112においては、ソーラーシュミレーターなどを使用することによって、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に対して交流微弱白色光電流−直流電圧特性(IV特性)が検査される。
第10工程ST110〜第12工程ST112において検査が行なわれることによって、次述するモジュール工程ST200に不良品が混入することは防止される。
(モジュール工程ST200)
図1を再び参照して、モジュール工程ST200は、第1工程ST201〜第8工程ST208を含む。
図1および図11を参照して、モジュール工程ST200の第1工程ST201においては、複数のうち一方の端部に位置する単位太陽電池セル107Aに対してバスバー111が半田付け等によって取り付けられ、複数のうち他方の端部に位置する単位太陽電池セル107Aに対して同様にバスバー112が取り付けられる。複数のうち一方の端部に位置する単位太陽電池セル107Bに対してバスバー121が取り付けられ、複数のうち他方の端部に位置する単位太陽電池セル107Bに対してバスバー122が取り付けられる。
図1および図12を参照して、第2工程ST202においては、リード線113,114,123,124が準備される。リード線113,114,123,124の各々の基端側(バスバーに取り付けられる側)の周囲は、耐熱性を有する絶縁フィルムによって覆われている。リード線113はバスバー111に取り付けられ、リード線114はバスバー112に取り付けられる。同様に、リード線123はバスバー121に取り付けられ、リード線124はバスバー122に取り付けられる。
図1および図13を参照して、第3工程ST203においては、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120が樹脂などの封止部材160(裏面保護フィルム)によって封止される。リード線113,114,123,124の先端側は、封止部材160によって封止されず、封止部材160の内部から外部に露出している。
図1および図14を参照して、第4工程ST204においては、リード線113,114,123,124の先端側に、端子箱170が取り付けられる。端子箱170の内部においては、接続配線115によって、リード線114およびリード線123同士が互いに電気接続される。
第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120は、リード線113およびリード線124の間において、互いに直列接続される。リード線113が薄膜太陽電池モジュールとしての正端子を構成し、リード線124が薄膜太陽電池モジュールとしての負端子を構成する。
図1および図15を参照して、第5工程ST205においては、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120の外周に沿ってフレーム180が取り付けられる。第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120を含む薄膜太陽電池モジュール1000が得られる。薄膜太陽電池モジュール1000が動作される際には、単位太陽電池セル107A,107Bの1つ当りの動作電圧に対して単位太陽電池セル107A,107Bの直列数を乗じた電圧が得られる。
図1を再び参照して、第6工程ST206においては、分離ライン150を挟んで互いに隣り合う単位太陽電池セル107Aおよび単位太陽電池セル107Bに対して、個別に(または一括して)、絶縁抵抗が測定される。
第7工程ST207においては、ソーラーシュミレーターなどを使用することによって、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に対して交流微弱白色光電流−直流電圧特性(IV特性)が検査される。
(薄膜太陽電池モジュール1000の分離不良検査方法)
図1および図16を参照して、第8工程ST208においては、薄膜太陽電池モジュール1000に対して分離不良検査が実施される。以下、当該分離不良検査を実施する際に使用される薄膜太陽電池モジュール1000の分離不良検査方法の各工程(第1工程ST301〜第8工程ST308)について説明する。
図16および図17を参照して、当該分離不良検査方法の第1工程ST301においては、分離不良検査装置300(図17参照)が準備される。分離不良検査装置300は、複数の薄膜太陽電池モジュール1000が載置された載置台310の近傍に配置される。
分離不良検査装置300は、観察カメラ301、支持台302、および電源装置306を含む。観察カメラ301は、たとえばサーモビューアー、または、フォトセンサーが内蔵されたカメラである。観察カメラ301は、必要に応じて用いられる。
電源装置306は、一定の電流を出力することが可能な機能を有しているとよい。電源装置306は、印加ランプ時間を設定することが可能な機能を有しているとよい。印加ランプ時間とは、電圧の印加を開始した時点と電圧が所定の設定値に到達した時点との間で経過する時間の長さである。
第2工程ST302においては、観察カメラ301が所定の位置に設置される。観察カメラ301は、支持台302の支持フレーム303,304上に薄膜太陽電池モジュール1000が載置された後、薄膜太陽電池モジュール1000の表面が観察可能なように設置される。薄膜太陽電池モジュール1000は、支持フレーム303,304によって垂直(鉛直)方向に起立するように設置されてもよい。
図16および図18を参照して、第3工程ST303においては、薄膜太陽電池モジュール1000のリード線113(正端子)と、電源装置306のプラス極307とが互いに結線される。薄膜太陽電池モジュール1000のリード線124(負端子)と、電源装置306のマイナス極308とが互いに結線される。
第4工程ST304においては、薄膜太陽電池モジュール1000のリード線113,124に対して、リード線113側が正(プラス)となるように電源装置306から所定の印加ランプ時間で試験電圧が印加される。印加ランプ時間は、たとえば1秒以下であるとよい。薄膜太陽電池モジュール1000に対しては、たとえば20秒以上、試験電圧が印加される。
試験電圧の電圧値(設定値)は、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に対して、薄膜太陽電池モジュール1000の定格短絡電流値以上の電流が注入されるように設定される。電流の注入によって、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120の間に電位差が形成される。
第5工程ST305においては、上記の電位差によって分離ライン150(図15参照)上に破壊が観察されたかどうかが観察カメラ301によって観察される。通常、分離ライン150は、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120同士の絶縁が確保されるために、導電性の物質が十分に除去されるように形成される。上記の電位差が形成されたとしても、分離ライン150上において破壊が発生することはなく、薄膜太陽電池モジュール1000は良好に動作する。したがって、上記の電位差が形成されたとしても分離ライン150(図15参照)上に破壊が観察されなかったときには、薄膜太陽電池モジュール1000は良品であると判定される(第6工程ST306)。
図19に示すように、分離ライン150(図15参照)上に破壊された短絡部200が観察されたときには、薄膜太陽電池モジュール1000は不良品であると判定される(第7工程ST307)。観察カメラ301によって、短絡部200の位置は不良箇所(座標値)として特定される(第8工程ST308)。
観察カメラ301(図18参照)としてサーモビューアーが用いられる場合、破壊された短絡部200(不良箇所)の位置は、短絡部200における発熱が観察されることにより特定される。図19は、サーモビューアーによって観察された短絡部200における発熱の様子(温度分布)を示している。短絡部200の大きさは、極めて小さい場合もある。このような場合、短絡部200の存在は目視によっては観察されにくい。短絡部200における発熱がサーモビューアーによって観察されることにより、不良箇所は容易に特定されることが可能となる。
観察カメラ301としてフォトセンサーが内蔵されたカメラが用いられる場合、破壊された短絡部200(不良箇所)の位置は、短絡部200における発光が観察されることにより特定される。
図20に示すように、極めて小さな短絡部201が形成される場合もある。短絡部201の存在は、目視によっては観察されにくい。短絡部201からの発光がフォトセンサーを内蔵するカメラによって観察されることにより、不良箇所は容易に特定されることが可能となる。
(作用・効果)
太陽電池モジュールの製造方法ST1000(図1参照)においては、絶縁検査(第6工程ST206)および出力検査(第7工程ST207)に加えて、分離不良検査(第8工程ST208)が薄膜太陽電池モジュール1000に対して実施される。
薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法(第1工程ST301〜第8工程ST308)が使用されることによって、不良品である薄膜太陽電池モジュールはより高い精度で判別されることが可能となる。したがって、実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法およびこれを備えた薄膜太陽電池モジュールの製造方法によれば、出力検査によるIV特性は正常であっても、屋外設置後に分離不良による異常発熱、特性不良、または、外観不良になるような不良品である薄膜太陽電池モジュールが判別されることによって、良品である信頼性の高い薄膜太陽電池モジュールを得ることが可能となる。
実施の形態においては、分離不良検査(第8工程ST208)が、出力検査(第7工程ST207)の後に実施される。分離不良検査(第8工程ST208)は、封止後の第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に対して端子箱が取り付けられ(第4工程ST204)、その後、薄膜太陽電池モジュール1000としての出力が取り出せることが可能な形態となっていれば、絶縁検査(第6工程ST206)の前に実施されてもよいし、出力検査(第7工程ST207)の前に実施されてもよい。
図21は、分離不良検査(第8工程ST208)が実施される前の図20の短絡部201に対応する部分を示す図である。図20に示すように、短絡部201が形成される前の分離ライン150上には、微細な異物202が存在していることが確認されている。
異物202が存在しているにも関わらず、この薄膜太陽電池モジュールは、絶縁検査(第6工程ST206)および出力検査(第7工程ST207)では不良品と判定されなかった。異物202は、分離不良検査(第8工程ST208)を実施する前に、顕微鏡観察によって試験的に発見したものである。異物202をEDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)によって分析したところ、異物202は、太陽電池を構成する成分と同様のものであった。一般的な出力検査(IVシュミレーター)では、パルス光源が用いられ、掃引時間が1秒以下の電圧が印加される。異物202のように小さな異物が存在している場合、発熱量が不足するため、当該不良モジュールにおいては短絡部として破壊に至らず不良品として判定されにくい。
このため、異物202が存在しているにも関わらず、絶縁検査(第6工程ST206)および出力検査(第7工程ST207)において良品と判定される場合がある。このような薄膜太陽電池モジュールが製品として出荷された後、屋外に設置されたとする。初期不良こそ発生しにくいが、薄膜太陽電池モジュールとしての使用の早い段階で、異物202に起因する劣化が(真の良品に比べて)速く進行する。異常発熱、特性不良、または、外観不良などが発生し、その太陽電池モジュールの出力は早期に低下するとともに、その太陽電池モジュールは交換されたり修理されたりする必要が生じる。
これに対して、太陽電池モジュールの製造方法ST1000(図1参照)においては、絶縁検査(第6工程ST206)および出力検査(第7工程ST207)に加えて、分離不良検査(第8工程ST208)が薄膜太陽電池モジュール1000に対して実施される。不良品である薄膜太陽電池モジュールはより高い精度で判別され、設置後に太陽電池モジュールが交換されたり修理されたりするという機会を効果的に減らすことが可能となる。
図22は、分離不良検査(第8工程ST208)が薄膜太陽電池モジュール1000に対して実施された結果、短絡部203が観察された様子を示す図である。短絡部203は、分離ライン150を跨ぐように広がっている。短絡部203の周囲においては、封止部材160が焼け焦げている。封止部材160(裏面保護フィルム)は、短絡部203における発熱によって膨れ上がるとともに、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120から剥離している。
図23は、分離不良検査(第8工程ST208)が実施される前の図22の短絡部203に対応する部分を示す図である。図22の縮尺は、図23の約1/15である。図23に示すように、短絡部203が形成される前の分離ライン150上には、微細な異物204が存在している。短絡部203(図22参照)の発生は、この異物204に起因しているものと考えられる。
図22に示す短絡部203のように、短絡部203が目視で観察可能な程度に形成される場合もある。このような場合、薄膜太陽電池モジュール1000における不良箇所は、観察カメラ301を用いることなく、破壊された短絡部203の存在が目視によって観察されることにより特定されることができる。
上述のとおり、試験電圧の印加ランプ時間は、1秒以下であるとよい。試験電圧の印加ランプ時間が1秒よりも長い場合、短絡部において破壊が発生するが、破壊は微少な範囲にとどまり、目視、または、サーモビューアー等で確認しにくい場合がある。
上述のとおり、薄膜太陽電池モジュール1000に対しては、20秒以上、試験電圧が印加されるとよい。サーモビューアーで2℃以上の発熱が確認されやすくなるとともに、短絡部における破壊が観察し易くなる。
短絡の発生後に通電し続けると、発熱によってガラス基板100が割れたり、封止部材160の破壊が進行し続けたりする。短絡部が観察された直後には、20秒の経過を待たずに試験電圧の印加は停止されるとよい。
上述のとおり、試験電圧の電圧値(設定値)は、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に対して、薄膜太陽電池モジュール1000の定格短絡電流値以上の電流が注入されるように設定される。試験電圧の電圧値(設定値)は、薄膜太陽電池モジュール1000の定格短絡電流値の50%以上であってもよいが、破壊されるべき短絡部が形成されない場合、または、破壊されたとしても目視若しくはサーモビューアー等で確認できない場合がある。
図24を参照して、試験電圧を薄膜太陽電池モジュール1000に対して印加した後、リード線113およびリード線124の間の電圧が測定(モニタリング)されるとよい。印加ランプ時間の経過後においてもリード線113およびリード線124の間の電圧が、薄膜太陽電池モジュール1000における開放電圧相当以上の電圧値に到達しない場合がある。この場合、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120の間の分離ライン150上において短絡が発生していると判断するとともに、試験電圧の印加を停止するとよい。ガラス基板100が割れたりすることは抑制される。
不良品の特定および不良箇所の特定は、目視観察、発熱観察、発光観察、または電圧値観察のうちのいずれか1つによって行なわれてもよいが、いずれかの組合せによって行なわれることが好ましく、これらのすべてによって行なわれることがさらに好ましい。
図25を参照して、薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査としては、薄膜太陽電池モジュール2000の製造方法において実施されてもよい。薄膜太陽電池モジュール2000は、第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120に加えて、複数の単位太陽電池セル107Cからなる第3集積セルストリング130を備える。
第2集積セルストリング120および第3集積セルストリング130同士の間には、分離ライン150に対応する分離ライン151が設けられる。第1集積セルストリング110、第2集積セルストリング120、および第3集積セルストリング130は、分離ライン150,151によって分離された状態で、直列接続される。
第3集積セルストリング130においては、複数のうち一方の端部に位置する単位太陽電池セル107Cに対してバスバー131が半田付け等によって取り付けられ、複数のうち他方の端部に位置する単位太陽電池セル107Cに対して同様にバスバー132が取り付けられる。バスバー131にはリード線133が取り付けられ、バスバー132にはリード線134が取り付けられる。
リード線133は、端子箱170の内部において接続配線125によってリード線124と接続される。薄膜太陽電池モジュール2000においては、リード線113が薄膜太陽電池モジュールとしての正端子を構成し、リード線134が薄膜太陽電池モジュールとしての負端子を構成する。
薄膜太陽電池モジュール2000の製造方法においても、上記と同様の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査が実施されることによって、不良品である薄膜太陽電池モジュールが判別され、良品である信頼性の高い薄膜太陽電池モジュールを得ることが可能となる。
薄膜太陽電池モジュール1000はいわゆる2直列の集積セルストリングを含む。薄膜太陽電池モジュール2000はいわゆる3直列の集積セルストリングを含む。本実施の形態における製造方法および分離不良検査方法としては、4以上に直列された集積セルストリングを含む太陽電池モジュールに対しても適用されることが可能である。
[実施例1]
セル工程ST100(図1参照)の分離不良検査(第10工程ST110)において良品と判定されているものの中から、樹脂封止工程(第3工程ST203)の後であって端子箱170(図14参照)を取り付ける工程(第4工程ST204)の前に、いくつかの薄膜太陽電池モジュールを抜き出した。
抜き出した複数の薄膜太陽電池モジュールの各々に対して、隣り合う集積セルストリング間の分離ラインにおける絶縁抵抗を検査した。絶縁抵抗が不良と判定された薄膜太陽電池モジュールに端子箱170を取り付けて、薄膜太陽電池モジュールとした。
この薄膜太陽電池モジュールを、垂直に設置されるパレット上に載置した。表面を観察できる位置にサーモビューアーを設置した。この薄膜太陽電池モジュールの正端子に電源装置306(図18参照)のプラス極を結線し、この薄膜太陽電池モジュールの負端子に電源装置306(図18参照)のマイナス極を結線した。
結線を確認したのち、電源装置306を操作し、正端子が正となるように薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の一定電流を20秒間流した。電流を流したところ、分離ライン付近で発光し、単位太陽電池セルが破壊し、封止部材が溶けた(変質した)。薄膜太陽電池モジュールを封止しているバックシート(裏面保護フィルム)には、封止部材の分解による膨張と推定されるふくらみが発生した(図22参照)。
このとき、印加電圧は、薄膜太陽電池モジュールの開放電圧以下の値で変動した。サーモビューアーによれば、当該不良箇所において、当該不良箇所の周辺よりも2℃以上の温度上昇が確認された。この2℃以上の温度上昇が確認された時点で不良と判断し、検査を中断した。検査終了後には、当該不良モジュールはすべて、異物が包含されている箇所で破壊していることが目視で確認された。薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の一定電流を20秒間流した場合、目視およびサーモビューアーによって、不良品を特定可能であることがわかる。
[実施例2]
上述の実施例1と同様に、セル工程ST100(図1参照)の分離不良検査(第10工程ST110)において良品と判定されているものの中から、樹脂封止工程(第3工程ST203)の後であって端子箱170(図14参照)を取り付ける工程(第4工程ST204)の前に、いくつかの薄膜太陽電池モジュールを抜き出した。
抜き出した複数の薄膜太陽電池モジュールの各々に対して、隣り合う集積セルストリング間の分離ラインにおける絶縁抵抗を検査した。絶縁抵抗が不良と判定された薄膜太陽電池モジュールに端子箱170を取り付けて、薄膜太陽電池モジュールとした。
薄膜太陽電池モジュールに対して、薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流の10%以下の電流が流れる状態を保持した。破壊された短絡部は、薄膜太陽電池モジュールの表面から目視では確認できなかった。サーモビューアーによっても、発熱は観察されなかった。この薄膜太陽電池モジュールから端子箱を取り外し、隣り合う集積ストリング間の絶縁抵抗を検査したところ、正常値となった。
この薄膜太陽電池モジュールに対して詳細な解析を行ったところ、顕微鏡下では、微小な痕跡が確認できた。この微小な痕跡が形成された箇所においては、封止部材が分解して黒く変色していた。発熱量が少なく、破壊が小さい範囲にとどまったと考えられる。薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流の10%以下の電流が流れる状態を保持した場合、目視およびサーモビューアーによっては、不良品を特定しにくい場合があることがわかる。
[実施例3]
上述の実施例1,2と同様に、セル工程ST100(図1参照)の分離不良検査(第10工程ST110)において良品と判定されているものの中から、樹脂封止工程(第3工程ST203)の後であって端子箱170(図14参照)を取り付ける工程(第4工程ST204)の前に、いくつかの薄膜太陽電池モジュールを抜き出した。
抜き出した複数の薄膜太陽電池モジュールの各々に対して、隣り合う集積セルストリング間の分離ラインにおける絶縁抵抗を検査した。絶縁抵抗が不良と判定された薄膜太陽電池モジュールに端子箱170を取り付けて、薄膜太陽電池モジュールとした。
薄膜太陽電池モジュールに対して、薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の電流が流れる状態を1秒間保持した。破壊された短絡部は、薄膜太陽電池モジュールの表面から目視では確認できなかった。この薄膜太陽電池モジュールから端子箱を取り外し、隣り合う集積ストリング間の絶縁抵抗を検査したところ、正常値となった。
この薄膜太陽電池モジュールに対して詳細な解析を行ったところ、顕微鏡下では、微小な痕跡が確認できた。この微小な痕跡が形成された箇所においては、封止部材が分解して黒く変色していた。発熱量が少なく、破壊が小さい範囲にとどまったと考えられる。薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の電流が流れる状態を1秒間(20秒以下)保持した場合、不良品を特定しにくい場合があることがわかる。
[実施例4]
上述の実施例1〜3と同様に、セル工程ST100(図1参照)の分離不良検査(第10工程ST110)において良品と判定されているものの中から、樹脂封止工程(第3工程ST203)の後であって端子箱170(図14参照)を取り付ける工程(第4工程ST204)の前に、いくつかの薄膜太陽電池モジュールを抜き出した。
抜き出した複数の薄膜太陽電池モジュールの各々に対して、隣り合う集積セルストリング間の分離ラインにおける絶縁抵抗を検査した。絶縁抵抗が不良と判定された薄膜太陽電池モジュールに端子箱170を取り付けて、薄膜太陽電池モジュールとした。
薄膜太陽電池モジュールに対して、薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の電流が流れる状態を1秒間保持した。この時の印加ランプ時間は、2秒間に設定した。破壊された短絡部は、薄膜太陽電池モジュールの表面から目視では確認できなかった。この薄膜太陽電池モジュールから端子箱を取り外し、隣り合う集積ストリング間の絶縁抵抗を検査したところ、正常値となった。
この薄膜太陽電池モジュールに対して詳細な解析を行ったところ、顕微鏡下では、微小な痕跡が確認できた。この微小な痕跡が形成された箇所においては、封止部材が分解して黒く変色していた。発熱量が少なく、破壊が小さい範囲にとどまったと考えられる。薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の電流が流れる状態を1秒間保持し、その際の印加ランプ時間を2秒間に設定した場合、不良品を特定しにくい場合があることがわかる。
[実施例5]
上述の実施例1〜4と同様に、セル工程ST100(図1参照)の分離不良検査(第10工程ST110)において良品と判定されているものの中から、樹脂封止工程(第3工程ST203)の後であって端子箱170(図14参照)を取り付ける工程(第4工程ST204)の前に、いくつかの薄膜太陽電池モジュールを抜き出した。
抜き出した複数の薄膜太陽電池モジュールの各々に対して、隣り合う集積セルストリング間の分離ラインにおける絶縁抵抗を検査した。絶縁抵抗が不良と判定された薄膜太陽電池モジュールに端子箱170を取り付けて、完成品とした。
薄膜太陽電池モジュールに対して、薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の電流が流れる状態を20秒間保持した。この時の印加ランプ時間は、2秒間に設定した。破壊された短絡部は、薄膜太陽電池モジュールの表面から目視では確認できなかった。この薄膜太陽電池モジュールから端子箱を取り外し、隣り合う集積ストリング間の絶縁抵抗を検査したところ、正常値となった。
この薄膜太陽電池モジュールに対して詳細な解析を行ったところ、顕微鏡下では、微小な痕跡が確認できた。この微小な痕跡が形成された箇所においては、封止部材が分解して黒く変色していた。発熱量が少なく、破壊が小さい範囲にとどまったと考えられる。薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流以上の電流が流れる状態を20秒間保持し、その際の印加ランプ時間を2秒間に設定した場合、不良品を特定しにくい場合があることがわかる。
[実施例6]
セル工程ST100(図1参照)の分離不良検査(第10工程ST110)において良品と判定されているもの1000枚に対して、分離不良検査工程(図1における第8工程ST208)を、モジュール工程ST200における出力検査工程(図1における第7工程ST207)の後に実施した。
印加電流は、セル工程ST100にて測定された短絡電流とした。その際の印加ランプ時間は1秒とし、印加時間は20秒とした。サーモビューアーの温度上昇の閾値は、2℃に設定した。2℃以上の温度上昇箇所がある場合、その薄膜太陽電池モジュールを不良と判断し、検査を中断して当該モジュールを排出した。また、印加電圧の変動値をセル工程ST100にて測定された開放電圧とした。印加ランプ時間の終了後、開放電圧に到達していない場合、不良と判断し、検査を中断して当該モジュールを排出した。
検査中は、目視での外観検査を実施し、単位太陽電池セルの破壊が観察された場合は不良と判断し、検査を中断して当該モジュールを排出した。検査終了後においては、目視での外観検査を実施し、単位太陽電池セルの破壊が観察された場合不良と判断し、当該モジュールを排出した。
本実施例における薄膜太陽電池モジュールの製造方法を実施したところ、0.07%の不良モジュールが特定された。当該不良モジュールはすべて分離ライン上で短絡部が破壊し、その不良箇所は目視で確認することができた。良品と判定された薄膜太陽電池モジュールを屋外設置したところ、早期に故障する不良モジュールはなかった。
以上、本発明に基づいた実施の形態および各実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および各実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 ガラス基板、101 透明電極層、102 第1スクライブライン、103 光電変換半導体層、104 第2スクライブライン、105 裏面電極層、106 第3スクライブライン、107,107A,107B,107C 単位太陽電池セル、108 第4スクライブライン、110 第1集積セルストリング、111,112,121,122,131,132 バスバー、113,114,123,124,133,134 リード線、115,125 接続配線、120 第2集積セルストリング、130 第3集積セルストリング、150,151 分離ライン、160 封止部材、170 端子箱、180 フレーム、200,201,203 短絡部、202,204 異物、300 分離不良検査装置、301 観察カメラ、302 支持台、303,304 支持フレーム、306 電源装置、307 プラス極、308 マイナス極、310 載置台、1000,2000 薄膜太陽電池モジュール、ST100 セル工程、ST101,ST201,ST301 第1工程、ST102,ST202,ST302 第2工程、ST103,ST203,ST303 第3工程、ST104,ST204,ST304 第4工程、ST105,ST205,ST305 第5工程、ST106,ST206,ST306 第6工程、ST107,ST207,ST307 第7工程、ST108,ST308 第8工程、ST208 第8工程(薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法)、ST109 第9工程、ST110 第10工程、ST111 第11工程、ST112 第12工程、ST200 モジュール工程、ST1000 薄膜太陽電池モジュールの製造方法。

Claims (8)

  1. 共通の透明基板上において封止されるとともに分離ラインを挟んで互いに隣り合うように形成され、正端子および負端子の間において直列接続された第1集積セルストリングおよび第2集積セルストリングを含む薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法であって、
    前記正端子および前記負端子に対して前記正端子側が正となるように試験電圧を所定の印加ランプ時間で印加し、前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングに対して前記薄膜太陽電池モジュールの定格短絡電流値以上の電流を注入することによって、前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングの間に電位差を形成する工程と、
    前記電位差によって前記分離ライン上に破壊が観察されなかったときには前記薄膜太陽電池モジュールが良品であると判定するとともに、前記電位差によって破壊された短絡部が前記分離ライン上に観察されたときには前記薄膜太陽電池モジュールが不良品であると判定し前記短絡部の位置を不良箇所として特定する工程と、を備える、
    薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  2. 前記不良箇所の位置は、破壊された前記短絡部の存在が目視によって観察されることにより特定される、
    請求項1に記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  3. 前記不良箇所の位置は、破壊された前記短絡部の発熱が観察されることにより特定される、
    請求項1または2に記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  4. 前記不良箇所の位置は、破壊された前記短絡部の発光が観察されることにより特定される、
    請求項1から3のいずれかに記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  5. 前記試験電圧は、20秒以上印加される、
    請求項1から4のいずれかに記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  6. 前記印加ランプ時間は、1秒以下である、
    請求項1から5のいずれかに記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  7. 前記印加ランプ時間の経過後においても前記正端子および前記負端子の間の電圧が前記薄膜太陽電池モジュールにおける開放電圧相当以上の電圧値に到達しない場合、前記第1集積セルストリングおよび前記第2集積セルストリングの間の前記分離ライン上において短絡が発生していると判断するとともに、前記試験電圧の印加を停止する工程をさらに備える、
    請求項6に記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の薄膜太陽電池モジュールの分離不良検査方法を含む、
    薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101780771B1 (ko) 2016-07-07 2017-09-21 주성엔지니어링(주) 박막형 태양전지

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