JP2013096978A - 高効率ソーラー発電装置 - Google Patents

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尚志 宇都宮
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Abstract

【課題】 安価で高効率なソーラー発電装置を提供する。
【解決手段】 太陽光線に対し、複数のダイクロイックフィルター・ミラーを用い、バンドギャップ帯域毎に分光し、それぞれの周波数帯域にマッチした太陽電池パネルへ光を導き発電を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽光の面分光および高効率なソーラー発電装置に関するものである。
太陽光発電は大きな設置面積を必要とするため少しでも高い光電変換効率が求められる。
高い光電変換効率の実現に際し、太陽電池の損失の中で大きな割合を占めるのは透過損失と量子損失である(図11)。
これに対し、技術開発トレンドは「量子効果を利用する量子ドット型,化合物多接合型,複数の薄膜を使う薄膜多接合型」といった技術を用い、高い光電変換効率の太陽電池を目指している(図12)。
共通するのは,これまで利用できていなかった幅広い波長の光を余すことなく使う点である。
しかし、技術面・コスト面で普及時期は遠い未来になると思われる。
従来のピュア太陽電池は生産性が高く低コストであるが、透過損失(バンドギャップ以下のエネルギーの長波長光は変換できず透過する)そして量子損失(バンドギャップを超えるエネルギーの短波長光では損失を生じる)により入射光エネルギーの約50%が無効となっていた。
本発明は、「量子効果の利用,多接合化,新材料の採用」等の高価な素材を用いることなく入射光エネルギーを有効活用し、高い光電変換効率を実現することを課題とする。
本発明は、入射光を複数のダイクロイックフィルター(入射角をもつのでダイクロイックミラーでよいが反射光・透過光とも利用する為、名称ダイクロイックフィルターに統一)と全反射ミラーによりバンドギャップ帯域毎に分光し、それぞれの周波数帯域にマッチしたソーラーパネルにて発電することを特徴とする。
本発明は、少なくとも1つ以上のダイクロイックフィルターと1つの全反射ミラーにより入射光を周波数帯域毎に傾きを変えて分光を行う。
好ましくは上記実施形態において、分光ユニットの構成を縦横のアレイ状に配置することにより大きな「面分光」を実現する。
上記実施形態において、面分光周波数帯域毎はバンドギャップに応じたソーラーパネルに導かれるよう傾きを決定する。
これにより入射光は分光帯域毎に最適化したバンドギャップをもつソーラーパネルで発電することとなり「透過損失・量子損失」とも格段に改善され、高い電変換効率が実現可能となる。
さらに好ましくは、上記実施形態において外部のミラー群(高さ方向同じ,水平方向に複数配置,太陽ホーミング機能有するもの)にて集光し、当高効率ソーラー発電装置にて効率的に発電を行う。
これにより、発電コストパフーマンスは非常に高いものとなる。
以下、本発明の基本原理を実施例1をもって説明する。
入射光に対し、最初のダイクロイックフィルター反射面1の特性(例:600nm)より短い帯域の光は、傾き1aに従いソーラーパネル11に導かれる。
ソーラーパネル11材料をたとえばGaInPにした場合、バンドギャップ1.95eVと高く最小の量子損失において大きな電圧を発生する。
尚、紫外線域のガラス吸収損失を最小とするため、1つ目の反射面はバンドギャップ高いソーラーパネル順に対応する設計が好ましい。
2つ目のダイクロイックフィルター反射面2の特性(例:1100nm)より短い帯域の光は、傾き2aに従いソーラーパネル12に導かれる。
ソーラーパネル12材料をたとえば安価でもあるSi結晶にした場合、バンドギャップ11eVであり、配光(例:600〜1100nm帯域の光)から効率よく電力を発生する。
3つ目の全反射ミラー反射面3は、反射面2から透過した光(例:1100nmより長い帯域の光)を傾き3aによりソーラーパネル13に導く。
ソーラーパネル13材料をたとえば非常に小さなバンドギャップ0.7eVをもつInGaAsにした場合、ソーラーパネル13は反射面2から透過したエネルギーの低い光においても、多くは透過損失することなく電力発生に寄与する。
尚、本発明の基本原理は、ダイクロイックフィルターから配光するエネルギー ≧ ソーラーパネルのバンドギャップ特性とすることが肝であり、ソーラーパネル材料,ダイクロイックフィルター特性を指定するものではない。
次に、実施例1で説明した原理を基にダイクロイックフィルター4など、光学素子のサイズ的制約を回避し、実用的な発電規模にした実施例を図3,4を用い説明する。
分光ユニット6をZ方向に配列し、分光ユニットアレイ7を構成する。さらに分光ユニットアレイ7を縦に並べ、より大きな面分光を実現する。
この時そのまま縦に並べると、図8の迷光104が生じ効率が悪化する。
効率悪化を防ぐため、分光ユニットアレイ奇数列7aと分光ユニットアレイ偶数列7bに分け、分光に迷光104が発生しないよう縦に千鳥配置する。
上記、分光ユニットアレイ奇数列7aおよび分光ユニットアレイ偶数列7bの反射面は、個々に目的に合った傾きに調整する。
(傾き1a)により、分光101(短波長)を図5複合ソーラーストリング10のソーラーパネル11へ重なり無く、もしくは均等に配光する。
(傾き2a)により、分光102(中間波長)を図6複合ソーラーストリング10のソーラーパネル12へ重なり無く、もしくは均等に配光する。
(傾き3a)により、分光103(長波長)を図7複合ソーラーストリング10のソーラーパネル13へ重なり無く、もしくは均等に配光する。
以上により、ダイクロイックフィルター4の物理的サイズにとらわれることなく規模の大きい高効率ソーラー発電装置8を実現する。
次に、本発明の規模を大きくした実施例を図9,10に基き説明する。
上記、高効率ソーラー発電装置8に対し、光軸同じ高さに設置するホーミングミラー群9より集光したY方向入射角均一の反射太陽光100aを導く。
図10の通り、複合ソーラーストリング10に届く分光はZ方向に広がるため、複合ソーラーストリング10の幅は、分光ユニットアレイ7より大きく設計する。
これにより単位面積辺りの発電量、および設備費辺りの発電コストを大きく改善する。
分光ユニットを示す模式図である 分光原理を示す模式図である 分光ユニットアレイを示す模式図である 高効率ソーラー発電装置の模式図である 複合ソーラーストリング・ソーラーパネル11への分光を示す模式図である 複合ソーラーストリング・ソーラーパネル12への分光を示す模式図である 複合ソーラーストリング・ソーラーパネル13への分光を示す模式図である 分光ユニットアレイの千鳥配置の有効性を示す模式図である 高効率ソーラー発電装置にミラー集光を用いた実施形態の模式図である 高効率ソーラー発電装置にミラー集光を用いた上面からの模式図である ソーラーパネルの阻害要因を表す図である エアマスAM1.5と、材料固有のバンドギャップを表す図である 将来の高効率ソーラーパネルを表す図である ダイクロイックミラーの特性例である
1 反射面(例:600nm)
1a 傾き
2 反射面(例:1100nm)
2a 傾き
3 反射面(全波長反射)
3a 傾き
4 ダイクロイックフィルター
5 全反射ミラー
6 分光ユニット
7 分光ユニットアレイ
7a 分光ユニットアレイ(奇数列)
7b 分光ユニットアレイ(偶数列)
8 高効率ソーラー発電装置
9 ホーミングミラー群
10 複合ソーラーストリング
11 ソーラーパネル(バンドギャップ大)
12 ソーラーパネル(バンドギャップ中)
13 ソーラーパネル(バンドギャップ小)
100 太陽光
100a 反射太陽光
101 分光(短波長)
102 分光(中間波長)
103 分光(長波長)

Claims (4)

  1. 入射光を1つ以上のダイクロイックフィルターと全反射ミラーで構成され、ソーラーパネル材料バンドギャップ帯域毎に分光し、それぞれの分光周波数帯域に応じたソーラーパネルへ配光する分光ユニット。
  2. 請求項1記載の分光ユニットを用い、横方向に配列配置し、縦方向は偶数・奇数列に千鳥配置することで迷光なく面分光を可能とする分光装置。
  3. 請求項2記載の分光装置を用い、その分光の配光先ソーラーパネルが高い光電変換効率を発揮することを特徴とするソーラー発電装置。
  4. ホーミングミラー群にて集光したY方向に入射角均一の反射太陽光にて、規模の大きな発電を可能とする請求項3のソーラー発電装置。
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