JP2013083030A - 湿紙搬送用ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロールによる湿紙搬送用ベルトの送り速度を高速としても水マークが抄紙された紙に現れることのない湿紙搬送用ベルトの提供。
【解決手段】 湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)を、ロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が10%〜75%、表面粗さRaが50〜150μmである表面構造とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、抄紙機に使用される湿紙搬送用ベルト(トランスファーベルトとも呼ばれる)に関する。
紙の原料から水分を除去する抄紙機は、一般的にワイヤーパートとプレスパートとドライヤーパートとを備えている。これらワイヤーパート、プレスパートおよびドライヤーパートは、湿紙の搬送方向に沿ってこの順番に配置されている。
抄紙機には、オープンドローにて湿紙の受渡しを行うタイプのものがある。このオープンドロー抄紙機のプレスパートでは、湿紙がフェルトやベルトなどの抄紙用具、あるいはロールの何れにも支持されない箇所、即ち湿紙が単独で走行する箇所が存在し、その箇所で「紙切れ」などの問題が発生しやすい。この問題は、抄紙機を高速運転すればそのリスクは高まり、それゆえ、オープンドロー抄紙機の高速運転化にはある程度の限界があった。
このため、近年では、クローズドドローにて湿紙の受渡しを行うタイプが主流となっている。このクローズドドロー抄紙機のプレスパートでは、湿紙は、抄紙用フェルトあるいは湿紙搬送用ベルトに載置された状態で搬送されるため、オープンドロー抄紙機のように湿紙が単独で走行する箇所が存在しない。その結果、抄紙機の更なる高速運転化が可能となり、また、操業の安定化にもつながっている。
ここで、図3を用いてクローズドドロー抄紙機のプレスパートの一例を詳しく説明する。
抄紙パートは、抄紙工程における前パートであるワイヤーパートと、その後段に位置するプレスパート、更にその後段に位置するドライヤーパートがこの順で湿紙の搬送方向に沿って設置される。図3のプレスパートは、2つのプレス装置を有するクローズドドロー抄紙機の一例であって、トップロール(1a)とボトムロール(1b)とで形成される1番プレス装置(1P)と、トップロール(2a)とボトムロール(2b)とで形成される2番プレス装置(2P)がプレスパートの個々のプレス装置として、湿紙の搬送方向に沿って直列に並設形成されている。
上記クローズドドロー抄紙機の例では複数枚(図3ではPUF、1PBF、2PTFの3枚)の抄紙用フェルトが使用され、通常は、湿紙(WW)をワイヤーパート(WF)から受取り、1番プレス装置(1P)のトップロール側で使用されるピックアップフェルト(PUF)、湿紙(WW)をピックアップフェルト(PUF)から受取り、1番プレス装置(1P)のボトムロール側で使用される1Pボトムフェルト(1PBF)、および湿紙(WW)を前記1Pボトムフェルト(1PBF)から受取り、2番プレス装置(2P)のトップロール側で使用される2Pトップフェルト(2PTF)が使用される。また、湿紙搬送用ベルト(TFB)は、湿紙(WW)を2Pトップフェルト(2PTF)から受取り、2番プレス装置(2P)のボトムロール側で使用される。湿紙搬送用ベルト(TFB)を2番プレス装置(2P)のトップロール側で使用してもよいが、この場合、湿紙から水を搾水する観点から、2番プレス装置(2P)のボトムロール側には抄紙用フェルトが使用される。
これらの抄紙用フェルト(PUF、1PBF、2PTF)は、補強繊維基材の片面あるいは両面にバット繊維がニードリングされ、また、湿紙搬送用ベルト(TFB)は、補強繊維基材の少なくとも湿紙接触面にポリマー樹脂が積層された、無端状の帯状体であり、図3に示すようにガイドロール(GR)、サクションロール(SR)で支持されている。
なお、プレス装置においては、トップロール(1aまたは2a)とボトムロール(1bまたは2b)のいずれか一方にシュープレス装置を形成した抄紙機もあり、このようなプレス装置にシュープレス装置が形成されている抄紙機では、シュープレス装置側に抄紙用フェルトを使用し、シュープレス装置に対向するロール側に湿紙搬送用ベルトが使用される。また、プレスパートに配置されるプレス装置の数は上記一例で示した2つのものに限定されず、1つのもの、あるいは3つ以上配置されていてもよい。
図3の例では、湿紙(WW)は、1番プレス装置(1P)および2番プレス装置(2P)によって搾水される。ここで2番プレス装置(2P)に着目すると、2番プレス装置(2P)で使用される2Pトップフェルト(2PTF)は透水性があるのに対し、湿紙搬送用ベルト(TFB)は透水性がない。よって2番プレス装置(2P)において、湿紙(WW)からの水分は、2Pトップフェルト(2PTF)に移行し、プレス装置系外に排出されるが、一部の水分は2Pトップフェルト内部に残る。
2番プレス装置(2P)のプレス部を脱した直後においては、2Pトップフェルト(2PTF)、湿紙搬送用ベルト(TFB)およびそれらに挟持される湿紙(WW)は、急激に圧力から開放されるため、体積が膨張する。この膨張と、湿紙(WW)を構成するパルプ繊維の毛細管現象とにより、2Pトップフェルト(2PTF)内に残存する一部の水分が、湿紙(WW)へと移行してしまう、いわゆる、再湿現象が生じる。
しかし、前述のように、湿紙搬送用ベルト(TFB)は透水性がないため、湿紙接触面のポリマー樹脂内部に水分を保持することはない。よって、湿紙搬送用ベルト(TFB)からの再湿現象は殆ど発生せず、湿紙搬送用ベルト(TFB)は、湿紙の搾水効率向上に寄与する。なお、プレス部(2P)を脱した湿紙(WW)は、湿紙搬送用ベルト(TFB)により搬送され、サクションロール(SR)を介したドライヤーファブリック(DF)に移行し、ドライヤーパートへと搬送される。
ここで、湿紙搬送用ベルトは、抄紙する工程において、以下の重要な機能を果たす必要がある。
1)湿紙搬送用ベルト湿紙側表面における、湿紙の密着性および剥離性。
2)プレス装置における抄紙用フェルトとの協働性。
3)クローズドドローにおける安定した走行性およびその持続性。
上記機能を果たすために、従来から種々の湿紙搬送用ベルトが提案されている。
例えば、米国特許第7722741号明細書(特許文献1)は、湿紙接触側面とロール側面を有する不透過ポリマー層によって形成された湿紙搬送用ベルトにおいて、そのロール側面の表面構造が、多孔質構造あるいは表面粗さRa(算術平均粗さ)が3〜40μmの粗さを有する、湿紙搬送用ベルトを開示する。上記表面構造は、プレス装置による加圧下において、多孔質構造が維持されるように溝や突起が形成され、この結果ロール側面に作用する流体に対する受容力が形成されることで、ハイドロプレーニング現象に由来する、湿紙搬送用ベルトと各種ロール間のスリップ、特に湿紙搬送用ベルトの走行位置を制御するガイドロールとのスリップを防止することで、安定した走行性が維持されるものであり、更に加圧下で湿紙搬送用ベルトが流体によって損傷されるのを防止するものである。
米国特許第7776188号明細書(特許文献2)は、湿紙接触側面とロール側面を有する不透過ポリマー層によって形成された湿紙搬送用ベルトにおいて、ロール側面に複数の溝状あるいはフルート状のくぼみが形成され、この複数のくぼみの各々の表面粗さが、口ール側面表面の表面粗さよりも小さくした、湿紙搬送用ベルトを開示する。この湿紙搬送用ベルトは、ある程度の表面粗さを備えるロール側面表面によって、湿紙搬送用ベルトを運転するために必須である静上摩擦が具備され、さらに複数のくぼみの各々の表面粗さを、より小さくすることによって、ハイドロプレーニング現象を防止すると共に、くぼみ内に入り込んだ流体、あるいは不純物をより効果的にベルトから振り切るものである。
しかし、上記特許文献1および特許文献2に記載される湿紙搬送用ベルトは、ロール側面に形成した溝に起因するクラックの発生や、湿紙搬送用ベルトの湿紙接触側表面を介して湿紙に溝マークが転写してしまう問題があった。また、特許文献1に記載される湿紙搬送用ベルトは、ロール側面の表面構造の表面粗さを3〜40μmとして流体に対する受容力を形成するものの、前記ハイドロプレーニング現象や前記湿紙搬送用ベルトの損傷を十分に防止する観点においては不十分であった。
国際公開WO2008/131979号公報(特許文献3)は、湿紙接触側面とロール側面を有する不透過ポリマー層によって形成された湿紙搬送用ベルトにおいて、ロール側面の耐磨耗性を湿紙側面の耐磨耗性よりも大きくした湿紙搬送用ベルトを開示する。特許文献3に記載される湿紙搬送用ベルトは、ロール側面を構成するポリマー層に、繊維、あるいは炭酸カルシウムを混入することでロール側面の耐磨耗性が向上することによって、湿紙搬送用ベルトの寿命を向上させたものである。
特開2000−027088号公報(特許文献4)は、強化基材(補強繊維基材)と、前記強化基材の表側上の重合樹脂材のコーティングと、および、前記強化基材の裏側に取付けられたステープルファイバーバットとからなる重合樹脂をコートした抄紙工程用ベルトであって、前記強化基材がエンドレスループの形をなし且つ前記表側と裏側を有しており、前記表側が前記エンドレスループの外側であり、前記裏側が前記エンドレスループの内側であり、前記ステープルファイバーバットが滑らかな溶融した表面を持っており、前記表面には前記ステープルファイバーバットからはみ出している繊維端がない抄紙工程用ベルトを提案する。この抄紙工程用ベルトは、強化基材の湿紙接触側面に水不透過性コーティング樹脂層と、強化基材のロール側面にバット繊維層を配置し、バット繊維層のロール側表面の繊維を溶融させることによって、その表面を平滑とした湿紙搬送用ベルトであり、この湿紙搬送用ベルトは、ロール側面表面が平滑であるため、不純物の付着が少なく、不純物の付着に由来するバット繊維層、あるいは補強基材の損傷を防止するものである。
しかし、上記特許文献3および特許文献4に記載される湿紙搬送用ベルトは、ロール側面が平滑であるため、前記ハイドロプレーニング現象を十分に防止する観点において、不十分である。更に、特許文献4に記載される湿紙搬送用ベルトは、ロール側面がバット繊維層、及びその溶融物で構成されているため、重合樹脂コート層に対し比較的強度が弱く、使用の経過、あるいは使用中にロール側表面に適用される高圧洗浄によって、損傷し易いものであり、この損傷に伴いバット繊維層の繊維が脱落し湿紙搬送用ベルトの寿命が短くなる懼れがあった。言い換えれば、湿紙搬送用ベルトの送り速度(ガイド性)を1,300m/分以下に制御する必要があった。
米国特許第7722741号明細書 米国特許第7776188号明細書 国際公開WO2008/131979号公報 特開2000−027088号公報
本願発明は、ハイドロプレーニング現象に由来する湿紙搬送用ベルトと各種ロール、特に走行位置を制御するロールとのスリップを防止し、また、加圧下で湿紙搬送用ベルトが流体によって損傷されるのを防止し、湿紙搬送用ベルトのロール側面の耐磨耗性を向上させるとともに、湿紙搬送用ベルトの湿紙接触側表面を介して湿紙に溝マークが転写されてしまう問題を解決するとともに、湿紙搬送用ベルトの送り速度を1,500m/分以上とすることができる、湿紙搬送用ベルトの提供を目的とする。
請求項1の発明は、水不透過樹脂層(27)内に補強繊維基材(21)が埋設された湿紙搬送用ベルト(20)であって、この湿紙搬送用ベルト(20)は湿紙と接触する湿紙接触側層(24)と該湿紙接触側層(24)の反対側のロール側層(25)を備え、前記ロール側層(25)のロール側層表面(23)は、ロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が10%〜75%である表面構造を備えるとともに、表面粗さRaが50〜150μmであることを特徴とする湿紙搬送用ベルト(20)にある。
請求項2の発明は、上記の湿紙搬送用ベルト(20)において、前記ロール側層(25)は、バット繊維または短繊維(26)を含有し、この繊維(26)の一部(26’)がロール側層の表面(23)より突出した表面構造を備えたものであることを特徴とする、請求項1に記載の湿紙搬送用ベルト(20)にある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の湿紙搬送用ベルト(20)において、水不透過樹脂(27)が、ウレタンプレポリマーと鎖延長剤と無機充填剤を含有するポリウレタン樹脂組成物よりなる塗工剤を加熱硬化させて得られたポリウレタンであることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の湿紙搬送用ベルト(20)にある。
本発明の湿紙搬送用ベルト(20)は、ロール側層の表面(23)の表面粗さRa(算術平均粗さ)を50μm以上と粗くしてロールからの離れを容易とし、表面粗さRa(算術平均粗さ)が150μmを超えると磨耗量が抄紙上支障をきたす35mgを超えることとなるのでロールと接触するロール側層表面(23)の突(凸)起と接触する数のパラメーターとなるロールとの単位面積当たりの接触面積の割合を小さく(下限は10%)としたことにより、ハイドロプレーニング現象に由来する湿紙搬送用ベルトと各種ロール、特に走行位置を制御するロールとのスリップが防止でき、湿紙搬送用ベルト(20)の送り速度を1,500m/分以上と向上させた。また、水不透過樹脂を用いているので加圧下で湿紙搬送用ベルト(20)が流体(水)によりて損傷されなく、かつ、湿紙搬送用ベルトの寿命が向上される。更に、製造された紙に湿紙マークが存在しない紙を製造することができる。
本発明の湿紙搬送用ベルトのCD断面図である。 本発明の別態様の湿紙搬送用ベルトのCD断面図である。 抄紙機のプレスパートの一例を示す概略図である。(公知) 本発明の湿紙搬送用ベルトの製法を示す概略図である。 本発明の湿紙搬送用ベルトの別態様の製法を示す概略図である。 湿紙搬送用ベルトのロール側表面との単位面積当たりの接触面積の割合を測定する装置の概略図である。 図6に示す装置で湿紙搬送用ベルトの接触面積の割合を測定したプレスケールの図である。 ガイド性評価に用いる試験装置の概略図である。 マーク性評価に用いる試験装置の概略図である。 磨耗性評価に用いる試験装置の概略図である。
以下、図面を用いて本発明を更に詳細に説明する。
図1および図2に示すプレスパートで使用される湿紙搬送用ベルト(20)は、水不透過樹脂層(27)内に補強繊維基材(21)が埋設された湿紙搬送用ベルト(20)であって、この湿紙搬送用ベルト(20)は湿紙(WF)と接触する湿紙接触側層(24)と該湿紙接触側層(24)の反対側のロール側層(25)を備え、前記ロール側層(25)の表面(23)は、ロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が、10%〜75%である表面構造を備えるとともに、表面粗さRa(算術平均粗さ)が、50〜150μmである。
図2に示す湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層(25)は、バット繊維または短繊維(26)を含有し、この繊維(26)の一部がロール側層の表面(23)より突出して不規則な凹凸が分散した表面構造を呈する。
なお、図2に例示した湿紙搬送用ベルト(20)は、補強繊維基材(21)のロール側層(25)にバット繊維(26)がニードリング加工された基材を埋設させた図を示すが、湿紙接触側層(24)にもバット繊維(26)がニードリング加工されていてもよい。
前記補強繊維基材(21)は、経糸と緯糸とを織機等により製織した織物が一般的に使用されるが、製織せずに、経糸列と緯糸列の重ね合わせによる格子状素材を使用してもよい。補強繊維基材(21)は、ループ状の湿紙搬送用ベルト(20)のロール送り時の荷重に耐える補強材である。
補強繊維基材(21)およびバット繊維(26)または短繊維(26)の素材としては、熱可塑性ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、脂肪族ポリアミド(ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612等)、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレンエステル・エーテルケトン(PEEKと呼称される)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEと呼称される)、ポリエチレン、羊毛、綿、ウール、金属等を使用することができる。
水不透過樹脂(27)の素材としては、前記補強繊維基材(21)および繊維(26)の融点より低い温度で硬化して水を実質的に透過させない(水の透過率は1.0重量%未満)連続した固体膜を形成する樹脂であって、ウレタンプレポリマーと活性水素基を有する硬化剤(鎖延長剤とも呼称される)を含有するポリウレタン組成物、液状エポキシ樹脂と硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、液状アクリル系樹脂と熱分解型硬化触媒または光照射硬化触媒を含有する液状アクリル系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂:または、ポリアミド、ポリアリレート、熱可塑性ポリエステル等の熱可塑性樹脂を適宜使用することができる。補強繊維基材(21)が熱可塑性樹脂製であるときは、ウレタンプレポリマーと活性水素基を有する硬化剤(鎖延長剤とも呼称される)を含有する加熱硬化性ポリウレタン組成物が補強繊維基材(21)上へのコーティング性、該加熱硬化性ポリウレタン組成物の加熱温度(80〜135℃の低温)の選択の上で好ましい。
ウレタンプレポリマーとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等のジイソシアネート化合物とテトラメチレングリコール(PTMG)、テトラエチレングリコール(PTEG)、ポリエチレングリコール(PEG)等の脂肪族ポリオールとを反応させて得られるイソシアネート基(−NCO)を有するウレタンプレポリマーが好ましい。
活性水素基を有する硬化剤としては、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオ−ル、ジメチルチオトルエンジアミン(ethacure300として市販されている)、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)等の芳香族ジアミンが好ましい。
活性水素基(−H)を有する硬化剤は、イソシアネート基(−NCO)を有するウレタンプレポリマーの−NCO基に対し、−H/−NCO当量比が0.90〜1.15となる割合で使用される。
前記水不透過樹脂(27)を形成する樹脂は、酸化チタン、焼成カオリン、クレー、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、溶融シリカ、マイカ、ゼオライト等の無機充填材、もしくは、これら無機充填材の表面を活性水素基を有するオルガノシロキサン化合物等のシランカップリング剤で変性させた無機充填材を1〜30重量%の割合で含有させてもよい。
前記水不透過樹脂(27)に上記無機充填材を均一に混合する方法としては、常温(25℃)で水不透過樹脂組成物が液状を示す熱硬化性樹脂であるときは、常温で撹拌槽内にある熱硬化性樹脂(27)を撹拌器で撹拌しながら無機充填材を添加して均一な水不透過樹脂組成物とする。常温(25℃)で水不透過樹脂組成物が固体を示す樹脂組成物であるときは、加熱撹拌槽をプレ加熱して樹脂組成物を溶融させ、撹拌器で撹拌しながら無機充填材を添加して均一な水不透過樹脂組成物とし、この流動性のある水不透過樹脂組成物をコーター機(46)に供給し、補強繊維基材(21)上に加熱押し出しし、ポストキュア温度に水不透過樹脂組成物を加熱して水不透過樹脂層(27)を形成させる。
湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)には、不規則に分散した凹凸が形成される。この凹凸の存在により湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)に流体(水や空気)を受容する空間ができ、湿紙搬送用ベルトがハイドロプレーニング現象に由来する湿紙搬送用ベルトと各種ロール、特に走行位置を制御するロールとのスリップを防止できるとともに、加圧下で湿紙搬送用ベルト(20)が流体によって損傷されるのを防止することができる。更に、湿紙マークが抄紙された紙に現われることがない。
更に前記湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層(25)には、補強繊維基材(21)のロール側表面にニードリングされたバット繊維(26)または短繊維(26)の一部(26’)がロール側層表面(23)より突出し、成形された湿紙搬送用ベルトのロール側層(25)の凹凸と共に不規則な凹凸面を形成する為、湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)およびロール側層(25)の耐磨耗性を向上させることができる。
湿紙搬送用ベルト(20)の前記ロール側層(25)のロール側層表面(23)は、ローールとの単位面積当たりの接触面積の割合が10%〜75%、好ましくは10%〜65%である表面構造を備えるとともに、表面粗さRa(算術平均粗さ)が50〜150μm、好ましくは60〜120μmである。
次に、図4および図5を用いて本発明の湿紙搬送用ベルト(20)を具体的に製造する方法を説明する
先ず、図4を用いて「裏面コート反転製法」を説明する。図4(a)に示すように、ループ状(エンドレス)補強繊維基材(21)は、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層、44)が2本の平行に配置されたロール(41,41)に接触するように掛け入れられる。そして、ロール(41,41)を回転させながら補強繊維基材(21)の裏面(ロール側層、45)にコーター機(46)の樹脂吐出口から水不透過樹脂(27)が叶出され、コーターバー(42)を介して、補強繊維基材(21)の裏面(45)に水不透過樹脂(27)がコーティング(塗布)される。そして、水不透過樹脂(27)の塗布作業終了後、水不透過樹脂(27)が未硬化の状態であるうちにエンボスロール(47)によって水不透過樹脂(27)表面(湿紙搬送用ベルトのロール側層表面)に凹凸を形成させながら水不透過樹脂(27)を硬化させる。水不透過樹脂(27)が硬化した後、必要に応じて、エンボスロールに変えて研磨装置を配置し、この研磨装置によって樹脂表面(湿紙搬送用ベルトのロール側層表面23)の表面粗さ(Ra)を50〜150μm、好ましくは60〜120μmに調整することも可能である。ロール側層表面(23)は、ロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が10%〜75%、好ましくは10%〜65%である表面構造を備える。
次に、図4(b)に示すように、補強繊維基材(21)の裏面(ロール側層、45)に形成された水不透過樹脂(27)層が、ロール(41)に接触するように反転させて掛け入れられる。そして、ロール(41)を回転させながら、前記ループ状の補強繊維基材(21)の表面(湿紙接触側層、44)にコ−ター機(46)の樹脂吐出口から水不透過樹脂(27)が吐出され、前記コーターバー(42)を介して補強繊維基材(21)の表面(44)に水不透過樹脂(27)がコーティング(塗布)される。そして、水不透過樹脂(27)の塗布作業終了後、塗布された水不透過樹脂(27)を加熱硬化させた後、湿紙接触側層表面(22)を形成する水不透過樹脂(27)表面を研磨装置(48)によって表面を研磨することで湿紙接触側層表面(22)のロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が85%以上であり、表面粗さRa(算術平均粗さ)が3〜40μmである湿紙搬送用ベルト(20)を製造することができる。
前述した湿紙搬送用ベルトの「裏面コート反転製法」では、水不透過樹脂(27)の塗布対象として、補強繊維基材(21)のみを使用した例を説明したが、補強繊維基材(21)の少なくともロール側表面にバット繊維(26)がニードリングされた補強繊維基材を用いることも可能である。また、塗布する水不透過樹脂(27)に短繊維(26)が混合された水不透過樹脂組成物(27)を塗布し、湿紙搬送用ベルト(20)の水不透過樹脂層(ロール側層25、湿紙側層24)を形成することも可能である。
また、図4(c)に示すように、湿紙搬送用ベルト(20)の内部に設けられた溝切装置(49)によって、湿紙搬送用ベルトのロール側層表面(23)に溝加工を施すことも可能である。
次に、図5を用いて「表面コート貫通製法」について説明する。図5(a)に示すように、ループ状補強繊維基材(21)は、前記補強繊維基材の裏面(ロール側層、55)が、2本の平行に配置されたロール(51,51)に接触するように掛け入れられる。そして、口ール(51,51)を回転させながら、補強繊維基材(21)の表面(湿紙接触側層、54)にコーター機(56)の樹脂吐出口から水不透過樹脂(27)が吐出され、コーターバー(52)を介して補強繊維基材(21)の表面(54)に水不透過樹脂(27)がコーティングされる。このとき、塗布された水不透過樹脂(27)を補強繊維基材(21)の表面(54)から裏面(55)に貫通させ、加熱硬化させることによって、湿紙搬送用ベルト(20)の水不透過樹脂層(27)のロール側層(25)、湿紙側層(24)を同時に形成することができる。そして、塗布された水不透過樹脂層(27)の加熱硬化作業終了後、樹脂表面(湿紙搬送用ベルトの湿紙接触側表面22)を研磨装置(58)によって表面を研磨することで、湿紙搬送用ベルト(20)を製造することができる。また、図5(b)に示すように、湿紙搬送用ベルトの内部に設けられた研磨装置(58)によって、湿紙搬送用ベルトのロール側表面(23)を研磨することも可能である。
前述した湿紙搬送用ベルトの「表面コート貫通製法」では、水不透過樹脂層(27)のコーティング対象として、補強繊維基材(21)のみを使用した例を説明したが、補強繊維基材の少なくともロール側表面にバット繊維(26)がニードリングされた補強繊維基材を用いることも可能である。また、水不透過樹脂層(27)に短繊維(26)が混合された水不透過樹脂組成物を用い、湿紙搬送用ベルト(20)の水不透過樹脂層(27)のロール側層(25)、湿紙側層(22)を形成することも可能である。
更に、図5(c)に示すように、補強繊維基材(21)の裏面(55)にまで貫通した未硬化状態の水不透過樹脂(27)にバット繊維(マット状、59)を接着させ、ロール(51)と補強繊維基材(21)とでバット繊維(59)を挟み込んだ後、水不透過樹脂(27)を加熱硬化させることで、補強繊維基材(21)のロール側面にバット繊維(59)が埋設された湿紙搬送用ベルト(20)を製造することができる。
本発明の湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)には、水不透過樹脂層(27)の一部、あるいは不透過樹脂層とバット繊維(26)、あるいは不透過樹脂層(27)と短繊維(26)によって、不規則に分散した凹凸を備えた表面構造が形成される。前記ロール側層(25)のロール側層表面(23)は、ロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が10%〜75%、好ましくは10%〜65%である表面構造を備えるとともに、表面粗さRa(算術平均粗さ)が50〜150μm、好ましくは60〜120μmである。また、湿紙接触側層表面(22)を形成する水不透過樹脂(27)表面を研磨装置(48)によって表面を研磨することで湿紙接触側層表面(22)のロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が85%以上であり、表面粗さRa(算術平均粗さ)が3〜40μmである
表面粗さRaの測定方法は、まずX線CTスキャナーを使用して湿紙搬送用ベルト(20)横断面データを撮影する(試験長さ:10mm、分解能10μm/pixel)。そして、画像処理ソフト「Photoshop」(Adobe社の商品名)を使用して湿紙搬送用ベルト断面の画像データより裏面境界の輪郭線を抽出し、更に「Image J」(米国NIH パブリックドメインソフト)を使用して輪郭線を座標データ化する。このデータ化した座標値を使用してRa(算術平均粗さ)を計算する。
図6で示す接触面積の割合を測定する装置を用い、湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)構造とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合を測定するには、湿紙搬送用ベルト(20)のロール側表面(23)にプレスケール低圧用(64、富士フイルム社製)を隣接配置し、上部プレス板(65)と下部プレス板(66)とで挟み、湿紙搬送用ベルト(20)及びプレスケールに4MPaの加圧をかける。プレスケールは、一定加圧以上加えられた箇所が発色する為、プレスケールの発色部は、プレスケールと湿紙搬送用ベルトのロール側表面との接触部として確認することができる。すなわち、プレスケールの発色部は、実際の抄紙機におけるロールと湿紙搬送用ベルトのロール側表面との接触部として見ることができる。
上記、湿紙搬送用ベルトのロール側表面との接触部が発色したプレスケールを画像としてコンピューターに取り込み、画像ソフト「Photoshop」(Adobe社製商品名)を使用して、発色部の面積率を算出し、これをロールと湿紙搬送用ベルトのロール側表面との接触率として算出する。
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明する。実施例1〜10および比較例1〜4において使用した試験用の補強繊維基材(21)は次のものである。
補強繊維基材(材質:ポリアミド6、組織:タテ2重、目付600g/mの織布)。
湿紙搬送用ベルトの丈寸法は全て丈20m×巾70cmで製作した。
また、水不透過樹脂(27)として、TDI・PTMG系ウレタンプレポリマーにEthacure300と1,4−ブタンジオールの3:1混合物の硬化剤(鎖延長剤とも呼称される)を配合したポリウレタン樹脂組成物を用いた。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、裏面コート反転製法にて製作した。
補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の裏面(ロール側層)にTDI・PTMG系ウレタンプレポリマーにEthacure300と1,4−ブタンジオールの3:1混合物の硬化剤(鎖延長剤とも呼称される)を配合したポリウレタン組成物を100℃で塗工した。塗工されたポリウレタン組成物が未硬化の状態であるうちにエンボスロール(47)によって表面に不規則な凹凸を形成させながらポリウレタン組成物を120℃に加熱して硬化させた。半製品の湿紙搬送用ベルトを反転させ、補強繊維基材(21)の裏面(ロール側層)に形成されたポリウレタン樹脂層が、ロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に前記ポリウレタン組成物を100℃で塗工し、120℃に加熱して硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面22)を研磨し、最終製品目付:2900g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は55%で、ロール側層表面の表面粗さRaは70μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は23mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度22dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付100g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。
前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付2,900g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は45%で、ロール側層表面の表面粗さRaは80μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は10mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の裏面(ロール側層)が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させた。このとき、補強繊維基材の裏面に貫通した未硬化のポリウレタン樹脂組成物に、繊度22dtex、カット長76mmのボリアミド6からなる目付100g/mのバット繊維(マット状)を接着させ、ロールと補強繊維基材とでバット繊維を挟み込み、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付2,900g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は45%で、ロール側層表面の表面粗さRaは80μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は10mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、裏面コート反転製法にて製作した。補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の裏面(ロール側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工した。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、繊度1.7dtex、カット長6mmの「ケブラー」(登録商標)からなる短繊維を、樹脂重量に対して2wt%混入させた。ウレタン樹脂コート後、ウレタン樹脂が未硬化の状態で、エンボスロールによって表面に不規則な凹凸を形成させながら、樹脂を硬化させた。半製品の湿紙搬送用ベルトを反転させ、補強繊維基材の裏面(ロール側層)に形成されたウレタン樹脂層が、ロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に絡合一体化されたバット繊維にウレタン樹脂をコートし、硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付2,900g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は55%で、ロール側層表面の表面粗さRaは70μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は15mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付90g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物をコーティングし、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付2,800g/m、厚み2.7mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は75%で、ロール側層表面の表面粗さRaは50μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,650m/分可能であり、磨耗量は4mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度11dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付100g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、ついで、120℃で加熱硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付2,850g/m、厚み2.75mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は65%で、ロール側層表面の表面粗さRaは60μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は5mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度22dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付100g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。
前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物をコーティングし、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを、樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付3000g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は45%で、ロール側層表面の表面粗さRaは80μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は7mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度33dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付100g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtcx、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。
前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、120℃で加熱硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付3,100g/m、厚み2.9mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は30%で、ロール側層表面の表面粗さRaは100μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は13mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度44dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付200g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物をコーティングし、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、120℃で加熱硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付3200g/m、厚み3.0mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は20%で、ロール側層表面の表面粗さRaは120μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は20mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度55dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付200g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物をコーティングし、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、120℃で加熱硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、半均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付3300g/m、厚み3.1mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は10%で、ロール側層表面の表面粗さRaは150μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,700m/分可能であり、磨耗量は26mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
比較例1
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、裏面コート反転製法にて製作した。
補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の裏面(ロール側層)にポリウレタン樹脂組成物をコートし、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させ、その表面を研磨した。半製品の湿紙搬送用ベルトを反転させ、補強繊維基材の裏面(ロール側層)に形成されたウレタン樹脂層が、ロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、120℃で加熱硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付3100g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は97%で、ロール側層表面の表面粗さRaは5μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,300m/分可能であり、磨耗量は15mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
比較例2
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、裏面コート反転製法にて製作した。補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の裏面(ロール側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、ポリウレタン樹脂組成物を100℃で硬化させ、その表面を研磨した。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。半製品の湿紙搬送用ベルトを反転させ、補強繊維基材の裏面(ロール側層)に形成されたポリウレタン樹脂組成物層がロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、ポリウレタン樹脂組成物を100℃でプレ加熱、次いで、120℃でポストキュア硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、最終製品目付3,200g/m、厚み2.8mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は97%で、ロール側層表面の表面粗さRaは5μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,300m/分可能であり、磨耗量は5mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
比較例3
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、表面コート貫通製法にて製作した。補強繊維基材の裏面(ロール側層)に、繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付100g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。更に、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。その後熱ロールプレスにより裏面(ロール側層)にカレンダ処理を施し、平滑性を向上させた。前記補強繊維基材の裏面に一体化されたバット繊維が、2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)にポリウレタン樹脂組成物を塗工し、塗布されたポリウレタン樹脂組成物を補強繊維基材の表面から裏面に貫通させ、100℃でプレ加熱し、120℃でポストキュアさせて硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10wt%混入させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)及び裏面(ロール接触面)を研磨し、最終製品目付2,800g/m、厚み2.6mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は85%で、ロール側層表面の表面粗さRaは20μmであった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,350m/分可能であり、磨耗量は3mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークは見受けられなかった。
比較例4
湿紙搬送用ベルト(20)の製法として、裏面コート反転製法にて製作した。補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に繊度3dtex、カット長76mmのポリアミド6からなる目付300g/mのバット繊維をニードリングにより絡合、一体化させた。前記補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に一体化されたバット繊維が2本の平行に配置されたロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の裏面(ロール側層)にポリウレタン樹脂組成物を100℃で塗工し、120℃で加熱して硬化させた。なお、このポリウレタン樹脂組成物には、平均粒子径1.4μmの焼成カオリンを樹脂重量に対して10w%混入させた。半製品の湿紙搬送用ベルトを反転させ、補強繊維基材の裏面(ロール側層)に形成されたポリウレタン樹脂層が、ロールに接触するように掛け入れられ、ロールを回転させながら、補強繊維基材の表面(湿紙接触側層)に絡合一体化されたバット繊維にポリウレタン樹脂組成物を100℃で塗工し、120℃で加熱して硬化させた。最後に湿紙搬送用ベルトの表面(湿紙接触面)を研磨し、更に裏面(ロール接触面)に溝幅1.0mm、溝深さ0.8mm、ピッチ9.8山/インチ、開口率38.5%の一定間隔の溝を形成し、最終製品目付3100g/m、厚み3.0mmの湿紙搬送用ベルトを完成させた。
得られた湿紙搬送用ベルト(20)のロール側層表面(23)とロールとの単位面積当たりの接触面積の割合は70%であった。また、抄紙機で使用される湿紙搬送用ベルト(20)の制御速度は1,500m/分可能であり、磨耗量は23mgであった。抄紙機で抄紙された紙には湿紙マークが見受けられた(湿紙搬送用ベルトのロール側層表面に施した一定間隔の溝によるマークが湿紙に転写したマーク)。なお、この湿紙搬送用ベルト(20)は、設計上、開口率38.5%の一定間隔の溝を形成させて接触面積割合が61.5%と予想されるものであったが、単位面積当たりの接触面積の割合を測定する際の加圧力により溝が閉塞し、実際の単位面積当たりの接触面積の割合は上記70%となった。
以上記載の実施例1〜10および比較例1〜4の湿紙搬送用ベルトを製造する素材の物性、および、得られた湿紙搬送用ベルトの評価物性を表1および表2に取り纏めて示す。
Figure 2013083030
Figure 2013083030
表2記載の湿紙搬送用ベルトの評価は、次による。
ガイド性:
図8の試験装置において、ガイドロール間の距離(GR1、GR2)をバックサイド側に対し、フロントサイドが短くなるように固定した。こうすることで、試験装置に掛け入れられた湿紙搬送用ベルトのフロントサイド及びバックサイドに周長差が発生し、湿紙搬送用ベルトは走行時に周長差が短いフロントサイド側へ片寄る。通常湿紙搬送用ベルトに片寄りが発生した場合、試験装置に設置されたパームが湿紙搬送用ベルトの片寄りを検出し、検出量に応じてガイドロール(GR3)のフロントサイド位置(またはバックサイド位置)を上下に移動させることによって、湿紙搬送用ベルトの片寄りを修正し、湿紙搬送用ベルトは安定して連続走行することができる。
湿紙搬送用ベルトを前記図8の試験装置に掛け入れ、湿紙搬送用ベルトの張力が3.5kN/mとし走行させた。そして片寄りの修正ができなくなり、制御不能となる直前の速度を確認した。
マーク性:
湿紙搬送用ベルトのサンプルを図9の試験装置に、湿紙搬送用ベルトのロール側層表面が下部プレス板に接するように設置した。そして、湿紙搬送用ベルトの湿紙接触側層表面に含水率50%の湿紙を載置し、湿紙搬送用ベルト及び湿紙に4MPaの加圧でプレスした。プレス後、湿紙を乾燥させ、湿紙の表面状態を目視で確認した。なお、実施例1〜10及び比較例1〜3においては、マーク性については特に問題なく良好であったが、比較例4では、湿紙搬送用ベルトのロール側層表面に施した一定間隔の溝によるマークが紙に転写されていることを確認した。
磨耗性:
湿紙搬送用ベルトのサンプルを図10の試験装置に、湿紙搬送用ベルトのロール側表面が、直径10cmの2本ロール間に掛け入れられた磨耗布に、線圧5kg/cmで接するように設置した。そしてシャワー水をかけながら、磨耗布を、20m/min、10分走行させ、湿紙搬送用ベルトのロール側層表面を磨耗させ、磨耗前後の湿紙搬送用ベルトの重量変化を確認した。
本発明の湿紙搬送用ベルトは、ハイドロプレーニング現象に由来する湿紙搬送用ベルトと各種ロール、特に走行位置を制御するロールとのスリップを防止し、また、加圧下で湿紙搬送用ベルトが流体によって損傷されない湿紙搬送用ベルトである。また、湿紙搬送用ベルトのロール側面の耐磨耗性が高いので、湿紙搬送用ベルトの寿命も長い。更に、湿紙マーク性が向上した湿紙搬送用ベルトである。
20 湿紙搬送用ベルト
21 補強繊維基材
22 湿紙接触側層表面
23 ロール側層表面
24 湿紙接触側層
25 ロール側層
26 バット繊維または短繊維
26’突出繊維
27 水不透過樹脂層

Claims (3)

  1. 水不透過樹脂層(27)内に補強繊維基材(21)が埋設された湿紙搬送用ベルト(20)であって、この湿紙搬送用ベルト(20)は湿紙と接触する湿紙接触側層(24)と該湿紙接触側層(24)の反対側のロール側層(25)を備え、前記ロール側層(25)のロール側層表面(23)は、ロールとの単位面積当たりの接触面積の割合が10%〜75%である表面構造を備えるとともに、表面粗さRaが50〜150μmであることを特徴とする湿紙搬送用ベルト(20)。
  2. 前記ロール側層(25)は、バット繊維または短繊維(26)を含有し、この繊維(26)の一部(26’)がロール側層の表面(23)より突出した表面構造を備えたものであることを特徴とする、請求項1に記載の湿紙搬送用ベルト(20)。
  3. 水不透過樹脂(27)が、ウレタンプレポリマーと鎖延長剤と無機充填剤を含有するポリウレタン樹脂組成物よりなる塗工剤を加熱硬化させて得られたポリウレタンであることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の湿紙搬送用ベルト(20)。
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