JP2013080069A - 光学部材 - Google Patents

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泰典 村上
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知樹 関口
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Abstract

【課題】光学調心が不要であって、光結合効率に優れ、さらに、組み立てが簡単な光学部材を提供する。
【解決手段】光学部材1は、発光素子5と光ファイバ3とを結合している。発光素子5と光ファイバ3とが対向する位置に光導通孔2が設けられ、この光導通孔2の光入射面側の孔径に相当する第1の面1a側の孔径Daは、光導通孔2の光入射面側に設けられた発光素子5の光出射部の出射径に相当する発光部6の発光径D6よりも大きく形成されている。また、光導通孔2の光出射面側の孔径に相当する第2の面1b側の孔径Dbは、光ファイバ3の光入射部の入射径に相当するコア4のコア径D4より大きくなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材に関し、詳しくは、発光素子と光ファイバとを結合させる光学部材に関する。
デジタルネットワーク社会の進展に伴い、情報家電機器における高精細動画の処理など、大容量の情報を高速で処理する必要が高まってきている。これに対し、従来の電気伝送線路に代えて、電気伝送の入出力部分で光電変換を行い、広帯域な光ファイバを利用することで、高速・大容量伝送を行う光インターコネクションの開発が進んでいる。
例えば、非特許文献1には、WDM(波長分割多重)方式に用いられる光受信モジュールとして、入射光を、プリズムとバンドパスフィルタで分光した後、集光レンズアレイによって受光素子アレイへ集光させたものが開示されている。
しかしながら、発光素子または受光素子などの光素子と光ファイバをレンズを用いて結合する場合、光素子と、光ファイバと、レンズの3者の相互の位置関係を調整する必要が生じる。このため、光素子、レンズ、ファイバの位置関係を最適化しようとすると、それぞれ空間上で3次元調心する必要があり、調心固定が難しくなる。さらに、アレイ伝送の場合、光素子アレイ、レンズアレイ、ファイバアレイを用いるため、高いアレイ精度が要求される。また、受光素子、発光素子側で、光学設計が異なると、実装設計も複雑になる。
このため、例えば、非特許文献2には、レンズを用いない光電変換モジュールが開示されている。この光電変換モジュールでは、図9に示すような電気複合型の光フェルール101が用いられる。
この光フェルール101には、従来のプラスチック製多心光フェルールの接続端面に微細リードフレームを一体成形した電極102が形成されている。そして、光フェルール101の端面に設けた光ファイバ穴103の位置に、直接、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)やPD(Photo Diode)といった受発光素子104を位置決めしてフリップチップ実装した後、光ファイバ穴103に光ファイバ105を挿入することにより光サブアセンブリを作製している。
望月敬太ほか著、「100Gbpsイーサネット光受信モジュール用4ch−WDM 光学系の開発」電子情報通信学会総合大会講演論文集 2010年 エレクトロニクス(1)、p272、2010年3月2日、社団法人電子情報通信学会 桜井 渉ほか著「光電気インターコネクションモジュール用LFI(Lead Frame Inserted)フェルールの開発」SEIテクニカルレビュー第172号、p130−132、2008年1月 住友電気工業株式会社
非特許文献2に開示された光電変換モジュールは、レンズを必要としないため、高精度なファイバ調心が不要となり、高効率な光結合が得られる。また、部品点数が少なく、低コスト化が可能である。
しかしながら、非特許文献2に開示された光電変換モジュールでは、受発光素子と光ファイバを直接至近距離に突き合わせて光結合をさせるバットカップリングの構造をとるため、受発光素子と光ファイバとを近接させる必要があり、製造時の精度管理負担や設計の自由度が制限されるという問題があった。
例えば、発光素子の場合、通常、発光径は2〜10μm、発光角(全角)は20°〜40°であり、光ファイバコア径は50μm以上、開口数(NA:Numerical Aperture)0.2〜0.5(結合可能入射角:約20°〜50°)であるため、ファイバコア径によっては、発光素子と光ファイバ間を100μmとかなり短くする必要がある。また、発光角が、光ファイバ結合可能入射角より大きな場合は、低損失結合が実現できないという問題が生じる。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、光学調心が不要であって、光結合効率に優れ、さらに、組み立てが簡単な光学部材を提供することをその目的とする。
本発明による光学部材は、発光素子と光ファイバとを結合させる光学部材であって、前記発光素子と前記光ファイバとが対向する位置に光導通孔が設けられ、該光導通孔の光入射面側の孔径は、前記光導通孔の光入射面側に設けられる発光素子の光出射部の出射径より大きく、かつ、前記光導通孔の光出射面側の孔径は、前記光導通孔の光出射面側に設けられる光ファイバの光入射部の入射径より大きくなるように、前記光導通孔が形成されていること特徴とする。
光導通孔内の伝搬光を反射させるために、光導通孔の内面に反射ミラーを形成してもよく、あるいは、光導通孔内に光学部材の透明体よりも高屈折率の透明体を充填してもよい。また、発光素子または光ファイバの光軸が、前記光導通孔の光軸と一致するように配置されることが望ましい。さらに、光学部材に、光ファイバを装着した光ファイバコネクタの位置決め部材を設けてもよい。
本発明によれば、レンズを用いることなく、光導通孔に対して発光素子と光ファイバを実装することができるので、光学調心が不要となり、組立が容易となる。また、光導通孔径を調整することで、発光素子からの全パワーを光導通孔に導き、さらに、光ファイバにも導くことができる。また、光導通孔が、発光素子から光ファイバに向かってアップテーパになることから、発光素子からの光は低開口数化(低NA化)され、光ファイバへの結合がより良好になる。
本発明の一実施形態に係る光学部材の断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学部材の作用を説明するための図である。 本発明の光学部材を用いた光電気変換モジュールの断面図である。 本発明の光学部材を用いた光電気変換モジュールの斜視図である。 本発明の光学部材と光素子アレイとの取り付け構造を説明するための図である。 従来の光電変換モジュールの一例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の光学部材に係る好適な実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光学部材の断面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る光学部材の作用を説明するための図である。
本実施形態では、光学部材1の第1の面1aに光素子として発光素子5が複数配置されるとともに、第2の面1bに光ファイバ3が複数配置されている。そして、光学部材1には発光素子5と光ファイバ3とを結合させるための光導通孔2が一列となるように複数設けられている。このように、本実施形態では、光導通孔2の光入射面側に光素子である発光素子5が、また、光導通孔2の光出射面側に光ファイバ3が設けられている。
そして、この光導通孔2の光入射面側の孔径に相当する第1の面1a側の孔径Daは、光導通孔2の光入射面側に設けられた発光素子5の光出射部の出射径に相当する発光部6の発光径D6よりも大きく形成されており、また、光導通孔2の光出射面側の孔径に相当する第2の面1b側の孔径Dbは、光ファイバ3の光入射部の入射径に相当するコア4のコア径D4より大きくなるように形成されている。
ここで、発光素子5の発光部6の光軸および光ファイバ3の光軸は、それぞれ光導通孔2の光軸と一致するように実装されていることが望ましい。また、光導通孔2の内面1cでは、損失なく光を反射する必要があるため、光導通孔2の内面1cに反射ミラーを形成するか、あるいは、全反射条件を満たすように光導通孔2を光学部材1の透明体よりも高屈折率の材料で充填することが望ましい。なお、光学部材1を不透明体で作製する場合は、光導通孔2の内面1cに反射ミラーを形成する必要がある。
先述したように、発光素子の発光径は2〜10μm、発光角(全角)は20°〜40°、光ファイバコア径は50μm以上であるため、光導通孔2の光入射面側の孔径Daを発光素子5の発光径D6よりも若干大きく、また、光導通孔2の光出射面側の孔径Dbを光ファイバ3のコア径D4よりも若干大きく形成した場合、光導通孔2の形状は第1の面1aから第2の面1bにかけて径が大きくなるアップテーパ形状となる。
このため、第1の面側1aでは発光素子6からの光パワーが全て光導通孔2へ導かれ、さらに、図2で示すように、発光素子5からの光は先太りとなるアップテーパ形状の光導通孔2内面1cで反射されるため、伝搬光の開口数(NA)が小さくなる。一般に、発光素子5の開口数は光ファイバ3のコアの開口数よりも大きいので、光が光導通孔2内を伝搬することにより、低NAに変換され、光ファイバ結合効率が改善される。また、ファイバとの結合方向に行くに従って、光導通孔2の径が太くなるので、位置ずれの影響も受けにくくなる。
通常、石英ファイバへの入射光は低NAとしなければならないが、グレーデッドインデックス型の石英ファイバの場合、NAがコア中心から離れるに従って、さらにNAが小さくなるので、先太りのテーパによって低NA化を図る場合に、より大きな割合で低NAへ変換する必要がある。さらに、グレーデッドインデックス型の石英ファイバの場合、コア径は50μmと小さいため、より大きくNA変換をしようとすると、光ファイバ側の光導通孔径は、光ファイバコア径よりも大きくする必要がある。そして、テーパからの出射光は、低NAでコアよりも大きな光束となるので、テーバ出口と光ファイバとの軸ずれによる結合損失変動も小さくなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の光学部材を用いた光電気変換モジュールについて説明する。
図3は、本発明の光学部材を用いた光電気変換モジュールの断面図であり、図4は、その斜視図である。また、図5は、本発明の光学部材と発光素子アレイとの取り付け構造を説明するための図である。
本実施形態に係る光電気変換モジュール10は、光学部材1を有している。この光学部材1は、例えば、硼珪酸ガラスまたは石英ガラスなどから形成されたガラス基板からなる。この光学部材1は、第1の面1aが回路パターン9を有する実装面とされ、第2の面1bが光ファイバコネクタ11の装着面とされる。また、この光学部材1には、表裏にわたって貫通する複数の光導通孔2が一列に配列されて形成されている。
光学部材1の実装面である第1の面1aには、光導通孔2の対向位置に、発光素子アレイとして、例えばVCSELアレイからなる発光素子アレイ7が取り付けられている。ここで、発光素子アレイ7に形成した各発光素子6のピッチpは、図8で示すように、光学部材1に形成した光導通孔2のピッチpと等しくなるように形成されており、発光素子アレイ7の発光素子6と光導通孔2とが対向するように、発光素子アレイ7の図示しない端子部が、回路パターン9に対して、例えば、金(Au)バンプ13によってフリップチップ実装されている。
また、光学部材1の実装面である第1の面1aには、発光素子アレイ7を駆動させるVCSELアレイドライバICからなる電気デバイス20が実装されており、電気デバイス20の図示しない端子部が、金(Au)バンプ21を介して回路パターン9に接続されている。さらに、光学部材1の回路パターン9には、ホストボードへの接続用のハンダボール22が設けられている。
光導通孔2の孔径と発光素子6、光ファイバ3との関係は、第1の実施形態で示した関係となっており、第1の面1aから第2の面1bにかけて径が大きくなるアップテーパ形状となっている。光導通孔2の内部には、光学部材1における光の屈折率よりも高い屈折率を有する透明樹脂14を充填することにより高屈折率部分をコアとする導波路が形成されるようにしている。なお、本実施形態では、光学部材1と発光素子アレイ7との間にも、透明樹脂14を充填することにより、発光素子アレイ7を光学部材1に接着固定している。この透明樹脂14は、光学部材1の第2の面1b側から充填可能であり、紫外線硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
光学部材1の装着面である第2の面1b側には、光ファイバコネクタ11が着脱可能に設けられており、この光ファイバコネクタ11を光学部材1へ取り付けることにより、発光素子アレイ7と光ファイバコネクタ11との光結合が可能となる。この光ファイバコネクタ11は、ポリエステル樹脂、PPS樹脂及びエポキシ樹脂の何れかを含む材料で形成された光フェルール12を有しており、テープ状の光ケーブルとされた複数本の光ファイバ心線15が接続されている。
光ファイバ心線15は、コア4およびクラッド8を有する光ファイバ3を樹脂によって被覆したものであり、光ファイバ心線15の端部で被覆から露出された光ファイバ3が光フェルール12に保持されている。そして、光フェルール12における光学部材1との対向面である光入出面12aで、それぞれの光ファイバ3の端面が露出されている。
光ファイバコネクタ11には、光学部材1側の光入出面12aの両側部に、光学部材1側へ突出する位置決めピン16が設けられている。これらの位置決めピン16は、光学部材1における複数の光導通孔2の配列の両側部に形成された位置決め穴17へ挿入可能となっている。そして、光ファイバコネクタ11は、位置決めピン16を位置決め穴17へ挿入させながら、光学部材1側へ近接させることにより、光学的な調心を行うことなく、光ファイバ3の先端面を光学部材1の光導通孔2に対向した光結合位置に高精度に位置決めして配置させることができる。
また、光学部材1には、光ファイバコネクタ11を係止するラッチ等の図示しない係止手段が設けられており、光ファイバコネクタ11は、係止手段によって光学部材1の所定位置に係止される。なお、光学部材1に位置決めピンを設け、光ファイバコネクタ11に位置決めピンが挿入可能な位置決め穴を形成しても良い。
このように、光電気変換モジュール10の光学部材1に対して、光ファイバコネクタ11が着脱可能とされているので、光ファイバコネクタ11の接続後に、例えば、光ファイバ心線15側に不具合が生じたとしても、光電気変換モジュール11全体を交換する必要がなく、歩留まりの低下によるコスト高を抑えることができる。また、予め光ファイバ心線15を接続した構造と比較して、良好な組み立て作業性を確保することができる。
上記の光電気変換モジュール10では、発光素子アレイ7の発光部6から発光された光が、光導通孔2を介して光ファイバコネクタ11の光ファイバ3へ入射することにより、発光素子アレイ7と光ファイバ3との間で、光学部材1の光導通孔2を介して光伝送が行われる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明において、発光部6が円形でない場合における、発光径D6の長さは、その発光部6を取り囲む最小の円の径とすればよい。例えば、発光部6が長方形の場合は、その径は対角線の長さに等しくなる。
1…光学部材、2…光導通孔、3…光ファイバ、4…コア、5…発光素子、6…発光部、7…発光素子アレイ、8…クラッド、9…回路パターン、10…光電気変換モジュール、11…光ファイバコネクタ、12…光フェルール、13,21,22…バンプ、14…透明樹脂、15…光ファイバ心線、16…位置決めピン、17…位置決め穴、20…電気デバイス、101…光フェルール、102…電極、103…光ファイバ穴、104…受発光素子、105…光ファイバ。

Claims (6)

  1. 発光素子と光ファイバとを結合させる光学部材であって、前記発光素子と前記光ファイバとが対向する位置に光導通孔が設けられ、該光導通孔の光入射面側の孔径は、前記光導通孔の光入射面側に設けられる発光素子の光出射部の出射径より大きく、かつ、前記光導通孔の光出射面側の孔径は、前記光導通孔の光出射面側に設けられる光ファイバの光入射部の入射径より大きくなるように、前記光導通孔が形成されていることを特徴とする光学部材。
  2. 前記光導通孔の内面に反射ミラーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記光学部材が透明体からなり、前記光導通孔内に前記透明体よりも高屈折率の透明体が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  4. 前記発光素子および光ファイバのそれぞれの光軸が、前記光導通孔の光軸と一致するように、前記発光素子または前記光ファイバが配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の光学部材。
  5. 前記光学部材が、前記光ファイバを装着した光ファイバコネクタの位置決め構造を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の光学部材。
  6. 前記発光素子が複数の発光素子をアレイ状に実装した発光素子アレイとして構成され、かつ、前記光ファイバが複数の光ファイバをアレイ状に形成された光ファイバアレイとして構成されていることを特徴とする請求項5に記載の光学部材。
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