JP2013079102A - 封緘済み封筒の検査装置及びその検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検査対象となる封筒Eを搬送する過程で、フラップ押さえローラ34及び封筒押し込みローラ36により封筒Eに変形を加える。フラップ部Fの接着不良箇所があれば、封筒本体Bからフラップ部Fが浮き上がるので、2つの変位センサ42,44の測定値の差が大きく現れる。これに対し、封筒Eの材質等により皺が寄っている場合、封筒本体Bとともにフラップ部Fが全体的に膨らんでいるため、2つの変位センサ42,44の測定値には特に大きな差が現れないので、接着不良と誤判定することがない。
【選択図】図2
Description
本発明(第1発明)は、封緘済み封筒の検査装置及びその検査方法である。
検査装置(第1発明)は搬送機構及び変形機構を備え、このうち搬送機構は、内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する。このとき搬送方向は、フラップ部の長手方向(接着部分の長手方向)に合致していることが好ましい。また変形機構は、封緘済み封筒の搬送過程で、封筒本体とフラップ部との貼り合わせ領域をフラップ部の側から搬送面を離れる方向へ反らせつつ、封筒本体の貼り合わせ領域以外を搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる。
すなわち、検査対象となる封筒によっては、曲げ等の変形を加えることで封筒本体(封筒面)そのものに皺が寄りやすい材質を使用していることもある。この場合、フラップ部の接着状態に問題がない良品であっても、封筒本体に生じた皺と一緒にフラップ部も膨らむため、上述した第1の先行技術の手法では良品を誤って不良品と判定してしまうおそれがある。
〔搬送工程〕
この工程では、内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する。
この工程では、搬送工程を通じて封緘済み封筒が搬送される過程で、封筒本体とフラップ部との貼り合わせ領域をフラップ部の側から搬送面を離れる方向へ反らせつつ、封筒本体の貼り合わせ領域以外を搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる。
この工程では、変形工程で貼り合わせ領域への反りと貼り合わせ領域以外への窪みがともに与えられる位置で、搬送面に相対する所定の基準位置から貼り合わせ領域までの距離と貼り合わせ領域以外までの距離をそれぞれ測定する。
この工程では、測定工程で測定された複数の距離の相対関係に基づいて、封筒本体へのフラップ部の接着状態を検査する。
本発明(第2発明)は、封緘済み封筒の検査装置及びその検査方法である。
検査装置(第2発明)は搬送機構及び変形機構を備え、このうち搬送機構は、内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する。このとき搬送方向は、フラップ部の長手方向(接着部分の長手方向)に合致していることが好ましい。また変形機構は、封緘済み封筒の搬送過程で、封筒本体とフラップ部との貼り合わせ領域をフラップ部の側から搬送面を離れる方向へ反らせつつ、封筒本体の貼り合わせ領域以外を搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる。
〔搬送工程〕
この工程では、内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する。
この工程では、搬送工程を通じて封緘済み封筒が搬送される過程で、封筒本体とフラップ部との貼り合わせ領域をフラップ部の側から搬送面を離れる方向へ反らせつつ、封筒本体の貼り合わせ領域以外を搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる。
この工程では、変形工程で貼り合わせ領域への反りと貼り合わせ領域以外への窪みがともに与えられる位置を封緘済み封筒が通過する過程で、基準位置から貼り合わせ領域までの距離を複数回にわたり測定する。
この工程では、測定工程で測定された複数回分の距離の変化態様に基づいて、封筒本体へのフラップ部の接着状態を検査する。
第1部において、第1発明の検査装置の一実施形態について説明し、この検査装置を用いて実施される第1発明の検査方法について明らかにする。
一実施形態の検査装置10は、封緘済みの封筒Eを搬送する過程で、フラップ部Fの接着状態(接着不良の有無)を自動で検査するものである。検査装置10は、例えば図示しない封入封緘機に接続して使用することができ、封入封緘機において封筒Eには、例えば商取引上の書類や広告等の内容物が自動で封入された後、フラップ部Fを自動で接着(糊付け)して封緘するまでの作業が行われている。なおフラップ部Fの接着は、例えば予め塗布されている再湿糊(アラビア糊)に水分を付加して行われる。また封筒Eは、定形のものでも定形外のものでもよい。
検査装置10は搬送機構11を備えており、この搬送機構11は、例えば図示しない封入封緘機から受け取った封緘済みの封筒Eを、図1に示す白抜き矢印の方向へ搬送する。搬送機構11は無端状の搬送ベルト12を有しており、搬送ベルト12は主に、駆動ローラ14、従動ローラ16及びテンションローラ8に掛け回されている。
また、検査装置は変形機構30を備えており、この変形機構30は、搬送方向でみて搬送路の中央位置に設けられている。変形機構30は、搬送過程にある封筒Eに変形を加えることで、フラップ部Fに接着不良箇所があった場合はこれを浮き上がらせることができる。
そして検査装置10は、フラップ部Fの接着状態を検査するため、2つの変位センサ42,44及び検査ユニット46を有している。変位センサ42,44は反射型の光学式距離センサであり、いずれも搬送方向でみて、封筒押し込みローラ36と略同じ位置でセンサ光を送受光する。このうち一方の変位センサ44は、フラップ部Fに対応する領域を測定対象位置としており、他方の変位センサ42は、フラップ部Fに対応する領域以外を測定対象位置としている。そして、各変位センサ42,44の検出信号は検査ユニット46に入力され、その内部で情報処理に用いられる。
図3は、搬送路上での封筒Eと各センサ光軸(測定位置)との位置関係を示す平面図である。2つの変位センサ42,44は固定されているが、封筒Eが搬送される過程で、一方の変位センサ44は走査線L1上で貼り合わせ領域A1までの距離を測定し、他方の変位センサ42は、走査線L2上で本体領域A2までの距離を測定する。このとき、貼り合わせ領域A1に対応する走査線L1は、フラップ部Fの接着部分Pの幅方向でみた略中央に位置合わせされている。また本体領域A2に対応する走査線L2は、フラップ部Fの縁からある程度近い所に位置合わせされているものとする。
各変位センサ42,44による測定は、1つの封筒Eが搬送される過程で、複数回(例えば10回程度)にわたり行われる。具体的には、変位センサ42,44のセンサ光軸位置を封筒Eが通過する間に、測定部48による検出信号の読み取りが一定間隔で複数回にわたり行われることになる。これにより、1つの封筒Eが搬送される過程で、各走査線L1,L2上の複数箇所(例えば10箇所)で距離の測定が行われる。
図4は、変位センサ42,44による距離の測定結果をフラップ部Fの接着状態別に示した図である。このうち図4(A)は、良好な接着状態で封筒Eに皺が寄らない場合、図4(B)は不良な接着状態でフラップ部Fに浮き上がりが生じている場合、図4(C)は良好な接着状態であるが、封筒Eに皺が寄っている場合をそれぞれ示している。以下、より具体的に説明する。
図4(A):フラップ部Fの接着状態が良好で、封筒Eに皺が寄らなかった場合、各変位センサ42,44の測定位置でフラップ部Fと封筒本体Bはともに窪んだ状態にある。このとき、変位センサ42,44の送受光面を基準位置とすると、一方の変位センサ44は、基準位置から貼り合わせ領域A1までの距離を測定し、測定値D1を得ることができる。また、他方の変位センサ42は、基準位置から本体領域A2までの距離を測定し、測定値D2を得ることができる。そしてこの場合、2つの測定値D1,D2の差H(=D1−D2)は比較的小さくなる(例えば、フラップ部Fの厚み程度)。
図4(B):これに対し、フラップ部Fに接着状態の不良箇所があった場合、各変位センサ42,44の測定位置で封筒本体Bは窪んだ状態にあるが、フラップ部Fは封筒本体Bから浮き上がった状態となる。この場合、2つの測定値D1,D2の差H(=D1−D2)は、比較的大きくなる(フラップ部Fの浮き上がり高さに相当)。
図4(C):一方、フラップ部Fの接着状態は良好であるが、封筒Eの材質等によって全体に皺が寄った場合、各変位センサ42の測定位置では、封筒押し込みローラ36に接する面の封筒本体B、及びフラップ部Fがともに膨らんだ状態となる(ただし、内容物は窪んだ状態にある。)。したがってこの場合、2つの測定値D1,D2の差H(=D1−D2)は比較的小さいままとなる(例えば、フラップ部Fの厚み程度)。
次に、検査ユニット46の機能について具体的に説明し、合わせて検査装置10を用いて実行される検査方法についても明らかにする。
先ず検査装置10の搬送機構11を用いて、検査対象となる封筒Eを搬送路上にて搬送する。なお封筒Eは、単位時間内に複数部を連続して搬送してもよい。
搬送機構11による封筒Eの搬送過程で、検査装置10の変形機構30を用いて封筒Eに変形を加える。封筒Eに加えられる変形の態様は、既に説明したとおりである。
そして、封筒Eが各変位センサ42の測定位置を通過する際に、基準位置から貼り合わせ領域A1及び本体領域A2までの距離をそれぞれ測定する。測定には、2つの変位センサ42,44、及び検査ユニット46の測定部48を用いることができる。
2つの変位センサ42の測定値D1,D2の相対関係として、両者の差(D1−D2)を演算し、その結果からフラップ部Fの接着状態を検査する。例えば、差(D1−D2)が所定の閾値未満である場合は接着状態が良好であると判定し、逆に閾値以上である場合は接着不良と判定する。
図5は、検査ユニット46により実行される検査処理の流れを示すフローチャートである。上記の測定工程及び検査工程は、この検査処理の実行により進行する。
ステップS108:これに対し、差(D1−D2)が閾値以上である場合(ステップS104:No)、判定部52はフラップ部Fの接着状態が不良であると判定する。なお閾値は、検査対象となる封筒Eの材質やサイズ、検査したい接着不良箇所の程度(長さ)に応じて予め適切に設定しておくことができる。
以下に具体例として、(1)良品の検査結果(皺なし)、(2)不良品の検査結果、(3)良品の検査結果(皺あり)をそれぞれ挙げる。
図6は、良品の封筒Eについて、複数の測定箇所で取得した測定値D1,D2とこれらの差(D1−D2)を一覧にして示す表である。表の最上段には測定箇所番号として「1」〜「10」を示し、番号別のカラムには上から順に測定値D1、測定値D2、これらの差(D1−D2)の演算結果を数値で示している。
次に図8は、不良品の封筒Eについての値を一覧にして示す表である。なお、表は図8(A)に示されており、同図8(B)は、接着不良箇所を有する不良品の封筒Eの態様を一例として示すものである。接着不良箇所は、例えば定形サイズの封筒Eで50mm程度の長さを有するものを想定している。
次に図10は、別の良品の封筒Eについての値を一覧にして示す表である。また図11は、図10の表に示される数値をプロットしたグラフである。図10(A)は、測定箇所別の測定値D1を示し、図10(B)は測定箇所別の測定値D2を示す。
以上のように、封緘済み封筒Eの検査装置10及びその検査方法によれば、特定位置の光学センサからフラップ部Fまでの距離を基準として検査するのではなく、検査対象の封筒Eについて、2つの測定値D1,D2の相対関係からフラップ部Fの浮き上がりを判断して接着状態を検査しているので、厚みが異なる封筒Eが混在していても、封筒Eの厚みの違いによる影響を受けることなく、フラップ部Fの接着不良を正確に検査することができる。
第2部において、第2発明の検査装置の一実施形態について説明し、この検査装置を用いて実施される第2発明の検査方法について明らかにする。なお、一部の説明は第1部と重複するが、基本的に第1部の検査装置10と共通する構成には図示とともに同じ符号を付し、個々の説明を省略するものとする。
第2発明に対応する一実施形態の検査装置100は、封緘済みの封筒Eを搬送する過程で、フラップ部Fの接着状態(接着不良の有無)を自動で検査するものである。検査装置100は、例えば図示しない封入封緘機に接続して使用することができ、封入封緘機において封筒Eには、例えば商取引上の書類や広告等の内容物が自動で封入された後、フラップ部Fを自動で接着(糊付け)して封緘するまでの作業が行われている。なおフラップ部Fの接着は、例えば予め塗布されている再湿糊(アラビア糊)に水分を付加して行われる。また封筒Eは、定形のものでも定形外のものでもよい。
検査装置100は、第1部で説明した検査装置10と同様の搬送機構11及び変形機構30を備えている。これらの構成及び動作は第1部で説明したものと同様である。
そして検査装置100は、フラップ部Fの接着状態を検査するため、変位センサ440及び検査ユニット46を有している。変位センサ440は反射型の光学式距離センサであり、いずれも搬送方向でみて、封筒押し込みローラ36と略同じ位置でセンサ光を送受光する。なお変位センサ440は、フラップ部Fに対応する領域を測定対象位置としている。変位センサ440の検出信号は検査ユニット46に入力され、その内部で情報処理に用いられる。
搬送機構11による封筒Eの搬送過程で、変形機構30により封筒Eに変形が加えられる態様は、基本的に第1部で説明したものと同じである。
図14は、搬送路上での封筒Eとセンサ光軸(測定位置)との位置関係を示す平面図である。変位センサ440は固定されているが、封筒Eが搬送される過程で、変位センサ440は走査線L3上で貼り合わせ領域A1までの距離を測定する。このとき走査線L3は、フラップ部Fの接着部分Pの幅方向でみた略中央に位置合わせされている。
変位センサ440による測定は、1つの封筒Eが搬送される過程で、複数回(例えば10回程度)にわたり行われる。具体的には、変位センサ440のセンサ光軸位置を封筒Eが通過する間に、測定部48による検出信号の読み取りが一定間隔で複数回にわたり行われることになる。これにより、1つの封筒Eが搬送される過程で、走査線L3上の複数箇所(例えば10箇所)で距離の測定が行われる。
図15は、検査対象に厚みの異なる封筒Eが混在している場合への対応を示した図である。このうち図15(A)は、比較的厚みT1が小さい封筒Eが検査対象となる場合を示し、図15(B)は、比較的厚みT2が大きい封筒Eが検査対象となる場合を示している。
この点、図15(A),(B)に二点鎖線で示されているように、例えば搬送面(符号CS)から一定の高さにセンサSを固定して検査を行う場合、センサ光軸が搬送面と平行に配置されることになる。この場合、図15(A)に示されるように、厚みT1が比較的小さい封筒Eについては、フラップ部Fの浮き上がりを検査する際に一応有効であると考えられる。しかし、図15(B)に示されるように、厚みT2が比較的大きい封筒Eについては、良品の状態で封筒Eそのものがセンサ光軸にかかってしまうため、有効に検査することは不可能となる。
図16は、変位センサ440により測定された距離の変化態様をフラップ部Fの接着状態別に示した図である。このうち図16(A)は、フラップ部Fの接着不良がない良品の場合、図16(B)は不良な接着状態でフラップ部Fに浮き上がりが生じている場合をそれぞれ示している。以下、より具体的に説明する。
図16(A):フラップ部Fの接着状態が良好である場合、封筒Eの搬送過程を通して変位センサ440の測定位置でフラップ部Fと封筒本体Bはともに窪んだ状態にある(つまり、フラップ部Fに浮き上がりが生じない。)。このとき、封筒Eが白抜き矢印の方向へ搬送されており、変位センサ440が封筒Eの搬送過程で複数回にわたり距離の測定を行うとすると、前回の測定時(二点鎖線で示す)に得られた測定値D3’と、今回の測定時(実線で示す)に得られた測定値D3とでは、両者に目立った変化が現れていない。
図16(B):これに対し、フラップ部Fに接着状態の不良箇所があった場合、変位センサ440の測定位置でフラップ部Fは封筒本体Bから浮き上がった状態となる。この場合、前回の測定時(二点鎖線で示す)に得られた測定値D3’と、今回の測定時(実線で示す)に得られた測定値D3とで、両者に顕著な変化(=ΔD)が現れる。これは、浮き上がりによってフラップ部Fの表面に傾斜が生じていることを意味する。
次に、検査ユニット46の機能について具体的に説明し、合わせて検査装置100を用いて実行される検査方法についても明らかにする。
先ず検査装置100の搬送機構11を用いて、検査対象となる封筒Eを搬送路上にて搬送する。なお封筒Eは、単位時間内に複数部を連続して搬送してもよい。
搬送機構11による封筒Eの搬送過程で、検査装置100の変形機構30を用いて封筒Eに変形を加える。封筒Eに加えられる変形の態様は、既に説明したとおりである。
そして、封筒Eが変位センサ440の測定位置を通過する際に、基準位置から貼り合わせ領域A1までの距離を測定する。測定は、1つの封筒Eについて複数回(例えば定形のもので10回程度)にわたり行うものとする。また距離の測定には、変位センサ440及び検査ユニット46の測定部48を用いることができる。
変位センサ440による複数回分の測定値の変化態様として、例えば連続する測定値D3,D3’の差(ΔD3=D3−D3’)を一通り演算し、その結果からフラップ部Fの接着状態を検査する。例えば、複数回分の測定値D3が順に10,20,60,40,10(単位はmm)であったとすると、これらの中で隣り合っている測定値の差ΔD3は、以下のようになる。
(1)20−10=10
(2)60−20=40
(3)40−60=−20
(4)10−40=−30
差ΔD3の計算値は、搬送方向で隣り合う測定箇所間でのフラップ部Fの傾きを表している。検査に際しては、先ず差ΔD3の計算値の中から最大となるプラスの傾きを検索し、その最大のプラスの傾きよりも後の順番に絶対値で一定以上のマイナスの計算値があるか否かを調査する。
以下に具体例として、(1)良品の検査結果、(2)不良品の検査結果をそれぞれ挙げる。
図17は、良品の封筒Eについて複数の測定箇所で取得した測定値D3と、隣り合う測定箇所間での傾き計算値(ΔD3=D3−D3’)を一覧にして示す表である。表の最上段には測定箇所番号として「1」〜「10」を示し、番号別のカラムには上から順に測定値D3、傾き計算値(番号順で隣り合う測定値の差)の演算結果を数値で示している。
次に図19は、不良品の封筒Eについての値を一覧にして示す表である。なお、接着不良箇所を有する不良品の封筒Eの態様は第1部と同様である。
これら図19及び図20から明らかなように、この検査対象の封筒Eでは、最大のプラスの傾き計算値は「3.21」であり、その後の順番に「−3.89」というマイナスの計算値がある。つまりこの場合、最大となるプラスの傾き計算値の後に、一定以上(例えば絶対値で2.5以上)のマイナスの計算値が存在している。これは、検査対象の封筒Eにフラップ部Fの浮き上がりが発生していることを表している。
以上のように、封緘済み封筒Eの検査装置100及びその検査方法によれば、厚みが異なる封筒Eが混在していても、封筒Eの厚みの違いによる影響を受けることなく、フラップ部Fの接着不良を正確に検査することができる。
11 搬送機構
12 搬送ベルト
30 変形機構
32 封筒受け板
34 フラップ押さえローラ
36 封筒押し込みローラ
36a 回転軸
36b 調整機構
42,44 変位センサ
46 検査ユニット
48 測定部
50 演算部
52 判定部
100 検査装置
440 変位センサ
Claims (14)
- 内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する搬送機構と、
前記封緘済み封筒の搬送過程で、前記封筒本体と前記フラップ部との貼り合わせ領域を前記フラップ部の側から前記搬送面を離れる方向へ反らせつつ、前記封筒本体の前記貼り合わせ領域以外を前記搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる変形機構と、
前記変形機構により前記貼り合わせ領域への反りと前記貼り合わせ領域以外への窪みがともに与えられる位置で、前記搬送面に相対する所定の基準位置から前記貼り合わせ領域までの距離と前記貼り合わせ領域以外までの距離をそれぞれ測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された複数の距離の相対関係に基づいて、前記封筒本体への前記フラップ部の接着状態を検査する検査手段と
を備えた封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項1に記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記検査手段は、
複数の距離の差に基づいて、前記フラップ部の接着状態を検査することを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項1又は2に記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記測定手段は、
搬送方向でみた前記封緘済み封筒の複数箇所で前記貼り合わせ領域までの距離と前記貼り合わせ領域以外までの距離とをそれぞれ測定し、
前記検査手段は、
複数箇所のそれぞれで測定された複数の距離の差に基づいて前記フラップ部の接着状態を検査することを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記測定手段は、
前記基準位置に配置され、前記フラップ部の接着位置で前記貼り合わせ領域の外面までの距離を測定する第1の変位センサと、
前記基準位置に配置され、前記封筒本体の前記貼り合わせ領域以外の外面までの距離を測定する第2の変位センサとを含み、
前記検査手段は、
前記第1及び第2の変位センサによりそれぞれ測定された2つの距離の差を演算する演算部と、
前記演算部により演算された2つの距離の差と所定値とを比較した結果から前記フラップ部の接着状態の良否を判定する判定部とを含む
ことを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記変形機構は、
前記搬送面に沿って配置され、前記封緘済み封筒が搬送される過程で前記貼り合わせ領域以外を前記フラップ部の貼り合わせ面とは反対側から支持する封筒受け部材と、
前記搬送面を挟んで前記封筒受け部材と反対側に回転軸が配置され、前記封緘済み封筒が搬送される過程で前記封筒受け部材と反対側から前記搬送面を越えて円錐形状に拡がる外周面に沿って前記貼り合わせ領域を相対的に案内することにより、前記封筒受け部材を支点として前記貼り合わせ領域に反り変形を与えるフラップ押さえローラと、
前記搬送面に相対して回転軸が配置され、前記封緘済み封筒が搬送される過程で前記回転軸から前記搬送面までの間隔より半径が大きい外周面に沿って前記貼り合わせ領域以外を相対的に案内することにより、前記貼り合わせ領域以外に前記搬送面を越えて窪み変形を与える押し込みローラと、
前記押し込みローラの回転軸の位置を前記封緘済み封筒の厚み方向に調整可能とする調整機構と
を含むことを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する搬送工程と、
前記搬送工程を通じて前記封緘済み封筒が搬送される過程で、前記封筒本体と前記フラップ部との貼り合わせ領域を前記フラップ部の側から前記搬送面を離れる方向へ反らせつつ、前記封筒本体の前記貼り合わせ領域以外を前記搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる変形工程と、
前記変形工程で前記貼り合わせ領域への反りと前記貼り合わせ領域以外への窪みがともに与えられる位置で、前記搬送面に相対する所定の基準位置から前記貼り合わせ領域までの距離と前記貼り合わせ領域以外までの距離をそれぞれ測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された複数の距離の相対関係に基づいて、前記封筒本体への前記フラップ部の接着状態を検査する検査工程と
を有する封緘済み封筒の検査方法。 - 請求項6に記載の封緘済み封筒の検査方法において、
前記検査工程では、
複数の距離の差に基づいて、前記フラップ部の接着状態を検査することを特徴とする封緘済み封筒の検査方法。 - 請求項6又は7に記載の封緘済み封筒の検査方法において、
前記測定工程では、
搬送方向でみた前記封緘済み封筒の複数箇所で前記貼り合わせ領域までの距離と前記貼り合わせ領域以外までの距離とをそれぞれ測定し、
前記検査工程では、
複数箇所のそれぞれで測定された複数の距離の差に基づいて前記フラップ部の接着状態を検査することを特徴とする封緘済み封筒の検査方法。 - 内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する搬送機構と、
前記封緘済み封筒の搬送過程で、前記封筒本体と前記フラップ部との貼り合わせ領域を前記フラップ部の側から前記搬送面を離れる方向へ反らせつつ、前記封筒本体の前記貼り合わせ領域以外を前記搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる変形機構と、
前記変形機構により前記貼り合わせ領域への反りと前記貼り合わせ領域以外への窪みがともに与えられる位置を前記封緘済み封筒が通過する過程で、前記搬送面に相対する所定の基準位置から前記貼り合わせ領域までの距離を複数回にわたり測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された複数回分の距離の変化態様に基づいて、前記封筒本体への前記フラップ部の接着状態を検査する検査手段と
を備えた封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項9に記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記検査手段は、
前記測定手段により連続して測定された2つの距離の差に基づいて、前記フラップ部の接着状態を検査することを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項9又は10に記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記測定手段は、
前記基準位置に配置され、前記フラップ部の接着位置で前記貼り合わせ領域の外面までの距離を検出する変位センサを含み、
前記検査手段は、
前記変位センサにより連続して測定された2つの距離の差を演算する演算部と、
前記演算部により演算された2つの距離の差を用いて前記フラップ部の接着状態の良否を判定する判定部とを含む
ことを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 請求項9から11のいずれかに記載の封緘済み封筒の検査装置において、
前記変形機構は、
前記搬送面に沿って配置され、前記封緘済み封筒が搬送される過程で前記貼り合わせ領域以外を前記フラップ部の貼り合わせ面とは反対側から支持する封筒受け部材と、
前記搬送面を挟んで前記封筒受け部材と反対側に回転軸が配置され、前記封緘済み封筒が搬送される過程で前記封筒受け部材と反対側から前記搬送面を越えて円錐形状に拡がる外周面に沿って前記貼り合わせ領域を相対的に案内することにより、前記封筒受け部材を支点として前記貼り合わせ領域に反り変形を与えるフラップ押さえローラと、
前記搬送面に相対して回転軸が配置され、前記封緘済み封筒が搬送される過程で前記回転軸から前記搬送面までの間隔より半径が大きい外周面に沿って前記貼り合わせ領域以外を相対的に案内することにより、前記貼り合わせ領域以外に前記搬送面を越えて窪み変形を与える押し込みローラと、
前記封緘済み封筒の厚みに応じて、前記搬送面から前記押し込みローラの回転軸までの距離を調整可能とする調整機構と
を含むことを特徴とする封緘済み封筒の検査装置。 - 内容物が封入された封筒本体にフラップ部が接着された状態の封緘済み封筒を、所定の搬送面に沿って搬送する搬送工程と、
前記搬送工程を通じて前記封緘済み封筒が搬送される過程で、前記封筒本体と前記フラップ部との貼り合わせ領域を前記フラップ部の側から前記搬送面を離れる方向へ反らせつつ、前記封筒本体の前記貼り合わせ領域以外を前記搬送面に対向する側から厚み方向に押し込んで窪ませる変形工程と、
前記変形工程で前記貼り合わせ領域への反りと前記貼り合わせ領域以外への窪みがともに与えられる位置を前記封緘済み封筒が通過する過程で、前記基準位置から前記貼り合わせ領域までの距離を複数回にわたり測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された複数回分の距離の変化態様に基づいて、前記封筒本体への前記フラップ部の接着状態を検査する検査工程と
を有する封緘済み封筒の検査方法。 - 請求項13に記載の封緘済み封筒の検査方法において、
前記検査工程では、
前記測定工程で連続して測定された2つの距離の差に基づいて、前記フラップ部の接着状態を検査することを特徴とする封緘済み封筒の検査方法。
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