JP2013077637A - 光学特性計測方法及び装置、パターン板、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

光学特性計測方法及び装置、パターン板、並びに露光方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検光学系の光学特性を計測する際に、被検光学系に含まれる誤差要因の影響を軽減する。
【解決手段】被検光学系の光学特性を計測する光学特性計測方法であって、レチクル基板の表面の遮光膜32中に形成されるとともに、所定の中心36から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリットパターン38A〜38Eを含む計測用パターン34のその被検光学系による像の強度分布を検出し、その検出された強度分布からその被検光学系の光学特性を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、投影光学系などの被検光学系の光学特性を計測する光学特性計測技術、その被検光学系の光学特性を計測する際に使用できるパターン板、その光学特性計測技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体素子又は液晶表示素子等のデバイス(電子デバイス又はマイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィー工程で使用されるステッパー又はスキャニングステッパー等の露光装置(投影露光装置)は、常に高い露光精度で露光を行うために、投影光学系の結像特性を所定の状態に維持する必要がある。そのため、従来より露光装置は、オン・ボディで投影光学系の結像特性を計測し、この計測結果に基づいて投影光学系の微調整を行っている。従来の計測方法としては、レチクルに設けた計測用パターンの投影光学系による像の強度分布を例えば像面の高さを変化させながら複数回検出し、この検出結果から位相回復法によって投影光学系の波面収差情報を推定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−303302号公報
従来の計測方法では、投影光学系を含むレチクルと計測用パターンの像の検出面との間の光学系の倍率として想定している値と、実際の倍率との間に誤差がある場合を想定しておらず、計測用パターンの座標が正確であると仮定していた。このため、その光学系の倍率の想定値と実際の倍率との間に誤差があると、波面収差情報の計測精度が低下するおそれがあった。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、被検光学系の光学特性を計測する際に、被検光学系に含まれる誤差要因の影響を軽減することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、被検光学系の光学特性を計測する方法において、所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンを含む計測用パターンのその被検光学系による像の強度分布を検出し、その検出された強度分布からその被検光学系の光学特性を求める光学特性計測方法が提供される。
また、第2の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、第1の態様の光学特性計測方法を用いてその投影光学系の光学特性を計測する工程を有する露光方法が提供される。
また、第3の態様によれば、被検光学系の光学特性を計測する光学特性計測装置が提供される。この光学特性計測装置は、所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンを含む計測用パターンが形成されたパターン板と、そのパターン板に形成されたその計測用パターンのその被検光学系による像の強度分布を検出する撮像装置と、その検出された強度分布からその被検光学系の光学特性を求める演算装置と、を備えるものである。
また、第4の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、第3の態様の光学特性計測装置を備え、その光学特性計測装置を用いてその投影光学系の光学特性を計測する露光装置が提供される。
また、第5の態様によれば、被検光学系の光学特性を計測するために使用されるパターンが形成されたパターン板であって、所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンを含む計測用パターンが形成されたパターン板が提供される。
また、第6の態様によれば、第2の態様による露光方法又は第4の態様による露光装置を用いて感光性基板を露光することと、その露光された感光性基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第1の態様又は第3の態様によれば、所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンの像の位置関係は、被検光学系などの倍率誤差があっても変化しない。従って、その複数のスリット状のパターンの像の強度分布を検出することによって、その被検光学系の光学特性を計測する際に、その被検光学系に含まれる誤差要因の影響が軽減される。
第1の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す一部が切り欠かれた図である。 (A)は図1中の計測用パターンを示す拡大図、(B)はその計測用パターンの像を示す拡大図である。 波面収差計測方法の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS4の前半の動作の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS4の後半の動作の一例を示すフローチャートである。 (A)は変形例の計測用パターンを示す拡大図、(B)は撮像素子の撮像面が傾斜している状態を示す図である。 (A)は第2の実施形態に係る計測用パターンを示す拡大図、(B)はその計測用パターンの像を示す拡大図、(C)はその計測用パターンの像が傾いている状態を示す拡大図である。 (A)は第2の実施形態の変形例の計測用パターンを示す拡大図、(B)はその計測用パターンの像を示す拡大図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態につき図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施形態に係る露光装置(投影露光装置)EXの概略構成を示す。図1において、露光装置EXは、露光用の照明光(露光光)iLでレチクルR(マスク)(又はテストレチクルTR、以下同様)のパターンを照明する照明光学系10、レチクルRを移動可能に支持するレチクルステージRST、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)の表面(又は像面)に投影する投影光学系PL、投影光学系PLの結像特性としての波面収差情報を計測する波面収差計測装置8、投影光学系PLの全体を移動可能に支持する移動機構24、及び投影光学系PL内の所定の光学エレメントの位置や姿勢を調整して投影光学系PLの波面収差を調整する調整機構26を備えている。ウエハWは、例えば半導体よりなる円板状の基材の表面にフォトレジスト(感光材料)を塗布したものを含む。
また、露光装置EXは、ウエハWを移動可能に支持するウエハステージWST、ウエハステージWSTに設けられた空間像計測系12、空間像計測系12から出力される撮像信号を処理して投影光学系PLの波面収差情報を求めるコンピュータよりなる演算装置28、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御系20、及び他の駆動系等を備えている。なお、演算装置28は、主制御系20を構成するコンピュータのソフトウェア上の機能であってもよい。以下、投影光学系PLの光軸AXに沿ってZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行な方向にX軸、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。
まず、照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が使用されているが、その外にKrFエキシマレーザ光(波長248nm)、又は固体レーザ(YAGレーザ若しくは半導体レーザ等)の高調波等も使用できる。照明光学系10は、例えば米国特許出願公開第2003/025890号明細書などに開示されるように、空間光変調器等を含む光量分布設定機構、オプティカルインテグレータ、及び可変視野絞り等を備え、被照明体のその可変視野絞りで規定される照明領域に、主制御系20に指定された照明条件(通常照明、複数極照明、輪帯照明、小σ照明等)で照明光ILを照射する。
レチクルステージRSTは、レチクルR等を保持してレチクルベース(不図示)のXY面に平行な上面を移動する。不図示のレーザ干渉計で計測されるレチクルステージRSTの位置情報及び主制御系20の制御情報に基づいて、第1制御系22RがレチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。投影光学系PLは屈折系又は反射屈折系等からなり、投影倍率は例えば縮小倍率(例えば1/4,1/5等)である。なお、例えば露光対象が表示素子用のガラスプレートにフォトレジストを塗布したものである場合には、投影光学系PLとして複数の部分投影光学系をX方向に一列又は複数列に配列した光学系を使用することもできる。移動機構24は投影光学系PLのZ方向の位置を調整する。移動機構24及び調整機構26は主制御系20によって制御される。
ウエハステージWSTは、ウエハWを保持してベース部材(不図示)のXY面に平行な上面を移動する。不図示のレーザ干渉計及び/又はエンコーダ装置で計測されるウエハステージWSTの位置情報及び主制御系20の制御情報に基づいて、第2制御系22WがウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。ウエハステージWSTにはウエハW及び空間像計測系12のZ方向の位置を制御するZステージ機構(不図示)も設けられている。
空間像計測系12は、ウエハWの表面と同じ高さの表面を持つガラス基板14と、ガラス基板14の表面に投影される計測用パターン等の像を再結像する結像光学系16と、その像が再結像される位置に撮像面(空間像計測系12の検出面)が配置された、CCD又はCMOS型等の2次元の撮像素子18とを有する。一例として、結像光学系16の倍率は拡大倍率(例えば数倍〜数10倍程度)である。撮像素子18から出力される撮像信号が演算装置28に供給される。なお、結像光学系16を省略して撮像素子18の撮像面(検出面)を投影光学系PLの像面に直接配置してもよい。さらに、空間像計測系12の代わりに、計測用パターン等の像をスリットで相対走査してその像の強度分布を求めるセンサも使用できる。
主制御系20の記憶装置には、露光動作制御用のプログラム及び投影光学系PLの波面収差情報計測時の制御用プログラムが記憶されており、演算装置28の記憶装置には、投影光学系PLの波面収差情報計測用のプログラムが記憶されている。
露光装置EXが、例えばスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である場合のウエハWの露光時の動作につき説明する。この場合、ウエハステージWSTを介してウエハWを走査開始位置まで移動する動作(ステップ移動)と、レチクルRのパターンの投影光学系PLによる像でウエハWの一つのショット領域の一部を露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを駆動してレチクルR及びウエハWをY方向に同期して移動する動作(走査露光)とを繰り返すことで、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの各ショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。
また、露光装置EXが例えばステッパーよりなる一括露光型の投影露光装置である場合、ウエハWを露光するときには、ウエハWのステップ移動と、レチクルRのパターンの投影光学系PLによる像でウエハWの一つのショット領域を露光する動作とを繰り返すことで、ウエハWの各ショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。
次に、本実施形態において、投影光学系PLの波面収差情報を計測する際に使用する計測用パターンについて説明する。その波面収差情報の計測時には、一例として、図1に示すように、レチクルステージRSTにレチクルRの代わりに計測用パターン34が形成されたテストレチクルTR(パターン板)がロードされる。テストレチクルTRは、ガラス基板30の表面(下面)のパターン領域内の金属膜等の遮光膜32中の複数の位置に、開口パターンよりなる計測用パターン34を形成したものである。この場合、テストレチクルTR、空間像計測系12、ウエハステージWST(Zステージ機構)、移動機構24、及び演算装置28を含んで波面収差計測装置8が構成される。
なお、計測用パターン34は、回路パターンを露光するためのレチクルR(実露光用のレチクル)のパターン領域内の一部に形成しておき、露光工程の間にそのレチクルRを用いて投影光学系PLの波面収差情報を計測してもよい。さらに、レチクルステージRSTの一部に計測用パターン34が形成された基準部材を設けておき、テストレチクルTRの代わりにその基準部材を使用してもよい。
そして、ウエハステージWSTを駆動することによって、複数の計測用パターン34のうち計測対象の計測用パターン34の投影光学系PLによる像が形成される領域(計測ポイント)に空間像計測系12のガラス基板14の表面が移動し、撮像素子18の撮像面(検出面)に計測用パターン34の像が再結像される。撮像素子18の撮像信号は演算装置28に供給される。
図2(A)は図1中の計測用パターン34を示す拡大図、図2(B)は計測用パターン34の投影光学系PLによる像34Pを示す拡大図である。なお、より正確には、図2(B)は計測用パターン34の投影光学系PL及び結像光学系16を合わせた合成光学系による像であり、合成光学系の倍率に応じて、像34Pは計測用パターン34より大きくなることがある。
図2(A)において、計測用パターン34は、遮光膜32中の中心36の回りに等角度間隔で複数(図2(A)では5本)の一定の幅を持つ細長い開口パターン(孤立線パターン)よりなるスリットパターン38A,38B,38C,38D,38Eを配置したものである。本実施形態では、スリットパターン38A〜38Eは互いに同一形状であり、スリットパターン38A,38B,38C,38D,38Eの中心線(長手方向に沿って両側のエッジ部から等距離の位置を通る直線)38Ac,38Bc,38Cc,38Dc,38Ecは中心36で交差している。
このとき、図2(B)に示すように、スリットパターン38A〜38Eの像38AP,38BP,38CP,38DP,38EPの中心線(不図示)も中心36に対応する点36Pで交差する。そして、上述の合成光学系の実際の倍率と想定した倍率(倍率の設計値)との間に誤差があると、実際のスリットパターンの像38AP〜38EPの位置は、点線で示す想定した像38A1,38B1,38C1,38D1,38E1の位置から点36Pの半径方向にずれることになる。しかしながら、このように実際の像38AP〜38EPが想定した像38A1〜38E1から半径方向にずれても、像38AP〜38EPの相対角度は変化しないため、その合成光学系の倍率の誤差に影響されることなく、像38AP〜38EPの強度分布を用いて投影光学系PLの波面収差情報を高精度に計測できる。
本実施形態では、計測用パターン34の像34P(スリットパターンの像38AP〜38EP)は、全体として撮像素子18の矩形の撮像面(検出面)に収まる大きさであり、1回の撮像によって得られる撮像信号に像34Pの全部の光強度分布情報が含まれている。また、計測用パターン34の5個のスリットパターン38A〜38Eは等角度間隔で配置されているため、スリットパターン38A〜38E(及びこれらの像38AP〜38EP)の方向は72°(=360°/5)ずつ異なっている。したがって、演算装置28は、撮像素子18から供給される撮像信号を処理して、スリットパターン38A〜38Eの像ごとの強度分布情報を求め、これらの強度分布情報から投影光学系PLの透過波面(投影光学系PLの瞳面を透過する光の波面形状)を72°間隔で異なる5個の方向に関して求める。さらに、演算装置28は、それらの透過波面をツェルニケ(Zernike) 多項式にフィッティングさせて、投影光学系PLの波面収差を、ツェルニケ多項式の例えば2次〜37次までの係数(ツェルニケ係数)Zi(i=1〜37)として求める。なお、2次〜37次までのツェルニケ多項式は、例えば特開2006−303302号公報に記載されている。
本実施形態のように72°間隔で方向の異なる5種類のスリットパターン38A〜38Eを用いた場合は、波面収差の5θ成分まで求めることができる。なお、算出可能な収差成分は、スリットパターン38A〜38E(計測用パターン34)の方向数及び方向の角度によって決まるので、その方向数及び方向の角度は、計測対象とすべき収差成分に応じて決定すればよい。
次に、本実施形態の露光装置EXにおいて、投影光学系PLの波面収差情報(ここでは透過波面)を波面収差計測装置8を用いてオン・ボディで計測する動作の一例につき図3〜図5のフローチャートを参照して説明する。この計測動作は主制御系20によって制御される。この場合、各方向のスリットパターン38A〜38Eを通過した照明光ILの透過波面の計測手順は、計測方向が異なるのみで、その他は同じである。そこで、以下では、ある一つのスリットパターン(例えば38A)の像を用いる一方向の透過波面の計測手順のみを説明する。
図3は、一方向の透過波面の計測動作を示すフローチャートである。この計測の準備工程として、テストレチクルTRの計測対象の計測用パターン34と空間像計測系12の検出面(撮像面)とは、投影光学系PL及び結像光学系16に関して光学的に共役となる位置関係に設定される。以下、各ステップを順に説明する。
(ステップS1)
照明光学系ILSからの照明光ILでテストレチクルTRの計測用パターン34を照明し、計測用パターン34の投影光学系PLによる像を空間像計測系12の撮像素子18で撮像し、撮像信号を演算装置28に供給する。演算装置28は、その撮像信号から計測用パターン34のスリットパターン(ここでは38A)の像の強度分布のデータ(以下、実測データという。)を求め、この実測データを内部の記憶装置に記憶する。
(ステップS2)
投影光学系PLの波面収差条件を、所定量だけ変更する。そのため、計測用パターン34の像のデフォーカス量Δと、テストレチクルTRのパターン面と投影光学系PLの上端の光学部材の表面との間隔D(以下、レチクル間隔Dという。)との組み合わせを変更する。このうち、デフォーカス量Δは、計測用パターン34の像のベストフォーカス位置と空間像計測系12の検出面とのZ方向のずれ量であり、これがある量だけ変化すると波面収差のフォーカス成分がそれに対応する量だけ変化する。また、レチクル間隔Dがある量だけ変化すると波面収差の回転対称成分がそれに対応する量だけ変化する。デフォーカス量Δ及びレチクル間隔Dをある量だけ変化させるには、それぞれ移動機構24及びウエハステージWSTのZステージ機構を対応する量だけ駆動すればよい。
(ステップS3)
必要な全ての実測データが取得済みか否かを判定し、取得済みでない場合はステップS1に戻り、取得済みであった場合にはステップS4に進む。
ここで、必要な全ての実測データとは、予め決められた全ての波面収差条件下で取得された全ての実測データのことを指す。その波面収差条件の数が多いほど、実測データの取得数が増えるので、透過波面の計測精度を高めることができる。ここでは、説明を簡単にするため、波面収差条件を以下の4条件に限定する。
(A1)第1条件…Δ=0、かつD=0(計測開始時の条件:デフォーカス無し、間隔ずれ無し)。
(A2)第2条件…Δ=Δ1(ある0以外の量)、かつD=0(デフォーカス有り、間隔ずれ無し)。
(A3)第3条件…Δ=Δ1、かつD=D1(ある0以外の量)(デフォーカス有り、間隔ずれ有り)。
(A4)第4条件…Δ=0、かつD=D1(デフォーカス無し、間隔ずれ有り)。
また、第i条件(i=1〜4)で取得される実測データを第i実測データという。このとき、第1条件〜第4条件の各条件下でそれぞれ取得される第1実測データ〜第4実測データの全てが演算装置28の記憶装置に格納されるまで、ステップS1,S2が繰り返される。
(ステップS4)
演算装置28は、第i実測データ(i=1〜4)に基づき位相回復演算を行う。位相回復演算は、大まかに分けて以下の6ステップからなる。
(B1)ステップS41…所定条件下における所定面の光の複素振幅分布を仮定するステップ。
(B2)ステップS42…第1実測データでそれを修正するステップ。
(B3)ステップS43…第2実測データでそれを修正するステップ。
(B4)ステップS44…第3実測データでそれを修正するステップ。
(B5)ステップS45…第4実測データでそれを修正するステップ。
(B6)ステップS46…ステップS42〜S45からなるループの繰り返し回数を制御するステップ。
(ステップS5)
演算装置28は、ステップS4における位相回復演算の結果から、投影光学系PLの透過波面を算出する。なお、ここで算出されるのは、特定方向の透過波面である。その方向は、ステップS1で用いられた計測用パターンの方向に対応する。
以下、ステップS4を詳細に説明する。
図4、図5は、ステップS4の詳細を示すフローチャートである。以下、各ステップを順に説明する。
先ず、第1条件下(Δ=0,D=0)の検出面上の計測用パターン34の像の複素振幅分布を任意に仮定する(ステップS41)。
次に、その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第1条件下(Δ=0,D=0)で取得した第1実測データに置換する。つまり、第1実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS421)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系PLの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS422)。
さらに、その複素振幅分布の位相項を調整し、第2条件下(Δ=Δ1,D=0)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS423)。
そして、その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第2条件下(Δ=Δ1,D=0)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS424)。
その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第2条件下(Δ=Δ1,D=0)で取得した第2実測データに置換する。つまり、第2実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS431)。
また、その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系PLの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS432)。
その複素振幅分布の位相項を調整し、第3条件下(Δ=Δ1,D=D1)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS433)。
その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第3条件下(Δ=Δ1,D=D1)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS434)。
そして、その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第3条件下(Δ=Δ1,D=D1)で取得した第3実測データに置換する。つまり、第3実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS441)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系PLの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS442)。
その複素振幅分布の位相項を調整し、第4条件下(Δ=0,D=D1)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS443)。
さらに、その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第4条件下(Δ=0,D=D1)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS444)。
次に、その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第4条件下(Δ=0,D=D1)で取得した第4実測データに置換する。つまり、第4実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS451)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系PLの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS452)。
さらに、その複素振幅分布の位相項を調整し、第1条件下(Δ=0,D=0)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS453)。
その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第1条件下(Δ=0,D=0)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS454)。
そして、以上のステップS42〜S45からなるループの繰り返し回数が所定値未満である場合(ステップS46で否となるとき)にはステップS42へ戻り、そのループを繰り返す。一方、それが所定値以上である場合(ステップS46で肯定となるとき)には、ステップS5へ進む。
このループが繰り返される毎に、複素振幅分布の位相項が真値に近づく。したがって、そのループが十分な回数だけ繰り返されれば、後段のステップS5では、その位相項から特定方向(例えばスリットパターン38Aに関する方向)の透過波面を高精度に求めることができる。同様に他のスリットパターン38B〜38Eに関する方向に関しても透過波面を高精度に求めることができ、これらの透過波面を合成することによって、例えば2次〜37次のツェルニケ係数で表される投影光学系PLの波面収差情報を求めることができる。この後、例えば求められた投影光学系PLの波面収差が許容範囲を超えているときには、その波面収差が許容範囲内になるように主制御系20は調整機構26を介して投影光学系PLの波面収差を補正する。これによって、その後の露光工程では、ウエハWにレチクルRのパターンの像を高精度に露光できる。
また、本実施形態では、波面収差条件を変化させながら計測用パターン34(スリットパターン38A〜38E)の像の強度分布データを複数回取得し、かつそれらのデータを用いて位相回復演算を行う。従って、スリットパターン38A〜38Eが単純な形状であるにも関わらず、多くの波面収差情報(少なくとも複数の方向の透過波面の情報)を取得することができる。つまり、多くの波面収差情報を比較的短時間で取得できる。
また、本実施形態では、波面収差条件を変化させる際に、フォーカス成分(デフォーカス量Δ)だけでなく回転対称成分(レチクル間隔D)をも変化させるので、フォーカス成分しか変化させない場合と比較すると、計測誤差を小さく抑えることができる。また、本実施形態では、レチクル間隔Dを変化させて回転対称成分を変化させているため、その回転対称成分を確実かつ高精度に変化させることができる。
なお、波面収差条件を変化させるために、例えばフォーカス成分(デフォーカス量Δ)だけを変化させてもよい。このとき計測誤差を小さくするためには、フォーカス成分を例えば3段階以上にわたって変化させて、それぞれ計測用パターン34の像の実測データを取得してもよい。
次に、本実施形態では、計測用パターン34として中心36から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリットパターン38A〜38Eを用いている。この効果につき詳細に説明する。
まず、投影光学系PL及び空間像計測系12の結像光学系16よりなる合成光学系の実際の倍率と想定された倍率(倍率の目標値)との間の誤差をα、空間像計測系12の検出面の座標原点の並進誤差を表すベクトルを〈δx〉とする。また、スリットパターン38A〜38Eの検出面上の像(以下、スリット像という。)の真の座標を表すベクトルを〈x〉、倍率誤差及び座標原点の並進誤差入りの座標を表すベクトルを〈x’〉とすると、これらの座標間には次の関係がある。
〈x’〉=(1+α)〈x〉+〈δx〉 …(1)
この誤差入りの座標で見た全部のスリット像を含む強度分布I’(〈x’〉)と真の座標でみた強度分布I(〈x〉)との関係は、次のようになる。
Figure 2013077637
また、ウエハステージWSTのZ座標がzi(i=0,1等)のとき、k番目のスリット像のY軸に対する傾斜角をθk(k=0,1,…)、このスリット像を含む強度分布をIi(〈x〉)とする。このとき、そのスリット像の中心座標のベクトルを〈xk〉、スリット像の中心線の法線ベクトルを〈nk〉(図2(B)参照)、スリット像からの距離をwとすると、スリット像からの距離がwの位置における一次元強度分布gik(w)は次のようになる。
ik(w)= Ii(〈xk〉+w〈nk〉) …(3)
このため、倍率誤差及び座標原点の並進誤差がある場合の一次元強度分布g’ik(w)は、次のようになる。さらに、式(4)を倍率誤差・並進誤差なしの一次元強度分布で表すと式(5)になる。
Figure 2013077637
一次元強度分布gik(w)から位相回復計算をして求めた波面をW(ρcos θk、ρsin θk)(ρは、−NA≦ρ≦NAの範囲の離散的な値、NAは投影光学系PLの開口数)とすると、g’ik(w)から求めた波面W’(ρcos θk,ρsin θk)は次のようになる。
W’(ρcos θk,ρsin θk)=W((1+α)ρcos θk,(1+α)ρsin θk)+δW(ρcos θk,ρsin θk) …(6)
式(6)の右辺第一項は、求めたい波面(瞳座標で倍率のみが変更されている波面)で、波面誤差となる右辺第二項は次のようになる。
δW(ρcos θk,ρsin θk)=−(α〈xk〉+〈δx〉)・〈nk〉ρ …(7)
このように、座標誤差がある場合、式(7)のような波面誤差が発生してしまう。ティルト成分は像の平行移動に対応するため通常は他の手段で計測され、波面計測ではティルト成分を除く成分を計測対象とする。よって、式(7)が、ティルト成分のみであれば問題ないが、式(7)は、一般にティルト以外の成分を含む。
本実施形態では、スリットパターン38A〜38Eの中心線38Ac〜38Ecは一点(中心36)で交わっている。このとき、図2(B)のスリット像の中心線(不図示)も中心の像36Pで交わっている。そして、像36Pの座標を表すベクトルを〈xc〉、k番目のスリット像の中心の座標を表すベクトルを〈xk〉とすると、次の関係が成立する。
〈xk〉=〈xc〉+Lk〈dk〉 …(8)
ただし、Lkは実数、ベクトル〈dk〉は、k番目のスリット像の長手方向に平行な単位ベクトルであり、次のようにベクトル〈nk〉とベクトル〈dk〉とは直交している。
〈nk〉・〈dk〉=0 …(9)
このとき、〈xc〉=(xc,yc)、〈δx〉=(δx,δy)とすると、式(7)の波面誤差は次のようにティルト成分だけであることが分かる。
δW(ρcos θk,ρsin θk)=−(α〈xc〉+〈δx〉)・〈nk〉ρ
=−ρcos θk(αxc+δx)−ρsin θk(αyc+δy) …(10)
このようなティルト成分は像の平行移動に対応し、例えば空間像計測系12で計測されるスリット像の位置からも求めることができる。従って、投影光学系PL及び/又は結像光学系16の倍率誤差があっても、これに影響されることなく投影光学系PLの波面収差情報を高精度に計測できる。
なお、図2(A)では、計測用パターン34は5本のスリットパターン38A〜38Eを有するが、計測用パターン34が有するスリットパターンは2本以上の任意の数でよい。計測用パターン34がN本(Nは2以上の整数)のスリットパターンを有するとき、k番目(k=0,1,…,N−1)のスリットパターンのY軸に対する角度θkは、1番目(k=0)のスリットパターンのY軸に対する角度を任意の角度θ0として、次のようになる。
θk=θ0+2π・k/N(rad) …(11)
また、N本のスリットパターンの中心の像の座標を表すベクトル〈xc〉、及びk番目のスリット像の中心線の法線ベクトル〈nk〉(=cos θk,sin θk)を用いて、k番目のスリット像の中心線上の座標を表すベクトル〈x〉は次の式に従う。
(〈x〉−〈xc〉)・〈nk〉=0 …(12)
上述のように本実施形態の投影光学系PL(被検光学系)の結像特性(光学特性)としての波面収差情報の計測方法は、所定の位置にある中心36から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリットパターン38A〜38Eを含む計測用パターン34の投影光学系PLによる像の強度分布を検出し(ステップS1)、その検出された強度分布から投影光学系PLの波面収差情報(透過波面)を求めている(ステップS4,S5)。
また、本実施形態の投影光学系PLの波面収差情報を計測する波面収差計測装置8は、その計測用パターン34が形成されたテストレチクルTR(パターン板)と、テストレチクルTRに形成された計測用パターン34の投影光学系PLによる像の強度分布を検出する空間像計測系12(撮像装置)と、その検出された強度分布から投影光学系PLの波面収差情報を求める演算装置28と、を備えている。
本実施形態の計測方法、計測装置8、又はテストレチクルTR(パターン板)を使えば、投影光学系PL及び/又は空間像計測系12の結像光学系16の倍率誤差の影響はティルト成分以外には現れない。ティルト成分は像の平行移動に対応するので、通常は他の波面成分と区別され、波面計測ではティルト成分を除く成分を計測対象としている。従って、倍率誤差は波面推定誤差を生じさせないため、その倍率誤差に影響されることなく投影光学系PLの波面収差情報を高精度に計測できる。
なお、例えば計測対象の収差成分が低次のツェルニケ係数で表される収差であるような場合には、計測用パターン34は少なくとも2本の互いに非平行なスリットパターンを有するだけでもよい。
また、投影光学系PLの波面収差情報をより高精度に計測するためには、計測用パターン34は少なくとも3本のスリットパターンを有することが好ましい。
さらに、波面収差情報をより高精度に計測するために、計測用パターン34は3本以上の奇数本のスリットパターンを有することが好ましい。奇数本の場合には、等角度間隔で配置したときに、同じ方向になるスリットパターンがないため、計測用パターンの配置が容易で、かつ計測データの演算処理も容易である。これに対して、偶数本の場合には、等角度間隔で配置すると、同じ方向のスリットパターンが生じてしまうため、等角度間隔での配置が困難である。このため、偶数本のスリットパターンを有する場合には、これらを異なる角度間隔で非平行になるように配置すればよい。
また、本実施形態の波面収差情報の計測方法及び波面収差計測装置8は、干渉計やマイクロレンズアレイを用いて波面分割を行うような複雑な検出用の光学系を必要とせず、一般的なCCD等の撮像素子さえあれば利用できる。従って、計測装置を安価に構築でき、様々な装置に適用可能である。
また、本実施形態の露光方法によれば、ウエハWにレチクルRのパターンの像を露光する露光工程の間に、上述の計測方法で投影光学系PLの波面収差情報を計測する計測工程を実施できる。また、露光装置EXは、投影光学系PLの波面収差情報を計測する波面収差計測装置8を備えている。
これらの露光方法又は露光装置EXによれば、投影光学系PLの波面収差情報を高精度に計測できるため、例えばその計測結果に応じて投影光学系PLの波面収差を補正することによって、常に高精度にレチクルRのパターンの像をウエハWに露光できる。
なお、本実施形態では次のような変形が可能である。まず、テストレチクルTR(又は実露光用のレチクル若しくはレチクルステージRSTに設けた基準部材等)に形成される計測用パターンとして、図6(A)に示すように、上記の実施形態の図2(A)の計測用パターン34並びにこの計測用パターン34を0°とした場合、テストレチクルTRのパターン面内で、この計測用パターン34を90°、180°、及び270°回転した計測用パターン34A,34B,34Cを使用してもよい。この計測用パターン34,34A〜34Cを用いて例えば上記の図3〜図5に示した位相回復法で投影光学系PLの波面収差情報を求めることによって、空間像計測系12の撮像素子18のX方向及びY方向のアスペクト比に起因する縦横倍率誤差が3倍角(3θ)の成分となる。従って、その3θの成分からその縦横倍率誤差を求めることができる。
また、図6(B)に示すように、空間像計測系12の撮像素子18の撮像面18aの法線方向と空間像計測系12の光軸AXSとの間に角度ずれαがある場合を想定する。このとき、図6(A)の計測用パターン34,34A〜34Cを用いて例えば位相回復法で投影光学系PLの波面収差情報を求めることによって、その角度ずれαに起因する誤差が4倍角(4θ)の成分となる。従って、その4θの成分からその角度ずれαを求めることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態につき図7(A)〜図7(C)を参照して説明する。上記の実施形態では投影光学系PL及び/又は結像光学系16の倍率誤差がある場合を想定していた。これに対して、計測用パターンが形成された部材(例えばテストレチクルTR、レチクルR、又は基準部材等)側の座標と、その計測用パターンの像を撮像する撮像素子18側の座標との間に傾き誤差がある場合にも、波面収差計測時に計測誤差が生じる恐れがある。そこで、本実施形態では、その2つの座標間に傾き誤差がある場合に、投影光学系PLの波面収差情報を高精度に計測するか、または計測誤差が計測用パターンのスリットパターンの方向等に依らないようにすることを目的とする。
本実施形態でも、図1の波面収差計測装置8を備える露光装置EXを使用するが、投影光学系PLの波面収差情報の計測時に使用するテストレチクルTR(又はレチクルR、基準部材等のパターン板)に形成される計測用パターンが異なっている。
図7(A)は本実施形態のテストレチクルTRに形成される計測用パターン40を示す拡大図、図7(B)は計測用パターン40の投影光学系PLによる像40Pを示す拡大図である。なお、より正確には、図7(B)は計測用パターン40の図1の投影光学系PL及び結像光学系16を合わせた合成光学系による像である。
図7(A)において、計測用パターン40は、遮光膜32中の中心42の回りに等角度間隔で複数(図7(A)では5本)の一定幅を持つ細長い開口パターン(孤立線パターン)よりなるスリットパターン44A,44B,44C,44D,44Eを配置したものである。本実施形態では、スリットパターン44A〜44Eは互いに同一形状(同一の長さ)であり、スリットパターン44A,44B,44C,44D,44Eの中心線(長手方向に沿って両側のエッジ部から等距離の位置を通る直線)44Ac,44Bc,44Cc,44Dc,44Ecは中心42で交差している。
さらに、本実施形態において、スリットパターン44A,44B,44C,44D,44Eの長手方向及び幅方向の中心44Aa,44Ba,44Ca,44Da,44Eaは、中心42を中心とする共通の円周46上に配置されている。この結果、図7(B)の計測用パターン40の像40Pを構成する5本のスリットパターン44A〜44Eの像(スリット像)44AP〜44EPの中心も、中心の像42Pを中心とする共通の円周上にある。
本実施形態でも、空間像計測系12を用いて計測用パターン40の像の強度分布のデータを取得し、図3〜図5に示す位相回復法を使用して投影光学系PLの波面収差情報(透過波面)を求める。
この際に、テストレチクルTR側の座標と、図1の撮像素子18側の座標との間に傾き誤差が存在すると場合、図7(C)に示すように、スリットパターンの像44AP〜44EPの中心線が想定している中心線48A〜48Eから外れ、スリット像の強度分布の座標に誤差が生じる。ここで、その傾き誤差をδθ、スリットの中心の像42Pの座標を表すベクトルを〈xc〉として、傾き誤差がない場合の計測用パターン40の像40Pを含むベクトル〈x〉で表される位置における強度分布をI(〈x〉)とすると、傾き誤差δθがある場合の像の強度分布I’(〈x〉)は、次のように書ける。
Figure 2013077637
その傾き誤差による座標誤差によって、波面計測誤差が発生する。以下、これを詳述する。まず、ウエハステージWSTのZ座標がzi(i=0,1等)のとき、k番目のスリット像のY軸に対する傾斜角をθk(k=0,1,…)、そのスリット像の中心座標のベクトルを〈xk〉、そのスリット像の中心線の法線ベクトルを〈nk〉(図7(B)参照)、スリット像からの距離をw、そのスリット像の中心線に沿った方向の単位ベクトルを〈dk〉、その中心線に沿った方向の距離をvとする。このとき、そのスリット像のうち、次式が所定の許容範囲で成立する範囲(例えば図7(B)の矩形領域)をスリット像周辺の計測領域50kとする。
i(〈xk〉+w〈nk〉)=Ii(〈xk〉+v〈dk〉+w〈nk〉) …(23)
計測領域50kは、像の強度分布I(〈x〉)が距離vに依らない範囲である。その計測範囲50kから、像の強度分布gik(v,w)を次のように求める。
ik(v,w)=Ii(〈xk〉+v〈dk〉+w〈nk〉) …(24)
実際にはノイズ光があり、距離vが一定の断面は一様ではないが、強度分布gik(v,w)をv方向に積算することで、ノイズ光を抑えた上述の式(3)に対応する一次元強度分布gik(w)が求められる。
また、強度分布gik(v,w)において傾き誤差δθがあるとした場合の強度分布g’ik(v,w)は、次のように書ける。
g’ik(v,w)= Ii(R(δθ)(〈xk〉+v〈dk〉+w〈nk〉−〈xc〉)+〈xc〉) …(25)
傾き誤差δθを微小と考え、式(25)をδθに関して二次まで展開する。さらに、k番目のスリット像の中心と中心の像40Pとの間のベクトルを次のようにLk〈dk〉とする(Lkは実数)。
〈xk〉−〈xc〉=Lk〈dk〉 …(26)
このとき、式(25)の強度分布g’ik(v,w)は、傾き誤差のない場合のスリット像から距離wの位置における一次元強度分布gik(w)を用いて次のように書ける。
Figure 2013077637
このように、傾き誤差δθがゼロでない場合、強度分布g’ik(v,w)は距離vに依存する。すなわち、強度分布g’ik(v,w)をv方向に積算すると、スリット像からの距離が異なる点の強度を平均化することになるので、正確な一次元強度分布が得られない。また、実数Lkに比例して原点がずれる。これらの誤差により波面推定精度が低下する。
さらに、実数Lkが角度に依って異なる場合や、平均化する長さがスリット像の角度によって異なる場合には、波面の推定精度が角度によってばらつくことになる。
これに対して本実施形態では、図7(A)に示すように、計測用パターン40を構成する複数のスリットパターン44A〜44Eの中心44Aa〜44Eaは共通の円周46上に存在し、かつスリットパターン44A〜44Eの長さは互いに同一である。
そこで、図1の空間像計測系12の撮像素子18によって全部のスリットパターン44A〜44Eの像を同時に撮像すると、像全体に傾き誤差があったとしても、個々のスリット像間の相対的な位置と角度の関係は影響を受けない。このため、スリット像からスリットパターン44A〜44Eの傾きを推定すれば、像全体の傾きを補正することができ、上記のような傾きに起因する誤差を抑えられる。
また、傾き誤差δθを正確に補正できない場合に備え、各スリットパターン44A〜44Eの中心44Aa〜44Eaが、共通の円周46上に位置している、すなわち式(27)中の実数Lkをスリットパターンの角度θkに依らずに一定としている。従って、図7(C)に示すように、スリットパターンの像44AP〜44EPの中心線の傾き誤差δθがない場合の中心線48A〜48Eからのずれ角が、全てのスリット像において同程度となるようにできる。各スリット像の中心線からのずれ角は、各スリット像から導出される瞳断面(瞳面の断面)の傾きと比例するので、距離Lkが一定であれば、各瞳断面の傾き誤差が同程度となる。
また、全てのスリットパターン44A〜44Eの長さが同一であるため、各スリット像から一次元強度分布を抽出するときの平均化の長さも同一にでき、各スリット像から求められる波面の推定誤差を同程度にできる。
また、本実施形態では、スリットパターン44A〜44Eの中心線44Ac〜44Ecは中心42で交差しているため、第1の実施形態と同様に、投影光学系PL及び/又は結像光学系16の倍率誤差があっても投影光学系PLの波面収差情報を高精度に計測できる。
なお、本実施形態では、スリットパターン44A〜44Eの中心線44Ac〜44Ecは必ずしも中心42で交差する必要はない。
また、図7(A)では計測用パターン40は5本のスリットパターン44A〜44Eを有するが、計測用パターン40は複数本のスリットパターンを有するだけでもよい。計測用パターン40が等角度間隔で配置されたN本(Nは2、又は3以上の奇数)のスリットパターンを有する場合、k番目(k=0,1,…,N−1)のスリットパターンのY軸に対する角度θkは任意の角度θ0を用いて次のように表すことができる。
θk=θ0+k・Δθ(rad) …(29)
ただし、Δθは以下のとおりである。
Δθ=2π/N …(30)
また、使用する撮像素子18の画素のピッチ及び配列によっては、画素と同じ方向に向いたスリット像の一次元強度分布の取得精度が十分な精度にならない場合がある。そのようなときは、スリット像の角度は画素配列と同じ角度を避ける必要がある。例えば、画素の配列が正方格子のとき、式(29)中の角度θ0は0°又は90°を避け、例えば1°などにすることが好ましい。
また、角度θkのスリット像の中心線上のベクトル〈x〉で表される位置は次式に従う。ただし、〈xk〉(=(xk,yk))はスリット像の中心のベクトル、〈nk〉(=(cosθk,sinθk))はそのスリット像の中心線の法線ベクトルである。
(〈x〉−〈xk〉)・〈nk〉=0 …(31)
傾き誤差δθがある場合、テストレチクルTR上で角度θ0をもつスリット像の撮像素子18の撮像面上での角度は(θ0+δθ)となる。この傾き誤差を、スリット像の傾きから推定する。例えば、ベストフォーカス位置にある最も鮮明な像の強度分布をI0(x,y)とすると、テストレチクルTR上で、法線の角度がθkであるスリットパターンの像の図7(B)に示す計測領域50kの計測データを抽出し、次の関数S(a,b)の最小化(重みつき最小二乗法)を行えば、スリットパターンの傾きが精度良く求められる。なお、Gkは計測領域50kを意味する。
Figure 2013077637

すなわち、これをaとbの関数として停留条件を課すと、撮像素子18上でのスリット像の傾きaが求められる。このため、次式によって傾き誤差δθが推定できる。
δθ=π/2+tan-1a−θk …(33)
全てのスリット像の情報を使うことで、傾き誤差の推定精度を高められる。例えば、各スリット像の周辺部の計測領域50kと、次の式(34)及び式(35)で示すようにその強度分布I0 (k)(x,y)に式(22)の座標変換R(−π/2−k・Δθ)を施し、全てのスリット像が同じ向きなるように置きなおす。ただし、〈x〉の原点は撮像素子18の画面中央、あるいは像強度分布の重心としておく。なお、次式において、Gk及びG’kはそれぞれ座標変化前及び後の計測領域50kである。
Figure 2013077637
次に、これらのスリット像に共通の傾きaと共通でない切片bkをパラメータとする次の関数を最小化する。
Figure 2013077637
これによって、共通の傾きaが求まるので、それを角度θ0と比較すれば、傾き誤差δθが(δθ=tan-1a−θ0)と求められる。これを用いて、各スリット像の法線ベクトル〈nk〉と、それに垂直な単位ベクトル〈dk〉(=(sin θk,cosθk))を設定できる。ただし、次の関係を用いている。
θk=θ0+δθ+k・Δθ …(37)
また、図7(A)のように、全てのスリットパターン44A〜44Eの中心線44Ac〜44Ecが同一の中心42を通る場合、中心の像の位置のベクトル〈xc〉は、切片bkから次のように計算できる。
Figure 2013077637
ただし、〈ey〉はY軸方向の単位ベクトルである。スリット像の傾きと全スリット像の中心点から、各スリット像の中心点のベクトル〈xk〉は、次のように推定できる。
〈xk〉=〈xc〉+L〈dk〉 …(39)
これより、〈xc〉の誤差は、波面全体のティルト成分にしか寄与しないことが分かる。
一方、傾きの推定誤差は、図7(C)のように、スリット像を、スリット中心線から時計回り(あるいは反時計回り)の同じ向きにずらすので、波面を計算したときに、高次の波面収差の誤差となり、低次の波面収差にはほとんど影響しない。
上述のように、本実施形態の計測方法又は計測装置を使えば、座標の傾き誤差を補正でき、傾き誤差の波面への影響を抑えることができる。また、傾き誤差補正が不完全な場合でも、傾き誤差の影響が各瞳断面に均等に現れるため、ツェルニケ多項式に展開した場合に高次の波面収差の誤差として表れ、低次の波面収差の精度を確保することができる。一般的な波面収差計測の用途では、高次収差より低次収差の精度が重要なので、この点は利点となる。
次に、本実施形態の変形例として、図8(A)に示すように、中心線が同じ点(中心42)で交差することなく配置されたスリットパターン44A〜44Eを有する計測用パターン40Aを使用してもよい。この変形例では、スリットパターン44A〜44Eの角度は360°を等角度間隔で分割した角度だけ異なっているが、スリットパターン44A〜44Eの長さは互いに異なっていてもよい。
この変形例では、図1の撮像素子18を用いて図8(B)に示すように、計測用パターン40Aの像40APを撮像したときに、演算装置28では、各スリットパターン44A〜44Eの像44AP〜44EPに関して、撮像面の例えば中央の点54を中心とする同一の円周52上の点52a,52b,52c,52d,52eを含む所定幅の矩形領域56A,56B,56C,56D,56Eにおける強度分布のデータを使用する。点52a〜52eはそれぞれスリットパターンの像44AP〜44EPの幅方向の中心に位置している。そして、演算装置28では、取得した強度分布のデータを用いて位相回復法により投影光学系PLの波面収差情報を求めることによって、座標の傾き誤差の影響を軽減できる。
なお、上記の実施形態では位相回復法により投影光学系PLの波面収差情報を求めているが、計測用パターン34,40,40A等を用いて他の任意の方法で投影光学系PLの結像特性を求めてもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図9に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて、マスクのパターンを介して基板(ウエハW)を露光する工程と、その露光された基板を処理する工程(即ち、基板のレジストを現像し、そのマスクのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、投影光学系PLの波面収差等が高精度に補正可能であるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸型露光装置にも適用できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
また、上記の実施形態の波面収差情報の計測方法及び計測装置及び計測用パターンが形成された基板は、露光装置以外の光学装置で光学特性を計測する場合にも使用できる。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、R…レチクル、TR…テストレチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、8…波面収差計測装置、10…照明光学系、12…空間像計測系、18…撮像素子、20…主制御系、28…演算装置、34…計測用パターン、38A〜38E…スリットパターン

Claims (25)

  1. 被検光学系の光学特性を計測する方法において、
    所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンを含む計測用パターンの前記被検光学系による像の強度分布を検出し、
    前記検出された強度分布から前記被検光学系の光学特性を求めることを特徴とする光学特性計測方法。
  2. 前記スリット状のパターンは、少なくとも3つであることを特徴とする請求項1に記載の光学特性計測方法。
  3. 前記スリット状のパターンは奇数本であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学特性計測方法。
  4. 前記複数のスリット状のパターンの長手方向の中心は前記所定の位置から互いに等しい距離にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  5. 前記計測用パターンの像の強度分布を検出するときに、所定の中心から互いに等しい距離にある前記複数のスリット状のパターンの像の長手方向の位置を含む部分の強度分布を検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  6. 前記被検光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させながら前記被検光学系による前記計測用パターンの像の強度分布を複数回検出し、
    前記検出された複数の強度分布を用いて位相回復演算を行って、前記被検光学系の前記光学特性としての波面収差情報を得ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  7. 前記計測用パターンは、前記複数のスリット状のパターンをそれぞれ異なる角度で回転した複数組のスリット状のパターンを含み、
    前記検出された強度分布を用いて前記波面収差情報を得るときに前記被検光学系の前記光学特性としての波面収差情報を得ることを特徴とする請求項6に記載の光学特性計測方法。
  8. 前記計測用パターンは、前記複数のスリット状のパターンをそれぞれ0°、90°、180°、および270°回転した形状の4組のスリット状のパターンを含み、
    前記検出された強度分布を用いて前記波面収差情報を得るときに前記被検光学系の直交する2方向の倍率誤差情報をも求めることを特徴とする請求項7に記載の光学特性計測方法。
  9. 前記検出された強度分布を用いて前記波面収差情報を得るとき、
    前記計測用パターンの像の強度分布を検出するために使用する撮像装置の撮像面の法線方向と前記被検光学系の光軸との傾斜角情報をも求めることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  10. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学特性計測方法を用いて前記投影光学系の光学特性を計測する工程を有することを特徴とする露光方法。
  11. 被検光学系の光学特性を計測する装置において、
    所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンを含む計測用パターンが形成されたパターン板と、
    前記パターン板に形成された前記計測用パターンの前記被検光学系による像の強度分布を検出する撮像装置と、
    前記検出された強度分布から前記被検光学系の光学特性を求める演算装置と、
    を備えることを特徴とする光学特性計測装置。
  12. 前記スリット状のパターンは、少なくとも3つであることを特徴とする請求項11に記載の光学特性計測装置。
  13. 前記スリット状のパターンは奇数本であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の光学特性計測装置。
  14. 前記複数のスリット状のパターンの長手方向の中心は前記所定の位置から互いに等しい距離にあることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  15. 前記被検光学系の波面収差を変化させる収差制御装置を備え、
    前記演算装置は、
    前記収差制御装置によって前記被検光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させたときに前記撮像装置によって複数回検出される前記被検光学系による前記計測用パターンの像の強度分布を用いて位相回復演算を行って、前記被検光学系の前記光学特性としての波面収差情報を得ることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  16. 前記計測用パターンは、前記複数のスリット状のパターンをそれぞれ異なる角度に回転した形状の複数組のスリット状のパターンを含み、
    前記演算装置は、前記検出された強度分布を用いて前記波面収差情報を得るときに前記被検光学系の前記光学特性としての波面収差情報を得ることを特徴とする請求項15に記載の光学特性計測装置。
  17. 前記計測用パターンは、前記複数のスリット状のパターンをそれぞれ0°、90°、180°、および270°回転した形状の4組のスリット状のパターンを含み、
    前記演算装置は、前記検出された強度分布を用いて、前記被検光学系の直交する2方向の倍率誤差情報をも求めることを特徴とする請求項16に記載の光学特性計測装置。
  18. 前記演算装置は、前記検出された強度分布を用いて、前記撮像装置の撮像面の法線方向と前記被検光学系の光軸との傾斜角情報をも求めることを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  19. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    請求項11から請求項18のいずれか一項に記載の光学特性計測装置を備え、
    前記光学特性計測装置を用いて前記投影光学系の光学特性を計測することを特徴とする露光装置。
  20. 被検光学系の光学特性を計測するために使用されるパターンが形成されたパターン板であって、
    所定の位置から延びる互いに異なる方向に沿ってそれぞれ配置された複数のスリット状のパターンを含む計測用パターンが形成されたことを特徴とするパターン板。
  21. 前記スリット状のパターンは、少なくとも3つであることを特徴とする請求項20に記載のパターン板。
  22. 前記スリット状のパターンは奇数本であることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載のパターン板。
  23. 前記複数のスリット状のパターンの長手方向の中心は前記所定の位置から互いに等しい距離にあることを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか一項に記載のパターン板。
  24. 請求項10に記載の露光方法を用いて感光性基板を露光することと、
    前記露光された感光性基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
  25. 請求項19に記載の露光装置を用いて感光性基板を露光することと、
    前記露光された感光性基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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