JP2013076147A - 連続式真空処理装置用真空シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール槽の入口部と出口部との封液の液面高さの差を抑制するとともに、封液内をロールレス化する。
【解決手段】この真空シール装置2は、例えば処理室の挿入口1に連接して配置されている場合、シール槽4内に垂下されてシール槽2の入口部5と出口部6とを仕切るシール槽仕切8と、帯状材Sを挟持しつつ通板可能に入口部5側と出口部6側にそれぞれ配置された上下一対のロール7a,7bと、この一対のロール7a,7bによって帯状材Sの張力を制御する制御部3とを備え、シール槽4は、その入口部5の面積よりも出口部6の面積を大きくすることで、入口部5と出口部6相互の差圧で生じる封液Lの液面高さの差異を抑え、制御部3は、シール槽4の入口部5側と出口部6側に配置された一対のロール7a,7bによる張力制御によってシール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させる。
【選択図】図1
【解決手段】この真空シール装置2は、例えば処理室の挿入口1に連接して配置されている場合、シール槽4内に垂下されてシール槽2の入口部5と出口部6とを仕切るシール槽仕切8と、帯状材Sを挟持しつつ通板可能に入口部5側と出口部6側にそれぞれ配置された上下一対のロール7a,7bと、この一対のロール7a,7bによって帯状材Sの張力を制御する制御部3とを備え、シール槽4は、その入口部5の面積よりも出口部6の面積を大きくすることで、入口部5と出口部6相互の差圧で生じる封液Lの液面高さの差異を抑え、制御部3は、シール槽4の入口部5側と出口部6側に配置された一対のロール7a,7bによる張力制御によってシール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、処理室内と大気とを遮断した状態で帯状材を連続して処理室内に通板させつつ所定の処理をする連続式真空処理装置に用いられ、この連続式真空処理装置の挿入口または抽出口に連接して配置されるとともに液体金属を封液として貯留したシール槽によってシールする真空シール装置に関する。
帯状材の連続式真空処理においては、処理室の挿入口と抽出口に真空シール装置をそれぞれ設置して、処理室内と大気とを遮断するようにしている。
この種の真空シール装置には、様々な形式のものが提案されているが、シール性の高い方式としては特許文献1に開示される液封シール装置がある。同文献記載の技術では、シール槽の入口部にロールを取り付け、液体金属を封液として貯留したシール槽内に帯状材を搬入し、封液内の浸漬ロールを経由して連続式真空処理装置へと通板させている。
この種の真空シール装置には、様々な形式のものが提案されているが、シール性の高い方式としては特許文献1に開示される液封シール装置がある。同文献記載の技術では、シール槽の入口部にロールを取り付け、液体金属を封液として貯留したシール槽内に帯状材を搬入し、封液内の浸漬ロールを経由して連続式真空処理装置へと通板させている。
しかしながら、上述の特許文献1記載の技術では、シール槽の入口部と出口部との差圧によって生じる封液の液面高さの差異が著しく、帯状材をシール槽内に搬入させるためには、シール槽内にロールを浸漬する必要があり、ロールの管理が操業上大きな問題となっていた。また、シール槽内の封液としては、水銀やウッドメタルを使用しているので、シール槽内にロールを浸漬する構成では、人体に好ましくない影響を及ぼす可能性があるため、ロールの取り替え作業は危険な作業でもあった。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、この種の真空シール装置において、シール槽の入口部と出口部との封液の液面高さの差異を抑制するとともに、封液内をロールレス化し得る連続式真空処理装置用真空シール装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る連続式真空処理装置用真空シール装置は、処理室内と大気とを遮断した状態で帯状材を連続して処理室に通板させつつ所定の処理をする連続式真空処理装置に用いられ、該連続式真空処理装置の処理室の挿入口または抽出口に連接して配置されるとともに液体金属を封液として貯留したシール槽によってシールする真空シール装置であって、前記シール槽内に垂下されて当該シール槽の入口部と出口部とを仕切るシール槽仕切と、前記帯状材を挟持しつつ通板可能に前記シール槽の入口部側と出口部側にそれぞれ配置された上下一対のロールと、該上下一対のロールによって前記帯状材の張力を制御する制御部とを備え、前記シール槽は、当該シール槽の処理室外側の開口部の面積よりも処理室内側の開口部の面積を大きくすることにより、前記処理室外と処理室内の相互の差圧によって生じる前記封液の液面高さの差異を抑えるようになっており、前記制御部は、前記シール槽の入口部側と出口部側に配置された上下一対のロールによる張力制御によって前記シール槽内の帯状材にカテナリーを与えつつ前記帯状材を通板させることを特徴とする。ここで、本発明の「カテナリー」とは、両端でつり下げられた帯状材の与える曲線(懸垂線)をいう。
本発明の一態様に係る連続式真空処理装置用真空シール装置によれば、シール槽がシール槽仕切によって仕切られており、真空シール装置が処理室の挿入口に連接して配置されている場合、このシール槽仕切で仕切られているシール槽の入口部の面積よりも出口部の面積を大きくすることで、入口部と出口部相互の差圧によって生じる封液の液面高さの差異を抑えるようになっているので、シール槽の入口部と出口部との液面高さの差を抑制することができる。そして、制御部は、シール槽の入口部側と出口部側に配置された上下一対のロールによる張力制御によってシール槽内の帯状材にカテナリーを与えつつ帯状材を通板させるので、封液内をロールレス化することができる。
ここで、本発明に係る連続式真空処理装置用真空シール装置において、前記制御部は、前記シール槽の入口部側または出口部側に配置された前記上下一対のロールの回転数を常時一定となるように制御することにより、前記帯状材にカテナリーを与える構成であれば、シール槽内の帯状材にカテナリーを与えつつ帯状材を通板させる上で好適である。
上述のように、本発明によれば、シール槽の入口部と出口部との封液の液面高さの差異を抑制するとともに、封液内をロールレス化することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
この連続式真空処理装置は、図1に示すように、連続式真空処理装置の処理室の挿入口1に連接して配置された真空シール装置2を備えている。この真空シール装置2は、連続式真空処理装置の処理室(不図示)への大気の流入を阻止するために設置されており、内部に封液Lを貯留したシール槽4と、このシール槽4の入口部5と出口部6とを仕切るシール槽仕切8とを有する。
この連続式真空処理装置は、図1に示すように、連続式真空処理装置の処理室の挿入口1に連接して配置された真空シール装置2を備えている。この真空シール装置2は、連続式真空処理装置の処理室(不図示)への大気の流入を阻止するために設置されており、内部に封液Lを貯留したシール槽4と、このシール槽4の入口部5と出口部6とを仕切るシール槽仕切8とを有する。
シール槽仕切8は、その内部に封液注入口9が上下方向に貫通して形成されており、シール槽4内の封液Lに注入口先端9aが浸漬される位置まで垂下されている。シール槽仕切8は、封液注入口9からシール槽4内に封液Lを注入可能になっている。封液Lとしては、融点が100℃以下の低融点で比重の大きな液体金属(例えば水銀、ウッドメタル等)が収容されている。シール槽仕切8内の封液注入口9から封液3を帯状材Sの上面に向けて注入することで、浮力による帯状材Sの上昇を抑えることができる。なお、シール槽4の入口部5と出口部6とを仕切るシール槽仕切8の材質としては、帯状材Sとの干渉が懸念されるため、低摩擦材(例えば樹脂系材料)が好ましい。
ここで、この真空シール装置2は、シール槽仕切8によるシール槽4の仕切位置で入口部5と出口部6とが仕切られるが、相互の面積(同図(b)に示す平面視の開口面積)は、シール槽入口5とシール槽出口6との差圧によって生じる液面高さ(入口部5の液面高さH1と出口部6の液面高さH2)の差異を抑えるために、出口部6の面積が入口部5の面積よりも大きい構造となっている。
また、シール槽4の入口部5側と出口部6側には、上下一対のピンチロール7a,7bが帯状材Sを挟持しつつ通板可能にそれぞれ配置されている。さらに、このシール装置2は、上下一対のピンチロール7a,7bによって帯状材Sの張力を制御する制御部3を備えている。
この制御部3は、シール槽4の入口部5側と出口部6側に配置された上下一対のピンチロール7a,7bによる張力制御によってシール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させるように上下一対のピンチロール7a,7bを制御する。
この制御部3は、シール槽4の入口部5側と出口部6側に配置された上下一対のピンチロール7a,7bによる張力制御によってシール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させるように上下一対のピンチロール7a,7bを制御する。
カテナリーの大きさの管理は、上下一対のピンチロール7a,7bの対向距離とシール槽4の底面までの高さの値等に基づいて、帯状材Sとシール装置2との干渉が発生しないようなカテナリーの大きさが予め管理データとして設定されている。そして、上下一対のピンチロール7a,7bそれぞれには、回転速度の検出装置(不図示)が付設されており、これによって検出された回転速度が制御部3に随時フィードバックされている。制御部3は、上下一対のピンチロール7a,7bの駆動モータ(不図示)を駆動しつつ、随時にフィードバックされた各ロール7a,7bの回転速度に基づいて、各ロール7a,7bの回転速度の補正することで、予め設定されているカテナリーの大きさになるように張力制御する。これにより、帯状材Sとシール装置2との干渉が発生しないように帯状材Sのカテナリーを制御することができる。本実施形態の制御部3においては、シール槽4の入口部5側または出口部6側に配置された上下一対のピンチロール7a,7bの回転数を所期の回転数となるようにフィードバック制御して常時一定の回転数に管理することで、帯状材Sにカテナリーを与えている。
次に、この真空シール装置2の作用・効果について説明する。
この真空シール装置2によれば、シール槽4がシール槽仕切8によって入口部5と出口部6とが仕切られており、真空シール装置が処理室の挿入口1に連接して配置されている場合、このシール槽仕切8で仕切られているシール槽4の入口部5の面積よりも出口部6の面積を大きくすることで、入口部5と出口部6相互の差圧によって生じる封液Lの液面高さ(入口部5の液面高さH1と出口部6の液面高さH2)の差異を抑えるようになっているので、シール槽4の入口部5と出口部6との封液Lの液面高さの差を抑制することができる。
この真空シール装置2によれば、シール槽4がシール槽仕切8によって入口部5と出口部6とが仕切られており、真空シール装置が処理室の挿入口1に連接して配置されている場合、このシール槽仕切8で仕切られているシール槽4の入口部5の面積よりも出口部6の面積を大きくすることで、入口部5と出口部6相互の差圧によって生じる封液Lの液面高さ(入口部5の液面高さH1と出口部6の液面高さH2)の差異を抑えるようになっているので、シール槽4の入口部5と出口部6との封液Lの液面高さの差を抑制することができる。
そして、制御部3は、シール槽4の入口部5側と出口部6側に配置された上下一対のピンチロール7a,7bによる張力制御によってシール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させるので、封液L内をロールレス化することができる。
また、この真空シール装置2によれば、制御部3は、シール槽4の入口部5側または出口部6側に配置された上下一対のピンチロール7a,7bの回転数を常時一定となるように制御して帯状材Sにカテナリーを与えるので、シール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させる上で好適である。
以上説明したように、この真空シール装置2によれば、シール槽4の入口部5と出口部6との封液Lの液面高さの差異を抑制し、帯状材Sの張力を制御することで、シール槽4内のロールレス化が可能となった。これにより、ロールの管理・ロールの取り替え作業が不要になった。
また、この真空シール装置2によれば、制御部3は、シール槽4の入口部5側または出口部6側に配置された上下一対のピンチロール7a,7bの回転数を常時一定となるように制御して帯状材Sにカテナリーを与えるので、シール槽4内の帯状材Sにカテナリーを与えつつ帯状材Sを通板させる上で好適である。
以上説明したように、この真空シール装置2によれば、シール槽4の入口部5と出口部6との封液Lの液面高さの差異を抑制し、帯状材Sの張力を制御することで、シール槽4内のロールレス化が可能となった。これにより、ロールの管理・ロールの取り替え作業が不要になった。
なお、本発明に係る連続式真空処理装置用真空シール装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、連続式真空処理装置の処理室の挿入口1に連接して配置されたシール装置2を例に説明したが、これに限定されず、本発明に係る連続式真空処理装置用真空シール装置は、連続式真空処理装置の処理室の抽出口に連接して配置することができる。その場合、シール槽は、出口部(処理室外側)の開口部の面積よりも入口部(処理室内側)の開口部の面積を大きくする。
例えば、上記実施形態では、連続式真空処理装置の処理室の挿入口1に連接して配置されたシール装置2を例に説明したが、これに限定されず、本発明に係る連続式真空処理装置用真空シール装置は、連続式真空処理装置の処理室の抽出口に連接して配置することができる。その場合、シール槽は、出口部(処理室外側)の開口部の面積よりも入口部(処理室内側)の開口部の面積を大きくする。
1 連続式真空処理装置の処理室の挿入口
2 真空シール装置
3 制御部
4 シール槽
5 入口部
6 出口部
7a,7b ピンチロール(ロール)
8 シール槽仕切
9 封液注入口
A1 入口部の面積
A2 出口部の面積
H1 入口部の液面高さ
H2 出口部の液面高さ
L 封液
S 帯状材
2 真空シール装置
3 制御部
4 シール槽
5 入口部
6 出口部
7a,7b ピンチロール(ロール)
8 シール槽仕切
9 封液注入口
A1 入口部の面積
A2 出口部の面積
H1 入口部の液面高さ
H2 出口部の液面高さ
L 封液
S 帯状材
Claims (2)
- 処理室内と大気とを遮断した状態で帯状材を連続して処理室に通板させつつ所定の処理をする連続式真空処理装置に用いられ、該連続式真空処理装置の処理室の挿入口または抽出口に連接して配置されるとともに液体金属を封液として貯留したシール槽によってシールする真空シール装置であって、
前記シール槽内に垂下されて当該シール槽の入口部と出口部とを仕切るシール槽仕切と、前記帯状材を挟持しつつ通板可能に前記シール槽の入口部側と出口部側にそれぞれ配置された上下一対のロールと、該上下一対のロールによって前記帯状材の張力を制御する制御部とを備え、
前記シール槽は、当該シール槽の処理室外側の開口部の面積よりも処理室内側の開口部の面積を大きくすることにより、前記処理室外と処理室内の相互の差圧によって生じる前記封液の液面高さの差異を抑えるようになっており、
前記制御部は、前記シール槽の入口部側と出口部側に配置された上下一対のロールによる張力制御によって前記シール槽内の帯状材にカテナリーを与えつつ前記帯状材を通板させることを特徴とする連続式真空処理装置用真空シール装置。 - 前記制御部は、前記シール槽の入口部側または出口部側に配置された前記上下一対のロールの回転数を常時一定となるように制御することにより、前記帯状材にカテナリーを与えることを特徴とする請求項1に記載の連続式真空処理装置用真空シール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011217971A JP2013076147A (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 連続式真空処理装置用真空シール装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011217971A JP2013076147A (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 連続式真空処理装置用真空シール装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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JP (1) | JP2013076147A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019122131A1 (de) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Barometrische flüssigkeitsschleusen |
CN110042446A (zh) * | 2019-04-30 | 2019-07-23 | 山东大学 | 一种电镀金刚石线锯制备实验台 |
-
2011
- 2011-09-30 JP JP2011217971A patent/JP2013076147A/ja not_active Withdrawn
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WO2019122131A1 (de) * | 2017-12-22 | 2019-06-27 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Barometrische flüssigkeitsschleusen |
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