JP2013074122A - 絶縁層付金属基板および光電変換素子 - Google Patents

絶縁層付金属基板および光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2013074122A
JP2013074122A JP2011212193A JP2011212193A JP2013074122A JP 2013074122 A JP2013074122 A JP 2013074122A JP 2011212193 A JP2011212193 A JP 2011212193A JP 2011212193 A JP2011212193 A JP 2011212193A JP 2013074122 A JP2013074122 A JP 2013074122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal substrate
insulating layer
oxide film
porous
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011212193A
Other languages
English (en)
Inventor
Keigo Sato
圭吾 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2011212193A priority Critical patent/JP2013074122A/ja
Publication of JP2013074122A publication Critical patent/JP2013074122A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】絶縁層付金属基板を電気絶縁性を確実に確保しながら、応力やクラックに対する耐性、劣化耐性を有するものとする。
【解決手段】絶縁層付金属基板を、金属基板10上に陽極酸化により形成された多孔質絶縁酸化膜20を有し、この多孔質絶縁酸化膜20の細孔表面が疎水化処理されているものとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁層付金属基板および絶縁層付金属基板を用いた太陽電池等の用途に好適な光電変換素子に関するものである。
金属製の基板を用いた薄膜太陽電池は、基板の軽量性および可撓性(フレキシビリティー)という観点から、ガラス基板を用いたものに比較して、広い用途への適用の可能性がある。さらに、金属製の基板は高温プロセスにも耐えうるという点で、光電変換特性が向上するため太陽電池の高効率化が期待できる。
しかし、金属基板を用いた場合には、金属基板と光電変換層を形成する半導体層との熱膨張係数が異なるために、半導体層が剥がれやすいという問題があった。このような問題を解決するための手段として、特許文献1には金属基板上に陽極酸化膜を有し、陽極酸化膜の表面に細孔が形成された基板が記載されている。いわゆる多孔質陽極酸化膜を絶縁層として用いた場合、(1)数μm以上の厚膜を形成することが比較的容易である、(2)絶縁層中に欠陥等が存在しても、多孔質であるために皮膜内部の応力が集中せず、クラックが発生しづらく絶縁破壊に至らない、(3)実際のデバイスにおいて、基板として長期にわたって使用する際、熱応力、機械的な応力などを受けても、多孔質であるために皮膜内部の応力が集中せず、クラックが発生しづらく絶縁破壊に至らない、(4)多孔質陽極酸化膜とその上に成膜したデバイス機能層は、細孔が存在するために、比表面積が大きいことによるアンカー効果により高い密着性が得られる、といった利点を有する。
しかし、一方で、多孔質であるために、水分が吸着しやすく、細孔表面が伝導パスとなって、リーク電流が流れやすいことが知られている。絶縁基板としての用途において、水分を吸着することによる絶縁性の低下は極めて深刻な問題である。このような問題を解決するために、従来より、多孔質陽極酸化膜を熱水に浸漬することによって、水和酸化物を形成させて細孔を封じる方法が知られている(非特許文献1)。また、細孔をシロキサンで封孔する方法(特許文献2)や、金属塩処理液で封孔する方法(特許文献3)、特定金属のフルオロ錯塩で封孔する方法(特許文献4)、ゾル・ゲル法の無機酸化物によって封孔する方法(特許文献5)等が知られている。さらに、クラックが発生しづらい多孔質陽極酸化膜として、圧縮応力を有する多孔質陽極酸化膜が知られている(特許文献6)。
特開2009−267335号公報 特開平8−120490号公報 特開2004−277866号公報 特開2005−97707号公報 特開平8−134694号公報 国際公開第2011/089880パンフレット
高谷松文著、「機能性アルマイト」、カロス出版、p.82−83
しかし、上記のような封孔によって電気絶縁性を確保しようとする場合、以下のような問題がある。まず、水和酸化物を形成させる手法の場合、水和酸化物は吸湿・変性しやすい化合物であるため、経時的に劣化し、絶縁性が低下するという問題がある。また、有機物・無機物などで封孔する場合、環境中における封孔材料の劣化、剥離、破壊などによって、絶縁性が低下するという問題がある。さらに、多孔質層の内部に異種材料を充填したり、表面に異種材料を積層したりすることによって、多孔質層を絶縁層に用いることの利点であった、応力の集中を抑制できるという利点が失われ、熱歪みによるクラック、長期使用によるクラックなどが発生し、絶縁信頼性が低下するという問題がある。加えて、多孔質層の細孔が閉塞されることによって、表面積が大幅に低下し、その上に成膜したデバイス機能層との界面の密着性が低下することになり、熱応力・曲げ応力、あるいは長期の使用に伴い、剥離などが発生して故障原因となる。また、特許文献6に記載されているような圧縮応力を有する多孔質陽極酸化膜に封孔処理を実施すると、応力の大きさが変化するため、耐クラック性が低下し、絶縁性や耐熱性が低下するという問題もある。
上記のように、絶縁性を向上させるために行われる従来の手法では、多孔質陽極酸化膜のマクロな構造を同時に変化させるため、多孔質陽極酸化膜の物性が変化し、応力やクラックに対する耐性、経時変化に対する劣化耐性が低下するという問題がある。すなわち、従来の方法では多孔質陽極酸化膜の絶縁性を確保しようとすれば耐性が低下し、耐性を確保しようとすれば、絶縁性が担保できないという二律背反の関係となっている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、電気絶縁性を確実に確保しながら、応力やクラックに対する耐性、経時変化に対する劣化耐性に優れた絶縁層付金属基板、およびこの絶縁層付金属基板を用いた光電変換素子を提供することを目的とするものである。
本発明の絶縁層付金属基板は、金属基板上に陽極酸化により形成された多孔質絶縁酸化膜を有し、該多孔質絶縁酸化膜の細孔表面が疎水化処理されていることを特徴とするものである。
前記疎水化処理はケイ素と炭素を含む化合物を用いる処理であることが好ましい。
前記ケイ素と炭素を含む化合物はシランカップリング剤であることが好ましい。
前記シランカップリング剤は疎水性基を有するものであることがより好ましい。
前記金属基板は、アルミニウム、鉄、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、銅、ニオブおよびタンタルの中から選ばれる少なくとも1つの金属を含有する基板であることがより好ましい。
前記金属基板はアルミニウム、ステンレスまたは鉄鋼板の片面あるいは両面をアルミニウム板で一体化したクラッド材であることが好ましい。前記陽極酸化により形成された多孔質絶縁酸化膜は圧縮応力を有することがさらに好ましい。
本発明の光電変換素子は上記の絶縁層付金属基板上に形成されたものであることを特徴とするものである。
本発明の絶縁層付金属基板は、金属基板上に陽極酸化により形成された多孔質絶縁酸化膜を有し、この多孔質絶縁酸化膜の細孔表面が疎水化処理されているので、電気絶縁性を確保しながら、応力やクラックに対する耐性、経時変化に対する劣化耐性を有するものとすることができる。すなわち、本発明の絶縁層付金属基板は多孔質絶縁酸化膜の細孔表面が疎水化処理されるだけで、細孔内に異種材料を充填したり、表面に異種材料を積層したりするものではないため、細孔による応力の集中を抑制できる利点を損なうことがなく、熱歪みによるクラック、長期使用によるクラックを抑制することができ、多孔質絶縁酸化膜を設ける本来の目的を達成することができる。
また、従来行われているような水和酸化物を形成させる手法のような多孔質絶縁酸化膜そのものを化学変化させるものではないため、多孔質絶縁酸化膜が経時的に劣化したり、絶縁性が低下したりといったことがない。一方で、細孔表面は疎水化処理によって水分吸着が抑制されるので、細孔表面が伝導パスとなるリーク電流を抑制することができ、高い絶縁信頼性を確保することが可能となる。
本発明の光電変換素子の一実施の形態を示す概略断面図である。 絶縁層付金属基板の一実施の形態を示す部分拡大模式断面図である。 絶縁層付金属基板の別の実施の形態を示す部分拡大模式断面図である。 実施例における湿度下でのリーク電流を示すグラフである。 多孔質絶縁酸化膜の表面および断面のSEM写真である。 多孔質絶縁酸化膜の赤外吸収スペクトルである。
以下、本発明の絶縁層付金属基板について光電変換素子を例にとって説明する。図1は、本発明の光電変換素子の一実施の形態を示す概略断面図である。なお、視認しやすくするため、各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。光電変換素子1は、図1に示すように、金属基板10上に、陽極酸化により形成された多孔性絶縁性酸化膜20と、下部電極40と、光吸収により正孔・電子対を発生する光電変換半導体層50と、バッファ層60と、透光性導電層(透明電極)70と、上部電極(グリッド電極)80とが順次積層された構成となっており、本発明の絶縁層付金属基板は金属基板10と多孔性絶縁性酸化膜20よりなっている。
金属基板10としては、陽極酸化により金属基板表面上に生成する金属酸化膜が絶縁体となる材料を利用することができる。具体的には、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)の中から選ばれる少なくとも1つの金属を含有する基板、あるいは上記金属の合金が好ましい。とりわけ、アルミニウム、ステンレスまたは鉄鋼板の片面あるいは両面をアルミニウム板で一体化したクラッド材が陽極酸化の形成が簡易であること、耐久性が高いという観点からより好ましい。両面をアルミニウム板で挟んだ一体化したクラッド材の場合、アルミニウムと酸化膜(Al23)との熱膨張係数差に起因した基板の反り、及びこれによる膜剥がれ等を抑制することができるため、より好ましい。
基板は、必要に応じて洗浄処理・研磨平滑化処理等、例えば付着している圧延油を除く脱脂工程、アルミニウム板の表面のスマットを溶解するデスマット処理工程、アルミニウム板の表面を粗面化する粗面化処理工程が施されたものを用いることが好ましい。
陽極酸化により形成された多孔性絶縁性酸化膜20(以下、陽極酸化膜20ともいう)は、陽極酸化により複数の細孔を有する絶縁性酸化膜が形成されたものであり、これによって高い絶縁性が確保される。陽極酸化は基板10を陽極とし陰極と共に電解質に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施することができる。陰極としてはカーボンやアルミニウム等が使用される。
陽極酸化条件は使用する電解質の種類にもよるが、例えば、電解質濃度0.1〜2mol/L、液温5〜80℃、電流密度0.005〜0.60A/cm2、電圧1〜200V、電解時間3〜500分の範囲にあれば適当である。電解質としては特に制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、マロン酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびアミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。かかる電解質を用いる場合、電解質濃度0.2〜1mol/L、液温10〜80℃、電流密度0.05〜0.30A/cm2、および電圧30〜150Vが好ましい。
陽極酸化膜はバリア層部分とポーラス層部分からなり、ポーラス層部分が室温で圧縮歪みを有するものであることが好ましい。一般にはバリア層は圧縮応力、ポーラス層は引張応力を有しているため、数μm以上の厚膜においては、陽極酸化膜全体が引張応力になることが知られている。一方、前述のクラッド材を用い、例えば後述の加熱処理を実施した場合、圧縮応力を有するポーラス層を作製することができる。そのため、数μm以上の厚膜にしても、陽極酸化膜全体を圧縮応力とすることができ、成膜時の熱膨張差によるクラックの発生がなく、また、室温付近での長期信頼性に優れた絶縁性膜とすることができる。
この場合、上記圧縮歪みの大きさは、0.01%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがさらに好ましく、0.10%以上であることが特に好ましい。また、0.25%以下であることが好ましい。
圧縮歪みが0.01%未満では、圧縮歪みではあるものの、不充分であり、耐クラック性の効果が得られない。そのため、最終製品形態において曲げ歪みを受けたり、長期にわたって温度サイクルを経たり、外部から衝撃、または応力を受けたりした場合に、絶縁層として形成された陽極酸化膜にクラックが生じて、絶縁性の低下にいたる。
一方、圧縮歪みが大きすぎると、陽極酸化膜が剥離したり、陽極酸化膜に強い圧縮歪みが加わることにより、クラックが発生したり、陽極酸化膜が盛り上がって平坦性が低下したり、剥離したりするため、絶縁性が決定的に低下する。そのため、圧縮歪みは0.25%以下であることが好ましい。
なお、陽極酸化膜のヤング率は、50〜150GPa程度であることが知られており、したがって、上記圧縮応力の大きさは、5〜300MPa程度が好ましい。
陽極酸化処理の後、加熱処理を実施してもよい。加熱処理を実施することによって、陽極酸化膜に圧縮応力が付与され、耐クラック性が高まる。よって、耐熱性、絶縁信頼性が向上し、絶縁層つき金属基板としてさらに好適に用いることができるようになる。加熱処理温度は、150℃以上が好ましい。前述のクラッド材を用いた場合、300℃以上での熱処理が好ましい。あらかじめ熱処理を実施しておくことにより、多孔質陽極酸化膜に含まれる水分量を減少させることができ、絶縁性を向上させることができる。
なお、この熱処理は、後述の疎水化処理後に実施してもよく、疎水化処理後の熱処理と兼ねることもできる。
従来のアルミニウムのみからなる基板においては、300℃以上への加熱処理を実施すると、アルミニウムが軟化して基板としての機能を喪失したり、アルミニウムと陽極酸化膜の熱膨張率の差によって、陽極酸化膜にクラックが発生して絶縁性を喪失したり、といった問題があったが、アルミニウムと異種金属のクラッド材を用いることによって、300℃以上の温度への加熱が可能になる。
陽極酸化膜は水溶液中で形成される酸化被膜であり、固体内部に水分を保持していることが、例えば、「Chemistry Letters Vol.34,No.9,(2005)p1286」に記載されているように知られている。この文献と同様の陽極酸化膜の固体NMR測定から、100℃以上で熱処理した場合、陽極酸化膜の固体内部の水分量(OH基)が減少することが認められ、特に200℃以上で顕著である。従って、加熱によりAl−OとAl−OHの結合状態が変化し、応力緩和(アニール効果)が生じているものと推定される。
また、発明者らによる陽極酸化膜の脱水量測定から、大部分の脱水は、室温〜300℃程度までで起こることが明らかになっている。陽極酸化膜を絶縁膜として用いようとする場合、含まれる水分量が多いほど、絶縁性が低下するため、300℃以上で熱処理を行うことは、絶縁性を向上させる観点でも極めて有効である。アルミニウムと異種金属のクラッド材を基材として用い、300℃以上の熱処理と組み合わせることによって、アニール効果を効果的に発現させ、従来技術ではなしえない高い圧縮歪みと、少ない含水量を実現できる。これによって、さらに絶縁信頼性の高い絶縁層つき金属基板を提供することが可能となる。
電気絶縁性の観点からは、陽極酸化膜は厚さが3〜50μmであることが好ましい。3μm以上の膜厚を有することによって、絶縁性および室温で圧縮応力を有することによる成膜時の耐熱性、さらに長期の信頼性の両立を図ることができる。
膜厚は、好ましくは5μm以上30μm以下、特に好ましくは5μm以上20μm以下である。
膜厚が極端に薄い場合、電気絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷を防止することができない虞がある。また、絶縁性、耐熱性が急激に低下するとともに、経時劣化も大きくなる。これは、膜厚が薄いことにより、陽極酸化膜表面の凹凸の影響が相対的に大きくなり、クラックの起点となってクラックが入りやすくなったり、アルミニウム中に含まれる金属不純物に由来する陽極酸化膜中の金属析出物、金属間化合物、金属酸化物、空隙の影響が相対的に大きくなって絶縁性が低下したり、陽極酸化膜が外部から衝撃、または応力を受けたときに破断してクラックが入りやすくなったりするためである。結果として、陽極酸化膜が3μmを下回ると、絶縁性が低下するため、可撓性耐熱基板としての用途、またはロールトゥロールでの製造には向かなくなる。
また、膜厚が過度に厚い場合には、可撓性が低下する上、陽極酸化に要するコストおよび時間がかかるため好ましくない。また、曲げ耐性や熱歪み耐性が低下する。曲げ耐性が低下する原因は、陽極酸化膜が曲げられた際に、表面とアルミニウム界面での引張応力の大きさが異なるため、断面方向での応力分布が大きくなり、局所的な応力集中が起こりやすくなるためであると推定される。熱歪み耐性が低下する原因は、基材の熱膨張により陽極酸化膜に引張応力がかかった際に、アルミニウムとの界面ほど大きな応力がかかり、断面方向での応力分布が大きくなり、局所的な応力集中が起こりやすくなるためであると推定される。結果として、陽極酸化膜が50μmを超えると、曲げ耐性や熱歪み耐性が低下するため、可撓性耐熱基板としての用途、またはロールトゥロールでの製造には向かなくなる。また、絶縁信頼性も低下する。
陽極酸化膜20の細孔表面は疎水化処理がなされている。図2は絶縁層付金属基板の一実施の形態を示す部分拡大模式断面図である。ここで図中のRは疎水化処理をする化合物の分子が細孔表面の水酸基と結合している状態を模式的に示している。このように細孔表面が疎水化処理されることによって、細孔表面の水酸基がトラップされるため、細孔表面を伝導パスとするリーク電流が抑制されるものと推定される。一方、陽極酸化膜20の細孔表面は疎水化処理されるだけで、細孔内に異種材料が充填されたり、表面に異種材料が積層されたり、さらには水和酸化物を形成させる手法のように表面に化学変化を起こさせて表面に別の層が形成したりするものではないため、細孔による応力の集中を抑制できる利点を損なうことがなく、熱歪みによるクラック、長期使用によるクラックを抑制することができる。
ここで疎水化処理とは、陽極酸化膜20表面に存在している水酸基、あるいは陽極酸化に用いた電解液中に存在するイオンに由来するスルホン酸基、カルボキシル基等の親水性基を一部あるいは全部を除去、あるいは疎水性基に置換あるいは結合させることを意味し、具体的には、ケイ素と炭素を含む化合物を用いる処理、界面活性剤による処理等を挙げることができる。ケイ素と炭素を含む化合物としては、変性シリコーン、シリコーンレジン、アルコキシシラン化合物、クロロシラン化合物、シラザン化合物等を挙げることができる。本発明の効果を長期にわたって持続させ、絶縁信頼性を確保する観点からは、疎水化処理をする化合物と多孔質陽極酸化皮膜の細孔内壁との結合性が高いクロロシランのカップリング剤、アルコキシシランのカップリング剤が好ましい。なお、カップリング剤とは、親油性部位と親水性部位とが、シリコン(Si)、チタン(Ti)、またはアルミニウム(Al)等の元素を介して結合することにより1分子を構成している物質を意味する。
クロロシランのカップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリフロロプロピルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等を好ましく挙げることができる。
アルコキシシランのカップリング剤としては、アルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、アルコキシ基を2個有するジアルコキシシラン、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランを用いることができる。これらのアルコキシ基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等、アルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。また、トリアルコキシシランやジアルコキシシランを用いる場合は、疎水性基を有することが好ましく、疎水性基としてはアルキル基、フェニル基、フッ素等を挙げることができる。
トリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イオドプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプト−3−イル)エチル]シラン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン、トリメトキシ[3−フェニルアミノプロピル]シラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[2−フェニルエチル]シラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、トリメトキシ(3−メチルアミノ)プロピルシラン、
メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、(1−ナフチル)トリエトキシシラン、[2−(シクロヘキセニル)エチル]トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、4−クロロフェニルトリエトキシシラン、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イル)トリエトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、ビス[3−トリエトキシシリルプロピル]テトラスルフィド、トリエトキシ(3−イソシアナトプロピル)シラン、トリエトキシ(3−チオイソシアナトプロピル)シラン等が好ましく挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が好ましく挙げられる。
このようなアルコキシシランは、単独で用いることもできるが2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。また、上記のアルコキシ基を2〜4個有するアルコキシシランは、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランと組み合わせて使用することも可能である。このようにして用いることのできるモノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理に用いられる界面活性剤は、水によく馴染む親水性部位と、水になじまない疎水性部位を有するものであり、疎水性部位としては、例えば、直鎖のアルキル分岐鎖のアルキル、アルキルナフタレン、ペルフルオロアルキル、ポリプロピレンオキサイド、ポリシロキサン等が好ましく挙げられる、親水性部位は、アニオン系、カチオン系、両性、及び、非イオン系の4種類に分類される。
具体的には、以下に挙げる物質を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、アルキルスルフォン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸ナトリウム、アルキルスルホカルボン酸塩(例えば、Aerosol OT)、アルキルスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンエーテルリン酸等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、ハロゲン化アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルイミダゾール、アルキルアミノ酸等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、カルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
なお、味の素ファインテクノ株式会社製のKR TTS、KR46B、KR55、KR41B、KR38S、KR138S、KR238S、338X、KR44、KR9SA等のチタネートカップリング剤や、AL−M等のアルミネートカップリング剤等を界面活性剤として使用してもよい。
さらに、界面活性剤は、陽極酸化膜細孔表面の化学吸着水や水酸基と反応を生じることにより、強固に表面被覆するものであることより好ましい。具体的には、脱水縮合反応を生じるカルボン酸や、加水分解後に脱水縮合を生じるカップリング剤が挙げられる。ここで、カルボン酸とは、カルボキシル基を有する物質のことであり、炭素数8〜18のカルボン酸、例えば、カプリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、オクチル酸等が好ましい。
続いて、細孔表面の疎水化処理方法について説明する。まず、疎水化処理液を準備する。なお、ここでは疎水化処理をする化合物としてアルコキシシランを例にとって説明する。疎水化処理液はアルコキシシランと溶剤とを混合することで調整する。溶剤としては、例えば、水、エタノール、メタノール、トルエン、ヘキサン、アセトン、パーフロロヘキサン等を用いることができる。またこれらにイソプロピルアルコールやメチルエチルケトン等を混合した混合溶剤を使用することもできる。
上記のように準備した疎水化処理液に多孔質絶縁酸化膜を例えば浸漬して引き上げるディップコート法、スピンコート法、キャピラリーコート法、スプレー法、ドクターブレード法、ワイヤーバー法、グラビア法等により、細孔表面の疎水化処理を行うことができる。その後、加熱処理を行う。加熱温度は50℃〜400℃が好ましく、より好ましくは100℃〜400℃、さらには150℃〜300℃が好ましい。反応時間は5分間〜1時間であることが好ましい。
多孔質絶縁酸化膜20上には、図3に示すようにアルカリ供給層30が設けられていてもよい。アルカリ供給層は、例えばスピンオンガラス膜とすることができる。スピンオンガラス膜はポリシラザン、メチルシロキサン、ポリシルセスキオキサン、Si系メタロキサンポリマー、Ti系メタロキサンポリマー、シリケート(ケイ酸塩)の中から選ばれる少なくとも1つ(以下、スピンオンガラス膜材料ともいう)からなることが好ましく、上記のものが複数混合されていてもよい。より具体的には、5〜50質量%のスピンオンガラス膜材料に、30〜70質量%のブタノール、エタノール、トルエン、ベンゼン、キシレン等の溶媒を添加したものであることが好ましい。
スピンオンガラス膜に含まれるアルカリ金属イオンは、ナトリウムイオンであることが好ましい。ナトリウムイオンを含む化合物としては、NaF、Na3AlF6、Na2(MoO4)、Na2CO3、Na2O、ケイ酸ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。これらのナトリウムイオンを含む化合物の添加量は、スピンオンガラス膜全材料に対して1〜10質量%の範囲であることが好ましい。1質量%未満の場合には、光電変換半導体層に対してナトリウムイオンを拡散する効果が期待できないか、効果が薄い。一方で、10質量%より多く添加しても半導体層の微結晶中の結晶欠陥を増やすこととなり望ましくない。
上記のスピンオンガラス膜材料とアルカリ金属イオン源を溶媒に分散した塗布液を調整する。液体の細孔への浸透は、Lucas-Washburnの式で示されるように、細孔径、表面張力、溶液の粘度などによって決まり、塗布液が細孔内部に浸入しないように多孔質絶縁酸化膜20上表面にアルカリ供給層30を形成するためには、塗布液の粘度を20mPa・s以上とすることが好ましい。調整した塗布液を多孔質絶縁酸化膜20上表面に塗布した後、100〜150℃で空気中でベークし、N2等の不活性ガス雰囲気中、300〜500℃で30〜60分焼成して作製することができる。この焼成によって、スピンオンガラス膜は緻密化してシリコン酸化膜となる。スピンオンガラス膜の膜厚は0.1〜10μmの範囲が好ましく、さらには0.5〜5.0μmが好適である。
下部電極(裏面電極)40の成分としては特に制限されず、Mo,Cr,W,およびこれらの組合わせが好ましく、Mo等が特に好ましい。下部電極(裏面電極)40の膜厚は制限されず、200〜1000nm程度が好ましい。
光電変換半導体層50は化合物半導体系光電変換半導体層であり、主成分(主成分とは20質量%以上の成分を意味)としては特に制限されず、高光電変換効率が得られることから、カルコゲン化合物半導体、カルコパイライト構造の化合物半導体、欠陥スタナイト型構造の化合物半導体を好適に用いることができる。
カルコゲン化合物(S、Se、Teを含む化合物)としては、
II−VI化合物:ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTeなど、
I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)(S,Se)2など、
I−III3−VI5族化合物:Culn3Se5、CuGa3Se5、Cu(ln,Ga)3Se5などを好ましく挙げることができる。
カルコパイライト型構造および欠陥スタナイト型構造の化合物半導体としては、
I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)(S Se)2など、
I−III3-VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5などを好ましく挙げることができる。
ただし、上の記載において、(In,Ga)、(S,Se)は、それぞれ、(In1-xGax)、(S1-ySey)(ただし、x=0〜1、y=0〜1)を示す。
光電変換半導体層の成膜方法は特に制限されない。例えば、Cu,In,(Ga),Sを含むCI(G)S系の光電変換半導体層の成膜では、セレン化法や多元蒸着法等の方法を用いて成膜することができる。
光電変換半導体層50の膜厚は特に制限されず、1.0〜3.0μmが好ましく、1.5〜2.0μmが特に好ましい。
バッファ層60は特に制限されないが、CdS、ZnS,Zn(S,O)及び/又はZn(S,O,OH)、SnS,Sn(S,O)及び/又はSn(S,O,OH)、InS,In(S,O)及び/又はIn(S,O,OH)等の、Cd,Zn,Sn,Inからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属硫化物を含むことが好ましい。バッファ層40の膜厚は、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
透光性導電層(透明電極)70は、光を取り込むと共に、下部電極40と対になって、光電変換層50で生成された電流が流れる電極として機能する層である。透光性導電層70の組成としては特に制限されず、ZnO:Al等のn−ZnO等が好ましい。透光性導電層70の膜厚は特に制限されず、50nm〜2μmが好ましい。
上部電極(グリッド電極)80としては特に制限されず、Al等が挙げられる。上部電極80膜厚は特に制限されず、0.1〜3μmが好ましい。
本発明の光電変換素子は、太陽電池等に好ましく使用することができる。光電変換素子1に対して必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
以下、本発明の絶縁層付金属基板および光電変換素子を、実施例によりさらに詳細に説明する。
(塗布液の準備)
フッ素系シランカップリング剤であるオプツールDSX(ダイキン製)を、溶媒であるパーフロロヘキサンに混合し、0.1%処理液を調液した(処理液A)。また、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランを原料に、それぞれ表1および2に示す質量比により処理液BおよびCを調液した。
(基板の準備)
4Nアルミニウム(30μm)/SUS430(100μm)のクラッド金属基板を表3に示す条件で陽極酸化した。
(疎水化処理)
下記表4に示す処理液と基板の組合せで疎水化処理を行った(比較例は処理なし)。具体的には、処理液中に基板を浸し、1cm/sで引き上げるディップコート法によって処理を実施した。処理後、60℃で1時間熱処理した。
(評価)
(電気絶縁性)
実施例および比較例の基板について、試験片に直径が3.6mmの上部金電極を形成した。基板は、乾燥窒素雰囲気中、180℃にて加熱処理を行い、陽極酸化膜に吸着した水分をいったん乾燥させたあと、そのままの乾燥窒素雰囲気下、および、湿度50%の室温大気下で、Al基板を正極性として、電圧を1V印加して、順次1Vずつ印加電圧を増加させた。200V、400V、600V、800V、1000V印加したときの電流値を図4に示す。
乾燥窒素雰囲気下では、いずれも、1×10-8A/cm2以下のリーク電流であったが、湿度50%では、図4に示すように比較例は200Vにおいて1×10-6A/cm2以上、1000Vにおいて1×10-4A/cm2以上のリーク電流が認められ、絶縁性が大幅に低下した。一方で、実施例は200Vにおいて1×10-7A/cm2以下、1000Vにおいて1×10-5A/cm2以下のリーク電流であり、乾燥雰囲気に比べれば絶縁性が低下したものの、比較例に対してその低下は2桁軽減された。
実施例2の多孔質AAOのSEM写真(左:表面、右:断面)を図5に示す。SEM写真から明らかなように、疎水化処理後の多孔質AAOは細孔形状を保っており、細孔の最表面のみが表面処理されており、封孔はされていないことがわかる。
また、実施例2、4および比較例2の赤外吸収スペクトル結果を図6に示す(右のスペクトルは左のスペクトルの一部を拡大したものである)。これは基材に成膜された陽極酸化膜面をATR法で測定したものである。実施例2では、波数1000−1400cm-1付近に、比較例にはない複数の吸収ピークが確認された。CF2およびCF3は200−1300cm-1付近に吸収ピークが存在することから、確認された新規のピークは、表面処理に用いた化合物に由来するものであり、フッ素系シランカップリング剤によって表面処理がなされていることが確認できる。また、実施例4では、波数1200−1300cm-1付近に、比較例にはない複数の吸収ピークが確認された。この新規のピークはCH3に由来すると考えられ、シランカップリング剤によって表面処理がなされていることが確認できる。
一方、比較例2が示す吸収ピークは、実施例2および4においても確認できることから、実施例2および4の多孔質AAOは化学変化は起こしておらず、多孔質AAOの原子レベルの表面構造のみが変化していることがわかる。結果として、マクロな機械物性に変化はなく、応力やクラックに対する耐性が低下することがない一方で、表面の伝導パスとなるリーク電流のみを抑制することが可能となった。
1 光電変換素子
10 金属基板
20 多孔質絶縁酸化膜(陽極酸化膜)
30 アルカリ供給層
40 下部電極(裏面電極)
50 光電変換半導体層
60 バッファ層
70 透光性導電層(透明電極)
80 上部電極(グリッド電極)

Claims (8)

  1. 金属基板上に陽極酸化により形成された多孔質絶縁酸化膜を有し、該多孔質絶縁酸化膜の細孔表面が疎水化処理されていることを特徴とする絶縁層付金属基板。
  2. 前記疎水化処理がケイ素と炭素を含む化合物を用いる処理であることを特徴とする請求項1記載の絶縁層付金属基板。
  3. 前記ケイ素と炭素を含む化合物がシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1または2記載の絶縁層付金属基板。
  4. 前記シランカップリング剤が疎水性基を有するものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の絶縁層付金属基板。
  5. 前記金属基板が、アルミニウム、鉄、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、銅、ニオブおよびタンタルの中から選ばれる少なくとも1つの金属を含有する基板であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の絶縁層付金属基板。
  6. 前記金属基板がアルミニウム、ステンレスまたは鉄鋼板の片面あるいは両面をアルミニウム板で一体化したクラッド材であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の絶縁層付金属基板。
  7. 前記陽極酸化により形成された多孔質絶縁酸化膜が圧縮応力を有することを特徴とする請求項6記載の絶縁層付金属基板。
  8. 請求項1〜7いずれか1項記載の絶縁層付金属基板上に形成されたものであることを特徴とする光電変換素子。
JP2011212193A 2011-09-28 2011-09-28 絶縁層付金属基板および光電変換素子 Withdrawn JP2013074122A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011212193A JP2013074122A (ja) 2011-09-28 2011-09-28 絶縁層付金属基板および光電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011212193A JP2013074122A (ja) 2011-09-28 2011-09-28 絶縁層付金属基板および光電変換素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013074122A true JP2013074122A (ja) 2013-04-22

Family

ID=48478358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011212193A Withdrawn JP2013074122A (ja) 2011-09-28 2011-09-28 絶縁層付金属基板および光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013074122A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015111621A (ja) * 2013-12-06 2015-06-18 株式会社Neomaxマテリアル 半導体素子形成用基板および半導体素子形成用基板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015111621A (ja) * 2013-12-06 2015-06-18 株式会社Neomaxマテリアル 半導体素子形成用基板および半導体素子形成用基板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101650997B1 (ko) 절연층이 부착된 금속 기판과 그 제조 방법 및 반도체 장치
US7741560B2 (en) Chalcopyrite solar cell
Van Le et al. Dual use of tantalum disulfides as hole and electron extraction layers in organic photovoltaic cells
JP5518833B2 (ja) 複合体および該複合体を製造する方法
WO2011096209A1 (en) Metal substrate with insulation layer and manufacturing method thereof, semiconductor device and manufacturing method thereof, solar cell and manufacturing method thereof, electronic circuit and manufacturing method thereof, and light-emitting element and manufacturing method thereof
EP3170208A1 (en) Coating materials and methods for enhanced reliability
JP4629153B1 (ja) 太陽電池および太陽電池の製造方法
RU2009141836A (ru) Биоцидное/гидрофобное внутреннее покрытие конденсаторных трубок (промышленных турбин и побочных охлаждающих контуров)
KR102494877B1 (ko) 전착액, 메탈 코어 기판 및 메탈 코어 기판의 제조 방법
Xu et al. An air-plasma enhanced low-temperature wafer bonding method using high-concentration water glass adhesive layer
KR20140127805A (ko) Cu―In―Ga―Se 태양 전지용 유리 기판 및 그것을 사용한 태양 전지
JP6043269B2 (ja) 絶縁性に優れた陽極酸化処理アルミニウム合金部材
JP4245394B2 (ja) 無機ポリマー膜で被覆されたステンレス箔
JP2013074122A (ja) 絶縁層付金属基板および光電変換素子
JP2011176288A (ja) 光電変換素子、薄膜太陽電池および光電変換素子の製造方法
WO2016001971A1 (ja) 電子デバイス作製用金属基板及びパネル
JP5634315B2 (ja) 絶縁層付金属基板および光電変換素子
JP2013074123A (ja) 光電変換素子用基板および光電変換素子
US20190289713A1 (en) Laminated plate
CN115279942B (zh) 介电涂层
TW201242038A (en) Substrate for photoelectric conversion element with molybdenum electrode, photoelectric conversion element and solar cell
JP2018140552A (ja) 積層体
JP2011124538A (ja) 絶縁層付金属基板、それを用いた半導体装置および太陽電池の製造方法、並びに太陽電池
JP2010258255A (ja) 陽極酸化基板、それを用いた光電変換素子の製造方法、光電変換素子及び太陽電池
JP2012028376A (ja) 電子デバイス用基板および該基板を備えた光電変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141202