JP2013072318A - 作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン9が作動していて乗車確認手段52で乗車が確認された状態では、フィルタ再生手段50によって粒子状物質を燃焼させて除去する再生動作を行うことを許可する再生許可手段51と、エンジン9が作動していて乗車確認手段52で乗車が確認できない状態では、エンジン9を停止させてフィルタに堆積した粒子状物質の堆積量の増加を抑制する堆積抑制手段54とを備えている。
【選択図】図1
Description
一般的にディーゼルエンジンには、排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集する排出ガス浄化装置が設けられている。排出ガス浄化装置は、排出ガスを内部に設けたディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)に通過させて粒子状物質を捕集する。この捕集された粒子状物質は排出ガス浄化装置のDPFに徐々に堆積するので、DPFが目詰まりを起こして排気系の空気抵抗が大きくならないように、粒子状物質を適宜除去してDPFを再生しなくてはならない。
特許文献1は、コモンレール式のディーゼルエンジンにおいて、DPFの再生処理時に吸気スロットルの絞り(吸排気弁の絞り)やポスト噴射を行って再生が完了したらエンジンを自動的に停止させる技術である。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、ディーゼルエンジンから排出された排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを備えた排出ガス浄化装置と、前記排出ガス浄化装置のフィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去するフィルタ再生手段と、乗車を確認する乗車確認手段とを備えた作業機であって、前記エンジンが作動していて前記乗車確認手段で前記乗車が確認された状態では、前記フィルタ再生手段によって前記粒子状物質を燃焼させて除去する再生動作を行うことを許可する再生許可手段と、前記エンジンが作動していて前記乗車確認手段で乗車が確認できない状態では、エンジンを停止させて前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量の増加を抑制する堆積抑制手段とを備えていることを特徴とする。
続くと、エンジンを停止させることが好ましい。
前記堆積抑制手段は、エンジンが作動していて前記乗車が確認されない状態で前記堆積量が増加傾向にあると、エンジンを停止させることが好ましい。
前記フィルタ再生手段は、前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量が所定値以上となったときに、前記再生動作を自動的に行う自動再生モードを有していることが好ましい。
前記フィルタ再生手段は、前記再生動作の補足として前記ディーゼルエンジンの回転数を上げることを報知する再生動作補足モードを備えていることが好ましい。
請求項2によれば、例えば、作業者が休憩のためや一時的に作業を中断するためにエンジンを掛けたまま長時間降車(乗車が確認できない状態)している場合におけるPM堆積量の増加を抑制(防止)することができる。
請求項4によれば、粒子状物質を自動的に燃焼させてPM堆積量を減少させることができる。
請求項5によれば、多大なPM堆積量の増加を抑制することができる。
請求項7によれば、強制的にエンジンを停止したとしても、再びエンジンを始動することができ、一時的に作業を行うことができる。
[第1実施形態]
本発明の作業機は、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)を備えると共に、このDPFに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去する手段を備えたものである。このような作業機としては、バックホーやコンパクトトラックローダ(CTL)などの建設機械、及びトラクタなどの農業機械であるが、下記に示すように、作業機としてバックホーを例にとり説明する。
走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備えたクローラ式走行装置である。また、走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
旋回体3は、走行装置2上に旋回ベアリング6を介して上下方向の旋回軸回りに左右旋回自在に支持された旋回台7と、旋回台7の前部に備えられた作業装置8(掘削装置)とを有している。旋回台7上には、ディーゼルエンジン9、ラジエータ、運転席10、燃料
タンク、作動油タンク、作動油タンクからの作動油を制御する制御弁等が設けられている。運転席10の周囲には、バックホー1に関する様々な情報を表示する表示装置11が設けられている。運転席10は、旋回台7上に設けられたキャビン12により囲まれている。
図1は、ディーゼルエンジン及びディーゼルエンジンの排気系の構造を示したものである。ディーゼルエンジンの排気系について説明する。なお、ディーゼルエンジン9は、複数のシリンダ(気筒)を有する多気筒エンジンである場合が多いが、図1では、そのうちの1つのシリンダ34だけの構成を示し説明する。
をしなくてはならない。
排出ガス浄化装置31は、このDPF41の他に、図示はしないが、粒子状物質中の燃料及び燃焼ガス中の窒素酸化物を酸化するための酸化触媒などを有している。
上述のような差圧センサが検出した差圧や排気温度センサが検出した排気温度は、制御部46へ送られ、この制御部46によってDPFの再生をするための制御を行う。なお、DPFの再生の制御については後述する。
この流量制御は、運転席10の周囲に設けられた操作部材(操作レバー)47の操作量に基づいて行うもので、詳しくは、操作レバー47を中立位置より一方(左側)に揺動させて左側の操作量を入力すると、操作したアクチュエータ(スイングシリンダ、ブームシリンダ18、アームシリンダ19及びバケットシリンダ20)に対応する電磁比例弁のソレノイドに所定値の電流(作動信号)を出力する。そうすると、電磁比例弁は電流値に応じて開き、操作したアクチュエータに対応する制御弁のパイロット圧が制御され、アクチュエータが一方に動作する。操作レバー4733を中立位置より上記とは反対側に揺動させて右側の操作量を入力すると、左側に揺動したときとは反対側にアクチュエータを動作させる。このように、操作レバー47を操作することによって、バックホー1を作動させることができる。
さて、上述したように、制御部46はDPFの再生を行うための制御も行う。以下、DPFの再生について詳しく説明する。
フィルタ再生手段50は、DPF41に堆積する粒子状物質の堆積量(PM堆積量という)が所定量以上(閾値以上)になると、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去するために、ディーゼルエンジン9や排出ガス浄化装置31を制御し、堆積量を減少させるための処理(再生動作)を自動的に行う。つまり、図2に示すように、フィルタ再生手段50は、PM堆積量が予め定められた閾値以上になると、自動再生モードが起動して、DPFの再生の制御を開始する。
また、フィルタ再生手段50では、自動再生モードを実行している段階で、さらに、PM堆積量が徐々に増加するなどの増加傾向にあるときは、ディーゼルエンジン9の出力を制限する出力制限モードを起動することとなっている。
例えば、自動再生モードの開始後、10秒毎にPM堆積量を算出し、算出した10秒毎のPM堆積量が連続的に増加している場合、自動再生モードの開始時のPM堆積量と60秒後のPM堆積量とを比較して60秒後のPM堆積量が大きい場合、PM堆積量を数秒毎にプロットして推移線を作成し、その推移線の傾きがプラス(PM堆積量の推移線が右肩上がり)になっている場合などは、PM堆積量が増加傾向であるとされ、出力制限モードが働く。
PのPM堆積量を減少させることができるものとなっているが、本発明では、フィルタ再生手段50によるDPFの再生動作を許可するための再生許可手段51が具備されている。
この再生許可手段51は、作業者がバックホー(作業機)1に乗っている状態、即ち、作業者の乗車が確認された状態にてフィルタ再生手段50による再生動作を許可するもので、例えば、フィルタ再生手段50と同じくメインECU33に格納されたプログラム等により構成されている。
この乗車確認手段52は、運転席10の側方に揺動自在に支持されたレバーを有していて、レバー52を横倒しにして乗車口を遮断したときは作業者は乗車している(乗車状態)とされ、レバー52を起こして(起立させて)乗車口を非遮断としたときは作業者は乗車していない(降車状態)とされている。乗車確認手段52において作業者が乗車状態であるか降車状態であるかの信号、即ち、レバー52が横倒しであるかレバー52が起きているかの信号はメインECU33に入力される。
さらに詳しくは、まず、レバー52を起こした状態で作業者が運転席10に乗車し、その後、レバー52を横倒しにすると共にエンジン9を始動したとき、再生許可手段51はフィルタ再生手段50による再生動作を許可状態にする。フィルタ再生手段50は、許可状態となっているときに、PM堆積量が閾値を超えると、自動再生モードや出力制限モードを起動し、「吸気スロットルの絞り」や「ポスト噴射」を行うことによりDPFの再生を行う。したがって、作業者がバックボー1に乗車後、作業者が操作レバー47を動かして作業を行っているときなどは、DPFの再生を自動的に行うことができる。
第1パターンにおける堆積抑制手段54は、エンジン9が作動している状態で且つ作業者の降車状態が、所定時間(例えば、60秒)続くとエンジン9を停止させる。詳しくは、堆積抑制手段54は、メインECU33に入力されているエンジン回転数が零よりも大きく乗車確認手段52による作業者の乗車が無しとする信号がメインECU33に入力されている状態(エンジン作動降車状態)が、60秒以上連続して続くと、エンジン停止の信号をエンジンECUに出力し、エンジン9を強制停止させる。なお、堆積抑制手段54によってエンジン停止を判断するための降車状態の時間長さ(前記所定時間)は、バックホー1の作業性やエンジン9の作動放置状態でのPM堆積量の増加具合などによって設定されるもので、当然の如く上述したように60秒に限定されない。例えば、前記所定時
間を300秒にしてもよい。また、降車状態の時間長さは、表示装置11を操作することによって任意に設定できるようにしてもよい。
例えば、バックホー1を暖気(暖気運転)するために作業者がバックホー1に乗車してエンジン9を掛けた後、バックホー1から降車し、作業者はしばらく休憩することがある。作業者がバックホー1の暖気をしていることを忘れ、アイドリングの回転数でエンジン9を回転し続けると、PM堆積量が次第に増加してしまう虞がある。
また、第2パターンの堆積抑制手段54ではエンジン作動降車状態であってPM堆積量が増加傾向にあるときに自動的にエンジン9を停止させているため、作業者が暖気をしていることを忘れることによってPM堆積量が増加してしまうのを防止することができる。特に、パターン2の堆積抑制手段54では、実際にPM堆積量が増加している状況下であるときにエンジン9を停止しているため、できるかぎり、暖気の時間を確保することができる。
再生動作補足モードとは、吸気スロットルの絞りやポスト噴射を行って再生動作を行うに際し、これらの動作とは別に、エンジン9の回転を上げることによって排気温度の上昇を促すものである。
ルレバーの操作によって手動で行うこととしている。作業者は、DPFの再生に対する補足動作(エンジン回転数の上昇)を行いたいときに自由に実行することができ、DPFの再生によって操作が邪魔されるなどの煩わしさを軽減することができる。
例えば、作業者はDPFの再生に対する補足動作(エンジン回転数の上昇)を行うにあたって、まず、操作レバー47による操作を行っているときはそのまま操作レバー47による操作を続け、操作レバー47による操作がひとだんらくした後に、アクセルレバーを操作してエンジン回転数の上昇をさせることができ、作業者にとっては、操作レバー47の操作がDPFの再生によって邪魔されることがないため、操作性を低下させることなく、DPFの再生の促進をすることができる。
[第2実施形態]
第1実施形態ではフィルタ再生手段50は、PM堆積量が閾値以上になると自動再生モードとなって自動的に再生動作となるが、第2実施形態のフィルタ再生手段50は自動ではなく手動で再生動作させるものである。なお、第1実施形態と構成が同じ部分は説明を省略する。
なお、堆積抑制手段54が動作する条件として、作業者が降車状態でエンジン9が作動し且つフィルタ再生手段50によって再生動作が行われている再生時の場合(再生パターン)と、作業者が降車状態で且つフィルタ再生手段50によって再生動作が行われていない未再生の場合(未再生パターン)とが考えられるが、堆積抑制手段54は、再生パターンであっても未再生パターンであっても、降車状態でエンジン9が作動しているときはPM堆積量の増加を抑制するためにエンジン9を停止させてもよい。また、次のようにエンジン9の停止に条件を加えてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述した実施形態では、乗車確認手段52を、運転席10の周囲に設けたレバーで構成して、このレバー52によって作業者の乗車状態や降車状態を確認するためのものとしているが、下記に示すレバーロック構造で使用するレバーを、上述した乗車確認手段として兼用化してもよい。
2 走行装置
3 旋回体
4 走行体
5 ドーザ
6 旋回ベアリング
7 旋回台
8 作業装置
9 ディーゼルエンジン
10 運転席10
11 表示装置
12 キャビン
13 支持ブラケット
14 スイングブラケット
15 ブーム
16 アーム
17 バケット
18 ブームシリンダ
19 アームシリンダ
20 バケットシリンダ
30 排気マニホールド
31 排出ガス浄化装置
32 エンジンECU
33 メインECU
34 シリンダ
35 吸気ポート
36 排気ポート
37 吸気バルブ
38 排気バルブ
39 吸気マニホールド
40 サイレンサ
41 DPF
42 入側圧力センサ
43 出側圧力センサ
44 差圧センサ
45 排気温度センサ
46 制御部
47 操作レバー
50 フィルタ再生手段
51 再生許可手段
52 乗車確認手段
54 堆積抑制手段
55 再生スイッチ
Claims (7)
- ディーゼルエンジンから排出された排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを備えた排出ガス浄化装置と、前記排出ガス浄化装置のフィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去するフィルタ再生手段と、乗車を確認する乗車確認手段とを備えた作業機であって、
前記エンジンが作動していて前記乗車確認手段で前記乗車が確認された状態では、前記フィルタ再生手段によって前記粒子状物質を燃焼させて除去する再生動作を行うことを許可する再生許可手段と、
前記エンジンが作動していて前記乗車確認手段で乗車が確認できない状態では、エンジンを停止させて前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量の増加を抑制する堆積抑制手段とを備えていることを特徴とする作業機。 - 前記堆積抑制手段は、エンジンが作動していて前記乗車が確認されない状態が所定時間続くと、エンジンを停止させることを特徴とする請求項1に記載の作業機。
- 前記堆積抑制手段は、エンジンが作動していて前記乗車が確認されない状態で前記堆積量が増加傾向にあると、エンジンを停止させることを特徴とする請求項1に記載の作業機。
- 前記フィルタ再生手段は、前記フィルタに堆積した粒子状物質の堆積量が所定値以上となったときに、前記再生動作を自動的に行う自動再生モードを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作業機。
- 前記フィルタ再生手段は、前記自動再生モードを実行している段階で、さらに、前記堆積量が自動再生モード前よりも増加傾向にあるときに、前記ディーゼルエンジンに対して出力を制限する出力制限モードを備えていることを特徴とする請求項4に記載の作業機。
- 前記フィルタ再生手段は、前記再生動作の補足として前記ディーゼルエンジンの回転数を上げることを報知する再生動作補足モードを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の作業機。
- 前記堆積抑制手段にてエンジンの停止させた後にエンジンの再作動ができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の作業機。
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