診療記録保管場所、法律事務所などの事務所、並びに一部の家庭において、ファイル保管キャビネットは、一般的に、医療、法律、他のビジネス、及び個人の目的で使用される文書を保管するのに用いられる。一般的なファイル保管キャビネットは、各々が比較的多数のファイル・フォルダを収容した幾つかの引き出しを有し、各フォルダが1つ又はそれ以上の文書を含んでいる。種々のファイル・フォルダに含まれる文書に容易にアクセスできるように、何らかのタイプの文書管理システムが必要である。
文書管理は、一般的に、ファイル・フォルダの管理により行われる。各文書は、最初に、特定の題目(例えば、「特定口座に対する公共料金の請求書」)の文書専用の識別されたファイル・フォルダに割り当てられてそこに入れられる。一般的には、後から生じた関連文書は、この同じファイル・フォルダに割り当てられて入れられる。
ファイル・フォルダ管理は、一般的には、ファイルの引き出しが開けられたときに見ることができ(通常、フォルダの上縁に沿って)、且つファイル・フォルダの内容を記述する読み取り可能な情報を含むタブ部分を各ファイル・フォルダに備えることによって行われる。読み取り可能な情報は、一般的には、アカウント名、件名(例えば「銀行取引明細書」)等のような短縮形式の識別情報である。
ファイル・フォルダ内に含まれる個々の文書へのアクセスを容易にするために、通常は、何らかのタイプの索引付け構成を用いて、各ファイル・フォルダのファイル・キャビネットの引き出しの位置を識別する。一般的に用いられる簡単な技術は、ファイル・フォルダをアルファベット順に列挙した、ファイル・キャビネットの各引き出しの前面パネル上に配置されたアルファベット順索引カードである。例えば、あるファイルの引き出しパネルは、文字A−Fで始まるファイルを列挙した索引カードを有することができ、別の引き出しは、文字G−L等で始まるファイル・フォルダを列挙する索引カードを有することができる。多くの場合、短縮形式の識別子と、これに対応したファイル・フォルダの内容のより詳細且つより完全な記述とによって全てのファイル・フォルダを列挙するコンピュータ・ベースの索引など、より高度な索引付け構成が使用される。こうしたコンピュータ・ベースの構成であっても、依然として、ユーザが所与のフォルダ・フォルダを識別できるように、各ファイル・フォルダ上に読み取り可能なタブ又はタグを使用する必要がある。このことは、何れかの許可されていないユーザが、特定のファイル・フォルダ名又は特定タイプの情報を含むファイル・フォルダを検索するのを容易にするので、極めて好ましくない。それにも関らず、公知のファイル・フォルダ管理システムは、ファイルを合理的に特定できるようにするために、可視のタブ又はタグの使用を必要とする。
複数の個人がファイル・キャビネットの一部又は全てのファイル引き出しの内容にアクセスできる用途においては、通常、ファイル・フォルダの配置を監視するための何らかの取り決めがなされている。例えば、ビジネス用途においては、所与のファイル・フォルダの所在が常に分かるようにしておくために、署名による持ち出し及び返却手順を提供することが好都合であり、場合によっては必要である。通常、こうした監視の試みでは、各個人が手順に忠実に従わないことに起因して、ファイル・フォルダを正確に追跡することができない。その結果、いつでも、実際に各ファイル引き出しを完全に調べ、ファイル・フォルダ及びその内容を主索引と照合してチェックすることによってしかファイル管理システムの完全性を検証できないことがある。この要件は、時間がかかる上に面倒であり、従って、大きな欠点である。
上述したタイプの公知のファイル管理システムにおいては、ファイル・フォルダに内容の識別子が与えられると、当該ファイル・フォルダは、その内容の性質と恒久的に関連付けられる。内容を他の何らかのカテゴリに変更するには、ファイル・フォルダを破棄して、代わりに新しい標識の付いていないファイル・フォルダに置き換えるか、又は識別ラベルを変更する必要がある。更に、主索引は、手作業で更新するか、又はコンピュータ・ベースの索引付けシステムにおいてコンピュータを用いて更新する必要がある。事務職員が必ずしもこれらの手順に従うとは限らないので、結果としてファイル・システムの完全性が損なわれる。
公知のファイル管理システムの全ての実施例において、通常、ファイル・フォルダには、各ファイル・フォルダの上縁に付けられるラベル又はタグのような人間可読の又は機械可読の識別標識を備えている。より高度なシステムにおいては、コンピュータが、オブジェクトの把握を助けるために、コンピュータが使用される。一般的に、ファイル・フォルダが通常の位置から取り出された場合、何らかの手順を用いて、ファイル・フォルダがその通常の位置から取り出されたという事実を記録する。これは、オペレータが、システム・コンピュータに変更を入力するか、或いは、タグ又はラベルの読取装置(例えば、バーコード読取装置など)を使用して、情報をシステム・コンピュータに入力することによって達成される。
その開示事項が引用により本明細書に組み入れられる、「Collective Objects Management System Using RF Object Identification」と題した1999年11月2日に発行された特許文献1は、従来より知られているファイル・フォルダ管理システムにおける上述の欠点を解消したファイル・フォルダ管理システムの1つの実施例を開示している。更に、特許文献1に開示されるファイル・フォルダ管理システムは、異なるファイル・フォルダの大きな集合のどこかに保管されている所望のファイル・フォルダを見つけるための簡単で効率的な方法を提供する。特許文献1で開示されるシステムは、RF感知回路を使用して、集合内の全てのファイル・フォルダの制御を維持する。各ファイル・フォルダは、その固有周波数のRF信号が回路により受信されたときに固有周波数で共振する関連のRF感知回路と、人間のオペレータに対してファイル・フォルダを識別するためRF回路に結合されたインジケータとを有する。インジケータは、ファイル引き出しが開けられたときに人間のオペレータが容易に見ることができる好都合な位置においてファイル・フォルダに結合されたLEDのような可視インジケータであることが好ましい。代替的に、ブザーのような可聴インジケータを使用することもできる。
より具体的には、ファイル引き出し内に入れられた各ファイル・フォルダ内に含まれるフォルダ回路は、特定のRF周波数に応答する水晶を有し、所与の水晶の共振周波数は、他の全ての水晶の共振周波数とは異なっている。各ファイル・フォルダ回路は、従来のファイル・キャビネットに通常見られる導電性の上側支持レールを用いて、引き出しの信号入力/出力に電気的に結合される。レールの1つは、そのレールを引き出しの残りの導電性要素から電気的に絶縁することにより変更される。各引き出しには、引き出しの前面パネルに取り付けられたインジケータ、好ましくは点滅LED可視インジケータが設けられる。電流検出回路は、引き出しパネル・インジケータの状態を制御するのに使用される。
全ての引き出し入力/出力端子は、専用コネクタ(すなわち、有線接続)又は送受信機(すなわち、無線通信)の何れかを用いて、関連するコンピュータに電気的に並列結合される。ホスト・コンピュータは、全ての水晶周波数に合致する信号を生成することができるRF信号生成装置を含む。ファイル・フォルダを見つけるためには、ユーザは、一般的にキーボード又はマウスを用いて当該ファイル・フォルダをコンピュータに指定する。コンピュータにより、RF信号生成装置は、指定されたファイル・フォルダの水晶の周波数に合致するRF信号を生成する。RF信号は、システム内の全てのファイル・キャビネット、従って全てのファイル引き出しに伝送される。指定されたファイル・フォルダが引き出しの何れか1つの中にある場合には、そのファイル・フォルダを含む引き出しの前面パネル上のインジケータ及び正しいファイル・フォルダのインジケータの両方が作動する。次に、ユーザは、アクティブなパネル・インジケータを有する引き出しを開き、アクティブなファイル・フォルダ・インジケータを有するファイル・フォルダを取り出す。特許文献1に開示されたファイル管理システムは、作動したインジケータによって正しいファイル・フォルダが指定されるので、各ファイル・フォルダ上に読み取り可能なタブ又はタグを付ける必要性がなくなる。また、必要な情報をコンピュータに入力するだけで、ファイル・フォルダの性質を変更することができる。更に、RF掃引周波数生成装置を用いて水晶周波数の全周波数範囲を掃引し、共振応答が存在しないあらゆる周波数を検出することによって、ファイル・システム全体の完全性をチェックすることもできる。このシステムは、導電性の二重レール式フォルダ支持機構を有する既存のファイル・キャビネットに容易且つ好都合に組み込むことができる。
「Collective Objects Management System With Object Identification Using Multiple Crystals」と題された2009年9月24日に出願の同一出願人による同時係属中の米国特許出願番号第12/586,552号は、特許文献1の技術に優る改善点を開示しており、ここではファイル・フォルダ回路には2つ又はそれ以上の水晶が備えられ、各ファイル・キャビネットがRF生成装置を含む。この改善された技術において、ファイル・フォルダは、ファイル・フォルダ回路内の水晶の数と等しい数の周波数成分を有するRF信号を生成することによって指定される。
「Collective Objects Management System With Object Identification Using Addressable Decoder Units」と題された2010年6月12日に出願の同一出願人による同時係属中の米国特許出願第12/802,645号は、従来より知られているファイル管理システムにおける上述の欠点を解消したファイル・フォルダ管理システムの別の実施例を開示している。更に、特許文献1のシステムと同様に、米国特許出願第12/802,645号において開示されたファイル管理システムは、異なるファイル・フォルダの大きな集合のどこかに保管されている個々のファイル・フォルダを見つける簡単で効率的な方法を提供する。米国特許出願第12/802,645号において開示されたシステムは、アドレス可能なデコード・ユニットを用いて、集合内の全てのファイル・フォルダの制御を維持する。各ファイル・フォルダは、ファイル・フォルダ管理システムにおいてソースからのその固有アドレスの受信に応答する、固有アドレスを有する関連したアドレス指定可能デコーダ・ユニットを有する。ソースは、遠隔ホスト・コンピュータからのファイル・フォルダ識別信号の受信に応答して固有アドレスを生成する、アドレス指定されたファイルを含むファイル・キャビネット内にあるローカル・エンコーダである。各ファイル・フォルダはまた、人間のオペレータに対してファイルを識別するためデコーダ・ユニットに結合されたインジケータを有する。インジケータは、ファイル引き出しが開けられたときに、人間のオペレータが容易に見ることができる好都合な位置においてファイル・フォルダに結合されたLEDのような可視インジケータであることが好ましい。代替的に、ブザーのような可聴インジケータを使用することもできる。
各ファイル引き出しは、複数の相互に電気的に絶縁された導電性経路を有し、その少なくとも1つは、ソースにより供給され且つ見つけようとしているファイル・フォルダを指定するアドレス信号を受信することができる。ファイル引き出し内に配置されたファイル・フォルダの各々は、各々が複数の相互に電気的に絶縁された導電性経路の異なるものに電気的に結合された複数の導電性部材と、固有のシステム・アドレスと、複数の導電性部材と電気的に接触する複数の導電性端子とを有する、引き出し内のファイル・フォルダにより支持されるアドレス・デコーダ回路と、複数の導電性部材のうちの少なくとも1つに存在し且つ当該ファイル・フォルダの固有のシステム・アドレスを表わすアドレス信号をアドレス・デコーダ回路が検出するたびに作動するように該アドレス・デコーダ回路に結合された可視インジケータ(例えばLED)のようなインジケータとを有する。
各ファイル・キャビネットは、アドレス信号を生成するためのエンコーダを含み、該エンコーダは、ホスト・コンピュータからファイル・フォルダ識別信号を受信するための少なくとも1つの入力端子と、複数のファイル・フォルダのアドレス・デコーダ回路の各々に結合された少なくとも1つの出力端子と、ホスト・コンピュータからのファイル・フォルダ識別信号により指定されたファイル・フォルダの固有システム・アドレスを表わす信号を生成するための回路とを有する。
各ファイル・フォルダは支持ブレースのペアを有し、支持ブレースの1つは複数の導電性部材を含む。ファイル・フォルダの各々のアドレス・デコーダ回路及びインジケータは、各ファイル・フォルダの2つの支持ブレースのうちの1つによって支持される。
ファイル・フォルダ引き出しは、付加的なインジケータが取り付けられた前面パネルを有し、本システムは、複数の導電性部材の少なくとも1つに存在し且つそのアドレス・デコーダの固有のシステム・アドレスを表わすアドレス信号をファイル・フォルダ引き出し内に配置されたアドレス・デコーダ回路が検出するたびに付加的なインジケータを動作させるための回路を更に含む。
各アドレス・デコーダ回路は、複数の導電性部材の少なくとも1つに存在し且つそのアドレス・デコーダ回路の固有のシステム・アドレスを表わすアドレス信号を該アドレス・デコーダ回路が検出するたびに有効(VALID)信号を生成するための回路を含む。
ファイル・キャビネット内に配置されたマイクロコンピュータは、導電性経路の一部を介して複数のファイル・フォルダに電力信号を供給し、導電性経路の少なくとも1つを介してアドレス信号を供給し、到来アドレスが所与のアドレス・デコーダ回路のシステム・アドレスと合致したときに、各アドレス・デコーダ回路により生成された有効信号を受信する。マイクロコンピュータはまた、有効信号を生成するあらゆるアドレス・デコーダ回路のシステムにおける位置を識別する情報信号を生成するための回路を含む。これらの情報の信号は、ファイル・フォルダ管理の目的でホスト・コンピュータに返送される。
本発明は、ファイル・フォルダ管理システムにおいて遠隔に配置された各文書に、文書が存在するファイル・キャビネット引き出しの中のファイル・フォルダにおいて局所的に読み取ることができるRFIDタグを備えることを必要とする。図1−図6は、こうした文書及びこうした文書を作成するための技術を示す。これらの図及びその説明は、2004年3月4日に発行された特許文献2から得られる。
ここで図を参照すると、図1は、読み取り可能なシート形態の単一の文書の平面図である。この図で見られるように、シート媒体形態の文書10は、インクジェット印刷、レーザー印刷、又は等価技術のような従来の技術を用いてこの上に恒久的に形成される可視情報12を有する。文書10の表面だけが図1に示されているが、文書10の裏面にも可視情報を保持し、両面読み取り可能な文書を提供することができる。
文書10には、RFID電子チップ15に電気的に接続された小型ループ・アンテナ14が組み込まれている。文書10がファイル・フォルダ内に保管されているときにインジケータ17の状態を容易に観察することができる物理的な位置において、小型LEDのような可視インジケータ17が文書10に取り付けられるのが好ましい。図1に見られるように。この物理的な位置は、文書10の上縁19に隣接している。可視インジケータ17は、インジケータ17の状態を制御するRFIDチップ15に電気的に接続される。可視インジケータ17は、Chicago Miniature Lamp,Inc.社から現在入手可能なタイプCMD28−21 SRCの表面実装型LEDであることが好ましい。他の可視インジケータを使用することもできる。
ループ・アンテナ14は、幾つかの公知の方法の何れか1つで形成された多重巻のオーム導体である。1つのこうした技術は、その開示事項が引用により本明細書に組み入れられる、2002年4月16日に発行された特許文献3に開示されるポリエチレンテレフタレート(PET)基板上への銀ペースト印刷である。別の技術は、ペンシルバニア州Bethlehem所在のRCD Technology Corporation社により実施されるような、基板上への銅堆積である。コイルのサイズ(コイル径及びコイル厚)並びに巻数は、特定用途の要件によって決定されることになる。ループ・アンテナ14の機能は、RFIDチップ15と、文書が存在するファイル・キャビネット内に配置されたRFID読取装置(以下で説明される)との間での情報の電磁的転送を提供すること、並びにRFID読取装置からRFIDチップ15への電力の誘導的転送を可能にし、RFIDチップ15内の能動回路素子及び可視インジケータ17に電力を供給することである。
RFIDチップ15は、RFID(高周波識別)集積回路に一般的に見られる標準的な内部機能構成要素を有する市販又は特注の集積回路デバイスとすることができる。こうした標準的構成要素は、RF及びアナログ部分、CPU、ROM、並びにEEPROM(1999 IEEE International Solid−State Circuits Conferenceの刊行物0−7803−5129−0/99、図9.1.1:RFIDトランスポンダICブロック図を参照されたい)を含む。RFIDチップ15は、ISO14443プロトコル、ISO15693プロトコル、又はISO/IEC18000−3モード2プロトコルのような標準プロトコルを用いて、外部装置により質問されたときに、ループ・アンテナ14を介して電力を受け取る。市販のRFIDチップデバイスの実施例は、独国ミュンヘン所在のInfineon Technologies AG社から入手可能なPJM Item Tag/Stack Tag、並びに、テキサス州Dallas所在のTexas Instruments社から入手可能なTag−it、HF−I Plus及びHF−1 Proトランスポンダ・タグである。RFIDチップ15のサイズは、1.4×1.3mmのオーダーであり、厚さは約0.13mmである。これは、文書の紙の平均厚さ0.1mmと比べても遜色がない。以下でより十分に説明されるように、最初に文書が作成されたときに、文書に含まれる情報は、RFIDチップ15に組み込まれたROM(読み出し専用メモリ)に書き込まれる。この情報がROMに書き込まれると、これを上書きすることも又は何れかの質問装置によって他の方法で変更することもできない。別の言い方をすれば、一旦文書が作成されると、RFIDチップ15は、RFID読取装置により質問することができるが、文書情報を外部装置に供給することしかできない、すなわち、RFIDチップ15は、ROMに格納された文書情報を変更することはできない。
ループ・アンテナ14及びRFIDチップ15は両方とも、その開示事項が引用により本明細書に組み入れられる2000年11月28日に発行された特許文献4において図示され且つ説明されたようなIDタグに組み込まれるのが好ましい。通常、IDタグは、上述したPET基板のような薄い基板上に取り付けられるか又は封入されたアンテナ及びRFIDチップを有する。IDタグは、紙又はマイラーシートのようなプラスチック材料とすることができるシート媒体内に、或いはシート媒体文書の作成に用いられる他の何れかの公知のシート媒体材料内に組み込まれる。シート媒体へのIDタグの組み込みは、シートの片面への接着、シート媒体内の接合、又は薄いプラスチック製IDタグをシート媒体材料内に堅固に埋め込むための他の何れかの公知の技術を用いることによって行うことができる。IDタグを組み込むことによりシート媒体が作成されると、シートは、文書作成の準備ができた状態になる。
図2を参照すると、文書を作成するための一般的なプロセスは以下の通りである。情報(テキストのみ、画像のみ、又は2つの種類の組み合わせとすることができる)は、最初に、PC、ワードプロセッサ、又は文書を書くための他の何れかの公知の装置のようなホスト装置を用いて構成される。情報が構成されると、シート媒体の片面又は両面上に印刷される。同じ情報はまた、RFIDチップにも電磁的に転送され、RFIDチップ15のROM部分に書き込まれる。印刷ステップ及び電磁的転送ステップの両方を同時に行うこともでき、或いは、順次的に行うこともできる点は留意される。印刷ステップ及び書き込みステップの両方が完了すると、文書は完成し、意図された目的に使用することができる。作成された文書は、使用するために文書を送る前に、以下に説明される手順を用いて検証されることが好ましい。
図3は、文書の作成に用いられる書き込み装置を概略的に示す。この図から分かるように、供給ローラ22、23を有するプリンタが、白紙の文書シート10を受け取り、印刷領域(図示せず)を通してこのシートを給送する。プリンタは、文書シート10の幅にわたる書き込みアンテナ25を有し、電磁形態の情報を文書シート10に組み込まれたRFIDチップ15に伝送する。
文書が作成されると、文書は、RFIDチップ15のROM部分に格納された情報を読み出して、電子バージョンの情報を印刷バージョンと比較することによって検証することができる。図4は、この検証プロセスを示す。この図から分かるように、キーボード31及びディスプレイ32を有する従来のラップトップ・コンピュータ30には、図示のようにキーボード31の周囲などの好都合な位置に読み取りアンテナ33が備えられる。読み取りアンテナ33は、こうしたコンピュータにおいて通常見られる標準インターフェースの1つを用いて、コンピュータ30内部のCPUに接続される。コンピュータ30はまた、RFIDチップ15に組み込まれたプロトコルを用いて質問プロセスを機能的に制御できるコンピュータ・プログラムを内部にインストールされており、その結果、質問によってRFIDチップ15のROM部分内の文書内容を取り出し、コンピュータ30のメモリに格納することができる。情報を取り出すために、文書10はキーボード31上に置かれ、コンピュータ30は、質問プロセスを開始するように作動する。読み取りアンテナ33は、文書10上に配置されたRFIDチップ15に電力を伝送し、文書アンテナ14を介して受け取った情報をコンピュータ30のCPU内に転送するよう機能する。情報が取り出されると、情報をディスプレイ32上に表示し、表示されたバージョンを印刷バージョンと視覚的に比較することができる。更に、必要に応じて、表示バージョンを白紙のシート媒体上に印刷することができ、この印刷出力をオリジナルのものと比較することができる。明らかなように、オリジナル・バージョンと取り出されたバージョンとの間の如何なる変化もオリジナルのものが変更されたことを証明することになる。
幾つかこのこうした文書が緊密に接近している場合(ファイル・フォルダ内に保管されている又は複数ページの文書の形で互いに留められているように)の様々な文書10のループ・アンテナ14間のクロストーク又は他の相互作用の可能性を低減するために、文書シート10は、事実上、当該文書シートのIDタグを配置することができる異なる領域に区分化される。図5は、1つのこうした仮想区分化を示す。この図から分かるように、文書シート10は、事実上、6行と2列に区分化される。図5の文書シートについては、アンテナ14、RFIDチップ15及び任意選択的な可視インジケータ17を含むIDタグが、行1、列1に配置される。他の文書シート10においては、行1、列2;行2、列1;行2、列2;...、行6、列2の位置にIDタグを配置することができる。一般に、IDタグ及び白紙シート10の物理的寸法に応じて、各白紙シート10は、m行及びn列に事実上区分化することができ、ここでm及びnはどちらも整数である。更に、各白紙シート10は、RFIDチップ15のROM部分内に、IDタグのシート上の物理的位置を指定する文字を格納することができる。緊密に接近して(複数ページの文書のように)保管されることが意図される一連のシート文書を作成するときには、作成プロセスは、順次的文書作成のために異なるIDタグ位置を有する白紙シートを選択するルーチンを含むことができる。このルーチンは、幾つかのホッパーの使用又は白紙シート用の他のコンテナの使用を含み、所与のホッパー内の同じIDタグ位置を有する白紙を保管して、所定の位置選択スキームに応じて異なるホッパーから白紙を給送することができる。
上述のように、各シート文書10には、任意選択的に、シートの縁の1つの近くに配置された可視インジケータ17が備えられる。可視インジケータ17は、保管された文書の取り出しを容易にするために備えられる。シート媒体文書は、作成されると最終的にはファイル・フォルダ内に保管される。次いで、一般的には、ファイル・フォルダはファイル引き出しの中に配置される。文書管理の目的で、文書は、一般的に、文書が配置されるファイル・フォルダを参照することにより目録が作成される。特定の文書を物理的に取り出すことが必要になった場合には、使用される標準的な手順は、ホスト・コンピュータに格納された文書の目録を調べて、見つけようとしている文書を含むファイル・キャビネット及びファイル・フォルダを識別し、文書管理システムにおけるファイル・キャビネットの集合を遠隔的に検索して正しいファイル・フォルダを見つけ出し、見つけようとしている文書について見つかったファイル・フォルダを遠隔的に検索し、ファイル・キャビネットの所に行って文書を収容する引き出しを開き、ファイル・フォルダを取り出し、見つけようとしている文書が見つかるまで個々の文書をくまなく探すというものである。これには極めて時間がかかる。可視インジケータ17は、このプロセスを大幅に短縮することができる。所与の文書を作成するときには、本プロセスは、文書識別文字(文書ID文字)を生成するステップと、この文字をRFIDチップ15のROM部分に格納するステップとを含むことが好ましい。上述の文書作成プロセスに用いられるものと同じ通信プロトコルを用いるハンドヘルド質問器を備えることができる。文書が推定により位置特定されたファイルがより大きいコンテナから取り出された場合、ハンドヘルド質問器を作動させて、文書識別文字を含む検索信号を生成することができる。見つけようとしている文書がファイル・フォルダ内にある場合には、そこに組み込まれた可視インジケータが、RFIDチップ15により作動される。検索者は、見つけようとしている文書を取り出すために、作動されたインジケータ17を確認するだけで十分である。このプロセスはまた、保管ボックスのような、コンテナ内に大まかに大量に保管されている未整理の文書の集合の中で文書を検索するときに用いることもできる。
異なる文書上の可視インジケータの位置を互い違いに配置することにより、この視覚的検出能力を高めることができる。図6は、各々が上縁上の異なる横方向位置に配置された可視インジケータ17a、17b、17cを有する、3つの保管文書10a、10b、10cを概略的に示している。こうした一連の文書が、多数のこうした文書の中でボックス内に大まかに保管されている場合には、横方向の間隔が作動インジケータの可視性を高めるので、見つけようとしている文書は、作動可視インジケータ17により容易に識別することができる。
上述した文書の作成は、比較的単純明快であり、事務職員に容易に教えることができる。同様に、検証プロセスも容易に学習及び実行することができる。
図7−図14は、RFファイル・フォルダの位置特定及びRF文書の位置特定を用いた、本発明を組み込むシステムの第1の実施による複数引き出し付きファイル・キャビネットを示す。図7は、個々のファイル・キャビネットと関連のホスト・コンピュータとの間で直接的な電気的接続を用いるシステムにおけるファイル・キャビネットの右前面から見た斜視図である。この図から分かるように、公知の機械的構造の複数引き出し付きファイル・キャビネット110(4つの引き出しが示される)は、通常の上面112、底面113、側面114、115及び背面116を有する。4つの引き出し118−121は、キャビネット110内に滑動可能に取り付けられ、各引き出し118−121は、その前面パネル125上に取り付けられた引き出しの取っ手123を有する。可視インジケータ装置127もまた、各引き出し118−121の前面パネル125上に取り付けられる。インジケータ127は、以下に説明される方法で作動されたときに可視信号を提供できる多くの公知の要素の何れ含んでもよい。好適なインジケータの実施例は、従来のLEDインジケータ、及びRadio Shack Corporation社から入手可能な276−036型の点滅LEDインジケータである。
一番下の引き出し118は開かれた位置で示され、基本的な引き出し構造の斜視図、及びファイル・フォルダがファイル引き出し内に取り外し可能に支持される方法を提供する。図示されるように、引き出し118には、以下で詳細に説明される上側支持部材128、129のペアが設けられ、引き出し内にファイル・フォルダ130のような個々のファイル・フォルダを支持する主目的を果たしている。第2に、レール128、129はまた、引き出し118自体に構造的剛性を与えることもできる。引き出し118はまた、下部レール132、133のペア(図7にはその一方だけを見える)も有し、これにより水平方向の構造要素が完成する。一般的に用いられるファイル・キャビネット構造において、レール128、129、132及び133は、標準的な引き出しに物理的に取り付けることができる内側フレーム挿入部(垂直方向に配置されたフレーム部材と共に)を形成することができる。引き出し構造を完成させるために、背面134がレール128、129、132、133に結合される。フォルダ130などの全てのファイル・フォルダは、フォルダ130が機械的に固定される水平方向支持ブレース(後述される)を用いて、上側レール128、129によって取り外し可能に支持される。フォルダ130及びレール128、129の機械的構造は従来のものである。引き出し119−121の構造及び構成は、引き出し118のものと同一である。キャビネット110の右下に示される説明付きの引き出し線で示されるように、AC電力接続部は、以下で説明され且つファイル・キャビネット110内に配置される電気部品にAC電力を提供する。同様に、後述の目的のために、有線接続がファイル・キャビネット110と関連するシステム・コンピュータとの間に結合される。
図8に最もよく示されるように、各引き出し118−121の上側支持レール128は、絶縁要素135、136により残りの引き出しフレーム構造から電気的に絶縁され、キャパシタ137を介してローカルRF源(後述される)に電気的に接続され、このローカルRF源は、RF信号を上側レール128に送るが、DC電気信号を阻止する。更に、上側レール128は、チョーク・コイル138を介してローカルDC電力源(後述される)に電気的に接続され、このDC電力源は、DC電力を上側レール128に送るが、存在し得るRF信号を阻止する。各引き出し118−121の上側支持レール129は、絶縁要素145、146により残りの引き出しフレーム構造から電気的に絶縁され且つ図14に示される引き出し電流検出器139に電気的に結合され、該検出器は、関連した引き出し内の好都合な位置に配置され、後述されるファイル・フォルダ回路を通るDC電力の通過を検出する。引き出しインジケータ127及び電気機械式引き出しロック141は、接地接続142と共に図9に示される関連したマイクロコンピュータに電気的に接続される。
RFID読取装置143は、引き出し118の前面と後面との間のほぼ中間に配置されたRFID読取装置アンテナ144に結合される。RFID読取装置143は、テキサス州Allen所在のDLP Design,Inc社から入手可能なタイプDLP−RFID1のRFID読取装置、又は豪州Sydney所在のMagellan Technology Pty Ltd社から入手可能なタイプMARS−24のRFID読取装置のような、多数の公知のRFID読取装置の何れか1つを含むことができる。RFID読取装置143は、好ましくは、多重アンテナ互換性を有する単一のユニットであり、その結果、単一のRFID読取装置を所与のキャビネット110内に取り付けることだけが必要となる。RFID読取装置143は、システム・ホスト・コンピュータに結合され、システム・ホスト・コンピュータから直接受信する文書識別子信号により制御される。RFID読取装置143は、引き出し118のような、所与のファイル・キャビネットの引き出し内のファイル・フォルダ130に配置された個々の文書10に質問するように機能する。
各ファイル・キャビネット110内には、図9に示されるキャビネット・システムがある。この図から分かるように、Intel Corporation社から入手可能なタイプAT89C2051のユニットであることが好ましいマイクロコンピュータ・ユニット145が、関連したファイル・キャビネット110内の個々の引き出し電流検出器140からの複数の(図示の実施においては4つ)入力を有する。マイクロコンピュータ・ユニット145は、RF生成装置146、RFスイッチ147及びDC電力スイッチ148の動作を監督及び制御する。RF生成装置146は、マイクロコンピュータ・ユニット145からの制御信号に応答して、対象となる周波数範囲(例えば、2MHz−20MHz)にわたる特定の周波数のRF信号を生成することが可能な従来のユニットである。RFスイッチ147は、マイクロコンピュータ145からの制御信号により指定されるような、RF信号をRF生成装置146からファイル・キャビネット110の個々の引き出し内の上側レール128に接続されたキャパシタ137の個々のものに経路指定することができる従来のユニットである。DC電力スイッチ148は、マイクロコンピュータ・ユニット145からの制御信号により指定されるような、DC電源149により得られるDC電力をファイル・キャビネット110に供給されるAC電力入力から、キャビネット110の個々の引き出し内の上側レール128に接続されたチョーク・コイル138の個々のものに供給できる従来のユニットである。マイクロコンピュータ・ユニット145は、ファイル・キャビネット110の引き出しの前面LEDを作動させるのに用いられる複数の(図示の実施においては4つ)制御信号出力を有する。マイクロコンピュータ・ユニット145は、ファイル・キャビネット110の個々の引き出し118−121の電気引き出しロック141を作動させるのに用いられる別の複数の(図示の実施においては4つ)制御信号出力を有する。
マイクロコンピュータ・ユニット145は、通信ケーブル150を介して関連したシステム・ホスト・コンピュータから情報信号を受信する。これらの情報信号は、要求されている所与のファイル・フォルダの識別を含む。
図8で分かるように、各ファイル・フォルダ130は、文書を収容するための、事務機器産業において普及していることが実証されている、従来のU字形断面構成を有する。フォルダ130の両側(前面と裏面)は、機械的ブレースにより機械的に支持される。ブレースの一方(ブレース148)は単一構造であり、支持レール128、129に滑動可能に係合する下向きに折り畳まれるフック状端部を有する単一剛性の非導電性アームを含む。他方のブレース(ブレース152)は、本発明による特別な構成を有する。
ブレース152の前部立面図である図10を参照すると、この要素は、フォルダがファイル引き出し内に適正に位置付けられたときに、レール128、129の関連したものに機械的に係合する、各端部における下方に曲げられたフック状端部156を有する非導電性の主支持部材154を含む。ブレース152は、導電性回路パターンを形成することができ且つ回路部品を取り付けることができるプリント回路基板材料から製造されることが好ましい。水晶161、162のペアと、集積回路163と、LEDインジケータ164(LED A)及び165(LED B)のペアとを含むRF感受性電気回路が、ブレース152上に取り付けられる。水晶161、162と、集積回路163と、LEDインジケータ164、165とを含む電気回路は、好ましくは、適切な回路のノードと、フォルダ130がレール128、129により懸架されたときにレール128、129の表面に面するフック端部156の表面との間のブレース上に導電性経路を設けることにより、ブレース152のフック端部156間で電気的に接続される。LED164、165は、ファイル引き出し118が開けられたときに両方のLEDがファイル・フォルダの上に見えるように、ファイル・フォルダ130の上縁の上に突出した状態でブレース152により機械的に支持される。
図11は、複数のファイル・フォルダ回路を単一のファイル引き出し内に物理的に配置することができる方法を示す概略平面図である。この図から分かるように、各フォルダ回路161i−165iは、全ての回路が並列接続された状態で導電性支持レール128、129の両端に電気的に結合される。電流検出器回路139は、レール129に結合された第1のノードと、図9のマイクロコンピュータ・ユニット145に結合された第2のノードとを有する。チョーク・コイル138は、レール128とDC電力スイッチ148の電力出力端子の関連したものとの間に結合される。キャパシタ137は、レール128とRFスイッチ147のRF出力端子の関連したものとの間に結合される。
図12は、各フォルダのフォルダ・ブレース152内に組み込まれたファイル・フォルダ回路の概略図である。この図から分かるように、各ファイル・フォルダ回路は、キャパシタ137を介して関連した引き出しのレール128に並列に結合された水晶161、162のペアを含む。所与のファイル・フォルダ回路内の水晶161、162の各ペアは、他のファイル・フォルダ回路内のペアの水晶のものとは異なる、組み合わされたペアの共振周波数を有する。全ての共振周波数は、スペクトルのRF範囲内にあることが好ましく、約2MHzから約20MHzまでの値に及ぶことができる。水晶間の周波数分離は、設計上の選択事項であり、0.001MHzの最小周波数分離を用いて、2MHzから20MHzまでの範囲の水晶により良好な結果が得られる。RF信号がレール128上に存在するときには、これらはキャパシタ137を通過し、水晶161、162に平行して提示される。RF信号が水晶161、162の何れか(又は、両方)の周波数と合致する場合には、周波数が合致する水晶が共振し、RF電流の通過に対する抵抗が小さい。この電流によりトランジスタ167が切り換えられ、これによりワンショット回路168が作動される。両方のワンショット回路168がアクティブである場合、これらの組み合わされた出力がANDゲート169をイネーブルにし、これによりLED164が照明されて、フォルダが識別されたことを示す。同時に、フォルダが配置される引き出しの電流検出器139は、後述の方法で引き出しパネルLED127を照明する。
政府当局により課せられる放送放射電力の制約に準拠し、各ファイル・キャビネット110内に収容されるRF生成装置146の所要電力を最小にするために、RF信号を生成するための好ましい技術は、2つの水晶161、162の共振周波数でRF信号を交互に生成するものである。このことは図13に示される。1つのシステム・サイクルにわたるRF生成装置146からのRF出力信号を示すこの図から分かるように、RF生成装置は、最初に、複数のサイクルの間に周波数f1のRF信号を生成し、その信号を短時間で終了させ、次いで、複数のサイクルの間に周波数f2のRF信号を生成し、次いでその信号を短時間で終了させる。この周期的動作は、オペレータが正しいファイル・キャビネット及び引き出しの位置を特定する(照明された引き出しLED127及びファイル・フォルダLED164を観察することにより)のに十分な時間を有することを保証するように十分な長さの時間繰り返される。正しいフォルダ回路のLED164は、水晶161、162を通過する処理されたRF信号間に重複が存在する限り、照明されたままである。水晶61、62の共振によりもたらされる電流がファイル・フォルダ回路の1つを通る限り、引き出しLED127は照明されたままである。
図14は、ファイル・キャビネット110内の各引き出しに対する電流検出器139の概略図である。この図から分かるように、レール129に沿って流れるDC電流は、ダイオード171及びフィルタ・ネットワークを介して、演算増幅器173の第1の基準入力に結合される。基準閾値のDC値が、演算増幅器173の他の基準入力に供給される。DC基準電圧の値は、可変抵抗素子174の抵抗を変えることによって調整することができる。フォルダ回路の1つがアクティブである(すなわち、水晶161、162が共振状態にある)限り、演算増幅器173の出力においてアクティブ信号を生成するのに十分な電流がレール129上に存在する。この信号は、マイクロコンピュータ・ユニット145に結合され、このマイクロコンピュータ・ユニット145は、応答して、イネーブル信号を生成し、正しい引き出し前面LED127を照明し且つ正しい引き出しロック141を作動させる。
システム内のファイル・フォルダから特定の文書を取り出すために、オペレータは、文書、ファイル・フォルダ、及び各々のフォルダが配置されるファイル・キャビネットの完全なリストを含む文書探索情報をシステム・ホスト・コンピュータに入力する。システム・ホスト・コンピュータは、システム記録に従って見つけようとしている文書が配置されているファイル・フォルダの位置を特定するために、最初にファイル・フォルダ要求を正しいファイル・キャビネット110内のマイクロコンピュータ・ユニット145に伝送し、対応するマイクロコンピュータ・ユニット145が、ファイル・キャビネットのRF信号生成装置146及びRFスイッチ147を作動させて、DC電力と共に見つけようとしているファイル・フォルダを配置すべき引き出しに適切なRF周波数ペアのRF信号を供給する。見つけようとしているファイル・フォルダが実際に適正な引き出しの中にある場合、マイクロコンピュータ・ユニット145は、引き出し電流検出器139からフィードバック信号を受信して、引き出し前面LED127及び引き出しロック141についての動作信号を生成する。オペレータが、照明された引き出し前面LED127を有する引き出しを開けた場合には、照明されたファイル・フォルダLED164により正しいファイル・フォルダが示される。
ファイル・フォルダ位置特定システム要素によりファイル・フォルダが見つかると、ローカル・マイクロコンピュータ145は、このイベントをシステム・ホスト・コンピュータに伝送する。これに応答して、システム・ホスト・コンピュータは、文書識別子信号を生成し、見つかったファイル・フォルダ130を収容するファイル・キャビネット110内に配置されたRFID読取装置143にこれらの信号を伝送する。RFID読取装置143は、RF文書タグ質問信号を生成し、この信号は、RFID読取装置アンテナ144によって、見つかったファイル・フォルダ130を収容する引き出し内の全ての文書に伝送される。文書識別子信号に対応する文書が、引き出し内に収容されるファイル・フォルダの何れかに存在する場合には、実装されるRFIDプロトコルに従って、当該文書に関連付けられたRFIDタグが、RFID読取装置143からの質問信号に応答する。例えば、タグは、タグ識別情報を含む信号を伝送し、続いて当該文書の内容を伝送することによって応答することができる。RFID読取装置143がRFID読取装置アンテナ144を介してこの情報を受信すると、RFID読取装置143は、更なる使用のためにこの情報をシステム・ホスト・コンピュータに中継する。RFID読取装置143が所定の期間内に応答を受信しなかった場合、RFID読取装置143は、確立されたシステム・プロトコルに応じて、RFID読取装置アンテナ144への伝送を繰り返すか、又は文書非発見(not found)信号をシステム・ホスト・コンピュータに返送することができる。
各ファイル・キャビネット110内のRF信号生成装置は、文書管理システムにおける最初の水晶共振周波数ペアで始まり、システムにおける最後の水晶共振周波数ペアで終了する、ペアのRF信号を掃引モードで生成できる掃引周波数生成装置を含むことができる。こうした信号生成装置を用いて、RF信号生成装置を掃引モードで作動させるように各ファイル・キャビネット110内のマイクロコンピュータ・ユニット145に命令することにより、ファイル・フォルダの集合全体の完全性を迅速にチェックすることができる。ペアの信号周波数が全範囲にわたって掃引されると、所与のファイル・キャビネット110内に存在する全てのファイル・フォルダ回路がそれぞれの周波数で共振し、このことは、従来のRF検出器回路を用いて各ファイル・キャビネット110内のマイクロコンピュータ・ユニット145により検出することができる。不明のファイル・フォルダの何れも応答せず、このこともまた、同じ回路を用いて各ファイル・キャビネット110内のマイクロコンピュータ・ユニット145により検出することができる。不明であるとして検出された何れのファイル・フォルダも、各ファイル・キャビネット110内の所与のマイクロコンピュータ・ユニット145により、システム・ホスト・コンピュータに報告することができ、非応答フォルダ回路の周波数を確認することによって、システム・ホスト・コンピュータによりコンピュータにおけるファイル・フォルダの識別に相関させることができる。
同様に、システムにおける文書の集合全体の完全性は、システムに登録されている全ての文書の文書識別子信号を順次的に生成するようにシステム・ホスト・コンピュータを動作させることによってチェックすることができる。ホスト・コンピュータは、最初に、各文書識別子信号を該文書識別子信号に対応する文書が存在すると推定される(システムのマスターリストにより)ファイル・キャビネット110内のRFID読取装置143に送信する。次に、当該ファイル・キャビネット110内のRFID読取装置143は、質問信号を生成し、応答を待機する。応答が受信されると、このイベントは、RFID読取装置143により文書発見信号としてシステム・ホスト・コンピュータに返送される。質問信号への応答が受信されなかった場合、このイベントは、RFID読取装置143により文書非発見信号としてシステム・ホスト・コンピュータに返送される。システム・ホスト・コンピュータは、この時点で、文書質問信号を当該ファイル・キャビネット110の異なる引き出し内の文書に伝送する命令により同じ文書識別子信号を同じファイル・キャビネット110内のRFID読取装置143に再送信する段階に進むことができる。文書発見(found)信号が結果として得られた場合には、システム・ホスト・コンピュータは、文書の新しい引き出しの位置を確認するためにシステム記録を更新する。最初に選択されたキャビネット110の全ての引き出し内の全ての文書の質問から文書発見信号が結果として得られなかった場合には、システム・ホスト・コンピュータは、この時点で、同じ文書識別子信号をシステム内の全てのファイル・キャビネット110に順次的に送信し、他のファイル・キャビネット内のRFID読取装置143からの応答を待機する段階に進むことができる。文書発見応答が受信されなかった場合には、システム・ホスト・コンピュータは、当該文書を不明文書リストに付加することができる。文書発見応答が、システム内のキャビネット110の1つから受信された場合には、システム・ホスト・コンピュータは、文書の新しい位置を確認するために文書のマスターリストを更新することができる。
本システムは、最初に、複数の異なる方法でファイル・フォルダに対して構成することができる。最も基本的な方法は、単一のファイル・フォルダ130をファイル・キャビネット110内の引き出しの中に入れ、キャビネットのRF信号生成装置146にペアの周波数の範囲を掃引させ、そのフォルダ内の水晶が共振する周波数を確認し、これらの周波数をマイクロコンピュータ145のメモリ内のリストに入力し、フォルダを除去し、別のフォルダを挿入し、このプロセスを所望の全てのフォルダについて順次的に繰り返すことである。全てのフォルダが処理されると、適切なファイル・フォルダ識別情報が所与のファイル・キャビネット110のマイクロコンピュータ・ユニット145からシステム・ホスト・コンピュータに伝送される。この方法は、既存のファイル・フォルダがなく、最初に比較的少数のファイル・フォルダを必要とする新しいシステムに有効に機能する。より有用な技術は、第1のファイル・フォルダを引き出しに挿入し、許容されるRF周波数のペアを掃引し、共振周波数を確認し、この周波数を新しいリストに入力し、第1のファイル・フォルダを除去せずに第2のファイル・フォルダを引き出しに挿入し、周波数のペアを掃引し、新しいファイル・フォルダの共振周波数をリストに追加し、第3のファイル・フォルダを引き出しに挿入し、周波数のペアを掃引し、第3のフォルダの共振周波数をリストに追加する等といったものである。各新しいファイル・フォルダが引き出しに挿入されると、マイクロコンピュータ・ユニット145は、既に識別された現行の周波数リストを有し、水晶周波数の各ペアは一意的なものであるので重複することはない。
文書をシステムに登録するために、システム・ホスト・コンピュータに結合されたキーボードにより手動で、又はシステム・ホスト・コンピュータに結合されたタグ読取装置を用いて、所与の文書のRFIDタグ番号をシステムマスターリストに入力する。RFIDタグ番号と併せて、文書内容の記述及び文書が存在すべきファイル・フォルダの識別がオペレータによってシステムマスターリストに入力される。新しい文書が加えられると、このプロセスが新しい文書情報に対して実行され、その結果、あらゆる所与の時点においても、システムマスターリストは、各ファイル・フォルダのファイル・キャビネット及び引き出しの位置と併せて、システム内の全ての文書及びファイル・フォルダの完全な目録を含むようになる。
図15は、個々のファイル・キャビネットと関連のコンピュータとの間に無線通信を用いた本発明の文書管理システムの実施の代替の実施形態を示す。この図から分かるように、各キャビネット110には、システム・ホスト・コンピュータ182と通信するための送受信機181が備えられる。システム・ホスト・コンピュータ182には、適合する内部送受信機が備えられる。図15のシステムの動作は、フォルダ識別信号及び文書識別子信号が図1の実施形態の有線接続ではなく、無線伝送を用いてファイル・キャビネット110に伝送されること以外は、図1のシステムと本質的に同一である。更に、RF信号の許可されていない送受信を防ぐために、図15の無線実施形態には付加的なセキュリティ考慮事項が存在することができる。
図16−図22は、アドレス指定可能なファイル・フォルダの位置特定及びRF文書の位置特定を用いた、本発明を組み込むシステムの第2の実施による複数引き出しファイル・キャビネットを示す。図16は、個々のファイル・キャビネットとシステム・ホスト・コンピュータとの間に直接的電気接続を用いたシステムにおけるファイル・キャビネットの右前面から見た斜視図である。この図から分かるように、公知の機械的構造の複数引き出し付きファイル・キャビネット210(4つの引き出しが図示される)は、通常の上面212、底面213、側面214、215及び背面216を有する。4つの引き出し218−221は、キャビネット210内に滑動可能に取り付けられ、各引き出し218−221は、その前面パネル225上に取り付けられた引き出しの取っ手223を有する。可視インジケータ装置227もまた、各引き出し218−221の前面パネル225上に取り付けられている。インジケータ227は、以下に説明される方法で作動されたときに可視信号を提供できる多くの公知の要素の何れを含んでもよい。好適なインジケータの実施例は、従来のLEDインジケータ、及びRadio Shack Corporation社から入手可能な276−036型点滅LEDインジケータである。
一番下の引き出し218は開かれた位置で示され、基本的な引き出し構造の斜視図、及びファイル・フォルダがファイル引き出し内に取り出し可能に支持される方式を提供する。図示されるように、引き出し218には、以下で詳細に説明される上側支持部材228、229のペアが設けられ、引き出し内にファイル・フォルダ230のような個々のファイル・フォルダを支持する主目的を果たしている。第2に、支持部材228、229はまた、引き出し218自体に構造的剛性を与えることもできる。引き出し218はまた、下側部材232、233のペア(図16にはその一方だけ(部材233)が見える)を有し、これにより水平方向の構造要素が完成する。一般的に用いられるファイル・キャビネット構造において、部材228、229、232及び233は、標準的な引き出しに物理的に取り付けることができる内側フレーム挿入部(垂直方向に配置されたフレーム部材と共に)を形成することができる。引き出し構造を完成させるために、背面234が部材228、229、232、233に結合される。フォルダ230などの全てのファイル・フォルダは、フォルダ230が機械的に固定される水平方向支持ブレース(後述される)を用いて上側支持部材228、229によって取り外し可能に支持される。フォルダ230の機械的構造は従来のものである。引き出し219−221の構造及び構成は、引き出し218のものと同一である。キャビネット210の右下に示される説明付きの引き出し線で示されるように、AC電力接続部は、以下で説明され且つファイル・キャビネット210内に配置される電子部品にAC電力を提供する。同様に、後述の目的のために、有線接続がファイル・キャビネット210と関連するホスト・コンピュータとの間に結合される。
図17に最もよく示されるように、この図に示されるフォルダ230のような各フォルダは、上側支持部材228、229によって取り外し可能な方法で機械的に支持される。各引き出し218−221の上側支持部材228、229は、後述される絶縁要素により残りの引き出しフレーム構造から電気的に絶縁される。また、上側支持部材228、229は各々、ファイル・キャビネット210に位置するローカル・マイクロコンピュータ235の4つの端子に個々の導体により接続される2つの導電性ストリップを備える。これらの4つの端子は、図17において、「データ・バス」、「+5V」、「接地」及び「有効信号」で表記される。マイクロコンピュータ235は、好ましくは、カリフォルニア州Santa Clara所在のIntel Corporation社から入手可能なAT89C2051型の装置であり、ホスト・コンピュータ(図17には示されていない)に結合され、また、上述のAC電源入力から得られるDC電力(+5V)の好適な供給源に結合される。マイクロコンピュータ235は、インジケータ227及び電動式引き出しロック機構237の状態を制御するための、「LED」及び「ロック」で表記された出力端子のペアを有する。「+5V」及び「接地」端子は、引き出し内に位置する各ファイル・フォルダ内に配置された回路にDC電力を提供する。「データ・バス」端子は、アドレス情報をファイル・フォルダ回路に供給する。「有効信号」端子は、所与のフォルダのファイル・フォルダ回路が、当該ファイル・フォルダ回路のアドレスと合致する、マイクロコンピュータ235から受信したアドレスをデコードする毎に有効信号を受信する。
RFID読取装置243は、引き出し218の前部と後部との間の実質的に中間に配置されたRFID読取装置アンテナ244に結合される。RFID読取装置243は、テキサス州Allen所在のDLP Design,Inc社から入手可能なDLP−RFID1型のRFID読取装置、又は豪州Sydney所在のMagellan Technology Pty Ltd社から入手可能なタイプMARS−24のRFID読取装置のような、多数の公知のRFID読取装置の何れかを含むことができる。RFID読取装置243は、好ましくは、多重アンテナ能力を有する単一のユニットであり、その結果、所与のキャビネット210内に単一のRFID読取装置を取り付けることだけが必要となる。RFID読取装置243は、システム・ホスト・コンピュータに結合され、該システム・ホスト・コンピュータから直接受信した信号により制御される。RFID読取装置243は、引き出し218のような、所与のファイル・キャビネットのファイル・フォルダ230内に位置する個々の文書10に質問するよう機能する。
図18及び図19は、各ファイル・フォルダ230に組み込まれた2つの水平方向支持ブレースの主要なものの構造を示す。各フォルダの他方の水平方向ブレースは、従来の非導電性構成のものである。これらの図で分かるように、主支持ブレース240は、従来の回路基板材料、フェノール又は同様のもの等の好適な非導電性材料から形成された細長い本体構造部241を有する。各端部において、細長い本体構造部は、対応する上側支持部材228、229の幅よりも僅かに広い幅のカットアウト・チャネル242、243を有する。各カットアウト・チャネル242、243には、熱スタンプ、接着、又は機械的埋設などによる、あらゆる好適な方法で細長い本体構造部に固定されたばね接点244−247のペアを備える。各ばね接点は、細長い本体構造部241に形成された対応するスロット252−255内に受けられる自由端248−251を有する。ばね接点244−245の近接部分とばね接点246−247の近接部分との間の分離距離は、対応する上部支持部分228、229の幅より僅かに狭く、その結果、主ブレースが上側支持部材228、229上に取り付けられたときに効率的な機械的及び電気的接触が形成されるようになる。
主ブレースの正しい取り付けを容易にするために、主ブレースを1つの向きにしか取り付けることができないようにカットアウト・チャネル242、243の幅と、ばね接点244、245及び246、247間の分離距離とは実質的に異なっている。このことは、主ブレースがファイル引き出し内に取り付けられるときに常に適切な電気的接続が形成されることを確実にするために必要である。
これに対応して、図19に最もよく示されるように、上側支持部材228、229の幅は異なる。この図で分かるように、各上側支持部材228、229は、細長い本体構造部241の製造に用いられたものと同じ材料のような非導電性材料で製造された中心コア256と、外側面に固定され且つ上側支持部材228、229の長さに沿って延びる導電性ストリップ257−260のペアとを有する。各導電性ストリップ257−260は、異なる電気信号のために確保され、ストリップ257はマイクロコンピュータ235のデータ・バス端子に電気的に接続され、ストリップ258はマイクロコンピュータ235の+5V端子に電気的に接続され、ストリップ259はマイクロコンピュータ235の接地端子に接続され、ストリップ260はマイクロコンピュータ235の有効信号端子に電気的に接続される。
図18を参照すると、各ばね接点244−247は、別個の導電性経路262−265に電気的に接続され、その各々はデコーダ集積回路チップ270の異なる端子に電気的に接続される。デコーダ・チップ270は、市販の装置であって、マイクロコンピュータ235からデータ・バス導体262に沿ってマルチビット・アドレス情報を受信し、このアドレス情報をデコーダ・チップ270内に格納された固有のアドレスと比較し、受信したアドレスが格納されたアドレスに合致したときに有効信号を生成し、引き出しが開いているときに見ることができるような位置においてフォルダ230の細長い本体構造部241の上縁に取り付けられたフォルダLED272を作動させる。フォルダLED272のための内部で生成される作動信号は、デコーダによりラッチされ、アドレスの合致が検出されると、フォルダLED272の作動信号は、フォルダを上側支持部材228、229から取り外すことによって又はDC電力を他の方法で除去することによってデコーダ270のラッチがリセットされるまでアクティブなままであるようにする。有効信号は、受信したアドレスが格納されたアドレスと合致する限りアクティブな状態のままであり、引き出しロック機構237及び引き出しインジケータ227を作動させるためにマイクロプロセッサ235により使用される。デコーダ・チップ270は、台湾国台北市所在のPrinceton Technology Corp.社から入手可能なPT2272型のデコーダであることが好ましい。
図20は、単一のデコーダ270と、適合するエンコーダ280とを示す概略図である。エンコーダ280は、好ましくは、台湾国台北市所在のPrinceton Technology Corp.社から入手可能なPT2262型のエンコーダである。エンコーダ280は、アドレス入力信号がホスト・コンピュータ(図20には示されていない)により与えられる複数のアドレス入力端子A0−A10を有する。「OUT」と表記された出力端子は、アドレス入力端子A0−A10に与えられるアドレス情報をシリアル方式で出力する。これらのアドレス出力情報信号は、導体282を介して、デコーダ270のアドレス入力INに伝送される。デコーダ270は、固有のアドレスに有線接続された複数のアドレス入力端子A0−A10を有する。好ましい実施において、デコーダ270は、トライステート装置であり、アドレス入力A0−A1−への有線接続は、接地、Vcc又は浮動の何れかとすることができる。エンコーダ280により生成されるアドレス信号は、デコーダ270のアドレスIN端子にAC結合される。受信時には、エンコーダ280からのアドレス信号は、デコーダ270の内部で有線接続されたデコーダのアドレス信号と比較される。合致が生じた場合、フォルダLED272が作動され、デコーダ270により有効信号が生成される。
図21は、複数のフォルダ回路を単一のファイル引き出し内に物理的に配置することができる方法を示す、本発明の単一の引き出し218及び主システム構成要素の概略平面図である。この図で分かるように、各フォルダ230−1、230−2...230−nは、上述の適切な電気的接続が、上側支持部材228、229のデータ・バス、+5V、接地、及び有効信号導体により確立される方法で引き出し内に支持される。データ・バス、+5V、接地、及び有効信号導体は、図22に示されるシングルボード・コンピュータ285に接続される。
図22は、システムに動作可能に接続された単一のファイル・キャビネット210のシングルボード・コンピュータ285の概略ブロック図である。この図で分かるように、シングルボード・コンピュータ285は、何れも上述されたマイクロコンピュータ235及びエンコーダ280を含み、図示のような入力及び出力を有する。各ファイル・キャビネット210には、シングルボード・コンピュータ285が設けられる。任意選択的に、各シングルボード・コンピュータ285には、識別及び保守目的でシステムにおける固有の識別アドレスを提供することが可能である。
図22に示される要素を含む各シングルボード・コンピュータ285は、ホスト・コンピュータから受信され且つシングルボード・コンピュータ285内に配置されたアドレス・エンコーダ280によりエンコードされたファイル・フォルダ・アドレス信号を、関連のファイル・キャビネット210i内の各フォルダ230−1、230−2、...230−nの主支持ブレース240内に組み込まれたデコーダ回路270の全てに与える。ファイルアドレス信号が、所与のファイル・キャビネット210iの所与の引き出し内の所与のフォルダ230−1、230−2、...230−nに配置されたデコーダ回路270にエンコードされるアドレスと合致するたびに、有効信号が目標とするフォルダのデコーダ回路270により生成され、関連のファイル・キャビネット210i内のシングルボード・コンピュータ285に結合される。有効信号の受信に応答して、対応するシングルボード・コンピュータ285は、適切な引き出しの引き出しロック237についての作動信号を生成し、ファイル・キャビネット内の適切な引き出しの引き出しLED227を作動させる。更に、シングルボード・コンピュータ285は、ホスト・コンピュータに戻されて、ファイル・フォルダが見つかったことを示し且つ正しいアドレスを有するファイル・フォルダが配置された引き出し及びファイル・キャビネットを識別する信号を生成する。説明付きの入力「引き出し219から」、「引き出し220から」及び「引き出し221から」で表されるように、シングルボード・コンピュータ285は、ホスト・コンピュータ75に戻されて、オブジェクト・フォルダが見つかったことを示し且つ正しいアドレスを有するファイル・フォルダが配置された引き出し及びファイル・キャビネットを識別する信号を生成することによって、これらの他の引き出しの各々からの有効信号に応答する。この情報を受信すると、ホスト・コンピュータは、シングルボード・コンピュータ285から受信した引き出し及びファイル・キャビネットの情報をメモリ内に格納された同じ情報と比較し、必要に応じて情報を変更し、更に最初にシングルボード・コンピュータ285に伝送されたオブジェクト・プロセス信号を終了させることによって内部に格納された情報を更新する。
システムにおいてファイル・フォルダを見つけるために、オペレータは、ファイル・フォルダ・アドレス、並びに各アドレス指定可能フォルダが意図して配置されている引き出し番号及びファイル・キャビネットIDの完全なリストを含む基本ファイル情報をホストシステム・コンピュータに入力する。ホスト・コンピュータは、ファイル・フォルダ要求をファイル・キャビネット210iの全てにおけるシングルボード・コンピュータ285に伝送し、システム内のファイル・キャビネット210iの全てにおけるシングルボード・コンピュータ285は、それぞれのファイル・キャビネット210iのデータ・バス上に指定されたフォルダ・アドレスを配置する。見つけようとするファイル・フォルダが実際に所与の引き出し内に位置する場合、関連のファイル・キャビネット210i内のシングルボード・コンピュータ285は、そのアドレスがホスト・コンピュータにより要求されるアドレスと合致するデコーダ回路270から有効信号を受信し、適切な引き出しロック237及び引き出し前面LED227についての上述の制御信号を生成して、上述したファイル・キャビネット及び引き出し情報をホスト・コンピュータに返送する。オペレータが、点灯した引き出し前面LED227を有する引き出しを開けると、正しいファイル・フォルダが、点灯したファイル・フォルダLED272iにより表示される。ファイル・キャビネット情報又は引き出し位置情報(又は、その両方)がホスト・コンピュータのメモリ内に格納された同じ情報と合致しない場合、この情報は、ホスト・コンピュータにより更新される。そのアドレスが要求されたアドレスと合致するファイル・キャビネット210iの集合内に動作可能に組み込まれたファイル・フォルダ230iが存在しない場合、ホスト・コンピュータは、ファイル・フォルダのアドレス照会に対する応答がないことを確認し、そのように記録する。
ファイル・フォルダが、ファイル・フォルダ位置特定システム要素により見つけられると、ローカル・マイクロコンピュータ145は、このイベントをシステム・ホスト・コンピュータに伝送する。これに応答して、システム・ホスト・コンピュータは、文書識別子信号を生成し、見つかったファイル・フォルダ230を収容するファイル・キャビネット210内に位置するRFID読取装置243にこれらの信号を伝送する。RFID読取装置243は、RF文書タグ質問信号を生成し、この信号は、RFID読取装置アンテナ244によって、見つかったファイル・フォルダ230を収容する引き出し内の全ての文書に伝送される。文書識別子信号に対応する文書が、引き出し内に収容されるファイル・フォルダの何れかの中に存在する場合には、実装されるRFIDプロトコルに従って、当該文書に関連付けられたRFIDタグが、RFID読取装置243からの質問信号に応答する。例えば、タグは、タグ識別情報を含む信号を伝送し、その後に当該文書の内容を伝送することにより応答することができる。RFID読取装置243がRFID読取装置アンテナ244を介してこの情報を受信すると、RFID読取装置243は、更なる使用のためにこの情報をシステム・ホスト・コンピュータに中継する。所定の期間内にRFID読取装置143により応答が受信されなかった場合には、RFID読取装置243は、確立されたシステム・プロトコルに応じて、RFID読取装置アンテナ244への伝送を繰り返し、又は文書非発見信号をシステム・ホスト・コンピュータに返送することができる。
ファイル・フォルダ230iの集合全体の完全性は、ホスト・コンピュータを掃引アドレス・モードで動作させることにより迅速にチェックすることができる。アドレスが可能なアドレスの範囲全体にわたって掃引されると、ファイル・キャビネット210iの集合内に動作可能に存在している全てのファイル・フォルダ回路が有効信号に応答し、このことは、対応するシングルボード・コンピュータ285によって検出されて、ホスト・コンピュータに返送されることになる。何れかの不明な又は機能していないファイル・フォルダ230iのアドレスは有効信号の生成をもたらすことはなく、この応答の欠如は、ホスト・コンピュータにより検出される。応答のないファイル・フォルダ回路のアドレスを確認することによって、ホスト・コンピュータにより、この所与の特定のアドレスの使用可能なファイル・フォルダ230iの欠如をホスト・コンピュータにおけるファイル・フォルダの識別と相関させることができる。
同様に、システムにおける文書の集合全体の完全性は、システムに登録されている全ての文書の文書識別子信号を順次的に生成するようにシステム・ホスト・コンピュータを動作させることによってチェックすることができる。ホスト・コンピュータは、最初に、各文書識別子信号を、文書識別子信号に対応する文書が存在すると推定される(システムのマスターリストに従って)ファイル・キャビネット210内のRFID読取装置243に送信する。次に、当該ファイル・キャビネット210内のRFID読取装置243は、質問信号を生成し、応答を待機する。応答が受信されると、このイベントは、RFID読取装置243によって文書発見信号としてシステム・ホスト・コンピュータに返送される。質問信号への応答が受信されなかった場合、このイベントは、RFID読取装置243によって文書非発見信号としてシステム・ホスト・コンピュータに返送される。システム・ホスト・コンピュータは、この時点で、文書質問信号を当該ファイル・キャビネット210の異なる引き出し内の文書に伝送する命令により同じ文書識別子信号を同じファイル・キャビネット210内のRFID読取装置243に再送信する段階に進むことができる。文書発見信号が結果として得られた場合には、システム・ホスト・コンピュータは、文書の新しい引き出しの位置を確認するためにシステム記録を更新する。最初に選択されたキャビネット210の全ての引き出し内の全ての文書の質問から文書発見信号が結果として得られなかった場合には、システム・ホスト・コンピュータは、この時点で、同じ文書識別子信号をシステム内の全てのファイル・キャビネット210に順次的に送信し、他のファイル・キャビネット内のRFID読取装置243からの応答を待機する段階に進むことができる。文書発見応答が受信されなかった場合には、システム・ホスト・コンピュータは、当該文書を不明文書のリストに付加することができる。文書発見応答が、システム内のキャビネット210の1つから受信された場合には、システム・ホスト・コンピュータは、文書の新しい位置を確認するために文書のマスターリストを更新することができる。
システムは、最初に、RFファイル・フォルダ並びにRF文書の位置特定及び取り出しシステムに関連して上記で検討したのと同様に構成することができる。
図23は、個々のファイル・キャビネット210iとホスト・コンピュータ290との間に無線通信を用いた、本発明のファイル管理システムの実施の代替の実施形態を示す。この図で分かるように、各キャビネット210iには、同様に装備されたホスト・コンピュータ290との通信のためのWIFI送受信機291iを備えている。WIFI送受信機291iは、カリフォルニア州Irvine所在のLantronix Inc.社から入手可能なWibox無線装置サーバユニットのような、放射線試験を受けて合格済みの市販のユニットであることが好ましい。ホスト・コンピュータ290には、適合する内部WIFI送受信機が備えられる。図23のシステムの動作は、図16−図22の実施形態の有線接続ではなく、無線伝送を用いてフォルダ識別信号がファイル・キャビネット210iに伝送され、無線伝送を用いてファイル・キャビネット及び引き出し情報信号がホスト・コンピュータ290に伝送される点を除けば、図16−図22のシステムの動作と本質的に同じである。更に、WIFI信号の許可されていない伝送及び受信、並びに傍受を阻止するために、図23の無線の実施形態に対する付加的なセキュリティ上の考慮事項が存在する場合がある。
RFIDシステムにおけるタグの衝突は、複数のタグがRFID読取装置により同時に励起されて、これらそれぞれの信号が同時に読取装置に戻るときに起こり得る。この問題は、多数のタグを同じRF場において全体として読み取る必要があるときに起こることが多い。本発明を組み込んだシステムにおいてタグ衝突の可能性を最小限にするために、幾つかの予防的措置をとるべきである。RFID読み取り装置アンテナ144、244は、比較的低いQファクターを有し、読取装置は、10ワットのような高い電力モードで動作すべきである。図5に関して上述されたように、文書上のタグ位置は、互い違いに又はランダムに配置するべきである。上述したPJM非調整スタックタグ(Infineon SRF 66V10ST)のようなスタックタグシステムを文書と共に用いるべきである。
RFファイル・フォルダ検索技術を用いて図7−図15のシステムを実施する際には、水晶に対して用いられるRF周波数範囲、及びRFID読取装置に対するRF搬送周波数の選択を考慮すべきである。現在用いられている最も標準的なRFID読取装置は、13.56MHzの周波数で動作する。上述のような水晶についての好ましい周波数範囲は、約2.0MHzから20.0MHzである。2つのRFシステムの間にどのような干渉も生じないようにするため、13.56MHz付近の水晶周波数の値は回避すべきである。1つの解決法は、水晶の範囲を最大10.0MHzまでに制限することである。当業者であれば、他の解決法も想起されるであろう。
上述の文書の遠隔的な位置特定及び取り出し技術は、公知の文書管理システムに優る幾つかの利点をもたらす。第1に、この技術は、位置特定されると文書を遠隔的に読み取って印刷することができるので(必要に応じて)、人間のオペレータが正しいファイル・キャビネット及び引き出しを物理的に見つけて、文書を物理的に取り出し、目的地まで運ぶ必要性がなくなる。更に、実際の文書を物理的にユーザの場所まで運ばなくてはならない場合、連続したファイル・フォルダ検索及び文書検索技術を用いて、(システム内のどこかに依然として存在する場合は)文書を迅速に見つけることができる。また、文書管理システムの完全性を徹底的に遠隔試験し、誤ってファイルされた文書を見つけること、及びシステムから不明の文書を識別することができる。
上記により本発明の好ましい実施形態の十分且つ完全な開示が提供されたが、当業者であれば、種々の修正、代替構成、及び均等物が想起されるであろう。例えば、本発明は、特定のRF周波数に関して説明してきたが、システム設計者の選好に応じて他の周波数を利用することもできる。その上、インジケータは可視インジケータとして説明されたが、必要に応じて可聴インジケータのような他のタイプのインジケータを用いることもできる。加えて、本発明は、主として単一のファイル・キャビネットに関連して説明されたが、本発明は、オフィス内の同じ位置又は異なる位置に配置された図23に示すような複数のファイル・キャビネットを用いて実施できることは理解される。更に、本発明は、必要に応じて、内部又は外部コンピュータネットワークを用いて、異なる物理的位置に配置された多数のキャビネットの文書管理システムを管理するのに用いることができる。従って、上記のことは、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、添付の特許請求の範囲により定められる。