JP2013068832A - 光送信器及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光信号の歪の発生を低減しつつ、機器の小型化及び低コスト化を実現すること。
【解決手段】この光送信器1は、発光素子3からの出力光を、データ変調信号を基にBPSK変調させるMZ型光変調器5と、MZ型光変調器5に対してデータ変調信号を印加する増幅器7と、MZ型光変調器5に印加されるデータ変調信号に直流バイアス電圧を重畳するオートバイアスコントロール回路11と、増幅器7によって印加される変調信号のクロスポイント変動を検出し、クロスポイント変動を基に直流バイアス電圧を制御するクロスポイント変動検出回路13とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光送信器及びその制御方法に関するものである。
従来から、光通信システムにおける信号光の変調方式の一つとして2値位相偏移変調(BPSK:Binary Phase-shift Keying)が知られており、大容量の長距離通信システムへの適用が検討されている。この変調方式を実現するには、マッハツェンダ(MZ)型光変調器等の外部変調器が使用される。具体的には、下記特許文献1に記載されるように、バイアス電圧をMZ型光変調器の半波長電圧VΠに等しくなるように設定し、このバイアス電圧に2×VΠの振幅を有するデータ変調信号を重畳させてMZ型光変調器に与える。
ところで、特許文献1に記載の光送信器では、MZ型光変調器に対する駆動信号のクロスポイントレベルを最適化するために、信号光のモニタ光のスペクトル成分が最小値に近づくように駆動信号のクロスポイントレベルをフィードバック制御している。
特開2010−243767号公報
しかしながら、上述した従来の光送信器では、モニタ光のスペクトル成分を抽出するための光分岐器や光フィルタ等の余分な光部品が必要となる。従って、より簡易な部品構成で機器の小型化及び低コスト化を実現することが望まれる。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、光信号の歪の発生を低減しつつ、機器の小型化及び低コスト化を実現する光送信器の制御方法及び光送信器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の光送信器は、光源からの出力光を、変調信号を基にBPSK変調させるBPSK変調器と、BPSK変調器に対して変調信号を印加する変調信号供給部と、BPSK変調器に印加される変調信号に直流バイアス電圧を重畳するバイアス制御回路と、変調信号供給部によって印加される変調信号のクロスポイント変動を検出し、クロスポイント変動を基に直流バイアス電圧を制御するクロスポイント変動検出部とを備える。
或いは、本発明の光送信器の制御方法は、光源からの出力光を変調信号を基にBPSK変調させるBPSK変調器を含む光送信器において、BPSK変調器に印加するバイアス電圧を制御する光送信器の制御方法であって、BPSK変調器に対して変調信号を印加し、BPSK変調器に印加される変調信号に直流バイアス電圧を重畳し、印加される変調信号のクロスポイント変動を検出し、クロスポイント変動を基に直流バイアス電圧を制御する。
このような光送信器、或いは光送信器の制御方法によれば、光源からの出力光が、直流バイアス電流が重畳された変調信号によってBPSK変調されることにより、光信号として出力される。このとき、重畳される直流バイアス電圧が変調信号のクロスポイント変動に基づいて制御されるので、光信号の歪が低減される。また、変調信号をモニタして直流バイアス電圧を制御する構成を採用することにより、余分な光部品が不要になり、機器の小型化及び低コスト化が可能になる。
ここで、クロスポイント変動検出部は、ローパスフィルターを有し、変調信号をローパスフィルターを介してモニタすることによりクロスポイント変動を検出することが好適である。かかる構成を採れば、簡易な構成でクロスポイントの変動を検出できる。
また、クロスポイント変動検出部は、クロスポイント変動に対する直流バイアス電圧の最適値を予め記憶するデータ記憶部を有し、データ記憶部を参照することによって、クロスポイント変動に対するバイアス電圧の最適値を決定することも好適である。この場合、クロスポイント変動に対して出力歪を低減するバイアス電圧を適切に制御することができる。
本発明の光送信器及びその制御方法によれば、光信号の歪の発生を低減しつつ、機器の小型化及び低コスト化を実現することができる。
本発明の好適な一実施形態に係る光送信器の概略構成を示す回路図である。 (a)は、図1のMZ型光変調器のデータ変調信号に対する光出力特性を示すグラフ、(b)は、図1のMZ型光変調器によりBPSK変調された光変調信号(二乗検波波形)を示す図である。 図1のMZ型光変調器に印加されるデータ変調信号、及びそれに対応して出力される光変調信号の二乗検波波形のアイパターンを示す図である。 (a)は、MZ型光変調器の光出力特性とデータ変調信号との関係を示す図、(b)は、(a)に対応して出力される光変調信号の二乗検波波形のアイパターンを示す図である。 図1のMZ型光変調器から出力される光変調信号の二乗検波波形のアイパターンを示す図である。 図1の光送信器におけるクロスポイント変動に対するバイアス電圧偏移と伝送損失との関係を示すグラフである。 図1の光送信器においてクロスポイント変動に対して光変調信号の歪を最小にするバイアス電圧偏移値を示すグラフである。 データ変調信号のクロスポイントレベルと平均電圧との関係を示す図である
以下、添付図面を参照しながら本発明による光送信器およびその制御方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る光送信器の概略構成を示す回路図である。この光送信器1は、外部からのデータ変調信号によって変調された光変調信号を生成するための装置である。この光送信器1は、光源であるレーザダイオード等の発光素子3と、発光素子3からの光を受けて、データ変調信号を基にその光をBPSK変調方式で変調して出力するBPSK変調器であるMZ型光変調器5と、MZ型光変調器5にデータ変調信号を印加する増幅器(変調信号供給部)7と、MZ型光変調器5から出力される光変調信号の光強度を検出するフォトダイオード(PD)等の光検出素子9と、光検出素子9から受けた検出信号に応じて直流バイアス電圧を調整して、その直流バイアス電圧をデータ変調信号に重畳させるオートバイアスコントロール回路(バイアス制御回路)11と、データ変調信号のモニタ結果に応じて直流バイアス電圧を制御するクロスポイント変動検出回路(クロスポイント変動検出部)13とを有している。
MZ型光変調器5は、発光素子3からの入力光を2つの導波路17,19で分岐させた後に再び合流させて光変調信号を生成する。それぞれの導波路17,19には、電極21,23が設けられ、電極21には増幅器7を介して外部から“0”、“1”の二値のデータビットを示すデータ変調信号が印加され、電極23にはオートバイアスコントロール回路11から直流バイアス電圧が印加される。これによって、データ変調信号に直流電圧がバイアスされる。
図2(a)には、MZ型光変調器5のデータ変調信号に対する光出力特性を示している。同特性は、電極21,23間の電位差を半波長電圧VΠで正規化した値と、出力光との関係を示しており、実線は出力光パワーの特性S1、点線は出力光電界の特性S2を表している。特性S1,S2に示すように、MZ型光変調器5の出力光は電位差の変化に対して周期的に増減する特性を示す。ここで、特性S2が極大となる出力光電界の位相(光位相)“0”に対応する電位差と、特性S2が極小となる出力光電界の位相(光位相)“π”に対応する電位差との間で、データ変調信号を変化させれば、BPSK変調された光変調信号を得ることができる。詳細には、データ変調信号の直流バイアスを半波長電圧VΠに設定し、データ変調信号の振幅を2×VΠに設定することで、BPSK変調が実現できる。図2(b)は、このようにしてBPSK変調された光変調信号(二乗検波波形)を示している。
オートバイアスコントロール回路11は、光検出素子9から受けた検出信号に基づいて、直流バイアス電圧を適正値に保って電極23に印加する。このときのバイアス電圧の制御方法は公知の方法(特開平8−248366号公報等に記載の方法)を採用できる。また、オートバイアスコントロール回路11は、クロスポイント変動検出回路13から出力される目標値に応じて、その目標値に応じた直流バイアス電圧を電極23に印加する機能も有する。
クロスポイント変動検出回路13は、データ変調信号におけるクロスポイントの変動を検出することによって、光変調信号の歪を予測する回路である。すなわち、クロスポイント変動検出回路13は、積分器であるローパスフィルター25を含んでおり、ローパスフィルター25を介して、増幅器7が印加するデータ変調信号を受信する。特殊な例を除いては、光通信でのマーク率は50%であるので、ローパスフィルター25を介してモニタしたデータ変調信号のレベルはクロスポイントレベルを示す。このときのクロスポイントの検出には、クロスポイントがずれた場合にNRZ信号の平均電圧にオフセットが発生することが利用される(図8)。
さらに、クロスポイント変動検出回路13は、モニタしたクロスポイントレベルの変動に対して、データ変調信号に重畳される直流バイアス電圧の目標値(最適値)を決定し、その目標値で直流バイアス電圧を印加するようにオートバイアスコントロール回路11を制御する。詳細には、クロスポイント変動検出回路13は、モニタされるクロスポイントレベルに対する直流バイアス電圧の目標値を、内蔵するデータ記憶部内にLUT(Look Up Table)として予め記憶しており、このLUTを参照することにより、クロスポイント変動に対する目標値を決定する。なお、クロスポイント変動検出回路13は、LUTを利用して直流バイアス電圧を制御しているが、この制御をアナログ回路を利用した帰還制御によって実行してもよい。
ここで、クロスポイント変動検出回路13内のLUTの設定値について説明する。なお、以下の説明では、クロスポイントの位置を、極小値とクロスポイントとの差のデータ変調信号の振幅に対する割合で評価するものとする。
図3(a)には、MZ型光変調器5に印加されるデータ変調信号のアイパターンの一例を示しており、図3(b)には、このデータ変調信号に対してMZ型光変調器5から出力される光変調信号の二乗検波波形のアイパターンを示している。このようにデータ変調信号のクロスポイントずれが無い場合には、光変調信号の歪も少ない。ここで、図3はクロスポイントが50%の状態を示している。一方、図3(c)には、クロスポイントがずれたデータ変調信号のアイパターン、すなわちクロスポイントが70%の場合の波形を示し、図3(d)には、このデータ変調信号に対する光変調信号の二乗検波波形のアイパターンを示している。データ変調信号にクロスポイント変動(偏り)が発生すると、二乗検波波形の立ち上がりおよび立下りの間隔が揺らぐ歪(ジッタ)として観測されてしまう。この場合、光信号を受信した際にBPSK信号の位相判定を誤る確率が増加してしまう。
また、図4(a)に示すように、MZ型光変調器5に印加されるデータ変調信号の直流バイアスが、半波長電圧VΠからずれて設定された場合には、そのときに出力される光変調信号の二乗検波波形は、図4(b)にようになる。このように、直流バイアスが変動した状態でも二乗検波波形の歪が観測される。さらに、図5には、データ変調信号にクロスポイント変動と直流バイアスのずれの両方が存在する場合の、光変調信号の二乗検波波形を示している。この場合には、二つの要因が重なって波形歪が発生する。
実際のBPSK変調器に使用されるドライバ回路においては、製造時のばらつきもあり、データ変調信号のクロスポイントが理想値からずれているのが一般的である。厳密にクロスポイント50%で特性を規定(良否判定)した場合、製造時、動作時の条件が厳しくなるため歩留まりが低下する。個々のドライバを含む装置毎のクロスポイントの変動をある程度許容できるように信号品質の低下を改善する機能を光送信器に与えることが望まれる。
そこで、本実施形態の光送信器1では、データ変調信号のクロスポイント変動と直流バイアス電圧偏移との間に次のような特性があることを利用する。図6には、クロスポイントXPが30%、50%、70%の場合のバイアス電圧偏移(VΠ比)と伝送損失(ペナルティ:dB)との関係を示している。この半波長電圧VΠは、図2(a)において2系統の導波路を伝搬する光に対して位相差πを与える電圧に相当する。このように、クロスポイントが30%、70%でクロスポイントずれが存在する場合には、バイアス電圧偏移を敢えて発生させることにより、伝送損失を極小にすることができることが見て取れる。また、図7には、クロスポイントずれを様々変更した場合に光変調信号の歪を最小にするバイアス電圧偏移値を示している。この特性に対応させてデータ変調信号のクロスポイント変動に対して敢えてバイアス電圧偏移を生じさせることにより、光信号における歪を改善することが可能である。詳細には、クロスポイントが50%から増大した場合には直流バイアス電圧を電圧VΠから減少させ、クロスポイントが50%から減少した場合には、直流バイアス電圧を電圧VΠから増大させれば歪が減少することが理解できる。
このことを利用して、クロスポイント変動検出回路13内のLUTには、図7の特性に対応するように、クロスポイントレベルに対するバイアス電圧目標値が予め記憶される。そして、クロスポイント変動検出回路13は、検出したクロスポイントレベルに対応するバイアス電圧目標値をLUTから参照し、この目標値で直流バイアス電圧を印加するように制御することにより、光信号の歪を補償する。
以上説明した光送信器1における出力光の制御時の動作について説明する。まず、データ変調信号が増幅器7を介してMZ型光変調器5に印加されると同時に、オートバイアスコントロール回路11によって、光検出素子9から受けた検出信号に基づいて適正値に保たれた直流バイアス電圧がデータ変調信号に重畳される。それとともに、クロスポイント変動検出回路13により、データ変調信号のクロスポイント変動が検出され、そのクロスポイント変動に対する直流バイアス電圧の目標値が決定され、この目標値を基にデータ変調信号に重畳する直流バイアス電圧が制御される。
上述したような光送信器1およびその制御方法によれば、発光素子3からの出力光が、直流バイアス電流が重畳されたデータ変調信号によってBPSK変調されることにより、光信号として出力される。このとき、重畳される直流バイアス電圧がデータ変調信号のクロスポイント変動に基づいて制御されるので、光信号の歪が低減される。従来のBPSK変調器の制御方法は、変調器の光出力をモニタし、光フィルタを用いて特定の周波数を抽出して特定周波数成分が最小になるように変調器のドライバの動作条件を変更制御するものであった。このような従来技術では、光出力の品質は向上するものの、キャリア光(発光素子からのDC光)の光周波数から信号周波数(駆動信号周波数)の整数倍離れた光周波数のみを抽出する超狭帯域光フィルタが必要となる。これに対して、本実施形態では、データ変調信号をモニタして直流バイアス電圧を制御する構成を採用することにより、超狭帯域光フィルタ等の余分な光部品が不要になり、機器の小型化及び低コスト化が可能になる。
また、クロスポイント変動検出回路13は、ローパスフィルター25を介してデータ変調信号をモニタすることにより、簡易な構成でクロスポイントの変動を検出できる。さらに、クロスポイント変動検出回路13は、LUTを参照することによってクロスポイント変動に対するバイアス電圧の最適値を決定するので、クロスポイント変動に対して出力歪を低減するバイアス電圧を適切に制御することができる。
1…光送信器、3…発光素子(光源)、5…MZ型光変調器(BPSK変調器)、7…増幅器(変調信号供給部)、11…オートバイアスコントロール回路(バイアス制御回路)、13…クロスポイント変動検出回路(クロスポイント変動検出部)、25…ローパスフィルター。

Claims (4)

  1. 光源からの出力光を、変調信号を基にBPSK変調させるBPSK変調器と、
    前記BPSK変調器に対して前記変調信号を印加する変調信号供給部と、
    前記BPSK変調器に印加される前記変調信号に直流バイアス電圧を重畳するバイアス制御回路と、
    前記変調信号供給部によって印加される前記変調信号のクロスポイント変動を検出し、前記クロスポイント変動を基に前記直流バイアス電圧を制御するクロスポイント変動検出部と
    を備えることを特徴とする光送信器。
  2. 前記クロスポイント変動検出部は、ローパスフィルターを有し、前記変調信号を前記ローパスフィルターを介してモニタすることにより前記クロスポイント変動を検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の光検出器。
  3. 前記クロスポイント変動検出部は、前記クロスポイント変動に対する前記直流バイアス電圧の最適値を予め記憶するデータ記憶部を有し、前記データ記憶部を参照することによって、前記クロスポイント変動に対する前記バイアス電圧の最適値を決定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の光検出器。
  4. 光源からの出力光を変調信号を基にBPSK変調させるBPSK変調器を含む光送信器において、前記BPSK変調器に印加するバイアス電圧を制御する光送信器の制御方法であって、
    前記BPSK変調器に対して前記変調信号を印加し、
    前記BPSK変調器に印加される前記変調信号に直流バイアス電圧を重畳し、
    印加される前記変調信号のクロスポイント変動を検出し、前記クロスポイント変動を基に前記直流バイアス電圧を制御する、
    ことを特徴とする光送信器の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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