JP2013068113A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加燃料の着火性および燃焼性を向上する。
【課題手段】内燃機関は、排気処理装置の上流側に設けられ燃料添加弁と加熱手段を含むバーナー装置と、バーナー装置付近の基準位置における排気流速の変動波形を変更するための変更手段と、バーナー装置および変更手段を制御する制御手段とを備える。制御手段は、基準位置における排気流速の変動に同期して燃料添加が実行されるよう燃料添加弁から間欠的に燃料を添加させ、且つ、燃料の添加タイミングt0が、基準位置における排気流速の絶対値が所定値未満である添加可能期間Aから外れているとき、添加タイミングt0を添加可能期間A内に含めるよう、変更手段を制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は内燃機関に係り、特に、排気通路における排気処理装置の上流側にバーナー装置を設けた内燃機関に関する。
内燃機関の排気通路において、排気処理装置(触媒等)の上流側にバーナー装置を設け、バーナー装置で生成された加熱ガスを利用して排気温度を昇温し、排気処理装置を加熱し、排気処理装置の暖機を促進する場合がある。バーナー装置は、典型的に、排気通路内に添加された燃料を着火して燃焼させることにより、火炎を含む加熱ガスを生成するものである。排気通路内に小型酸化触媒を設け、この小型酸化触媒で添加燃料を改質または燃焼させる場合もある。
特開2005−256727号公報
ところで、添加燃料を着火および燃焼させるには、添加燃料と排気ガスからなる混合気の状態が着火および燃焼に適した状態となっている必要がある。しかしながら排気通路内には、主に排気脈動に起因した排気流速の変動があり、且つこの変動を従来考慮していなかったため、着火性および燃焼性の点で改良の余地が残されていた。
そこで本発明の一の目的は、上記課題を解決し、添加燃料の着火性および燃焼性を向上させることができる内燃機関を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
排気通路に設けられた排気処理装置と、
前記排気処理装置の上流側に設けられ、少なくとも、前記排気通路内に燃料を添加する燃料添加弁と、前記燃料添加弁から添加された燃料を加熱する加熱手段とを含むバーナー装置と、
前記バーナー装置またはその付近の基準位置における排気流速の変動波形を変更するための変更手段と、
前記バーナー装置および前記変更手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記基準位置における排気流速の変動に同期して燃料添加が実行されるよう、前記燃料添加弁から間欠的に燃料を添加させ、且つ、
前記燃料の添加タイミングが、前記基準位置における排気流速の絶対値が所定値未満である添加可能期間から外れているとき、前記添加タイミングを前記添加可能期間内に含めるよう、前記変更手段を制御する
ことを特徴とする内燃機関が提供される。
好ましくは、前記制御手段は、前記添加可能期間から外れている前記添加タイミングと、前記添加可能期間の直近の開始時期または終了時期との差分に基づいて、前記変更手段を制御する。
好ましくは、前記制御手段は、前記差分の絶対値が大きいほど前記基準位置における排気流速の絶対値がより小さくなるように、前記変更手段を制御する。
好ましくは、前記制御手段は、前記内燃機関のフューエルカット時に前記変更手段による変更を実行させる。
好ましくは、前記変更手段は、排気弁のリフト量とバルブタイミングのうちの少なくとも一方を変更する手段を含む。
好ましくは、前記変更手段は、前記排気通路に設けられたターボチャージャの可変ベーンの開度を変更する手段を含む。
好ましくは、前記変更手段は、前記排気通路に設けられた排気シャッターの開度を変更する手段を含む。
本発明によれば、添加燃料の着火性および燃焼性を向上させることができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態に係る内燃機関の概略図である。 排気弁のバルブタイミングを示す図である。 クランク角とこれに対応する各気筒の各行程を示す図である。 複数の添加時期に対する最大排気ガス温度を示す図である。 排気流速変動に同期した燃料添加の様子を示す図である。 各気筒の排気弁の開弁状態と平均的な排気流速とを概略的に示す図である。 基準位置の排気流速と燃料添加タイミングの関係を示すタイムチャートである。 排気弁のリフト量増量前後の排気流速変動波形を示すタイムチャートである。 リフト増加量算出マップを示す。 排気弁のリフト量減量前後の排気流速変動波形を示すタイムチャートである。 排気弁のバルブタイミング進角前後の排気流速変動波形を示すタイムチャートである。 進角量算出マップを示す。 排気弁のバルブタイミング遅角前後の排気流速変動波形を示すタイムチャートである。 可変ベーン開度増加量算出マップを示す。 燃料添加制御ルーチンのフローチャートである。
本発明の好適な実施形態について、以下に詳細に説明する。ただし、本発明の実施態様は下記の各態様のみに限らず、本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例を含むことに注意しなければならない。実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下の説明において、上流側を「前」、下流側を「後」ともいう。
図1は本実施形態における内燃機関(エンジン)の概略構成を示す。エンジンは車載の4サイクル・ディーゼルエンジンである。エンジン本体1には、吸気通路をなす吸気管2と排気通路をなす排気管3とが接続されている。吸気管2の途中には、吸気管2内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ4が設けられている。このエアフローメータ4により、エンジン本体1に単位時間当たりに流入する吸入空気量(すなわち吸気流量)が検出される。
エンジン本体1は複数(本実施形態では4つ)の気筒を有し、各気筒には筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁すなわち筒内噴射弁5が設けられている。なお図1には単一の筒内噴射弁5のみを示す。また各気筒には吸気弁および排気弁が設けられている。
エンジン本体1には、排気弁のリフト量を変更するための可変リフト機構40が設けられている。可変リフト機構40は全気筒の排気弁リフト量を同時に無段階で変更可能である。なおリフト量と作用角(開弁期間)は、一方が増大すると他方が減少する関係となっている。
またエンジン本体1には、排気弁のバルブタイミングを変更するための可変タイミング機構41が設けられている。可変タイミング機構41は、全気筒の排気弁の作用角を一定に保ったまま、全気筒の排気弁の開閉タイミングを同時に無段階で変更可能である。
排気管3の途中にはターボチャージャ21が設けられている。ターボチャージャ21は、排気ガスによって駆動されるタービン21Tと、タービン21Tによって駆動されて吸気を過給するコンプレッサ21Cとを有する。タービン21Tには、その入口流量を可変にするための複数の可変ベーン(不図示)と、これら可変ベーンを同時に開閉するためのベーンアクチュエータ21Aとが設けられている。コンプレッサ5Cの下流側にはスロットルバルブ22が設けられている。
エンジン1にはEGR装置30が設けられる。EGR装置30は、排気管3内の排気ガスを吸気管2に環流させるEGR(外部EGR)を実行するためのものである。EGR装置30は、排気管3と吸気管2を結ぶEGR通路31と、EGR通路31に上流側から順に設けられたEGRクーラ33およびEGR弁32とを備える。EGRクーラ33は、排気管3から取り出した排気ガスすなわちEGRガスを冷却する。EGR弁32は、開閉作動してEGR通路31を流れるEGRガスの流量を調節する。
図示しない排気管3の出口部は消音器を介して大気に開放されている。また図示するように排気管3の途中には、酸化触媒6及びNOx触媒7が上流側からこの順番で直列に配置されている。
酸化触媒6は、HC,COなどの未燃成分をO2と反応させてCO,CO2,H2O等とする。触媒物質としては例えばPt/CeO2、Mn/CeO2、Fe/CeO2、Ni/CeO2、Cu/CeO2等を用いることができる。
NOx触媒7は、好ましくは、吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)からなる。NOx触媒7は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元成分(例えば、燃料等)が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有する。NOx触媒7は、アルミナAl23等の酸化物からなる基材表面に、触媒成分としての白金Ptのような貴金属と、NOx吸収成分とが担持されて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つから成る。なお、NOx触媒7は選択還元型NOx触媒(SCR: Selective Catalytic Reduction)であってもよい。
これら酸化触媒6およびNOx触媒7に加えて、排気中の煤等の微粒子(PM、パティキュレート)を捕集するパティキュレートフィルタ(DPF)が設けられてもよい。好ましくはDPFは、貴金属からなる触媒が担持され、捕集した微粒子を連続的に酸化燃焼する連続再生式のものである。好ましくはDPFは、少なくとも酸化触媒6の下流側であって、且つNOx触媒7の上流側若しくは下流側に配置される。なおエンジンは火花点火式内燃機関であってもよく、この場合、排気通路に三元触媒が設けられるのが好ましい。これら酸化触媒6、NOx触媒7、DPFおよび三元触媒が、本発明の排気処理装置に該当する。
NOx触媒7の下流側には、主に排気ブレーキ用の排気シャッター42が設けられている。
排気管3において、タービン21Tの下流側且つ酸化触媒6の上流側にはバーナー装置8が設置されている。バーナー装置8は、排気ガスを昇温させるためのもので、少なくとも燃料添加弁9と、加熱装置あるいは加熱手段としてのヒータあるいはグロープラグ10とを含む。また本実施形態のバーナー装置8は小型酸化触媒11をも含む。
燃料添加弁9は、排気管3内に液体の燃料Fを噴射、供給あるいは添加する。この燃料Fとしては、エンジン用の燃料である軽油がそのまま共用されるが、別種の燃料を使用しても良い。燃料添加弁9は、排気管3における周方向所定位置の外周部から中心部に向けて、且つ下流側に向けて斜め方向に燃料Fを噴射する。図示例では、燃料添加弁9は、排気管3の上部から中心部に向けて、且つ下流側に向けて斜め下向きに燃料Fを噴射する。
グロープラグ10は、燃料添加弁9から添加された燃料F、より具体的には燃料Fと排気ガスの混合気を加熱するためのものである。グロープラグ10は、燃料添加弁9よりも下流側の位置に配置され、その軸心線が燃料添加弁9の軸心線と垂直になるよう、排気管3の側部から挿入して設置されている。そしてグロープラグ10の先端の発熱部が、噴射燃料Fにほぼ対向するように配置されている。すなわち燃料添加弁9は、グロープラグ10の発熱部に向けて燃料Fを噴射する。グロープラグ10は、図示しない昇圧回路を介して車載バッテリに接続されており、通電された際に発熱部が発熱する。なおグロープラグ10は任意の姿勢で配置することができる。
好ましくはグロープラグ10は、燃料添加弁9から噴射された液滴としての燃料Fが到達し得ないほど、燃料添加弁9から離れた位置に設置される。但し、燃料Fが到達し得る比較的近い位置に設置することも可能である。
小型酸化触媒11は、グロープラグ10よりも下流側の位置の排気管3内に設置されている。小型酸化触媒11の外径は排気管3の内径よりも小さく、小型酸化触媒11の軸心方向は排気管3の軸心方向と平行である。小型酸化触媒11は排気管3とほぼ同軸に配置されている。小型酸化触媒11は、その断面積が排気管3の断面積の一部を占めるような大きさとされている。小型酸化触媒11は、図示しない複数のステーにより、排気管3内に宙吊り状態で設置されている。
小型酸化触媒11は、個々のセルが上流から下流へと連通した所謂ストレートフロー型であり、下流側の酸化触媒6と同じ構成としても異なる構成としても良い。例えば小型酸化触媒11は、ゼオライト製の担体にロジウム等を担持させて構成することができる。小型酸化触媒11の内部のガス通路を触媒内通路11Aという。
他方、小型酸化触媒11の径方向外側、すなわち小型酸化触媒11と排気管6の間には、排気ガスを流通させるための外周通路12が画成される。特に、燃料添加弁9が設置される周方向所定位置、図示例では上部側の位置にも、外周通路12の一部である添加弁側外周通路すなわち上部外周通路12Aが画成されている。
小型酸化触媒11の前端面11Bには、その外周端縁部の全周を前方に延長するように案内管13が設けられている。案内管13の前端から所定長さ後方にかけて、案内管13の上半分が切除され、これにより樋状ないし半円管状の案内板13Aが形成されている。案内管13の前端もグロープラグ10より下流側に位置される。案内管13は、後に詳しく述べるが、燃料添加によって生成された混合気や火炎の小型酸化触媒11への導入を案内するためのものである。
案内管13の中には、案内板13Aを横断するように衝突板14が設置されている。衝突板14は、平板からなり、その一方の面すなわち上面が概ね燃料添加弁9およびグロープラグ10の方を向くよう傾斜されている。衝突板14は、後に詳しく述べるが、燃料添加によって生成された混合気や火炎を衝突させて小型酸化触媒11に導入し易くするためのものである。
これら小型酸化触媒11、案内管13および衝突板14は一体的に形成され、小型酸化触媒ユニットを構成する。
エンジンには、これを総括的に制御するための制御手段たる電子制御ユニット(以下、ECUという)100が設けられている。ECU100は、エンジン制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータを記憶するROM、CPUの演算結果等を一時記憶するRAM、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等を備えて構成される。
ECU100には、上述したエアフローメータ4の他、エンジンのクランク角を検出するためのクランク角センサ15と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ16とが接続されている。
ECU100は、クランク角センサ15の出力値に基づいてエンジン回転数を算出する。またECU100は、エアフローメータ4からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量すなわち吸入空気量を検出する。そしてECU100は、検出した吸入空気量に基づき、エンジン1の負荷を算出する。
また、排気管3における酸化触媒6の前後の位置に、上流側排気温センサ18と下流側排気温センサ19とが設けられ、これら上流側排気温センサ18と下流側排気温センサ19とがECU100に接続されている。これらセンサは排気ガスの温度を検出するためのものである。ECU100は、これらセンサの検出値に基づいて酸化触媒6の温度を推定する。
排気管3におけるバーナー装置8の上流側であって、且つタービン21Tの下流側には酸素濃度センサ20が設けられている。酸素濃度センサ20は排気ガスの酸素濃度を検出するためのものであり、例えばリニアA/FセンサやO2センサ等から構成することができる。
ECU100には、筒内噴射弁5、スロットルバルブ22、EGR弁32、ベーンアクチュエータ21A、可変リフト機構40、可変タイミング機構41、排気シャッター42、燃料添加弁9およびグロープラグ10が接続され、これらがECU100によって制御される。
さて、かかるバーナー装置8は、主にエンジンの冷間始動後の暖機中に、メインの排気処理装置である酸化触媒6およびNOx触媒7(特に上流側の酸化触媒6)をできるだけ早く活性化させるために使用ないし作動される。なお暖機中でなくても、酸化触媒6およびNOx触媒7の温度が低下し、これらが未活性になったときに、バーナー装置8が使用ないし作動される。
バーナー装置8の作動時、燃料添加弁9とグロープラグ10がオンされ、燃料添加弁9から排気通路内に噴射ないし添加された燃料が、排気ガス(特にこれに含まれる酸素)と混合して混合気をなす。この混合気が、グロープラグ10による加熱効果と相俟って着火、燃焼し、これにより火炎を含む加熱ガスが生成される。この加熱ガスは、周囲の排気ガスと混合しつつ、酸化触媒6とNOx触媒7を順次加熱し、昇温する。
一旦酸化触媒6が活性化してしまえば、後は排気ガス中のCO,HCを酸化触媒6で酸化、燃焼させ、その酸化熱で酸化触媒6の高温を維持すると共に、酸化触媒6から高温なガスを排出させることができる。そしてこの高温ガスをNOx触媒7に送ってNOx触媒7を活性化させることができる。少なくとも酸化触媒6が活性化してしまえば、バーナー装置8を停止することが可能である。
バーナー装置8の作動時、小型酸化触媒11は始めのうちは低温かつ未活性である。しかし、周囲の排気ガスや、火炎を含む加熱ガスにより徐々に加熱され、昇温し、活性に近づいていく。小型酸化触媒11の容量は小さく、小型酸化触媒11の周囲を流れるガスに比べ触媒内通路11Aを流れるガスの流速は遅い。よって小型酸化触媒11は、比較的早期に、特に酸化触媒6よりも早く活性化することができる。
一旦小型酸化触媒11が活性化してしまえば、後は酸化触媒6と同様、排気ガス中のCO,HCを小型酸化触媒11で酸化、燃焼するのと同時に、導入した添加燃料Fと酸素の混合気をも小型酸化触媒11で酸化、燃焼することができる。特に後者の酸化熱により、小型酸化触媒11は急速にしかも著しい高温まで温度上昇する。小型酸化触媒11により混合気を燃焼させて火炎を生成することもできる。こうしてできた小型酸化触媒11からの高温な加熱ガスを利用して酸化触媒6の暖機、活性化を一層促進することができる。
また、小型酸化触媒11は、導入した混合気の燃料成分を改質する機能も有する。具体的には、燃料成分中の炭素数の多い炭化水素が分解して、炭素数が少なく反応性の高い炭化水素が生成され、これによって燃料成分が反応性の高いものに改質される。この改質された燃料成分は、未改質のものに比べ、下流側の酸化触媒6においてより容易に酸化可能であるので、酸化触媒6の早期活性化を大いに助ける。
このように、例えばエンジン始動後の暖機中であって、小型酸化触媒11も酸化触媒6も未活性であるときには、下流側の酸化触媒6よりも先にあるいは優先して上流側の小型酸化触媒11を活性化させるのが好ましい。具体的には、酸化触媒6よりも小型酸化触媒11に加熱ガスをより積極的に供給し、この加熱ガスで小型酸化触媒11をより積極的に加熱するのが好ましい。
他方、小型酸化触媒11が活性化した後には、小型酸化触媒11よりも酸化触媒6に加熱ガスをより積極的に供給し、この加熱ガスで酸化触媒6をより積極的に加熱し、酸化触媒6の暖機を促進するのが好ましい。
ところで一般的に、添加燃料を着火および燃焼させるには、添加燃料と排気ガスの混合気の状態が着火および燃焼に適した状態となっている必要がある。しかしながら排気管3内には、主に排気脈動に起因した排気流速の変動があり、且つこの変動を従来考慮していなかったため、着火性および燃焼性の点で改良の余地が残されている。
そこで本実施形態では、添加燃料の着火性および燃焼性を向上させるべく、バーナー装置8またはその付近の所定位置ないし基準位置における排気流速の変動に同期して燃料添加弁9から燃料を添加させることとしている。以下、この点について詳しく述べる。
まず、図2に、可変リフト機構40および可変タイミング機構41が基準位置にあるときの排気弁のバルブタイミングすなわち基準バルブタイミングを示す。図中、BDCは排気下死点、TDCは排気上死点、θ1は排気弁の基準開弁時期、θ2は排気弁の基準閉弁時期を示す。本実施形態において、基準開弁時期θ1は排気下死点前51°CAとされ、基準閉弁時期θ2は排気上死点後2°CAとされている。また可変リフト機構40が基準位置にあるときの排気弁のリフト量を基準リフト量という。排気弁がこのような基準バルブタイミングおよび基準リフト量で開閉させられている状態を排気弁の基準状態という。
図3には、クランク角とこれに対応する各気筒の各行程を示す。クランク角は#4気筒の圧縮上死点(#4TDC)を基準即ち0°CAとする。燃焼順序は#1,#3,#4,#2の各気筒順である。図中、「吸」、「圧」、「膨」、「排」はそれぞれ吸気行程、圧縮行程、膨張(燃焼)行程、排気行程を意味する。
図中、各気筒の排気弁の基準開弁時期θ1と基準閉弁時期θ2を示す。これから明らかなように、2つの気筒の排気弁が同時に開弁する期間、すなわち排気オーバーラップ期間Δθが、1エンジンサイクル(−180〜540°CA)中に4つ存在する。
図4において、(A)には#1気筒と#3気筒の排気弁の開閉状態を示す。ここで便宜上、#1気筒の閉弁時期θ2は0°CAとしてある。また(B)には、燃料添加弁9の添加時期(横軸)と、各添加時期に対応した最大排気ガス温度(縦軸)との関係を調べた試験結果を示す。
(B)に関しては、運転状態が一定という条件下で、燃料添加弁9の添加時期を所定クランク角に固定して燃料添加を繰り返し実行する。そしてこのときに酸化触媒6に流入する排気ガスの最大温度を測定し、これを最大排気ガス温度として表示してある。aは1回目の測定データ、bは2回目の測定データである。最大排気ガス温度が高いほど、バーナー装置の着火性および燃焼性は良好と言える。
例えば、#4TDC=0°CAのデータの場合、燃料添加弁9から、#4TDCが到来する度に燃料添加が実行される。そしてこれを所定時間継続した場合に、酸化触媒6に流入する排気ガスの最大温度が測定される。図示例によれば、最大排気ガス温度は1回目、2回目ともに約250°Cである。
このような実測を、添加時期を10°CAずつ変えて−70〜70°CAの範囲に亘って行う。この結果を(B)に示している。
図示の結果によれば、添加時期に応じて最大排気ガス温度が変化し、着火性および燃焼性が良好となる最適添加時期が存在することが分かる。最大排気ガス温度の最小値と最大値との差cは100℃以上にも及ぶ。
本発明者らは、鋭意研究の結果、排気管3内に主に排気脈動に起因する排気流速の変動があること、および、この排気流速の変動が添加燃料の着火性および燃焼性に大きく影響を及ぼすことを見出した。そこでこの特性を利用し、本実施形態では、バーナー装置8またはその付近の基準位置における排気流速の変動に同期して燃料添加弁9から燃料を添加させるようにしている。
ここで、基準位置は、本実施形態の場合、グロープラグ10の発熱部の位置としている。この発熱部の位置で着火が最も起こり易いからである。しかしながら当該基準位置は任意に定めることができ、例えば、グロープラグ10から所定距離上流側または下流側の位置としてもよいし、燃料添加弁9の噴孔軸心に沿った所定位置としてもよい。
図5には、排気流速変動に同期した燃料添加の様子を示す。なお便宜上小型酸化触媒ユニットは略示する。図中(D)には、基準位置における排気流速の変動を示す。排気流速がゼロの場合、基準位置における排気ガスの流れはない。排気流速が正の場合、基準位置における排気ガスは下流側に向かって順流方向に流れており、排気流速が負の場合、基準位置における排気ガスは上流側に向かって逆流方向に流れている。基準位置における排気流速は周期的に変動し、概ね正の値を持つが、ゼロまたは負の値となることもある。これは即ち、基準位置における排気ガスが、概ね順流方向に流れるが、停滞したり逆流したりする場合があることを意味する。もっとも排気ガスは総じて順流方向に流れるので、排気流速の平均値は常に正である。
図5(A)には、排気流速が正の値の時に燃料添加を行った場合(順流時添加という)、特に排気流速が極大ピークの時に燃料添加を行った場合を示す。この場合、排気ガスが下流側に向かって比較的強く流れているので、添加燃料Fは添加直後に排気ガスによって即座に下流側に流され、拡散し、グロープラグ10よりも下流側の位置に、比較的リーンな混合気Mを形成する傾向がある。この混合気Mは比較的広範囲に亘り、これに伴い混合気Mの単位体積当たりの燃料濃度も少ない傾向にある。
図5(B)には、排気流速の値がゼロの時に燃料添加を行った場合(ゼロ時添加という)を示す。この場合、排気ガスが停滞しているので、添加燃料Fはグロープラグ10の周囲に比較的リッチな混合気Mを形成する。混合気Mの範囲は狭く、混合気Mの単位体積当たりの燃料濃度は多い傾向にある。
図5(C)には、排気流速が負の値の時に燃料添加を行った場合(逆流時添加という)、特に排気流速が極小ピークの時に燃料添加を行った場合を示す。この場合、排気ガスが上流側に向かって流れている(つまり逆流している)ので、添加燃料Fは添加直後に排気ガスによって上流側に流され、拡散し、グロープラグ10よりも上流側の位置に、比較的リーンな混合気Mを形成する傾向にある。混合気Mは比較的広範囲に亘り、これに伴い混合気Mの単位体積当たりの燃料濃度も少ない傾向にある。
ここで、「排気流速の値がゼロ」とは、排気流速の値が実質的にゼロという意味であり、排気流速の値がゼロを含む微小な所定範囲内にあることを意味する。他方、「排気流速の値が正」とは、排気流速の値が前記所定範囲より大きい正の値であることを意味する。同様に、「排気流速の値が負」とは、排気流速の値が前記所定範囲より小さい負の値であることを意味する。
上記各場合のうち、着火性および燃焼性が最も良いのは、図5(B)に示したようなゼロ時添加の場合である。グロープラグ10の周囲に形成された比較的リッチな混合気Mが、グロープラグ10から直接受熱して即座に着火するからである。よって添加燃料Fを安定して確実に着火させるには、ゼロ時添加を行うのが好ましい。
但し、厳密には、燃料Fが添加されてから着火に至るまでの間に着火遅れが存在する。よって排気流速の値がゼロとなる時から、着火遅れ分だけ早い時期が最適な添加時期ということになる。言い換えれば、基準位置における排気流速の値がゼロとなった時に添加燃料が着火するような添加時期が、最適な添加時期である。
以上のことから、排気流速の絶対値が小さい時が、燃料添加を行うのに適したタイミングであることが理解されよう。この時以外は、着火性および燃焼性の観点から必ずしも最良とは言えない。着火性および燃焼性が良くないと、必要な燃料添加量が増え、燃費の悪化をもたらす。
順流時添加と逆流時添加を比較すると、着火性および燃焼性向上の観点からは、逆流時添加の方がより好ましい。逆流時添加の場合、排気流速の絶対値が小さいし、添加燃料が一旦逆流した後、順流方向に流れ、この間に排気ガスの熱によって改質または軽質化され、さらに順流方向に流れたときにグロープラグ10の熱を直接受けて着火する可能性が高いからである。
逆に順流時添加の場合だと、排気流速の絶対値が小さい時には特に問題ないが、排気流速の絶対値が大きい時だと添加燃料が下流側に大きく流されてしまって着火および燃焼が比較的困難となる。
そこで本実施形態では、全ての添加態様を含め、排気流速の絶対値が小さい時、すなわち排気流速の絶対値が所定値未満である添加可能期間内にできるだけ燃料添加を実行するようにしている。この添加可能期間には、排気流速の値がゼロの時、排気流速の値が負の時、および排気流速の値が正の所定値未満である時が含まれる。
以下、排気流速変動に同期した燃料添加制御(同期添加制御という)についてより具体的に説明する。
本実施形態では、基準位置における排気流速の値またはその相関値が取得される。ここでいう「取得」には「検出」と「推定」の両方が含まれる。
排気流速とは、排気ガスの流れ方向に沿った排気ガスの速度のことである。また排気流速の相関値とは、排気ガスの速度に相関した値であり、例えば排気ガスの圧力または温度である。ベルヌーイの定理により、排気ガスの速度が大きいほど排気ガスの圧力は減少するので、排気ガスの圧力は排気ガスの速度に相関した値と言える。またPV/T=一定の関係により、定圧下においては、排気ガスの速度が大きいほど排気ガスの温度は高くなると考えられるので、排気ガスの温度も排気ガスの速度に相関した値と考えられる。このほかにも、排気ガスの空燃比を相関値として用いることが考えられる。
ここで排気流速の値そのものを用いる場合を主に説明する。第1の態様として、基準位置における排気流速の値が、エアフローメータなどの流速センサを用いて直接検出される。この場合、流速センサは、グロープラグ10に一体化して設けたり、グロープラグ10に近接して別体で設けたりすることができる。
なお、排気流速の相関値を用いる場合には、例えば流速センサの代わりに圧力センサまたは温度センサを設ける。上記のセンサの出力をフーリエ解析し、その周波数成分の分布によって排気流速の値を定めてもよい。
次に、第2の態様として、基準位置における排気流速の値が推定される。具体的には、エンジン運転状態を表すパラメータであるエンジンパラメータ(例えばエンジンの回転数と負荷)と、クランク角の値に基づき、基準位置における排気流速の値が推定される。本実施形態ではこの推定方式である第2の態様を採用する。
図6に、各気筒の排気弁の開閉状態と、各気筒の排気ポート内の所定位置における全気筒平均の排気流速とを概略的に示す。図示するように、排気流速はクランク角の変化に応じて周期的に変化する。そして排気オーバーラップ期間Δθにおいて、二つの気筒から同時に排気ガスが排出されるので、これら排気ガスに起因して排気流速の極大ピークが生じるものと考えられる。排気オーバーラップ期間Δθが1エンジンサイクル中に4回現れるので、排気流速の極大ピーク、さらには極小ピークも、1エンジンサイクル中に4回現れると考えられる。
このような排気流速の変動波形は、輸送遅れ時間分だけ遅れてそのまま基準位置に現れると考えられる。そこでこの原理を利用して基準位置における排気流速の値が推定される。
具体的には、図示の如き排気流速変動波形が、各エンジンパラメータ毎に、予め実験的に求められ、マップの形でECU100に記憶される。そしてECU100は、平均排気流量の代用値としてエアフローメータ4により検出された吸入空気量と、予め記憶した各気筒排気ポート内所定位置から基準位置までの間の排気通路の物理的容積とから、輸送遅れ時間を算出する。次いでECU100は、マップから読み出した排気流速変動波形と、検出したクランク角と、算出した輸送遅れ時間とに基づいて常時、基準位置における排気流速と排気流速変動波形を推定する。
なお、基準となるエンジンパラメータに対する排気流速変動波形を予め記憶し、検出された実際のエンジンパラメータに応じて排気流速変動波形を補正してもよい。排気流速の代わりにその相関値を用いる場合にも、同様の方法で基準位置の排気流速を推定できることが理解されるであろう。第1の態様で実際に検出された基準位置の排気流速に基づき、第2の態様で使用されるマップを補正することも可能である。これにより第2の態様における推定誤差を低減することが可能である。ターボチャージャ21の可変ベーンの開度およびEGR弁32の開度の少なくとも一方に基づき推定排気流速を補正してもよい。排気流速の推定については、上記方法に限らず、公知方法を含め、他の様々な方法を採用することが可能である。
図7には基準位置の排気流速と燃料添加タイミングの関係を示す。(A)には理解容易のため、参考までに、図3の−180〜90°CA間の各気筒行程と、基準状態における#1,#3気筒の基準バルブタイミング(基準開弁時期θ1、基準閉弁時期θ2および排気オーバーラップ期間Δθ)を示す。(B)には排気弁の基準状態に対応した基準位置の排気流速変動波形を示す。(C)には、本発明を適用して変更された基準位置の排気流速変動波形を示す。(D)には、ECU100から燃料添加弁9に送出される添加信号を示し、添加信号のオン/オフは燃料添加弁9のオン/オフひいては燃料添加の実行/停止に対応する。
(D)に示すように、ECU100は、燃料添加弁9から間欠的に燃料を添加させる。具体的には、燃料添加弁9を所定の添加タイミング(添加開始タイミング)t0から所定の添加時間t1だけオンし、その後所定の添加インターバルt2だけオフするという制御を繰り返す。
そして、燃料添加後における混合気の単位体積当たりの燃料濃度(あるいは吸入空気量と単位時間当たりの燃料添加量の比である排気管内A/F)を着火に適した目標値に近づけるべく、エンジン運転状態に応じて、添加時間t1およびインターバルt2の少なくとも一方を制御する。具体的には、エンジンからの排ガス空燃比に相当する吸入空気量Gaと燃料噴射量Qの比Ga/Qに基づき、所定のマップから添加時間t1および添加インターバルt2が算出され、これら添加時間t1および添加インターバルt2に従って燃料添加が実行される。比Ga/Qが高い(リーン側である)ほど添加時間t1は長く、添加インターバルt2は短くされる傾向にあり、逆に比Ga/Qが低い(リッチ側である)ほど添加時間t1は短く、添加インターバルt2は長くされる傾向にある。言い換えれば、単位時間当たりの燃料添加量が、エンジンからの排ガス空燃比に応じて制御される。これにより、エンジン運転状態に拘わらず、燃料添加後における混合気の単位体積当たりの燃料濃度を着火に適した目標値に常に近づけることが可能になる。
このように定められた添加時間t1と添加インターバルt2を満たす添加タイミングt0は、基準位置の排気流速の絶対値が所定値未満、具体的にはその排気流速の値そのものが正の所定値V0未満である添加可能期間内にできるだけ含まれるように設定される。
しかし、排気弁の基準状態を前提とした(B)に示すような排気流速変動波形だと、必ずしも添加タイミングt0が添加可能期間内に含まれず、それから外れてしまうことがある。すなわち、(B)に示すように、プロットb1に対応する添加タイミングt0では、排気流速の値が所定値V0未満であり、添加タイミングt0が添加可能期間内に含まれる。しかし、プロットb2に対応する添加タイミングt0では、排気流速の値が所定値V0より大きくなってしまっており、添加タイミングt0が添加可能期間から外れてしまっている。このような高排気流速のタイミングで燃料添加を行えば、前述したように良好な着火性を得るのが困難であるし、燃費も悪化する。
そこで、本実施形態では、かかる場合に添加タイミングt0を添加可能期間内に含めるよう、基準位置における排気流速の値を変更し、言い換えれば基準位置における排気流速の変動波形を変更する。変更後の排気流速変動波形を(C)に示す。
これによれば、プロットb2に対応する添加タイミングt0において、(C)にプロットc2で示すように排気流速の値が所定値V0未満となるよう低下され、当該添加タイミングt0が添加可能期間内に含まれるようになる。よってこのタイミングで添加された燃料の良好な着火性、燃焼性を得ることが可能になる。
なお、プロットb1に対応する添加タイミングt0も、変更後においてプロットc1で示すように添加可能期間内に含まれる。
このような基準位置における排気流速の値の変更、あるいは基準位置における排気流速の変動波形の変更は、例えば可変リフト機構40を制御することにより実行される。
図8において、(A)は、排気弁リフト量変更前の排気弁基準状態における基準位置の排気流速変動波形を示す。(B)は、排気弁リフト量変更後における基準位置の排気流速変動波形を示す。図中の塗りつぶし領域が添加可能期間Aを示す。
(A)に示すように、排気弁基準状態のとき、添加タイミングt0は添加可能期間Aから外れ、添加可能期間Aより早いタイミングとなっている。そして排気流速の値が極大ピークから低下する途中の大きい時に添加タイミングt0を迎えている。言い換えれば、排気流速変動波形の山を下る途中で添加タイミングt0を迎えている。
そこでこの場合には、基準状態のときと比べ排気弁のリフト量を増やすよう(また併せて作用角を減少するよう)可変リフト機構40を制御する。すると(B)に示すように、シリンダ内からの掃気が早まり、排気流速はより早いタイミングで低下するようになる。排気流速変動波形は、極大ピークの値が増加するものの、山の裾野部分の幅が狭まり、山はより尖った形状に変更される。
すると、添加タイミングt0が添加可能期間A内に含まれるようになり、着火性を向上することができる。
ここで、具体的な制御としては、添加タイミングt0と、排気弁基準状態((A)図)における添加可能期間Aの直近の開始時期A1または終了時期A2との差分ΔAに基づいて、可変リフト機構40を制御する。直近の開始時期A1または終了時期A2とは、添加タイミングt0に対して最も近い開始時期A1および終了時期A2のいずれか一方をいう。ここで時間が遅いほど、すなわちクランク角が遅角側であるほど、これらのタイミングないし時期は大きいものとする。ここでは差分ΔAをΔA={A1orA2}−t0で定義する。
図8(A)の例の場合、添加タイミングt0に対して直近の開始時期A1が遅れている。よってΔA=(A1−t0)>0となる。ECU100は、この差分ΔAを算出した後、図9に示すようなマップに従って、差分ΔAに対応した排気弁のリフト増加量ΔLを算出する。ここでは正のリフト増加量ΔLが算出され、排気弁のリフト量Lは基準リフト量からΔLだけ増加させられる。
このようなリフト量増量の結果、図8(B)に示すように、添加タイミングt0における排気流速の値が低下され、添加タイミングt0は添加可能期間A内に含まれるようになる。図示例の場合、添加可能期間Aはより短い期間に変更され、その開始時期A1は添加タイミングt0より若干早い時期に変更されている。
図10には逆の例、すなわち、(A)に示すような排気弁基準状態のときに、添加タイミングt0に対して、添加可能期間Aの直近の終了時期A2が早い場合を示す。この場合、ΔA=(A2−t0)<0となる。すると図9に示すようなマップに従って、負の差分ΔAに対応した負のリフト増加量ΔLが算出され、排気弁のリフト量Lは減少させられる。
このようなリフト量減量の結果、図10(B)に示すように、シリンダ内からの掃気が遅くなり、排気流速はより遅いタイミングで上昇するようになる。排気流速変動波形は、極大ピークの値が低下し、山の裾野部分の幅が広がり、山はなだらかな形状に変更される。そして前記同様、添加タイミングt0における排気流速の値が低下され、添加タイミングt0は添加可能期間A内に含まれるようになる。図示例の場合、添加可能期間Aはより長い期間に変更され、その終了時期A2は添加タイミングt0より若干遅い時期に変更されている。
図9のマップから分かるように、差分ΔAの絶対値が大きいほど、リフト増加量ΔLの絶対値がより大きくなるように、すなわち基準位置における排気流速の絶対値がより小さくなるように、可変リフト機構40が制御される。
次に、基準位置における排気流速の値もしくは排気流速の変動波形の変更を、可変タイミング機構41を制御することにより行う例を説明する。
図11(A)は、図8(A)と同様、排気弁基準状態のときの基準位置における排気流速変動波形を示す。図示するように、添加タイミングt0は添加可能期間Aから外れ、添加可能期間Aより早いタイミングとなっている。そして排気流速の値が極大ピークから低下する途中の大きい時に添加タイミングt0を迎えている。
この場合、排気弁基準状態のときと比べ、排気弁のバルブタイミングすなわち開閉時期を進角させるよう、可変タイミング機構41を制御する。すると図11(B)に示すように、シリンダ内からの掃気タイミングが早まり、排気流速はより早いタイミングで低下するようになる。排気流速変動波形は、形自体変わらず、全体がより早いタイミングの方にシフトする。
これにより、添加タイミングt0が添加可能期間A内に含まれるようになり、着火性を向上することができる。
具体的な制御については、可変リフト機構40のときと同様、添加タイミングt0と、排気弁基準状態((A)図)における添加可能期間Aの直近の開始時期A1または終了時期A2との差分ΔAに基づいて、可変タイミング機構41を制御する。
図11(A)の例の場合、添加タイミングt0に対して直近の開始時期A1が遅れている。よってΔA=(A1−t0)>0となる。ECU100は、この差分ΔAを算出した後、図12に示すようなマップに従って、正の差分ΔAに対応した排気弁の正の進角量θxを算出する。これにより排気弁のバルブタイミングは可変タイミング機構41により、基準バルブタイミングに対してθxだけ進角させられる。
このようなバルブタイミング進角の結果、図11(B)に示すように、添加タイミングt0における排気流速の値が低下され、添加タイミングt0は添加可能期間A内に含まれるようになる。図示例の場合、添加可能期間Aの開始時期A1は添加タイミングt0より若干早い時期に変更されている。
図13には逆の例、すなわち、(A)に示すような排気弁基準状態のときに、添加タイミングt0に対して、添加可能期間Aの直近の終了時期A2が早い場合を示す。この場合、ΔA=(A2−t0)<0となる。すると図12に示すようなマップに従って、負の差分ΔAに対応した負の進角量θxが算出され、排気弁のバルブタイミングは遅角させられる。
すると図13(B)に示すように、シリンダ内からの掃気タイミングが遅くなり、排気流速はより遅いタイミングで上昇するようになる。排気流速変動波形は、形自体変わらず、全体がより遅いタイミングの方にシフトする。そして前記同様、添加タイミングt0における排気流速の値が低下され、添加タイミングt0は添加可能期間A内に含まれるようになる。図示例の場合、添加可能期間Aの終了時期A2が添加タイミングt0より若干遅い時期に変更されている。
図12のマップから分かるように、差分ΔAの絶対値が大きいほど、進角量θxの絶対値がより大きくなるように、すなわち基準位置における排気流速の絶対値がより小さくなるように、可変タイミング機構41が制御される。
次に、基準位置における排気流速の値もしくは排気流速の変動波形の変更を、ターボチャージャ21の可変ベーン、より具体的にはこれを開閉させるためのベーンアクチュエータ21Aを制御することにより行う例を説明する。
可変ベーンの開度を増加すると、シリンダに対する背圧が低下し、シリンダ内からの掃気が早まる。よって例えば図11(A)の例の場合、可変ベーンの開度を増加することにより、基準位置における排気流速の値をより早いタイミングで低下させ、添加タイミングt0を添加可能期間A内に含ませることができる。
図14には、差分ΔAと、可変ベーンの開度増加量ΔVNとの関係を規定したマップを示す。このマップに従い、差分ΔAに基づいて可変ベーンないしはベーンアクチュエータ21Aを制御することにより、添加タイミングt0を添加可能期間A内に含ませることができる。
このほか、排気シャッター42の開度を変更することにより、基準位置における排気流速の値もしくは排気流速の変動波形を変更してもよい。排気シャッター42が全開位置よりも閉側に位置されている場合、排気シャッター42の開度を増加することにより、可変ベーンのときと同様、シリンダに対する背圧が低下し、シリンダ内からの掃気が早まる。よって例えば図11(A)の例の場合、排気シャッター42の開度を増加することにより、基準位置における排気流速の値をより早いタイミングで低下させ、添加タイミングt0を添加可能期間A内に含ませることができる。
これら可変リフト機構40、可変タイミング機構41、可変ベーンおよび排気シャッター42を使用した変更方法は適宜組み合わせることも可能である。
ところで、前述のような排気弁のリフト量等の変更はシリンダ内の燃焼に影響を与える可能性がある。そこでかかる変更は、シリンダ内の燃焼に影響を与えぬようなエンジンのフューエルカット(燃料噴射停止)時に行うのが好ましい。これにより、かかる変更に伴う燃費やドライバビリティの悪化等を未然に防止することができる。
図15には燃料添加制御のルーチンのフローチャートを示す。かかるルーチンはECU100により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、バーナー装置8の作動要求の有無が判断される。例えば、別途推定された酸化触媒6の温度が所定の最小活性温度未満のとき作動要求有りとされ、最小活性温度以上のとき作動要求無しとされる。作動要求無しのときには直ちにルーチンが終了される。
作動要求有りのとき、ステップS102に進んで、吸入空気量Gaと燃料噴射量Qの比Ga/Qに基づき、所定のマップから添加時間t1および添加インターバルt2が決定される。
次いでステップS103において、これら添加時間t1および添加インターバルt2を満たすような将来的な複数ないし所定数の添加タイミングt0が決定される。すなわち、別途推定された排気弁基準状態且つ基準位置における排気流速変動波形から添加可能期間Aが決定され、この添加可能期間Aに、複数の添加タイミングt0のうちのできるだけ多くが含まれるようあるいは近づくよう、複数の添加タイミングt0が決定される。この決定は予め定められたプログラム若しくはルーチンによって行われることができる。
ここで、例えば添加制御は1エンジンサイクル(720°CA)を1単位として繰り返し行うことができ、1エンジンサイクル内に含まれる複数の添加タイミングt0を一度に決定することができる。1エンジンサイクル内に排気流速変動の山が4回あることから、これに合わせて1エンジンサイクル内の添加タイミングt0の数を4の倍数とすることができる。これにより、全ての添加タイミングt0を気筒サイクル(180°CA)の同一タイミングに設定することが可能になる。
次に、ステップS104において、決定された全ての添加タイミングt0が添加可能期間A内に含まれているか否かが判断される。イエスの場合、ステップS109に進んで、実際の添加タイミングt0の到来と同時に燃料添加弁9がオンされ、燃料添加が実行される。
他方、ノーの場合、すなわち全ての添加タイミングt0のうち添加可能期間Aから外れているものがある場合、ステップS105に進んでフューエルカット実行中か否かが判断される。
フューエルカット実行中でなければステップS109に進んで燃料添加が実行される。すなわちこの場合には燃焼への影響が懸念されるため、排気流速変動波形の変更を行わず、添加可能期間Aから外れた添加タイミングt0があってもそのタイミングで燃料添加を実行する。
他方、フューエルカット実行中の場合、ステップS106〜S108において排気流速変動波形を変更するための変更制御が行われる。ここでは変更制御として、可変リフト機構40により排気弁のリフト量を変更する制御を示す。しかしながら前述したように、代替的にあるいは追加的に、排気弁のバルブタイミング、可変ベーン開度および排気シャッター開度の少なくとも一つを制御してもよい。
ステップS106においては、添加可能期間Aから外れた添加タイミングt0について、当該添加タイミングt0と、添加可能期間Aの直近の開始時期A1または終了時期A2との差分ΔA={A1orA2}−t0が算出される。
次いでステップS107において、図9に示したようなマップから、差分ΔAに対応した排気弁のリフト増加量ΔLが算出される。
そしてステップS108において、排気弁のリフト量Lがリフト増加量ΔLだけ変更されるよう、可変リフト機構40が制御される。これにより、基準位置の排気流速の値もしくはその変動波形が変更され、添加可能期間Aから外れていた添加タイミングt0が添加可能期間A内に含まれるようになる。
その後、ステップS109にて、実際の添加タイミングt0の到来と同時に燃料添加が実行される。これにより、特に、添加可能期間A外で行われる筈であった燃料添加を添加可能期間A内に行うことができるようになり、着火性および燃焼性を向上できる。
以上、本発明の好適実施形態を説明したが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば小型酸化触媒の下流側に配置される排気処理装置の数、種類、配列順序等は任意である。また上記実施形態の各構成要素は可能な限り組み合わせることが可能である。
1 エンジン本体
3 排気管
6 酸化触媒
7 NOx触媒
8 バーナー装置
9 燃料添加弁
10 グロープラグ
11 小型酸化触媒
21 ターボチャージャ
40 可変リフト機構
41 可変タイミング機構
42 排気シャッター
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (7)

  1. 排気通路に設けられた排気処理装置と、
    前記排気処理装置の上流側に設けられ、少なくとも、前記排気通路内に燃料を添加する燃料添加弁と、前記燃料添加弁から添加された燃料を加熱する加熱手段とを含むバーナー装置と、
    前記バーナー装置またはその付近の基準位置における排気流速の変動波形を変更するための変更手段と、
    前記バーナー装置および前記変更手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記基準位置における排気流速の変動に同期して燃料添加が実行されるよう、前記燃料添加弁から間欠的に燃料を添加させ、且つ、
    前記燃料の添加タイミングが、前記基準位置における排気流速の絶対値が所定値未満である添加可能期間から外れているとき、前記添加タイミングを前記添加可能期間内に含めるよう、前記変更手段を制御する
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記制御手段は、前記添加可能期間から外れている前記添加タイミングと、前記添加可能期間の直近の開始時期または終了時期との差分に基づいて、前記変更手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記制御手段は、前記差分の絶対値が大きいほど前記基準位置における排気流速の絶対値がより小さくなるように、前記変更手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記制御手段は、前記内燃機関のフューエルカット時に前記変更手段による変更を実行させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記変更手段は、排気弁のリフト量とバルブタイミングのうちの少なくとも一方を変更する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関。
  6. 前記変更手段は、前記排気通路に設けられたターボチャージャの可変ベーンの開度を変更する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関。
  7. 前記変更手段は、前記排気通路に設けられた排気シャッターの開度を変更する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関。
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