JP2013067960A - コンクリート構造物の加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒーターで発生した熱をコンクリートに拡散させず効率的に被加熱部材へ投入できるコンクリート構造物の加熱装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一部がコンクリート2に埋設された被加熱部材3と、被加熱部材3に接してコンクリート2内に配置されたヒーター4と、ヒーター4と被加熱部材3とを繋ぐ伝熱セメント5とを有するコンクリート構造物の加熱装置1であって、ヒーター4の被加熱部材3に接していない部分に、ヒーター4を被加熱部材3と共同して囲む断熱材6を設け、断熱材6の外側にコンクリート2を打設した。断熱材6によりヒーター4の熱がコンクリート2に拡散することを抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも一部がコンクリートに埋設された被加熱部材を、コンクリート内に設けられたヒーターによって加熱するコンクリート構造物の加熱装置に係り、特に、加熱効率を高めたコンクリート構造物の加熱装置に関する。
コンクリート構造物の加熱装置として、水門、道路、鉄塔又は橋梁等のコンクリート構造物の凍結防止部に被加熱部材を設け、被加熱部材をコンクリート内に配設されたヒーターによって加熱することにより、冬季や厳冬期における凍結防止部の凍結を防止する技術が知られている(特許文献1〜3参照)。これらコンクリート構造物の加熱装置は、例えば、水門設備に適用された場合、水門の扉体が戸当たり金物に氷着することを防止し、道路に適用された場合、車道面や歩道面を融雪して凍結を防止し、鉄塔や橋梁に適用された場合、冠雪や着雪を防止する。
従来の加熱装置は、少なくとも一部がコンクリート内に埋設された被加熱部材と、被加熱部材に接触されたヒーターと、ヒーターと被加熱部材とを繋ぐように塗布(施工)された伝熱セメントとを備えており、ヒーターを覆ってコンクリートを打設することで、コンクリート構造物の内部に設置されていた(特許文献3の図18、図20参照)。この構成によれば、ヒーターの熱が、ヒーターと被加熱部材との接触部のみならず、伝熱セメントを介しても被加熱部材に伝えられるため、ヒーターから被加熱部材への熱伝達の効率を高めることができる。
特公昭57−60684号公報 特開2007−9594号公報 特開2009−256942号公報
しかし乍ら、ヒーターの被加熱部材に接触していない側の部分(ヒーターの被加熱部材とは反対側の部分)において生じた熱は、ヒーターが埋設されたコンクリートに拡散してしまい、被加熱部材を加熱するために用いられないという問題があった。すなわち、ヒーターを発熱させるために投入した電力(エネルギー)の内、被加熱部材を加熱するのに使用されるエネルギーの割合(加熱効率)が低く、改善の余地が残されている。現状では、ヒーターにおいて発生した熱量の40%程度が被加熱部材に伝導されず、周囲のコンクリートに拡散してしまっていた。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、ヒーターで発生した熱がコンクリートに拡散することを抑制でき、ヒーターの熱を効率的に被加熱部材に投入することができるコンクリート構造物の加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために創案された本発明は、少なくとも一部がコンクリートに埋設された被加熱部材と、被加熱部材に接してコンクリート内に配置されたヒーターと、ヒーターと被加熱部材とを繋ぐ伝熱セメントとを有するコンクリート構造物の加熱装置であって、ヒーターの被加熱部材に接していない部分に、ヒーターを被加熱部材と共同して囲むように設けられた断熱材と、断熱材の外側に打設されたコンクリートとを備えたことを特徴とする。
断熱材の外側に、断熱材を被加熱部材と共同して囲むようにして防水カバーを設け、防水カバーの外側に、コンクリートを打設してもよい。
断熱材が、繊維系断熱材であってもよい。
ヒーターが、被加熱部材に設置された管体と、管体に挿通された絶縁電線と、絶縁電線に接続された交流電源とを備え、交流電源によって絶縁電線に交流電流を通電することで管体に誘導電流を生じさせ、管体を発熱させるものであってもよい。
被加熱部材は、加熱が要求される本体部と、本体部に取り付けられた補強部とを有し、補強部に管体が配置され、少なくとも補強部の材質が磁性体であってもよい。
被加熱部材が、水門設備の凍結防止部に配設されてもよい。
本発明に係るコンクリート構造物の加熱装置によれば、ヒーターの被加熱部材に接していない部分に、ヒーターを被加熱部材と共同して囲むように断熱材を設けたので、ヒーターで発生した熱がコンクリートに拡散することを抑制でき、ヒーターの熱を効率的に被加熱部材に投入することができる。
本発明の第1実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置が備えられた水門設備(ローラーゲート)の側断面図である。 (a)は図1の要部を拡大した第1実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置の断面図、(b)は対比のための従来例に係るコンクリート構造物の加熱装置の断面図である。 図2(a)に示す第1実施形態に係る加熱装置を上下逆として斜めから見た斜視図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置が備えられた水門設備(ラジアルゲート)の側断面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。 図4(b)の要部を拡大した第2実施形態に係る加熱装置の断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置1を図1〜図3を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る加熱装置1が組み込まれた水門設備(ローラーゲート)を示し、図2(a)は図1の要部を拡大した第1実施形態の加熱装置1を示し、図2(b)は対比のための従来例の加熱装置1xを示し、図3は図2(a)に示す第1実施形態の加熱装置1を上下逆として斜めから見た様子を示す。
本実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置1は、水門設備の扉体8に設けられた止水シール81が押し付けられる戸当たり水密板(後述する被加熱部材3の本体部31)を加熱することで、その戸当たり水密板(本体部31)に止水シール81が氷着して扉体8が開閉不能となる事態を防止するものである。被加熱部材3は、止水シール81が押し付けられる本体部31の上面を除き、コンクリート2に埋設されている。なお、図1の4は被加熱部材3を加熱するヒーター、9は扉体8によって堰き止められた水、82は扉体8を吊り上げるワイヤである。
図2(a)に示すように、本実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置1は、図2(b)に示す従来例に係る加熱装置1xと同様に、少なくとも一部がコンクリート2に埋設された被加熱部材3と、被加熱部材3に接してコンクリート2内に配置されたヒーター4と、ヒーター4と被加熱部材3とを繋ぐ伝熱セメント5とを有する。更に、本実施形態に係る加熱装置1は、ヒーター4の被加熱部材3に接していない部分に、ヒーター4を被加熱部材3と共同して囲むようにして断熱材6を設け、断熱材6の外側に、断熱材6を被加熱部材3と共同して囲むようにして防水カバー7を設け、防水カバー7の外側にコンクリート2を打設して構成されている。
以下、第1実施形態に係る加熱装置1を構成要素毎に説明する。
(被加熱部材)
被加熱部材3は、加熱が要求される本体部(戸当たり水密板)31と、本体部31に取り付けられた補強部(戸当たり補強材)32とを備えている。本体部31は、例えば板厚10〜20mm程度の板状の部材からなり、補強部32は、本体部31と同様の板厚のH型鋼からなる。但し、補強部32の板厚は本体部31の板厚よりも厚くても薄くても構わない。補強部32を成すH型鋼は、鉛直なウェブ32aとその上下端に水平に設けられたフランジ32bとを有している。図2(a)において上方のフランジ32bの上面には本体部31が溶接等によって取り付けられ、そのフランジ32bの下面にはヒーター4が配設されている。
本体部31の材質には、防錆・コストを考慮して、ステンレス(例えばSUS304)が用いられている。ステンレスは非磁性体であるため、ヒーター(後述する鋼管発熱式ヒーター)4の絶縁電線42に交流電流を通電しても、本体部31に生起される誘導電流(渦電流)は小さく、本体部31での直接的な発熱量は小さい。本体部31を効率的に加熱するには、本体部31が接する補強部32のフランジ32bに誘導電流を生じさせてそれを発熱させ、その熱で本体部31を加熱する必要がある。このため、補強部32の材質には、誘導電流が生じ易い材質として、磁性体であるSS材(一般構造用圧延鋼材)、SM材(溶接構造用圧延鋼材)、SN材(建築構造用圧延鋼材)等の炭素鋼(例えばSS400)の他、コバルト、ニッケル等が用いられている。なお、本体部31に防錆要求がなければ、本体部31にも誘導電流が生じ易い磁性体(SS材等)を用いてもよい。
補強部32は本体部31を補強するものである。従って、本体部31のみで十分な強度を発揮できる場合、補強部32を省略してもよい。補強部32を省略した場合、本体部31の材質に誘導電流が生じ易い材質(SS材等の磁性体)を用い、本体部31に直接ヒーター4を装着する。
(ヒーター)
図2(a)、図3に示すように、ヒーター4は、被加熱部材3のフランジ32bに設置された管体41と、管体41に挿通された絶縁電線42と、絶縁電線42に接続された交流電源43とを備えている。かかるヒーター4によれば、交流電源43によって絶縁電線42に交流電流を通電することで管体41に誘導電流(薄電流)を生じさせ、管体41を発熱させることができる。斯様な管体発熱式のヒーター4においては、管体41に誘導電流を生起させる必要があるため、管体41の材質には、誘導電流が生じ易い材質として、磁性体(SGP、STK、STKN等の炭素鋼の他、コバルト、ニッケル等)が用いられている。本実施形態では、管体41に鋼管(SGP管:配管用炭素鋼管)が用いられている。
管体41は、図2(a)ではフランジ32bの片側に5本並設され、図3では4本並設されていて数が異なっているが、これは作図上の都合によるものであり、本数は何本でも構わず、1本でもよい。管体41に挿通される絶縁電線42は、図3に示すように、1本の絶縁電線42を複数の管体41に折り返すように挿通する直列式としてもよいが、並列式としてもよい。並列式とする場合、並設された各管体41に絶縁電線42をそれぞれ挿通し、それら絶縁電線42の両端部を纏め、交流電源43に接続する。交流電源43には、50Hz又は60Hzの商用周波数の交流電源を用いてもよいが、これに限られるものではない。
絶縁電線42は、コンクリート2に直接埋設されるのではなく、管体41に挿通されている。これにより、絶縁電線42は、水分や鋭利な突起等から防護される。加えて、絶縁電線42は、管体41に引き抜き可能に挿通されている。よって、絶縁電線42は、数年から数十年毎に行われるメンテナンス時に、絶縁電線42の端部を把持して牽引することで、管体41から引き抜かれる。
絶縁電線42には、耐熱絶縁電線(耐熱絶縁ケーブル)が用いられている。絶縁電線42に交流電流を通電した際、管体41が発熱するため、その熱によって絶縁電線42が熱損傷することを回避する必要があるからである。なお、絶縁電線42は、絶縁性を有しているため、交流電流を通電した際、その交流電流が絶縁電線42から管体41を介して被加熱部材3へ漏電することを防止できることは勿論である。
管体41には、図3に示すように、並設された管体41を架け渡すように配置された短絡板44が、管体41の長手方向に間隔を隔てて配設されている。短絡板44は、並設された各管体41を電気的に接続し、管体(鋼管)41の外周面に発生する交流磁界を相殺する機能を発揮する。これにより、誘導電流が管体41の外周面から漏電することを回避できる。また、短絡板44は、補強部(H型鋼)32のウェブ32aに溶接等によって固定されており、管体41を支持するサポート材としての機能も発揮する。
(伝熱セメント)
ヒーター4の管体41は、被加熱部材3を構成する補強部32のフランジ32bに接するように配置された状態で、溶接によってフランジ32bに仮止めされており、管体41と被加熱部材3との隙間には、伝熱セメント5が充填されている。伝熱セメント5は、粉末状の炭素、セラミック、珪酸ソーダ、カルシウムシリケイト等から構成されており、管体41と被加熱部材3とを繋ぐことで、誘導電流により発熱した管体41の熱を効率よく被加熱部材3に伝導する。
伝熱セメント5は、本実施形態では、図2(a)、図3に示すように、ヒーター4を構成する各管体41の全周を覆って各管体41が一塊りとなるように塊状に施工されているが、各管体41と被加熱部材3(補強部32のフランジ32b)とを繋ぐように、図2(a)において各管体41の上部のみに施工されてもよい。なお、溶接を省略し、管体41を伝熱セメント5によって被加熱部材3(補強部32のフランジ32b)に取り付けるようにしてもよい。
(断熱材)
ヒーター4は、断熱材6によって覆われている。詳しくは、断熱材6は、ヒーター4を構成する各管体41の被加熱部材3(補強部32のフランジ32b)に接していない部分に、各管体41を被加熱部材3と共同して囲むようにして設けられている。断熱材6は、ヒーター4で発生した熱がコンクリート2に拡散することを防止し、ヒーター4の熱を効率的に被加熱部材3に投入するために設けられる。
断熱材6には、ロックウールやグラスウール等の繊維系断熱材が用いられている。繊維系断熱材は、ポリウレタンフォームやポリスチレンフォーム等の発泡系断熱材と比べて廉価である上、変形性に優れており、発泡系断熱材のように二次加工する必要がなく、施工コストが安い。
断熱材(繊維系断熱材)6は、本実施形態では、図2(a)に示すように、各管体41の下面を覆う第1繊維系断熱材61と、幅方向外側の管体41の側面を覆う第2繊維系断熱材62とから構成されている。第1及び第2繊維系断熱材61、62には、夫々、マット状に成形されたロックウール又はグラスウール(以下ロックウール等)を複数積層したものが用いられている。
第1繊維系断熱材61は、マット状のロックウール等を図2(a)の上下方向に積層して成り、幅がウェブ32aから幅方向外側の管体41の径端までの寸法に成形されている。第2繊維系断熱材62は、マット状のロックウール等を図2(a)の左右方向に積層して成り、高さが本体部31から第1繊維系断熱材61の幅端までの寸法に成形されている。第1及び第2繊維系断熱材61、62は、それぞれ、接着剤等によって被加熱部材3や伝熱セメント5等に固定されてもよい。
(防水カバー)
断熱材6は防水カバー7によって覆われている。詳しくは、防水カバー7は、断熱材6(第1及び第2繊維系断熱材61、62)の外側に、断熱材6を被加熱部材3と共同して囲むようにして設けられている。防水カバー7は、その外側にコンクリート2を打設する際にコンクリート2の水分が断熱材(繊維系断熱材)6に進入することを防止し、断熱材6の空気層(繊維空気層)が浸水して断熱材6の性能が低下してしまうことを防止するために設けられる。
本実施形態では、防水カバー7は、主として第1繊維系断熱材61の下面を覆うように長方形の板状に形成された第1防水カバー71と、第2繊維系断熱材62の側面を覆うように長方形の板状に形成された第2防水カバー72とから構成されている。なお、第1及び第2防水カバー71、72を一体としたものを防水カバー7としてもよい。防水カバー7には、防錆を考慮してステンレス板(例えばSUS304製)を用いることが好ましいが、鋼板(例えばSS400製)でもよい。
図2(a)に示すように、第1防水カバー71の幅方向の一端は被加熱部材3のウェブ32aに溶接され、第2防水カバー72の上端は被加熱部材3の本体部31に溶接され、第2防水カバー72の下端は第1防水カバー71に溶接されている。これら第1及び第2防水カバー71、72は、被加熱部材3と共同して断熱材を水密に覆っている。よって、第1及び第2防水カバー71、72の外側にコンクリート2を打設した際、コンクリート2の水分が断熱材6(第1及び第2繊維系断熱材61、62)に進入することが防止される。なお、各防水カバー71、72の接続部(溶接部)等に、シリコン系やウレタン系等のシーリング剤やコーキング剤を塗布し、水密性を高めてもよい。
図3に示す防水カバー7の長手方向の端部には、内部の断熱材6を覆うように略L字状に形成された蓋(図示せず)が装着されており、外部のコンクリートの水分が端部から内部の断熱材6に進入しないようになっている。なお、蓋は、伝熱セメント5の部分をも覆うようにしてもよく、この場合、蓋の形状は、防水カバー7の端部にて断熱材6及び伝熱セメント5を覆う略長方形の板から、管体41の断面形状に相当する部分を切除した形状となる。
(コンクリート)
図1、図2(a)に示すように、防水カバー7の外側には、コンクリート2が打設されている。コンクリート2は、被加熱部材3の本体部(戸当たり水密板)31の上面(止水シール81の当たり面)を除き、被加熱部材3及び防水カバー7が埋設されるように打設される。コンクリート2には、伝熱セメント5のように特殊なものではなく、通常のもの(普通コンクリート)が用いられる。
(作用・効果)
本実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置1においては、図2(b)に示す従来例とは異なり、図2(a)に示すように、ヒーター4を構成する管体41の被加熱部材3に接していない部分に、管体41を被加熱部材3と共同して囲むように断熱材6を設けている。この断熱材6により、管体41で発生した熱がコンクリート2に拡散することを抑制でき、管体41で生じた熱(発熱量)を効率的に被加熱部材3に投入することができる。
また、断熱材6の外側に、断熱材6を被加熱部材3と共同して囲むように防水カバー7を設けたので、防水カバー7の外側にコンクリート2を打設する際、コンクリート2の水分が断熱材6に進入することを防止でき、断熱材6の空気層が浸水して断熱材6の性能が低下してしまうことを防止できる。殊に、本実施形態のように断熱材6に繊維系断熱材(廉価で変形性に優れている)を用いた場合、打設されるコンクリート2の水分が断熱材6の繊維空気層に進入すると、断熱材6の性能が極端に低下してしまうが、防水カバー7がコンクリート2の水分の断熱材(繊維系断熱材)6への進入を防止することで、断熱材6の性能低下を防止できる。
なお、防水カバー7は、ヒーター4からコンクリート側に輻射(放射)される熱(電磁波)を被加熱部材3(本体31)側に反射する熱反射材としても機能し得る。このため、防水カバー7の内面を白色や銀色等として熱反射率を高めてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の加熱装置11を図4、図5を用いて説明する。図4(a)は第2実施形態に係る加熱装置11が組み込まれた水門設備(ラジアルゲート)の側断面図であり、図4(b)は図4(a)のb−b線断面図であり、図5は図4(b)の要部を拡大した第2実施形態に係る加熱装置11の断面図である。
本実施形態に係る加熱装置11は、図1〜図3を用いて説明した第1実施形態に係る加熱装置1と基本的な構成要素は同一であり、組み込まれる水門設備の扉体開閉方式が異なる点が第1実施形態と相違する。よって、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の加熱装置11が組み込まれる水門設備は、河川等の底部に間隔を隔てて立設されたコンクリート製のポスト91と、各ポスト91に回動可能に取り付けられたアーム92と、隣り合うポスト91のアーム92同士を架け渡して設けられた扉体93とを備えており、アーム92を図示しないジャッキ等のアクチュエータで回動軸94回りに回動させることで、扉体93を昇降させて開閉するものである。なお、図4の矢印95は水流の方向を示す。
ポスト91には、扉体93の幅方向の端部が嵌り込む段差部96が形成されており、段差部96内のコンクリート2には、加熱装置11が埋設されている。加熱装置11は、冬季や厳冬期に、扉体93の幅方向端部が対向する段差部96を加熱することで、扉体93が段差部96に氷着して開閉不能となる事態を防止する。なお、この第2実施形態に係る加熱装置11の構成及び作用効果は、第1実施形態と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
例えば、ヒーター4は、鋼管発熱式ヒーターに限られず、温水・温風・温油・不凍液循環式ヒーターや電気加熱式ヒーター等でもよい。また、本発明に係る加熱装置1をコンクリート製の道路に適用し、車道面や歩道面を融雪して凍結を防止する場合には、車道面や歩道面の下方のコンクリートに、被加熱部材3の全てが埋設される。
本発明は、少なくとも一部がコンクリートに埋設された被加熱部材と、被加熱部材に接してコンクリート内に配置されたヒーターと、ヒーターと被加熱部材とを繋ぐ伝熱セメントとを有するコンクリート構造物の加熱装置に利用できる。
1 コンクリート構造物の加熱装置
11 コンクリート構造物の加熱装置
2 コンクリート
3 被加熱部材
31 本体部
32 補強部
4 ヒーター
41 管体
42 絶縁電線
43 交流電源
5 伝熱セメント
6 断熱材
7 防水カバー

Claims (6)

  1. 少なくとも一部がコンクリートに埋設された被加熱部材と、該被加熱部材に接して前記コンクリート内に配置されたヒーターと、該ヒーターと前記被加熱部材とを繋ぐ伝熱セメントとを有するコンクリート構造物の加熱装置であって、
    前記ヒーターの前記被加熱部材に接していない部分に、前記ヒーターを前記被加熱部材と共同して囲むように設けられた断熱材と、
    該断熱材の外側に打設されたコンクリートと
    を備えたことを特徴とするコンクリート構造物の加熱装置。
  2. 前記断熱材の外側に、前記断熱材を前記被加熱部材と共同して囲むようにして防水カバーを設け、該防水カバーの外側に、前記コンクリートを打設した請求項1に記載のコンクリート構造物の加熱装置。
  3. 前記断熱材が、繊維系断熱材である請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の加熱装置。
  4. 前記ヒーターが、前記被加熱部材に設置された管体と、該管体に挿通された絶縁電線と、該絶縁電線に接続された交流電源とを備え、該交流電源によって前記絶縁電線に交流電流を通電することで前記管体に誘導電流を生じさせ、前記管体を発熱させるものである請求項1から3の何れか1項に記載のコンクリート構造物の加熱装置。
  5. 前記被加熱部材は、加熱が要求される本体部と、該本体部に取り付けられた補強部とを有し、該補強部に前記管体が配置され、少なくとも前記補強部の材質が磁性体である請求項4に記載のコンクリート構造物の加熱装置。
  6. 前記被加熱部材が、水門設備の凍結防止部に配設された請求項1から5の何れか1項に記載のコンクリート構造物の加熱装置。
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