JP2013060773A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】天井裏空間に電気機器が収納された構成において、作業者が電気機器に関する各種作業を好適に行うことができる建物を提供する。
【解決手段】建物10は居室空間11と非居室空間12とを有しており、それら空間11,12は互いに隣接している。非居室空間12は、その天井部に下がり天井が形成された低天井空間部とされており、低天井空間部の上方には下がり天井の天井面に沿う方向に延びる天井裏空間17が形成されている。建物10においては、HEMS本体28及び拡張ユニット27を有するHEMSが構築されており、拡張ユニット27は天井裏空間17に設置されている。天井裏空間17の側方を含む側面部の一部は、居室空間11に対面する対面部となっており、その対面部には、天井裏空間17に通じる作業用の開口部18が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、下がり天井を有する建物に関するものである。
住宅等の建物において、屋内空間に下がり天井を設け、その下がり天井の上方に形成された天井裏空間に空調設備を設置する技術が提案されている。例えば特許文献1の空調システムでは、天井裏空間にビルトイン型の空調ユニットを配設するとともに、下がり天井の垂直板部に吹出グリルを設ける構成としており、その吹出グリルから居室内に空調エアが吹き出されるようになっている。また、下がり天井の水平板部に、点検口を兼ねた吸込グリルが設けられており、吸込グリルを介して天井裏空間に頭や上半身を入れた状態で点検作業者が各種の点検作業を実施する構成となっていた。
特許第4426257号公報
しかしながら、下がり天井の水平板部に設けられた開口部を点検口として使用する構成では、点検口の上方に設備機器や配管等が存在する場合や天井裏空間の有効高さ寸法が小さい場合、作業者は頭や上半身を天井裏空間に入れ込むことができず、作業者は下から見上げた状態で作業を行うことになる。特に、脚立等に登って作業をしている場合にはバランスをさらに崩しやすくなり、安全性を確保しにくい状況になってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天井裏空間に電気機器が収納された構成において、作業者が電気機器に関する各種作業を好適に行うことができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の建物は、複数の屋内空間を備え、そのうち第1屋内空間と第2屋内空間とが互いに隣接して設けられ、少なくとも前記第1屋内空間が居室空間である建物であって、前記第2屋内空間は、その天井部の少なくとも一部が下がり天井である低天井空間部となっており、前記低天井空間部の上方には、前記下がり天井の天井面に沿う方向に延びる天井裏空間が形成されており、前記天井裏空間には、建物内又は建物周辺に設けられている設備機器に電気配線を介して接続された電気機器が設けられており、前記天井裏空間の側方を囲む側面部の一部が前記第1屋内空間に対面する対面部となっており、その対面部には前記天井裏空間に通じる作業用の開口部が設けられている。
第1の発明によれば、第2屋内空間に下がり天井が設けられており、その上方に天井裏空間が形成されているため、その天井裏空間を電気機器の設置スペースとして利用できる。また、居室空間である第1屋内空間からは、側面部に設けられた作業用の開口部を通じて、天井裏空間内の電気機器に対するメンテナンス作業や電気配線の敷設作業など各種作業を行うことができる。この場合、下がり天井の天井面に作業用の開口部が設けられている構成とは異なり、作業者は、頭や上半身を天井裏空間に入り込ませずに頭や上半身を第1屋内空間に存在させたまま作業を行うことができ、それにより、下から見上げた姿勢ではなく目線を側方に向けた姿勢で各種作業を行うことができる。したがって、作業に際しての安全性を確保しやすい。
しかも、天井裏空間は開口部により第2屋内空間ではなく第1屋内空間に通じているため、第2屋内空間がどのような環境であろうとも、電気機器や電気配線が開口部を通じて第2屋内空間の環境に影響されることがない。例えば、第2屋内空間が浴室とされている場合でも、浴室の湿気が開口部を通じては天井裏空間に浸入せず、電気機器にとって好適な動作環境を保持できる。
以上により、天井裏空間に電気機器が収納された構成において、作業者が電気機器に関する各種作業を好適に行うことができる。
第2の発明では、前記設備機器の運転状態を監視する監視装置を備え、前記電気機器は、前記設備機器に接続される第1端子と、前記監視装置に接続される第2端子とを有し、これら各端子に接続された電気配線を介して前記設備機器と前記監視装置との電気的な接続を中継する中継機器である。
第2の発明によれば、中継機器が天井裏空間に設置されているため、作業者は中継機器に電気配線を接続する作業を楽な姿勢で行うことができる。しかも、中継機器は建物内において目立たない位置に存在することになるため、中継機器によって建物内の見栄えが低下するということを回避できる。ここで、中継機器の設置作業が完了した後は、中継機器に対してメンテナンス作業などを行う頻度が、建物内又は建物周辺に設けられている設備機器に比べて低いと考えられるため、中継機器の設置場所が天井裏空間という高い位置になっても支障が生じにくい。
なお、前記開口部には、開閉可能な扉体が設けられていることが好ましい。この場合、作業者は扉体を開放させることにより天井裏空間に対する各種作業を行うことが可能となる。しかも、通常は扉体を閉鎖しておくことにより、天井裏空間が第1屋内空間側に露出して見栄えが低下することや、第1屋内空間から天井裏空間に埃やゴミが入り込むことを回避できる。
第3の発明では、前記設備機器は、建物で用いられるエネルギについて生成及び蓄積の少なくとも一方を行うエネルギ機器を含み、前記監視装置は、前記エネルギ機器でのエネルギ生成状況又はエネルギ蓄積状況を監視するものであり、前記中継機器は、前記エネルギ機器及び前記監視装置を含んで構築されたエネルギ管理システムの拡張を可能とする拡張機能を有している。
既存の建物においては、太陽光発電装置やコジェネ機器などのエネルギ機器を増設するというエネルギ管理システムの拡張工事が行われる可能性がある。この点、第3の発明によれば、中継機器が拡張機能を有しているため、増設されたエネルギ機器を電気配線により中継機器に接続するという容易な作業により、そのエネルギ機器をエネルギ管理システムに導入することが可能となる。
なお、システム拡張に伴うシステムの設定変更作業が監視装置に対して行われる構成であることが好ましい。この場合、設定変更作業を中継機器に対して行う必要がないため、中継機器に対する作業頻度が高くなることを回避できる。
第4の発明では、前記電気配線は、挿通管に挿通されることで敷設されており、前記挿通管は、前記設備機器と前記電気機器との間において前記電気配線が敷設される敷設経路のうち少なくとも前記天井裏空間において前記電気配線を案内するものであり、前記挿通管の開放端が前記天井裏空間に設けられている。
第4の発明によれば、電気配線は、天井裏空間において挿通管の開放端から挿入されることにより設備機器に向けて案内される。このため、作業者は電気配線の敷設作業を天井裏空間において容易に行うことができる。
第5の発明では、前記天井裏空間において、前記電気機器は前記開口部寄りに設けられ、前記挿通管の前記開放端は前記電気機器を挟んで前記開口部とは反対側に設けられている。
第5の発明によれば、作業者が開口部から電気機器に対して作業を行う場合に、挿通管に挿通された電気配線が支障となることを抑制できる。
第6の発明では、前記対面部として、第1対面部と、該第1対面部と交差する方向に延びる第2対面部とが設けられており、前記開口部は、前記第1対面部及び第2対面部のそれぞれに設けられている。
第6の発明によれば、作業者は第1対面部及び第2対面部の各開口部から作業を行うことができるため、1つの開口部から作業を行う場合に比べて、作業可能な範囲を拡大することができる。これにより、例えば第1対面部に対して手前側に電気機器が配置され、奥側に挿通管が配置されている場合に、電気機器に対する作業を第1対面部の開口部から行い、挿通管や電気配線に対する作業を第2対面部の開口部から行うことが可能となる。
第7の発明では、前記第1屋内空間及び前記第2屋内空間のそれぞれの上方には、天井躯体に支持された状態で第1天井面材が設けられており、前記第2屋内空間の上方には、前記第1天井面材の下方に第2天井面材が設けられ、前記第1天井面材と前記第2天井面材との間に前記天井裏空間が形成されている。
第7の発明によれば、第1天井面材よりも上方の空間を上側空間と称すると、第2屋内空間の上方においては、上側空間と天井裏空間とが第1天井面材により上下に仕切られている。ここで、上側空間は屋根裏空間又は床下空間となっており、下がり天井の天井裏空間に比べて体積が大きいと想定される。したがって、下がり天井の天井裏空間は第1天井面材により上側空間から区画されていることで、埃やゴミの少ない環境に保持しやすい空間となっている。これにより、作業者が開口部から天井裏空間に対して作業を行う際に、埃やゴミが作業者にかかることや、開口部を通じて第1屋内空間に埃やゴミが放出されることなどを抑制できる。この結果、天井裏空間に対する作業が行われても、第1屋内空間の衛生性を適正に保つことができる。
なお、天井面材の上面側に天井断熱材が設けられていることが好ましい。この場合、作業用の開口部が天井断熱材の下方に存在するため、上側空間と第1屋内空間との熱伝導が作業用の開口部を通じて発生することを回避できる。つまり、第1屋内空間の断熱性が開口部により低下することを回避できる。
第8の発明では、前記下がり天井は、独立して運搬可能な下がり天井構成体が前記第2屋内空間の上方において前記天井面材の下側において前記天井躯体に取り付けられることで形成されたものである。
第8の発明によれば、ユニット化された下がり天井構成体を取り付けるという容易な作業により第2屋内空間において下がり天井を形成できる。このため、下がり天井がない既設の建物についても、下がり天井及びその天井裏空間を容易に構築することができる。
第9の発明では、前記第2屋内空間は、水回り設備が設置された水回り空間であり、前記下がり天井の天井面は、防湿性を有する材料により形成されている。
第9の発明によれば、下がり天井が第2屋内空間の湿気を吸い込まないようになっている。しかも、作業用の開口部は第1屋内空間に通じているため、第2屋内空間の湿気が開口部を通じて天井裏空間に入り込むことがないようになっている。以上により、天井裏空間を、少なくとも湿気に関しての環境を電気機器にとって好適な動作な状態に保持でき、その結果、天井裏空間に湿気が溜まって電気機器や電気配線に漏電が発生することなどを回避できる。
第10の発明では、前記天井裏空間から前記開口部を通じて前記第1屋内空間に向けて引き出し可能な引き出し部材が、前記下がり天井の上側に設けられており、前記電気機器は、前記引き出し部材に対して設置されている。
第10の発明によれば、支持部材を第1屋内空間に向けて引き出すことで電気機器を第1屋内空間に移動させることができる。この場合、作業スペースが天井裏空間だけに制限されないため、電気機器や電気配線に関する作業の作業効率や作業容易性を高めることができる。
建物の概要を示す図。 下がり天井構成体及びその周辺の構成を示す斜視図。 間仕切壁の構成を示す正面図。 HEMSの電気的な構成を示すブロック図。 天井裏空間における機器類の設置レイアウト示す平面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される建物についてその概要を示す図面である。本実施形態の建物は、建物におけるエネルギ管理を支援するためのホームエネルギ管理システム(いわゆるHEMS)が採用されるものとなっている。なお本実施形態では、平屋建ての住宅について例示を行うが、本発明が適用される建物はそれに限定されるものではなく、例えば二階建て住宅や、それよりも多層の多層住宅にも適用可能である。また、本実施形態では、鉄骨軸組工法の建物を例示するが、これに限らず在来木造工法の建物であってもよい。
図1に示すように、建物10は複数の屋内空間を有しており、具体的には、複数の屋内空間として互いに隣接して設けられた居室空間11と非居室空間12とを有している。これら両空間11,12の間には間仕切壁14が設けられている。居室空間11は例えばリビング、書斎、寝室等のいずれかであり、非居室空間12は例えば洗面室、浴室、トイレ等のいずれかである。非居室空間12には、洗面台や浴槽、便器などの水回り設備が設けられており、この場合、非居室空間12は水回り空間となっている。なお、居室空間11が第1屋内空間に相当し、非居室空間12が第2屋内空間に相当する。
居室空間11の天井部には第1天井面材としての天井面材15が設けられている。天井面材15は、例えば石膏ボードよりなり、建物10の天井躯体(構造躯体である図示しない天井大梁、又はその天井大梁に固定された天井小梁)に対して固定されている。天井面材15は、居室空間11の上方に設けられるだけでなく、非居室空間12の上方にも同様に設けられている。天井面材15の上方には上側空間13が形成されている。上側空間13は、天井躯体の上側に存在しており、居室空間11及び非居室空間12の上方においてそれら空間11,12に跨った状態となっている。平屋建ての建物10において上側空間13は屋根の下方に存在しており、屋根裏空間に相当する。なお、複数階建ての建物において居室空間11及び非居室空間12が下階部(例えば一階部分)に形成されている場合、上側空間13は上階部(例えば二階部分)の床下空間に相当する。
また、非居室空間12の天井部には下がり天井が形成されている。すなわち、天井面材15よりも低い位置に天井面材15に対向するようにして第2天井面材としての天井面材16が設けられており、これにより非居室空間12が低天井空間部となっている。天井面材16は、天井面材15と同様、石膏ボードよりなり、その下面には防湿性が付与されている。例えば、天井面材16の下面は、防水塗料が塗布されて形成された防水層や防水シートにより形成されている。なお、天井面材16は、防水性を有する合成樹脂材料などにより形成された防水パネル(防湿パネル)とされていてもよい。
天井面材16は、天井面材15の下面側に取り付けられる下がり天井フレーム41に対して固定されるものであるが、その詳細については後述する。なお、図示の構成では、非居室空間12の天井部においてその天井部全体に下がり天井が形成されているが、かかる構成ではなく、天井部の一部に下がり天井が形成される構成であってもよい。ただしこの場合、下がり天井は間仕切壁14に寄せて、すなわち居室空間11側に設けられる。
非居室空間12の上方において上下の両天井面材15,16の間の空間は、下がり天井の天井面に沿う方向に延びる扁平な天井裏空間17となっており、その天井裏空間17は、電気機器類を収容する機器収容部となっている。天井裏空間17の高さ方向の寸法は例えば20〜30cm程度である。非居室空間12の上方においては、上側空間13と天井裏空間17とが天井面材16により上下に仕切られており、その天井面材16が天井裏空間17を上方から覆う状態となっている。
天井裏空間17の側方を囲む側面部の一部は居室空間11に対面する対面部となっており、その対面部には、天井裏空間17に通じる機器メンテナンス用の開口部18が設けられるとともに、開口部18を開閉する扉体19が設けられている。
扉体19は金属材料や合成樹脂材料、木材料により板状に形成されており、透明性及び通気性を有していない。つまり、扉体19を通じては居室空間11から天井裏空間17が見えないように、且つ扉体19を通じては居室空間11と天井裏空間17との間で通気が行われないようになっている。扉体19については、開口部18を閉じた状態と開いた状態とに切り替えられれば任意な構成をとり得るが、本実施形態では、開口上端部に回動軸を有する回動式(開き戸式)となっている。開口上端部に回動軸を設ける以外に、開口下端部に回動軸を設ける構成であってもよい。その他、引き戸式の扉体であってもよい。
居室空間11の天井面には照明器具が取り付けられている。このため、扉体19が開口部18を開いた状態にある場合、照明器具が開口部18を通じて天井裏空間17の内部を照らすことになる。
ここで、本実施形態の建物10ではHEMSを採用しており、そのHEMSに関する住宅設備機器として、例えば、屋根上に設置される太陽光発電機器(PVユニット)21や、発電用のコジェネ機器22、プラグイン型ハイブリッド自動車(PHV)や電気自動車(EV)といった車両Cに搭載された車載バッテリBTを充電する充電機器23、HA(ホームオートメーション)機能を有するHA対応機器24が設けられている。
これらの各機器については各々周知であるが、それらを簡単に説明すると、太陽光発電機器21は、太陽光発電モジュールを備え、太陽光を電気エネルギに変換することで発電を行うものである。コジェネ機器22は、ガスタービンやディーゼルエンジン等の動力源とこの動力源の駆動に伴い発電を行う発電機とを有し、発電機により電気エネルギを生成するのと同時に、エンジン排熱から熱エネルギを取り出すものであり、この熱エネルギが給湯や空調に利用される。充電機器23は、例えば建物周囲の駐車場などに充電スタンドとして設けられ、充電ケーブルにより車両Cに接続された状態で、建物側からの供給電力(例えば商用電力)により車載バッテリBTの充電を行う。なお、充電機器23を介して、車載バッテリBTに蓄積されている電力を建物側で利用できるようにすることも可能となっている。
これら住宅設備機器のうち、太陽光発電機器21及びコジェネ機器22は電気エネルギを生成及び供給するエネルギ機器に相当し、充電機器23は電気エネルギを蓄積及び供給するエネルギ機器に相当する。ここで、HEMS本体28は、制御機能に加えて、太陽光発電機器21及びコジェネ機器22でのエネルギ生成状況を監視するとともに、充電機器23でのエネルギ蓄積状況を監視する監視機能を有しており、エネルギ機器等の設備機器の運転状態を監視する監視装置に相当する。
また、HA対応機器24は、例えば空調装置(エアコン)や床暖房機器、電気錠機器、照明機器等であり、日本電気工業会規格に適合するHA端子(JEM−A端子)を利用して、遠隔操作や運転状態の監視がなされるものとなっている。
HEMSは、そのシステム全体を統括管理する制御装置としてのHEMS本体28と、HEMSの拡張機能を有する拡張ユニット27とを含んで構成されている。HEMS本体28は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成されており、屋内空間の所定位置、例えば居室空間11の内壁面に取り付けられている。拡張ユニット27は、分電盤26とともに天井裏空間17に設けられている。拡張ユニット27及び分電盤26は、上記の太陽光発電機器21や、コジェネ機器22、充電機器23、HA対応機器24といった各設備機器に電気的に接続されており、HEMS本体28は分電盤26及び拡張ユニット27に電気的に接続されている。この場合、拡張ユニット27が電気機器に相当する。
次に、天井裏空間17を形成するための下がり天井構成体40について図2に基づいて説明する。図2は、下がり天井構成体40及びその周辺の構成を示す斜視図であり、(a)が下がり天井構成体40の全体を示し、(b)が下がり天井構成体40のフレーム(下がり天井フレーム41)を示している。
図2に示すように、天井部には、複数の天井小梁31が所定の間隔をおいて互いに平行に設けられている。天井小梁31は、例えばC形鋼(リップ付溝形鋼)からなる。これら各天井小梁31の下面に、天井小梁31に直交する向きで複数の野縁32が所定の間隔で設けられるとともに、各野縁32の下面に天井面材15がビス等で固定されている。天井面材15の上面側には、グラスウール等の繊維系断熱材からなる天井断熱材33が設けられている。天井断熱材33は、天井面材15に加えて天井小梁31及び野縁32を上方から覆う状態で天井面材15の上面に沿って延びるように配置されている。そして、天井面材15の下面に、薄形の略直方体状をなす下がり天井構成体40が取り付けられている。
下がり天井構成体40は、独立して運搬可能な構成とされている。具体的には、木製の角材からなる複数のフレーム材41aが直方体の枠状に連結されてなる下がり天井フレーム41と、下がり天井フレーム41の側面に取り付けられた側面パネル42と、下がり天井フレーム41の底面(下面)に取り付けられた底面パネル43とを備えて構成されている。側面パネル42は、フレーム側方の四方のうち、居室空間11側となる側方を除く三方に設けられている。ここで、下がり天井構成体40は、上面と側方一面とが開放された直方体状に形成されており、こうして直方体状に組まれた状態で、天井部の一部として先に固定されている天井面材15に対して組み付けられるようになっている。この場合、天井面材15に対して固定される固定金具(固定部材)により、下がり天井構成体40が天井面材15に対して固定されている。ただし、下がり天井構成体40の固定方法はこれに限らず、天井面材15の上方からビス等の固定具を打ち込むことで、下がり天井構成体40を天井面材15(より詳しくは、天井小梁31や野縁32)に対して固定する手法を用いてもよい。
下がり天井構成体40の内部には、側方開放部から外側に向けて引き出し可能な引き出し部材としての引き出し板55が設けられている。引き出し板55は、底面パネル43の上面に沿って延びるように設置されており、その底面パネル43の上面と平行に移動可能となっている。引き出し板55は、金属材料や合成樹脂材料、木材などによりパネル状に形成されており、下がり天井構成体40の側方開放部を通過可能な大きさ及び形状とされている。具体的には、側方開放部の幅方向において、引き出し板55は底面パネル43よりも幅寸法が小さくされており、ほぼ中央位置に設けられている。なお、引き出し板55は底面パネル43と幅寸法がほぼ同じ大きさとされていてもよい。
非居室空間12において天井面材15の下面側に下がり天井構成体40が取り付けられた状態では、その下がり天井構成体40により非居室空間12が低天井空間部となり、下がり天井構成体40の底面パネル43により非居室空間12の天井面が形成されることとなる。つまりこの場合、底面パネル43が天井面材16に相当する。また、引き出し板55は、下がり天井構成体が取り付けられた状態で、引き出される際に下がり天井構成体40の側方開放部の下部を通過する位置に設置されている。
次いで、居室空間11と非居室空間12との間に設けられる間仕切壁14について説明する。図3は、間仕切壁14の構成を示す正面図である。
図3に示すように、間仕切壁14は、対向配置された一対の壁面材45,46と、それら各壁面材45,46の間に設けられた下地フレーム47とを備える。壁面材45,46は石膏ボードにより構成されている。下地フレーム47は、木製の角材からなる複数のフレーム材47aが矩形枠状に連結されることにより構成されている。下地フレーム47は、上下方向寸法が居室空間11の天井高さ(すなわち居室空間11における床面から天井面までの上下高さ)とほぼ同じとなっている。
また、間仕切壁14において非居室空間12側の下がり天井構成体40に対向する部位は開口となっており、それが開口部18となっている。この開口部18は、壁面材45,46の一部を切除して設けられている。そして、その開口部18に、開閉可能な状態で扉体19が設けられている。したがって、建物10において間仕切壁14を設置した状態では、開口部18を通じて天井裏空間17へのアクセスが可能となっている。開口部18の横幅は、例えば下がり天井構成体40における同方向の横幅と略同じであるが、これを変更し、下がり天井構成体40における同方向の横幅よりも幅狭であってもよい。また、開口部18を複数に分割して設け、それぞれに扉体19を設ける構成でもよい。
次に、HEMSの電気的構成についてより詳しく説明する。図4は、HEMSの電気的な構成を示すブロック図である。
図4において、分電盤26は、主回路を構成する電流制限器や、主回路に接続された複数の遮断器などが配置されたものであり、主回路の電源側(上流側)には複数の電力供給源が接続されている。すなわち、分電盤26には電力入力部26aが設けられており、その電力入力部26aには、商用電力の引き込み線、太陽光発電機器21及びコジェネ機器22が電気配線としての電力線51を介して接続され、送電線を介して供給される商用電力と、太陽光発電機器21から供給される太陽光発電電力と、コジェネ機器22から供給されるコジェネ発電電力とがそれぞれ入力される。なお、電力入力部26aには、上記以外の電力供給源からも電力供給が可能となるように、換言すれば本建物10において電力供給源の増設が可能となるように、余剰の電力入力端子が設けられている。
分電盤26において遮断器の下流側には複数の電力供給先が接続されている。すなわち、分電盤26には電力出力部26bが設けられており、その電力出力部26bには、充電機器23、HA対応機器24、HEMS本体28が電力線51を介して接続されている。この場合、電力出力部26bからこれら充電機器23、HA対応機器24、HEMS本体28に電力が供給される。なお、電力出力部26bには、充電機器23やHA対応機器24、HEMS本体28以外の電力供給先への電力供給が可能となるように、換言すれば本建物10において電力供給先の増設が可能となるように、余剰の電力出力端子が設けられている。また、分電盤26には、建物10内に設けられた複数の分岐回路が接続され、分電盤26はそれら分岐回路に対しても電力を供給している。ちなみに、それら分岐回路は電力出力部26bに接続されていてもよい。
分電盤26は計測ユニット29を有しており、この計測ユニット29にはガスメータや流量センサが電気配線としての通信線52を介して接続され、ガスメータにより計測されたガス使用量や、流量センサにより計測された水道使用量の情報が入力される。また、計測ユニット29は、電力出力部26bを通じて供給された電力使用量を計測する計測部を有している。つまり、計測ユニット29は、充電機器23、HA対応機器24、HEMS本体28にて使用された電力量を計測することが可能となっている。さらに、計測ユニット29は、通信線52を介してHEMS本体28と接続されており、ガス使用量や水道使用量、電力使用量などの情報を検出信号としてHEMS本体28に対して出力する。
HEMS本体28には、拡張ユニット27を介して充電機器23及びHA対応機器24が接続されている。具体的には、拡張ユニット27及びHEMS本体28には、通信線52が接続される通信用端子27a,28aが設けられており、それら通信用端子27a,28aに通信線52が接続されることにより、拡張ユニット27が充電機器23、HA対応機器24及びHEMS本体28に電気的に接続されている。同様に、通信用端子27a,28aに通信線52が接続されることにより、拡張ユニット27及びHEMS本体28に情報コンセントが電気的に接続されている。なお、拡張ユニット27の通信用端子27aのうち充電機器23といった設備機器に接続可能な端子が第1端子に相当し、HEMS本体28といった監視装置に接続可能な端子が第2端子に相当する。
情報コンセントは情報通信機器のコネクタを差し込み可能な差込口であり、差込口にコネクタを差し込むことで情報通信機器をHEMSに接続することが可能となっている。なお、充電機器23及びHA対応機器24も、情報コンセントを介して拡張ユニット27に接続されていてもよい。
ここで、HEMS本体28は、上述したようにHEMS全体を統括管理する制御装置であり、例えばHEMSの設定変更機能を有する設置変更装置(例えばパソコン等)を、例えば通信線52を通信用端子28aに接続することでHEMS本体28に電気的に接続し、HEMSの設定変更作業や状態確認作業などをメンテナンス作業として行うことが可能となる。このため、HEMS本体28は、メンテナンス作業を行う頻度が比較的高いと考えられ、作業者が容易に触ることができる位置(例えば居室空間11の内壁面)に取り付けられている。
一方、拡張ユニット27は、HEMS本体28における通信用端子28aの数の不足や通信線52の長さ寸法の不足などを補うために設けられ、さらに、設備機器としての充電機器23などと監視装置としてのHEMS本体28との電気的な接続を中継する中継機器である。また、拡張ユニット27は、メンテナンス作業の頻度はHEMS本体28に比べて少なく、メンテナンス以外では触れる可能性が低い。したがって、開口部18が設けられた天井裏空間17は、拡張ユニット27を目立たないように設置したいがメンテナンスも必要といった条件を満たす設置スペースとして好適である。また、拡張ユニット27は記憶部を有しており、その記憶部は、HEMSの拡張などに伴ってHEMS本体28の記憶容量が不足した場合に、HEMSに関する情報の一部を記憶することが可能となっている。なお、HEMSの拡張としては、コジェネ機器22などのエネルギ機器が新たに導入されることなどが挙げられる。
なお、拡張ユニット27は、通信線52を介して充電機器23等の設備機器に接続された通信に関する中継機器である一方で、分電盤26は、電力線51を介してコジェネ機器22等の設備機器に接続された給電に関する中継機器である。
次に、天井裏空間17における分電盤26や拡張ユニット27の設置についてその詳細を説明する。図5は、天井裏空間17における機器類の設置レイアウト示す平面図である。
図5に示すように、天井裏空間17において引き出し板55の上面は、分電盤26及び拡張ユニット27が設置された設置面となっている。天井裏空間17には、引き出し板55の移動方向に沿って延びるように引き出しレール56が設けられており、引き出し板55は引き出しレール56に沿って移動する。引き出し板55は、開口部18を挿通可能な大きさ及び形状とされており、扉体19が開放状態にある場合に、居室空間11に向けて引き出された引き出し位置に移動可能となる。引き出し板55が引き出された場合、分電盤26及び拡張ユニット27は引き出し板55とともに居室空間11に向けて引き出されることになる。
天井裏空間17には、電力線51又は通信線52を挿通可能な挿通管としての電気配管61の一端が設けられている。電気配管61は、合成樹脂製や金属製のフレキシブル配管、ゴム製のチューブなどの可撓管であり、両端部がそれぞれ開放端とされている。電気配管61は、拡張ユニット27等の電気機器と充電機器23等の設備機器との間において電力線51や通信線52が敷設される敷設経路の少なくとも一部を形成しており、天井裏空間17に設けられていない方の端部は、充電機器23やHEMS本体28の周辺に配置されている。
電気配管61は、天井裏空間17に加えて上側空間13や、間仕切壁14の内部空間、外壁の内部空間、非居室空間12の床下空間、屋外空間などに延びるように配置されている。下がり天井構成体40における開口部18とは反対側の側面パネル42や、天井面材15における天井裏空間17の上方部分などには、電気配管61を挿通させるための挿通孔(図示略)が設けられており、電気配管61はその挿通孔から上側空間13や間仕切壁14内部を通じてエネルギ機器等の設備機器の設置場所に向けて延びている。
天井裏空間17において電気配管61の開放端に電力線51や通信線52が挿入された場合、それら電力線51や通信線52は、HEMS本体28や情報コンセントなどの周辺に案内される。例えば、HEMS本体28と拡張ユニット27とを接続する通信線52が挿通されている電気配管61については、一端が天井裏空間17に配置され、他端がHEMS本体28の周辺に配置されており、天井裏空間17側の端部から挿入された通信線52はHEMS本体28の周辺まで案内される。
天井裏空間17には、複数の電気配管61の端部が配置されており、電力線51や通信線52はそれら電気配管61のいずれかに挿通されている。複数の電気配管61には、電力線51及び通信線52のいずれも挿通されていない予備配管(空配管)が含まれており、電力線51や通信線52の増設に際しては、それら電力線51や通信線52が電気配管61のうち予備配管に挿通される。
天井裏空間17においては、開口部18寄りに拡張ユニット27及び分電盤26が配置され、それら拡張ユニット27及び分電盤26と挟んで開口部18とは反対側(奥側)に電気配管61の端部が配置されている。これにより、拡張ユニット27や分電盤26を引き出し板55ごと居室空間11に向けて引き出す場合に、電気配管61や通信線52、電力線51などが拡張ユニット27や分電盤26に接触して引き出し作業の支障となることを回避できる。
引き出し板55の上面には、分電盤26及び拡張ユニット27が設置された位置とは異なる位置に、新規の拡張ユニット27を設置可能な増設スペースSが確保されている。このため、HEMS本体28の機能をさらに拡張させる場合に、新規の拡張ユニット27を天井裏空間17に設置することが可能となる。なお、新規の拡張ユニット27が増設された場合、その拡張ユニット27に接続される通信線52は電気配管61のうち予備配管に挿通させて敷設することが好ましい。
ここで、作業者が天井裏空間17の拡張ユニット27に関する各種作業を行う場合の手順について簡単に説明する。
作業者は、居室空間11の床面に脚立や椅子等の足場を設置するとともにその足場に乗り、その状態で開口部18の扉体19を開放させる。そして、引き出し板55を居室空間11側に引き出し、分電盤26及び拡張ユニット27を居室空間11に移動させた状態でそれら分電盤26や拡張ユニット27に対するメンテナンス作業、新規の拡張ユニット27を増設スペースSに設置する作業などを行う。この場合、作業者は、天井裏空間17に頭や上半身を入れ込まなくても、分電盤26や拡張ユニット27を見下ろす又は側方に見る状態で作業を行うことが可能となる。
例えば、作業用の開口部が天井裏空間17の天井面材16に設けられている構成では、見上げた姿勢での作業を避けるには天井裏空間17に頭や上半身を入れ込む必要があり、この状態では、作業スペースが限られて作業性が低下することや、頭などを下地フレーム47などにぶつけやすくなるなど安全性が低下することが懸念される。さらに、天井裏空間17に頭や上半身を入れ込むスペースがない場合には、作業者は見上げた姿勢で作業を行うことになり、足場に乗った状態で見上げた姿勢をとることでバランスを崩しやすく、足場から落下する可能性が高まることが懸念される。本実施形態においては、これらの懸念が、天井裏空間17の側面部(間仕切壁14)に開口部18が設けられていることにより解消される。
また、新規の拡張ユニット27を増設する場合、作業者は引き出し板55を引き出した状態で天井裏空間17の増設スペースSに新規の拡張ユニット27を設置することができる。そして、引き出し板55を引き出した状態のまま、新規の通信線52を予備配管(電気配管61)に挿通させる作業を行う。この場合、挿通作業の障害物となり得る分電盤26や拡張ユニット27が天井裏空間17に存在しない状態で、天井裏空間17にて挿通作業を行うことが可能となるため、通信線52を増設する際の作業性を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
HEMSが構築されている建物10において、非居室空間12に下がり天井が設けられているため、その下がり天井の天井裏空間17をHEMSの拡張ユニット27用の設置スペースとして利用することができる。また、下がり天井の側面部には作業用の開口部18が設けられているため、作業者はその開口部18を通じて、拡張ユニット27のメンテナンス作業や通信線52の敷設作業など各種作業を行うことができる。この場合、下がり天井の天井面に作業用の開口部が形成されている構成とは異なり、作業者は頭や上半身を天井裏空間17に入り込ませなくても、下から見上げた姿勢ではなく目線を側方に向けた姿勢で各種作業を行うことが可能となる。
しかも、天井裏空間17は開口部18により居室空間11及び非居室空間12のうち居室空間11に通じているため、非居室空間12がどのような環境であろうとも、拡張ユニット27、電力線51、通信線52といった電気設備が開口部18を通じて非居室空間12の環境に影響されることがない。具体的には、非居室空間12が水回り設備により湿気の多い環境になっていても、その湿気が開口部18を通じて天井裏空間17に浸入するということがない。このため、メンテナンス作業等に際して扉体19を開放しても、天井裏空間17を拡張ユニット27にとって好適な動作環境を保持できる。これにより、非居室空間12の湿気により拡張ユニット27等の電気設備に漏電が生じやすくなるなどの不都合を回避できる。
以上により、天井裏空間17に電気機器としての拡張ユニット27が収容された構成において、作業者が拡張ユニット27に関する各種作業を好適に行うことができる。
拡張ユニット27はHEMS本体28の中継機器とされているため、天井裏空間17に設置された後はメンテナンス作業などを行う頻度がHEMS本体28に比べて低いと考えられる。この場合、拡張ユニット27の設置場所が天井裏空間17とされていることは、メンテナンス作業を極端な困難性を伴わずに可能とし、しかも、建物内において目立たない位置に拡張ユニット27を設置することになる。その一方で、HEMS本体28の設置場所は居室空間11とされているため、メンテナンス作業の頻度が高いHEMS本体28に関して作業の煩わしさが生じることを抑制できる。
拡張ユニット27はHEMSの拡張機能を有しているため、新規のコジェネ機器22などのエネルギ機器が建物10に増設された場合に、そのエネルギ機器と拡張ユニット27とを通信線52により接続するという容易な作業により、エネルギ機器をHEMSに導入することが可能となる。
天井裏空間17において作業用の開口部18は扉体19により開閉されるため、通常は扉体19と閉鎖しておくことにより、天井裏空間17を居室空間11から独立した空間とすることができる。これにより、居室空間11から天井裏空間17の内部が見えて意匠性が低下することや、天井裏空間17から埃やゴミが居室空間11に入り込むことを回避できる。
天井裏空間17においては、引き出し板55の上に拡張ユニット27が設置されているため、引き出し板55を引き出すことで拡張ユニット27を天井裏空間17から居室空間11に移動させることができる。この場合、作業スペースが天井裏空間17という狭小化スペースではなく居室空間11という大きなスペースとなるため、拡張ユニット27に関する作業について作業効率を高めることや作業容易性を高めることができる。
天井裏空間17には、複数の電気配管61の各一端が設けられているため、作業者は、それら電気配管61に電力線51や通信線52を挿通させる作業を、居室空間11に居ながらにして行うことができる。しかも、引き出し板55とともに拡張ユニット27や分電盤26を居室空間11に引き出すことにより、天井裏空間17における挿通作業スペースを極力大きく確保することができる。さらに、電気配管61の端部は、拡張ユニット27や分電盤26よりも天井裏空間17の奥側に配置されているため、引き出し板55を引き出す際に電気配管61や電力線51、通信線52が支障となることを回避できる。また、引き出し板55を引き出さない場合でも、拡張ユニット27や分電盤26に対して各種作業を行う際に電気配管61や電力線51、通信線52が支障となることを回避できる。
下がり天井の天井裏空間17は、その上方に形成された上側空間13に対して、天井躯体に固定された天井面材15により仕切られているため、埃やゴミの少ない環境に保持しやすい空間となっている。これにより、作業者が開口部18から天井裏空間17に対して作業を行う際に、埃やゴミが作業者にかかることや、開口部18から居室空間11に埃やゴミが放出されることなどを抑制できる。この結果、天井裏空間17に対する作業が行われても、居室空間11の衛生性を適正に保つことができる。
天井裏空間17の上方において天井面材15の上面側に天井断熱材33が設けられているため、上側空間13と居室空間11との間での熱伝導が作業用の開口部18を通じて行われることを回避できる。しかも、天井裏空間17と上側空間13との間での熱伝導が天井断熱材33により阻止されるため、天井裏空間17の温度を拡張ユニット27などの精密機器に適した温度に保持することが容易となる。しかも、この場合、非居室空間12、居室空間11、天井裏空間17にて温度差が生じにくいため、扉体19が開放されても開口部18を通じた気流が生じにくい。したがって、仮に下がり天井の天井裏空間17に埃やゴミがあっても、それら埃やゴミが開口部18から居室空間11に放出されるということを抑制できる。
非居室空間12において下がり天井を形成している下がり天井構成体40は、独立して運搬可能な構成とされているため、下がり天井構成体40を天井面材15を介して天井躯体に対して取り付けることにより、拡張ユニット27を設置するための天井裏空間17を形成することができる。つまり、下がり天井のない既設の建物であっても、下がり天井及びその天井裏空間17を容易に構築することができる。
居室空間11において間仕切壁14の上部に、天井裏空間17に通じる開口部18が形成されているため、居室空間11の天井付き照明器具が点灯している場合は、その照明器具が開口部18を通じて天井裏空間17の内部を照らすことになる。この場合、天井裏空間17の内部を懐中電灯などにより照らすという作業者にとっての煩わしさを解消することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)第2屋内空間としての非居室空間12は、廊下など水回り設備が設けられていない非水回り空間とされていてもよい。また、第2屋内空間は、リビング、書斎、寝室等の居室空間とされていてもよい。つまり、第1屋内空間及び第2屋内空間が両方とも居室空間とされていてもよい。
(2)天井裏空間17には、HEMS本体28が電気機器として設置されていてもよい。要は、天井裏空間17には、コジェネ機器22等の設備機器に通信線を介して接続された電気機器が設けられていればよい。電気機器としては、通信線52同士を接続する接続装置や、記憶装置、通信装置、視聴覚装置、信号増幅装置、通信ネットワーク用のルータなどが挙げられる。
(3)天井裏空間17において、引き出し板55と扉体19とは一体的に設けられていてもよい。例えば、引き出し板55における開口部18側の端部に扉体19が取り付けられており、引き出し板55ごと扉体19が居室空間11に向けて引き出されることにより、開口部18が開放される構成とする。また、引き出し部材は、上方に向けて開放された箱体でもよい。例えば、箱体の底面部に拡張ユニット27が載置され、箱体の各側面部のうち居室空間11側の側面部が扉体として開口部18を閉鎖し、さらにその側面部が箱体の底面部に対して回動可能に軸支されている構成とする。この構成によれば、箱体を引き出さなくても、扉体としての役割を果たす側面部を回動させることにより開口部18を開放することが可能となる。なお、引き出し部材は、その引き出し部材の上に拡張ユニット27等の電気機器を設置することが可能であればよい。
(4)天井裏空間17において、引き出しレール56が設けられていなくても、引き出し板55が引き出し可能な構成であればよい。例えば、引き出し板55の下面側にタイヤ等の回転体が設けられており、その回転体が底面パネル43上を転がることで引き出し板55が引き出される構成とする。
なお、引き出し板55は、引き出すことができない状態で設けられていてもよく、引き出し板55自体が設けられていなくてもよい。これらの場合、拡張ユニット27等の電気機器は、下がり天井(天井面材16)の上に設置されていることが好ましいが、いずれの場合でも、天井裏空間17に拡張ユニット27等の電気機器が設置されることにより、作業者が電気機器に関する各種作業を好適に行うことができる構成を実現できる。
(5)天井裏空間17に通じる開口部18は、間仕切壁14に複数設けられていてもよい。例えば、複数の開口部18が横並びに配置されている構成とする。この構成では、天井裏空間17の側方を囲む側面部が、居室空間11に対面する対面部として第1対面部と、その第1対面部と直交する第2対面部とを有しており、それら第1対面部及び第2対面部のそれぞれに開口部18が設けられている。この場合、第1対面部の開口部18と第2対面部の開口部18とは、開放方向が交差する位置関係であるが横並びに配置されていることになる。
この構成によれば、作業者は第1対向部及び第2対向部の各開口部18から作業を行うことができるため、1つの開口部18から作業を行う場合に比べて、作業可能な範囲を拡大することができる。これにより、例えば、第1対面部の開口部18側に拡張ユニット27が配置され、第1対面部に対して拡張ユニット27よりも奥側に電気配管61の端部が配置されている場合に、拡張ユニット27に対する作業を第1対面部の開口部18から行い、電気配管61やそれに挿通された通信線52に対する作業を第2対面部の開口部18から行うことが可能となる。この場合、拡張ユニット27及び電気配管61のうち一方に対して作業を行う場合に他方がその支障となることを回避できる。
なお、複数の開口部18は縦並びに配置されていてもよい。
(6)第2屋内空間としての非居室空間12の上方において、天井断熱材33は、天井裏空間17と上側空間13とを上下に仕切る天井面材15の下面側(天井面側)に設けられていてもよい。また、天井断熱材33は、下がり天井の天井面材16の上面側に設けられていてもよい。この場合、下がり天井構成体40の側面部に沿って延びるように断熱材が設けられていることが好ましい。さらに、扉体19に断熱材が設けられていることが好ましい。これらのことにより、居室空間11及び非居室空間12を天井裏空間17や上側空間13に対して断熱された空間とすることができる。
(7)挿通管としての電気配管61は、一端が天井裏空間17に配置され、他端が下がり天井構成体40の側面パネル42に固定された状態で設けられていてもよい。例えば、電気配管61の端部が側面パネル42の挿通孔に対して固定されている構成とする。この構成によれば、電気配管61が下がり天井構成体40の外方に延びていないため、下がり天井構成体40の運搬や取り付けに際して電気配管61が支障となることを回避できる。
(8)天井裏空間17には、挿通管としての配線ダクトが設けられていてもよい。また、天井裏空間17には、換気扇や空調装置が設けられていてもよい。なお、換気扇は、複数の屋内空間を一括して換気するセントラル換気扇であってもよい。
(9)エネルギ管理システムは、HEMSとして住宅に採用されるのではなく、事務所ビルや店舗などの建物に採用されてもよい。
10…建物、11…第1屋内空間としての居室空間、12…第2屋内空間及び低天井空間としての非居室空間、15…第1天井面材としての天井面材、16…第2天井面材としての天井面材、17…下がり天井の天井裏空間、18…作業用の開口部、19…扉体、21…設備機器及びエネルギ機器としての太陽光発電機器、22…設備機器及びエネルギ機器としてのコジェネ機器、23…設備機器及びエネルギ機器としての充電機器、24…設備機器としてのHA対応機器、27…電気機器及び中継機器としての拡張ユニット、27a…第1端子及び第2端子を構成する通信用端子、28…設備機器及び監視装置としてのHEMS本体、31…天井躯体としての天井小梁、33…天井断熱材、40…下がり天井構成体、52…通信線、55…引き出し板、61…挿通管としての電気配管。

Claims (10)

  1. 複数の屋内空間を備え、そのうち第1屋内空間と第2屋内空間とが互いに隣接して設けられ、少なくとも前記第1屋内空間が居室空間である建物であって、
    前記第2屋内空間は、その天井部の少なくとも一部が下がり天井である低天井空間部となっており、
    前記低天井空間部の上方には、前記下がり天井の天井面に沿う方向に延びる天井裏空間が形成されており、
    前記天井裏空間には、建物内又は建物周辺に設けられている設備機器に電気配線を介して接続された電気機器が設けられており、
    前記天井裏空間の側方を囲む側面部の一部が前記第1屋内空間に対面する対面部となっており、その対面部には前記天井裏空間に通じる作業用の開口部が設けられていることを特徴とする建物。
  2. 前記設備機器の運転状態を監視する監視装置を備え、
    前記電気機器は、前記設備機器に接続される第1端子と、前記監視装置に接続される第2端子とを有し、これら各端子に接続された電気配線を介して前記設備機器と前記監視装置との電気的な接続を中継する中継機器であることを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 前記設備機器は、建物で用いられるエネルギについて生成及び蓄積の少なくとも一方を行うエネルギ機器を含み、
    前記監視装置は、前記エネルギ機器でのエネルギ生成状況又はエネルギ蓄積状況を監視するものであり、
    前記中継機器は、前記エネルギ機器及び前記監視装置を含んで構築されたエネルギ管理システムの拡張を可能とする拡張機能を有していることを特徴とする請求項2に記載の建物。
  4. 前記電気配線は、挿通管に挿通されることで敷設されており、
    前記挿通管は、前記設備機器と前記電気機器との間において前記電気配線が敷設される敷設経路のうち少なくとも前記天井裏空間において前記電気配線を案内するものであり、
    前記挿通管の開放端が前記天井裏空間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
  5. 前記天井裏空間において、前記電気機器は前記開口部寄りに設けられ、前記挿通管の前記開放端は前記電気機器を挟んで前記開口部とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の建物。
  6. 前記対面部として、第1対面部と、該第1対面部と交差する方向に延びる第2対面部とが設けられており、
    前記開口部は、前記第1対面部及び第2対面部のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建物。
  7. 前記第1屋内空間及び前記第2屋内空間のそれぞれの上方には、天井躯体に支持された状態で第1天井面材が設けられており、
    前記第2屋内空間の上方には、前記第1天井面材の下方に第2天井面材が設けられ、前記第1天井面材と前記第2天井面材との間に前記天井裏空間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物。
  8. 前記下がり天井は、独立して運搬可能な下がり天井構成体が前記第2屋内空間の上方において前記天井面材の下側において前記天井躯体に取り付けられることで形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の建物。
  9. 前記第2屋内空間は、水回り設備が設置された水回り空間であり、
    前記下がり天井の天井面は、防湿性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物。
  10. 前記天井裏空間から前記開口部を通じて前記第1屋内空間に向けて引き出し可能な引き出し部材が、前記下がり天井の上側に設けられており、
    前記電気機器は、前記引き出し部材に設置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の建物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018004331A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 トヨタホーム株式会社 電力管理装置の設置構造及び建物

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