JP2013060306A - 紙管及び当該紙管を使用したロール状シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロール状シートの芯となる紙管30において、紙管原紙からなる原紙層40と、粒状の消臭物質が混入された樹脂からなる、原紙層40にラミネートされた消臭層50と、を有し、樹脂100gあたり3g〜100gの消臭物質を配合するよう構成した。
【選択図】図2
Description
ロール状シートの芯となる紙管において、
紙管原紙からなる原紙層と、
粒状の消臭物質が混入された樹脂からなる、前記原紙層にラミネートされた消臭層と、
を有し、
前記消臭物質を、前記樹脂100gあたり3g〜100g配合したことを特徴とする。
請求項1に記載の紙管において、
前記ロール状シートは、ロール状トイレットペーパーであり、
前記消臭物質の平均粒径は、前記消臭層の平均厚みよりも大きく、
当該紙管の少なくとも内面が、前記消臭層であることを特徴とする。
請求項1又は2に記載の紙管において、
前記消臭物質は、クリスバール、天然ゼオライト、合成ゼオライト、活性白土、モレキュラーシーブ、シリカゲル、大谷石、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、麦飯石、イオン交換樹脂、活性炭、珪藻土、活性アルミナ、ドーソナリトのうちの少なくとも一種類であることを特徴とする。
請求項1から3の何れか一項に記載の紙管において、
前記樹脂は、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリブタジエンのうちの少なくとも一種類であることを特徴とする。
ロール状シートにおいて、
請求項1から4の何れか一項に記載の紙管と、
前記紙管を芯として捲回されたシートと、を備えることを特徴とする。
すなわち、消臭物質が樹脂に混入されて消臭層に保持されているとともに、消臭物質が粒状(固体)である。したがって、消臭物質の離脱を抑えることができるとともに、消臭物質が発散することがないため、消臭効果の持続性が高い。
まず、第1の実施の形態における紙管30及び紙管30を使用したロール状シート10について説明する。
まず、ロール状シート10の構成について説明する。
ロール状シート10は、例えば、ロール状トイレットペーパーである。
ロール状シート10は、例えば、図1に示すように、紙管30と、紙管30を芯として捲回されたシート20と、などを備えて構成される。
なお、シート20は、紙管30に捲回可能なシートであれば任意であり、例えば、キッチンペーパーやラップフィルム、アルミフォイルなどであっても良い。
紙管30は、例えば、図1及び図2(a)に示すように、略中空円筒形状をなしている。
具体的には、紙管30は、例えば、図2に示すように、紙管原紙からなる原紙層40と、消臭物質51を含む消臭層50と、などを有している。
紙管30においては、例えば、紙管30の外側32に原紙層40が配置されるとともに、紙管30の内面31に消臭層50が配置されるよう、消臭層50が原紙層40にラミネートされている。
なお、原紙層40は、例えば、1枚の紙管原紙からなる層であっても良いし、3枚以上の紙管原紙を貼り合わせてなる層であっても良い。
消臭物質51は、臭い成分を吸着することができる粒状の物質であれば任意であり、具体的には、例えば、クリスバール、天然ゼオライト、合成ゼオライト、活性白土、モレキュラーシーブ、シリカゲル、大谷石、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、麦飯石、イオン交換樹脂、活性炭、珪藻土、活性アルミナ、ドーソナリト等の細多孔質で悪臭吸着性を有する無機質材料の微粉末などである。
なお、消臭層50は、単層構造であっても良いし、樹脂52の種類が異なる複数の層からなる多層構造であっても良い。
また、消臭層50に含まれる消臭物質51の種類は、一種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
ここで、「平均粒径」とは、粉状または粒状である原料物質の各粒子の粒径を平均した値をいうが、全原料物質を母集団とする統計指標としての平均を意味することは勿論である。つまり、母集団(全原料物質)から適当なサンプル(各粒子)を抽出し、このサンプルの粒径を測定して算術平均した値を「平均粒径」とする。統計的手法により求める値であるから測定ごとに値が変動する可能性があることはいうまでもない。
また、消臭層50の平均厚みTは、原紙層40にラミネート加工可能な厚みであれば任意であるが、ラミネート加工のしやすさや消臭効果などの観点から20μm〜500μmが好ましい。
「理論上の平均厚み」とは、消臭物質51が配合された樹脂52の密度から求めた計算値であり、例えば、消臭物質51を含む樹脂52の密度が0.90g/cm3であり、ラミネートされた消臭層50の1m2あたりの重量を100gとすると、「理論上の平均厚み」は111μmとなる。
「実際の平均厚み」とは、消臭層50の凹凸も含めた厚みのことであり、例えば、紙管30から消臭層50をはがし、その消臭層50の厚みをJISP8118等に準拠して測定することによって得た値である。
そして、消臭物質51の平均粒径Dの上限は、「理論上の平均厚み」の1.5倍とするのが好ましい。なぜならば、消臭物質51の平均粒径Dが「理論上の平均厚み」の1.5倍を越えると、消臭物質51が消臭層50から離脱しやすくなりすぎるためである。
すなわち、消臭物質51が樹脂52に混入されて消臭層50に保持されているとともに、消臭物質51が粒状(固体)である。したがって、消臭物質51の離脱を抑えることができるとともに、消臭物質51が発散することがないため、消臭効果の持続性が高い。
したがって、消臭物質51の平均粒径Dが消臭層50の平均厚みTよりも大きく、消臭物質51が消臭層50の表面から露出しているため、シート20の使用中から消臭効果を発揮することができる。
ここで、消臭物質51の平均粒径Dが消臭層50の平均厚みTよりも大きく、消臭物質51が消臭層50の表面から露出しているため、消臭物質51が消臭層の表面から露出していない場合と比較して消臭物質51が紙管30から離脱しやすい。しかしながら、紙管30は、トイレ周り等で使用されるのが効果的であり、トイレ周り等での使用においては、消臭物質51が紙管30から離脱しやすくても使用上の問題は少ない。
無論、紙管30は、トイレ周り等で使用される紙管として使用されるシート20以外のシート(キッチンペーパーやラップフィルム、アルミフォイルなど)が捲回される紙管として使用しても良い。
次に、第2の実施の形態における紙管30A及び紙管30Aを使用したロール状シート10Aについて説明する。
なお、第2の実施の形態の紙管30A及び紙管30Aを使用したロール状シート10Aにおいては、紙管30Aの外面32が消臭層50Aである点や、消臭物質51の平均粒径Dが消臭層50Aの平均厚みT以下である点が、第1の実施の形態の紙管30及び紙管30を使用したロール状シート10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、ロール状シート10Aの構成について説明する。
ロール状シート10Aは、例えば、ロール状キッチンペーパーである。
ロール状シート10Aは、例えば、図4に示すように、紙管30Aと、紙管30Aを芯として捲回されたシート20Aと、などを備えて構成される。
なお、シート20Aは、紙管30Aに捲回可能なシートであれば任意であり、例えば、トイレットペーパーやラップフィルム、アルミフォイルなどであっても良い。
紙管30Aは、例えば、図4及び図5(a)に示すように、略中空円筒形状をなしている。
具体的には、紙管30Aは、例えば、図5に示すように、原紙層40と、消臭物質51を含む消臭層50Aと、などを有している。
紙管30Aにおいては、例えば、紙管30Aの外側32に消臭層50Aが配置されるとともに、紙管30Aの内面31に原紙層40が配置されるように、消臭層50Aが原紙層40にラミネートされている。
消臭層50Aにおいては、例えば、図6に示すように、消臭物質51の平均粒径(平均直径)Dが消臭層50Aの平均厚みT以下となるよう設定されている。
消臭層50Aにおいては、「実際の平均厚み」が「理論上の平均厚み(消臭層50Aの平均厚みT)」の1.0〜1.2倍であるのが好ましい。
そして、消臭物質51の平均粒径Dの上限は、「理論上の平均厚み」の1.0倍とするのが好ましい。なぜならば、キッチンペーパーはトイレットペーパーよりも、消臭物質51が消臭層50Aから離脱しないことが望まれる為と、ロール状シート10Aを生産する際に、紙管30Aの表側(外面32)が擦れて消臭物質51が離脱することを防ぐ為である。
ここで、消臭物質51の平均粒径Dが「理論上の平均厚み」以下であるにも関わらず、「実際の平均厚み」が「理論上の平均厚み」の1.0〜1.2倍であるのが好ましいとしたのは、消臭物質51の並びがランダムであり、消臭層50Aの表面に凹凸ができることを考慮したためである。
したがって、紙管30Aの外面32が消臭層50Aであり、消臭層50Aが露出しているため、消臭層50Aが外気と接触しやすく、臭い成分を効率よく消臭することができる。特に、紙管30Aの外面32はシート20Aが捲回される面であるため、紙管30Aは、シート20Aを使用している間よりも、シート20Aを使用し終わった後の方が効率のよい消臭を行うことができる。すなわち、シート20Aを使用し終わった後、紙管30Aをゴミ箱等に捨てると、ゴミ箱等の中や周辺の消臭を効率よく行うことができるため、紙管30Aは、例えば、キッチン周り等の、ゴミ箱等の中や周辺の臭いが特に気になる場所で使用されるシート(キッチンペーパーやラップフィルム、アルミフォイルなど)が捲回される紙管として使用するとより効果的である。
無論、紙管30Aは、キッチン周り等で使用されるシート20A以外のシート(トイレットペーパーなど)が捲回される紙管として使用しても良い。
次に、第3の実施の形態における紙管30B及び紙管30Bを使用したロール状シート10Bについて説明する。
なお、第3の実施の形態の紙管30B及び紙管30Bを使用したロール状シート10Bにおいては、紙管30Bの内面31及び外面32が消臭層50である点が、第1の実施の形態の紙管30及び紙管30を使用したロール状シート10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、ロール状シート10Bの構成について説明する。
ロール状シート10Bは、例えば、ロール状トイレットペーパーである。
ロール状シート10Bは、例えば、図7に示すように、紙管30Bと、紙管30Bを芯として捲回されたシート20と、などを備えて構成される。
紙管30Bは、例えば、図7及び図8(a)に示すように、略中空円筒形状をなしている。
具体的には、紙管30Bは、例えば、図8に示すように、原紙層40と、消臭層50,50と、などを有している。
紙管30Bにおいては、例えば、紙管30Bの内面31及び外面32に消臭層50,50が配置されるとともに、消臭層50,50の間に原紙層40が配置されるように、消臭層40が原紙層50にラミネートされている。
また、紙管30Bの外面32はシート20が捲回される面であるため、外面32の消臭層50は、シート20を使用している間よりも、シート20を使用し終わった後の方が効率のよい消臭を行うことができるとともに、紙管30Bの内面31はシート20が捲回された状態でも露出している面であるため、内面31の消臭層50は、シート20を使用している間も、シート20を使用し終わった後も、効率のよい消臭を行うことができる。
具体的には、例えば、紙管30Bの内面31及び外面32に消臭層50A(消臭物質51の平均粒径D≦消臭層50Aの平均厚みT)が配置されても良いし、紙管30Bの内面31に消臭層50(消臭物質51の平均粒径D>消臭層50の平均厚みT)が配置されるとともに、外面32に消臭層50A(消臭物質51の平均粒径D≦消臭層50Aの平均厚みT)が配置されても良いし、紙管30Bの内面31の消臭層50A(消臭物質51の平均粒径D≦消臭層50Aの平均厚みT)が配置されるとともに、外面32に消臭層50(消臭物質51の平均粒径D>消臭層50の平均厚みT)が配置されても良い。
20,20A シート
30,30A,30B 紙管
31 紙管の内面
32 紙管の外面
40 原紙層
50,50A 消臭層
51 消臭物質
52 樹脂
D 消臭物質の平均粒径
T 消臭層の平均厚み
Claims (5)
- ロール状シートの芯となる紙管において、
紙管原紙からなる原紙層と、
粒状の消臭物質が混入された樹脂からなる、前記原紙層にラミネートされた消臭層と、
を有し、
前記消臭物質を、前記樹脂100gあたり3g〜100g配合したことを特徴とする紙管。 - 請求項1に記載の紙管において、
前記ロール状シートは、ロール状トイレットペーパーであり、
前記消臭物質の平均粒径は、前記消臭層の平均厚みよりも大きく、
当該紙管の少なくとも内面が、前記消臭層であることを特徴とする紙管。 - 請求項1又は2に記載の紙管において、
前記消臭物質は、クリスバール、天然ゼオライト、合成ゼオライト、活性白土、モレキュラーシーブ、シリカゲル、大谷石、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、麦飯石、イオン交換樹脂、活性炭、珪藻土、活性アルミナ、ドーソナリトのうちの少なくとも一種類であることを特徴とする紙管。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の紙管において、
前記樹脂は、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリブタジエンのうちの少なくとも一種類であることを特徴とする紙管。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の紙管と、
前記紙管を芯として捲回されたシートと、を備えることを特徴とするロール状シート。
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