JP2013060280A - 電動作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業装置駆動用のバッテリの残存電力量の低下時に作業装置のエンジンによる駆動への切り替えを作業者の意図を反映しつつ容易に行なえる電動作業車両を提供する。
【解決手段】車両に搭載された作業装置と、作業装置を駆動する電動駆動機構と、電力を供給するバッテリ220と、バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、エンジン4と、作業装置を駆動するエンジン駆動機構6と、車両外部で操作位置に隣接して設けられ、バッテリの残存電力量不足を伝達する情報伝達手段311と、操作位置に隣接して設けられ、作業者がエンジンによる駆動開始操作を入力するエンジン駆動開始操作部312、情報伝達手段がバッテリの残存電力量不足を伝達した後におけるエンジン駆動開始操作部からの入力に応じて、エンジンを始動させるとともに、エンジン駆動機構を用いた作業装置の駆動を開始させる駆動切替制御手段320とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、バッテリの電力によって駆動される作業装置が架装された電動作業車両に関し、特に作業装置駆動用のバッテリの残存電力量の低下時に作業装置のエンジンによる駆動への切り替えを作業者の意図を反映しつつ容易に行なえるものに関する。
例えばトラックシャーシに塵芥収集装置を架装した塵芥収集車などの作業車両においては、従来は走行用のエンジンの出力を、パワーテイクオフ機構で抽出することによって架装物(作業装置)の駆動を行うことが一般的であった。
また、近年では作業車両の運用中におけるCO排出量の低減や作業ステーションでの騒音、排ガスの低減等を目的として、車載バッテリの電力によって作業装置を駆動する電動作業車両が普及しつつある。
電動の作業車両においては、作業装置駆動用のバッテリの残存電力量が不足する場合に作業を継続するためには、走行用のエンジンを再始動して、エンジン駆動の発電機によってバッテリを充電するか、あるいは、パワーテイクオフ機構を経由してエンジンによる作業装置の駆動を開始する必要があった。
また、電動作業車両に関する従来技術として、例えば特許文献1には、作業用バッテリの充電量が所定値まで低下した場合であって、駐車ブレーキの作動や変速機がニュートラルである等の条件を満たした場合に、車両のエンジンを自動的に始動させることが記載されている。
特開平11− 62651号公報
しかし、このような電動作業車両においては、騒音や排ガスなどの点から、いかなる場合でもエンジンを自動的に始動させることが好ましいとは限らない。
例えば、住宅地などで塵芥を収集する塵芥収集車の場合には、エンジンを再始動しても差し支えない状況であるか否かを作業者の判断に委ねることが望ましい。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、作業装置駆動用のバッテリの残存電力量の低下時に作業装置のエンジンによる駆動への切り替えを作業者の意図を反映しつつ容易に行なえる電動作業車両を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車両に搭載された作業装置と、前記作業装置を電動アクチュエータによって駆動する電動駆動機構と、前記電動アクチュエータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、車両の走行用動力を発生するエンジンと、前記エンジンの動力によって前記作業装置を駆動するエンジン駆動機構と、作業者が車両外部で前記作業装置の操作を行う操作位置に隣接して設けられ、前記作業者に前記バッテリの残存電力量の低下を伝達する情報伝達手段と、前記操作位置に隣接して設けられ、前記作業者が前記エンジンによる前記作業装置の駆動開始操作を入力するエンジン駆動開始操作部と、前記情報伝達手段が前記バッテリの残存電力量不足を伝達した後における前記エンジン駆動開始操作部からの入力に応じて、前記エンジンを始動させるとともに、前記エンジン駆動機構を用いた前記作業装置の駆動を開始させる駆動切替制御手段とを備えることを特徴とする電動作業車両である。
これによれば、バッテリの残存電力量が低下した場合に、エンジンの始動操作を作業者の判断に委ねることによって、作業者の意図に反したエンジン始動が行なわれることを防止できる。
また、エンジン駆動開始操作部を操作位置に隣接して設けたことによって、作業者がエンジンを始動するために車両の運転席等へ移動する必要がなく、利便性が向上する。
請求項2に係る発明は、車両に搭載された作業装置と、前記作業装置を電動アクチュエータによって駆動する電動駆動機構と、前記電動アクチュエータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、車両の走行用動力を発生するエンジンと、前記エンジンの動力によって前記作業装置を駆動するエンジン駆動機構と、前記バッテリの残存電力量が低下した場合に、前記エンジンを自動的に始動させるとともに、前記エンジン駆動機構を用いた前記作業装置の駆動を開始させる駆動切替制御手段と、作業者が車両外部で前記作業装置の操作を行う操作位置に隣接して設けられ、前記作業者に前記バッテリの残存電力量の低下を伝達する情報伝達手段と、前記操作位置に隣接して設けられ、前記作業者が前記駆動切替制御手段によるエンジンの自動的な始動を禁止する操作を入力する自動始動禁止操作部とを備えることを特徴とする電動作業車両である。
これによれば、バッテリの残存電力量の低下時にエンジンを自動的に始動することによって、作業者の負担を軽減することができ、作業者がエンジンの始動を意図しない場合には、自動始動禁止操作部を操作することによって、エンジンの自動的な始動を禁止することができる。
また、自動始動禁止操作部を操作位置に隣接して設けたことによって、作業者がエンジンの自動的な始動を禁止するために車両の運転席等へ移動する必要がなく、利便性が向上する。
請求項3に係る発明は、前記エンジン駆動機構は、前記エンジンの回転動力を抽出して前記作業装置に伝達するパワーテイクオフ機構を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動作業車両である。
請求項4に係る発明は、前記エンジン駆動機構は、前記エンジンによって駆動される発電機の電力を前記バッテリ、前記電動アクチュエータの少なくとも一方に供給する給電機構を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電動作業車両である。
請求項5に係る発明は、前記作業装置は、車両後部に設けられたホッパドアから投入された塵芥を圧縮して収容部に積込む塵芥収集装置であり、前記作業者の前記操作位置は車両の後部近傍であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電動作業車両である。
以上説明したように、本発明によれば、作業装置駆動用のバッテリの残存電力量の低下時に作業装置のエンジンによる駆動への切り替えを作業者の意図を反映しつつ容易に行なえる電動作業車両を提供することができる。
本発明を適用した電動作業車両の実施例1である塵芥収集車における側面視図である。 実施例1の塵芥収集車の後方斜視図である。 実施例1の塵芥収集車の油圧回路の構成を示す図である。 実施例1の塵芥収集車の作動制御バルブの構成を示す図である。 実施例1の塵芥収集車の油圧ポンプ駆動機構の構成を示す模式図である。 実施例1の塵芥収集車における塵芥収集装置の電動駆動からエンジン駆動への切替制御を示すフローチャートである。 実施例2の塵芥収集車の油圧ポンプ駆動機構の構成を示す模式図である。 実施例2の塵芥収集車における塵芥収集装置の電動駆動からエンジン駆動への切替制御を示すフローチャートである。
本発明は、作業装置駆動用のバッテリの残存電力量の低下時に作業装置のエンジンによる駆動への切り替えを作業者の意図を反映しつつ容易に行なえる電動作業車両を提供する課題を、バッテリのSOC低下を作業者に伝達後、作業者の操作位置近傍に設けられたエンジン始動スイッチによってエンジンの始動及びエンジンによる作業装置の駆動を開始させることによって解決した。
また、バッテリのSOC低下に応じてエンジンを自動的に始動させるシステムにおいて、作業者の操作位置近傍にエンジン自動始動キャンセルスイッチを設けて自動的なエンジンの始動を禁止可能とすることによって解決した。
以下、本発明を適用した電動作業車両の実施例1である塵芥収集車について説明する。
図1は、実施例1の塵芥収集車の側面視図である。
図2は、実施例1の塵芥収集車を斜め後方の斜め上方側から見た後方斜視図である。
図1、図2に示すように、塵芥収集装置1は、トラックシャーシ2に架装され、電動作業車両の一種である塵芥収集車を構成するものである。
トラックシャーシ2は、フレーム3、エンジン4、トランスミッション5、パワーテイクオフ(PTO)機構6等を備えている。
フレーム3は、キャビン及び塵芥収集装置1が搭載されるとともに、パワートレーンやサスペンション等が取り付けられる構造部材である。
エンジン4(図5参照)は、車両の走行用動力源であって、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関である。
トランスミッション5は、エンジン4の回転出力を増減速し、プロペラシャフト及び最終減速装置を介して後輪車軸に伝達するものである。
PTO機構6は、トランスミッション5に設けられ、エンジン4の回転出力を抽出してポンプ120に伝達するものである。
塵芥収集装置1は、ボデー10、テールゲートホッパ20、逆流防止シリンダC1、リフトシリンダC2、自動ロックシリンダC3、上下動シリンダC4、カキ込シリンダC5、排出シリンダC6等を備えている。
ボデー10は、車両後方側に開口が設けられたボックス状に構成されている。
ボデー10は、回収された塵芥が内部に収容される部分である。
また、ボデー10の内部には、収容された塵芥を後方側へ押し出す排出パネル11が設けられている。
テールゲートホッパ20は、ボデー10の後部開口を実質的に閉塞するように配置されている。
テールゲートホッパ20は、ボデー10の開口上端部に設けられたヒンジ回りに回動し、ボデー10の開口を開閉可能となっている。
テールゲートホッパ20は、作業者が塵芥を投入する開口を開閉するホッパドア20aを備えている。
テールゲートホッパ20は、積込パネル21によって投入した塵芥を圧縮しつつボデー10内に押し込む積込装置を備えている。
積込装置は、テールゲートホッパ20の下部に投入された塵芥を、所定の軌跡に沿って駆動される積込みパネル21によってすくい上げ、ボデー10内にかき込む。
また、テールゲートホッパ20のホッパドア20aの側部には、塵芥の積込作業時に作業者が塵芥収集装置1の各種機能を操作する操作盤22(図2参照)が設けられている。
逆流防止シリンダC1は、積み込まれた塵芥の逆流を防止するため、逆流防止用のパネルのカキ込及び反転動作を行なう油圧シリンダである。
リフトシリンダC2は、テールゲートホッパ20を回動させてボデー10の開口を開閉する油圧シリンダである。
自動ロックシリンダC3は、テールゲートホッパ20をロックしてボデー10に対する相対回転を規制するロック機構を駆動する油圧シリンダである。
上下動シリンダC4は、テールゲートホッパ20の積込パネル21を上下させる油圧シリンダである。
カキ込シリンダC5は、積込パネル21のカキ込動作及び反転動作を行なう油圧シリンダである。
排出シリンダC6は、ボデー10内に積み込まれた塵芥を車両後方側へ押し出して排出する排出パネルの排出及び戻し動作を行なう油圧シリンダである。
以上説明した各シリンダC1〜C6は、以下説明する油圧回路によって、油圧ラインLを介して油圧供給されて駆動される。
図3は、実施例1の塵芥収集装置における油圧回路の構成を示す図である。
油圧回路100は、作動油タンク110、ポンプ120、アキュムレータ130、フィルタ140、レギュレータ150、作動制御バルブ160等を備えて構成されている。
作動油タンク110は、各シリンダC1〜C6を駆動する作動油が貯留される容器である。
ポンプ120は、作動油タンク110に貯留された作動油を加圧して吐出する例えばギヤポンプ等のポンプである。
アキュムレータ130は、ポンプ120から吐出された高圧の作動油を蓄積する蓄圧容器である。
アキュムレータ130は、レギュレータ150と作動制御バルブ160との間に設けられている。
フィルタ140は、作動制御バルブ160及びレギュレータ150から作動油タンク110に戻る作動油を濾過するものである。
レギュレータ150は、ポンプ120から作動制御バルブ160に送られる作動油の流量を制御するものである。
作動制御バルブ160は、ポンプ120から、レギュレータ150及びアキュムレータ130を介して供給される作動油を、油圧ラインLを介して各シリンダC1〜C6に供給するものである。
図4は、作動制御バルブ160の構成を示す図である。
作動制御バルブ160は、三位置の方向制御弁であるソレノイドバルブSV1〜SV5等を備えて構成されている。
各ソレノイドバルブSV1〜SV5は、積込制御装置300(図6参照)からの指令に基づいて供給される駆動電力に応じて、各シリンダC1〜C6への油圧の供給有無及び方向を切換えるものである。
ソレノイドバルブSV1は、逆流防止シリンダC1に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV2は、リフトシリンダC2及び自動ロックシリンダC3に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV3は、上下動シリンダC4に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV4は、カキ込シリンダC5に油圧を供給するものである。
ソレノイドバルブSV5は、排出シリンダC6に油圧を供給するものである。
また、ソレノイドバルブSV1、SV2、SV4、SV5から各シリンダへ油圧を供給する油路には、圧力が所定値以上となったときに作動油を作動油タンク110側へブリードオフさせるリリーフ弁等が設けられている。
図5は、実施例1の塵芥収集車の油圧ポンプ駆動機構の構成を示す模式図である。
図5に示すように、実施例1において、ポンプ120は、PTO機構6を用いたエンジン4の出力による駆動、及び、電動のモータ210による駆動が選択可能となっている。
塵芥収集装置1は、モータ210、バッテリ220、インバータ230等を備えている。
モータ210は、ポンプ120のPTO機構6側の端部に、ポンプ120の入力軸と同軸に設けられた例えばACモータである。
モータ210の回転軸(出力軸)は、ポンプ120の入力軸に接続されている。
モータ210の回転軸のポンプ120側と反対側の端部には、動力伝達軸を介してPTO機構6が接続されている。
バッテリ220は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の2次電池であって、モータ210の駆動用の電力を供給するものである。
バッテリ220は、例えば塵芥収集車の基地(ステーション)において充電されるほか、回生発電手段を用いて車両の運用中に追加充電を行なってもよい。
バッテリ220は、例えば塵芥収集装置1の下部などに搭載される。
また、バッテリ220には、その残存電力量を示す指標である充電状態(SOC)を検出する図示しないSOC検出装置が設けられている。
インバータ230は、バッテリ220が出力する電力をDC−AC変換してモータ210に供給し、モータ210を駆動させるとともに、モータ210の出力を制御するものである。
また、塵芥収集車は、電動駆動用コントローラ310、エンジンコントローラ320を備えている。
電動駆動用コントローラ310は、作動制御バルブ160やインバータ230等を制御することによって、塵芥収集装置1の電動駆動を総括的に制御するECUである。
電動駆動用コントローラ310は、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス等を有して構成されている。
電動駆動用コントローラ310には、情報伝達装置311、エンジン始動スイッチ312等が接続されている。
情報伝達装置311は、作業者が塵芥の積込作業を行なう車両の後部に設けられ、例えば音声によって情報を伝達するスピーカ及びその駆動回路、予めサンプリングされた音声データを蓄積した記憶装置等を有して構成されている。
エンジン始動スイッチ312は、車両後部に設けられた操作盤22の一部に設けられ、バッテリ220のSOCが低下した場合に、エンジン4を始動してエンジン4及びPTO機構6によるポンプ120の駆動を可能とするものである。
エンジン始動スイッチ312は、バッテリ220のSOCが予め設定された閾値以下に低下しかつ情報伝達装置311から作業者に残存電力量の低下が伝達された場合にのみ操作を受け付けるようになっている。
これらの機能については、後に詳しく説明する。
エンジンコントローラ320は、エンジン4の主機及び補機類を統括的に制御するECUであって、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス等を有して構成されている。
エンジンコントローラ320は、電動駆動用コントローラ310からの指令、パーキングブレーキ信号、トランスミッション5のニュートラル信号等に基づいて、エンジン4を始動する制御を行なう。
図6は、実施例1の塵芥収集車における塵芥収集装置の電動駆動からエンジン駆動への切替制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:電動駆動スイッチオン判断>
電動駆動用コントローラ310は、作業者が塵芥収集装置1の電動駆動を選択する操作部である図示しない電動駆動スイッチをオンしているか判断し、オンである場合はステップS02に進み、オフである場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS02:バッテリSOC判断>
電動駆動用コントローラ310は、バッテリ220のSOC検出手段が検出したSOCが、予め設定された閾値以下であるか判断し、SOCが閾値以下である場合は、残存電力量が不足しているものとして、エンジンコントローラ320にエンジン始動準備を指令してステップS03に進み、SOCが閾値超である場合は、残存電力量に余裕があるものとして一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS03:T/Mニュートラル判断>
電動駆動用コントローラ310からエンジン始動準備を指令されたエンジンコントローラ320は、トランスミッション5からのニュートラル信号の受信有無を判別し、ニュートラル信号が受信された場合はステップS04に進み、ニュートラル信号が受信されない場合は、エンジン始動が不可であるとして一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS04:パーキングブレーキ制動判断>
エンジンコントローラ320は、パーキングブレーキ装置が制動中であることを示すパーキングブレーキ信号の受信有無を判別し、パーキングブレーキ信号が受信された場合は、電動駆動用コントローラ310にエンジン始動スタンバイを伝達してステップS05に進み、パーキングブレーキ信号が受信されない場合は、エンジン始動が不可であるとして一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS05:エンジン始動案内を作業者に伝達>
電動駆動用コントローラ310は、情報伝達装置311に指令を出し、作業者に対してバッテリの残存電力量が低下している旨、及び、エンジン始動スイッチ312を操作してエンジン駆動への切替が可能である旨を伝達させる。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS06:エンジン始動スイッチオン判断>
電動駆動用コントローラ310は、ステップS05において作業者に情報伝達を行なってから所定の時間内にエンジン始動スイッチ312がオンされたか否か判別し、エンジン始動スイッチ312がオンされた場合はステップS07に進み、エンジン始動スイッチ312がオンされない場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS07:エンジン始動>
電動駆動用コントローラ310は、エンジンコントローラ320にエンジン始動及びポンプ120のエンジン駆動への切替を指令する。
この指令を受けたエンジンコントローラ320は、エンジン4を始動させるとともに、PTO機構6によるポンプ120の駆動を開始させる。
その後、一連の処理を終了する。
以上説明した実施例1によれば、バッテリ220のSOCが低下した場合に、その旨及びエンジン始動の案内を作業者に伝達した後に、エンジン4の始動操作を受け付けることによって、作業者の意図に反したエンジン始動が行なわれることを防止できる。
また、エンジン始動スイッチ312をホッパドア20aに隣接する車両後部の操作盤22設けたことによって、作業者がエンジン4を始動するために車両の運転席等へ移動する必要がなく、利便性が向上する。
次に、本発明を適用した電動作業車両の実施例2である塵芥収集車について説明する。
上述した実施例1と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図7は、実施例2の塵芥収集車の油圧ポンプ駆動機構の構成を示す模式図である。
実施例2の塵芥収集車においては、バッテリ220のSOCが低下した際に塵芥収集装置1の電動駆動からエンジン駆動への切替を自動的に行なうとともに、この自動的な切替を禁止するエンジン自動始動キャンセルスイッチを車両後部に設けたものである。
実施例2の塵芥収集車は、実施例1のエンジン始動スイッチ312に代えて、エンジン自動始動キャンセルスイッチ313を有している。
エンジン自動始動キャンセルスイッチ313は、操作盤22の一部に設けられている。
図8は、実施例2の塵芥収集車における塵芥収集装置の電動駆動からエンジン駆動への切替制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS11:電動駆動スイッチオン判断>
電動駆動用コントローラ310は、作業者が塵芥収集装置1の電動駆動を選択する操作部である図示しない電動駆動スイッチをオンしているか判断し、オンである場合はステップS12に進み、オフである場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS12:バッテリSOC判断>
電動駆動用コントローラ310は、バッテリ220のSOC検出手段が検出したSOCが、予め設定された閾値以下であるか判断し、SOCが閾値以下である場合は残存電力量が不足しているものとして、エンジンコントローラ320にエンジン始動準備を指令してステップS13に進み、SOCが閾値超である場合は残存電力量に余裕があるものとして一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS13:T/Mニュートラル判断>
電動駆動用コントローラ310からエンジン始動準備を指令されたエンジンコントローラ320は、トランスミッション5からのニュートラル信号の受信有無を判別し、ニュートラル信号が受信された場合はステップS14に進み、ニュートラル信号が受信されない場合はエンジン始動が不可であるとして一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS14:パーキングブレーキ制動判断>
エンジンコントローラ320は、パーキングブレーキ装置が制動中であることを示すパーキングブレーキ信号の受信有無を判別し、パーキングブレーキ信号が受信された場合は、電動駆動用コントローラ310にエンジン始動スタンバイを伝達してステップS15に進み、パーキングブレーキ信号が受信されない場合はエンジン始動が不可であるとして一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS15:エンジン始動予告を作業者に伝達>
電動駆動用コントローラ310は、情報伝達装置311に指令を出し、作業者に対してバッテリの残存電力量が低下している旨、所定の時間内にエンジン4が自動的に始動されてPTO機構6によるポンプ120の駆動が開始される予告、及び、エンジン自動始動キャンセルスイッチ313を操作してエンジンの始動およびエンジン駆動への切替を禁止可能である旨を伝達させる。
その後、ステップS16に進む。
<ステップS16:エンジン自動始動キャンセルスイッチオフ判断>
電動駆動用コントローラ310は、ステップS15において作業者に情報伝達を行なってから所定の時間内にエンジン自動始動キャンセルスイッチ313がオンされたか判別し、エンジン自動始動キャンセルスイッチ313がオフである場合はステップS17に進み、エンジン自動始動キャンセルスイッチ313がオンされた場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS17:エンジン始動>
電動駆動用コントローラ310は、エンジンコントローラ320にエンジン始動及びポンプ120のエンジン駆動への切替を指令する。
この指令を受けたエンジンコントローラ320は、エンジン4を始動させるとともに、PTO機構6によるポンプ120の駆動を開始させる。
その後、一連の処理を終了する。
以上説明した実施例2によれば、バッテリ220のSOCの低下時にエンジン4を自動的に始動することによって、作業者の負担を軽減することができ、作業者がエンジン4の始動を意図しない場合には、エンジン自動始動キャンセルスイッチ313を操作することによって、エンジン4の自動的な始動を禁止することができる。
また、エンジン自動始動キャンセルスイッチ313を車両後部に設けたことによって、作業者がエンジン4の自動的な始動を禁止するために車両の運転席等へ移動する必要がなく、利便性が向上する。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)塵芥収集車及び塵芥収集装置の構成は、上述した実施例のものに限らず、適宜変更することが可能である。
例えば、実施例の塵芥収集装置は圧縮板式のものであったが、回転板式のものであってもよい。
また、本発明は塵芥収集車に限らず、他種の電動作業車両にも適用することが可能である。
(2)各実施例では、バッテリの残存電力量低下時に、エンジンの出力をPTO機構を介してポンプに伝達することによって作業装置の駆動を継続しているが、これに代えて、あるいはこれと併用して、エンジンによって発電機を駆動し、発電された電力をバッテリあるいはインバータ経由でモータに供給して電動モータを駆動させるようにしてもよい。
(3)各実施例では、バッテリ残存電力量の低下を音声によって作業者に伝達しているが、これに代え、あるいは併用して、例えば灯火類やLCD等の画像表示装置によって伝達してもよい。
また、画像表示装置を用いる場合、これをタッチパネルとして作業者からの各種入力を行なえるようにしてもよい。
1 塵芥収集装置 2 トラックシャーシ
3 フレーム 4 エンジン
5 トランスミッション 6 PTO機構
10 ボデー 11 排出パネル
20 テールゲートホッパ 20a ホッパドア
21 積込パネル 22 操作盤
C1 逆流防止シリンダ C2 リフトシリンダ
C3 自動ロックシリンダ C4 上下動シリンダ
C5 カキ込シリンダ C6 排出シリンダ
100 油圧回路 110 作動油タンク
120 ポンプ 130 アキュムレータ
140 フィルタ 150 レギュレータ
160 作動制御バルブ SV1〜SV5 ソレノイドバルブ
L 油圧ライン
210 モータ 220 バッテリ
230 インバータ
310 電動駆動用コントローラ 311 情報伝達装置
312 エンジン始動スイッチ 313 エンジン自動始動キャンセルスイッチ
320 エンジンコントローラ

Claims (5)

  1. 車両に搭載された作業装置と、
    前記作業装置を電動アクチュエータによって駆動する電動駆動機構と、
    前記電動アクチュエータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、
    車両の走行用動力を発生するエンジンと、
    前記エンジンの動力によって前記作業装置を駆動するエンジン駆動機構と、
    作業者が車両外部で前記作業装置の操作を行う操作位置に隣接して設けられ、前記作業者に前記バッテリの残存電力量の低下を伝達する情報伝達手段と、
    前記操作位置に隣接して設けられ、前記作業者が前記エンジンによる前記作業装置の駆動開始操作を入力するエンジン駆動開始操作部と、
    前記情報伝達手段が前記バッテリの残存電力量不足を伝達した後における前記エンジン駆動開始操作部からの入力に応じて、前記エンジンを始動させるとともに、前記エンジン駆動機構を用いた前記作業装置の駆動を開始させる駆動切替制御手段と
    を備えることを特徴とする電動作業車両。
  2. 車両に搭載された作業装置と、
    前記作業装置を電動アクチュエータによって駆動する電動駆動機構と、
    前記電動アクチュエータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、
    車両の走行用動力を発生するエンジンと、
    前記エンジンの動力によって前記作業装置を駆動するエンジン駆動機構と、
    前記バッテリの残存電力量が低下した場合に、前記エンジンを自動的に始動させるとともに、前記エンジン駆動機構を用いた前記作業装置の駆動を開始させる駆動切替制御手段と、
    作業者が車両外部で前記作業装置の操作を行う操作位置に隣接して設けられ、前記作業者に前記バッテリの残存電力量の低下を伝達する情報伝達手段と、
    前記操作位置に隣接して設けられ、前記作業者が前記駆動切替制御手段によるエンジンの自動的な始動を禁止する操作を入力する自動始動禁止操作部と
    を備えることを特徴とする電動作業車両。
  3. 前記エンジン駆動機構は、前記エンジンの回転動力を抽出して前記作業装置に伝達するパワーテイクオフ機構を有すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動作業車両。
  4. 前記エンジン駆動機構は、前記エンジンによって駆動される発電機の電力を前記バッテリ、前記電動アクチュエータの少なくとも一方に供給する給電機構を有すること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電動作業車両。
  5. 前記作業装置は、車両後部に設けられたホッパドアから投入された塵芥を圧縮して収容部に積込む塵芥収集装置であり、
    前記作業者の前記操作位置は車両の後部近傍であること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電動作業車両。
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