JP2013060103A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1モータのトルク制限を状況に応じたより適正なものとする。
【解決手段】エンジン22からの動力とモータMG2からの動力とを用いて走行するエンジン運転モードでは、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]の最小値が設定される第1トルク制限Tlim1の範囲内でモータMG1を駆動制御する。一方、エンジン22の始動時や停止時には、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]が設定される第2トルク制限Tlim2の範囲内でモータMG1を駆動制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、モータMG1と、エンジンのクランクシャフトとモータMG1の回転軸と車軸に連結された駆動軸とにキャリアとサンギヤとリングギヤとが接続された動力分配統合機構と、駆動軸に回転軸が接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリと、を備え、モータMG2から駆動軸への動力の出力が不能であるときには、バッテリの入出力制限とモータMG1の最大定格トルクとによって定められる負荷率制限に基づいてモータMG1から入出力される駆動力の範囲を設定し、その駆動力の範囲内で動力分配統合機構とモータMG1とを介してエンジンから出力される駆動力だけが駆動軸に出力されるようエンジンとモータMG1とを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、上述したように、モータMG1の駆動力の範囲をバッテリの入出力制限と負荷率制限とに基づいて設定することにより、過大な電力がバッテリに入出力されるのを抑制している。
特開2007−118751号公報
こうしたハイブリッド自動車では、一般に、モータMG1などの機器の温度などに応じたモータMG1のトルク制限の範囲内でモータMG1を駆動制御することにより、モータMG1などの機器の保護や劣化の抑制を図っている。一方、エンジンの状態によっては、モータMG1の駆動が制限されるのをより抑制する(必要以上に制限されるのを抑制する)よう望まれることがある。したがって、モータMG1のトルク制限を状況に応じたより適正なものとすることが課題の一つとして考えられている。
本発明のハイブリッド自動車は、第1モータのトルク制限を状況に応じたより適正なものとすることを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
走行用の動力を出力可能なエンジンと、前記エンジンの出力軸に動力を入出力可能な第1モータと、走行用の動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、前記エンジンの間欠運転を伴って走行するよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記第1モータについては、前記エンジンの始動時,停止時の少なくとも一方を含む所定時でないときには、m(m≧1)個のパラメータに基づく第1群のm個の仮トルク制限と、n(n≧1)個のパラメータに基づき前記第1群に比して重要性が低い第2群のn個の仮トルク制限と、によって定めた第1トルク制限の範囲内で駆動制御し、前記所定時には、前記第1群のm個の仮トルク制限によって定めた第2トルク制限の範囲内で駆動制御する手段である、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、エンジンの間欠運転を伴って走行するようエンジンと第1モータと第2モータとを制御するものにおいて、第1モータについては、エンジンの始動時,停止時の少なくとも一方を含む所定時でないときには、m(m≧1)個のパラメータに基づく第1群のm個の仮トルク制限と、n(n≧1)個のパラメータに基づき第1群に比して重要性が低い第2群のn個の仮トルク制限と、によって定めた第1トルク制限の範囲内で駆動制御し、所定時には、第1群のm個の仮トルク制限によって定めた第2トルク制限の範囲内で駆動制御する。これにより、第1モータのトルク制限を状況に応じたより適正なものとすることができる。
ここで、第1群のm個の仮トルク制限と第2群のn個の仮トルク制限とによって第1トルク制限を定めるとは、(m+n)個の仮トルク制限の最小値を第1トルク制限として定めることをいう。また、第1群のm個の仮トルク制限によって第2トルク制限を定めるとは、mが値1のときには1個の仮トルク制限をそのまま第2トルク制限として定め、mが値2以上のときにはm個の仮トルク制限の最小値を第2トルク制限として定めることをいう。したがって、第2トルク制限は、第1トルク制限と同一またはそれより大きな値となる。この結果、所定時には、所定時でないときに比して第1モータのトルクの大きさが制限されにくくなるから、エンジンの始動や停止をよりスムーズに行なうことができると考えられる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記第1モータについては、前記エンジンの始動時には、前記エンジンの回転数を上昇させるための上昇用トルクを前記第2トルク制限によって制限して得られる駆動指令を用いて駆動制御する手段である、ものとすることもできる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記第1モータについては、前記エンジンの停止時には、前記エンジンを回転停止させるための回転停止用トルクを前記第2トルク制限によって制限して得られる駆動指令を用いて駆動制御する手段である、ものとすることもできる。
さらに、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記エンジンが運転停止されているとき、前記エンジンの始動条件の一つとして、前記第2トルク制限が始動用閾値以下である条件を用いる手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第1トルク制限が始動用閾値以下である条件を用いるものに比して、エンジンの始動条件が成立しにくくなるから、エンジンの運転停止時間を長くすることができる。
あるいは、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記エンジンが運転されているとき、前記エンジンの停止条件の一つとして、前記第2トルク制限が停止用閾値以上である条件を用いる手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第1トルク制限が停止用閾値以上である条件を用いるものに比して、エンジンの停止条件が成立しやすくなるから、エンジンの運転停止時間を長くすることができる。
加えて、本発明のハイブリッド自動車において、前記第2モータからの動力だけを用いて走行するモータ走行を指示するモータ走行指示スイッチを備え、前記制御手段は、前記モータ走行指示スイッチがオンで前記モータ走行によって走行しているとき、前記モータ走行を終了するモータ走行終了条件の一つとして、前記第2トルク制限が前記モータ走行の終了用閾値以下である条件を用いる手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第1トルク制限がモータ走行の終了用閾値以下である条件を用いるものに比して、モータ走行終了条件が成立しにくくなるから、エンジンの運転停止時間を長くすることができる。
本発明のハイブリッド自動車において、前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸と車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、車両に制動力を付与可能な制動力付与装置と、を備え、前記第2モータは、前記駆動軸に回転軸が接続されてなり、前記制御手段は、前記第2モータを回生駆動している最中に前記エンジンの始動条件が成立したとき、待機条件が成立しているときには、前記第2モータの回生トルク分を前記制動力付与装置による制動力に置き換えた後に前記エンジンの始動を開始し、前記待機条件が成立していないときには、前記第2モータの回生トルク分を前記制動力付与装置による制動力に置き換えずに前記エンジンの始動を開始する手段であり、更に、前記制御手段は、前記待機条件の一つとして、前記第2トルク制限が待機用閾値以上である条件を用いる手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第1トルク制限が待機用閾値以上である条件を用いるものに比して、待機条件が成立しやすくなるから、第2モータの回生トルク分を制動力付与装置による制動力に置き換えた後にエンジンの始動を開始する機会を増加させることができる。この結果、バッテリに過大な電力が入力されたりバッテリが過充電になったりするのを抑制することができる。
本発明のハイブリッド自動車において、前記第1モータおよび前記第2モータが接続された駆動電圧系と前記バッテリが接続された電池電圧系とに接続され、前記駆動電圧系の電圧を調節可能な昇圧コンバータを備え、前記制御手段は、前記第2モータを駆動するための第2モータ用インバータを正弦波制御モードで制御するときには車両の振動を抑制するための制振制御を実行し、前記第2モータ用インバータを過変調制御モードまたは矩形波制御モードで制御するときには前記制振制御を実行しない手段であり、更に、前記制御手段は、過変調制御モードまたは矩形波制御モードで前記第2モータ用インバータを制御している最中に前記エンジンの始動条件が成立したとき、第2の待機条件が成立しているときには、前記駆動電圧系の電圧を正弦波制御モードで前記第2モータ用インバータを制御することになる正弦波制御電圧にした後に前記エンジンの始動を開始し、前記第2の待機条件が成立していないときには、前記駆動電圧系の電圧を前記正弦波制御電圧にせずに前記エンジンの始動を開始する手段であり、更に、前記制御手段は、前記第2の待機条件の一つとして、前記第2トルク制限が第2の待機用閾値以上である条件を用いる手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第1トルク制限が第2の待機用閾値以上である条件を用いるものに比して、第2の待機条件が成立しやすくなるから、駆動電圧系の電圧を正弦波制御電圧にした後にエンジンの始動を開始する機会を増加させることができる。この結果、エンジンの始動時に、車両に生じる振動(始動ショック)を抑制することができる。
本発明のハイブリッド自動車において、前記第1群のm個の仮トルク制限は、前記第1モータを駆動するための第1モータ用インバータの温度に基づく仮トルク制限であり、前記第2群のn個の仮トルク制限は、前記第1モータの温度に基づく仮トルク制限,前記第1モータのロータの温度に基づく仮トルク制限,冷却液体を用いて前記第1モータおよび前記インバータを冷却する冷却装置の冷却液体の温度に基づく仮トルク制限である、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 モータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 HVECU70により実行されるトルク制限設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 モータ温度起因仮トルク制限設定用マップの一例を示す説明図である。 インバータ温度起因仮トルク制限設定用マップの一例を示す説明図である。 ロータ温度起因仮トルク制限設定用マップの一例を示す説明図である。 冷却水温起因仮トルク制限設定用マップの一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子とを示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力しながら走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 制御モード対応関係の一例を示す説明図である。 停止時駆動制御の一例を示すフローチャートである。 エンジン22の停止時のモータMG1の仮トルクTm1tmpとエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。 始動時駆動制御の一例を示すフローチャートである。 エンジン22の始動時のプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 エンジン22の始動時のモータMG1の仮トルクTm1tmpとエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。 モータMG2を回生駆動しながらエンジン22を始動するときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2はモータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されてロータがプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されてロータが駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50と、インバータ41,42が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ライン54aという)とバッテリ50が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ライン54bという)とに接続されて駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを調節すると共に駆動電圧系電力ライン54aと電池電圧系電力ライン54bとの間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ55と、インバータ41,42を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に昇圧コンバータ55を制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、モータMG1,MG2やインバータ41,42を冷却する冷却装置60と、駆動輪38a,38bや従動輪39a,39bのブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Twe,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータMG1,MG2は、いずれも、永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されている。インバータ41,42は、図2に示すように、6つのトランジスタT11〜T16,T21〜26と、トランジスタT11〜T16,T21〜T26に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16,D21〜D26と、により構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれ駆動電圧系電力ライン54aの正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ41,42に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を調節することにより、三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。インバータ41,42は、駆動電圧系電力ライン54aの正極母線と負極母線とを共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。駆動電圧系電力ライン54aの正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ57が接続されている。
昇圧コンバータ55は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとからなる昇圧コンバータとして構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれ駆動電圧系電力ライン54aの正極母線,駆動電圧系電力ライン54aおよび電池電圧系電力ライン54bの負極母線に接続されており、トランジスタT31,T32の接続点と電池電圧系電力ライン54bの正極母線とにリアクトルLが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフすることにより、電池電圧系電力ライン54bの電力を昇圧して駆動電圧系電力ライン54aに供給したり、駆動電圧系電力ライン54aの電力を降圧して電池電圧系電力ライン54bに供給したりすることができる。電池電圧系電力ライン54bの正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ58が接続されている。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流,モータMG1に取り付けられた温度センサ45からのモータ温度Tmot,インバータ41に取り付けられた温度センサ46からのインバータ温度Tinv,コンデンサ57の端子間に取り付けられた電圧センサ57aからのコンデンサ57の電圧(駆動電圧系電力ライン54aの電圧)VHやコンデンサ58の端子間に取り付けられた電圧センサ58aからのコンデンサ58の電圧(電池電圧系電力ライン54bの電圧)VLなどが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ55のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2を演算したり、モータMG2の回転角速度ωm2に基づいてモータMG2の回転軸に換算した駆動輪38a,38bの回転角速度としての駆動輪回転角速度ωbを演算したり、モータMG1の駆動状態(トルク指令Tm1*,回転数Nm1)に基づいてモータMG1のロータの温度であるロータ温度Trotを推定したりしている。なお、駆動輪回転角速度ωbは、モータMG2から駆動輪38a,38bの間の特性に限定することにより得られる2慣性系の制御系設計モデルに対して制御サンプル時間で0次ホールドを用いて離散化したモデルを用いて演算するものとしたり、駆動輪38a,38bに車輪速センサを取り付けて車輪速センサからの信号に基づいて演算するものとしたりすることができる。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
冷却装置60は、図示しないエンジンルームの最前部に配置されて冷却水と外気との熱交換を行なうラジエータ62と、モータMG1,MG2とインバータ41,42とラジエータ62とを含む循環流路64と、冷却水が循環流路64内で循環するよう冷却水を圧送する電動ポンプ66と、を備える。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動力が駆動輪38a,38bや従動輪39a,39bに作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、駆動輪38a,38bや従動輪39a,39bに制動力が作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。このブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。ブレーキECU94は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをHVECU70に出力する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、冷却装置60の冷却水の温度を検出する温度センサ68からの冷却水温Twm,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,モータMG2からの動力だけを用いて走行する運転モード(後述のモータ運転モード)での走行を指示するEVスイッチ89からのスイッチ信号EVSWなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70からは、冷却装置60の電動ポンプ66への駆動制御信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図3は、HVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,モータMG1のトルク制限としての第1,第2トルク制限Tlim1,Tlim2など制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサにより検出されたクランクポジションθcrに基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2のロータの回転位置θm1,θm2に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。第1,第2トルク制限Tlim1,Tlim2は、HVECU70により実行される図4のトルク制限設定ルーチンによって設定されたものを入力するものとした。以下、図3の駆動制御ルーチンの説明を一旦中断し、図4のトルク制限設定ルーチンについて説明する。
図4のトルク制限設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、モータMG1の温度(モータ温度Tmot)に基づくモータMG1の仮のトルク制限であるモータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]や、インバータ41の温度(インバータ温度Tinv)に基づくモータMG1の仮のトルク制限であるインバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],モータMG1のロータの温度(ロータ温度Trot)に基づくモータMG1の仮のトルク制限であるロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却装置60の冷却水の温度(冷却水温Twm)に基づくモータMG1の仮のトルク制限である冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]などのデータを入力する(ステップS300)。
ここで、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot]は、それぞれ、温度センサ45からのモータ温度Tmot,温度センサ46からのインバータ温度Tinv,モータECU40により推定されたロータ温度Trotに基づいてモータECU40により設定されたものを通信により入力するものとした。また、冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]は、温度センサ68からの冷却水温Twmに基づいてHVECU70により設定されたものを入力するものとした。
モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]は、実施例では、モータ温度Tmotとモータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]との関係を予め定めてモータ温度起因仮トルク制限設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、モータ温度Tmotが与えられると記憶したマップから対応するモータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]を導出して設定するものとした。モータ温度起因仮トルク制限設定用マップの一例を図5に示す。図中、「Trat」は、そのときのモータMG1の回転数Nm1におけるモータMG1の定格トルクである。また、図中、「Tmotmax」は、モータMG1を保護可能なモータ温度Tmotの範囲の上限(超過するとモータMG1が故障に至る可能性がある温度、以下、保護上限温度という)である。さらに、図中、「Tmotref1」は、モータMG1のトルクを定格トルクTratに対して制限する(小さくする)モータ温度Tmotの範囲の下限(以下、制限開始温度という)であり、「Tmotref2」はモータMG1のトルクを値0に制限する(トルクが出力されないようにする)モータ温度Tmotの範囲の下限(以下、出力禁止温度という)である。モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]は、モータ温度Tmotが保護上限温度Tmotmaxを超えないようにするために、図示するように、モータ温度Tmotが制限開始温度Tmotref1未満の領域では定格トルクTratが設定され、モータ温度Tmotが制限開始温度Tmotref1以上でそれより高い出力禁止温度Tmotref2未満の領域ではモータ温度Tmotが高いほど定格トルクTmotから値0に向けて小さくなるよう設定され、モータ温度Tmotが出力禁止温度Tmotref2以上の領域では値0が設定される。
インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]については、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]と同様に、それぞれ、図6のインバータ温度起因仮トルク制限設定用マップ,図7のロータ温度起因仮トルク制限設定用マップ,図8の冷却水温起因仮トルク制限設定用マップを用いて設定するものとした。図6中、「Tinvmax」はインバータ41を保護可能なインバータ温度Tinvの範囲の上限(超過するとインバータ41が故障に至る可能性がある温度)であり、図7中、「Trotmax」は、モータMG1のロータを保護可能なロータ温度Trotの範囲の上限(超過するとモータMG1のロータが故障に至る可能性がある温度)であり、図8中、「Twmmax」は、モータMG1やインバータ41などを保護可能な冷却水温Twmの範囲の上限(超過するとモータMG1やインバータ41などが故障に至る可能性があるある温度)である。また、図6の「Tinvref1」,図7の「Trotref1」,図8の「Twmref1」は制限開始温度を示し、図6の「Tinvref2」,図7の「Trotref2」,図8の「Twmref2」は出力禁止温度を示す。インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]は、図6〜図8に示すように、図5のモータ温度起因仮トルク制限設定用マップと同様の傾向に設定されている。
また、実施例では、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]は、インバータ41などの保護を図るために設定され、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]は、モータMG1やインバータ41などの劣化の抑制(「保護」に比して重要性が低い)を図るために設定されるものとした。具体的には、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]は、インバータ41などの故障を回避するために厳守すべき仮のトルク制限として設定され、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]は、一時的であれば無視可能な仮のトルク制限として設定されるものとした。
こうしてモータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot]や、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]などのデータを入力すると、入力したモータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]の最小値を第1トルク制限Tlim1として設定すると共に(ステップS310)、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]を第2トルク制限Tlim2として設定して(ステップS320)、本ルーチンを終了する。
即ち、第1トルク制限Tlim1は、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]のうち重要性が高い(厳守すべき)仮のトルク制限も重要性が比較的低い(一時的であれば無視可能な)仮のトルク制限も考慮して設定されるものとなり、第2トルク制限Tlim2は、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]のうち重要性が高い(厳守すべき)仮のトルク制限だけを考慮して即ち重要性が比較的低い(一時的であれば無視可能な)仮のトルク制限を考慮せずに設定されるものとなる。したがって、第2トルク制限Tlim2は、第1トルク制限Tlim1と同一またはそれより大きな値となる。
以上、図4のトルク制限設定ルーチンについて説明した。図3の駆動制御ルーチンの説明に戻る。ステップS100でデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に(ステップS110)、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数など)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算し(ステップS112)、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を計算する(ステップS114)。ここで、要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図9に示す。
続いて、エンジン運転モードで走行しているか否かを判定し(ステップS120)、エンジン運転モードで走行していると判定されたときには、エンジン22の停止条件(モータ運転モードへの移行条件)が成立したか否かを判定する(ステップS130)。ここで、エンジン22の停止条件としては、実施例では、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstop以上である条件や、エンジン22の要求パワーPe*が所定値Pstop以下である条件,バッテリ50の蓄電割合SOCが所定値SOCstop以上である条件などを用いるものとした。なお、第2トルク制限Tlim2やバッテリ50の蓄電割合SOCの条件は、次回にエンジン22を始動できる下限値よりある程度高い状態であるか否か(エンジン22を運転停止しても差し支えない)を判定するものであり、エンジン22の要求パワーPe*の条件は、エンジン22の運転効率を考慮してエンジン22を運転停止した方がよいか否かを判定するものである。そして、これらの条件の少なくとも一つが成立していないときには、エンジン22の停止条件が成立していないと判定してエンジン運転モードでの走行を継続し、これらの条件の全てが成立したときには、エンジン22の停止条件が成立したと判定してエンジン22を運転停止してモータ運転モードに移行するものとした。
このように、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstop以上であることをエンジン22の停止条件の一つとして用いることにより、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimstop以上であることをエンジン22の停止条件の一つとして用いるものに比して、エンジン22の停止条件が成立しやすくなる。この結果、エンジン22を運転停止する機会を増加させる(運転停止時間を長くする)ことができ、エンジン22の燃料消費の抑制や、静粛性の向上などを図ることができる。
エンジン22の停止条件が成立していないと判定されたときには、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)と、要求パワーPe*と、に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS140)。図10は、エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子とを示す説明図である。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とは、図示するように、エンジン22の動作ラインと要求パワーPe*(=Ne*×Te*)が一定の曲線との交点として求めることができる。
続いて、設定したエンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)とを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共にエンジン22の目標トルクTe*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとモータMG1の目標回転数Nm1*および回転数Nm1とを用いて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値としての仮トルクTm1tmpを計算し(ステップS150)、式(3)により仮トルクTm1tmpを第1トルク制限Tlim1およびその符号を反転させた値(−Tlim1)で制限してモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定する(ステップS152)。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。図11は、エンジン22からパワーを出力しながら走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤの回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリアの回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2である駆動軸36の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクTm2とを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1の回転数Nm1が目標回転数Nm1*となるようにするためのフィードバック制御の関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tlim1),-Tlim1) (3)
続いて、次式(4)により要求トルクTr*にモータMG1のトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値としての仮トルクTm2tmpを計算し(ステップS160)、式(5)および式(6)によりバッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*に回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差分をモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し(ステップS162)、式(7)により仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を設定する(ステップS164)。ここで、式(4)は、図11の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (4)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (6)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (7)
そして、走行用パワーPdrv*に応じた電圧である走行用パワー起因電圧VHpdを駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagに設定する(ステップS170)。ここで、走行用パワー起因電圧VHpdは、実施例では、最大許容電圧VHmax以下の範囲内において、モータMG1,MG2の駆動によって走行用パワーPdrv*を駆動軸36に出力可能な範囲内で比較的低い電圧を用いるものとした。これは、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で走行用パワーPdrv*を駆動軸36に出力できるようにすると共に、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを高くすることによる昇圧コンバータ55での損失を抑制するためである。なお、最大許容電圧VHmaxは、コンデンサ57の耐圧より若干低い電圧などを用いることができる。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*,駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagを設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24に送信し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagについてはモータECU40に送信して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイント(目標運転ポイント)で運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。また、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagを受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうと共に、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHが目標電圧VHtagとなるよう昇圧コンバータ55のトランジスタT31,T32のスイッチング制御を行なう。
こうした制御により、エンジン運転モードで、エンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。そして、この場合、モータMG1の仮トルクTm1tmpを第1トルク制限Tlim1および値(−Tlim1)で制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、モータMG1の仮トルクTm1tmpを第2トルク制限Tlim2(≧Tlim1)および値(−Tlim2)で制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御するものに比して、モータMG1のトルクの大きさが小さくなりやすい(仮トルクTm1tmpに対して大きく制限されやすい)。したがって、モータMG1やインバータ41の保護や劣化の抑制をより確実に図ることができる。
ここで、インバータ41,42の制御について説明する。インバータ41,42は、実施例では、正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードのいずれかで制御するものとした。ここで、正弦波制御モードは、モータMG1,MG2の電圧指令と三角波(搬送波)電圧との比較によってトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を調節するパルス幅変調(PWM)制御において、三角波電圧の振幅以下の振幅の正弦波状の電圧指令を変換して得られる擬似的三相交流電圧をモータMG1,MG2に供給する制御モードである。また、過変調制御モードは、パルス幅変調制御において、三角波電圧の振幅より大きな振幅の正弦波状の電圧指令を変換して得られる過変調電圧をモータMG1,MG2に供給する制御モードである。さらに、矩形波制御モードは、矩形波電圧をモータMG1,MG2に供給する制御モードである。
インバータ41,42の制御モードは、例えば、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHとモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*および回転数Nm1,Nm2とインバータ41,42の制御モードとの関係(以下、制御モード対応関係という)に対して、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHとモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*および回転数Nm1,Nm2とを適用することによって設定することができる。図12は、制御モード対応関係の一例を示す説明図である。図12では、トルク指令Tm1*,Tm2*をまとめてトルク指令Tm*として示すと共に回転数Nm1,Nm2をまとめて回転数Nmとして示し、トルク指令Tm*および回転数Nmが正の領域(第1象限)について図示した。インバータ41,42の制御モードは、図示するように、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VH毎に、モータMG2のトルク指令Tm*の大きさや回転数Nmの大きさが小さい側から順に正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードとなるよう定められていると共に、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHが高いほど正弦波制御モードと過変調制御モードとの境界や過変調制御モードと矩形波制御モードとの境界が高回転高トルク側となるよう定められている。モータMG1,MG2やインバータ41,42の特性として、矩形波制御モード,過変調制御モード,正弦波制御モードの順で、モータMG1,MG2の出力応答性や制御性がよくなり、出力が小さくなり、インバータ41,42のスイッチング損失などが大きくなることが分かっている。したがって、低回転数低トルクの領域では、正弦波制御モードでインバータ41,42を制御することにより、モータMG1,MG2の出力応答性や制御性を良くすることができる。また、高回転数高トルク領域では、矩形波制御モードでインバータ41,42を制御することにより、大出力を可能とすると共にインバータ41,42のスイッチング損失などを低減することができる。
図3の駆動制御ルーチンの説明に戻る。ステップS130でエンジン22の停止条件が成立したと判定されたときには、エンジン運転モードからモータ運転モードに移行すると判断し、走行しながらモータMG1によってエンジン22の回転数Neを低下させて回転停止させるために、図13の停止時駆動制御を実行して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。以下、図3の駆動制御ルーチンの説明を一旦中断し、図13の停止時駆動制御について説明する。
停止時駆動制御では、まず、エンジン22が運転停止されているか否かを判定し(ステップS400)、エンジン22が運転停止されていないと判定されたときには、エンジン22が運転停止されるよう制御信号(運転停止信号)をエンジンECU24に送信し(ステップS410)、エンジン22が運転停止されていると判定されたときには、ステップS410の処理を実行しない。運転停止信号を受信したエンジンECU24は、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を停止する。
続いて、入力したエンジン22の回転数Neに基づいて、モータMG1の仮トルクTm1tmpを設定する(ステップS420)。図14は、エンジン22の停止時のモータMG1の仮トルクTm1tmpとエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。図示するように、絶対値が比較的大きな負のトルク(エンジン22の回転数Neを低下させる方向のトルク)をモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定して、エンジン22の回転数Neを迅速に低下させる(共振回転数帯を迅速に通過させる)。そして、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstopに到達した時刻t11から、レート処理を用いて、比較的小さな正のトルクをモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定して、エンジン22を目標停止位置(例えば、最後に圧縮行程を終える気筒が上死点近傍となる位置など)で緩やかに停止させる。なお、停止直前回転数Nstopは、エンジン22がその後に略1回転して停止するエンジン22の回転数などとして実験や解析などによって定めた値(例えば、200rpmや300rpmなど)を用いることができる。
こうしてモータMG1の仮トルクTm1tmpを設定すると、設定したモータMG1の仮トルクTm1tmpを第2トルク制限Tlim2およびその符号を反転させた値(−Tlim2)を用いて式(8)により制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS422)、図3の駆動制御ルーチンのステップS160〜S164の処理と同様にモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS430〜S434)、ステップS170の処理と同様に走行用パワー起因電圧VHpd(走行用パワーPdrv*に応じた電圧)を駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagに設定し(ステップS440)、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagをモータECU40に送信する(ステップS450)。
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tlim2),-Tlim2) (8)
このように、エンジン22の停止時には、モータMG1の仮トルクTm1tmpを第2トルク制限Tlim2(≧Tlim1)および値(−Tlim2)で制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、モータMG1の仮トルクTm1tmpを第1トルク制限Tlim1および値(−Tlim1)で制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御するものに比して、モータMG1のトルクの大きさが小さくなりにくい(仮トルクTm1tmpに対して制限されにくい)。この結果、エンジン22の停止時に、エンジン22の回転停止に要する時間が長くなったり、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過するのに要する時間が長くなることによって車両に振動(ショック)が生じたりするのを抑制することができる。即ち、エンジン22の停止をよりスムーズに行なうことができる。
そして、エンジン22が回転停止したか否かを判定し(ステップS460)、エンジン22が回転停止していないと判定されたときにはそのまま本ルーチンを終了し、エンジン22が回転停止したと判定されたときには、停止完了フラグFstopに値1を設定して(ステップS470)、本ルーチンを終了する。
以上、図13の停止時制御について説明した。図3の駆動制御ルーチンの説明に戻る。エンジン22が回転停止して停止完了フラグFstopに値1が設定されると、その後に本ルーチンが実行されたときには、ステップS120でエンジン運転モードで走行していない(モータ運転モードで走行している)と判定され、エンジン22の始動条件(エンジン運転モードへの移行条件)が成立したか否かを判定する(ステップS200)。ここで、エンジン22の始動条件としては、実施例では、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstart(=Tlimstop−α1)以下である条件や、エンジン22の要求パワーPe*が所定値Pstart(=Pstop+α2)以上である条件,バッテリ50の蓄電割合SOCが所定値SOCstart(=SOCstop−α3)以下である条件などを用いるものとした。なお、第2トルク制限Tlim2やバッテリ50の蓄電割合SOCの条件は、エンジン22を始動できる下限値に至る前にエンジン22を始動すべきか否かを判定するものであり、エンジン22の要求パワーPe*の条件は、エンジン22の運転効率を考慮してエンジン22を運転した方がよいか否かを判定するものである。そして、これらの条件の全てが成立していないときには、エンジン22の始動条件が成立していないと判定してモータ運転モードでの走行を継続し、これらの条件の少なくとも一つが成立したときには、エンジン22の始動条件が成立したと判定してエンジン22を始動してエンジン運転モードに移行するものとした。ここで、所定値α1〜α3は、エンジン22の始動と停止とが頻繁に生じないようにヒステリシスを持たせるためのものであり、適宜設定することができる。
このように、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstart以下であることをエンジン22の始動条件の一つとして用いることにより、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimstart以下であることをエンジン22の始動条件の一つとして用いるものに比して、エンジン22の始動条件が成立しにくくなる。この結果、エンジン22の運転停止時間を長くすることができ、エンジン22の燃料消費の抑制や、静粛性の向上などを図ることができる。
エンジン22の始動条件が成立していないと判定されたときには、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に(ステップS210)、モータMG2の仮トルクTm2tmpに要求トルクTr*を設定し(ステップS220)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2のトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し(ステップS222)、上述の式(6)により仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS224)、上述のステップS170の処理と同様に走行用パワー起因電圧VHpd(走行用パワーPdrv*に応じた電圧)を駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagに設定し(ステップS230)、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagをモータECU40に送信して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。この場合、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定してモータMG1を駆動制御するから、第2トルク制限Tlim2(≧Tlim1)および値(−Tlim2)の範囲内でモータMG1を駆動制御すると考えることもできる。
一方、ステップS200でエンジン22の始動条件が成立していると判定されたときには、モータ運転モードからエンジン運転モードに移行すると判断し、走行しながらモータMG1によってエンジン22をモータリング(クランキング)して始動させるために、図15の始動時駆動制御を実行して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。こうしてエンジン22の始動が完了すると(後述の始動完了フラグFsに値1が設定されると)、ステップS120でエンジン運転モードで走行していると判定され、ステップS130以降の処理を実行する。
次に、図15の始動時駆動制御について説明する。図16は、参考のために、エンジン22の始動時のプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。始動時駆動制御では、まず、エンジン22の回転数Neとモータリング開始からの経過時間tstartとに基づいてモータMG1の仮トルクTm1tmpを設定する(ステップS600)。図17は、エンジン22の始動時のモータMG1の仮トルクTm1tmpとエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。図示するように、エンジン22の始動条件が成立した(始動指示がなされた)時間t21の直後から、レート処理を用いて、絶対値が比較的大きな正のトルク(エンジン22の回転数Neを増加させる方向のトルク)をモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定して、エンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。そして、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過したり共振回転数帯を通過するのに要する時間が経過したりした時間t22から、レート処理を用いて、エンジン22を安定して所定回転数Nstart以上でモータリング可能なトルクをモータMG1の仮トルク指令Tm1tmpに設定して、モータMG1の電力消費や駆動軸36に作用するトルクを小さくする。そして、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstartに至った時間t23から、レート処理を用いて、モータMG1の仮トルクTm1tmpを値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t24から、発電用のトルクをモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定する。ここで、所定回転数Nstartは、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数である。
こうしてモータMG1の仮トルクTm1tmpを設定すると、設定したモータMG1の仮トルクTm1tmpを第2トルク制限Tlim2およびその符号を反転させた値(−Tlim2)を用いて上述の式(8)により制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS602)、図2の駆動制御ルーチンのステップS160〜S164の処理と同様にモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS610〜S614)、ステップS170の処理と同様に走行用パワー起因電圧VHpd(走行用パワーPdrv*に応じた電圧)を駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagに設定し(ステップS620)、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VHtagをモータECU40に送信する(ステップS630)。
このように、エンジン22の始動時には、モータMG1の仮トルクTm1tmpを第2トルク制限Tlim2(≧Tlim1)および値(−Tlim2)で制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、モータMG1の仮トルクTm1tmpを第1トルク制限Tlim1および値(−Tlim1)で制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御するものに比して、モータMG1のトルクの大きさが小さくなりにくい(仮トルクTm1tmpに対して制限されにくい)。この結果、エンジン22の始動時に、エンジン22の始動に要する時間が長くなったり、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過するのに要する時間が長くなることによって車両に振動(ショック)が生じたりするのを抑制することができる。即ち、エンジン22の始動をよりスムーズに行なうことができる。
次に、エンジン22の回転数Neを上述の所定回転数Nstartと比較し(ステップS640)、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstart未満のときには、そのまま本ルーチンを終了する。
ステップS640でエンジン22の回転数Neが所定回転数Nstart以上のときには、エンジン22の運転が開始されているか否かを判定し(ステップS650)、エンジン22の運転が開始されていないと判定されたときには、エンジン22の運転が開始されるよう制御信号(運転開始信号)をエンジンECU24に送信し(ステップS660)、エンジン22の運転が開始されていると判定されたときには、ステップS650の処理を実行しない。運転開始指令を受信したエンジンECU24は、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する。
そして、エンジン22が完爆に至ったか否かを判定し(ステップS670)、エンジン22が完爆に至っていないと判定されたときにはそのまま本ルーチンを終了し、エンジン22が完縛に至ったと判定されたときにはエンジン22の始動が完了したことを示す始動完了フラグFsに値1を設定して(ステップS680)、本ルーチンを終了する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG1については、エンジン運転モードでの走行時には、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]の最小値が設定される第1トルク制限Tlim1の範囲内で駆動制御し、エンジン22の始動時や停止時には、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]が設定される第2トルク制限Tlim2の範囲内で駆動制御するから、モータMG1のトルク制限を状況に応じたより適正なものとすることができる。この結果、エンジン22の始動や停止に要する時間が長くなったり、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過するのに要する時間が長くなることによって車両に振動(ショック)が生じたりするのを抑制することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の始動条件の一つとして、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstart以下である条件を用いるから、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimstart以下である条件を用いるものに比して、エンジン22の始動条件が成立しにくくなり、エンジン22の運転停止時間を長くすることができる。また、エンジン22の停止条件の一つとして、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstop以上である条件を用いるから、第1トルク制限Tlim1が所定値Tlimstop以上である条件を用いるものに比して、エンジン22の停止条件が成立しやすくなり、エンジン22の運転停止時間を長くすることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の始動時や停止時には、第2トルク制限Tlim2および値(−Tlim2)の範囲内でモータMG1を駆動制御するものとしたが、エンジン22の始動時には第2トルク制限Tlim2および値(−Tlim2)の範囲内でモータMG1を駆動制御するもののエンジン22の停止時には第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)および値(−Tlim1)の範囲内でモータMG1を駆動制御するものとしたり、エンジン22の停止時には第2トルク制限Tlim2および値(−Tlim2)の範囲内でモータMG1を駆動制御するもののエンジン22の始動時には第1トルク制限Tlim1および値(−Tlim1)の範囲内でモータMG1を駆動制御するものとしたりしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の始動条件の一つとして、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstart以下である条件を用いるものとしたが、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimstart以下である条件を用いるものとしてもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の停止条件の一つとして、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstop以上である条件を用いるものとしたが、第1トルク制限Tlim1が所定値Tlimstop以上である条件を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、EVスイッチ89からのスイッチ信号EVSWがオンのときの動作については説明していないが、EVスイッチ89からのスイッチ信号EVSWがオンのときには、モータ運転モードで走行しているときに、エンジン22の始動条件が成立したか否かを判定する処理(図3の駆動制御ルーチンのステップS200の処理)に代えて、モータ運転モードの解除条件が成立したか否かを判定する処理を実行すればよい。ここで、モータ運転モードの解除条件としては、この変形例では、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimcancel(<Tlimstart)以下である条件や、エンジン22の要求パワーPe*が所定値Pcancel(>Pstart)以上である条件,バッテリ50の蓄電割合SOCが所定値SOCcancel(<SOCstart)以下である条件などを用いるものとした。そして、これらの条件の全てが成立していないときには、モータ運転モードの解除条件が成立していないと判定してモータ運転モードでの走行を継続し、これらの条件の少なくとも一つが成立したときには、モータ運転モードの解除条件が成立したと判定してエンジン22を始動してエンジン運転モードに移行するものとした。このように、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimstart以下であることをモータ運転モードの解除条件の一つとして用いることにより、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimstart以下であることをモータ運転モードの解除条件の一つとして用いるものに比して、モータ運転モードの解除条件が成立しにくくなる。この結果、エンジン22の運転停止時間(モータ運転モードでの走行時間)を長くすることができ、エンジン22の燃料消費の抑制や、静粛性の向上などを図ることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータ運転モードでモータMG2を回生駆動している最中にエンジン22の始動条件が成立したときの動作については説明していないが、この場合、第1の待機条件が成立しているか否かを判定し、第1の待機条件が成立していると判定されたときには、モータMG2の回生トルク分をブレーキアクチュエータ92による制動力に置き換えた後にエンジン22の始動(モータMG1によるエンジン22のモータリング)を開始し、第1の待機条件が成立していないと判定されたときには、モータMG2の回生トルク分をブレーキアクチュエータ92による制動力に置き換えずにエンジン22の始動を開始する(エンジン22の始動を直ちに開始する)ものとしてもよい。ここで、第1の待機条件としては、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimwait1以上である条件や、車速Vが所定値Vwait1以上である(モータMG1の回転数Nm1が所定値Vwait1に相当する回転数Nwait1(<0)以下である)条件などを用いるものとした。そして、これらの条件の少なくとも一つが成立していないときには、第1の待機条件が成立していないと判定し、これらの条件の全てが成立しているときには、第1の待機条件が成立していると判定するものとした。
図18は、モータMG2を回生駆動しながらエンジン22を始動するときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。走行中のエンジン22の始動時には、図示するように、エンジン22のモータリング初期(モータMG1の回転数Nm1が値0未満のとき)にモータMG1によって発電が行なわれる。このモータMG1の発電電力は、車速Vが高いほど(モータMG1の回転数Nm1が負の方向に大きいほど)大きくなりやすい。そして、モータMG2を回生駆動しているときには、モータMG1,MG2の両方で発電が行なわれることになるから、バッテリ50に比較的大きな電力が充電されることになる。このため、モータ運転モードでモータMG2を回生駆動している最中にエンジン22の始動条件が成立したときには、モータMG2の回生トルク分をブレーキアクチュエータ92による制動力に置き換えた後にエンジン22の始動を開始すれば、モータMG2の発電電力分だけバッテリ50への充電を抑制することができ、バッテリ50に過大な電力が入力されたりバッテリ50が過充電になったりするのを抑制することができる。なお、この場合、モータMG2の回生トルク分をブレーキアクチュエータ92による制動力に置き換えるのに要する時間だけエンジン22の始動完了までの時間が長くなるため、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimwait1未満のときには、エンジン22の始動性能を確保するためにエンジン22の始動を直ちに開始し、車速Vが低いときには、バッテリ50に過大な電力が入力されたりバッテリ50が過充電になったりする可能性が低いことを踏まえてエンジン22の始動を直ちに開始するものとした。
この変形例では、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimwait1以上であることを第1の待機条件の一つとして用いることにより、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimwait1以上であることを第1の待機条件の一つとして用いるものに比して、第1の待機条件が成立しやすくなる。この結果、モータMG2の回生トルク分をブレーキアクチュエータ92による制動力に置き換えた後にエンジン22の始動を開始する機会を増加させることができ、エンジン22の始動時に、バッテリ50に過大な電力が入力されたりバッテリ50が過充電になったりするのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうものとしたが、正弦波制御モードでインバータ42を制御するときには、モータMG2のトルク指令Tm2*と、駆動輪回転角速度ωbとモータMG2の回転角速度ωm2との差分が打ち消されるようにするための制振トルクTvと、の和のトルク(Tm2*+Tv)がモータMG2から出力されるようインバータ42を制御し(モータMG2による制振制御を実行し)、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御するときには、実施例と同様に、トルク指令Tm2*がモータMG2から出力されるようインバータ42を制御する(モータMG2による制振制御を実行しない)ものとしてもよい。こうすれば、正弦波制御モードでインバータ42でインバータを制御するときには、車両に生じる振動を抑制することができる。なお、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御するときにモータMG2による制振制御を実行しないのは、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御するときには、正弦波制御モードでインバータ42を制御するときに比してモータMG2の制御性がよくないことから、モータMG2による制振制御を適正に行なうことができない可能性があるためである。
このように、正弦波制御モードでインバータ42をするときにはモータMG2による制振制御を実行し、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御するときにはモータMG2による制振制御を実行しない場合、エンジン22の始動条件が成立したときには、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御していることを条件として、第2の待機条件が成立しているか否かを判定し、第2の待機条件が成立していると判定されたときには、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHをエンジン22の始動時に正弦波制御モードでインバータ42を制御する(モータMG2による制振制御を実行する)ことになる電圧としての正弦波制御電圧VHsinにした後にエンジン22の始動を開始し、第2の待機条件が成立していないと判定されたときには、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを正弦波制御電圧VHsinにせずにエンジン22の始動を開始する(エンジン22の始動を直ちに開始する)ものとしてもよい。なお、この場合、エンジン22の始動条件が成立したときに、正弦波制御モードでインバータ42を制御している(モータMG2による制振制御を実行しているとき)ときには、第2の始動条件が成立しているか否かに拘わらずエンジン22の始動を直ちに開始すればよい。ここで、第2の待機条件としては、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimwait1以上である条件や、バッテリ50の電池温度Tbが所定温度Tbwait2以上である(極低温でない)条件などを用いるものとした。そして、これらの条件の少なくとも一つが成立していないときには、第1の待機条件が成立していないと判定し、これらの条件の全てが成立しているときには、第1の待機条件が成立していると判定するものとした。
エンジン22の始動条件が成立したときに、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御しているときには、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを正弦波制御電圧VHsinにした後にエンジン22の始動を開始すれば、エンジン22の始動時に、車両に生じる振動(始動ショック)を抑制することができる。なお、この場合、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを正弦波制御電圧VHsinまで上昇させルのに要する時間だけエンジン22の始動完了までの時間が長くなるため、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimwait2未満のときやバッテリ50の電池温度Tbが所定温度Tbwait2未満のときには、エンジン22の始動性能を確保するなどのために、エンジン22の始動を直ちに開始するものとした。
この変形例では、第2トルク制限Tlim2が所定値Tlimwait2以上であることを第2の待機条件の一つとして用いることにより、第1トルク制限Tlim1(≦Tlim2)が所定値Tlimwait2以上であることを第2の待機条件の一つとして用いるものに比して、第2の待機条件が成立しやすくなる。この結果、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを正弦波制御電圧VHsinまで上昇させた後にエンジン22の始動を開始する機会を増加させることができ、エンジン22の始動時に、車両に生じる振動(始動ショック)を抑制することができる。
なお、この変形例において、エンジン22の始動条件が成立したときに、過変調制御モードや矩形波制御モードでインバータ42を制御していて、且つ、エンジン22の始動時に駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHに拘わらず過変調制御モードで矩形波制御モードでインバータ42を制御することになるとき(エンジン22の始動時に正弦波制御モードでインバータ42を制御することになる電圧が最大許容電圧VHmax以下の範囲内で存在しないとき)には、エンジン22の始動を直ちに開始するものとしてもよいし、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを最大許容電圧VHmaxまで上昇させた後にエンジン22の始動を開始するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、重要性が高い(厳守すべき)仮のトルク制限は、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]であり、重要性が比較的低い(一時的であれば無視可能な)仮のトルク制限は、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]の3つであるものとしたが、m(m≧1)個のパラメータに基づく第1群のm個の仮トルク制限と、n(n≧1)個のパラメータに基づき第1群に比して重要性が低い第2群のn個の仮トルク制限と、があればよいから、重要性が高い(厳守すべき)仮のトルク制限,重要性が比較的低い(一時的であれば無視可能な)仮のトルク制限は、それぞれ、互いに重複しなければ、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm],その他のパラメータに基づくモータMG1の仮のトルク制限(例えば、モータMG1,MG2やプラネタリギヤ30の潤滑や冷却に用いられる冷却オイルの温度に基づく仮のトルク制限など)のいずれ(1つ以上)であるものとしてもよい。なお、これらの各トルク制限は、重要性が高い(厳守すべき)ものであるか重要性が比較的低い(一時的であれば無視可能な)ものであるかに応じて温度との対応関係(上述の保護上限温度と出力禁止温度との温度差,出力禁止温度と制限開始温度との温度差など)が適宜調整される。
実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧コンバータ55を備えるものとしたが、備えないものとしてもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20では、EVスイッチ89を備えるものとしたが、備えないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図19の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図19における車輪38c,38dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図20の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに動力を出力する駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせが「制御手段」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど、走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「第1モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、エンジンの出力軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「第2モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、第1モータおよび第2モータと電力のやりとりが可能なものであれば如何なるタイプのバッテリであっても構わない。「制御手段」としては、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットによって構成されるものなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、モータMG1については、エンジン運転モードでの走行時には、モータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tmot],インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv],ロータ温度起因仮トルク制限Tlim[Trot],冷却水温起因仮トルク制限Tlim[Twm]の最小値が設定される第1トルク制限Tlim1の範囲内で駆動制御し、エンジン22の始動時や停止時には、インバータ温度起因仮トルク制限Tlim[Tinv]が設定される第2トルク制限Tlim2の範囲内で駆動制御するものに限定されるものではなく、エンジンの間欠運転を伴って走行するようエンジンと第1モータと第2モータとを制御し、第1モータについては、エンジンの始動時,停止時の少なくとも一方を含む所定時でないときには、m(m≧1)個のパラメータに基づく第1群のm個の仮トルク制限と、n(n≧1)個のパラメータに基づき第1群に比して重要性が低い第2群のn個の仮トルク制限と、によって定めた第1トルク制限の範囲内で駆動制御し、所定時には、第1群のm個の仮トルク制限によって定めた第2トルク制限の範囲内で駆動制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、38c,38d 車輪、39a,39b 従動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45,46 温度センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54a 駆動電圧系電力ライン、54b 電池電圧系電力ライン、55 昇圧コンバータ、60 冷却装置、62 ラジエータ、64 循環流路、66 電動ポンプ、68 温度センサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 EVスイッチ、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、96 ブレーキホイールシリンダ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32 ダイオード、L リアクトル、MG1,MG2 モータ、T11〜T16,T21〜T26,T31,T32 トランジスタ。

Claims (7)

  1. 走行用の動力を出力可能なエンジンと、前記エンジンの出力軸に動力を入出力可能な第1モータと、走行用の動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、前記エンジンの間欠運転を伴って走行するよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記第1モータについては、前記エンジンの始動時,停止時の少なくとも一方を含む所定時でないときには、m(m≧1)個のパラメータに基づく第1群のm個の仮トルク制限と、n(n≧1)個のパラメータに基づき前記第1群に比して重要性が低い第2群のn個の仮トルク制限と、によって定めた第1トルク制限の範囲内で駆動制御し、前記所定時には、前記第1群のm個の仮トルク制限によって定めた第2トルク制限の範囲内で駆動制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記エンジンが運転停止されているとき、前記エンジンの始動条件の一つとして、前記第2トルク制限が始動用閾値以下である条件を用いる手段である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記エンジンが運転されているとき、前記エンジンの停止条件の一つとして、前記第2トルク制限が停止用閾値以上である条件を用いる手段である、
    ハイブリッド自動車。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記第2モータからの動力だけを用いて走行するモータ走行を指示するモータ走行指示スイッチを備え、
    前記制御手段は、前記モータ走行指示スイッチがオンで前記モータ走行によって走行しているとき、前記モータ走行を終了するモータ走行終了条件の一つとして、前記第2トルク制限が前記モータ走行の終了用閾値以下である条件を用いる手段である、
    ハイブリッド自動車。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸と車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、
    車両に制動力を付与可能な制動力付与装置と、
    を備え、
    前記第2モータは、前記駆動軸に回転軸が接続されてなり、
    前記制御手段は、前記第2モータを回生駆動している最中に前記エンジンの始動条件が成立したとき、待機条件が成立しているときには、前記第2モータの回生トルク分を前記制動力付与装置による制動力に置き換えた後に前記エンジンの始動を開始し、前記待機条件が成立していないときには、前記第2モータの回生トルク分を前記制動力付与装置による制動力に置き換えずに前記エンジンの始動を開始する手段であり、
    更に、前記制御手段は、前記待機条件の一つとして、前記第2トルク制限が待機用閾値以上である条件を用いる手段である、
    ハイブリッド自動車。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記第1モータおよび前記第2モータが接続された駆動電圧系と前記バッテリが接続された電池電圧系とに接続され、前記駆動電圧系の電圧を調節可能な昇圧コンバータを備え、
    前記制御手段は、前記第2モータを駆動するための第2モータ用インバータを正弦波制御モードで制御するときには車両の振動を抑制するための制振制御を実行し、前記第2モータ用インバータを過変調制御モードまたは矩形波制御モードで制御するときには前記制振制御を実行しない手段であり、
    更に、前記制御手段は、過変調制御モードまたは矩形波制御モードで前記第2モータ用インバータを制御している最中に前記エンジンの始動条件が成立したとき、第2の待機条件が成立しているときには、前記駆動電圧系の電圧を正弦波制御モードで前記第2モータ用インバータを制御することになる正弦波制御電圧にした後に前記エンジンの始動を開始し、前記第2の待機条件が成立していないときには、前記駆動電圧系の電圧を前記正弦波制御電圧にせずに前記エンジンの始動を開始する手段であり、
    更に、前記制御手段は、前記第2の待機条件の一つとして、前記第2トルク制限が第2の待機用閾値以上である条件を用いる手段である、
    ハイブリッド自動車。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記第1群のm個の仮トルク制限は、前記第1モータを駆動するための第1モータ用インバータの温度に基づく仮トルク制限であり、
    前記第2群のn個の仮トルク制限は、前記第1モータの温度に基づく仮トルク制限,前記第1モータのロータの温度に基づく仮トルク制限,冷却液体を用いて前記第1モータおよび前記インバータを冷却する冷却装置の冷却液体の温度に基づく仮トルク制限である、
    ハイブリッド自動車。
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