JP2013058879A - 動電型スピーカー - Google Patents

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【課題】 壺状のヨークを含む内磁型磁気回路を備える動電型スピーカーに関し、特に、放熱特性に優れて小型軽量であり、自動車等の車両に取り付けるのに適する動電型スピーカーを提供する。
【解決手段】 動電型スピーカーは、ポールと、磁石と、ポールの間に磁気空隙を形成する壺状部および壺状部を形成する外側面から外周方向に延設される鍔部を含むヨークと、を有する磁気回路と、磁気回路を固定するフレームと、磁気回路の磁気空隙に配置されるコイルを有するボイスコイルと、スピーカー振動板と、スピーカー振動板に連結するエッジと、ボイスコイルおよびフレームに連結するダンパーと、を備える動電型スピーカーであって、磁気回路を構成するヨークが、鍔部を厚み方向に貫通する通気孔と、壺状部の外側面に形成されて通気孔に連通する溝と、を有する。
【選択図】 図1

Description

壺状のヨークを含む内磁型磁気回路を備える動電型スピーカーに関し、特に、放熱特性に優れて小型軽量であり、自動車等の車両に取り付けるのに適する動電型スピーカーに関する。
自動車等の車両に取り付けるスピーカーにおいては、省エネルギーの観点から、音声を再生するスピーカーを小型化し、かつ、軽量化することが要望されている。特に、磁気回路を有する動電型スピーカーでは、磁気回路の小型化・軽量化を図る場合に、起磁力の大きい希土類磁石等をボイスコイル内側に含む内磁型の磁気回路を採用する場合がある。内磁型の磁気回路は、ポールと、ポールの下面に連結する磁石と、磁石の下面が連結する略壺状のヨークと、を有するものがある。
磁気回路を構成するヨークは、磁石の下面が連結するとともにポールおよび磁石を内包する壺状部を有し、この壺状部の内周側とポールの外周側との間に磁気空隙を形成する。動電型スピーカーでは、磁気回路の磁気空隙に音声信号電流が供給されて発熱するボイスコイルが配置されるので、放熱のために磁気回路の熱容量を大きくする、あるいは、磁気回路の放熱特性を改善する、ことが望ましい。しかしながら、動電型スピーカーの磁気回路を小型軽量化すると、磁気回路の熱容量が小さくなり、その結果、磁気回路の温度が著しく上昇する、という問題を生じる場合がある。したがって、従来には、これらの問題を解決するために様々な磁気回路、および、これを用いた動電型スピーカーが提案されている。
従来には、外磁型の磁気回路の例では、中心孔を有するセンターポールを有するプレート、リング状のマグネット、同じくリング状の上部プレートにより構成される磁気回路にフレームを結合し、このフレームに振動板を組み込み、この振動板の中央部に上記磁気回路の磁気ギャップにはまり込むボイスコイルを結合するとともにダストキャップを貼付けてなるスピーカーにおいて、上記センターポールの中心孔にアルミニウム、銅などの熱伝導率の大きい金属による突条を多数有する放熱体を圧入結合してなるスピーカーがある(特許文献1)。
また、従来には、フレーム内に、振動板と、振動板に振動を与えるコイルと、コイルに磁場を与える磁気回路とが設けられているスピーカーにおいて、前記フレームは合成樹脂材料により形成され、フレームの基部内面には非磁性金属材料の放熱板が取り付けられ、磁気回路を構成する部材がこの放熱板に取り付けられていることを特徴とするスピーカーがある(特許文献2)。
あるいは、ボイスコイルと、このボイスコイルが配置されるギャップを有する磁気回路と、この磁気回路を収納・保持する磁気回路カバーと、内周部が前記ボイスコイルに連結されて該ボイスコイルへの通電時に駆動される振動板と、前記磁気回路カバーと連結されて前記振動板の背面側を包囲し該振動板の外周部を支持するフレームと、前記振動板の内周部を支持するダンパーとを備えたスピーカーにおいて、前記磁気回路カバーと前記フレームとの接合部近傍に開口部を設け、この開口部と前記振動板の背面側空間とを連通させたことを特徴とするスピーカーがある(特許文献3)。
実開昭57−117894(図3〜10) 特許第3161679号公報(図1〜2) 特許第3657814号公報(図1〜2)
しかしながら、小型化し、かつ、軽量化を図る動電型スピーカーでは、放熱板等の磁気回路の放熱性を向上させるための部材をさらに追加すると、軽量化が十分に図れなくなり、コスト高になりやすい、という問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、壺状のヨークを含む内磁型磁気回路を備える動電型スピーカーに関し、特に、放熱特性に優れて小型軽量であり、自動車等の車両に取り付けるのに適する動電型スピーカーを提供することにある。
本発明の動電型スピーカーは、ポールと、ポールの下面に連結する磁石と、磁石の下面が連結するとともにポールおよび磁石を内包してポールの間に磁気空隙を形成する壺状部および壺状部を形成する外側面から外周方向に延設される鍔部を含むヨークと、を有する磁気回路と、磁気回路を固定する磁気回路固定部を有するフレームと、磁気回路の磁気空隙に配置されるコイルを有するボイスコイルと、ボイスコイルに中央側で連結するスピーカー振動板と、スピーカー振動板の外周端側およびフレームのエッジ固定部に連結するエッジと、ボイスコイルおよびフレームのダンパー固定部に連結するダンパーと、を備える、動電型スピーカーであって、磁気回路を構成するヨークが、鍔部を厚み方向に貫通する通気孔と、壺状部の外側面に形成されて通気孔に連通する溝と、を有する。
また、本発明の動電型スピーカーは、ヨークの通気孔が、円環状の鍔部の周方向に複数設けられ、溝が、壺状部の外側面に通気孔に対応して複数設けられている。
また、本発明の動電型スピーカーは、ヨークの鍔部の通気孔を規定する周縁部が、磁気回路を背面視した場合に、壺状部の外側面に形成された溝を通じて露出する。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の動電型スピーカーは、磁気回路と、磁気回路を固定する磁気回路固定部を有するフレームと、磁気回路の磁気空隙に配置されるコイルを有するボイスコイルと、ボイスコイルに中央側で連結するスピーカー振動板と、スピーカー振動板の外周端側およびフレームのエッジ固定部に連結するエッジと、ボイスコイルおよびフレームのダンパー固定部に連結するダンパーと、を備える、動電型スピーカーである。動電型スピーカーは、音声信号が磁気空隙に配置されているボイスコイルのコイルに供給されると、駆動力が発生してスピーカー振動板を振動させて、電気信号を音波に変換することが出来る。
磁気回路は、ポールと、ポールの下面に連結する磁石と、磁石の下面が連結するとともにポールおよび磁石を内包してポールの間に磁気空隙を形成する壺状部および壺状部を形成する外側面から外周方向に延設される鍔部を含むヨークと、を有する磁気回路である。この内磁型の磁気回路を構成するヨークは、ポールおよび磁石を内包する凹部を形成する壺状部と、この壺状部の端部から外周方向に形成される平面を含む鍔部と、を有する。したがって、ボイスコイルのコイルに電気信号が供給されると、抵抗を有するコイルが発熱するので、周囲の磁気回路の温度も上昇する。
さらに、この磁気回路のヨークは、鍔部を厚み方向に貫通する通気孔と、壺状部の外側面に形成されて通気孔に連通する溝と、を有する。ヨークに空気が通じる通気孔が設けられており、さらにこれが壺状部の外側面に形成されている溝に連通するようになっているので、通気孔を通過する空気が連通する溝の内部の空気を一緒に動かして、効率よく磁気回路を冷却することができる。壺状部の外側面に形成されている溝は、ヨークの壺状部の表面積を増加させることにもなるので、単に通気孔を設ける場合、あるいは、単に溝を周囲に設ける場合に比較して、冷却の効果を高めることができて、磁気回路の温度上昇を抑制することができる。放熱板等の磁気回路の放熱性を向上させるための部材をさらに追加することがないので、さらに軽量化ができ、コストも抑えることができる。
特に、ヨークの通気孔が、円環状の鍔部の周方向に複数設けられ、溝が、壺状部の外側面に通気孔に対応して複数設けられている場合には、冷却の効果を高めることができる。鍔部の通気孔と壺状部の溝とは一対一に対応していればよく、好ましくは、ヨークの鍔部の通気孔を規定する周縁部が、磁気回路を背面視した場合に、壺状部の外側面に形成された溝を通じて露出するようにすればよい。ヨークの鍔部の通気孔を十分大きくすることができると共に、壺状部の溝も大きくなって表面積の増加が大きくなるからである。その結果、小型軽量であっても放熱特性に優れる磁気回路が実現でき、自動車等の車両に取り付けるのに適する動電型スピーカーを提供することができる。
壺状のヨークを含む内磁型磁気回路を備える動電型スピーカーに関し、特に、放熱特性に優れて小型軽量であり、自動車等の車両に取り付けるのに適する動電型スピーカーを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する断面図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカーの磁気回路10を構成するヨーク6の構成を説明する断面図である。(実施例1)
以下、本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する図である。また、図2は、動電型スピーカー1の磁気回路10を構成するヨーク6を説明する図である。具体的には、図1は、中心点を通過する中心軸から右半分側を省略したO−A断面に相当する動電型スピーカー1の断面図であり、図2(a)はヨーク6の上面図、図2(b)は側面図、図2(c)は底面図である。なお、後述するように、動電型スピーカー1の一部の構造や、内部構造等は、省略している。
本実施例の動電型スピーカー1は、口径が約16cmの円形のスピーカー振動板2を有する動電型スピーカーであり、(図示しない)車両の車体に取り付けるように軽量化を図った車両用のスピーカーである。コーン形状のスピーカー振動板2は、エッジ3によってその外周端を支持されている。本実施例のスピーカー振動板2は、抄紙される紙材であるが、他の材料で構成するものであってもよい。ロール形状のエッジ3の外周端は、樹脂製のフレーム11に固定されており、その前側にはガスケット16が取り付けられている。エッジ3の内周端は、スピーカー振動板2の外周端に連結している。また、スピーカー振動板2の中央部には、ボイスコイル4が背面側から連結しており、ボイスコイル4は、そのコイルボビンがダンパー5により振動可能に支持されている。ダンパー5は、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形するコルゲーションダンパーであり、その外周端がフレーム11に固定されている。
ボイスコイル4は、円筒形のコイルボビンの一端側に巻回されたコイルを有し、このコイルは、フレーム11に固定される磁気回路10の磁気空隙に配置される。ボイスコイル4に接続する(図示しない)錦糸線は、フレーム11に固定される(図示しない)ターミナルと、ターミナルからコイル4の引出線とを、ハンダづけして導通させるので、ボイスコイル4に音声電流を供給することができる。なお、錦糸線は、スピーカー振動板2に金属ハトメを設けてターミナルまで導通させるようにしてもよい。スピーカー振動板2の中央側にはダストキャップ9が接着剤で取り付けられている。ダストキャップ9は、磁気回路10の磁気空隙ならびにボイスコイル4のコイルボビンの端部に、前側から鉄粉等の粉塵が入り込まないように閉塞する。
本実施例の磁気回路10は、ポール8と、ポール8の下面に連結する磁石7と、ヨーク6と、により構成される内磁型磁気回路である。ヨーク6は、磁石7の下面が連結するとともにポール8および磁石7を内包して、ポール8との間に磁気空隙を形成する壺状部6a、および、この壺状部6aを形成する外側面から外周方向に延設される鍔部6bを含む。ヨーク6の鍔部6bは、樹脂製のフレーム11の磁気回路固定部13に連結する。磁気回路10は、ヨーク6の壺状部6aの内周端とポール8との間に規定される円環状の磁気空隙に、高い磁束密度の直流磁界を形成する。したがって、この磁気空隙に配置されるボイスコイル4のコイルに音声電流が供給されると、ボイスコイル4に駆動力が作用して、スピーカー振動板2を振動させる。したがって、動電型スピーカー1は、音声信号電流を音波に変換することができる。
フレーム11は、ABSアロイ樹脂から形成されるスピーカー用フレームである。フレーム11は、前面外周側に形成される環状部12と、環状部12よりも背面内周側に形成される磁気回路固定部13と、環状部12と磁気回路固定部13とを連結する連結部14と、環状部12から背面側へ延設される立て壁状のドレインカバー部15と、を備える略バスケット状のスピーカー用フレームである。ドレインカバー部15の後端側付近からは、一周に渡ってフランジが径方向の外側へ突出するように形成されており、このドレインカバー部15と一体に形成されているフランジには、車両の車体に取り付ける(図示しない)取付孔を規定する(図示しない)取付部が形成されている。
フレーム11の環状部12は、スピーカー振動板2が連結するエッジ3の外周端側を固定するエッジ固定部を有する。また、フレーム11の磁気回路が固定される磁気回路固定部13は、磁気回路の磁気空隙に連通する中心孔と、ダンパー5の外周部を固定するダンパー固定部とを有する。エッジ固定部ならびにダンパー固定部は、それぞれエッジならびにダンパーを接着する円環状の平面部分である。連結部14は、磁気回路固定部13と環状部12とを連結するコの字状の断面を有する柱状の部分であって、中心点Oを中心に周方向に略間隔で合計6つ設けられている。磁気回路固定部13から見ると環状部12がフレーム11の前方側に配置されているので、連結部14は、磁気回路固定部13から前方側の環状部12へ向かうように延設されている構造になる。
ドレインカバー部15は、環状部12から背面側へ延設される立て壁状の部分であり、図に示すような円筒状のドレインカバーを形成する。また、フレーム11の環状部12は、その前側にスピーカー振動板2並びにエッジ3を含むスピーカー振動系を保護するガスケット16が取り付けられる。一方、フレーム11のドレインカバー部15には、その後端側に形成されているフランジに、車体等の取付部分との間を密閉するガスケット17が取り付けられる。フレーム11の磁気回路固定部13と、環状部12と、それぞれの連結部14とが、貫通孔である窓部を形成する。スピーカー振動板2、ボイスコイル4、および、ダンパー5からなるスピーカー振動系は、フレーム11のこれらの窓部から露出するものの、略円筒状のドレインカバー部15を備えているので、このドレインカバー部15が、窓部から露出するスピーカー振動系に対して雨水がかからないように覆うことができる。
磁気回路10を構成するヨーク6は、鍔部6bを厚み方向に貫通する通気孔6cと、壺状部6aの外側面に形成されて通気孔6cに連通する溝6dと、を有している。図1および図2に図示するように、ヨーク6の通気孔6cは、円環状の鍔部6bに周方向に略等間隔で合計8箇所設けられ、溝6dも、壺状部6aの外側面にそれぞれの通気孔6cに対応して8箇所設けられている。また、ヨーク6の鍔部6bの通気孔6cは、直径2mmの円形の周縁部6eにより規定される。溝6dは、半径2mmの円筒面の一部により規定される。したがって、壺状部6aの外側面に形成されている溝6dは、ヨーク6の壺状部6aの表面積を増加させる。
磁気回路10では、ヨーク6の鍔部6bに厚み方向に貫通する通気孔6cを有するので、通気孔6cを通過する空気が磁気回路10を冷却する。ダンパー5の下側の空間は、磁気回路10の磁気空隙および鍔部6bの通気孔6cに連通しているからである。つまり、ボイスコイル4のコイルに電気信号が供給されて抵抗を有するコイルが発熱する場合に、周囲の磁気回路10の温度も上昇するものの、ヨーク6は、壺状部6aの外側面に形成されて通気孔6cに連通する溝6dを有するので、通気孔6cを通過する空気が連通する溝6dの内部の空気を一緒に動かして、効率よく磁気回路10を冷却することができる。溝6dにより壺状部6aの表面積は増加するので、単に通気孔を設ける場合、あるいは、単に溝を周囲に設ける場合に比較して、冷却の効果を高めることができて、磁気回路10の温度上昇を抑制することができる。
本実施例の場合には、図2(c)に図示するように、磁気回路10を背面視した場合には、それぞれの周縁部6eは、ヨーク6の壺状部6aの外側面に形成された溝6dを通じて露出する。このようにすれば、ヨーク6の鍔部6bの通気孔6cを十分大きくすることができる。さらに、壺状部6aの外側面の溝6dも大きくなるので、空気に熱を伝える表面積の増加が大きくなって冷却の効果を高めることができる。
本実施例の動電型スピーカー1において、ボイスコイル4のコイル温度上昇試験を実施した場合を説明する。ボイスコイル4のコイル温度上昇試験は、試験信号としてJISノイズを定格入力(本実施例の場合は20W)・連続で加えて、ボイスコイル4のコイル両端抵抗の上昇からコイル温度上昇を測定する。具体的には、ボイスコイル4のコイル温度は、試験信号の印加後に急速に上昇し、ボイスコイル4のコイルから磁気回路10に伝わる熱量と、磁気回路10が接する空気に伝える熱量が平衡するところで安定する。したがって、磁気回路10は、放熱効率がよく、冷却の効果が高ければ、ボイスコイル4のコイル温度を低く抑えることができる。
本実施例の動電型スピーカー1では、ボイスコイル4のコイル温度上昇は、約147.5℃であり、好ましい設計条件である160℃以下に低く抑制できている。本実施例の磁気回路10では、ヨーク6の鍔部6bに厚み方向に貫通する通気孔6cを有するので、通気孔6cを通過する空気が磁気回路10を冷却するからである。磁気回路10では、放熱板等の放熱性を向上させるための部材をさらに追加することもないので、軽量化が可能で製造コストも抑えることができる。動電型スピーカー1は、小型軽量であっても放熱特性に優れる磁気回路10が実現できる結果、自動車等の車両に取り付けるのに適する。
比較例1〜3として、磁気回路10と同様に動電型スピーカー1を構成しうる他の(図示しない)磁気回路10a、10b、ないし、10cを説明する。磁気回路10a、10b、および、10cは、それぞれヨーク6に代えて通気孔6cおよび溝6dの構成が異なるヨーク60a、60b、ないし、60cを備える。具体的には、比較例1の磁気回路10aのヨーク60aは、寸法および構成が実施例の壺状部6a鍔部6bとほぼ一致する壺状部および鍔部を備え、実施例の通気孔6cおよび溝6dに相当する通気構造を有しないヨークである。比較例1のヨーク60aの場合には、ボイスコイル4のコイル温度上昇は、約172.9℃であり、好ましい設計条件である160℃よりもはるかに高く上昇している。
また、比較例2の磁気回路10bのヨーク60bは、寸法および構成が実施例の壺状部6aおよび鍔部6bとほぼ一致する壺状部および鍔部を備え、さらに、溝6dに相当する溝を備え、溝6dに連通する実施例の通気孔6cを有しないヨークである。比較例2のヨーク60bの場合には、ボイスコイル4のコイル温度上昇は、約164.0℃であり、溝6dを設けることにより壺状部6aの表面積は増加するので、比較例1の場合よりもボイスコイル4のコイル温度上昇は抑制されるものの、好ましい設計条件である160℃よりも高く上昇している。
また、比較例3の磁気回路10cのヨーク60cは、寸法および構成が実施例の壺状部6aおよび鍔部6bとほぼ一致する壺状部および鍔部を備え、さらに、壺状部の中央底部に貫通孔を備え、実施例の通気孔6cおよび溝6dに相当する通気構造を有しないヨークである。なお、比較例3の磁気回路10cを構成する(図示しない)ポール8cおよび(図示しない)マグネット7cも、ヨーク60cの壺状部の中央底部の貫通孔に連通する貫通孔を有している。比較例3のヨーク60cの場合には、ボイスコイル4のコイル温度上昇は、約161.0℃であり、貫通孔を設けることにより磁気空隙と外部の空気とが連通するので、比較例1ないし比較例2の場合よりもボイスコイル4のコイル温度上昇は抑制されるものの、好ましい設計条件である160℃よりも高く上昇している。
本実施例の動電型スピーカー1の磁気回路10では、ヨーク6の鍔部6bの通気孔6cを規定する周縁部6eが、磁気回路10を背面視した場合に、壺状部6aの外側面に形成された溝6dを通じて露出するようになっているので、比較例3のように壺状部の中央に貫通孔を用意する場合に比較して、通気孔6cの総面積を十分大きくすることができる。その結果、動電型スピーカー1の磁気回路10は、小型軽量であっても放熱特性に優れるように設計できる。
なお、本実施例の動電型スピーカー1の磁気回路10では、ヨーク6の鍔部6bの通気孔6cが8箇所の場合であるが、壺状部6aの外側面に形成された溝6dがそれぞれ対応するものであれば、少なくとも2箇所以上であればよい。それぞれ4箇所でも、例えば16箇所でもよく、他の複数の場合であっても良い。通気孔6cおよび溝6dが配置される間隔も、周方向に略均等な角度に配置される場合に限られない。もちろん、通気孔6cおよび溝6dの大きさは、上記実施例の寸法である場合に限られるものではない。
また、本実施例の動電型スピーカー1は、円形のスピーカー振動板2を有する車両用の動電型スピーカーであるが、外径が長円形、あるいは、矩形のスピーカー振動板2に適する長円形、もしくは、矩形の環状部を有するフレームであっても、ドレインカバーを備える樹脂フレームであればよい。ドレインカバーを備えていても、必要な剛性を保って車両の軽量化に貢献できる。
本発明の動電型スピーカーは、小型軽量であっても放熱特性に優れる磁気回路が必要な車両に取り付ける動電型スピーカーのみならず、ディスプレイ等の映像・音響機器に内蔵するスピーカー、または、音声を再生するスピーカーを内蔵するキャビネットを有するゲーム機、スロットマシン等の遊戯機にも適用が可能である。
1 動電型スピーカー
2 スピーカー振動板
3 エッジ
4 ボイスコイル
5 ダンパー
6 ヨーク
7 マグネット
8 ポール
9 ダストキャップ
10 磁気回路
11 フレーム
12 環状部
13 磁気回路固定部
14 連結部
15 ドレインカバー部
16、17 ガスケット

Claims (3)

  1. ポールと、該ポールの下面に連結する磁石と、該磁石の下面が連結するとともに該ポールおよび該磁石を内包して該ポールの間に磁気空隙を形成する壺状部および該壺状部を形成する外側面から外周方向に延設される鍔部を含むヨークと、を有する磁気回路と、
    該磁気回路を固定する磁気回路固定部を有するフレームと、
    該磁気回路の磁気空隙に配置されるコイルを有するボイスコイルと、
    該ボイスコイルに中央側で連結するスピーカー振動板と、
    該スピーカー振動板の外周端側および該フレームのエッジ固定部に連結するエッジと、
    該ボイスコイルおよび該フレームのダンパー固定部に連結するダンパーと、
    を備える、動電型スピーカーであって、
    該磁気回路を構成する該ヨークが、該鍔部を厚み方向に貫通する通気孔と、該壺状部の該外側面に形成されて該通気孔に連通する溝と、を有する、動電型スピーカー。
  2. 前記ヨークの前記通気孔が、円環状の前記鍔部の周方向に複数設けられ、該溝が、該壺状部の前記外側面に該通気孔に対応して複数設けられている、
    請求項1に記載の動電型スピーカー。
  3. 前記ヨークの前記鍔部の前記通気孔を規定する周縁部が、前記磁気回路を背面視した場合に、前記壺状部の前記外側面に形成された前記溝を通じて露出する、
    請求項1または2に記載の動電型スピーカー。
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