〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態における印刷システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCと称する)10は、ネットワーク11を介して、複数のプリンタ(第1〜第3プリンタ21〜22)と接続されている。
PC10(プリンタ制御装置)には、ログイン権限として管理者権限および一般ユーザ権限が設定されている。ユーザはこれらいずれかのログイン権限によりPC10に対してログイン可能である。
また、PC10には、プリンタドライバがインストールされている。このプリンタドライバは、単一のプリンタドライバにて複数のプリンタに対応する、いわゆるユニバーサルプリンタドライバ(共用プリンタドライバ)である。
プリンタの管理者権限は、PC10にインストールされているプリンタドライバのプロパティにおいて規定される。プリンタドライバのプロパティの表示例を図2および図3に示す。図2は、プリンタ管理者権限有りの場合のプリンタドライバのプロパティの表示例を示す説明図であり、図3は、プリンタ管理者権限無しの場合のプリンタドライバのプロパティの表示例を示す説明図である。
PC10に対して管理者権限にてログインしたユーザすなわちPC10の管理者は、プリンタの管理者権限(アドミニストレータ権限)を有する。このプリンタの管理者権限では、プリンタドライバのユーザインターフェースのセキュリティタブにおいて、図2に示すように、プリンタの管理者権限の内容(範囲)について設定可能であり、さらに、プリンタの一般ユーザ権限の内容(範囲)について設定可能である(図2の「プリンタの管理」の項目にチェック有り)。一方、PC10に対して一般ユーザ権限にてログインしたユーザは、プリンタの一般ユーザ権限を有する。このプリンタの一般ユーザ権限では、図3に示すように、ドライバの設定変更が禁止されている(図3の「プリンタの管理」の項目にチェック無し)。
本発明の実施の形態のプリンタドライバでは、プリンタの管理者権限を有する管理者が、PC10にインストールされたプリンタドライバでの利用可能プリンタを設定できるようになっている。したがって、本実施の形態のプリンタドライバでは、プリンタの管理者権限を有していないユーザ、すなわちプリンタの一般ユーザ権限のみを有するユーザ(以下、単にプリンタの一般ユーザと称する)は、プリンタの管理者権限を有する管理者(以下、単にプリンタの管理者と称する)の許可したプリンタのみを使用可能となる。このように、本実施の形態のプリンタドライバでは、プリンタの一般ユーザは、プリンタの管理者によりプリンタの一般ユーザが使用可能なものとして設定されたプリンタ以外は使用することができない。これにより、PC10においてプリンタドライバとして共用プリンタドライバを使用する場合であっても、プリンタの管理者が意図しないプリンタがプリンタの一般ユーザにより使用される事態を防止することができる。
プリンタの管理者がプリンタの一般ユーザに対して使用可能なプリンタに制限を加えた場合の一例について図4に基づいて説明する。図4は、図1に示した印刷システムにおいて、プリンタの管理者およびプリンタの一般ユーザの使用可能なプリンタの一例を示す説明図である。
図1に示すように、PC10にネットワーク11を介して第1〜第3プリンタ21〜23が接続されている状態では、PC10での検索により抽出されるプリンタは、これら第1〜第3プリンタ21〜23である。この状態において、プリンタの管理者は、図4に示すように、プリンタの一般ユーザであるログインユーザAおよびBに対して、第1および第2プリンタ21,22のみの使用を許可し、第3プリンタ23の使用を禁止している。
一方、ログインユーザAおよびBは、自身が利用可能なプリンタ1,2の中から、好みのデフォルトプリンタを選択し、デフォルトプリンタとして設定することができる。例えば、ログインユーザAのデフォルトプリンタは第1プリンタ21であり、ログインユーザBのデフォルトプリンタは第2プリンタ22である。
図5は、図1に示したPC10の構成を示すブロック図である。図5に示すように、PC10は、制御部101制御部(表示制御部、使用プリンタ制限部、管理者権限有無判定部、検索部、プリンタリスト作成部、機器情報取得部、印刷ポート作成部、デフォルトプリンタ情報付加部、印刷ポート切替え部、印刷データ出力部)、操作部102、記憶部103および表示部(表示手段)104を備えている。
制御部101は、ユーザインターフェースを表示部104に表示させる処理を含み、ユーザインターフェース全体の機能を制御する。例えば、ユーザインターフェース上において、どのプリンタがデフォルトプリンタに設定されたかを判別したり、判別結果に対応してプリンタドライバのユーザインターフェース(オプション、印刷設定)の切り替え、印刷ポートの切り替えなどを行う。
操作部102は、例えばマウスやキーボードを備え、これらによるユーザの操作を制御部101に送信する。記憶部103は、例えばハードディスクやメモリなどの記録媒体にて構成され、登録されたプリンタ、デフォルトプリンタ、プリンタ構成情報などの情報を記憶する。表示部104は、表示装置を備え、制御部101の指示に従って種々の情報をを表示装置に表示する。
図6は、図5に示した制御部101の構成を具体的に示すブロック図である。図6に示すように、制御部101は、OS部(管理者権限有無判定部、印刷データ出力部)201およびプリンタドライバ部(機器情報取得部、デフォルトプリンタ情報付加部、使用プリンタ制限部)202を備えている。
OS部201は、PC10にインストールされているOS(operating system)によって構成され、プリンタ管理権限記憶部(管理者権限有無判定部)301、ポート管理モジュール(印刷ポート切替え部)302およびスプーラ303を備えている。
プリンタ管理権限記憶部301は、プリンタの管理者により設定された、図2および図3に示した使用可能プリンタ等に関する情報を記憶するとともに、管理者権限および一般ユーザ権限によるPC10へのログインのための情報(ユーザ名、パスワード等)を記憶している。
なお管理者権限および一般ユーザ権限によるPC10へのログインのための情報(ユーザ名、パスワード等)については、通常OS上に登録されているので、この情報を参照するようにしてもよい。
ポート管理モジュール302は図26および図27に示すように、各プリンタに対して1つずつ割り当てられているプリンタポートを管理している。図26は、ポート管理モジュール302が作成する、印刷ポートが標準ポートの場合のプリンタのプロパティ設定画面を示す説明図、図27は、ポート管理モジュール302が作成する、印刷ポートが独自ポートの場合のプリンタのプロパティ設定画面を示す説明図である。
図26において、表示401は、OS上に登録されている全てのプリンタのポートを示すものである。また、表示402は、プリンタの管理者により使用可能として登録された複数のプリンタに対応するポートが、OS上に登録されていることを示すものである。手動でのポートの切り替えは、切り替え先のポートにチェックを入れることにより行われる。
スプーラ303は、MFP(multi function printer)に対して印刷要求を効率よく行うために、プリンタドライバ部202からの印刷要求を一時的に保存する。
プリンタドライバ部202は、プリンタドライバによって構成され、検索モジュール(検索部)313、PDL(Page Description Language)生成モジュール304、第1印刷設定UI(ユーザインターフェース)作成部305、第2印刷設定UI(ユーザインターフェース)作成部306、プリンタ管理リスト(使用プリンタ制限部)307、管理者用プリンタ管理リスト設定UI(ユーザインターフェース)作成部(表示制御部)308、一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定UI(ユーザインターフェース)作成部(表示制御部)309、実行可能ステップ管理テーブル310およびポート管理モジュール(印刷ポート作成部)311を備えている。
検索モジュール313は、プリンタドライバによる検索のためのユーザインターフェースに対しての入力に基づいて、プリンタを検索する。その検索結果は、プリンタ検索結果リスト一次記憶部(プリンタリスト作成部)312に格納される。本実施の形態において、プリンタ検索のための入力は、プリンタの管理者により行われる。検索の方法としては、検索開示時点において電源オンとなっているプリンタについて、例えば、ネットワーク11に接続されている全てのプリンタを抽出する方法、指定されたIPアドレスのプリンタを抽出する方法、指定された機種のプリンタを抽出する方法、指定されたサブネットに含まれるプリンタを抽出する方法にて行われる。例えば、指定されたIPアドレスのプリンタを抽出する方法では、プリンタの設置場所に応じてIPアドレスが設定されている場合に、例えばビルの同一フロアに設置されているプリンタなど、所定範囲内に設置されているプリンタのみを抽出することができる。プリンタ検索結果リスト一次記憶部312に格納される検索結果は、例えば、プリンタの機種名、IPアドレスおよびプリンタ名などが含まれる。
PDL生成モジュール304は、コンピュータ上で作成された文書や画像などを印刷する際に、プリンタへの出力イメージを記述してプリンタに対して指示する言語(PDL)を生成するモジュールである。
第1印刷設定UI作成部305は、図7に示す、第1プリンタ21に対する印刷設定のためのユーザインターフェースを作成する。第2印刷設定UI作成部306は、図8に示す、第2プリンタ22に対する印刷設定のためのユーザインターフェースを作成する。
プリンタ管理リスト307には、プリンタの管理者用の管理リスト(管理者用プリンタ管理リスト設定UI作成部308が作成)およびプリンタの一般ユーザ用の管理リスト(一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定UI作成部309が作成)が含まれる。プリンタ管理リスト307に対しては、プリンタの管理者が、特定のプリンタについて機能制限する設定を行うことができる。機能制限されている場合、ユーザインターフェースを変更して、例えば強制的にモノクロ印刷設定とし、カラー機能の設定の受付を禁止する。この場合には、例えばユーザインターフェース上に設定項目を表示させないかグレーアウト表示させる。
管理者用プリンタ管理リスト設定UI作成部308は、プリンタの管理者用の管理リストを作成するための図9に示す管理者用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェースを作成し、そのユーザインターフェースに対してのプリンタの管理者による設定内容に基づいて、プリンタの管理者用の管理リストを作成する。この管理リストには、例えば、設定されたデフォルトプリンタ、プリンタの機種名、IPアドレス、プリンタ名およびカラー印刷の可否等の機能制限などが含まれる。
一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定UI作成部309は、プリンタの一般ユーザ用の管理リストを作成するための図10に示す一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェースを作成し、そのユーザインターフェースに対してのプリンタの一般ユーザによる設定内容に基づいて、プリンタの一般ユーザ用の管理リストを作成する。
図11は、図6に示した実行可能ステップ管理テーブル310の内容を示す説明図である。実行可能ステップ管理テーブル310には、図11に示すように、プリンタの管理者およびプリンタの一般ユーザ等についての、プリンタに対する管理者権限の有無に応じた実行可能な処理内容、具体的には、プリンタの検索におけるIPアドレス入力の可否、および使用するプリンタの選択の可否について設定されている。
上記実行可能ステップ管理テーブル310に設定された内容に従い、制御部101は、プリンタに対する各権限に応じたユーザインターフェースを決定し、表示部104に表示させる。具体的には、制御部101は、実行可能ステップ管理テーブル310を参照し、図12のS11の処理では図9の選択画面表示を表示させ、図15のS51の処理では、図9の選択画面表示から図10の選択画面表示に切り換える。
例えば、図1および図4に示した印刷システムにおいて、PC10の使用者がプリンタの管理者(プリンタの管理権限有り)の場合、プリンタの検索および使用するプリンタの選択を実行可能であるため、図9の画面を表示する。また、図21および図22に示した印刷システムにおいて、クライアントPC12,13の使用者がプリンタの一般ユーザ(プリンタの管理権限無し)の場合、使用するプリンタの選択を実行不可能であるため、図10の画面を表示する。また、図11において、例えば「検索/IPアドレス入力」が×に設定されている場合、IPアドレスによってプリンタを検索したり指定したりできないので、図10の画面が表示される。
ポート管理モジュール311は、プリンタドライバ部202の独自仕様(OS部201による仕様以外)の場合において、独自ポートを管理する。独自ポートは、図27に示すように、OS上では見かけ上単独の標準ポートのようにして管理されている(表示403)。しかしながら、独自ポートの場合の印刷ポートは、ポート管理モジュール311の内部において、各プリンタへのポートに切り替えられる。図27の右の図は、印刷ポートが、ポート管理モジュール311の内部において、登録済の複数のプリンタポートのうちのいずれかに切り替えられることを示している。
図9に示した、管理者用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェースにおけるPC10上の画面(プリンタ選択画面)は、検索プリンタリスト表示部31および登録プリンタリスト表示部32を有する。検索プリンタリスト表示部31には、プリンタの管理者によるPC10での検索により抽出されプリンタが表示され、登録プリンタリスト表示部32には、プリンタの管理者により登録された、プリンタの一般ユーザが使用可能なプリンタが表示される。
図9が示す状態は、PC10での検索によりプリンタ21〜22が抽出された状態であり、それらプリンタのリストが検索プリンタリスト表示部31に表示されている。一方、登録プリンタリスト表示部32には何も表示されていない。この状態において、管理者がウインドウ中心に存在する「ADD」ボタンや「REMOVE」ボタンを操作して、登録プリンタリスト表示部32に、一般ユーザが使用可能なプリンタを登録する。さらに、デフォルトプリンタを登録する。デフォルトプリンタの登録には、チェックマーク33を付ける。
また、検索プリンタリスト表示部31においては、抽出された各プリンタに関し、プリンタ名以外にプリンタ情報34(名称、IPアドレス、設置場所)も付加されて一覧表示される。さらに、プリンタの詳細情報を確認するためにボタン35が設けられており、このボタンが操作されると、プリンタが有する後処理機能等の機能を示す詳細情報を表示するようにしてもよい。この詳細情報は、WebブラウザにプリンタのIPアドレスを入力することにより、プリンタからHTMLにて出力され、PC上にWebページとして表示することができる。
図10に示した、一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェースにおけるPC10の画面(プリンタ選択画面)は、登録プリンタリスト表示部38を有する。この登録プリンタリスト表示部38は、図9に示した管理者用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェースにおける登録プリンタリスト表示部32に対応し、プリンタの一般ユーザが使用可能なプリンタおよびデフォルトプリンタ33を表示する。プリンタの一般ユーザは、この登録プリンタリスト表示部38において、デフォルトプリンタを切り替えることができる。また、デフォルトプリンタの切り替えに応じて、プリンタドライバUI(オプション、印刷設定)および印刷ポートが切り替えられる。
上記の構成において、本実施の形態のプリンタドライバにおける管理者用設定プログラムを実行した場合の処理動作を図12のフローチャートに基づいて説明する。
PC10にプリンタドライバ(共用プリンタドライバ)がインストールされた状態において、プリンタの管理者がプリンタドライバのプロパティを表示するように操作することにより処理が開始される。
プリンタの管理者にてプリンタドライバのプロパティを表示するように操作されると、図9に示す、管理者用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェース(プリンタ選択画面)を表示する(S11)。
次に、上記の管理者用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェース(プリンタ選択画面)の検索条件入力部36に対して検索条件が入力され、サーチボタン39が操作されると、プリンタの検索を開始する(S12)。なお、検索条件入力部36に入力する検索条件としては、検索対象のサブネットを指定するもの、あるいはプリンタのIPアドレスを指定するものなどである。検索条件入力部36において検索条件を指定していない場合には、ネットワーク11に接続され、電源オンとなっているプリンタが全て抽出されることになる。
この検索においては、制御部101により、ネットワーク11上のプリンタ(第1〜第3プリンタ21〜23)に対して応答を要求し(S13)、この要求に応じた検索対象のプリンタからの応答を取得し(S14)、検索により抽出されたプリンタの一覧を図9の検索プリンタリスト表示部31に表示する(S15)。なお、管理者用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェース(プリンタ選択画面)を表示したときに、上記S13およびS14の処理を自動的に実行するようにしてもよい。
次に、検索プリンタリスト表示部31に表示されたプリンタのうちから、プリンタの管理者により、プリンタの一般ユーザが使用可能なプリンタの選択および登録操作が行われると(S16)、対象となるプリンタを登録プリンタリスト表示部32に表示する。
次に、登録プリンタリスト表示部32に表示された、プリンタの一般ユーザが使用可能なプリンタのうちから、デフォルトプリンタが選択され(S17)、プリンタの管理者によりOKボタン40が操作されると(S18)、検索プリンタリスト表示部31に表示されているプリンタ(検索により抽出されたプリンタ)、登録プリンタリスト表示部32に表示されているプリンタ(プリンタの一般ユーザが使用可能なプリンタ)、およびデフォルトプリンタとして選択されたプリンタを示す情報を記憶部103に登録する。
次に、デフォルトプリンタ(出力先プリンタ)へ出力可能な独自印刷ポートがインストールされているか否かを判定し(S19)、インストールされている場合にはS21に移行する。一方、インストールされておらず、印刷ポートとしてOS(operating system)の標準のTCP/IPポートを使用する場合には、S16において使用可能なプリンタとして登録されたプリンタに対する印刷ポートを作成する(S20)。これにより、図26の表示402に示す印刷ポートが作成される。
次に、デフォルトプリンタに対して後処理機能など、プリンタの機能を示す機器情報を要求し(S21)、この要求に応じた機器情報をデフォルトプリンタから取得する(S22)。取得した機器情報は記憶部103に格納する。
次に、制御部101は、選択されたデフォルトプリンタを判別し(S23)、表示部104の表示を、デフォルトプリンタに応じたプリンタドライバユーザインターフェイスに切り替える(S24)。これにより、プリンタの管理者により、デフォルトプリンタに対して種々の動作設定が可能になる。
具体的には、デフォルトプリンタの機器情報のオプション情報に応じたオプションを設定できるようになる。例えば、デフォルトプリンタがステープル機能を有するフィニッシャ(ステープルフィニッシャ)を装着したカラー機の場合、カラー機能を設定できるユーザインターフェイスを選択して表示部104に表示することにより、カラー機能を使用できるようになる。あるいは、先に取得した機器情報(ステープルフィニッシャ装着済)を踏まえて、オプションではステープルフィニッシャを選択可能となる。このように、デフォルトプリンタが備えている後処理機能などをユーザが利用できるように、デフォルトプリンタに応じたプリンタドライバユーザインターフェイスを選択することにより、デフォルトプリンタが備える種々の機能を利用できるようになる。
次に、印刷ポートの作成処理について説明する。印刷ポートの作成に関し、独自ポートを作成するか標準ポートを使用するかは、プリンタドライバインストール時の処理により異なる。この場合の処理を図13のフローチャートに基づいて説明する。
PC10にプリンタドライバをインストールする際のインストーラ画面において、独自印刷ポートをインストールするかどうかの選択をユーザに要求する。この要求に応じて、独自印刷ポートのインストールが選択されると(S31)、独自印刷ポートを使用するプリンタドライバをインストールし(S32)、独自印刷ポートをインストールする(S33)。
一方、S31において、印刷ポートとしてOS(operating system)の標準のTCP/IPポートを使用することが選択された場合には、OSの標準のTCP/IPポートを使用するプリンタドライバをインストールする(S34)。
印刷ポートの作成処理の他の例を、図14のフローチャートに基づいて説明する。
PC10にプリンタドライバをインストールする際のインストーラ画面にいて、独自印刷ポートをインストールするかどうかの選択をユーザに要求する。この要求に応じて、独自印刷ポートのインストールが選択されると(S41)、独自印刷ポートを使用するプリンタドライバをインストールし、独自印刷ポートをインストールする(S42)。その後、独自ポートを使用することを示すフラグを立てる(S43)。
一方、S41において、印刷ポートとしてOSの標準のTCP/IPポートを使用することが選択された場合には、OSの標準のTCP/IPポートを使用するプリンタドライバをインストールする(S45)。その後、独自ポートを使用しないことを示すフラグを立てる(S46)。
次に、本実施の形態のプリンタドライバにおける一般ユーザ用設定プログラムを実行した場合の処理動作を図15のフローチャートに基づいて説明する。
PC10にログインしたプリンタの一般ユーザにより、プリンタドライバから、図10に示す一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェース(プリンタ選択画面)を表示するように操作されると、その画面を表示する(S51)。なお、プリンタの一般ユーザによりアプリケーションから印刷の実行を指示された場合に、自動的に一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェース(プリンタ選択画面)を表示するようにしてもよい。
次に、一般ユーザ用プリンタ管理リスト設定ユーザインターフェース(プリンタ選択画面)において、プリンタの一般ユーザによりデフォルトプリンタを切り替える入力操作が行われると(S52)、この操作を受け付ける(S53)。
次に、プリンタの一般ユーザによりOKボタン41が操作されると(S54)、新たにデフォルトプリンタとして選択されたプリンタに対して、後処理機能など、プリンタの機能を示す機器情報を要求し(S55)、この要求に応じた機器情報をデフォルトプリンタから取得する(S56)。プリンタの一般ユーザにより選択されたデフォルトプリンタを示す情報は記憶部103に格納される。
次に、制御部101は、現在のデフォルトプリンタを判別し(S57)、表示部104の表示を、現在のデフォルトプリンタに応じたプリンタドライバユーザインターフェイスに切り替える(S58)。これにより、プリンタの一般ユーザの管理者により、デフォルトプリンタに対して種々の動作設定が可能になる。
例えば、デフォルトプリンタがステープル機能を有するフィニッシャ(ステープルフィニッシャ)を装着したカラー機の場合、カラー機能を設定できるユーザインターフェイスを選択して表示部104に表示することにより、カラー機能を使用できるようになる。あるいは、先に取得した機器情報(ステープルフィニッシャ装着済)を踏まえて、オプションではステープルフィニッシャを選択可能となる。
一方、S52においてデフォルトプリンタを切り替えない場合には、管理者が設定したデフォルトプリンタに応じたユーザインターフェースが表示部104に表示される。図17には、プリンタの一般ユーザにより、デフォルトプリンタをプリンタの管理者にて設定されていた第1プリンタ21(モノクロ機)から第2プリンタ22(カラー機)に切り替えた場合の図9に示したユーザインターフェースの表示例を示す。
なお、上記の処理において、プリンタの管理者により設定されたデフォルトプリンタをプリンタの一般ユーザが変更できない構成となっている場合には、S55およびS56の処理は行わない構成としてもよい。また、プリンタの管理者により設定されたデフォルトプリンタを一般ユーザが変更できない構成となっている場合には、図10の表示に代えて、デフォルトプリンタ(出力先プリンタ)を表示する画面として、図16のような画面を表示するようにしてもよい。
また、プリンタの管理者の操作に応じて図9に示すプリンタドライバのプロパティ画面を表示した場合、およびプリンタの一般ユーザの操作に応じて図10に示すプリンタドライバのプロパティ画面を表示した場合に、これら図9、図10の画面を常に表示する選択を受け付けるようにしてもよい。この選択は、図9および図10における常時表示設定部37へのチェックの有無により行うことができる。この場合、常時表示の要否の選択の受付を、図12のフローチャートであればS11〜S18の間のいずれかのタイミング、図15および図23のフローチャートであればS51〜S54の間のいずれかのタイミングにて行ってもよい。常時表示設定部37に対してチェックが行われた場合、制御部101は、各フローチャートでの処理開始後すぐに、デフォルトプリンタのユーザインターフェースを表示部104に表示するように制御する。
上記のように、プリンタ設定画面を常時表示するように設定しておけば、たとえばアプリケーションからの印刷画面において、印刷設定ボタンを選択した際に、プリンタ選択画面を表示し、出力先プリンタを切り替えることができる。逆に、アプリケーションからの印刷の際に、ユーザは、プリンタを切り替えたくないのであれば、プリンタの切り替え画面を毎回表示させることを希望しない。この場合は、常時表示設定部37へのチェックを外しておけばよい。
また、プリンタの管理者によりプリンタの一般ユーザの使用が可能として登録されたプリンタが、オフラインなどによって出力不可能となっている場合には、図17に示すように、そのプリンタをグレーアウト表示して使用可能なプリンタと区別してもよい。この場合、ネットワーク11に接続されているプリンタのリスト(第1のプリンタリスト)が予め記録されていれば、その第1のプリンタリストと、直近の検索により抽出された動作中(電源オン中)のプリンタのリスト(第2のプリンタリスト)とを比較し、第1のプリンタリストに存在し、かつ第2のプリンタリストに存在しないプリンタがグレーアウト表示される。上記グレーアウト表示を行う構成では、出力不可能なプリンタが出力プリンタとして選択される事態を防ぐことができる。
この場合の処理としては、図12のS15における検索されたプリンタ(第2のプリンタリスト)を表示するステップの前に、第1のプリンタリストを読み出す処理を行う。次に、今回の検索により取得した第2のプリンタリストと第1のプリンタリストとを比較し、第1のプリンタリストに存在し、かつ第2のプリンタリストに存在しないプリンタを、S15の表示においてグレーアウト表示する。
図18は、OSの標準のTCP/IPポートを使用する構成において、ユーザが印刷を実行した際のプリンタドライバの処理動作を示すフローチャートである。
図18に示すように、ユーザにてアプリケーションから印刷を実行する処理が指示されると(S71)、まず印刷データ(一般的にEMFデータ形式と呼ばれる形式のデータ)を作成し、作成した印刷データに印刷先プリンタを示すデフォルトプリンタ情報を付加する(S72)。
次に、印刷スプール開始時に、印刷データからデフォルトプリンタ情報を取得し、出力先ポートの設定をデフォルトプリンタに設定し、デフォルトプリンタに印刷データを出力する(S73)。この場合、印刷データには、選択されたデフォルトプリンタの識別子(プリンタ名など)のみを保持しておき、使用可能な登録されたプリンタのリストにも、それぞれのプリンタに応じた識別子を保持しておき、プリンタのリストと識別子情報とを照合し、プリンタのリストから出力先情報(例えばIPアドレス)を取得するような構成にしてもよい。上記S73の処理により、デフォルトプリンタにて印刷が行われる(S74)。
OSの標準のTCP/IPポートを使用する仕様の場合、仕様上1つのプリンタドライバに対して1つの印刷ポートしか割り当てできない。したがって、本発明の実施形態のような共用プリンタドライバを使用する場合、ポートの設定をデフォルトプリンタを変更する都度切り換える必要がある。このため、S73にて印刷ポートの設定を印刷データに付与されたデフォルトプリンタ情報に基づいて切り換える必要がある。
図19は、独自印刷ポートを使用する構成において、ユーザが印刷を実行した際のプリンタドライバの処理動作を示すフローチャートである。
図19に示すように、ユーザにてアプリケーションから印刷を実行する処理が指示されると(S81)、EMF形式等の印刷データを作成し、その印刷データに、出力先プリンタを示すデフォルトプリンタ情報(例えばPJLでIPアドレス)を付加する(S82)。
独自印刷ポートは、印刷データに付加されたデフォルトプリンタ情報に応じた出力先ポートを選択して印刷データを送信する(S83)。これにより、デフォルトプリンタに印刷が行われる(S84)。
このように独自方式にて1つのプリンタドライバに複数の印刷ポートを設けるようにすれば、複数の印刷ポートのうちの1つを選択して印刷データを出力するように構成できる。
図20は、本実施の形態のプリンタドライバにおける一般ユーザ用設定プログラムを実行した場合の処理動作の他の例を示すフローチャートである。この例では、プリンタの一般ユーザによるデフォルトプリンタの切り替えが不可となっている場合を示す。すなわち、使用可能なプリンタの一覧を表示しないため、プリンタの切り替えができず、プリンタの管理者が設定したデフォルトプリンタのみにより印刷可能となる。
PC10にログインしたプリンタの一般ユーザの操作に応じて、図16に示すように、プリンタの一般ユーザが使用可能なデフォルトプリンタを表示する(S91)。
次に、プリンタの一般ユーザによりデフォルトプリンタについての機器情報の更新が指示されると(S92)、デフォルトプリンタに対して機器情報を要求し(S93)、この要求に応じた機器情報を取得する(S94)。
次に、制御部101は、取得した機器情報に応じたユーザインターフェイスをPC10の表示部104に表示させる(S95)。
なお、S92〜S94の処理を行わない構成とすることも可能である。この場合には、プリンタの管理者が設定したデフォルトプリンタの情報に応じたユーザインターフェイスを表示することになる。
上記のように、本実施の形態のプリンタ制御装置では、複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバを使用している場合であっても、ユーザにより意図しないプリンタが使用されて印刷が行われる事態を防止することができる。また、複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバを使用しながら、ユーザの使用可能なプリンタを制限できるようにしているので、複数のプリンタのそれぞれに対して、ユーザの使用の可否を設定する場合の手間を大幅に省くことができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。実施の形態1に示した構成では、ネットワーク11に複数のPC10(クライアントPC)が接続されている場合、各PC10に対してプリンタの管理者により使用可能なプリンタを設定する作業を行う必要がある。そこで、本実施の形態では、プリンタの管理者の負担を軽減できる構成としている。すなわち、プリンタドライバインストール管理用のサーバを1台設け、このサーバにおいて一括して使用可能なプリンタを設定しておき、各PC10は上記サーバから共用プリンタドライバをインストールできるようにする。PC10はサーバから共用プリンタドライバをインストールした状態において、既に管理者により設定されたプリンタのみが利用可能な状態となる。これにより、プリンタの管理者が各PC10に対して使用可能なプリンタを設定する作業が不要となる。
図21は、本実施の形態における印刷システムの構成を示すブロック図である。図21に示すように、ネットワーク11には、複数のクライアントPC(クライアントPC12,13)、サーバ14および複数のプリンタ(第1〜第3プリンタ21〜22)が接続されている。クライアントPC12,13は前記PC10に相当する。各クライアントPC12,13には、前記PC10の場合と同様、ログイン権限として管理者権限および一般ユーザ権限が設定されている。ユーザはこれらいずれかのログイン権限によりログイン可能である。
図22は、図1に示した印刷システムにおいて、クライアントPC12,13、サーバ14および第1〜第3プリンタ21〜23の接続関係、並びにプリンタの管理者およびプリンタの一般ユーザの使用可能なプリンタの一例を示す説明図である。図22に示すように、クライアントPC12,13は、サーバ14を介して第1〜第3プリンタ21〜23と接続されている。本実施の形態においても、前記実施の形態の場合と同様、検索により抽出された第1〜第3プリンタ21〜23について、プリンタの管理者により、プリンタの一般ユーザに対しては、第1および第2プリンタ21,22のみの使用が許可され、第3プリンタ23の使用が禁止されている。
本実施の形態の印刷システムにおいては、まず、サーバ14にプリンタドライバをインストールし、プリンタの管理者がサーバ14を操作して、プリンタドライバの設定を行う。この場合、プリンタドライバをインストールした後のサーバ14の処理動作は、前記図12のフローチャートに示したとおりである。なお、上記プリンタドライバは、同様に、単一のプリンタドライバにて複数のプリンタに対応する、いわゆるユニバーサルプリンタドライバ(共用プリンタドライバ)である。
次に、各クライアントPC12,13のユーザ(プリンタの一般ユーザ)は、クライアントPC12,13にてサーバ14にアクセスし、サーバ14において設定済のプリンタドライバを各クライアントPC12,13にインストールする。例えば、Microsoft Windows(登録商標)の環境下では、Microsoft Windows(登録商標)のOSのポイントアンドプリント機能にてクライアントPC12,13へプリンタドライバをインストールすることができる。
図23は、クライアントPC12,13において、プリンタドライバにおける一般ユーザ用設定プログラムを実行した場合の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図23に示す処理動作では、まず、サーバ14にアクセスしてサーバ14からプリンタドライバをインストールする(S101)。次に、サーバ14から、プリンタの一般ユーザが使用可能として登録されているプリンタのリスト、すなわち図6に示したプリンタ管理リスト307を取得する(S102)。その後のS51〜S58の処理は、図15に基づいて前述したとおりである。
なお、サーバ14からクライアントPC12,13にプリンタドライバを一旦インストールした後は、当然ながらS101およびS102の処理を実行する必要はなく、次回からはS51の処理から実行する。
また、図18のフローチャートに示した、OSの標準のTCP/IPポートを使用する構成において、ユーザが印刷を実行した際のプリンタドライバの処理動作に関しては、S73以降の処理がサーバ14において行われる。すなわち、本実施の形態の印刷システムでは、プリンタにて印刷される印刷データは、クライアントPC12,13からサーバ14に送信され、サーバ14から第1〜第3プリンタ21〜23へ出力されるので、サーバ14において用意されている印刷ポートが使用される。このため、サーバ14において印刷ポートの設定を行う。
同様に、図19のフローチャートに示した、独自印刷ポートを使用する構成において、ユーザが印刷を実行した際のプリンタドライバの処理動作に関しても、S80以降の処理がサーバ14において行われる。
図24は、クライアントPC12,13において、プリンタドライバにおける一般ユーザ用設定プログラムを実行した場合の処理動作の他の例を示すものであって、プリンタの一般ユーザによるデフォルトプリンタの切り替えが不可となっている場合を示すフローチャートである。
図24に示す処理動作では、まず、サーバ14にアクセスしてサーバ14からプリンタドライバをインストールする(S201)。次に、サーバ14から、プリンタの一般ユーザのデフォルトプリンタとして登録されているプリンタを示す情報を取得する(S202)。その後のS91〜S95の処理は、図20に基づいて前述したとおりである。
なお、S201において、サーバ14からプリンタドライバをインストールする場合には、サーバ14において設定された、図6に示す実行可能ステップ管理テーブル310も一緒にインストールされる。このとき、プリンタドライバをインストールしたPCが「クライアント」であることを示す情報がクライアントPC12,13のOS部201(例えばプリンタ管理権限記憶部301)において記憶される。これにより、クライアントPC12,13にユーザがアドミニストレータ権限でログインしても、プリンタドライバの設定変更ができないように制限することができる。
図25は、図10に示したプリンタの一般ユーザ用のユーザインターフェースの他の例を示す説明図である。プリンタの一般ユーザ用のユーザインターフェースは、図9に示したプリンタの管理者用のユーザインターフェースと比較して、表示すべき項目が少ないため、図25に示すように、各項目の表示領域を大きくした構成により、見易くかつ操作が容易なユーザインターフェースの表示とすることができる。
なお、プリンタの一般ユーザ用のユーザインターフェースについて、図10に示したものから図25に示したものへの切り替えは、例えば、図15のS58の処理において、PCへのログインユーザがプリンタの管理者であるかプリンタの一般ユーザであるかを図6のプリンタ管理権限記憶部301を参照して確認し、プリンタの一般ユーザである場合に自動的に行うようにしてもよい。
また、プリンタドライバ部202では、配布用ドライバ(インストーラ)の機能について、例えば上記のプリンタの管理者のさらに上級の管理者により、プリンタドライバの機能制限を設定可能としてもよい。この場合、上級管理者は、プリンタの管理者に対して、配布するドライバ自体の利用制限を担当する。
また、検索モジュール313による検索ステップ(図12のS12)においては、次のような処理を行うものであってもよい。
(1)上級管理者が設定した機種により抽出するプリンタを絞り込むもの
絞込条件として、特定の機種のみ抽出もしくは特定の機種のみ禁止する。この場合、絞込条件として、機種名とその機種を抽出することもしくは禁止することが記載されたファイル(テキストファイル)を設けておき、当該ファイルをドライバが読み出してプリンタ検索時の検索条件として設定する。
(2)上級管理者が設定した機能により抽出するプリンタを絞り込むもの
絞込条件として、特定の機能(後処理、カラー機能等)を有する装置のみを抽出する、もしくは特定の機能を有する装置のみの抽出を禁止する。この場合、絞込条件として、機能名とその機能を抽出することもしくは禁止することが記載されたファイル(テキストファイル)を、ドライバが読み出してプリンタ検索時の検索条件として設定する。
また、図12のS15において、検索により抽出されたプリンタの一覧を図9の検索プリンタリスト表示部31に表示する場合に、プリンタを機種または機能により並び替えて表示するようにしてもよい。
また、図6に示す第1印刷設定UI作成部305および第2印刷設定UI作成部306が作成するユーザインターフェースにおいては、前記の上級管理者により、ユーザごとに利用可能な機能を限定する設定が可能となるようにしてもよい。この場合には、ユーザ名とユーザごとの属性(モノクロのみ利用許可など)が登録されているファイル(テキストファイル)が別途設けられる。この場合の動作としては、プリンタドライバ動作時のタイミング(図15のS58)において、ドライバはPCログインユーザ名が上記ファイル中に登録されていないか検索し、登録されていれば、ユーザごとの属性を読み込んで特定の機能の利用を禁止する。例えば、カラー機能の設定はユーザインターフェース上に設定項目を表示させないか、グレーアウト表示させて設定を禁止する。
本発明のプリンタ制御装置は、ネットワークを介して複数種類のプリンタと通信可能であり、前記複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバにより前記複数種類のプリンタを制御するプリンタ制御装置において、前記複数種類のプリンタについてのプリンタリストの表示、および前記プリンタリストに含まれるプリンタのうちから使用を許可するプリンタを指定する使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示を表示手段に行わせる表示制御部と、前記使用許可プリンタとして指定されたプリンタのみの使用を許可する使用プリンタ制限部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明のプリンタ制御方法は、ネットワークに接続されている複数種類のプリンタと通信し、前記複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバにより前記複数種類のプリンタを制御するプリンタ制御方法において、前記複数種類のプリンタについてのプリンタリストの表示、および前記プリンタリストに含まれるプリンタのうちから使用を許可するプリンタを指定する使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示を表示手段に行わせるステップと、前記使用許可プリンタとして指定されたプリンタのみの使用を許可する使用プリンタ制限ステップとを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバを使用している場合であっても、ユーザにより意図しないプリンタが使用されて印刷が行われる事態を防止することができる。例えば、プリンタの管理者は、一般のユーザが使用可能なプリンタを制限することができる。
また、複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバを使用しながら、ユーザの使用可能なプリンタを制限できるようにしているので、複数のプリンタのそれぞれに対して、ユーザの使用の可否を設定する場合の手間を大幅に省くことができる。例えば、プリンタとプリンタドライバが1対1の関係となっている場合には、プリンタドライバをインストールしている例えばパーソナルコンピュータ(プリンタ制御装置)において、プリンタドライバごとにユーザの使用の可否を設定する必要があった。しかしながら、本願発明のプリンタ制御装置では、そのような作業は不要となり、1つのプリンタドライバに対する設定により、複数のプリンタについてのユーザの使用の可否を設定することができる。例えば、複数のプリンタを対象に、ユーザが属するグループなど、複数のユーザ(プリンタ制御装置)にプリンタの使用の可否について同レベルの設定する場合に、設定の手間を大幅に省くことができる。
このように、本発明の構成によれば、複数種類のプリンタに対応できるという共用プリンタドライバの利点を享受しながら、意図しないプリンタの使用を制限でき、かつその設定を容易に行うことができる。
上記のプリンタ制御装置は、前記ネットワークを介して当該プリンタ制御装置と接続されているプリンタを検索する検索部と、前記検索により抽出されたプリンタのリストを前記プリンタリストとして作成するプリンタリスト作成部と、前記使用許可プリンタとして指定されたプリンタのうちから出力先として指定されたプリンタであるデフォルトプリンタと通信し、そのデフォルトプリンタが有する機能を示す機器情報を取得する機器情報取得部とを備え、前記表示制御部は、前記使用許可プリンタとして指定されたプリンタのうちから前記デフォルトプリンタを指定する入力を受け付ける表示を前記表示手段に行わせるとともに、前記機器情報にて示される前記デフォルトプリンタについての使用する機能を選択する入力を含む、印刷設定のための入力を受け付ける表示を前記表示手段に行わせる構成としてもよい。
上記の構成によれば、検索部は、ネットワークを介して当該プリンタ制御装置と接続されているプリンタを検索し、プリンタリスト作成部は、検索により抽出されたプリンタのリストをプリンタリスト(複数種類のプリンタについてのプリンタリスト)として作成する。表示制御部は、前記プリンタリストの表示、および前記プリンタリストに含まれるプリンタのうちから使用を許可するプリンタを指定する使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示を表示手段に行わせる。この表示に対して、使用許可プリンタの指定入力が行われると、使用プリンタ制限部は、指定された1または複数のプリンタのみの使用を許可する。
また、表示制御部は、使用許可プリンタとして指定されたプリンタのうちからデフォルトプリンタを指定する入力を受け付ける表示を前記表示手段に行わせる。この表示に対して、デフォルトプリンタを指定する入力が行われると、機器情報取得部は、出力先として指定されたプリンタであるデフォルトプリンタと通信し、そのデフォルプリンタと通信し、そのデフォルトプリンタが有する機能を示す機器情報を取得する。
また、表示制御部は、前記機器情報にて示されるデフォルトプリンタについての使用する機能を選択する入力を含む、印刷設定のための入力を受け付ける、デフォルトプリンタに対応した表示を表示手段に行わせる。この表示に従って、ユーザは、デフォルトプリンタについての使用する機能の選択を含み、印刷設定を行うことができる。
本発明のプリンタ制御装置では、上記のような一連の動作が行われることにより、使用許可プリンタを指定する作業、デフォルプリンタを指定する作業、およびデフォルトプリンタについての使用する機能の選択を含む、印刷設定作業を容易に行うことができる。
上記のプリンタ制御装置において、プリンタの管理者権限の有無を判定する管理権限有無判定部を備え、前記表示制御部は、前記管理者権限有無判定部によりプリンタの管理者権限有りと判定された場合にのみ、前記プリンタリストの表示、および前記使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示を前記表示手段に行わせる構成としてもよい。
上記の構成によれば、管理者権限有無判定部は、例えば、ユーザによるプリンタ制御装置へのログインに際し、プリンタの管理者権限有りを示すパスワードの入力を求め、該当するパスワードの入力が行われた場合にプリンタの管理者権限有りと判定する。プリンタの管理者権限有りと判定された場合には、表示手段において、前記プリンタリストの表示、および前記使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示が行われる。
これにより、プリンタの管理者権限を有する管理者以外の一般ユーザにより、使用許可プリンタが不正にあるいは任意に変更さえる事態を防止することができる。
上記のプリンタ制御装置は、プリンタの管理者権限の有無を判定する管理者権限有無判定部を備え、前記表示制御部は、前記管理者権限有無判定部によりプリンタの管理者権限有りと判定された場合にのみ、印刷設定のための入力を受け付ける前記表示において、前記機器情報にて示される前記デフォルトプリンタが有する機能のうち、特定の機能の選択を不可とする表示の設定を受けつける構成としてもよい。
上記の構成によれば、管理者権限有無判定部は、例えば、ユーザによるプリンタ制御装置へのログインに際し、プリンタの管理者権限有りを示すパスワードの入力を求め、該当するパスワードの入力が行われた場合にプリンタの管理者権限有りと判定する。プリンタの管理者権限有りと判定された場合には、印刷設定のための入力を受け付ける表示手段での表示において、機器情報にて示されるデフォルトプリンタが有する機能のうち、特定の機能の選択を不可とする表示の設定が受けつけられる。これにより、プリンタの管理者権限を有する管理者により、出力先として指定されたデフォルトプリンタにおいて、そのデフォルトプリンタが有する機能のうち、特定の機能の使用を不可とすることができる。
上記のプリンタ制御装置は、プリンタの管理者権限の有無を判定する管理者権限有無判定部を備え、前記表示制御部は、前記管理者権限有無判定部によりプリンタの管理者権限有りと判定された場合にのみ、前記プリンタリストの表示、前記使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示、および前記デフォルトプリンタを指定する入力を受け付ける表示を表示手段に行わせる一方、前記デフォルトプリンタを指定する入力が行われた後の、前記管理者権限有無判定部によりプリンタの管理者権限無しと判定された場合の前記使用許可プリンタの表示要求に対しては、指定された前記デフォルトプリンタのみの表示を前記表示手段に行わせる構成としてもよい。
上記の構成によれば、プリンタの一般ユーザが使用可能なプリンタは、プリンタの管理者が設定したデフォルトプリンタのみに制限することができる。これにより、プリンタの一般ユーザは、プリンタの切り替えなど特別な操作をする必要がなくなる。
上記のプリンタ制御装置において、前記検索部は、指定されたサブネットもしくはIPアドレスを検索の条件として検索を行う構成としてもよい。
上記の構成によれば、指定されたサブネットもしくはIPアドレスを検索の条件としてプリンタの検索を行うので、ネットワークに接続された全プリンタを抽出するのではなく、サブネットもしくはIPアドレスにより指定された、例えば所定の範囲の位置に配置されているプリンタを抽出することができる。
上記のプリンタ制御装置は、前記使用許可プリンタとして設定されたプリンタに対応した印刷ポートを作成する印刷ポート作成部と、印刷を指令された印刷データに前記デフォルトプリンタを示す情報を付加するデフォルトプリンタ情報付加部と、印刷スプール開始時に、印刷ポートを前記デフォルトプリンタに対応した印刷ポートに切り替える印刷ポート切替え部とを備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、印刷スプール開始時に、印刷ポートがデフォルトプリンタに対応した印刷ポートに切り替えられるので、別のユーザにて出力先プリンタが切り替えられていた場合に、印刷データが意図せぬ出力先プリンタにおいて印刷される事態を防ぐことができる。
上記のプリンタ制御装置は、印刷を指令された印刷データに前記デフォルトプリンタを示す情報を付加するデフォルトプリンタ情報付加部と、印刷スプール開始時に、前記印刷データに付加された前記情報が示す前記デフォルトプリンタに前記印刷データを出力する印刷データ出力部とを備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、複数の印刷ポートを作成することなしに、全ユーザに対して印刷データの出力先のプリンタを切り替えるようにすることができる。
本発明のプリンタ制御方法は、ネットワークに接続されている複数種類のプリンタと通信し、前記複数種類のプリンタに対応できる共用プリンタドライバにより前記複数種類のプリンタを制御するプリンタ制御方法において、前記共用プリンタドライバをインストールし、かつ前記ネットワークに接続したサーバにおいて、前記複数種類のプリンタについてのプリンタリストの表示、および前記プリンタリストに含まれるプリンタのうちから使用を許可するプリンタを指定する使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示を表示手段に行わせるステップと、前記使用許可プリンタとして指定されたプリンタのみの使用を許可する使用プリンタ制限ステップとを実行し、これら各ステップを経て設定された共用プリンタドライバを、前記サーバに接続したプリンタ制御装置にインストールすることを特徴としている。
上記の構成によれば、サーバにインストールされている共用プリンタドライバは、複数種類のプリンタについてのプリンタリストの表示、および使用許可プリンタの指定入力を受け付ける表示を表示手段に行わせるステップと、使用プリンタ制限ステップとがサーバにおいて実行されることにより設定される。そして、これら各ステップを経て設定された共用プリンタドライバをサーバからプリンタ制御装置にインストールすることにより、プリンタ制御装置において設定済の共用プリンタドライバを使用できるようになる。
このように、本発明によれば、サーバにおいて一括してプリンタドライバの設定を行うことができ、サーバからプリンタドライバをインストールした各プリンタ制御装置では、プリンタドライバの設定が不要となる。これにより、本発明は、さらに、プリンタ制御装置においてプリンタドライバの設定を行うプリンタの管理者の負担を軽減することができるという効果を有する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。