JP2013053621A - 浮力式動力発生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浮力発生の2つの要素である「流体」と「浮体」に変化を与えることによって、流体中の浮体にも変化を与えることができる。流体は「液位の増減」と「流体比重の増減」、浮体は「浮体体積の増減」によって、浮体を上下に移動させることができる。「液位の増減」と「流体比重の増減」を「流体操作」、「浮体体積の増減」を「浮体操作」とする。浮体操作は、浮体体積に比較して極めて僅少な流体量によって可能であり、これは「アルキメデスの原理の再定義」および「平方立法則」によって担保し得る。また、浮体操作は、「平方立法則」あるいは固定的浮体操作量と変動的浮力発生量の関係によって担保し得える。上記の方法によって、本発明を実用的動力発生方法となすことができる。
【選択図】図1
Description
ここでは「流体」は「液体」、「物体」は「浮体」とし、「液体」に「浮体」が浮かんでいるとする。
2「液体」の比重が増減すれば、「液体」に浮かぶ「浮体」に生じる浮力も増減して、「浮体」は上下に移動する。
3「浮体」の体積が増減すれば、「液体」に浮かぶ「浮体」に生じる浮力も増減して、「浮体」は上下に移動する。この場合、「自重を変化させずに体積を増減し得る浮体」を用いる。
2「流体比重の増減」・・・容器内の水に空気を注入して、浮体を水より比重の小さな気泡水塊で覆うと、浮体に発生する浮力が減少して浮体は沈下する。気泡の注入を止め、水中の気泡が上昇して排出されると、浮体に発生する浮力が回復して浮体は元の位置に浮上する。
3「浮体体積の増減」・・・「自重を変化させずに体積を増減し得る浮体」を用いる。水中の浮体の体積を減少させると、浮体の水面下体積の減少に伴って浮力も減少し、浮体は沈下する。水中の浮体の体積を増加させると、浮体の水面下体積の増加に伴って浮力も増加し、浮体は浮上する。
「浮体操作」・・・上記「浮体体積の増減」は、操作対象が浮体であり、これを「浮体操作」とする
流体操作・・・1 液位(水位)の増減 2 流体比重の増減
浮体操作・・・3 浮体体積の増減
変化要因による整理
液位の変化・・・1 液位の増減
発生浮力の変化・・・2 流体比重の増減 3 浮体体積の増減
海に浮かぶ浮体は、波浪や干満による水位の変化に従って上下に移動するが、海水に限らず、大量の水を人為的に操作してその水位を増減することは困難であり、可能だとしてもコスト的に無意味である。従って、操作可能な水量を容器に収容して用いる。
○水(1)の入った容器(2)に浮体(3)を入れ、該浮体の上におもり(4)を1つずつ載せて行き、該浮体が完全に水没した時点で止める。水はこぼれてもかまわない。
○この状態([図1]A)で、容器に残った水の体積は、浮体の体積よりもはるかに少ないのであるが、浮体に発生している浮力は、おもりと浮体の重量の和に等しく、これは浮体の水面下体積に相当する水の重さに一致する。すなわち、浮体の水面下体積よりも少ない水量でアルキメデスの原理が成立している。
「新訳 ダンネマン 科学・技術人名事典」によれば、アルキメデスは「浮体について」の中で次のように述べている。(以下、下線は筆者)
命題1 たがいに通じ合っている液体全体の表面は、静止の状態では球面をなし,その中心は地球の中心に一致する。
命題2 容積が等しいとき、液体と同じ重さのある固体を(筆者注 液体と固体の比重が等しい時)、この液体のなかに浸すと、ちょうど液体の表面に少しもあらわれなくなるところまで沈む。
命題3 液体より軽いすべての固体は、この液体に浸すと、ちょうど沈んだ部分と等しい容積の液体のおもさが、固体の全重さと同じになるところまで沈む。
命題4 いま液体より軽い物体をその液体のなかに入れると、物体と等しい容積の液体の重さから、物体自身の重さを引いただけの力で浮き上がる。
命題5 容積の等しいとき、液体よりも重い固体を(筆者注 液体より固体の比重が大きい時)、この液体のなかに浸すと、どこまでも沈めるだけ深く沈む。そして、この沈んだ物体は、液体のなかでは、この物体と同じ容積の液体の重さに相当する重さだけ軽くなる。
「浮力の大きさは、流体の中にある物体において、流体によって包み込まれた部分の物体の体積に相当する流体の重さに等しい」とする。
「浮力発生の要素は、物体と、その物体の一部あるいは全体を包み込む(包摂する)に足る量以上の流体である」と規定する。
「浮力発生の要素は、物体と、その物体の部分あるいは全体を包み込む(包摂する)に足る量以上の流体であり、その大きさは、流体によって包み込まれた部分の物体の体積に相当する流体の重さに等しい。」
と再定義することより、浮力の実態がより鮮明になる。
(注)「包み込む(包摂する)に足る量」は「擬似無限流体」の場合であり、説明は後述する。
海に椰子の実が浮かんでいるとする。流体である海水の量は、浮体である椰子の実の大きさと比較すれば、事実上無限に等しい。これを「無限流体」とする。ここで海水と椰子の実を、椰子の実がかろうじて入る程度の小さな容器に移す。容器内の海水の量は、もとの海に比較すれば無に等しいほどの少量である。しかし、椰子の実の浮き具合は、海に浮かんでいた時と全く変わらない。
ところで、上記「アルキメデスの原理の再定義」において、「浮力発生の要素は、物体と、その物体の部分あるいは全体を包み込むに足る量以上の流体」とした。ここで「包み込む」状態は2種類ある。
流体が物体の部分を包み込む場合、すなわち「部分包摂」と、
流体が物体の全体を包み込む場合、すなわち「全体包摂」である。
○容器内の水を徐々に排出する(5)。浮体は水位の低下と共に下降し、やがて着底する。([図1]B)
○次に、容器内に水を再注入すると(6)、浮体は水位の上昇と共に上昇し、元の状態に復帰する。([図1]C)
外洋航行中のヨット等が大きな波を被った時、そこに発生する大量の気泡によって浮力を失い、一気に沈下することがある。比重の小さな気泡水塊によって、ヨットが浮力を失うからである。
○水の入った容器内に浮体を浮かべ、その上におもりを載せる。該おもりを載せた該浮体は水の上に浮かび、静止状態になる。
○発泡剤を容器内に投入して気泡を発生させると、おもりを載せた浮体は、気泡水塊の中を一気に沈下する。発泡が終了し、気泡が容器内から排出されるにつれて、おもりを載せた浮体は再び浮上する。
1グラムの鉄は沈むが、同じ1グラムのスポンジは浮く。比重が異なるからである。そこで、液体に浮かぶ物体の自重を変化させずにその体積を増減すれば、同時に比重も増減して、物体の垂直位置も変化する。これは内部が空洞で膨縮し得る浮体を用いれば可能である。
○浮体に半分程度水を入れ、しっかりとキャップを閉めて容器内の水に浮かべ、これを浮体1とする。
○次に容器から浮体を取り出し、キャップを空け、浮体本体を強く握って内部の空気の一部を排出した上でしっかりとキャップを閉める。
○この体積が減少した浮体を、再び容器内の水に浮かべ、これを浮体2とする。
○浮体2を、浮体1の場合と比較すると、浮体2は浮体1より沈下の程度が大きい。
○浮体2を取り出し、キャップを空けて形を浮体1の状態に復元し、これを容器に浮かべると、沈み具合も、先の浮体1の状態に回復する。
「装置」・・・上記5つの方法を具現化した動力発生装置を、ここでは「装置」と略称する。容器、浮体、間隙、流体操作装置、浮体操作装置等を適宜用いて構成する。
「流体操作装置」・・・流体を操作して「液位の増減」「流体比重の増減」を行う。
「浮体操作装置」・・・浮体を操作して「浮体体積の増減」を行う。
「開放型」・・・流体操作において、「装置」外の豊富な水を利用する方法。気体は空気を利用する。
「閉鎖型」・・・流体操作において、「装置」内にあらかじめ具備した液体を用いる方法。気体は空気その他を利用する。
2 容器内の水を循環させる方法 「閉鎖型・水位の増減」
3 容器内の水に空気を注入する方法 「閉鎖型・流体比重の増減」
4 水中の浮体を気泡水塊あるいは空気で覆う方法 「開放型・流体比重の増減」
5 水中の浮体の体積を増減する方法 「浮体体積の増減」
操作する流体は水であり、その目的は水位の増減である。高低差のある自然の流水が得られる環境に「装置」を設置し、「流体操作装置」によって、水を「装置」内に注水し、「装置」外に排水する。
この方法の実現可能性に疑問を差し挟む余地はない。流水は高低差に従って自然に装置内を通過して行く。流体操作は、注水部・排水部の弁の開閉に過ぎず、これに要する動力は僅少である。また、弁の開閉操作に流水の圧力を利用すれば、浮力由来の動力は全く減殺されることなく、すべて利用可能となる。
操作する流体は水であり、その目的は水位の増減である。「流体操作装置」によって、水を「装置」内に循環させる。
ここでは仮定を用いて説明する。該「装置」における容器内壁と浮体との間隙を適当な値、例えば1センチメートルに固定する。そして浮体と容器とを相似形に拡大していく。浮体の一辺が2倍3倍になると、その体積は3乗で増加し、8倍27倍となる。一方、幅の固定された間隙の容積は2乗で増加し、4倍8倍となる。すなわち浮体体積の増加率が間隙容積の増加率を上回り、「装置」が拡大するに従って両者の差がはなはだしく乖離していく。いわゆるガリレオ・ガリレイに発する「平方立法則」である。
操作する流体は空気であり、その目的は流体比重の増減である。「流体操作装置」によって間隙内の水に空気を注入し、気泡水塊とする。
上記2と同様である。装置が大型化するほど、浮体体積の増加率が間隙容積の増加率を凌駕していくために、相対的に少ない空気量の注入によって「装置」を駆動し得る。すなわち「平方立法則」を根拠とすることにより、この方法も誤りなく実現可能となる。
操作する流体は空気であり、その目的は流体比重の増減である。「流体操作装置」によって水中の浮体表面に向けて空気を噴射する。
上記2と同様である。装置が大型化するほど、浮体体積の増加率が浮体表面積の増加率を凌駕していくために、相対的に少ない空気量の噴出によって「装置」を駆動し得る。すなわち「平方立法則」を根拠とすることにより、この方法も誤りなく実現可能となる。
操作する対象は浮体であり、その目的は浮体体積の増減である。「浮体操作装置」によって浮体の体積を増減する。
既述の1は「アルキメデスの原理の再定義」、2から4については「平方立法則」をもって実現可能性の根拠とした。5の「浮体体積の増減」による方法も「平方立法則」をもって実現することができる。仮に球形の浮体を用い、浮体全体を相似形に拡大する時、浮体操作の動力量は、主に浮体表面と水との摩擦抵抗で決まり、これは2乗で拡大する。一方、発生浮力は浮体の体積で決まり、これは3乗で拡大する。
「拡大する浮体が生み出す動力量C」 との比較になる。
○「浮体を拡大する動力量A」は、おもりの重さに等しく、これは一定である。浮体は、拡大する過程で、発生した浮力により上昇しようとするが、固定具によって固定されており、おもりは、浮体を拡大させる間に、浮体の上昇を阻止する必要はない。また「弁の開閉・浮体の移動と固定等の動力量B」も一定である。すなわち、A+Bは固定量である。
〇一方、「拡大する浮体が生み出す動力量」Cは、浮体に発生する浮力量に等しく、これは浮体の拡大に応じて増大していく。すなわち、Cは変動量である。
○浮体が拡大する過程で、A+BとCとの関係は、A+B>C、A+B=C、A+B<Cとなって、変動量Cは固定量A+Bを上回り、浮体が最大体積になった時きには両者が大きく乖離する。従って、上記、変動量と固定量の関係からこの方法も実現可能となる。
流体操作においては「極大浮体と極少流体による極大効果」
浮体操作においては「極大浮体の極大膨縮による極大効果」
をもって理想形態とし、実施においてこの理念に限りなく接近することにより、誤りなく本発明の実用化が可能となる。
液体は、水・重液を含む各種水溶液・水銀等、粘性の低いものであればどのようなものでも利用可能である。もちろん油類でもよい。比重が大きいほど効率的である。気体は主に空気を用いる。
「異種流体」・・・流体操作によって、「既存流体」と混合あるいは交換する流体(例、空気)を「異種流体」とする。「異種流体」は、「既存流体」と溶融せず、比重が大きく異なるものを用いる。
「液位の増減」・・・「既存流体」として1種類の液体を用いる。
「流体比重の増減」・・・「既存流体」と「異種流体」を用い、流体操作として、両者を混合あるいは交換する。
「浮体体積の増減」・・・「既存流体」として水を用いる。
本発明においては、浮体こそが動力として機能する要素であって、とりわけ動揺の無い正確な上下運動が求められる。本発明では、効率を高める為に、間隙幅を狭く造作する必要があり、浮体がわずかに動揺しても容器内壁と接触して故障の原因になる。従って、容器にガイドレールの機能を持たせ、浮体にもそれに対応する以下のような様々な工夫を施す必要がある。
○浮体の側面や角部に複数の凸部あるいは凹部を垂直に造作し、容器内壁や隅部に垂直に造作された複数の凹部あるいは凸部と、凹凸の関係に噛み合わせる。
○容器内壁あるいは浮体側面のいずれかに複数の凸部を垂直に設ける。
○ガイドレールとして、淳体内部を垂直に貫通する1本あるいは複数の軸を設け、これに沿って動かす。
○上方向への押力によって、浮体上部に置かれたのクランク機構を機能させる方法・・・レシプロエンジンのクランク機構と同様の構造にすると、連接棒の先端が回転する際に、浮体を左右に動揺させて、容器内壁と接触させてしまう。これを防止する為に、連接棒を、クロスヘッド等を用いて分節式に造作し、浮体が動揺せずに上下動できるようにする。
○上方向の引張力によって、浮体下部に置かれたクランク機構を機能させる方法・・・連接棒に代えてロープを用いることも可能である。この場合は、上記分節式の連接棒と同様に、丁字のように浮体直下のローブを適当な長さだけ垂直に張ればよい。ロープを用いると、力の方向を変更することが容易であり、クランク機構の設置場所や形態の自由度が高くなる。
○ラック・アンド・ピニオンとラチェット機構の組み合わせを用いて回転運動を作り出す方法・・・この場合、複数の「装置」を連動させる。浮体の上部、あるいは下部にラックを垂直につなぎ、これにラチェット機構を備えたピニオンを噛み合わせる。浮体の上昇時にラックがピニオンを回転させる。浮体の下降時に、ピニオンはラチェット機構によって空転する。その間、別の浮体が上昇してピニオンを回転させる。タンデム自転車と同様に、複数のピニオンがチェーンによって連結され、常時どこかのピニオンが回転を伝えて、チェーンは滞り無く回転する。
「可変式浮体」・・・形状を変化させて体積を増減できる浮体。
○「蛇腹型浮体」・・・浮体の一部あるいは全体を蛇腹構造で造作した浮体。
○「シリンダー型浮体」・・・複数のシリンダーを外筒(7)・内筒(8)の関係に組み合わせた浮体。液位の増減(9)に従って膨縮する。
○「蛇腹型浮体」・・・水圧と浮体内部の気圧による横方向の変形を防ぐために、浮体の形状に応じて、円形あるいは多角形の補強材を用いる。
○「シリンダー型浮体」・・・構造が堅牢なので、横方向の変形については問題ない。ただし、蛇腹型に比べて膨縮率が劣る。
流体操作には、大別して「液位の増減」と「流体比重の増減」の2つの方法がある。
○「液位の増減」・・・液体を直接操作して液位を増減する方法が「液体量の増減」であり、容器や浮体を操作して間接的に液位を増減する方法が「間隙容積の増減」である。
○「流体比重の増減」・・・「既存流体」と「異種流体」を混合して比重を増減する方法が「流体混合」、浮体に接触する流体を「既存流体」と「異種流体」で交互に交換する方法が「流体交換」である。
「開放型」・・・流体操作において、「装置」外の豊富な水を利用する方法。気体は空気を利用する。
「閉鎖型」・・・流体操作において、「装置」内にあらかじめ具備した液体を用いる方法。気体は空気その他を利用する。この方式は液体の循環再利用であり、それ故重液や水銀等、水より比重の大きな液体を利用することができる。仮に、一辺1メートルの立方体の浮体に、流体として水を用いた場合は最大浮力が1トン、ポリタングステン酸ナトリウム水溶液では約3トン、水銀に至っては約13.5トンに達する。
浮体操作は、浮体の伸長、浮体の上下位置調整、浮体内への空気の吸排気管理、浮体の固定と解除等である。とりわけ浮体の固定には十分な堅牢さが求められる。浮体の膨張によって浮力が増大する間に、これを固定具によってしっかりと固定状態に保つ。
レシプロエンジンに単気筒と多気筒があるが、多気筒の方が滑らかな回転が得られる。本発明においては「装置」を複数連動させることで、動力の品質をより高めることができる。たとえば、2つの浮体の下部をロープ等で連結し、一方の浮体の上昇力によって他方の浮体を下降させ、これを交互に実行する。この操作によって、浮体の上昇と下降の所要時間を一致させることができ、より高品質な動力が得られる。この場合、「流体操作装置」「浮体操作装置」も連動を前提とした操作形態にする。
流体と浮体を収容する。形態は直方体、あるいは円筒形を主とする。流体操作を目的とした「貯液部」や、流体の注入部と排出部を設ける場合がある。注入部と排出部は、「装置」の規模に応じて、なるべく多数を用いたほうが、液位の増減等を迅速に行い得る。
「固定型容器」・・・形状が変化しない固定型容器である。
「可変型容器」・・・容器自身の形状を変化させて、該容器の容量を変化させることのできる容器であって「間隙容積増減式」に用いる。「弾性容器」「開閉容器」「膨縮容器」等がある。
操作の詳細については実施例で述べる。
設置場所が自由である。無重量状態でなければ場所を問わない。屋内・屋外、都市部・山間部、地上・地中・水上(海上)・水中(海中)はもちろん、飛行機に搭載すれば空中でも可能となる。十分な流体を用意すれば、砂漠の中でも稼働可能である。船舶に搭載した時のメリットは計り知れない。
使用目的に応じた様々な形態と規模があり得るが、とりわけ大規模化による出力の増大は幾何級数的であり、仮に浮体が一辺100メートルの立方体であれば、その最大浮力は流体の選択によって100万乃至1300万トン強に達する。すなわち単位面積あたりのエネルギー発生量が極めて高い。
自然条件に左右されることが無く、すべての操作を人為的に管理し得る為、昼夜を問わぬ連続運転や、任意の始動停止が自由であり、また需要に追随した発電量の調節も容易である。外的条件に左右されない自在な運転操作によって高品質な出力が可能であり、系統連系も問題ない。
特筆されるべきはその安全性である。今日、原発の危険性が声高に叫ばれるのであるが、一方、火力発電における石炭は、採掘の段階で既に膨大な犠牲者を生み出し、石油・天然ガスは末だに国際紛争の火種であり続ける。再生可能エネルギーにおいても、水力は大規模な自然破壊を伴い、風力は騒音や低周波の健康被害が指摘される。すなわち、既存の方法には、多かれ少なかれ代償としてなんらかの危険性が伴う。
単純な原理と構造、そして高度な安全性故に、設備の建設コストが低廉である。自然条件の制約が無く、稼働率が高い。スケール・メリットによって単位面積あたりの出力が極めて大きい。燃料費が不要である故に、発生出力に相応する変動費がほとんど生じない。以上の諸点から、既存の発電方法で、本発明をコスト的に凌駕するものは、現状では存在しないであろう。
日本における目下のエネルギー問題は、言うまでもなく福島第一原発事故の処理と、これに伴う電力供給の逼迫である。被害住民への莫大な補償、被災地の復興、原子力発電の不在を代替する新たなエネルギー体制の模索等、課題はあまりにも深刻且つ重大である。
浮力とは、燃料等の消耗性の資源、変転きわまりない自然条件、あるいは制約の多い地理的条件等に依存せず、きわめて単純な原理と操作によって自然法則通りに出現する枯渇なき力であり、あえてその範疇を問うならば、「関係エネルギー」とでも称すべきであろうか。流体と物体との関係成立によって瞬時に出現し、関係の解消によって瞬時に消滅する。地上において、重力は物質的存在と共に常住であるが、浮力は流体と物体との関係性において現れ、そして消え去る。従って、人為的にその関係性を維持し、制御する限りにおいて、尽きること無く産出され、その無限性ゆえに、古来人類を悩まし続けた有限なるエネルギー資源の争奪は意味をなさなくなる。
流体操作系
1 液位の増減
A「液体量増減式」
1「開放注排水方式」
2「閉鎖液体循環方式」
3「閉鎖液体移動方式」
4「閉鎖擬似液体量増減方式」
B「間隙容積増減式」
1「容器容積増減方式」
2「浮体体積増減方式」
2 流体比重の増減
A「閉鎖式」
1「閉鎖流体混合方式」
2「閉鎖流体交換方式」
B「開放式」
1「開放流体体混合方式」
2「開放流体交換方式」
浮体操作系
浮体膨縮式
1 液位の増減
容器内の液位を増減することで浮体を上下運動させる方式である。A「液体量増減方式」とB「間隙容積増減方式」の2つに大別され、さらにいくつかの方式が派生する。
容器内の液体を、注排出その他の方法によって操作することによって、その液位を増減する方式。
水を「装置」の外部から導入して利用し、これを「装置」外へ排出する。
「流体操作」の目的は液位の増減であり、その手段は、注排水による間隙内水量の増減である。「装置」上部から注水された水は、高低差によって「装置」内を通過し、外部に排出される。
流体操作装置・・・注排水装置であって、弁の開閉による注排水操作によって注水量と排水量を制御し、間隙内の水量を増減することで水位を増減する。
交互注排水型・・・容器上部に、外部から導入した水を貯める貯水部と、該貯水部の水を容器内に注入する注水部、該注水部より下部に、容器内の水を外部に排出する排水部を設ける。注排水装置によって、該注水部と該排水部を交互に開閉し、容器内の間隙の水位を増減する。すなわち、注水部を開放し排水部を閉鎖することで、間隙内に水が注入され、水位が上がる。注水部を閉鎖し排水部を開放することで、間隙内から水が排出され、水位が下がる。
常時注水型・・・容器上部に貯水部と注水部、該注水部より下部に排水部を設け、貯水部の水を注水部から間隙内に常時注入しつつ、注排水装置によって、排水部を間欠的に開閉する。すなわち、排水部を解放して、間隙内から注水量以上の水量を排出することで水位が下がる。排水部を閉鎖することで、常時注水される水により間隙内の水位が上がる。
常時排水型・・・容器上部に貯水部と注水部、該注水部より下部に排水部を設け、間隙内の水を、排水部から常時排水しつつ、注排水装置によって、注水部を間欠的に開閉する。すなわち、注水部を解放して、貯水部から排水量以上の水量を注水することで水位が上がる。注水部を閉鎖することで常時排水される水により間隙内の水位が下がる。
人力操作型・・・「開放注排水方式」は、構造と操作が非常に単純であり、人力で操作することも可能である。例えば、上記2の常時注水型で、自然の流水を常時容器内に注水しつつ、人力によって間欠的に排水操作を行い、間隙内水位を増減することができる。同様に、上記3の常時排水型では、常時排水しつつ、人力によって間欠的に注水操作を行い、間隙内水位を増減することができる。間隙幅を可能な限り狭小に造作することで、操作水量が少なくなり、人力の負担も軽減される。
○構造や操作の点で最も単純な方式である。
○高低差のある清浄な流水が得られる場合に有利である。高低差が利用できない場合は、湖水や水道水等をポンプで容器上部の貯水部まで汲み上げる。水道水を利用する場合もコスト的に不利ではない。「装置」内部を通過する水道水が汚染される要素はなく、排出した水はそのまま利用し得る。また、水が殺菌済みである為、装置内に苔等の水生植物が付着するおそれがない。
○間隙内水位の増減が各所で不均等になると、浮体が動揺する。水位が均等に増減するように、注水口と排水口を均等に点在させる方がよい。
○傾斜地等で、流水に十分な高低差がある場合は、流水の圧力を利用して注排水装置を駆動することができる。
あらかじめ「装置」内に具備した一定量の液体を、容器内に循環させる。
「流体操作」の目的は液位の増減であり、その手段は、注排出による間隙内液量の増減である。重液や水銀の利用が可能である。
流体操作装置・・・液体の注入・排出・移動を機能とする注排出装置である。
容器上部に液体の貯液部と注入部、該注入部より下部に液体の排出部を設ける。注排出装置によって、間隙内の液体を排出部から排出して液位を下げる。排出した液体を容器上部の貯液部に移動させる。貯液部の液体を注入部から間隙内に注入して液位を上げる。上記3つの操作によって、容器内の液体を循環させつつ、間隙内の液位を増減させる。
○液体の排出から再注入の過程で、液体の上下の移動距離が短いほど流体操作に要する動力量が少なくて済む。
「閉鎖循環方式」の亜型である。
「流体操作」の目的は液位の増減であり、その手段は間隙内の液体の移動である。重液や水銀の利用が可能である。
流体操作装置・・・液体の吸入と圧出を機能とする吸入圧出装置であって、間隙内の液体を自機の内部に吸入して液位を下げ、吸入した液体を間隙内に圧出して液位を上げる。
蛇腹型・・・蛇腹型の吸入圧出装置を用いる。蛇腹を伸張して液体を間隙から蛇腹内に吸入し、液位を下げる。蛇腹を圧縮して該液体を蛇腹から間隙内に圧出し、液位を上げる。これに類似したものとして「ふいご型」も利用可能である。ピストンを蛇腹を伸張して液体を間隙内から吸入し、液位を下げる。蛇腹を圧縮して該液体を間隙内に圧入し、液位を上げる。
シリンダー・ピストン型・・・シリンダーとピストンからなる注射器状の吸入圧出装置を用いる。ピストンを引いて液体を間隙からシリンダー内に吸入し、液位を下げる。ピストンを押して該液体をシリンダーから間隙内に圧出し、液位を上げる。
○「閉鎖循環方式」と類似するが、本方式においては、液体が、間隙と吸入圧出装置の間を往復移動し、液体の吸入部と排出部は同一箇所である。吸入圧出装置の設置場所は、間隙内の液体に接し得る所ならどこでも可能であり、パイプを通して遠隔に設置することもできる。蛇腹型・シリンダー・ピストン型以外にも、自機内部に液体を吸入して、これを自機外部に圧出する機能を有するものであれば利用可能である。
「流体操作」の目的は液位の増減であり、その手段は液体の擬似的増減である。
流体操作装置。・・・液体内に物体を挿入することで液位を上げ、挿入された物体を抜去することで液位を下げる。この方式における物体の操作には、上下運動式、回転運動式がある。あるいは液体内に設けた膨縮体を、膨張させることで液位を上げ、これを収縮させることで液位を下げる。物体あるいは膨縮体を操作する部位として貯液部を利用してもよい。
上下運動式・・・物体を上下に移動させて、これを容器内の液体に挿入・抜去する。物体を挿入・抜去する部分は、容器と浮体との間隙、あるいは間隙と連続して設けられた貯液部分である。液体が満たされた間隙、あるいは貯液部分に、上方から物体を挿入して液位を上げ、次にこれを上方へ抜去して液位を下げる。尚、必ずしも物体全体を抜去する必要はない。
回転運動式・・・一部がくり抜かれた回転体、例えば片側半分が半月状にくり抜かれた円盤状の物体の下部を、間隙の液体に浸したまま回転させる。液体に、回転体のくり抜かれない非空白部分が挿入されると液位が上がり、回転体のくり抜かれた空白部分が挿入されると液位が下がる。あるいは該回転体の非空白部を除去した回転体、たとえば半月状の物体等を上記と同様に回転させる方法でもよい。これらの操作が物体の挿入と抜去に相当する。
膨縮体式・・・液体内に膨縮体すなわち膨張・収縮する物体、およびこれを膨張・収縮させる装置を設ける。膨縮体の設置部分は、間隙、あるいは間隙と連続して設けられた貯駅部分である。容器内の、液体が満たされた間隙あるいは貯液部分に設置された該膨縮体を膨張させることで、液位を上げ、該膨縮体を収縮させることで液位を下げる。
○2基連動させる場合は、上下運動式が有利である。すなわち、双方の浮体下部をロープ等で連結し、さらに物体も、シーソーの両端に吊り下げる形で造作し、一方が挿入されると同時に他方が抜去される方式で操作する。回転運動式と膨縮式の場合は、「装置」間で反対操作を行う。[図4]
○重液や水銀の利用が可能である。
容器内に具備した液体の量を一定に保ったまま、容器あるいは浮体の形状を変化させることで間隙容積を増減し、これをもって液位を増減する。すべて閉鎖式である。
「流体操作」の目的は液位の増減であり、その手段は容器容積の増減である。
流体操作装置・・・形状を変化させ得る「可変型容器」によって流体操作を行う。容器の形状を変化させ、容器容積を増減することで間隙容積が増減し、それに伴って液位も増減する。
弾性容器・・・容器下部にゴム等の伸縮性の素材を用いた膨縮部を設ける。通常は、収容された液体の重みで膨縮部が容器外側に膨張して容器容積が拡大し、液位は下がっている。膨張した部分を流体操作装置によって圧迫することで、膨縮部が収縮し、間隙容積が縮小して液位が上がる。圧迫を解除すると、再び防縮部が膨張して液位が下がる。
開閉容器・・・容器の側壁の一部またはすべてを、外側に開花状に開き、次に閉じることで、間隙容積を拡大収縮させる。容器側壁の底辺部分あるいは任意の部分に水平方向の折り曲げ部分(ヒンジ)を造作する。該側壁が外側に開くと間隙容積が拡大し、液位が下がる。該側壁が内側に閉じると間隙容積が収縮し、液位が上がる。この場合、容器の角部に垂直に四角柱を設けることで、液体の漏出を防ぐことができる。
膨縮容器・・・容器内壁に膨縮機能をもたせる。空気座布団のようなシート状の膨縮体に造作する。該膨縮体を、流体の注排出によって膨縮させる。該膨縮体に流体を注入してこれを膨張させることで間隙容積が縮小し、液位が上がる。該膨縮体から流体を排出してこれを縮小させることで間隙容積が拡大し、液位が下がる。
貯液部操作・・・容器の一部に間隙と連結した貯液部分を設ける。上記の諸方法あるいはその他の方法を貯液部において実行する。
「流体操作」の目的は液位の増減であり、その手段は浮体体積の増減である。
流体操作装置・・・形状を変化させ得る「可変型浮体」によって流体操作を行う。浮体の形状を変化させて体積を増減することで間隙容積を増減し、それに伴って液位が増減する。
弾性浮体・・・浮体下部にゴム等の伸縮性の素材を用いた膨縮部を設ける。通常は、収容された液体の重みによって膨縮部が浮体の内側に膨張し、浮体体積が減少して間隙容積が拡大し、液位は下がっている。膨張した部分を、浮体内部に設けた流体操作装置によって圧迫することで、膨縮部が収縮し、浮体体積が拡大して間隙容積が縮小し、液位が上がる。圧迫を解除すると、再び防縮部が膨張して液位が下がる。
膨縮浮体・・・浮体外壁に膨縮機能をもたせる。空気座布団のようなシート状の膨縮体に造作する。該膨縮体を、流体の注排出によって膨縮させる。該膨縮体に流体を注入してこれを膨張させることで間隙容積が縮小し、液位が上がる。該膨縮体から流体を排出してこれを縮小させることで間隙容積が拡大し、液位が下がる。
拡縮浮体・・・浮体側壁の一部あるいは全体を、内外に並行移動させる機能をもたせる。浮体内部から浮体側壁を外部に押し出すように移動させることで浮体体積が拡大し、間隙容積が縮小して液位が上がる。浮体内部から浮体側壁を内部に引きこむように移動させることで浮体体積が縮小し、間隙容積が拡大して液位が下がる。側壁の移動によって液体が浮体内部に流入しないように、浮体に液密性をもたせる。
「既存流体」に比重の異なる「異種流体」を間欠的に混合して比重を増減する。あるいは「既存流体」と「異種流体」とを間欠的に交換することで比重を増減する。
1「閉鎖流体混合方式」
流体操作の目的は流体比重の増減であり、その手段は、既存流体と異種流体の混合である。異種流体には通常空気を用いる。
流体操作装置・・・空気噴射装置であって、浮体周囲の液体に空気を噴射して気泡液塊とする。
既存流体として重液、異種流体として空気を用いる場合。
空気噴射装置によって、間隙内の重液に空気を注入して気泡を発生させると、重液と空気が混合して気泡液塊となり、比重が下がる。それにともなって浮体に発生する浮力も減少し、浮体は沈下する。空気の注入を止め、気泡が上方へ自然排出されると、重液は再び元の比重を回復し、浮体に発生する浮力も増加して浮体は浮上する。
○既存流体としての液体には、水か重液を用いるが、効率の点で重液の利用が望ましい。異種流体としての気体は原則として空気を用いる。液体と化学反応を起こすような場合は空気以外の気体を用いるが、高価な場合は循環再利用する。
○空気の噴出口はできるだけ多数を設け、空気の注入と同時に間隙全体に気泡液塊が発生するように工夫する。
○既存流体に水を用いる場合は、容器を用いない「開放型」と比較して必ずしも優位とは限らない。
流体操作の目的は流体比重の増減であり、その手段は、既存流体と異種流体との交換である。あらかじめ浮体に接触している既存流体を、これとは比重の異なる異種流体と間欠的に交換することで、浮体に発生する浮力を増減させる。
流体操作装置・・・流体噴射装置であって、異種流体として、液体あるいは気体を浮体表面に噴射し、既存流体と浮体表面を異種流体で遮断する。
既存流体として水銀、異種流体として水を用いる場合。
流体操作装置によって、水を浮体表面に噴射することで、浮体に接触する流体が、水銀から比重のより小さな水へ入れ替わり、浮体に発生する浮力が減少して浮体は沈下する。水の噴出を止め、水が上昇して自然排出されると、浮体に接触する流体が水から比重のより大きな水銀に入れ替わり、浮体に発生する浮力が増加して浮体は浮上する。
水を浮体内部から間隙へ滲出させる方法でもよい。浮体表面の多数の滲出口から滲出した水は、水銀の壁に遮られて、水銀と浮体とを遮断する水の膜が形成される。
○既存流体には、水・重液・水銀等を用いるが、効率の点で重液か水銀の利用が望ましい。水銀を既存流体に用いる場合、異種流体には水を用いる。空気は水銀の気化を促すので危険であり、用いてはならない。
○既存流体に水を用いる場合は、容器を用いない「開放型」と比較して必ずしも優位とは限らない。
1「開放流体混合方式」
「閉鎖流体混合方式」の亜型であって、容器を用いず、湖中や海中等、水中に浮体を設置する。浮体は水中に固定して設置されたガイドレールに沿って上下動する。操作する流体は空気である。
流体操作の目的は流体比重の増減であり、その手段は、既存流体の水と異種流体の空気との混合である。
流体操作装置・・・空気噴射装置であって、浮体周囲の水液体に空気を噴射して気泡液塊とする。噴射口は、ガイドレールあるいは浮体表面に設ける。空気を圧出する駆動部分は任意の場所に置き、空気は送気管によって噴射口へ導く方法がよい。
空気噴射装置によって空気を噴射し、浮体を気泡水塊で覆うと、浮体に発生する浮力が減少して浮体は沈下する。空気の噴射を止め、気泡が上昇して自然排出されると、浮体は再び水に覆われる。浮体に発生する浮力が増加して浮体は浮上する。
「閉鎖流体交換方式」の亜型であって、容器を用いず、湖中や海中等、水中に浮体を設置する。浮体はガイドレールに沿って上下動する。浮体は水中に固定して設置されたガイドレールに沿って上下動する。操作する流体は空気である。
流体操作の目的は流体比重の増減であり、その手段は浮体に接触する流体の交換である。浮体に接触する流体を、既存流体の水と異種流体の空気とで交互に交換する。
流体操作装置・・・空気噴射装置であって、浮体表面にわずかな間隙をもって柵状のカバー(覆い)を設け、浮体とカバーとの間隙に空気を噴射し、間隙内に空気を滞留させることで、浮体と水との接触を遮断する。噴射口は、カバーあるいは浮体表面に設ける。空気を圧出する駆動部分は任意の場所に置き、空気は送気管によって噴射口へ導く方法がよい。
空気噴射装置から、空気を浮体と覆いとの間隙に噴射し、浮体に接触する流体を水から空気に交換する。浮体は比重の小さな空気との接触によって発生する浮力が減少し、沈下する。空気の噴射を止めると、空気は上方に自然排出され、水が間隙内に流入し、浮体は再び水に接触して発生する浮力が増加し、浮上する。
水中の浮体の体積を増減することによって、浮体に発生する浮力を増減する。
容器を用いず、湖中や海中等、水中に浮体を設置する。浮体は水中に固定して設置されたガイドレールに沿って上下動する。(ガイドレールを用いない場合は、浮体を静水中に置き、浮体上昇時の引張力をロープ等で、下部のクランク機構に伝達する。)
浮体操作の目的は浮体体積の増減であり、その手段は、自重を変化させずに体積を増減し得る浮体の膨縮である。該浮体として、蛇腹式、またはシリンダー式を用いる。
本体が膨張収縮し得る(18)(19)、上部に長いパイプ(16)が繋がれた膨縮式浮体を、水中のガイドレール(17)内に設置する。パイプの先端部分には空気の出入りを管理する弁(13)が設けられており、該先端部分を水上に露出させ、弁を開放して浮体内に空気が出入りできるようにする。この長いパイブの先端を、ガイドレールに設けられた固定具(14)で固定し、これを一連の操作の起点とする。
水中の本体部分をロープ(20)で下方へ引き伸ばしていくと、本体はパイプを通して水上の空気を内部に取り入れながらガイドレールに沿って体積を増していく。適当な大きさに拡大したところで弁を閉鎖して密閉すると、浮体は浮き袋を水中に沈めた状態と同じになる。そこでパイプの固定部分を緩めると、浮体は一気に浮上する。
上昇しきったところで、弁を開放し、浮体本体を収縮させて起点と同じ位置に戻し、再びパイプ先端を固定すると動作の起点に戻る。以上の操作を反復することで、浮体を連続して上下に移動させることができる。
蛇腹式浮体・・・提灯状の浮体であって膨縮率が大きく、効率がよい。水圧で変形しないように、強度を保つ工夫が必要である。
シリンダー式浮体・・・複数のシリンダーを、外筒・内筒の関係で組み合わせる。堅牢な構造だが、2筒の組み合わせの場合は、最大で2倍程度しか拡大できない。
浮体は、縦方向に拡大する方法が適している。横方向に拡大する方法も考えられるが、浮上する際の摩擦抵抗が大きくなる。またガイドレールは浮体中心部を貫通する形になる。
18 外筒
19 内筒
21 水底
Claims (16)
- 容器と、
液体と、
該容器の中に間隙をもって収納され、該液体に浮かび、該容器の中を上下に移動できる浮体と、を含むところの装置において、
該容器から該液体を排出すること、および該容器へ該液体を注入すること、によって該容器内の該液体の量を増減させる操作によって、
該浮体を上下に移動させ、これをもって動力とする、浮力式動力発生方法。 - 比重が0.5以上の液体の中に浮体を置き、該液体の中で発生した浮力の作用を受けている該浮体に、該浮力の発生要因である該液体あるいは該浮体を操作することによって動作を生ぜしめ、これをもって動力とする方法であって、
該液体の液位を上昇させることで該浮体を上昇させること、該液体の液位を下降させることで該浮体を下降させること、からなる操作、
該液体の比重を増加させることで該浮体を上昇させること、該液体の比重を減少させることで該浮体を下降させること、からなる操作、
該浮体の体積を増加させることで該浮体を上昇させること、該浮体の体積を減少させることで該浮体を下降させること、からなる操作の、
上記3種の操作からなる群より選択される1種以上の操作の反復によって、
該浮体の最上部が反復して上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を生ぜしめ、これをもって動力とする、浮力を利用した動力発生方法。 - 上下運動を回転運動に変える装置を用いて、請求項2に記載の方法によって得られた、浮体の最上部が反復して上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を、回転運動に変え、これをもって発電機を駆動して発電する、浮力を利用した発電方法。
- 容器と、
該容器に、該容器内部側壁と10メートル以内の間隙をもって設置された浮体と、
該容器の中に収容された液体であって、比重が0.5より大きく、該浮体の体積の10倍よりも少ない体積の液体と、
該液体の液位を増減することを目的とする装置であって、
該液体を、排出する機能と注入する機能、
該液体を、吸入する機能と圧出する機能、
該液体に、物体を挿入する機能と該液体から該物体を抜去する機能、
該液体中に設けられた膨縮体を、膨張させる機能と収縮させる機能、
からなる群より選択された1種以上の機能を有する液位増減装置と、
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該液位増減装置によって、
該容器内の該液体を該容器外へ排出し、排出した該液体を該容器内に注入すること、によって該容器内の該液体の液位を増減する操作、
該容器内の該液体を該流体操作装置内に吸入し、吸入した該液体を該流体操作装置から該容器内に圧出すること、によって該容器内の該液体の液位を増減する操作、
該容器内の該液体に物体を挿入し、挿入した該物体を該液体から抜去すること、によって該容器内の該液体の液位を増減する操作、
該容器内の該液体中に設けられた膨縮体を膨張させ、膨張した該膨縮体を収縮させること、によって該容器内の該液体の液位を増減する操作、
からなる群より選択された1種以上の操作の反復によって、該浮体の最上部が反復して上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を生ぜしめ、該浮体の動作を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 形状を変化させて容積を増減することのできる容器と、
該容器に、該容器の内部側壁と10メートル以内の間隙をもって設置された浮体と、
該容器の中に収容された流体であって、比重が0.5より大きく、該浮体の体積の10倍よりも少ない体積の液体と、
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該容器の形状を、該容器の容積を増大させる形状に変化させ、それに伴って該容器内の間隙の容積が増大することで液位を下げる操作と、
容器の形状を、該容器の容積を減少させる形状に変化させ、それに伴って該容器内の間隙の容積が減少することで液位を上げる操作と、
これら2つの操作を交互に反復することによって、該浮体の最上部が連続的に上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を生ぜしめ、該浮体の動作を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 容器と、
該容器に該容器側壁と10メートル以内の間隙をもって収容され、形状を変化させて体積を増減することができる浮体と、
該容器の中に収容された流体であって、比重が0.5より大きく、該浮体が最も縮小した時の体積の10倍よりも少ない体積の液体と
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該浮体の形状を、該浮体の体積を拡大させる形状に変化させ、それに伴って該容器内の間隙の容積を縮小させることで液位を上げる操作と、
該浮体の形状を、該浮体の体積を縮小させる形状に変化させ、それに伴って該容器内の間隙の容積を拡大させることで液位を下げる操作と、
これら2つの操作を交互に反復することによって、該浮体の最上部が連続的に上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を生ぜしめ、該浮体の動作を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 容器と、
該容器に、該容器の内部側壁と10メートル以内の間隙をもって設置された浮体と、
該容器の中に収容された流体であって、比重が0.5より大きく、該浮体の体積の10倍よりも少ない体積の液体と、
および、該液体の比重を増減する装置であって、該液体と溶融しない気体を該容器内の該液体内に注入する機能と、該気体の該容器内への注入を止める機能とを有する流体操作装置と、
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該流体操作装置によって、
該液体中に該気体を注入し、該気体を気泡液塊となすことで該液体の比重を低下させることにより、
該液体中の該浮体に発生する浮力を減少させ、これをもって該浮体を下降させる操作と、
該液体中への該気体の注入を停止することで、該気体を自然排出させ、該液体の比重を回復させることによって、該液体中の該浮体に発生する浮力を回復させ、これをもって該浮体を上昇させる操作と、これら2つの操作を交互に反復することによって、該浮体の最上部が連続的に上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を生ぜしめ、該浮体の動作を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 容器と、
該容器に、該容器の内部側壁と10メートル以内の間隙をもって設置された浮体と、
該容器の中に収容された流体であって、比重が0.5より大きく、該浮体の体積の10倍よりも少ない体積の液体と、
該液体の比重を増減する装置であって、該液体と溶融せず、該液体とは比重の異なる異種の流体を、該液体中の該浮体表面に噴射する機能と、該異種の流体の噴射を止める機能とを有する流体操作装置と
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該液体中の該浮体表面に該異種の流体を噴射し、該浮体に接触する流体を、該液体から該異種の流体に交換することによって、該浮体に発生する浮力を変化させ、これをもって該浮体を上下いずれかの方向に移動させる操作と、
該異種流体の該浮体表面への噴射を停止することで、該異種流体を自然排出させ、該浮体に接触する流体を、該異種の流体から該液体に復帰させることによって、該浮体に発生する浮力を変化する以前の状態に復帰させ、これをもって該浮体の位置を回復させる操作と、
これら2つの操作を交互に反復することによって、該浮体の最上部が連続的に上下に移動することを特徴とする該浮体の動作を生ぜしめ、該浮体の動作を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 水中に設置された浮体と、
該浮体の軌道を定める、水中に固定して設置されたガイドレールと、
空気噴射装置と、
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該空気噴射装置によって、該浮体周囲の一部または全体に空気を間欠的に噴射し、該浮体の一部または全体を、気泡水塊で間欠的に覆う操作、
該空気噴射装置によって、該浮体表面の一部または全体に空気を間欠的に噴射し、該浮体の一部あるいは全体に接触する流体を水から空気に間欠的に交換する操作、
からなる群より選ばれた1つ以上の操作の反復によって、該浮体に発生する浮力を増減させることで該浮体に連続した上下運動を生じさせ、該浮体の上下運動を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 浮体であって、
膨縮できること、
固定具による固定操作を受ける被固定部を備えていること、
水上の空気を通気させる通気管と、通気を管理する通気弁を備えていること、
を特徴とする浮体と、
水中に固定して設置され、浮体を、水中において、被固定部に固定操作をすることで、定められた位置に固定すること、固定を解除すること、のできる固定具と、
浮体を膨縮する装置と、
浮体を移動する装置と、
上下運動を回転運動に変える装置と、
および、発電用モーターと
を含むところの、浮力によって発電する装置において、
該通気弁を開放し、該浮体を膨縮する装置によって該浮体を収縮させ、該浮体を移動する装置によって該浮体を一連の操作の開始の位置に移動させ、該固定具によって被固定部を固定することで、一連の操作の起点とすること、
該一連の操作の開始の位置に固定された該浮体を、該浮体を膨縮する装置によって膨張させること、該通気弁を閉鎖すること、
該固定具による該被固定部の固定を解除することで浮体を上昇させること、
上昇した浮体を、一連の操作の起点の状態に戻すこと、
からなる一連の操作の反復によって、該浮体に連続した上下運動を生じさせ、該浮体の上下運動を、該上下運動を回転運動に変える装置によって回転運動に変え、これをもって該発電用モーターを駆動して発電する、浮力式発電装置。 - 浮力を利用した動力の発生方法に用いる流体であって、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、に記載の装置において、液体として水、重液を含む水溶液、油類、水銀からなる群のうち、一つまたは複数を用いた浮力式動力発生方法。
- 請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8に記載された浮力式発電装置に用いる浮体であって、
底部に、浮体を貫通させることのできる開口部あるいはシリンダーが形成された容器に組み合わせて用いること、
該容器底部の該開口部あるいは該シリンダーを貫通して概容器内部に設置されること、
該容器底部の該開口部あるいは該シリンダーを貫通しつつ、該開口部あるいは該シリンダーから離脱することなく、上下に移動できること、
該容器側壁と間隙をもって設置されること、
の特徴を有する浮体。 - 請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8に記載された浮力式発電装置に用いる浮体であって、
複数のシリンダーを外筒と内筒の関係によって組み合わせることによって上下に伸縮できること、あるいは一部または全体が蛇腹構造で造作されることによって上下に伸縮することができること、
該容器底部に該浮体底部が固定されて設置されること、
該浮体内部に外気が出入りできること、
該浮体内部に液体が侵入しないこと、
容器側壁と間隙をもって設置されること、
の特徴を有する浮体。 - 発電装置として、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8に記載の浮力式発電装置群から選ばれた1種以上のを搭載し、該発電装置によって作られた電力をもって駆動する乗り物。
- 自家発電装置として、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10に記載の浮力式発電装置群から選ばれた1種以上の発電装置を利用する建物。
- 自家発電装置として、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10に記載の浮力式発電装置群から選ばれた1種以上の発電装置を利用する工場。
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