JP2013051784A - 発電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された場合であっても、第1コイルおよび第2コイルの磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる発電機を提供する。
【解決手段】複数の交流負荷用コイル65(第2コイル)のうち、ステータコア17の中心軸を挟んで直流負荷用コイル60(第1コイル)と対向する交流負荷用コイル65を磁気バランス調整コイル65Aとし、直流負荷用コイル60に流れる電流値をaアンペアとし、直流負荷用コイル60の巻数をαとし、磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値をbアンペアとし、磁気バランス調整コイル65Aの巻数をβとしたとき、電流値aを電流値bで除算し、巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、巻数βの値とが同じになるように巻数αおよび巻数βを設定したことを特徴としている。
【選択図】図3
【解決手段】複数の交流負荷用コイル65(第2コイル)のうち、ステータコア17の中心軸を挟んで直流負荷用コイル60(第1コイル)と対向する交流負荷用コイル65を磁気バランス調整コイル65Aとし、直流負荷用コイル60に流れる電流値をaアンペアとし、直流負荷用コイル60の巻数をαとし、磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値をbアンペアとし、磁気バランス調整コイル65Aの巻数をβとしたとき、電流値aを電流値bで除算し、巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、巻数βの値とが同じになるように巻数αおよび巻数βを設定したことを特徴としている。
【選択図】図3
Description
この発明は、主に自動二輪車に用いられる発電機に関するものである。
自動二輪車には、マグネットを備えた発電機が用いられている。例えば、特許文献1には、エンジン始動装置(スタータ)と発電装置(ACG)とを兼ねた始動発電機が記載されている。
この始動発電機は、複数組の多相コイルを備え、モータおよび発電機として機能する巻線構造を有しており、始動発電機がモータとして機能する場合に使用されるモータコイルと、モータコイルの間に各相の巻線が均等に配設され、始動発電機が発電機として機能する場合に使用される発電コイルとを備えている。
この始動発電機は、複数組の多相コイルを備え、モータおよび発電機として機能する巻線構造を有しており、始動発電機がモータとして機能する場合に使用されるモータコイルと、モータコイルの間に各相の巻線が均等に配設され、始動発電機が発電機として機能する場合に使用される発電コイルとを備えている。
モータコイルおよび発電コイルが巻装された固定子の周囲には、マグネットを有する回転子が配設された構成となっており、回転子はエンジンのクランクシャフトに直結されている。エンジン始動時にはモータコイルに通電することによりスタータモータとして機能し、エンジン始動後は発電コイルに誘導起電力が生じることにより発電機として機能するようになっている。
ところで、モータコイルおよび発電コイルを有する始動発電機では、エンジン始動後の発電時に、モータコイルと発電コイルとの磁気バランスが悪くなるという問題がある。具体的には、始動発電機の発電は発電コイルのみを用いて行われるため、モータコイルはオープン状態となる。このため、モータコイルと発電コイルとの誘導起電力に差が発生し、コイルに流れる電流とコイルのターン数との積で定義されるアンペアターン数は、モータコイルと発電コイルとの間で相違することとなる。これにより、モータコイルと発電コイルとの磁気バランスが悪化して磁気音や振動が発生する。
この磁気バランスの悪化は、始動発電機に限られず、複数のコイルを有する種々の回転電機に共通して発生することが知られている。例えば、直流負荷および交流負荷に電流を供給する発電機の場合、直流負荷に電流を供給するための直流負荷用コイル(請求項の「第1コイル」に相当。)と、交流負荷に電流を供給するための交流負荷用コイル(請求項の「第2コイル」に相当。)とを備えている。
このような直流負荷および交流負荷に電流を供給する発電機では、直流負荷と交流負荷との消費電力差により、直流負荷用コイルと交流負荷用コイルとの間でアンペアターン数に相違が発生する。これにより、直流負荷用コイルと交流負荷用コイルとの磁気バランスが悪化して磁気音や振動が発生する。
上述のような磁気バランスの悪化を抑制して、各コイルの磁気バランスの均等化を図るために、特許文献1では、モータコイルの間に発電コイルを均等に配置している。このようにモータコイルの間に発電コイルを均等に配置することで、発電時に発電コイルの各巻線によって発生する力が互いに相殺される形となり、発電時における磁気バランスの均等化を図ることが可能になる。
しかし、上記の従来技術にあっては、以下の課題が残されている。
例えば、各コイルが巻回されるティースや第1コイル、第2コイルの個数の関係から、第1コイルの間に第2コイルを均等に配置できない場合がある。すなわち、ティースを12個備え、第1コイルを5個備え、第2コイルを7個備えた発電機では、第1コイルの間に第2コイルを均等に配置できない。このように、第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された発電機では、各コイルの配設位置による磁気バランスの均等化ができないため磁気音や振動が発生するおそれがある。
例えば、各コイルが巻回されるティースや第1コイル、第2コイルの個数の関係から、第1コイルの間に第2コイルを均等に配置できない場合がある。すなわち、ティースを12個備え、第1コイルを5個備え、第2コイルを7個備えた発電機では、第1コイルの間に第2コイルを均等に配置できない。このように、第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された発電機では、各コイルの配設位置による磁気バランスの均等化ができないため磁気音や振動が発生するおそれがある。
そこで本発明は、第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された場合であっても、第1コイルおよび第2コイルの磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる発電機の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発電機は、ステータ本体部から前記ステータ本体部の径方向に沿うように延びる4個以上の偶数個のティースを備えたステータコアと、前記複数のティースのうち一部の前記ティースに集中巻方式により巻装され、第1負荷に電流を供給するための第1コイルと、前記第1コイルが巻装された前記一部のティース以外の前記ティースに集中巻方式により巻装され、第2負荷に電流を供給するための第2コイルと、を備え、前記第2コイルの個数が前記第1コイルの個数の整数倍でなく、且つ前記第1コイルと前記第2コイルとが不均等に配置された発電機において、前記複数の第2コイルのうち、前記ステータコアの中心軸を挟んで前記第1コイルと対向する前記第2コイルを磁気バランス調整コイルとし、前記第1コイルに流れる電流値をaアンペアとし、前記第1コイルの巻数をαとし、前記磁気バランス調整コイルに流れる電流値をbアンペアとし、前記磁気バランス調整コイルの巻数をβとしたとき、前記電流値aを前記電流値bで除算し、前記第1コイルの巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、前記磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように、前記第1コイルの巻数αおよび前記磁気バランス調整コイルの巻数βを設定したことを特徴としている。
本発明によれば、a/b×αで得られる値の小数点以下を四捨五入して得られた値と、磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように第1コイルの巻数αおよび磁気バランス調整コイルの巻数βを設定することで、第1コイルのアンペアターン数α×aと、磁気バランス調整コイルのアンペアターン数β×bとを略同一に設定できる。これにより、ステータ本体部の中心軸を挟んで対向する全てのコイルの誘導起電力を略同一に設定できる。したがって、第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された場合であっても、第1コイルおよび第2コイルの磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる。
また、本発明の請求項2に係る発電機は、少なくとも2個の前記第1コイルが周方向に隣り合うように配置されて第1コイル群を少なくとも2個形成し、これら第1コイル群間に、前記第2コイルが不均等に配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、第1コイルのコイル群を形成することにより、第1コイルが周方向に隣り合うように配置されるとともに第2コイルも周方向に隣り合うように配置できる。これにより、第1コイルおよび第2コイルを分散して配置した場合と比較して各ティースへの巻線のわたりの長さを短縮できるので、容易に各コイルを形成でき低コストなステータを形成できる。そして、複数の第1コイル群を有し、第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された場合であっても、第1コイルおよび第2コイルの磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる。
また、本発明の請求項3に係る発電機は、前記ティースを12個設け、前記各ティースに周回り一方向に向かって順に1番から12番まで番号を付したとき、周回り一方向に向かって1番、2番、6番、7番、8番ティースに、この順で巻線を集中巻方式にて巻回することにより前記第1コイルを形成し、周回り一方向に向かって3番、4番、5番、9番、10番、11番、12番ティースに、この順で巻線を集中巻方式にて巻回することにより前記第2コイルを形成し、前記第2コイルのうち、前記12番ティースに形成した前記第2コイルが前記磁気バランス調整コイルであることを特徴としている。
本発明によれば、12個のティースを有し、5個の第1コイルを有し、7個の第2コイルを有するステータを備えた発電機に好適である。
本発明によれば、a/b×αで得られる値の小数点以下を四捨五入して得られた値と、磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように第1コイルの巻数αおよび磁気バランス調整コイルの巻数βを設定することで、第1コイルのアンペアターン数α×aと、磁気バランス調整コイルのアンペアターン数β×bとを略同一に設定できる。これにより、ステータ本体部の中心軸を挟んで対向する全てのコイルの誘導起電力を略同一に設定できる。したがって、第1コイルの間に第2コイルが不均等に配置された場合であっても、第1コイルおよび第2コイルの磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる。
以下に、本発明の実施形態の発電機について、図1および図2を参照して説明をする。
図1に示すように、発電機1は、例えば自動二輪車に用いられるアウタロータ型の発電機であって、エンジンのクランクシャフト(不図示)と同期回転するフライホイール2の先端に固定されたロータ3と、エンジンブロック(不図示)に固定されるステータ4とを備えている。
図1に示すように、発電機1は、例えば自動二輪車に用いられるアウタロータ型の発電機であって、エンジンのクランクシャフト(不図示)と同期回転するフライホイール2の先端に固定されたロータ3と、エンジンブロック(不図示)に固定されるステータ4とを備えている。
図2に示すように、フライホイール2は略円盤状の本体を有する部材であり、中央にはボス部2aが突出形成されている。ボス部2aの中央にはキー溝2cを有する貫通孔2bが形成されている。貫通孔2bにはクランクシャフトが挿入され、不図示のキーを使用してフライホイール2とクランクシャフトとの相対回転が規制された状態で、ナット等により固定される。
フライホイール2の本体には軸方向に沿って貫通し、雌ネジが形成されたネジ孔2dが形成されている。このネジ孔2dにボルト27が螺入され、ロータ3がフライホイール2に固定される。
フライホイール2の本体には軸方向に沿って貫通し、雌ネジが形成されたネジ孔2dが形成されている。このネジ孔2dにボルト27が螺入され、ロータ3がフライホイール2に固定される。
(ロータ)
ロータ3は、アルミ等の金属部材により形成された有底筒状のロータヨーク30を有している。このロータヨーク30の底壁31の中央には、貫通孔31bが形成されている。この貫通孔31bには、フライホイール2のボス部2aおよびクランクシャフトが挿入される。
また、ロータヨーク30の底壁31には、軸方向に底壁31を貫通する複数のボルト挿通孔32が周方向に沿って略等間隔に形成されている。ボルト挿通孔32には、底壁31の内側(図2における左側)からボルト27が挿入され、フライホイール2のネジ孔2dに螺入されている。これにより、ロータ3とフライホイール2とが、相対回転が規制された状態で締結固定され、クランクシャフトの回転と同期してロータ3が回転可能となっている。
ロータ3は、アルミ等の金属部材により形成された有底筒状のロータヨーク30を有している。このロータヨーク30の底壁31の中央には、貫通孔31bが形成されている。この貫通孔31bには、フライホイール2のボス部2aおよびクランクシャフトが挿入される。
また、ロータヨーク30の底壁31には、軸方向に底壁31を貫通する複数のボルト挿通孔32が周方向に沿って略等間隔に形成されている。ボルト挿通孔32には、底壁31の内側(図2における左側)からボルト27が挿入され、フライホイール2のネジ孔2dに螺入されている。これにより、ロータ3とフライホイール2とが、相対回転が規制された状態で締結固定され、クランクシャフトの回転と同期してロータ3が回転可能となっている。
図1に示すように、ロータヨーク30の周壁33には、内周面側に複数のマグネット8(本実施形態では4個)が設けられている。マグネット8は、周方向に沿って磁極が交互となるように配置されている。マグネット8には、例えばフェライト磁石が使用されており、接着材等によりロータヨーク30の周壁33に固定される。マグネット8は、後述するステータ4のティース16の先端と所定のエアギャップを確保するように離間しており、径方向で対向した状態で配置される。
(ステータ)
ステータ4は、ロータヨーク30の周壁33の内側に配置されたステータコア17を有している。ステータコア17は、例えば電磁鋼板等の板部材を軸線方向に積層して形成したものであり、円環状のステータ本体部17aを備えている。
ステータ本体部17aの中央には、フライホイール2のボス部2aおよびクランクシャフトとの干渉を回避するため、逃げ孔17bが形成されている。
ステータ4は、ロータヨーク30の周壁33の内側に配置されたステータコア17を有している。ステータコア17は、例えば電磁鋼板等の板部材を軸線方向に積層して形成したものであり、円環状のステータ本体部17aを備えている。
ステータ本体部17aの中央には、フライホイール2のボス部2aおよびクランクシャフトとの干渉を回避するため、逃げ孔17bが形成されている。
ステータ本体部17aの逃げ孔17bの径方向外側には、ボルト挿通孔20と、ハーネス挿通孔52とが形成されている。
ボルト挿通孔20は、不図示のボルトを挿通してステータ4をエンジンブロックに締結固定するためのものであり、周方向に沿って複数箇所(本実施形態では2箇所)形成されている。
ハーネス挿通孔52は、ステータ4の両主面を軸方向に貫通するように形成されており、後述するハーネス26が挿入されて保持されている。
ボルト挿通孔20は、不図示のボルトを挿通してステータ4をエンジンブロックに締結固定するためのものであり、周方向に沿って複数箇所(本実施形態では2箇所)形成されている。
ハーネス挿通孔52は、ステータ4の両主面を軸方向に貫通するように形成されており、後述するハーネス26が挿入されて保持されている。
また、ステータコア17は、複数(本実施形態では12本)のティース16を有している。ティース16は、ステータ本体部17aから放射状に、かつステータ本体部17aの径方向に沿うように延びており、周方向に等間隔に12本形成されている。そして、ティース16の先端は、ロータヨーク30の周壁33に設けられたマグネット8と径方向で対向した状態になっている。
ステータ4は、ティース16の延出方向に沿うように外方に向かって引き出されるハーネス26を備えている。
ハーネス26は、3本のリード線19を備えている。具体的には、後述する直流負荷LD(図5参照)に電流を供給するための直流負荷用出力線19A、後述する交流負荷LA(図5参照)に電流を供給するための交流負荷用出力線19B、およびアースに接続されるGND線19Cの3本のリード線19A,19B,19Cにより構成されている。
ハーネス26は、3本のリード線19を備えている。具体的には、後述する直流負荷LD(図5参照)に電流を供給するための直流負荷用出力線19A、後述する交流負荷LA(図5参照)に電流を供給するための交流負荷用出力線19B、およびアースに接続されるGND線19Cの3本のリード線19A,19B,19Cにより構成されている。
リード線19は、銅等の撚線により形成された芯線と、芯線を覆う絶縁被覆とにより構成されている。絶縁被覆は、例えば架橋ポリエチレン等の耐油性および耐熱性に優れた材質により形成されている。
図2に示すように、ステータコア17には、インシュレータ40が装着されている。
インシュレータ40は、樹脂等の絶縁部材により形成されており、ステータコア17のティース16と、後述する直流負荷用コイル60(第1コイル)および交流負荷用コイル65(第2コイル)との間の電気的絶縁を図るためのものである。
インシュレータ40は、樹脂等の絶縁部材により形成されており、ステータコア17のティース16と、後述する直流負荷用コイル60(第1コイル)および交流負荷用コイル65(第2コイル)との間の電気的絶縁を図るためのものである。
インシュレータ40は、ステータコア17の外面に装着されて、ティース16の周囲を覆うように形成されている。また、インシュレータ40は二分割構造とされ、ステータコア17を軸方向の一端側(図2における右側)から覆う第1のインシュレータ40Aと、ステータコア17を軸方向の他端側(図2における左側)から覆う第2のインシュレータ40Bと、によって構成されている。
なお、第1のインシュレータ40Aと第2のインシュレータ40Bとは、同一形状に形成されている。したがって、以下の説明では、第1のインシュレータ40A(以下、単に「インシュレータ40A」という。)について説明をし、第2のインシュレータ40Bについては説明を省略している。
なお、第1のインシュレータ40Aと第2のインシュレータ40Bとは、同一形状に形成されている。したがって、以下の説明では、第1のインシュレータ40A(以下、単に「インシュレータ40A」という。)について説明をし、第2のインシュレータ40Bについては説明を省略している。
インシュレータ40Aは、ティース16に対応した位置に形成されたボビン部41を備えている。
ボビン部41は、ティース16の外周面を覆う巻胴保護部41aと、ティース16の先端側を覆う歯保護部41bと、により構成されている。巻胴保護部41aは、断面略U字状に形成されている。歯保護部41bは、巻胴保護部41aの先端縁部において、巻胴保護部41aと直交するようにフランジ状に張り出し形成されている。
ボビン部41は、ティース16の外周面を覆う巻胴保護部41aと、ティース16の先端側を覆う歯保護部41bと、により構成されている。巻胴保護部41aは、断面略U字状に形成されている。歯保護部41bは、巻胴保護部41aの先端縁部において、巻胴保護部41aと直交するようにフランジ状に張り出し形成されている。
複数のボビン部41は、基端側が立壁部43によって接続されている。
立壁部43は、ステータ本体部17a(図1参照)の軸方向の端面と直交するように立設されている。立壁部43は、軸方向から見て略正12角形状に形成されており、ステータ本体部17aの周方向に沿うように延在している。
立壁部43は、ステータ本体部17a(図1参照)の軸方向の端面と直交するように立設されている。立壁部43は、軸方向から見て略正12角形状に形成されており、ステータ本体部17aの周方向に沿うように延在している。
インシュレータ40Aは、立壁部43の内径側において、中間端子13および接続端子14を保持する端子保持部44を備えている。詳細は後述するが、中間端子13は、交流負荷用出力線19B、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65を電気的に接続するものである。また、接続端子14は、直流負荷用出力線19Aおよび直流負荷用コイル60を電気的に接続するものである。
端子保持部44は、ハーネス26が挿通されるハーネス挿通孔52を挟んで周方向における両側に形成されている。端子保持部44は、インシュレータ40Aおよびインシュレータ40Bがステータコア17に装着されたときに、ステータコア17を貫通するように形成される。
周方向における一方向側(図1における右側)の端子保持部44aには、中間端子13が配置されている。周方向における他方向側(図1における左側)の端子保持部44bには、接続端子14が配置されている。中間端子13および接続端子14は、軸方向に沿ってステータコア17を貫通し、かつインシュレータ40A,40Bによってステータコア17から電気的に絶縁された状態で配置される。
周方向における一方向側(図1における右側)の端子保持部44aには、中間端子13が配置されている。周方向における他方向側(図1における左側)の端子保持部44bには、接続端子14が配置されている。中間端子13および接続端子14は、軸方向に沿ってステータコア17を貫通し、かつインシュレータ40A,40Bによってステータコア17から電気的に絶縁された状態で配置される。
また、インシュレータ40Aの立壁部43よりも内径側であって、ステータ本体部17aの主面上には、アース端子15が配置されている。アース端子15は、平板状の金属部材であり、軸方向に沿って立設された端子接合部15aと、ステータ本体部17aの主面に当接する端子本体部15bと、を備えている。端子接合部15aには、GND線19Cおよび後述する交流負荷用コイル65が、例えばハンダ等により接合されている。
端子本体部15bには締結孔15cが形成されている。アース端子15は、ステータ4を不図示のボルトでエンジンブロックに締結固定する際に、締結孔15cを介してステータ本体部17aと共締めされて固定されるようになっている。これにより、交流負荷用コイル65およびGND線19Cは、アース端子15、ステータコア17およびエンジンブロックを介してアースに接続される。
(直流負荷用コイルおよび交流負荷用コイル)
図3は、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65の説明図である。
なお、図3では、中間端子13の周方向における一方向側(図3における右側)に配置されたティース16を1番ティースとし、周回り一方向(図3における時計回り方向)に向かって、各ティース16に1番から12番まで順に番号を付している。以下の説明では、必要に応じ、各ティース16に付した番号を使用して説明する。
図3は、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65の説明図である。
なお、図3では、中間端子13の周方向における一方向側(図3における右側)に配置されたティース16を1番ティースとし、周回り一方向(図3における時計回り方向)に向かって、各ティース16に1番から12番まで順に番号を付している。以下の説明では、必要に応じ、各ティース16に付した番号を使用して説明する。
図3に示すように、ステータ4の各ティース16には、上述したインシュレータ40を介して直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65が巻装されている。直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65は、銅等からなる巻線(直流負荷用コイル巻線60aおよび交流負荷用コイル巻線65a)が、各ティース16に集中巻方式により巻装されている。
直流負荷用コイル60は、後述するレギュレータRを介して直流負荷LDおよびバッテリB(いずれも図5参照)に接続されており、直流負荷LDおよびバッテリBに発電された電流を供給している。また、交流負荷用コイル65は、交流負荷LA(図5参照)に接続されており、交流負荷LAに発電された電流を供給している。
このような直流負荷用コイル60と交流負荷用コイル65とを有する発電機1では、直流負荷LDと交流負荷LAとの消費電力により、直流負荷用コイル60の個数、および交流負荷用コイル65の個数が設定される。本実施形態の発電機1では、直流負荷用コイル60の個数は5個に設定され、交流負荷用コイル65の個数は7個に設定されている。
図4は、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65の模式図である。
図4に示すように、1番、2番、6番、7番、8番ティースの各ティース16(図3参照)に、合計5個の直流負荷用コイル60が巻装されている。
図3に示すように、ステータ4には、1番および2番ティースに巻装された2個の直流負荷用コイル60からなる直流負荷用コイル群61が形成されている。また、ステータ4には、6番〜8番ティースに巻装された3個の直流負荷用コイル60からなる直流負荷用コイル群61が形成されている。このように、ステータ4には、中心軸Oを挟んで対向する2個の直流負荷用コイル群61が形成されている。
図4に示すように、1番、2番、6番、7番、8番ティースの各ティース16(図3参照)に、合計5個の直流負荷用コイル60が巻装されている。
図3に示すように、ステータ4には、1番および2番ティースに巻装された2個の直流負荷用コイル60からなる直流負荷用コイル群61が形成されている。また、ステータ4には、6番〜8番ティースに巻装された3個の直流負荷用コイル60からなる直流負荷用コイル群61が形成されている。このように、ステータ4には、中心軸Oを挟んで対向する2個の直流負荷用コイル群61が形成されている。
直流負荷用コイル60は、以下のように各ティース16に巻装されている。
直流負荷用コイル60を形成する直流負荷用コイル巻線60aの一端部は、ステータ本体部17aにおけるハーネス26の引き出し側(図3の紙面の裏側)で中間端子13に接続されている。
直流負荷用コイル60を形成する直流負荷用コイル巻線60aの一端部は、ステータ本体部17aにおけるハーネス26の引き出し側(図3の紙面の裏側)で中間端子13に接続されている。
中間端子13に接続された一端部は、直流負荷用コイル巻線60aの巻き始めとなっている。そして、直流負荷用コイル巻線60aは、1番ティース、2番ティースの順にそれぞれ所定の巻数で巻回されて、直流負荷用コイル60を形成している。さらに、直流負荷用コイル巻線60aは、3番〜5番ティースを渡った後、6番ティース、7番ティース、8番ティースの順にそれぞれ所定の巻数で巻回されて、直流負荷用コイル60を形成している。
直流負荷用コイル巻線60aの巻数をαとすると、巻数αは直流負荷LD(図5参照)の消費電力に基づいて決定される。本実施形態では、直流負荷用コイル巻線60aの巻数α=41ターンに設定されている。
直流負荷用コイル巻線60aの巻数をαとすると、巻数αは直流負荷LD(図5参照)の消費電力に基づいて決定される。本実施形態では、直流負荷用コイル巻線60aの巻数α=41ターンに設定されている。
また、図4に示すように、3番、4番、5番、9番、10番、11番、12番ティースの各ティース16に、合計7個の交流負荷用コイル65が巻装されている。
図3に示すように、ステータ4には、3番〜5番ティースに巻装された3個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66が形成されている。また、ステータ4には、9番〜12番ティースに巻装された4個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66が形成されている。このように、ステータ4には、中心軸Oを挟んで対向する2個の交流負荷用コイル群66が形成されている。
図3に示すように、ステータ4には、3番〜5番ティースに巻装された3個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66が形成されている。また、ステータ4には、9番〜12番ティースに巻装された4個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66が形成されている。このように、ステータ4には、中心軸Oを挟んで対向する2個の交流負荷用コイル群66が形成されている。
交流負荷用コイル65は、以下のように各ティース16に巻装されている。
交流負荷用コイル65を形成する交流負荷用コイル巻線65aの一端部65bは、ステータ本体部17aの主面上に配置されたアース端子15の端子接合部15aに接続されている。
交流負荷用コイル65を形成する交流負荷用コイル巻線65aの一端部65bは、ステータ本体部17aの主面上に配置されたアース端子15の端子接合部15aに接続されている。
アース端子15に接続された一端部65bは、交流負荷用コイル巻線65aの巻き始めとなっている。そして、交流負荷用コイル巻線65aは、3番ティース、4番ティース、5番ティースの順にそれぞれ所定の巻数で巻回されて、交流負荷用コイル65を形成している。さらに、交流負荷用コイル巻線65aは、4番〜6番ティースを渡った後、9番ティース、10番ティース、11番ティース、12番ティースの順にそれぞれ所定の巻数で巻回されて、交流負荷用コイル65を形成している。
交流負荷用コイル巻線65aの巻数は、交流負荷LA(図5参照)の消費電力に基づいて決定される。本実施形態では、3〜5番ティースおよび9番〜11番ティースの交流負荷用コイル巻線65aの巻数は43ターンに設定されている。なお、詳細は後述するが、12番ティースに形成される交流負荷用コイル65は、他の交流負荷用コイル65とは巻数が異なる磁気バランス調整コイル65Aとなっている。
(接続回路)
上述の構成の発電機1では、以下のように発電される。
エンジンが始動されると、フライホイール2の先端に固定されたロータ3は、ステータ4の外側で、クランクシャフトおよびフライホイール2の回転と同期して回転する。このとき、ロータの周壁33の内周面に固定されたマグネット8は、ティース16の先端と径方向で対向した状態で、ロータ3とともに回転する。これにより、マグネット8から発生し、直流負荷用コイル60内および交流負荷用コイル65内を通過する磁束は、時間的に変化する。この磁束の変化によって直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65に誘導起電力が発生し、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65に交流電流が発電される。
上述の構成の発電機1では、以下のように発電される。
エンジンが始動されると、フライホイール2の先端に固定されたロータ3は、ステータ4の外側で、クランクシャフトおよびフライホイール2の回転と同期して回転する。このとき、ロータの周壁33の内周面に固定されたマグネット8は、ティース16の先端と径方向で対向した状態で、ロータ3とともに回転する。これにより、マグネット8から発生し、直流負荷用コイル60内および交流負荷用コイル65内を通過する磁束は、時間的に変化する。この磁束の変化によって直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65に誘導起電力が発生し、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65に交流電流が発電される。
図5は、自動二輪車に発電機1を適用した時の接続回路図である。
図5に示すように、直流負荷用コイル60に流れる交流電流は、接続端子14および直流負荷用出力線19A(いずれも図1参照)を介して外部に供給される。
直流負荷用コイル60は、レギュレータRを介して直流負荷LDとバッテリBとに電気的に接続されており、直流負荷用コイル60に流れる交流電流は、レギュレータRを介して直流負荷LDおよびバッテリBに供給されている。
図5に示すように、直流負荷用コイル60に流れる交流電流は、接続端子14および直流負荷用出力線19A(いずれも図1参照)を介して外部に供給される。
直流負荷用コイル60は、レギュレータRを介して直流負荷LDとバッテリBとに電気的に接続されており、直流負荷用コイル60に流れる交流電流は、レギュレータRを介して直流負荷LDおよびバッテリBに供給されている。
レギュレータRは、直流負荷用コイル60から発電された交流電流を直流電流に変換する機能を有している。また、レギュレータRは、直流負荷用コイル60からの発電量が過多となった場合でも、バッテリBが過充電とならないように電流供給量を制御する機能を有している。なお、直流負荷LDは、例えばテールランプやウインカーランプ、ホーン等である。また、直流負荷LDの消費電力に対応して直流負荷用コイル60に流れる電流値をaとすると、本実施形態では電流値a=2.2Aとなっている。
直流負荷用コイル60から発電された交流電流は、レギュレータRにより直流電流に変換された後、直流負荷LDに供給されるようになっている。また、レギュレータRはバッテリBに接続されており、過充電とならないようにバッテリBを充電している。このように、直流負荷用コイル60がレギュレータRを介して、直流負荷LDおよびバッテリBに電気的に接続されることで、直流負荷用コイル60から直流負荷LDに電流が供給されるとともに、バッテリBが充電されている。
また、交流負荷用コイル65に流れる交流電流は、中間端子13および交流負荷用出力線19Bを介して外部に供給される。
直流負荷用コイル60は、不図示のスイッチ等を介して交流負荷LAに電気的に接続されており、交流負荷用コイル65に流れる交流電流は、交流負荷LAに供給されている。なお、交流負荷LAは、例えばインバータが内蔵されたヘッドランプ等である。また、交流負荷LAの消費電力に対応して交流負荷用コイル65に流れる電流値をbとすると、本実施形態では電流値b=4.2Aとなっている。
直流負荷用コイル60は、不図示のスイッチ等を介して交流負荷LAに電気的に接続されており、交流負荷用コイル65に流れる交流電流は、交流負荷LAに供給されている。なお、交流負荷LAは、例えばインバータが内蔵されたヘッドランプ等である。また、交流負荷LAの消費電力に対応して交流負荷用コイル65に流れる電流値をbとすると、本実施形態では電流値b=4.2Aとなっている。
ここで、上述のとおり、直流負荷用コイル60の個数は5個であり、交流負荷用コイル65の個数は7個であることから、交流負荷用コイル65の個数は直流負荷用コイル60の整数倍とはなっていない。したがって、交流負荷用コイル65は、直流負荷用コイル60の間に均等に配置することができない。
具体的には、図3に示すように、2個の直流負荷用コイル群61の間に、3個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66と、4個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66とが配置されている。すなわち、直流負荷用コイル60の間に配置された2個の交流負荷用コイル群66を形成する交流負荷用コイル65の数が、一方は3個であり、他方は4個であるため不均等となっている。
具体的には、図3に示すように、2個の直流負荷用コイル群61の間に、3個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66と、4個の交流負荷用コイル65からなる交流負荷用コイル群66とが配置されている。すなわち、直流負荷用コイル60の間に配置された2個の交流負荷用コイル群66を形成する交流負荷用コイル65の数が、一方は3個であり、他方は4個であるため不均等となっている。
このように、交流負荷用コイル65が直流負荷用コイル60の間に不均等に配置されると、交流負荷用コイル65および直流負荷用コイル60の磁気バランスの均等化ができない。したがって、ロータ3の回転時に、直流負荷用コイルと交流負荷用コイルとの磁気バランスが悪化し、磁気音や振動が発生するおそれがある。
そこで、以下のように、複数の交流負荷用コイル65のうち1個を磁気バランス調整コイルとし、直流負荷用コイル60と交流負荷用コイル65との磁気バランスの均等化を図っている。
以下に磁気バランス調整コイル65Aについて説明する。
そこで、以下のように、複数の交流負荷用コイル65のうち1個を磁気バランス調整コイルとし、直流負荷用コイル60と交流負荷用コイル65との磁気バランスの均等化を図っている。
以下に磁気バランス調整コイル65Aについて説明する。
(磁気バランス調整コイル)
磁気バランスの悪化は、直流負荷用コイル60と交流負荷用コイル65とのアンペアターン数の差によって発生する。ここで、アンペアターン数は、コイルに流れる電流とコイルのターン数との積で定義される。
本実施形態では、中心軸Oを挟んで対向する6番ティースと12番ティース以外は、対向する各ティース16に同種のコイルが巻装されている。したがって、6番ティースと12番ティース以外の対向する各ティース16は、アンペアターン数が同一となっている。したがって、6番ティースに巻装される直流負荷用コイル60と、12番ティースに巻装される交流負荷用コイル65とのアンペアターン数を略同一に設定することにより、対向する全てのコイルのアンペアターン数を略同一に設定できる。これにより、磁気バランスの均等化ができる。
そこで、図3に示すように、12番ティースに形成された交流負荷用コイル65を磁気バランス調整コイル65Aとし、磁気バランスの均等化を図っている。
磁気バランスの悪化は、直流負荷用コイル60と交流負荷用コイル65とのアンペアターン数の差によって発生する。ここで、アンペアターン数は、コイルに流れる電流とコイルのターン数との積で定義される。
本実施形態では、中心軸Oを挟んで対向する6番ティースと12番ティース以外は、対向する各ティース16に同種のコイルが巻装されている。したがって、6番ティースと12番ティース以外の対向する各ティース16は、アンペアターン数が同一となっている。したがって、6番ティースに巻装される直流負荷用コイル60と、12番ティースに巻装される交流負荷用コイル65とのアンペアターン数を略同一に設定することにより、対向する全てのコイルのアンペアターン数を略同一に設定できる。これにより、磁気バランスの均等化ができる。
そこで、図3に示すように、12番ティースに形成された交流負荷用コイル65を磁気バランス調整コイル65Aとし、磁気バランスの均等化を図っている。
直流負荷用コイル60に流れる電流値をaアンペアとし、直流負荷用コイル60の巻数をαとしたとき、6番ティースに巻装される直流負荷用コイル60のアンペアターン数は、
α×a・・・(1)
で設定される。
また、磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値をbアンペアとし、磁気バランス調整コイル65Aの巻数をβとしたとき、12番ティースに巻装される磁気バランス調整コイル65Aのアンペアターン数は、
β×b・・・(2)
で設定される。
α×a・・・(1)
で設定される。
また、磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値をbアンペアとし、磁気バランス調整コイル65Aの巻数をβとしたとき、12番ティースに巻装される磁気バランス調整コイル65Aのアンペアターン数は、
β×b・・・(2)
で設定される。
そして、直流負荷用コイル60のアンペアターン数α×aと、磁気バランス調整コイルのアンペアターン数β×bとを略同一に設定することで、磁気バランスの均等化を図ることができる。
すなわち、
α×a≒β×b・・・(3)
を満たすように、直流負荷用コイル60の巻数αおよび磁気バランス調整コイル65Aの巻数βを設定することで、磁気バランスの均等化ができる。
すなわち、
α×a≒β×b・・・(3)
を満たすように、直流負荷用コイル60の巻数αおよび磁気バランス調整コイル65Aの巻数βを設定することで、磁気バランスの均等化ができる。
上述のとおり、直流負荷LDおよび交流負荷LAの消費電力に基づいて、直流負荷用コイル60には電流値a=2.2アンペアの電流が流れ、磁気バランス調整コイル65Aには電流値b=4.2アンペアの電流が流れている。また、直流負荷用コイル60の巻数α=41ターンに設定されている。
したがって、磁気バランス調整コイル65Aの巻数βは、
β≒a/b×α・・・(4)
により設定される。
したがって、磁気バランス調整コイル65Aの巻数βは、
β≒a/b×α・・・(4)
により設定される。
ここで、磁気バランス調整コイル65Aの巻数βは、整数で設定される必要がある。したがって、(4)式にa=2.2アンペア、b=4.2アンペア、巻数α=41ターンの各値を代入し、(4)式から得られた値の小数点以下を四捨五入することにより、磁気バランス調整コイル65Aの巻数βを設定している。これにより、本実施形態における磁気バランス調整コイル65Aの巻数βは、21ターンに設定される。
(磁気音の測定)
続いて、上述のステータを使用して、磁気バランス調整コイル65Aによる磁気バランスの均等化の効果を検証した。効果の検証は、ロータ3を回転させたときの磁気音の音圧を測定することにより行った。
[実施例1]
続いて、上述のステータを使用して、磁気バランス調整コイル65Aによる磁気バランスの均等化の効果を検証した。効果の検証は、ロータ3を回転させたときの磁気音の音圧を測定することにより行った。
[実施例1]
直流負荷用コイル60には電流値a=2.2アンペアの電流が流れ、磁気バランス調整コイル65Aには電流値b=4.2アンペアの電流が流れていた。
また、直流負荷用コイル60の巻数αを41ターンに設定し、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンに設定した。
また、(4)式から得られた値の小数点以下を四捨五入することにより、磁気バランス調整コイル65Aの巻数βを21ターンに設定した。
[比較例1]
また、直流負荷用コイル60の巻数αを41ターンに設定し、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンに設定した。
また、(4)式から得られた値の小数点以下を四捨五入することにより、磁気バランス調整コイル65Aの巻数βを21ターンに設定した。
[比較例1]
直流負荷用コイル60には電流値a=2.2アンペアの電流が流れ、磁気バランス調整コイル65Aには電流値b=4.2アンペアの電流が流れていた。
また、直流負荷用コイル60の巻数αを41ターンに設定し、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンに設定した。
12番ティースには磁気バランス調整コイル65Aを設けず、巻数が43ターンの交流負荷用コイル65を巻装した。
[比較例2]
また、直流負荷用コイル60の巻数αを41ターンに設定し、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンに設定した。
12番ティースには磁気バランス調整コイル65Aを設けず、巻数が43ターンの交流負荷用コイル65を巻装した。
[比較例2]
直流負荷用コイル60には電流値a=2.2アンペアの電流が流れ、磁気バランス調整コイル65Aには電流値b=4.2アンペアの電流が流れていた。
また、直流負荷用コイル60の巻数αを41ターンに設定し、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンに設定した。
比較例2では、マグネット8に着磁をしておらず、回転時に各コイルに誘導起電力が発生しないようになっている。すなわち、比較例2は、磁気バランスが擬似的に均等化された理想的な発電機1とした。
また、直流負荷用コイル60の巻数αを41ターンに設定し、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンに設定した。
比較例2では、マグネット8に着磁をしておらず、回転時に各コイルに誘導起電力が発生しないようになっている。すなわち、比較例2は、磁気バランスが擬似的に均等化された理想的な発電機1とした。
(磁気音測定結果)
図6は、縦軸を磁気音の音圧とし、横軸をロータ3の回転数とした場合の磁気音の音圧データの変化を示すグラフである。なお、磁気バランスが擬似的に均等化された比較例2の音圧データに近いほど、磁気バランスが良好であるといえる。
実施例1の磁気音の音圧データは、広範囲の回転数にわたって、磁気バランス調整コイル65Aを設けていない比較例1の磁気音の音圧データよりも低くなっていることが確認できる。すなわち、実施例1は、磁気バランス調整コイル65Aを設けることで磁気バランスの均等化がなされ、磁気音が低減されたことが確認できる。
図6は、縦軸を磁気音の音圧とし、横軸をロータ3の回転数とした場合の磁気音の音圧データの変化を示すグラフである。なお、磁気バランスが擬似的に均等化された比較例2の音圧データに近いほど、磁気バランスが良好であるといえる。
実施例1の磁気音の音圧データは、広範囲の回転数にわたって、磁気バランス調整コイル65Aを設けていない比較例1の磁気音の音圧データよりも低くなっていることが確認できる。すなわち、実施例1は、磁気バランス調整コイル65Aを設けることで磁気バランスの均等化がなされ、磁気音が低減されたことが確認できる。
(効果)
本実施形態によれば、直流負荷用コイル60に流れる電流値aを磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値bで除算し、直流負荷用コイル60の巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように、直流負荷用コイル60の巻数αおよび磁気バランス調整コイルの巻数βを設定している。これにより、直流負荷用コイル60のアンペアターン数α×aと、磁気バランス調整コイルのアンペアターン数β×bとを略同一に設定できるので、ステータ本体部17aの中心軸Oを挟んで対向する全てのコイルの誘導起電力を略同一に設定できる。したがって、直流負荷用コイル60の間に交流負荷用コイル65が不均等に配置された場合であっても、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65の磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる。
本実施形態によれば、直流負荷用コイル60に流れる電流値aを磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値bで除算し、直流負荷用コイル60の巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように、直流負荷用コイル60の巻数αおよび磁気バランス調整コイルの巻数βを設定している。これにより、直流負荷用コイル60のアンペアターン数α×aと、磁気バランス調整コイルのアンペアターン数β×bとを略同一に設定できるので、ステータ本体部17aの中心軸Oを挟んで対向する全てのコイルの誘導起電力を略同一に設定できる。したがって、直流負荷用コイル60の間に交流負荷用コイル65が不均等に配置された場合であっても、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65の磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる。
また、本実施形態によれば、直流負荷用コイル60の直流負荷用コイル群61を形成することにより、直流負荷用コイル60が周方向に隣り合うように配置されるとともに、交流負荷用コイル65も周方向に隣り合うように配置できる。これにより、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65を分散して配置した場合と比較して、各ティース16への直流負荷用コイル巻線60aおよび交流負荷用コイル巻線65aのわたりの長さを短縮できる。したがって、容易に各コイルを形成でき、低コストなステータ4を形成できる。そして、複数の直流負荷用コイル群61を有し、直流負荷用コイル60の間に交流負荷用コイル65が不均等に配置された場合であっても、直流負荷用コイル60および交流負荷用コイル65の磁気バランスの均等化ができ、磁気音や振動を低減できる。
また、本実施形態によれば、12個のティース16を有し、5個の直流負荷用コイル60を有し、7個の交流負荷用コイル65を有するステータ4を備えた発電機1に好適である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態では、請求項の第1コイルを直流負荷用コイル60とし、請求項の第2コイルを交流負荷用コイル65とし、複数の交流負荷用コイル65のうち1個を磁気バランス調整コイル65Aに設定した。しかし、請求項の第1コイルを交流負荷用コイル65とし、請求項の第2コイルを直流負荷用コイル60とし、複数の直流負荷用コイル60のうち1個を磁気バランス調整コイルに設定してもよい。
本実施形態では、請求項の第1コイルを直流負荷用コイル60とし、請求項の第2コイルを交流負荷用コイル65とし、複数の交流負荷用コイル65のうち1個を磁気バランス調整コイル65Aに設定した。しかし、磁気バランス調整コイル65Aの個数は1個に限られることはない。
本実施形態では、発電機1として12個のティース16を有し、5個の直流負荷用コイル60を有し、7個の交流負荷用コイル65を有する4極の発電機1を例に説明をした。しかし、発電機1のティース数、直流負荷用コイル60の個数、交流負荷用コイル65の個数、および極数等はこれに限られることはなく、偶数個のティース16を備える限り、種々の設計変更が可能である。
本実施形態では、直流負荷用コイル60には電流値a=2.2アンペアが流れ、磁気バランス調整コイル65Aには電流値b=4.2アンペアが流れていた。また、直流負荷用コイル60の巻数α=41ターンとし、交流負荷用コイル65の巻数を43ターンとし、磁気バランス調整コイル65Aの巻数β=21ターンと設定した。しかし、電流値a、電流値b、巻数α、巻数βの各値は上述の値に限定されることはない。
直流負荷用コイル60に流れる電流値aを磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値bで除算し、直流負荷用コイル60の巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように各値を種々設定することで、本発明の効果が得られる。
直流負荷用コイル60に流れる電流値aを磁気バランス調整コイル65Aに流れる電流値bで除算し、直流負荷用コイル60の巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように各値を種々設定することで、本発明の効果が得られる。
本実施形態では、マグネット8はフェライトマグネットであったが、フェライトマグネットに限定されることはなく、例えばネオジム等の希土類からなるマグネットであってもよい。
本実施形態では、発電機1の一例として、アウタロータ型の発電機を例に説明したが、本発明の適用はこれに限られることはなく、例えばインナロータ型の発電機や、三相のスタータジェネレータ等に適用してもよい。
1 発電機
16 ティース
17 ステータコア
17a ステータ本体部
60 直流負荷用コイル(第1コイル)
61 直流負荷用コイル群(第1コイル群)
60a 直流負荷用コイル巻線(巻線)
65 交流負荷用コイル(第2コイル)
65a 交流負荷用コイル巻線(巻線)
65A 磁気バランス調整コイル
a 直流負荷用コイルに流れる電流値(第1コイルに流れる電流値)
b 交流負荷用コイルに流れる電流値(第2コイルに流れる電流値)
LD 直流負荷(第1負荷)
LA 交流負荷(第2負荷)
α 直流負荷用コイルの巻数(第1コイルの巻数)
β 交流負荷用コイルの巻数(第2コイルの巻数)
O 中心軸
16 ティース
17 ステータコア
17a ステータ本体部
60 直流負荷用コイル(第1コイル)
61 直流負荷用コイル群(第1コイル群)
60a 直流負荷用コイル巻線(巻線)
65 交流負荷用コイル(第2コイル)
65a 交流負荷用コイル巻線(巻線)
65A 磁気バランス調整コイル
a 直流負荷用コイルに流れる電流値(第1コイルに流れる電流値)
b 交流負荷用コイルに流れる電流値(第2コイルに流れる電流値)
LD 直流負荷(第1負荷)
LA 交流負荷(第2負荷)
α 直流負荷用コイルの巻数(第1コイルの巻数)
β 交流負荷用コイルの巻数(第2コイルの巻数)
O 中心軸
Claims (3)
- ステータ本体部から前記ステータ本体部の径方向に沿うように延びる4個以上の偶数個のティースを備えたステータコアと、
前記複数のティースのうち一部の前記ティースに集中巻方式により巻装され、第1負荷に電流を供給するための第1コイルと、
前記第1コイルが巻装された前記一部のティース以外の前記ティースに集中巻方式により巻装され、第2負荷に電流を供給するための第2コイルと、
を備え、
前記第2コイルの個数が前記第1コイルの個数の整数倍でなく、且つ前記第1コイルと前記第2コイルとが不均等に配置された発電機において、
前記複数の第2コイルのうち、前記ステータコアの中心軸を挟んで前記第1コイルと対向する前記第2コイルを磁気バランス調整コイルとし、
前記第1コイルに流れる電流値をaアンペアとし、
前記第1コイルの巻数をαとし、
前記磁気バランス調整コイルに流れる電流値をbアンペアとし、
前記磁気バランス調整コイルの巻数をβとしたとき、
前記電流値aを前記電流値bで除算し、前記第1コイルの巻数αを乗算した後、小数点以下を四捨五入して得られた値と、前記磁気バランス調整コイルの巻数βの値とが同じになるように、前記第1コイルの巻数αおよび前記磁気バランス調整コイルの巻数βを設定したことを特徴とする発電機。 - 請求項1に記載の発電機であって、
少なくとも2個の前記第1コイルが周方向に隣り合うように配置されて第1コイル群を少なくとも2個形成し、
これら第1コイル群間に、前記第2コイルが不均等に配置されていることを特徴とする発電機。 - 請求項2に記載の発電機であって、
前記ティースを12個設け、
前記各ティースに周回り一方向に向かって順に1番から12番まで番号を付したとき、
周回り一方向に向かって1番、2番、6番、7番、8番ティースに、この順で巻線を集中巻方式にて巻回することにより前記第1コイルを形成し、
周回り一方向に向かって3番、4番、5番、9番、10番、11番、12番ティースに、この順で巻線を集中巻方式にて巻回することにより前記第2コイルを形成し、
前記第2コイルのうち、前記12番ティースに形成した前記第2コイルが前記磁気バランス調整コイルであることを特徴とする発電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011187615A JP2013051784A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | 発電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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- 2011-08-30 JP JP2011187615A patent/JP2013051784A/ja not_active Withdrawn
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