JP2013047513A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Ryuzo Sotojima
隆造 外島
Yoshitaka Shibamoto
祥孝 芝本
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Kazuhiko Matsukawa
和彦 松川
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Abstract

【課題】可動スクロールのボス部において偏心軸部の片当たりを防止すること。
【解決手段】軸受(17,51)によって支持された主軸部(61)と、主軸部(61)の端部に形成され且つ可動スクロール(36)のボス部(39)に挿通された偏心軸部(65)とを有する駆動軸(60)を備えている。駆動軸(60)では、回転停止時において、主軸部(61)の軸心方向は可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と平行であり、偏心軸部(65)の軸心方向は主軸部(61)の軸心方向に対して傾いている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スクロール型圧縮機に関し、駆動軸の摺動損失の低減対策に係るものである。
例えば特許文献1に開示されているように、スクロール型圧縮機では、電動機に連結される主軸部と、該主軸部の端部に形成されて可動スクロールのボス部に挿通される偏心軸部とを有する駆動軸が設けられている。この種のスクロール型圧縮機では、流体の圧縮による圧縮荷重が可動スクロールのボス部を介して駆動軸の偏心軸部に作用するため、駆動軸が撓んでしまう。駆動軸が撓むと、軸受の端部に駆動軸が局部的に接触する片当たり現象が生じる。そうすると、駆動軸と軸受との接触面圧が増大して、軸受における摺動損失および摩耗が増大してしまう。その結果、スクロール型圧縮機の運転効率および信頼性の低下を招く。
ここで、駆動軸において、主軸部は電動機の両側に設けられた軸受によって両持ち支持されているが、偏心軸部は片持ち支持されている。そのため、駆動軸では偏心軸部の撓みがより大きい。したがって、駆動軸では、偏心軸部と可動スクロールのボス部との片当たり現象が顕著となり、ボス部における摺動損失および摩耗が著しく大きかった。
そこで、従来では、例えば特許文献2に開示されているように、偏心軸部と可動スクロールのボス部との片当たり現象を抑制する対策が施されている。この特許文献2では、ボス部の先端面に環状溝を形成して、いわゆる弾性軸受を構成することによって、偏心軸部とボス部との片当たりによる接触面圧の増大を抑制するようにしている。
特開2011−17292号公報 特開2003−206873号公報
上述した特許文献2のような対策では、偏心軸部とボス部との接触面圧を低減するに留まり、片当たりを防止することはできない。そのため、ボス部における摺動損失および摩耗を十分に低減することはできず、その結果、スクロール型圧縮機の運転効率および信頼性を大して向上させることができないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スクロール型圧縮機において、駆動軸の偏心軸部と可動スクロールのボス部との片当たりを防止して、ボス部における摺動損失および摩耗を十分に低減することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、駆動軸(60)が圧縮室(41)の圧縮荷重によって撓んだ際、偏心軸部(65)の軸心方向が可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と平行となる(一致する)ように、予め偏心軸部(65)を主軸部(61)に対して傾けて設けるようにしたものである。
具体的に、第1の発明は、互いに噛合して流体の圧縮室(41)を形成する固定スクロール(31)および可動スクロール(36)を備えると共に、軸受(17,51)によって回転自在に支持された主軸部(61)と、該主軸部(61)の端部に形成され且つ上記可動スクロール(36)のボス部(39)に挿通された偏心軸部(65)とを有して上記可動スクロール(36)を偏心回転させる駆動軸(60)を備えたスクロール型圧縮機を対象としている。そして、上記主軸部(61)の軸心方向は、回転停止時において、上記可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と平行であり、回転時に上記駆動軸(60)が撓むことによって上記偏心軸部(65)の軸心方向が上記可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と一致するように、上記偏心軸部(65)の軸心方向は回転停止時において上記主軸部(61)の軸心方向に対して傾いている。
上記第1の発明では、圧縮室(41)の流体圧力によって生じる圧縮荷重が作用して偏心軸部(65)が撓むであろう方向と反対方向に、偏心軸部(65)が傾いて形成される。これにより、回転時においては、圧縮荷重によって駆動軸(60)が撓むのに伴って、偏心軸部(65)は変位して軸心方向がボス部(39)の軸心方向と平行な(一致する)状態となる。これによって、ボス部(39)における偏心軸部(65)の片当たりが防止される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記偏心軸部(65)の軸心方向の上記主軸部(61)の軸心方向に対する傾き角θは、上記偏心軸部(65)の外径および上記可動スクロール(36)のボス部(39)の内径をそれぞれDpおよびDbとし、上記ボス部(39)における上記偏心軸部(65)の挿通長さをLとした場合、次式を満たす値である。
Figure 2013047513
上記第2の発明では、偏心軸部(65)の傾き角θが上記を数式を満たすことで、図4(B)に示すように、回転停止時において偏心軸部(65)がボス部(39)に接触しない程度に傾く。そのため、圧縮荷重が未だ小さい回転初期時においても偏心軸部(65)の片当たりが防止される。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記偏心軸部(65)の軸心方向が、上記主軸部(61)の軸心方向に対して、上記圧縮室(41)の流体圧力によって発生する荷重の作用方向とは反対方向へ傾いている。
上記第3の発明では、例えば、圧縮荷重のうち比較的大きな接線方向ガス力FT(図3に示す)の作用方向と反対方向に偏心軸部(65)が傾いて形成される。そのため、より圧縮荷重に対応することができ、確実に偏心軸部(65)の軸心方向をボス部(39)の軸心方向と平行にすることができる。よって、片当たりが効果的に防止される。
本発明によれば、回転停止時において、主軸部(61)の軸心方向が回転停止時において可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と平行となり、回転時に駆動軸(60)が撓むことによって偏心軸部(65)の軸心方向が可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と一致するように、偏心軸部(65)の軸心方向が回転停止時において主軸部(61)の軸心方向に対して傾いている。そのため、回転時には、偏心軸部(65)の軸心方向をボス部(39)の軸心方向と平行な状態にすることができる。これにより、ボス部(39)における偏心軸部(65)の片当たりを防止して、偏心軸部(65)の外周面とボス部(39)の内周面とを満遍なく接触させることができる。その結果、ボス部(39)と偏心軸部(65)との接触面圧を減少させることができ、ボス部(39)における摺動損失および摩耗を低減することができる。よって、スクロール型圧縮機(10)の運転効率および信頼性を向上させることができる。
また、ボス部(39)と偏心軸部(65)との接触面圧を減少できるため、偏心軸部(65)の軸径およびボス部(39)の内径を小さくすることが可能となる。つまり、ボス部(39)において、片当たりが発生したときに生じる過大な接触面圧を基準にする必要がないため、必要な摺動面積を低減することができる。
また、第2の発明によれば、回転停止時において偏心軸部(65)がボス部(39)に接触しない程度に偏心軸部(65)の傾き角θを設定するようにしたため、圧縮荷重が未だ小さい回転初期時においても偏心軸部(65)がボス部(39)に片当たりするのを防止することが可能となる。その結果、ボス部(39)における摺動損失および摩耗を一層低減することができる。
また、第3の発明によれば、例えば比較的大きな圧縮荷重の作用方向の反対方向に、偏心軸部(65)を傾けるようにしたため、より圧縮荷重に対応することができ、確実に偏心軸部(65)の軸心方向をボス部(39)の軸心方向と平行にすることができる。したがって、ボス部(39)における偏心軸部(65)の片当たりを効果的に防止することができる。
図1は、実施形態のスクロール型圧縮機の概略構成を示す縦断面図である。 図2は、駆動軸を示す正面図である。 図3は、圧縮機構の要部を示す横断面図である。 図4は、駆動軸の偏心軸部と可動スクロールのボス部を拡大して示す断面図であり、(A)は回転時を示し、(B)は停止時を示す。 図5は、駆動軸の主軸部と上部軸受を拡大して示す断面図である。 図6は、スクロール型圧縮機の回転時の概略構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態に係るスクロール型圧縮機(10)は、冷凍装置の冷媒回路に接続されている。つまり、冷凍装置では、スクロール型圧縮機(10)で圧縮された冷媒(例えば、二酸化炭素)が、冷媒回路を循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
図1に示すように、スクロール型圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、該ケーシング(11)に収納された電動機(20)および圧縮機構(30)とを備えている。ケーシング(11)は、縦長の円筒状に形成され、密閉ドームに構成されている。
電動機(20)は、駆動軸(60)を回転させて圧縮機構(30)を駆動させる駆動機構を構成している。電動機(20)は、ケーシング(11)に固定された固定子(21)と、該固定子(21)の内側に配置された回転子(22)とを備えている。回転子(22)は、駆動軸(60)が貫通し、該駆動軸(60)に固定されている。
ケーシング(11)の胴部には、上部寄りに吸入管(12)が貫通して固定される一方、頂部には、吐出管(13)が貫通して固定されている。なお、図示しないが、ケーシング(11)の底部は潤滑油が貯留された油溜まり部を構成している。
ケーシング(11)には、電動機(20)の上方に位置するハウジング(50)が固定されると共に、該ハウジング(50)の上方に圧縮機構(30)が設けられている。そして、吸入管(12)の流出端は圧縮機構(30)に接続され、吐出管(13)の流入端は後述する上部空間(15)に開口している。
駆動軸(60)は、ケーシング(11)に沿って上下方向に配置され、主軸部(61)と、該主軸部(61)の上端に形成された偏心軸部(65)とを備えている。駆動軸(60)の詳細な構成については後述する。
圧縮機構(30)は、ハウジング(50)の上面に固定された固定スクロール(31)と、該固定スクロール(31)に噛合する可動スクロール(36)とを備えている。可動スクロール(36)は、固定スクロール(31)とハウジング(50)との間に配置され、該ハウジング(50)に設置されている。
ハウジング(50)は、外周部に環状部(52)が形成されると共に、中央部の上部に凹陥部(53)が形成されて中央部が凹んだ皿状に形成され、凹陥部(53)の下方が上部軸受(51)を構成している。ハウジング(50)は、ケーシング(11)に圧入固定され、ケーシング(11)の内周面とハウジング(50)の環状部(52)の外周面とは全周に亘って気密状に密着されている。そして、ハウジング(50)は、ケーシング(11)の内部を、圧縮機構(30)が収納される上部空間(15)と電動機(20)が収納される下部空間(16)とに仕切っている。下部空間(16)には、電動機(20)の下方に主軸部(61)の下部軸受(17)が設けられている。下部軸受(17)は、ケーシング(11)の内周面に固定されている。
固定スクロール(31)は、ハウジング(50)に固定される固定部材を構成している。固定スクロール(31)は、鏡板(32)と、該鏡板(32)の外周に連続的に形成される外縁部(33)と、該外縁部(33)の内側において鏡板(32)の正面(図1における下面)に立設するラップ(34)とを備えている。鏡板(32)は、略円板状に形成されている。外縁部(33)は、鏡板(32)から下方に突出するように形成されている。ラップ(34)は、渦巻き状(インボリュート状)に形成されている(図3を参照)。外縁部(33)の先端面とラップ(34)の先端面とは、略面一に形成されている。
可動スクロール(36)は、固定スクロール(31)に対して旋回(偏心回転)する可動部材を構成している。可動スクロール(36)は、鏡板(37)と、該鏡板(37)の正面(図1における上面)に立設するラップ(38)と、鏡板(37)の背面中心部に形成された筒状のボス部(39)とを備えている。ラップ(38)は、渦巻き状(インボリュート状)に形成されている(図3を参照)。ボス部(39)は、ハウジング(50)の凹陥部(53)に収容されている。また、ボス部(39)には、駆動軸(60)の偏心軸部(65)が挿入されている。これにより、可動スクロール(36)は、駆動軸(60)を介して電動機(20)と連結されている。ボス部(39)は、駆動軸(60)の偏心軸部(65)の軸受部を兼用している。
圧縮機構(30)は、可動スクロール(36)のラップ(38)と、固定スクロール(31)のラップ(34)とが噛合するように構成されている。圧縮機構(30)では、両者のラップ(34,38)の接触部の間に圧縮室(41)が形成されている。
固定スクロール(31)の外縁部(33)には、吸入ポート(図示せず)が形成されており、その吸入ポートには、吸入管(12)が接続されている。また、固定スクロール(31)の鏡板(32)の中央には、吐出口(35)が形成されている。吐出口(35)は、上部空間(15)に開口している。したがって、上部空間(15)は、圧縮機構(30)の吐出冷媒の圧力に相当する高圧雰囲気となっている。
なお、ハウジング(50)の環状部(52)には、上面にシールリング(43)が設けられている。シールリング(43)は、凹陥部(53)を気密に仕切っている。また、ハウジング(50)には、可動スクロール(36)の自転を阻止するためのオルダム継手(42)が設けられている。オルダム継手(42)は、ハウジング(50)の環状部(52)の上面に設けられており、可動スクロール(36)の鏡板(37)とハウジング(50)とに摺動自在に嵌め込まれている。
〈駆動軸および軸受の構成〉
上述したように、駆動軸(60)は、主軸部(61)と偏心軸部(65)を備えている。主軸部(61)は、電動機(20)の回転子(22)に固定される中径部(63)と、該中径部(63)の上側に形成されハウジング(50)の上部軸受(51)に支持される大径部(62)と、中径部(63)の下側に形成され下部軸受(22)に支持される小径部(64)とを有している。
偏心軸部(65)の軸心は、主軸部(61)の軸心に対して所定量だけ偏心している。そして、図2に示すように、駆動軸(60)は、回転停止時において、主軸部(61)の軸心方向が可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向(即ち、上部軸受(51)および下部軸受(17)の軸心方向)と平行であり、偏心軸部(65)の軸心方向が主軸部(61)の軸心方向に対して傾き角θだけ傾いている。つまり、駆動軸(60)は、偏心軸部(65)が主軸部(61)に対して傾いて形成されている。
偏心軸部(65)の傾き方向は、圧縮室(41)のガス冷媒の圧力によって発生する接線方向ガス力Ftの作用方向と反対方向である。図3に示すように、可動スクロール(36)には、圧縮荷重である接線方向ガス力FTと半径方向ガス力FRが作用する。この接線方向ガス力FTと半径方向ガス力FRは、次式で表される。
Figure 2013047513
Figure 2013047513
ここに、P1およびP2は圧縮室(41)における圧縮途中のガス冷媒の圧力であり、PLおよびPHは吸入圧力および吐出圧力であり、l1,l2および2bはラップ(34,38)同士の接触点間距離であり、Lはラップ(34,38)の高さである。本実施形態では、半径方向ガス力FRよりも値の大きい接線方向ガス力FTの作用方向を基準に偏心軸部(65)の傾き方向を定めている。
また、偏心軸部(65)の傾き角θは、図4に示すように、偏心軸部(65)の外径および可動スクロール(36)のボス部(39)の内径をそれぞれDpおよびDbとし、ボス部(39)における偏心軸部(65)の挿通長さをLとした場合、次式を満たすように設定される。
Figure 2013047513
つまり、本実施形態において、傾き角θは、偏心軸部(65)が回転停止時にボス部(39)と接触しない程度に設定される(図4(B)参照)。具体的に、傾き角θは、0.1/1000rad≦θ≦3/1000radに設定される。
また、図5に示すように、主軸部(61)の大径部(62)は、上部軸受(51)に接する部分にクラウニング部(62a)が形成されている。クラウニング部(62a)は、クラウニング加工が施された部分である。本実施形態では、大径部(62)の上端部にクラウニング部(62a)が形成されている。
さらに、図5に示すように、本実施形態の上部軸受(51)の上端には、該上部軸受(51)の軸心周りに環状溝(55)が形成されている。これによって、上部軸受(51)は、いわゆる弾性軸受を構成している。
−運転動作−
先ず、スクロール型圧縮機(10)の基本的な運転動作について説明する。
電動機(20)を作動させると、圧縮機構(30)の可動スクロール(36)が回転駆動する。可動スクロール(36)は、オルダム継手(42)によって自転を防止されているので、可動スクロール(36)が自転することはなく、駆動軸(60)の軸心を中心に旋回(偏心回転)のみを行う。つまり、固定スクロール(31)の外縁部(33)と可動スクロール(36)の鏡板(37)とが摺動しながら、可動スクロール(36)が固定スクロール(31)に対して旋回(偏心回転)する。可動スクロール(36)の旋回に伴い、圧縮室(41)の容積が中心に向かって縮小し、圧縮室(41)は、吸入管(12)より吸入されたガス冷媒を圧縮する。圧縮が完了したガス冷媒は、固定スクロール(31)の吐出口(35)を介して、上部空間(15)へ吐出される。上部空間(15)の冷媒は、吐出管(13)を介して、ケーシング(11)の外部へ流出する。
〈駆動軸および軸受の動作〉
電動機(20)が停止している状態、即ち可動スクロール(36)が回転停止している状態では、圧縮荷重が生じないため、駆動軸(60)は撓まない。具体的に、この状態の駆動軸(60)では、主軸部(61)は軸心方向が可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向(上部軸受(51)および下部軸受(17)の軸心方向)と平行になっており、偏心軸部(65)は軸心方向が主軸部(61)の軸心方向に対して所定の傾き角θで傾いている(図4(B)の状態)。つまり、主軸部(61)は鉛直方向に延びており、偏心軸部(65)は鉛直方向に対して傾いて延びている(初期傾き)。
電動機(20)が作動して可動スクロール(36)が回転すると、上述した圧縮荷重である接線方向ガス力FTと半径方向ガス力FRが可動スクロール(36)に対して作用する。ここでは、値が大きい方の接線方向ガス力FTの作用について説明する。図6に示すように、接線方向ガス力FTはボス部(39)を介して駆動軸(60)の偏心軸部(65)に作用する。つまり、接線方向ガス力FTは偏心軸部(65)に対して偏心軸部(65)の傾き方向(図6では左方向)と反対方向(図6では右方向)へ作用する。そうすると、駆動軸(60)は、上部軸受(51)および下部軸受(17)を支持点として、両端が図6において右方向へ撓む。この撓みに伴って、偏心軸部(65)は変位(起伏)して軸心方向がボス部(39)の軸心方向と平行となる(一致する)。つまり、偏心軸部(65)は鉛直方向に延びた状態となる。これによって、偏心軸部(65)の外周面とボス部(39)の内周面とが満遍なく接触する。その結果、ボス部(39)における偏心軸部(65)の片当たりが防止される。このように、本実施形態の駆動軸(60)では、回転時に駆動軸(60)が撓むことによって偏心軸部(65)の軸心方向が可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と一致するように、偏心軸部(65)の軸心方向が回転停止時において主軸部(61)の軸心方向に対して傾いている。
また、回転停止時において偏心軸部(65)がボス部(39)に接触しない程度に偏心軸部(65)の傾き角θが設定されているため、接線方向ガス力FTが未だ小さい回転初期時において偏心軸部(65)がボス部(39)に片当たりする現象が防止される。
また、上述したように駆動軸(60)が撓むと、上部軸受(51)において主軸部(61)の大径部(62)が片当たりする。ところが、本実施形態では、主軸部(61)の大径部(62)にクラウニング部(62a)を形成すると共に、上部軸受(51)を弾性軸受としているため、片当たりによる接触面圧の増大が緩和される。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、回転停止時において、主軸部(61)の軸心方向が可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と平行となり、偏心軸部(65)の軸心方向が主軸部(61)の軸心方向に対して圧縮荷重が作用する方向と反対方向に傾くように、駆動軸(60)を構成するようにした。そのため、回転時には、偏心軸部(65)の軸心方向をボス部(39)の軸心方向と平行な状態にすることができる。これにより、ボス部(39)における偏心軸部(65)の片当たりを防止して、偏心軸部(65)の外周面とボス部(39)の内周面とを満遍なく接触させることができる。その結果、ボス部(39)と偏心軸部(65)との接触面圧を減少させることができ、ボス部(39)における摺動損失および摩耗を低減することができる。よって、スクロール型圧縮機(10)の運転効率および信頼性を向上させることができる。このように、本実施形態では、偏心軸部(65)が圧縮荷重によって撓むであろう方向と反対方向に、予め偏心軸部(65)を傾けて形成するようにしたものである。
特に、本実施形態では、圧縮荷重のうち比較的大きな接線方向ガス力FTの作用方向の反対方向に、偏心軸部(65)を傾けるようにしたため、より圧縮荷重に対応することができ、確実に偏心軸部(65)の軸心方向をボス部(39)の軸心方向と平行にすることができる。したがって、ボス部(39)における偏心軸部(65)の片当たりを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、回転停止時において偏心軸部(65)がボス部(39)に接触しない程度に偏心軸部(65)の傾き角θ(0.1/1000rad≦θ≦3/1000rad)を設定するようにしたため、圧縮荷重が未だ小さい回転初期時においても偏心軸部(65)がボス部(39)に片当たりするのを防止することが可能となる。その結果、ボス部(39)における摺動損失および摩耗を一層低減することができる。
また、ボス部(39)と偏心軸部(65)との接触面圧を減少できるため、偏心軸部(65)の軸径およびボス部(39)の内径を小さくすることが可能となる。つまり、ボス部(39)において、片当たりが発生したときに生じる過大な接触面圧を基準にする必要がないため、必要な摺動面積を低減することができる。
また、本実施形態では、主軸部(61)の大径部(62)にクラウニング部(62a)を形成すると共に、上部軸受(51)を弾性軸受としているため、上部軸受(51)において片当たりによる接触面圧の増大を緩和することができる。これにより、上部軸受(51)における摺動損失および摩耗を低減することができる。よって、スクロール型圧縮機(10)の運転効率および信頼性を一層向上させることができる。
また、本実施形態のスクロール型圧縮機(10)において、冷媒として二酸化炭素が用いられた場合、二酸化炭素がその臨界圧力以上まで圧縮される(超臨界冷凍サイクル)。この場合、圧縮荷重が大きくなるため、駆動軸(60)の撓みが増大して偏心軸部(65)の片当たりが生じやすくなるが、本実施形態によれば、その片当たりを確実に防止することができる。
−その他の実施形態−
上記実施形態については、以下のような構成としても良い。
例えば、上記実施形態では、主軸部(61)の大径部(62)にクラウニング部(62a)を形成するようにしたが、本発明は、主軸部(61)の大径部(62)および小径部(64)の少なくとも一方にクラウニング部を形成してもよいし、何れにもクラウニング部を形成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、上部軸受(51)を弾性軸受としたが、本発明は、上部軸受(51)および下部軸受(17)の少なくとも一方を弾性軸受としてもよいし、何れも弾性軸受としなくてもよい。
また、上記実施形態において、偏心軸部(65)の傾き角θは上述した数式を満たす値に限られない。
また、上記実施形態において、用いられる冷媒は二酸化炭素に限られない。
以上説明したように、本発明は、可動スクロールと接続される偏心軸部が形成された駆動軸を備えているスクロール型圧縮機について有用である。
10 スクロール型圧縮機
17 下部軸受(軸受)
31 固定スクロール
36 可動スクロール
39 ボス部
41 圧縮室
51 上部軸受(軸受)
60 駆動軸
61 主軸部
65 偏心軸部

Claims (3)

  1. 互いに噛合して流体の圧縮室(41)を形成する固定スクロール(31)および可動スクロール(36)を備えると共に、軸受(17,51)によって回転自在に支持された主軸部(61)と、該主軸部(61)の端部に形成され且つ上記可動スクロール(36)のボス部(39)に挿通された偏心軸部(65)とを有して上記可動スクロール(36)を偏心回転させる駆動軸(60)を備えたスクロール型圧縮機であって、
    上記主軸部(61)の軸心方向は、回転停止時において、上記可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と平行であり、
    回転時に上記駆動軸(60)が撓むことによって上記偏心軸部(65)の軸心方向が上記可動スクロール(36)のボス部(39)の軸心方向と一致するように、上記偏心軸部(65)の軸心方向は回転停止時において上記主軸部(61)の軸心方向に対して傾いている
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記偏心軸部(65)の軸心方向の上記主軸部(61)の軸心方向に対する傾き角θは、
    上記偏心軸部(65)の外径および上記可動スクロール(36)のボス部(39)の内径をそれぞれDpおよびDbとし、上記ボス部(39)における上記偏心軸部(65)の挿通長さをLとした場合、次式を満たす値である
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
    Figure 2013047513
  3. 請求項1または2において、
    上記偏心軸部(65)の軸心方向は、上記主軸部(61)の軸心方向に対して、上記圧縮室(41)の流体圧力によって発生する荷重の作用方向とは反対方向へ傾いている
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
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